JPH11329449A - 電池用電極基板及びその製造方法 - Google Patents
電池用電極基板及びその製造方法Info
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- JPH11329449A JPH11329449A JP10126089A JP12608998A JPH11329449A JP H11329449 A JPH11329449 A JP H11329449A JP 10126089 A JP10126089 A JP 10126089A JP 12608998 A JP12608998 A JP 12608998A JP H11329449 A JPH11329449 A JP H11329449A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Powder Metallurgy (AREA)
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電池用電極基板としてNi金属多孔体と
同等の品質を有するFe骨格とNi表面部とからなる2
層構造の金属多孔体を提供すること。 【解決手段】 電池用集電体に用いる活物質保持体であ
って、気孔率90%以上の連通気孔を有する金属多孔体
構造をなし、多孔体骨格内部がFeで、その表面部がN
iで被覆されているFe/Ni2層構造であって、表面
にNi層が被覆されてないFe露出部に結晶質またはア
モルファス状の鉄酸化物層が形成されていることを特徴
とする電池用電極基板。
同等の品質を有するFe骨格とNi表面部とからなる2
層構造の金属多孔体を提供すること。 【解決手段】 電池用集電体に用いる活物質保持体であ
って、気孔率90%以上の連通気孔を有する金属多孔体
構造をなし、多孔体骨格内部がFeで、その表面部がN
iで被覆されているFe/Ni2層構造であって、表面
にNi層が被覆されてないFe露出部に結晶質またはア
モルファス状の鉄酸化物層が形成されていることを特徴
とする電池用電極基板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル−カドミ
ウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池な
どアルカリ蓄電池などに用いる電池用電極基板に関す
る。
ウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池な
どアルカリ蓄電池などに用いる電池用電極基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の電池として使われる蓄電池として
鉛蓄電池とアルカリ蓄電池がある。このうちアルカリ蓄
電池は高信頼性が期待でき、小型軽量化も可能などの理
由で小型電池は各種ポータブル機器用に、大型は産業用
として広く使われてきた。このアルカリ蓄電池におい
て、負極としてはカドミウムの他に亜鉛、鉄、水素など
が対象となっている。しかし正極としては一部空気極や
酸化銀極なども取り上げられているがほとんどの場合ニ
ッケル極である。ポケット式から焼結式に代わって特性
が向上し、さらに密閉化が可能になるとともに用途も広
がった。
鉛蓄電池とアルカリ蓄電池がある。このうちアルカリ蓄
電池は高信頼性が期待でき、小型軽量化も可能などの理
由で小型電池は各種ポータブル機器用に、大型は産業用
として広く使われてきた。このアルカリ蓄電池におい
て、負極としてはカドミウムの他に亜鉛、鉄、水素など
が対象となっている。しかし正極としては一部空気極や
酸化銀極なども取り上げられているがほとんどの場合ニ
ッケル極である。ポケット式から焼結式に代わって特性
が向上し、さらに密閉化が可能になるとともに用途も広
がった。
【0003】一方、90%以上の高気孔率を持つ発泡状
もしくは繊維状のNi基板が電池用電極として採用さ
れ、電池高容量化に貢献している。このような高気孔率
を有するNi多孔体基板の製造方法としては、特開昭5
7−174484号公報に開示されて入るメッキ法によ
るものと、特公昭38−17554号公報に開示されて
