JP3468493B2 - 電池用電極基板及びその製造方法 - Google Patents
電池用電極基板及びその製造方法Info
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Description
−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水
素電池などのアルカリ2次電池などの電極基板に用いる
金属多孔体の製造法に関する。
鉛畜電池とアルカリ畜電池がある。このうちアルカリ蓄
電池は高信頼性が期待でき、小形軽量化も可能などの理
由で小型電池は各種ポータブル機器用に、大型は産業用
として広く使われてきた。このアルカリ蓄電池におい
て、負極としてはカドミウムの他に亜鉛、鉄、水素など
が対象となっている。しかし正極としては一部空気極や
酸化銀極なども取り上げられているがほとんどの場合ニ
ッケル極である。ポケット式から焼結式に代わって特性
が向上し、さらに密閉化が可能になるとともに用途も広
がった。
を85%以上にすると強度が大幅に低下するので活物質
の充填に限界があり、したがって電池としての高容量化
に限界がある。そこで90%以上のような一層高気孔率
の基板として焼結基板に代えて発泡状基板や繊維状基板
が取り上げられ実用化されている。このような高気孔率
を有する金属多孔体基板の製造方法としては、特開昭5
7−174484号公報に開示されているメッキ法によ
るものと、特公昭38−17554号公報等に開示され
ている焼結法によるものがある。メッキ法ではウレタン
フォームなどの発泡樹脂の骨格表面にカーボン粉末等を
塗着する事により導電化処理を行い、その上に電気メッ
キ法によりNiを電析させ、その後発泡樹脂及びカーボ
ンを消失させ、金属多孔体を得るという方法である。一
方、焼結法ではスラリー化した金属粉末をウレタンフォ
ームなどの発泡樹脂の骨格表面に含浸塗布し、その後加
熱する事により金属粉末を焼結している。
金属多孔体を電池用極板として適用することにより、電
池の高容量化に果たした寄与は大きい。しかしながら、
特開昭57−174484号公報のようなメッキ法によ
る金属多孔体の製造において、多孔性樹脂芯体に電気メ
ッキするための導電処理としてカーボン塗布を行う必要
があるが、これは、製造工程において必要なだけで最終
的には焼失させるものであって金属多孔体としては不要
のものである。従って、導電処理のためのカーボン塗布
は、製品としてのコスト上昇をまねくだけでなく、カー
ボン残留による品質面への影響も考えられることから、
その改善が望まれている。また、特公昭38−1755
4号公報のような、焼結法による金属多孔体の製造にお
いては、基本的には上記のような問題は無いが、多孔体
形状での骨格部の緻密焼結が困難であることから、電池
用極板として必要な機械的強度特性及び電気特性におい
て所望の特性のものが得られにくい。また、特公平6−
4136号公報でも、多孔質の鉄触媒単体の製造方法に
おいて鉄粉末、酸化鉄粉末等を用いてFe多孔体を得る
方法を開示しているが、この方法では多孔体骨格部が粗
い焼結体しか得られないことなどから、前述の例と同様
電池用電極基板として必要な特性は得られない。
の低減した機械的強度特性および電気特性に優れた電池
用電極基板、およびそれを低い生産コストで製造する方
法を提供することを目的とするものである。
た結果、電極基板を多孔体骨格部がFeで、その表面を
Niで被覆したFe/Ni複層構造とし、かつFe骨格
部中の連通気孔もNiで被覆することが重要であること
を知見し、またその電極基板の製造にあたっては、原料
粉末として酸化鉄又は酸化ニッケルを用いて、しかもそ
の粒径を制御することが重要であることを知見し、さら
に、酸化鉄粉末の場合にはカーボン粉末も併用すること
が有利であることを知見し、本発明に至った。
粉末を、その骨格表面に粘着性を付与した多孔性の樹脂
