JPH11329437A - 水素吸蔵合金電極及びその製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極及びその製造方法

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JPH11329437A
JPH11329437A JP10133433A JP13343398A JPH11329437A JP H11329437 A JPH11329437 A JP H11329437A JP 10133433 A JP10133433 A JP 10133433A JP 13343398 A JP13343398 A JP 13343398A JP H11329437 A JPH11329437 A JP H11329437A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極少量の結着剤を用いて調製した水素吸蔵合
金のぺーストを使用し、容量低下がなく、電池内圧の上
昇の少ない水素吸蔵合金電極を簡便に製造する。 【解決手段】 水素吸蔵合金粉末を含み、また、ヒドロ
キシアルキルアルキルセルロースとアルキルセルロース
とカルボキシメチルセルロースと水溶性天然多糖類とか
らなる一群から選ばれる少なくとも一種であり、かつ、
1重量%水溶液の20℃での粘度が200mPa・s以
上である結着剤Aを含み、さらに、下記式(1)で示さ
れる繰り返し単位を有する変成ポリビニルアルコールで
ある結着剤Bを含む、水を分散媒とするスラリーを作製
し、次いで該スラリー中の導電性支持体の浸漬又は該ス
ラリーの集電体表面への塗布のいずれか又は両方を行
い、乾燥することにより水素吸蔵合金電極を製造する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ電池の負
極として使用される電極に関し、特に水素を可逆的に吸
蔵及び放出することができる水素吸蔵合金を用いた水素
吸蔵合金電極及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、蓄電池すなわち二次電池として
は、ニッケル−カドミウム及び鉛蓄電池が使用されてい
る。しかしながら、近年、携帯電話や携帯型パソコンの
普及に従い、また、自動車による環境汚染が進行し、電
気自動車に対する関心が高まるに従い、これらの電池よ
り軽量かつ高容量でエネルギー密度の高い電池の開発が
望まれている。そこで、常温付近で水素の吸蔵/放出が
可能な水素吸蔵合金を負極とし、例えば水酸化ニッケル
正極と組み合わせた、水素吸蔵合金を用いた金属−水素
・アルカリ蓄電池が注目を集めている。
【0003】この水素吸蔵合金を用いた金属−水素・ア
ルカリ蓄電池においては、充放電を繰り返すことによ
り、負極の水素吸蔵合金が微粉化して電極から脱落し、
徐々に容量が低下するという欠点があった。また、この
現象は集電体の種類によっても程度が異なり、繊維ニッ
ケルや発泡ニッケルのような三次元集電体を使用した場
合に比較し、簡易なパンチングメタルのような二次元集
電体を使用した場合の方が顕著であり、また大型電極に
おいて顕著である。
【0004】かかる欠点を改善するために、ポリテトラ
フルオロエチレンやポリエチレンオキサイドなど、複数
の結着剤を用いて水素吸蔵合金ぺーストを調製し、得ら
れたぺーストをパンチングメタル等の集電体に塗布して
電極を作製し、合金を集電体表面に強固に担持させるこ
とが提案された(特開昭61−66366号)。しかし