いる焼結法によるものがある。メッキ法ではウレタンフ
ォームなどの発泡樹脂の骨格表面にカーボン粉末などを
塗着する事により導電化処理を行い、その上に電気メッ
キ法によりNiを電折させ、その後発泡樹脂をおよびカ
ーボンを消失させ、金属多孔体を得るという方法であ
る。一方、焼結法ではスラリー化したNi粉末をウレタ
ンフォームなどの発泡樹脂の骨格表面に含浸塗布し、そ
の後加熱する事によりNi粉末を焼結している。
もしくは繊維状のNi基板が電池用電極として採用さ
れ、電池高容量化に貢献している。このような高気孔率
を有するNi多孔体基板の製造方法としては、特開昭5
7−174484号公報に開示されて入るメッキ法によ
るものと、特公昭38−17554号公報に開示されて
いる焼結法によるものがある。メッキ法ではウレタンフ
ォームなどの発泡樹脂の骨格表面にカーボン粉末などを
塗着する事により導電化処理を行い、その上に電気メッ
キ法によりNiを電折させ、その後発泡樹脂をおよびカ
ーボンを消失させ、金属多孔体を得るという方法であ
る。一方、焼結法ではスラリー化したNi粉末をウレタ
ンフォームなどの発泡樹脂の骨格表面に含浸塗布し、そ
の後加熱する事によりNi粉末を焼結している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術に示した通り
Ni多孔体を電池用極板として、適用することにより、
電池の高容量化に果たした寄与は大きい。しかしなが
ら、Ni金属が高価であること、また、将来電気自動車
用などにこれらのアルカリ蓄電池が採用される場合、そ
の使用量は膨大な量となることが予想され、資源的にも
問題がある。
Ni多孔体を電池用極板として、適用することにより、
電池の高容量化に果たした寄与は大きい。しかしなが
ら、Ni金属が高価であること、また、将来電気自動車
用などにこれらのアルカリ蓄電池が採用される場合、そ
の使用量は膨大な量となることが予想され、資源的にも
問題がある。
【0005】本発明は、こうした実情の下にアルカリ二
次電池用電極基板として、骨格内部がFeであって、そ
の表面部がNiで被覆されているFe/Ni2層構造よ
りなる金属多孔体を提供することを目的とする。ここ
で、内部骨格となるFeは、安価でかつ資源的にも豊富
であることから、上記問題点を解決できる。
次電池用電極基板として、骨格内部がFeであって、そ
の表面部がNiで被覆されているFe/Ni2層構造よ
りなる金属多孔体を提供することを目的とする。ここ
で、内部骨格となるFeは、安価でかつ資源的にも豊富
であることから、上記問題点を解決できる。
【0006】
【課題を解決するための手段】ところで、Fe/Ni2
層構造よりなる金属多孔体構造については、例えば従来
技術として特開平2−93006のような殺菌用として
の提案があるが、電池用電極基板として適用するために
は、従来技術をそのまま適用することはできない。
層構造よりなる金属多孔体構造については、例えば従来
技術として特開平2−93006のような殺菌用として
の提案があるが、電池用電極基板として適用するために
は、従来技術をそのまま適用することはできない。
【0007】本発明者は、鋭意検討した結果、・90%
以上の連通気孔を有する金属多孔体構造を用いることに
より、電池活物質の保存性をあげかつより多くの活物質
を充填を可能とし、電池としてのサイクル寿命及び電池
容量を飛躍的に向上させること、・Feは、電池内のア
ルカリ電解液中では酸化還元され電気化学的には不安定
であることから、その表面へNiを被覆により電極とし
て耐食性を上げ、電池としての特性を向上させることが
可能になることに着目した。
以上の連通気孔を有する金属多孔体構造を用いることに
より、電池活物質の保存性をあげかつより多くの活物質
を充填を可能とし、電池としてのサイクル寿命及び電池
容量を飛躍的に向上させること、・Feは、電池内のア
ルカリ電解液中では酸化還元され電気化学的には不安定
であることから、その表面へNiを被覆により電極とし
て耐食性を上げ、電池としての特性を向上させることが
可能になることに着目した。
【0008】しかしながら、Fe骨格部の表面をNiで
完全に被覆することは困難であり、ピンホール等の何ら
かの欠陥によるFeの露出は避けられない。したがって