芯体に塗着し、還元性雰囲気において950℃以上13
50℃以下の温度範囲で熱処理を行うことで、有機樹脂
成分を除去すると同時にFeの焼結を行い、炭素の含有
率が0.2%以下でかつ気孔率が90%以上のFe多孔
体を得た後、電気NiメッキによりFe骨格部の表面を
Niで被覆することを特徴とする電池用電極基板の製造
方法、 (2) 平均粒径が20μm以下の酸化鉄粉末とバイン
ダー樹脂及び水もしくは有機溶剤等の希釈剤を混練する
ことでスラリーを作製し、多孔性の樹脂芯体にこのスラ
リーを塗着した後乾燥させ、その後還元性雰囲気におい
て950℃以上1350℃以下の温度範囲で熱処理を行
うことで、有機樹脂成分を除去すると同時にFeの焼結
を行い、炭素の含有率が0.2%以下でかつ気孔率が9
0%以上のFe多孔体を得た後、電気Niメッキにより
Fe骨格部の表面をNiで被覆することを特徴とする電
池用電極基板の製造方法、 (3) カーボン粉末及び平均粒径が20μm以下の酸
化鉄粉末との混合粉末を、その骨格表面に粘着性を付与
した多孔性の樹脂芯体に塗着し、非酸化性雰囲気におい
て850℃以上1250℃以下の温度範囲で熱処理を行
うことで、有機樹脂成分を除去すると同時にFeの焼結
を行い、炭素の含有率が0.2%以下でかつ気孔率が9
0%以上のFe多孔体を得た後、電気Niメッキにより
Fe骨格部の表面をNiで被覆することを特徴とする電
池用電極基板の製造方法、 (4) カーボン粉末及び平均粒径が20μm以下の酸
化鉄粉末とバインダー樹脂、水もしくは有機溶剤等の希
釈剤を混練することでスラリーを作製し、多孔性の樹脂
芯体にこのスラリーを塗着した後乾燥させ、その後非酸
化性雰囲気において850℃以上1250℃以下の温度
範囲で熱処理を行うことで、有機樹脂成分を除去すると
同時にFeの焼結を行い、炭素の含有率が0.2%以下
でかつ気孔率が90%以上のFe多孔体を得た後、電気
NiメッキによりFe骨格部の表面をNiで被覆するこ
とを特徴とする電池用電極基板の製造方法、 (5) 平均粒径が20μm以下の酸化鉄粉末とバイン
ダー樹脂及び水もしくは有機溶剤等の希釈剤を混練する
ことでスラリーを作製するに際し、バインダー樹脂の残
炭率と酸化鉄に対するバインダー樹脂の配合比率が下記
式の関係を満たすように作製し、多孔性の樹脂芯体にこ
のスラリーを塗着した後乾燥させ、その後、不活性ガス
雰囲気中において熱処理を行なうことでバインダー樹脂
を炭化させ、生成した炭化成分で酸化鉄を還元焼結し、
その後一部未還元の酸化鉄を還元性雰囲気において90
0℃以上1350℃以下の温度で還元焼結する熱処理を
行なうことで有機樹脂成分を除去すると同時にFeの焼
結を行ない、炭素の含有率が0.2%以下でかつ気孔率
が90%以上のFe多孔体を得た後、電気Niメッキに
よりFe骨格部の表面をNiで被覆することを特徴とす
る電池用電極基板の製造方法、 3<a×b<11 a:バインダー樹脂の残炭率%、ただしa>30 b:バインダー樹脂配合量/酸化鉄配合量 (6) Ni被覆層の厚みが0.1μm以上10μm以
下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれ
かに記載の電池用電極基板の製造方法、 (7) 酸化鉄粉末の平均粒径が3μm以下であること
を特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電
池用電極基板の製造法、 (8) カーボン粉末が酸化鉄粉末に対して0.1wt
%以上20wt%以下であることを特徴とする前記
(3)又は(4)記載の電池用電極基板の製造法、に関
する。
孔体構造において、骨格部はFeが主体でその表面にN
iが被覆されており、さらに、図2に該骨格部の長手方
向に対する垂直断面模式図に示すように、Fe骨格部中
には表面(外面)と連通した空孔が多数存在し、かつそ
の空孔の内面もNiで被覆されていることを特徴とす
る。
る際、電池反応物質となる活物質を充填した後のプレス