ながら、上記公報の実施例に示される結着剤の添加総量
は、対合金6%と高いものであった。このように結着剤
のような絶縁性物質の添加量が多いと、合金表面が結着
剤により絶縁被覆されるので、電池及び電極の容量を充
分に大きくすることができない。また、水素吸蔵合金を
用いた金属−水素・アルカリ蓄電池の負極の結着剤とし
て、公知のポリテトラフルオロエチレン粉末のディスパ
ージョンを用いた場合には、例えば特開平2−1121
58号公報に例示されるように、一般にシート状のぺー
スト混練物を調製し、これをパンチングメタルの両面に
圧着して電極を作製することはできても、インク状のぺ
ーストを調製しパンチングメタルに塗布あるいは浸漬す
ることにより簡便に作製することは不可能であった。
【0005】一方、ポリテトラフルオロエチレンのよう
な撥水性樹脂が電池内圧を低下させる効果があることが
知られている(特開平2−250260号)。この電池
内圧上昇とは、連続的に充電を行った場合とか、放電を
行わず充電、充電停止を繰り返した場合に異常に電池内
圧が上昇するという不具合に対して、この理由が充電末
期あるいは充電完了時の水素ガス発生に起因するもので
あり、水素ガスが負極に吸蔵される効率が低下し、電池
内に水素ガスが滞留することによるとされている。この
問題に対し、負極の撥水性樹脂近傍では、その撥水性樹
脂の効果によりその部分が電解液で濡れることがなく、
気体、液体、固体の3相界面が形成され、ガス状の水素
が合金に吸蔵されやすくなるとされている。また、内圧
上昇の要因として水素ガス以外に過充電領域で正極から
発生する酸素ガスが挙げられる。この酸素ガスもまた、
負極合金中に吸蔵されている水素との反応で水に変換さ
れることにより効率的に消費されれば内圧上昇の原因と
ならない。このため、負極での酸素ガス反応効率を上げ
る必要がある。このことについても、ニッケル−カドミ
ウム型のアルカリ蓄電池ではあるが、特公平6−404
89号にポリテトラフルオロエチレンのような撥水性樹
脂により負極での酸素ガス吸収能が向上するとされてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極少
量の結着剤を用いて調製した水素吸蔵合金のぺーストを
使用し、塗布あるいは浸漬によりパンチングメタルに該
ぺーストを塗着させて、容量低下がなく、電池内圧の上
昇の少ない電極を簡便に製造する方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の結
着剤について上記の効果を確認するうち、特に、水溶性
セルロース誘導体や水溶性多糖類と一部疎水性(撥水
性)基を分子内に有する変性ポリビニルアルコールを結
着剤とした場合に、結着剤の使用量を極くわずかにして
も水素吸蔵合金のぺーストを得ることができること、及
び、得られたぺースト状の水素吸蔵合金を集電体として
のパンチングメタル表面に塗布することにより簡便に水
素吸蔵合金電極を製造することができること、さらに変
性ポリビニルアルコールの効果により水素/酸素ガス吸
収能が向上したことによると考えられる電池内圧の低減
がされるを見い出し、本発明に到達した。
【0008】具体的には、本発明の上記諸目的は、水素
吸蔵合金粉末を含み、また、ヒドロキシアルキルアルキ
ルセルロースと、アルキルセルロースと、カルボキシメ
チルセルロースと水溶性天然多糖類とからなる一群から
選ばれる少なくとも一種であり、かつ、1重量%水溶液
の20℃での粘度が200mPa・s以上である結着剤
Aを、上記水素吸蔵合金粉末に対して、好ましくは0.