表面層においてNiとFeのイオン化傾向の違いから局
部電池作用による電解液中でのFeの孔食が進行し、電
池性能に悪影響を及ぼすことを確認した。そこで本発明
者はさらに検討を進めた結果、不可避的に存在するFe
露出部に結晶質またはアモルファス状の鉄酸化物層を形
成し、電解液中で安定な(腐食しない)状態とするとと
もにFeよりも貴な電位とすることで局部電池効果を低
減する。これにより電解液もしくは活物質中へのFe溶
出が低減され電池性能が向上することを知見し、本発明
に至った。
完全に被覆することは困難であり、ピンホール等の何ら
かの欠陥によるFeの露出は避けられない。したがって
表面層においてNiとFeのイオン化傾向の違いから局
部電池作用による電解液中でのFeの孔食が進行し、電
池性能に悪影響を及ぼすことを確認した。そこで本発明
者はさらに検討を進めた結果、不可避的に存在するFe
露出部に結晶質またはアモルファス状の鉄酸化物層を形
成し、電解液中で安定な(腐食しない)状態とするとと
もにFeよりも貴な電位とすることで局部電池効果を低
減する。これにより電解液もしくは活物質中へのFe溶
出が低減され電池性能が向上することを知見し、本発明
に至った。
【0009】すなわち、本発明は電池用集電体に用いる
活物質保持体であって、気孔率90%以上の連通気孔を
有する金属多孔体構造をなし、多孔体骨格内部がFe
で、その表面部がNiで被覆されているFe/Ni2層
構造であって、表面にNi層が被覆されてないFe露出
部に結晶質またはアモルファス状の鉄酸化物層が形成さ
れていることを特徴とする電池用電極基板に関する。
活物質保持体であって、気孔率90%以上の連通気孔を
有する金属多孔体構造をなし、多孔体骨格内部がFe
で、その表面部がNiで被覆されているFe/Ni2層
構造であって、表面にNi層が被覆されてないFe露出
部に結晶質またはアモルファス状の鉄酸化物層が形成さ
れていることを特徴とする電池用電極基板に関する。
【0010】さらに、電極基板の電気抵抗は電池性能、
特に出力特性に大きく影響を及ぼすことから、多孔体骨
格となるFeの純度は98%以上とすることにより低電
気抵抗を実現することができる。
特に出力特性に大きく影響を及ぼすことから、多孔体骨
格となるFeの純度は98%以上とすることにより低電
気抵抗を実現することができる。
【0011】Ni被覆層の平均厚みについては、0.0
1μm以上3μm以下が好ましい。0.01μm以下で
は耐食性が十分でないため、3μm以上では、Ni使用
量が多くなり目的である安価材料で資源問題の解決に対
応することできない。鉄酸化物層の平均厚みは0.1μ
m以上5μm以下であることが好ましい。0.1μm以
下では緻密で安定な鉄酸化物ができにくくその効果が十
分でなく、5μm以上になると金属多孔体自体が脆くな
りことから電池の極板製造工程中で割れなどの.不良発
生率が高くなり適用できなくなる。また、鉄酸化物とし
ては緻密で安定なFe3O4であることが好ましい。
1μm以上3μm以下が好ましい。0.01μm以下で
は耐食性が十分でないため、3μm以上では、Ni使用
量が多くなり目的である安価材料で資源問題の解決に対
応することできない。鉄酸化物層の平均厚みは0.1μ
m以上5μm以下であることが好ましい。0.1μm以
下では緻密で安定な鉄酸化物ができにくくその効果が十
分でなく、5μm以上になると金属多孔体自体が脆くな
りことから電池の極板製造工程中で割れなどの.不良発
生率が高くなり適用できなくなる。また、鉄酸化物とし
ては緻密で安定なFe3O4であることが好ましい。
【0012】本発明の電池用電極基板の製造方法は、平
均粒径が2μm以下の酸化鉄粉末とバインダー樹脂及び
水もしくは有機溶剤等の希釈剤を混練することでスラリ
ーを作成し、多孔性の樹脂芯体にこのスラリーを塗着し
た後乾燥させ、その後非酸化性雰囲気において950℃
以上1350℃以下の温度範囲で熱処理を行うことで、
有機樹脂成分を除去すると同時にFeの焼結を行い、気
孔率が90%以上のFe多孔体を得た後、電気Niメッ
キによりFe骨格部の表面をNiで被覆し、その後水蒸
気雰囲気中で300℃以上600℃以下の温度で熱処理
することを特徴とする。