工程や円筒型電池の場合は巻き工程等により、不可避的
に多孔体骨格部の一部は断裂する。この時、Fe/Ni
複層構造の場合、骨格部表面はNiにより被覆されてお
り問題はないが、断裂した骨格部の断面にはFeの露出
部が存在するのは避けがたい。Feの露出部は電池内の
電解液中で腐食されることによりFeの溶出による自己
放電の発生や寿命特性の劣化、不導体皮膜形成による集
電特性の劣化などを引き起こし電池性能の低下を招く。
破断断面部においても、連通した空孔を通してFe骨格
部内部にもNi被覆層が形成されていることから、相対
的に露出するFe部の領域が小さくなり、電池性能の低
下を抑制することが可能であることを見いだした。
以下に詳述するが、酸化鉄粉末を適用することで還元焼
結によりFe多孔体部を形成することをその大きな特徴
とする。すなわち、酸化鉄還元時のガス発生経路が最終
的に得られるFe多孔体中に連通した空孔を形成し、こ
れらの空孔が電気Niメッキ時に被覆されることによ
り、本発明の構造が得られる。
孔性樹脂芯体への粘着性を付与する方法としては、バイ
ンダー樹脂と水もしくは有機溶剤等の希釈材を混合した
液中に多孔性樹脂芯体を含浸させ、その後ロール等によ
り過剰に付着したものを除去する等の方法や、多孔性樹
脂芯体に上記の混合液をスプレー等により吹き付けるな
どの方法を用いることができる。また、酸化鉄粉末、カ
ーボン粉末と酸化鉄粉末との混合粉末を塗着する方法と
しては、多孔性樹脂にエアーガン等により粉末を吹き付
ける方法や粉末中で多孔性樹脂芯体を揺動させる方法な
どを用いることができる。
粉末との混合粉末をスラリー化する方法としては、酸化
鉄粉末、カーボン粉末と酸化鉄粉末との混合粉末とバイ
ンダー樹脂として例えばアクリル樹脂やフェノール樹脂
等を用い希釈剤としては水もしくはアルコール等の有機
溶剤を所定の混合比率で混合した後攪拌させることで作
製することができる。このスラリーを多孔性樹脂芯体上
に塗着する方法としては、スラリー液を多孔性樹脂に含
浸させた後絞りロールで過剰含浸分を除去する方法や、
スラリー液をスプレーにより吹き付ける方法などを用い
ることができる。
塗着された多孔性樹脂を還元性雰囲気により熱処理する
ことにより、樹脂芯体やバインダー等の有機樹脂成分を
除去すると同時に酸化鉄を鉄に還元し、鉄の焼結を行
う。
好ましくは20μm以下、より好ましくは5μm以下、
さらに好ましくは3μm以下であり、カーボン粉末と酸
化鉄粉末との混合粉末を使用する場合における酸化鉄粉
末の最も好ましい粒径は1μm以下である。
鉄に完全に還元するのに時間がかかることから、熱処理
時間が長くなり製造コストが高くつくという実用上の問
題の他に、還元が不十分なことに起因して、骨格部の緻
密な焼結が得られず機械的な特性及び電気的特性が低下
し電池用電極基板として必要な特性が得られない。
の微粒の粉末を用いる場合には、多孔性樹脂芯体上に
緻密かつ均一な塗着が可能である、容易かつ短時間で
鉄に還元できる、還元された鉄も微粒であることから
焼結性がよく緻密な焼結体が得られやすい、等の効果が
ある。さらに、本発明においては従来技術のように鉄粉
末を出発原料にするのではなく、酸化鉄粉末を用いるこ
とにより以下の重要な作用効果を奏する。
が樹脂芯体やバインダー樹脂等の有機樹脂成分と反応し
て炭酸ガスを生成することにより、有機成分を効率的に
除去できる。通常還元性雰囲気により熱処理を行った場
合、有機樹脂成分の一部は炭化残存し金属多孔体中に固
溶するため電気抵抗や強度特性に悪影響を及ぼしたり、
また、炉壁にススとして付着することにより熱処理炉の
メンテナンスが必要となるなどの問題があったが、本発
明によりこれらの問題は解消された。
りその取り扱いに注意が必要でありまた粉末自体も高価
であるが、酸化鉄の微粒粉末は安価で取り扱いも容易で
ある。
粉末を使用する場合、そのカーボン粉末の粒径は20μ
m以下が好ましく、より好ましくは5μm以下である。