1〜1.9重量%含み、さらに、下記式(1)で示され
る繰り返し単位を有する変成ポリビニルアルコールであ
る結着剤Bを、上記水素吸蔵合金粉末に対して、好まし
くは0.1〜1.9重量%含む、水を分散媒とするスラ
リーを作製し、次いで該スラリー中の導電性支持体の浸
漬又は該スラリーの集電体表面への塗布のいずれか又は
両方を行い、乾燥することを特徴とする水素吸蔵合金電
極の製造方法によって達成された。
【化3】 (式中、Rは、炭素原子数6以上のアルキル基を表し、
x、y、zは、それぞれ繰り返し単位(X)、(Y)、
(Z)のモル分率を表し、0.60≦x<1、0≦y<
0.40、0.0001≦z≦0.02、かつ(x+y
+z)=1である関係を満足する。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる水素吸蔵合金は、
電気化学的に水素の吸蔵/放出を行う水素吸蔵合金粉末
であり、特に限定されるものではなく、水素吸蔵合金電
極に使用される、公知の水素吸蔵合金の中から適宜選択
して使用することができる。しかし、安価であるうえ、
量産性に適しているという観点から、ミッシュメタル
(Mm)を主原料とするものを使用することが好まし
い。Mmは、CaCu5 型結晶構造を有するLaNi5
系合金におげるLa部分であって、その一部をCe、P
r、Ndその他の希土類元素によって置換した希土類元
素の混合物であり、例えば、Ce45重量%、La30
重量%、Nd5重量%、及びその他の希土類元素20重
量%からなる。
【0010】本発明で用いる水溶性セルロース誘導体と
しては、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、アル
キルセルロース、カルボキシメチルセルロースが挙げら
れる。ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、アルキ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースは、1重量
%水溶液の20℃での粘度が200mPa・s以上であ
ることが必要であり、特に500mPa・s以上である
ことがより好ましい。ここで、粘度は、JIS K 7117に準
拠したB型粘度計によって測定されたものである。粘度
が200mPa・s未満であると、それを少量添加した
だけでは、比重の重い水素吸蔵合金を沈降させず、かつ
パンチングメタルへの塗布あるいは浸漬操作性に優れる
ぺーストを調製することができない。また、電池の電気
化学的反応を阻害しないという観点から、製造工程及び
原料パルプに由来して混入する不純物の少ない、高精製
品であることがより好ましい。また、粘度が高いほど、
水素吸蔵合金を沈降させず、塗布あるいは浸漬操作性に
優れるペーストを調製するために添加される量をより少
量とできることから好ましい。
【0011】本発明で用いるヒドロキシアルキルアルキ
ルセルロースとしては、水溶性のヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、
及びヒドロキシエチルエチルセルロースが挙げられ、好
ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げ
られる。本発明で用いるアルキルセルロースとしては、
水溶性のメチルセルロースが好ましい。本発明では、カ
ルボキシメチルセルロースも好ましく用いられる。な
お、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びメチルセ
ルロースは、分散媒として使用する水への溶解性に優れ
ること、及び、これらの水溶液が、加熱によりゲル化す
るという特性を有しており、ぺーストの塗布あるいは浸
漬後の乾燥中に生ずる形状変化が少ない、及び分子中に
金属塩を含有しないという特徴があり、この点でカルボ
キシメチルセルロース及び水溶性天然多糖類より好まし
い。
【0012】本発明で用いる水溶性多糖類としては、水
溶性セルロースと同様の理由により、1重量%水溶液の
20℃での粘度が200mPa・s以上であることが必
要であり、特に500mPa・s以上であることがより
好ましい。本発明で用いる水溶性天然多糖類としては、
キサンタンガム、ウエランガム、ゲランガム、ラムザン
ガム、及びカードランが好ましい。これは、これらの水
溶液の粘性挙動が非ニュートン性であり、ぺーストの塗