均粒径が2μm以下の酸化鉄粉末とバインダー樹脂及び
水もしくは有機溶剤等の希釈剤を混練することでスラリ
ーを作成し、多孔性の樹脂芯体にこのスラリーを塗着し
た後乾燥させ、その後非酸化性雰囲気において950℃
以上1350℃以下の温度範囲で熱処理を行うことで、
有機樹脂成分を除去すると同時にFeの焼結を行い、気
孔率が90%以上のFe多孔体を得た後、電気Niメッ
キによりFe骨格部の表面をNiで被覆し、その後水蒸
気雰囲気中で300℃以上600℃以下の温度で熱処理
することを特徴とする。
【0013】スラリー化する方法としては酸化鉄粉末と
バインダー樹脂として例えばアクリル樹脂フェノール樹
脂などを用い希釈剤としては水もしくはアルコール等の
有機溶剤を所定の混合比率で混合した後撹拌させること
で作成することができる。このスラリーを多孔性樹脂芯
体上に塗着する方法としては、スラリー液を多孔性樹脂
に含浸させた後絞りロールで過剰含浸分を除去する方法
や、スラリー液をスプレーにより吹き付ける方法などを
用いることができる。
バインダー樹脂として例えばアクリル樹脂フェノール樹
脂などを用い希釈剤としては水もしくはアルコール等の
有機溶剤を所定の混合比率で混合した後撹拌させること
で作成することができる。このスラリーを多孔性樹脂芯
体上に塗着する方法としては、スラリー液を多孔性樹脂
に含浸させた後絞りロールで過剰含浸分を除去する方法
や、スラリー液をスプレーにより吹き付ける方法などを
用いることができる。
【0014】次いで、これらの方法により酸化鉄粉末が
塗着された多孔性樹脂を非酸化性雰囲気により熱処理す
ることにより、樹脂芯体やバインダー等の有機樹脂成分
を除去すると同時に酸化鉄を鉄に還元し、鉄の焼結を行
う。熱処理の雰囲気としては例えば窒素ガス、水素ガス
やアンモニア分解ガスもしくはそれらの混合ガス等を用
いる。熱処理温度としては還元及び焼結に必要な温度と
して950℃以上1350℃以下とする。ここで、95
0℃以下では十分に還元焼結が進まず、1350℃を越
えると多孔性の骨格構造が維持できず平板状の焼結体と
なってしまう。またより好ましくは、1050℃以上1
300℃以下が良い。以上の手順により、90%以上の
気孔率を持つ鉄多孔体が得られる。次に、上記の方法に
より得られる鉄多孔体に、電気NiメッキによりNi被
膜を形成することで、特にアルカリ二次電池中における
強アルカリ溶液中での強固な耐食性をもった金属多孔体
が得られる。
塗着された多孔性樹脂を非酸化性雰囲気により熱処理す
ることにより、樹脂芯体やバインダー等の有機樹脂成分
を除去すると同時に酸化鉄を鉄に還元し、鉄の焼結を行
う。熱処理の雰囲気としては例えば窒素ガス、水素ガス
やアンモニア分解ガスもしくはそれらの混合ガス等を用
いる。熱処理温度としては還元及び焼結に必要な温度と
して950℃以上1350℃以下とする。ここで、95
0℃以下では十分に還元焼結が進まず、1350℃を越
えると多孔性の骨格構造が維持できず平板状の焼結体と
なってしまう。またより好ましくは、1050℃以上1
300℃以下が良い。以上の手順により、90%以上の
気孔率を持つ鉄多孔体が得られる。次に、上記の方法に
より得られる鉄多孔体に、電気NiメッキによりNi被
膜を形成することで、特にアルカリ二次電池中における
強アルカリ溶液中での強固な耐食性をもった金属多孔体
が得られる。
【0015】次いで、水蒸気雰囲気中で300℃以上6
00℃以下の温度で熱処理することにより、不可避的に
存在するFe露出部を酸化し安定な酸化物層を形成す
る。水蒸気中で処理することにより緻密なFe3O4を形
成することができる。ここで300℃より低い温度では
形成される酸化物層の成長速度が遅く実用的でないこと
と比較的ポーラスな酸化物層となることから好ましくな
い。また600℃を越えると成長速度が速くなりすぎ膜
厚の制御が困難になるため好ましくない。
00℃以下の温度で熱処理することにより、不可避的に
存在するFe露出部を酸化し安定な酸化物層を形成す
る。水蒸気中で処理することにより緻密なFe3O4を形
成することができる。ここで300℃より低い温度では
形成される酸化物層の成長速度が遅く実用的でないこと
と比較的ポーラスな酸化物層となることから好ましくな