末との混合粉末を使用する態様においては、カーボン粉
末の添加により、より容易に酸化鉄の還元反応が促進さ
れ、焼結温度の低温化と焼結時間の短縮が可能となるこ
とを見いだした。また、カーボンの添加量としては、酸
化鉄にたいして0.1wt%以上20wt%以下が好ま
しい。0.1wt%より少ないと焼結温度の低温化及び
短時間化というカーボン添加の効果が見られず、20w
t%を越えると酸化鉄の還元に必要な量を大きく越える
ためカーボンが焼結体中に残留し強度特性及び電気的な
特性が劣化するためである。
素ガスやアンモニア分解ガスもしくは水素と窒素の混合
ガスあるいは窒素ガスなどを用いる。熱処理温度として
は、酸化鉄の場合には還元及び焼結に必要な温度として
950℃以上1350以下とする。ここで、950℃よ
り低い温度では十分に還元焼結が進まず、1350℃を
越えると、多孔性の骨格構造が維持できず平板状の焼結
体となってしまう。またより好ましくは、1100℃以
上1300℃以上が良い。また、カーボン粉末と酸化鉄
粉末との混合粉末を使用する場合には、その熱処理温度
としては、850℃以上1250℃以下とする。より好
ましくは950℃以上1150℃以下である。
工程のスループットを上げるために急速な昇温過程を経
る連続熱処理方式においても電池用電極基板として必要
な電気的特性や機械的特性を実現するために以下の製造
方法を提案する。
は有機溶剤等の希釈剤を混練することでスラリーを作製
する工程において、バインダー樹脂の残炭率と酸化鉄に
対するバインダー樹脂の配合比率が次式の関係をみたす
ことが好ましい。
期重量に対する残存炭素成分量の比率をいう。
塗着し、Fe焼結多孔体を作製する際の熱処理として
は、第一の工程として不活性ガス雰囲気中において90
0℃〜1250℃で熱処理を行うことでバインダー樹脂
を炭化させ、生成した炭化分で酸化鉄を還元焼結し、次
いで第二の工程として一部未還元の酸化鉄を還元性ガス
雰囲気において900℃以上1350℃以下の温度で還
元焼結する熱処理を行うことが好ましい。ここで不活性
ガスとしてはN2やArを等を用い、還元性ガスとして
は、H2、NH3等を用いることができる。連続熱処理方
式においては、所定の温度に昇温した炉体中にワークを
連続的に投入することから、ワークに対しては100℃
/min以上の急速昇温となるが、このような急激な昇
温過程においては酸化鉄スラリーを塗着した多孔性樹脂
芯体は一気に焼失してしまい、多孔体骨格構造としての
保持体が無くなってしまう場合がある。このような場合
には、酸化鉄粉末が還元焼結する前に構造保持体が無く
なることから多数の骨格部が破断したFe焼結体しか得
られず、電池用基板としての所望の特性が得られない。
そこで本発明の好ましい態様では、多孔性樹脂芯体が焼
失した後の骨格構造保持体をバインダー樹脂の炭化によ
り確保する方法を提案するものであり、そのためにはバ
インダー樹脂の残炭率や酸化鉄との配合比が上式で示し
た関係式を満たすことが必要であることを見いだした。
ここで、aが30%未満またはa×bが3未満では、炭
化成分が骨格保持体として機能するに不充分であること
から骨格破断が多くなり所望の特性が得られない。ま
た、a×bが11を越えると、酸化鉄を全て還元する以
上の過剰な炭化成分が残存することにより、還元したF
eの焼結を阻害してしまい緻密な焼結体が得られず強度
特性等が大きく低下することを見いだした。
では不活性ガス雰囲気で行うことが重要な要件となる。
第一の熱処理工程ではバインダー樹脂の炭化と炭化分の
みによる酸化鉄の還元焼結を行う。これにより樹脂芯体
焼失後の骨格構造を保持すると同時に、最終的には不要
となる炭化分を酸化鉄の還元により消費できる。第一の
工程完了時点では、炭素成分はほとんど除去されており
酸化鉄粉末は一部還元によりFeと酸化鉄の複合焼結体
が得られる。次いで、第二の熱処理工程において、還元