布時や、ぺースト中に集電体を浸漬する時には液が流動
するが、その後には構造粘性により液流動が止まるの
で、塗膜の形状変化が少なくなるという特徴があるから
である。
【0013】本発明で用いる変性ポリビニルアルコール
は、式(1)で示される繰り返し単位を有するものであ
る。
【化4】 式中、Rは、炭素原子数6以上のアルキル基を表す。
x、y、zは、それぞれ繰り返し単位(X)、(Y)、
(Z)のモル分率を表し、0.60≦x<1、0≦y<
0.40、0.0001≦z≦0.02、及び(x+y
+z)=1である関係を満足する。繰り返し単位(X)
のモル分率及び繰り返し単位(Y)のモル分率をこの範
囲とし、繰り返し単位(Z)のモル分率の上限を0.0
2としたのは、水溶性となる範囲であるからである。
【0014】本発明で用いる式(1)で示される変性ポ
リビニルアルコールは、アルキルビニルエーテル基が、
モル分率におけるz=0.0001〜0.02の範囲で
含有されたものであることが必要とされる。これは、
0.0001未満では変性の効果がなく、0.02をこ
えると水に不溶性となるためである。また、アルキルビ
ニルエーテル基のアルキル基は炭素原子数6以上である
ことが必要とされ、これが5以下であるとこの基の導入
効果が小さい。このアルキル基は鎖長が長いほど効果が
大きく、炭素原子数12(ラウリルビニルエーテル)以
上、特に16(セチルビニルエーテル)、18(ステア
リルビニルエ−テル)が好ましい。アルキル基は、直鎖
状又は分岐鎖状のものでもよい。このようなアルキルビ
ニルエーテルの導入方法には、特に制限はなく、酢酸ビ
ニルとアルキルビニルエ−テルの共重合物を鹸化する方
法、ポリビニルアルコールとハロゲン化アルキルとを反
応させる方法などいずれの手段によってもよい。この変
性ポリビニルアルコールの鹸化度は60%以上(前記モ
ル分率におけるxが0.60以上)、好ましくは75%
以上(xが0.75以上)であることが必要とされ、こ
れが60%未満では水溶性が失われ、スラリー中に均一
に溶解することができない。
【0015】変性ポリビニルアルコールは、式(1)の
繰り返し単位を有する共重合体である。共重合の態様と
しては、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共
重合等のいずれであってもよい。尚、重合度については
特に制限はない。
【0016】本発明においては、ヒドロキシアルキルア
ルキルセルロース、アルキルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、水溶性天然多糖類(以下、単に「ヒド
ロキシアルキルアルキルセルロース等」とする。)の中
から選択される少なくとも一種の結着剤Aと式(1)で
示される前記変性ポリビニルアルコールである結着剤B
との添加総量は、水素吸蔵合金に対し0.3〜2.0重
量%であることが必要である。結着剤A、Bの添加総量
が0.3重量%より少ないと充分な結着性を示すことが
できず、電池及び電極の容量低下が認められ、また、
2.0重量%より多いと電極の導電率が低下するうえ、
結着剤が水素吸蔵合金表面を被覆して水素の吸蔵能力を
低下させるため、電池及び電極の容量を充分に大きくす
ることができない。
【0017】また、ヒドロキシアルキルアルキルセルロ
ース等の中から選択される少なくとも一種の結着剤Aの
添加量及び式(1)で示される前記変性ポリビニルアル
コールである結着剤Bの添加量は、好ましくは、各々水
素吸蔵合金に対し0.1〜1.9重量%である。結着剤
Aの添加重が0.1重量%より少ないと、極板中の親水
性物質が少なく極板の電解液への濡れ性が著しく劣り、
適正な容量を発現しないおそれがある。結着剤Bの添加
重が0.1重量%より少ないと極板中の疎水性部分含量
が低く、電池内圧低下効果が発現しないおそれがある。
また、結着剤A及びBの添加量が、各々1.9重量%よ
り多いと、その添加総量が2.0重量%を越えるため、
電極の導電率が低下するうえ、結着剤が水素吸蔵合金表
面を被覆して水素の吸蔵能力を低下させるため、電池及
び電極の容量を充分に大きくすることができないおそれ
がある。
【0018】本発明においては、結着剤として上述した
結着剤A、Bのみを使用しても良いが、ガス吸収性の向
上を目的にポリテトラフルオロエチレン等の他の撥水性
結着剤を併用することもできる。しかしながら、上述す
る理由から、結着剤の総量が水素吸蔵合金に対して2.