い。また600℃を越えると成長速度が速くなりすぎ膜
厚の制御が困難になるため好ましくない。
【0016】さらに本発明では、電気Niメッキ後、水
蒸気中熱処理の前に、非酸化性雰囲気において熱処理を
行うことでNi皮膜の密着性の向上およびメッキによる
残留応力を緩和する方法も提供する。ここで熱処理温度
は500℃以上700℃以下であることが好ましい。5
00℃より低い温度では残留応力の緩和に十分な効果が
得られないこと、また700℃を越えるとeとNiの合
金化が進行し電気抵抗および強度特性が低下する。
蒸気中熱処理の前に、非酸化性雰囲気において熱処理を
行うことでNi皮膜の密着性の向上およびメッキによる
残留応力を緩和する方法も提供する。ここで熱処理温度
は500℃以上700℃以下であることが好ましい。5
00℃より低い温度では残留応力の緩和に十分な効果が
得られないこと、また700℃を越えるとeとNiの合
金化が進行し電気抵抗および強度特性が低下する。
【0017】
【作用】金属多孔体の母層となるFeは安価で資源的に
豊富であることから、電池用電極基板として安価にかつ
大量に供給することが可能である。Fe表面のNi皮膜
は、アルカリ蓄電池における強アルカリ溶液中での耐食
性が極めて良いため、電極基板としての金属多孔体を電
池内部で安定に維持できる。また、電池用電極基板にお
いては、基板の電気抵抗が電池性能に大きく影響を及ぼ
すことから、Feの純度が下がると電気抵抗は大きくな
るため純度が高いことが必要である。98%以上の純度
であれば、ほぼ純鉄に近い電気抵抗が得られる。
豊富であることから、電池用電極基板として安価にかつ
大量に供給することが可能である。Fe表面のNi皮膜
は、アルカリ蓄電池における強アルカリ溶液中での耐食
性が極めて良いため、電極基板としての金属多孔体を電
池内部で安定に維持できる。また、電池用電極基板にお
いては、基板の電気抵抗が電池性能に大きく影響を及ぼ
すことから、Feの純度が下がると電気抵抗は大きくな
るため純度が高いことが必要である。98%以上の純度
であれば、ほぼ純鉄に近い電気抵抗が得られる。
【0018】また、Ni被覆層についてはアルカリ電解
液中での耐食性と電気抵抗の2点から、母層となるFe
の拡散が小さいことが必要であり、Feの拡散が多い
と、耐食性が劣ると同時に電気抵抗も上昇する。さらに
不可避的に存在するFe露出部に鉄酸化物層を形成する
ことで電池中でのFeの溶出を防ぎ電池性能向上が実現
できる。
液中での耐食性と電気抵抗の2点から、母層となるFe
の拡散が小さいことが必要であり、Feの拡散が多い
と、耐食性が劣ると同時に電気抵抗も上昇する。さらに
不可避的に存在するFe露出部に鉄酸化物層を形成する
ことで電池中でのFeの溶出を防ぎ電池性能向上が実現
できる。
【0019】
【実施例】Fe2O3粉末50wt%とフェノール樹脂1
0wt%、カルボキシルメチルセルロース2wt%水3
8wt%で配合し、この配合物をボールミルにて12時
間混合させてスラリー液を作製した。次いで厚さ2.5
mmで1インチ当たりの空孔数が約50個のポリウレタ
ンフォームをスラリー液中に含浸させ過剰付着分をロー
ル絞りにより除去し、120℃大気中で5分乾燥させる
ことにより、Fe2O3粉末が塗着された多孔性樹脂を作
製した。次に水蒸気流中で1150℃、10分の熱処理
を行うことにより焼結を行い、表1に示す各種Fe多孔
体を作製した。
0wt%、カルボキシルメチルセルロース2wt%水3
8wt%で配合し、この配合物をボールミルにて12時
間混合させてスラリー液を作製した。次いで厚さ2.5
mmで1インチ当たりの空孔数が約50個のポリウレタ
ンフォームをスラリー液中に含浸させ過剰付着分をロー
ル絞りにより除去し、120℃大気中で5分乾燥させる
ことにより、Fe2O3粉末が塗着された多孔性樹脂を作
製した。次に水蒸気流中で1150℃、10分の熱処理
を行うことにより焼結を行い、表1に示す各種Fe多孔
体を作製した。
【0020】
【表1】
【0021】表1のサンプルについて、電気Niメッキ
用ワット浴中で電流密度12A/dm2でNiメッキを
行い、表2に示す各種Ni厚みを有するFe/Ni2層
構造よりなる金属多孔体を作製した。