性ガス雰囲気により未還元の酸化鉄を完全に還元すると
共にFeの焼結を進行させる。
連続熱処理方式においても骨格破断の少ないFe多孔体
構造が得られ、電池用電極基板として必要な電気的特性
や機械的特性が実現できる。
以下で、90%以上の気孔率を持つ鉄多孔体が得られる
が、ここで、上述した酸化鉄粉末を用いる効果により炭
素含有量が少ないため、電気電導性がよく機械強度特に
伸び特性に優れた鉄多孔体が得られ電池用電極基板とし
て必要な特性が確保できる。
には、電気NiメッキによりNi皮膜を形成すること
で、特にアルカリ二次電池中における強アルカリ溶液中
での強固な耐食性を持った金属多孔体が得られる。ま
た、好ましくは電気Niメッキの後、非酸化性雰囲気に
おいて熱処理を行うことで、Ni皮膜の密着性の向上及
びメッキによる残留応力を緩和することが可能となる。
ここで、熱処理温度は600℃以下であることが好まし
い。また、Ni皮膜の厚みとしては好ましくは0.1μ
m以上10μm以下が良い。0.1μmより薄いと十分
な耐食性が得られず、10μmを越えると気孔率が小さ
くなるためである。またより好ましくは1μm以上が良
い。
ポリウレタンフォームをアクリル樹脂60wt%、水4
0wt%を混合したバインダー樹脂液中に含浸させた後
絞りロールにて過剰含浸塗着分を除去し、バインダーが
塗着された多孔性樹脂芯体を作製した。次に、表1に示
すα−Fe2O3粉末を、エアーガンにより上記多孔性樹
脂芯体に直接吹き付けを行い、大気中150℃で5分乾
燥させた。また比較例として鉄粉末を用いたサンプル
(No.8)も作製した。次に、水素気流中で1280
℃,10分の熱処理を行うことにより焼結を行い、Fe
多孔体を作製した。これらのFe多孔体の特性を評価し
た結果を表2に示す。
浴中で電流密度10A/dm2でNiメッキを実施し、厚
さ2μmのNi皮膜を形成した。このサンプルの特性を
表3に示す。
ニッケル極を製造した。水酸化ニッケルを主とする活物
質を充填した後表面を平滑化し、その後120℃で1時
間乾燥した。得られた電極は1トン/cm2の圧力で加
圧して、縦長さ180mm,横幅220mm、厚さ0.
7mmとした。
て公知のMmNi(ミッシュメタルニッケル)系水素吸
蔵合金極6枚、親水処理ポリプロピレン不織布セパレー
タを用いて角型密閉形ニッケル−水素電池を構成した。
電解液として比重1.3の苛性カリ水溶液に25g/l
の水酸化リチウムを溶解して用いた。表3のサンプルN
oと対応してそれぞれの電池No.を1B,2B,3B・
・・とする。
放電電圧と容量を調べた。また寿命試験として、10A
放電において500サイクル後の容量維持率を評価し
た。結果を表4に示す。
優れた特性を示すことが明らかとなった。
ものを作製し、実施例2と同様の手順でNi−水素電池
を作製し、10A放電における500サイクル後の容量
維持率を調べた結果を表5に示す。
wt%、カルボキシルメチルセルロース2wt%水38
wt%で配合し、この配合物をボールミルにて12時間
混合させてスラリー液を作製した。次いで厚さ2.5m
mで1インチ当たりの空孔数が約50個のポリウレタン
フォームをスラリー液中に含浸させ過剰付着分をロール
絞りにより除去し、120℃大気中で5分乾燥させるこ
とにより、Fe3O4粉末が塗着された多孔性樹脂を作製
した。次に、水素気流中で1220℃,10分の熱処理
を行うことにより焼結を行い、Fe多孔体を作製した。
これらのFe多孔体の特性を評価した結果を表7に示
す。
ワット浴中で電流密度12A/dm2でNiメッキを実施
し、厚さ3μmのNi皮膜を形成した。このサンプルの
特性を表8に示す。
素電池を作製しその特性を評価した結果を表9に示す。
ポリウレタンフォームをアクリル樹脂60wt%、水4
0wt%を混合したバインダー樹脂液中に含浸させた後
絞りロールにて過剰含浸塗着分を除去し、バインダーが
塗着された多孔性樹脂芯体を作製した。次に、表15に
示すα−Fe2O3粉末と平均粒径5μmの黒鉛粉末との