0重量%を越えない範囲とする必要がある。また、サイ
クル特性をさらに向上させることを目的とし、特開平9
−171820号に開示されるポリオールを添加するこ
ともできる。
【0019】本発明において使用する導電性支持体は集
電体として機能する。このような導電性支持体は、公知
のものの中から適宜選択することができ、例えば、パン
チングメタル、エキスパンドメタル等二次元集電体や繊
維ニッケル、発泡ニッケル等三次元集電体が挙げられ、
好ましくは、経済性の観点からパンチングメタルであ
る。また、電解液としてはアルカリ溶液が使用されるの
で、少なくとも導電性支持体の表面は耐蝕性に優れたニ
ッケル表面であることが好ましい。
【0020】本発明による水素吸蔵合金電極の実際の製
造は、先ず1〜5重量%の前記結着剤A、Bの水溶液を
調製した後、水素吸蔵合金に対する結着剤A、Bの総量
が0.3〜2.0重量%になるように、所定量の水素吸
蔵合金に上記結着剤A、Bを含む水溶液を加える。次
に、分散媒として水を加えて適当な粘度のぺーストを調
製する。ぺーストの調製は、所定量の水素吸蔵合金に、
所定量の結着剤A、Bを粉末のまま加えて混合した後、
適度な粘性になるように分散媒として水を適当量加えて
攪拌混合することによって行っても良い。
【0021】次に、得られたぺーストを導電性支持体表
面にブレード等で塗布するか、あるいは導電性支持体を
前記ぺースト中に浸漬することによってぺーストを導電
性支持体表面に担持させ、乾燥、および必要に応じて加
圧することによって実施される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 実施例1〜5、比較例1〜3 使用した結着剤Aの一覧を表1に示す。結着剤Bとして
使用した変性ポリビニルアルコールの組成の一覧を表2
に示す。Laリッチミッシュメタル1.00に対し、N
i、Co、Mn、及びAlが、原子比で各々3.75、
0.75、0.20及び0.30の組成を有すると共に
平均粒径が20〜50μmである水素吸蔵合金に、結着
剤Aの1%水溶液、並びに結着剤Bの1%水溶液を混合
して調製された結着剤水溶液を、結着剤A、Bの総量が
水素吸蔵合金に対し1.0%となるように加え、さらに
適当量の水を加えて混線りし、20℃における粘度が3
5,000土5,000mPa・sのスラリーを得た。
集電体としてニッケルメッキを施したパンチングメタル
を用い、これを、上記作製したスラリー中に浸漬した後
引き上げることにより、パンチングメタル表面に水素吸
蔵合金を含むスラリーを塗着させ、乾燥及び加圧して負
電極を得た。正極として焼結式ニッケル極を使用し、こ
れらの正・負極間に不織布からなるセパレータを介在さ
せた後捲回することにより、渦巻電極体を得た。次い
で、この渦巻電極体を電池外装缶に挿入し、6Nの水酸
化カリウム水溶液を電解液として注液した後封入し、公
称容量1,200mAの密閉型ニッケル−水素アルカリ
蓄電池を作製した。
【0023】[電池容量の評価(サイクル特性)]上記
のようにして作製した電池を、それぞれ、0.3C率の
電流で5時間充電した後0.2C率の電流で放電し、電
池電圧が1.0Vになった時点で放電を中止し、再度充
電するというサイクル条件で、充放電サイクル試験を行
った結果を、実施例1による電池の初期容量を100%
として表3に示した。表3の結果から、実施例1〜5に
示された本発明の電池が、比較例1〜3に示された電池
に比較して、サイクル特性が優れ、容量低下が少ないこ
とが明らかである。
【0024】[電池内圧の評価]上記のように作成した
電池の充電中の電池内圧を測定した。充電条件は初充電
時0.1C率で行い、2、3サイクル目は0.2C率、
0.5C率と充電電流を上昇し、4サイクル目以降は1
C率の電流に固定し充電を公称容量の200%行った。
また、放電はすべて0.2C率で行い、電池電圧が1.