用ワット浴中で電流密度12A/dm2でNiメッキを
行い、表2に示す各種Ni厚みを有するFe/Ni2層
構造よりなる金属多孔体を作製した。
【0022】
【表2】
【0023】次に表2のサンプルについてメッキ後の熱
処理を行った。処理条件及びサンプル内容を表3に示
す。また、処理後の金属多孔体の電気抵抗、強度特性及
びFe溶出試験結果を表4に示す。尚、Fe溶出試験
は、65℃に加熱した7M−KOH中に金属多孔体(サ
イズ20×50mm)を100時間浸漬処理したもの
で、溶液中のFe量をICPにより分析することでFe
/Ni多孔体から溶出したFe量を調べた。
処理を行った。処理条件及びサンプル内容を表3に示
す。また、処理後の金属多孔体の電気抵抗、強度特性及
びFe溶出試験結果を表4に示す。尚、Fe溶出試験
は、65℃に加熱した7M−KOH中に金属多孔体(サ
イズ20×50mm)を100時間浸漬処理したもの
で、溶液中のFe量をICPにより分析することでFe
/Ni多孔体から溶出したFe量を調べた。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】次に、表4の金属多孔体を用いてニッケル
極を製造した。水酸化ニッケルを主とする活物質を充填
した後表面を平滑化し、その後120℃以下で1時間乾
燥した。得られた電極は1トン/cm2の圧力で加圧し
て、縦長さ150mm、横幅100mm、厚さ0.7m
mとした。
極を製造した。水酸化ニッケルを主とする活物質を充填
した後表面を平滑化し、その後120℃以下で1時間乾
燥した。得られた電極は1トン/cm2の圧力で加圧し
て、縦長さ150mm、横幅100mm、厚さ0.7m
mとした。
【0027】このニッケル極それぞれ8枚と相手極とし
て公知のMmNi(ミッシュメタルニッケル)系水素吸
蔵合金極9枚、親水処理ポリプロピレン不織布セパレー
ターを用いて角型密閉形ニッケル−水素電池を構成し
た。電解液として比重1.25KOH水溶液に25g/
lの水素リチウムを溶解して用いた。また、参考例とし
て従来のNi多孔体によるニッケル極を用いた電池も同
じ手順で作製した。各電池の放電流10Aでの溶量を調
べた。また寿命試験として、10A放電において500
サイクル後の容量維持率を評価した。結果を表5に示
す。
て公知のMmNi(ミッシュメタルニッケル)系水素吸
蔵合金極9枚、親水処理ポリプロピレン不織布セパレー
ターを用いて角型密閉形ニッケル−水素電池を構成し
た。電解液として比重1.25KOH水溶液に25g/
lの水素リチウムを溶解して用いた。また、参考例とし
て従来のNi多孔体によるニッケル極を用いた電池も同
じ手順で作製した。各電池の放電流10Aでの溶量を調
べた。また寿命試験として、10A放電において500
サイクル後の容量維持率を評価した。結果を表5に示
す。
【0028】
【表5】
【0029】この結果から明らかなように本発明の電池
用電極基板を用いたのは従来のNi多孔体を用いた電池
(参考例)とほぼ同等の電池性能を示すことが明らかで
ある。
用電極基板を用いたのは従来のNi多孔体を用いた電池
(参考例)とほぼ同等の電池性能を示すことが明らかで
ある。
【0030】
【発明の効果】安価かつ資源的に豊富なFeを母層とし
て表面にNi耐食膜が被覆された金属多孔体を電池用電
極基板として用いることにより、従来のNi金属多孔体
にくらべ同等の品質で、各段に安価なものを提供できる
と同時に、従来、電気自動車用などに膨大な需要が予想
されるアルカリ蓄電池における資源問題を解決できる。
て表面にNi耐食膜が被覆された金属多孔体を電池用電
極基板として用いることにより、従来のNi金属多孔体
にくらべ同等の品質で、各段に安価なものを提供できる
と同時に、従来、電気自動車用などに膨大な需要が予想
されるアルカリ蓄電池における資源問題を解決できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 電池用集電体に用いる活物質保持体であ
って、気孔率90%以上の連通気孔を有する金属多孔体
構造をなし、多孔体骨格内部がFeで、その表面部がN
iで被覆されているFe/Ni2層構造であって、表面
にNi層が被覆されてないFe露出部に結晶質またはア