混合粉末をエアーガンにより上記多孔性樹脂芯体に直接
吹き付けを行い、大気中150℃で5分乾燥させた。比
較例として酸化鉄粉末に代えて鉄粉末を用いたサンプル
(No.27)も作製した。また、カーボン粉末量は酸
化鉄(鉄)粉末に対して5wt%となるように調合し
た。
処理を行うことにより焼結を行い、Fe多孔体を作製し
た。これらのFe多孔体の特性を評価した結果を表16
に示す。
浴中で電流密度10A/dm2でNiメッキを実施し、厚
さ2μmのNi皮膜を形成した。このサンプルの特性を
表17に示す。
池のニッケル極を製造した。水酸化ニッケルを主とする
活物質を充填した後表面を平滑化し、その後120℃で
1時間乾燥した。得られた電極は1トン/cm2の圧力
で加圧して、縦長さ190mm,横幅210mm、厚さ
0.7mmとした。
て公知のMmNi(ミッシュメタルニッケル)系水素吸
蔵合金極6枚、親水処理ポリプロピレン不織布セパレー
タを用いて角型密閉形ニッケル−水素電池を構成した。
電解液として比重1.3の苛性カリ水溶液に25g/l
の水酸化リチウムを溶解して用いた。表3のサンプルN
oと対応してそれぞれの電池Noを21B,22B,2
3B・・・とする。
放電電圧と容量を調べた。また寿命試験として、10A
放電において500サイクル後の容量維持率を評価し
た。結果を表18に示す。
優れた特性を示すことが明かとなった。
たものを作製し、実施例9と同様の手順でNi−水素電
池を作製し、10A放電における500サイクル後の容
量維持率を調べた結果を表19に示す。
μmの黒鉛粉末1.5wt%、アクリル樹脂10wt
%、カルボキシルメチルセルロース2wt%水38wt
%で配合し、この配合物をボールミルにて12時間混合
させてスラリー液を作製した。次いで厚さ2.5mmで
1インチ当たりの空孔数が約50個のポリウレタンフォ
ームをスラリー液中に含浸させ過剰付着分をロール絞り
により除去し、120℃大気中で5分乾燥させることに
より、Fe3O4粉末が塗着された多孔性樹脂を作製し
た。次に、水素気流中で1070℃,5分の熱処理を行
うことにより焼結を行い、Fe多孔体を作製した。これ
らのFe多孔体の特性を評価した結果を表21に示す。
用ワット浴中で電流密度12A/dm2でNiメッキを実
施し、厚さ3μmのNi皮膜を形成した。このサンプル
の特性を表22に示す。
素電池を作製しその特性を評価した結果を表23に示
す。
ン粉末を表24に示す配合量に代えてFe多孔体を作製
した。ここでFe2O3粉末は0.7μmの粒径のものを
用いた。得られたFe多孔体の特性を表25に示す。
iメッキ用ワット浴中で電流密度10A/dm2でNiメ
ッキを実施し、厚さ2.5μmのNi皮膜を形成した。
このサンプルの特性を表26に示す。
素電池を作製しその特性を評価した結果を表27に示
す。
す配合比でスラリーを作製し、それぞれ厚さ3mmのポ
リウレタンフォームをスラリー中に含浸させ、過剰付着
分をロール絞りにより除去し、180℃大気中で10分
間乾燥させることによりFe2O3粉末が塗着された多孔
性樹脂を作製した。
して500g/m2の面密度となるようにスラリー塗布
量を調整した。
inで1150℃、5分間熱処理を行った後、H2+N2
混合ガス(混合比1:3)気流中で1150℃、5分間
の熱処理を行うことで、Fe多孔体を作製した。
連続熱処理炉を使用し、加熱ゾーン前半部をN2ガス雰
囲気、後半部をH2+N2ガス雰囲気とすることで連続処
理を行った。得られたFe多孔体の特性を評価した結果
を表29に示す
Niメッキ用ワット浴で電流密度5A/dm2でNiメ
ッキを行い、厚さ1.1μmのNi皮膜を形成した。こ
のサンプルの特性を表30に示す。
水素電池を作製し、その特性を評価した結果を表31に
示す。
優れていることが明らかとなった。
低い生産コストで残留炭素分が低減された機械的強度特
性および電気特性に優れた電池用電極基板を得ることが