0Vになった時点で放電を中止し、再度充電するという
サイクル条件で実施した。この時の電池内圧を測定し、
5、10、20及び50サイクル目の各サイクル間での
最高内圧の結果を表3に示した。表3の結果から、実施
例1〜5に示された本発明の電池が、比較例1〜3に示
された電池に比較して、電池内圧上昇が低いことが明ら
かである。
【0025】(変性ポリビニルアルコール合成例) 合成例1 変性ポリビニルアルコール(a)の合成 加熱、攪拌、環流冷却装置を有する重合缶に酢酸ビニル
300重量部、メタノール65重量部、ステアリルビニ
ルエーテル1.4重量部、アゾビスイソブチロニトリル
0.2重量部を仕込み、窒素置換後60℃に加熱し、7
時間重合反応を行った(重合率:89%)。重合停止
後、メタノール蒸気を吹き込み、未反応の酢酸ビニルを
除去し、酢酸ビニル−ステアリルビニルエーテル共重合
体のメタノール溶液(濃度30重量%)を得た。この重
合体中のステアリルエーテル基含量を、重合時に仕込ん
だステアリルビニルエーテルの量と重合停止後の未反応
のステアリルビニルエ−テル量の分析値から計算により
求めたところ、0.1モル%であった。この共重合体の
メタノール溶液600重量部を40℃に保ち、純水3重
量部とNaOH1重量%メタノール溶液85重量部との
混合液を攪拌下添加混合し、ケン化反応を30分行った
後、ゲル状物を粉砕した。この粉砕物を40℃のメタノ
ール700重量部中に投入し攪拌しながらNaOH1重
量%メタノール溶液を400重量部を添加し、40℃で
1時間さらにケン化反応を行った。このケン化物をメタ
ノールでよく洗浄した後、80℃の気流下で乾燥し85
重量部の白色粉末状のケン化度99.6モル%の変性ポ
リビニルアルコール(a)を得た。これを常法によりア
セチル化してポリ酢酸ビニル系重合体とした後、アセト
ン溶液中の極限粘度の測定値から中島の式(中島章夫;
高分子化学Vo1.6,451(1949))により平
均重合度を算出したところ、1400であった。
【0026】(変性ポリビニルアルコール合成例) 合成例2 変性ポリビニルアルコール(b)の合成 合成例1と同様に重合して、共重合体中のステアリルエ
ーテル基含量が0.1モル%である酢酸ビニル−ステア
リルビニルエーテル共重合体のメタノール溶液(濃度3
0重量%)を得た。この共重合体のメタノール溶液60
0重量部を40℃に保ち、純水3重量部とNaOHの1
重量%メタノール溶液85重量部との混合液を攪拌下添
加混合し、ケン化反応を30分行った後、ゲル状物を粉
砕してメタノールでよく洗浄した。このケン化物を80
℃の気流下で乾燥し、95重量部の白色粉末状のケン化
度87.6モル%の変性ポリビニルアルコール(b)を
得た。これを常法によりアセチル化してポリ酢酸ビニル
系重合体とした後、前例と同様に平均重合度を算出した
ところ1400であった。
【0027】(変性ポリビニルアルコール合成例) 合成例3 変性ポリビニルアルコール(c)の合成 合成例1で用いたのと同じ重合缶に、酢酸ビニル300
重量部、メタノール90重量部、ラウリルビニルエーテ
ル2.1重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.2重
量部を仕込み、窒素置換後60℃に加熱し7.5時間重
合を行った(重合率:92%)。重合停止後、メタノー
ル蒸気を吹き込み、未反応の酢酸ビニルを除去し、酢酸
ビニル−ラウリルビニルエーテル共重合体のメタノール
溶液(濃度30重量%)を得た。合成例1と同様の方法
で共重合体中のラウリルエーテル基含量を求めたとこ
ろ、0.2モル%であった。この共重合体のメタノール
溶液600重量部を40℃に保ち、純水4重量部とNa
OH1重量%メタノール溶液80重量部との混合液を攪
拌下添加混合し、ケン化反応を50分行った後、ゲル状
物を粉砕してメタノールで良く洗浄した。このケン化物
を80℃気流下で乾燥し1OO重量部の白色粉末状のケ
ン化度83.2モル%の変性ポリビニルアルコール
(c)を得た。これを常法によりアセチル化してポリ酢
酸ビニル系重合体とした後、合成例1と同様に平均重合
度を求めたところ1750であった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、極くわずかの結着剤に