モルファス状の鉄酸化物層が形成されていることを特徴
とする電池用電極基板。 - 【請求項2】 請求項1記載のFe骨格部が98%以上
の純度であることを特徴とする電池用電極基板。 - 【請求項3】 請求項1記載のNi被覆層の平均厚みが
0.01μm以上3μm以下であり、鉄酸化物層の平均
厚みが0.1μm以上5μm以下であることを特徴とす
る電池用電極基板。 - 【請求項4】 請求項1記載の鉄化合物層がFe3O4で
あることを特徴とする電池用電極基板。 - 【請求項5】 平均粒径が2μm以下の酸化鉄粉末とバ
インダー樹脂及び水もしくは有機溶剤等の希釈剤を混練
することでスラリーを作製し、多孔性の樹脂芯体にこの
スラリーを塗着した後乾燥させ、その後非酸化性雰囲気
において950℃以上1350℃以下の温度範囲で熱処
理を行うことで、有機樹脂成分を除去するとともにFe
の焼結を行い、気孔率が90%以上のFe多孔体を得た
後、電気NiメッキによりFe骨格部の表面をNiで被
覆し、その後水蒸気雰囲気中で300℃以上600℃以
下の温度で熱処理することを特徴とする電池用電極基板
の製造方法。 - 【請求項6】 平均粒径が2μm以下の酸化鉄粉末とバ
インダー樹脂及び水もしくは有機溶剤等の希釈剤を混練
することでスラリーを作成し、多孔性の樹脂芯体にこの
スラリーを塗着した後乾燥させ、その後非酸化性雰囲気
において950℃以上1350℃以下の温度範囲で熱処
理を行うことで、有機樹脂成分を除去するとともにFe
の焼結を行い、気孔率が90%以上のFe多孔体を得た
後、電気NiメッキによりFe骨格部の表面をNiで被
覆し、その後非酸化性雰囲気中で500℃以上700℃
以下の温度で熱処理した後さらに、水蒸気雰囲気中で3
00℃以上600℃以下の温度で熱処理することを特徴
とする電池用電極基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10126089A JPH11329449A (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 電池用電極基板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10126089A JPH11329449A (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 電池用電極基板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11329449A true JPH11329449A (ja) | 1999-11-30 |
Family
ID=14926338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10126089A Pending JPH11329449A (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 電池用電極基板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11329449A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020179693A1 (ja) * | 2019-03-01 | 2020-09-10 | 田中貴金属工業株式会社 | 多孔質体、電気化学セル、及び多孔質体の製造方法 |
-
1998
- 1998-05-08 JP JP10126089A patent/JPH11329449A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020179693A1 (ja) * | 2019-03-01 | 2020-09-10 | 田中貴金属工業株式会社 | 多孔質体、電気化学セル、及び多孔質体の製造方法 |
CN113474493A (zh) * | 2019-03-01 | 2021-10-01 | 田中贵金属工业株式会社 | 多孔体、电化学电池和多孔体的制造方法 |
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