できる。
がFeでその表面にNiが被覆されている。
断面模式図。
Claims (8)
- 【請求項1】 平均粒径が20μm以下の酸化鉄粉末
を、その骨格表面に粘着性を付与した多孔性の樹脂芯体
に塗着し、還元性雰囲気において950℃以上1350
℃以下の温度範囲で熱処理を行うことで、有機樹脂成分
を除去すると同時にFeの焼結を行い、炭素の含有率が
0.2%以下でかつ気孔率が90%以上のFe多孔体を
得た後、電気NiメッキによりFe骨格部の表面をNi
で被覆することを特徴とする電池用電極基板の製造方
法。 - 【請求項2】 平均粒径が20μm以下の酸化鉄粉末と
バインダー樹脂及び水もしくは有機溶剤等の希釈剤を混
練することでスラリーを作製し、多孔性の樹脂芯体にこ
のスラリーを塗着した後乾燥させ、その後還元性雰囲気
において950℃以上1350℃以下の温度範囲で熱処
理を行うことで、有機樹脂成分を除去すると同時にFe
の焼結を行い、炭素の含有率が0.2%以下でかつ気孔
率が90%以上のFe多孔体を得た後、電気Niメッキ
によりFe骨格部の表面をNiで被覆することを特徴と
する電池用電極基板の製造方法。 - 【請求項3】 カーボン粉末及び平均粒径が20μm以
下の酸化鉄粉末との混合粉末を、その骨格表面に粘着性
を付与した多孔性の樹脂芯体に塗着し、非酸化性雰囲気
において850℃以上1250℃以下の温度範囲で熱処
理を行うことで、有機樹脂成分を除去すると同時にFe
の焼結を行い、炭素の含有率が0.2%以下でかつ気孔
率が90%以上のFe多孔体を得た後、電気Niメッキ
によりFe骨格部の表面をNiで被覆することを特徴と
する電池用電極基板の製造方法。 - 【請求項4】 カーボン粉末及び平均粒径が20μm以
下の酸化鉄粉末とバインダー樹脂、水もしくは有機溶剤
等の希釈剤を混練することでスラリーを作製し、多孔性
の樹脂芯体にこのスラリーを塗着した後乾燥させ、その
後非酸化性雰囲気において850℃以上1250℃以下
の温度範囲で熱処理を行うことで、有機樹脂成分を除去
すると同時にFeの焼結を行い、炭素の含有率が0.2
%以下でかつ気孔率が90%以上のFe多孔体を得た
後、電気NiメッキによりFe骨格部の表面をNiで被
覆することを特徴とする電池用電極基板の製造方法。 - 【請求項5】 平均粒径が20μm以下の酸化鉄粉末と
バインダー樹脂及び水もしくは有機溶剤等の希釈剤を混
練することでスラリーを作製するに際し、バインダー樹
脂の残炭率と酸化鉄に対するバインダー樹脂の配合比率
が下記式の関係を満たすように作製し、多孔性の樹脂芯
体にこのスラリーを塗着した後乾燥させ、その後、不活
性ガス雰囲気中において熱処理を行なうことでバインダ
ー樹脂を炭化させ、生成した炭化成分で酸化鉄を還元焼
結し、その後一部未還元の酸化鉄を還元性雰囲気におい
て900℃以上1350℃以下の温度で還元焼結する熱
処理を行なうことで有機樹脂成分を除去すると同時にF
eの焼結を行ない、炭素の含有率が0.2%以下でかつ
気孔率が90%以上のFe多孔体を得た後、電気Niメ
ッキによりFe骨格部の表面をNiで被覆することを特
徴とする電池用電極基板の製造方法。 3<a×b<11 a:バインダー樹脂の残炭率%、ただしa>30 b:バインダー樹脂配合量/酸化鉄配合量 - 【請求項6】 Ni被覆層の厚みが0.1μm以上10
μm以下であることを特徴とする請求項2〜5のいずれ
かに記載の電池用電極基板の製造方法。 - 【請求項7】 酸化鉄粉末の平均粒径が3μm以下であ
ることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の電
池用電極基板の製造法。 - 【請求項8】 カーボン粉末が酸化鉄粉末に対して0.
1wt%以上20wt%以下であることを特徴とする請
求項3又は4記載の電池用電極基板の製造法。
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