よって強固に結着された、容量低下の少ない水素吸蔵合
金電極を容易に製造することができる。本発明によって
得られた水素吸蔵合金電極を負電極として使用すること
によって、電池内圧上昇の少ないアルカリ蓄電池を得る
ことができる。
【0029】
【表1】 *粘度は、1.0重量%水溶液20℃で測定したもので
あり、単位はmPa・sである。
【0030】
【表2】 表中、z欄における「(ステアリル)」はn−オクタデ
シル基(C1837)を表し、「(ラウリル)」はn−ド
デシル基(C1225)を表す。
【0031】
【表3】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵合金粉末とともに、ヒドロキシ
    アルキルアルキルセルロースとアルキルセルロースとカ
    ルボキシメチルセルロースと水溶性天然多糖類とからな
    る一群から選ばれる少なくとも一種である結着剤Aを含
    み、さらに下記式(1)で示される繰り返し単位を有す
    る変成ポリビニルアルコールである結着剤Bと、導電性
    支持体とを含む水素吸蔵合金電極。 【化1】 (式中、Rは、炭素原子数6以上のアルキル基を表し、
    x、y、zは、それぞれ繰り返し単位(X)、(Y)、
    (Z)のモル分率を表し、 0.60≦x<1、 0≦y<0.40、 0.0001≦z≦0.02、 及び(x+y+z)=1である関係を満足する。)
  2. 【請求項2】 上記結着剤ヒドロキシアルキルアルキル
    セルロースが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
    ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びヒドロキシエ
    チルエチルセルロースからなる一群から選ばれる少なく
    とも一種であり、上記アルキルセルロースが、メチルセ
    ルロースである請求項1に記載の水素吸蔵合金電極。
  3. 【請求項3】 上記水溶性天然多糖類が、キサンタンガ
    ム、ウエランガム、ゲランガム、ラムザンガム、又はカ
    ードランである請求項1に記載の水素吸蔵合金電極。
  4. 【請求項4】 上記導電性支持体が、パンチングメタル
    である請求項1〜3の何れかに記載の水素吸蔵合金電
    極。
  5. 【請求項5】 水素吸蔵合金粉末を含み、また、ヒドロ
    キシアルキルアルキルセルロースとアルキルセルロース
    とカルボキシメチルセルロースと水溶性天然多糖類とか
    らなる一群から選ばれる少なくとも一種であり、かつ、
    1重量%水溶液の20℃での粘度が200mPa・s以
    上である結着剤Aを含み、さらに、下記式(1)で示さ
    れる繰り返し単位を有する変成ポリビニルアルコールで
    ある結着剤Bを含む、水を分散媒とするスラリーを作製
    し、次いで該スラリー中の導電性支持体の浸漬又は該ス
    ラリーの集電体表面への塗布のいずれか又は両方を行
    い、乾燥することを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造
    方法。 【化2】 (式中、Rは、炭素原子数6以上のアルキル基を表し、
    x、y、zは、それぞれ繰り返し単位(X)、(Y)、
    (Z)のモル分率を表し、 0.60≦x<1、 0≦y<0.40、 0.0001≦z≦0.02、 及び(x+y+z)=1である関係を満足する。)
  6. 【請求項6】 上記結着剤ヒドロキシアルキルアルキル
    セルロースが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
    ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びヒドロキシエ
    チルエチルセルロースからなる一群から選ばれる少なく
    とも一種であり、上記アルキルセルロースが、メチルセ
    ルロースである請求項5に記載の水素吸蔵合金電極の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 上記水溶性天然多糖類が、キサンタンガ
    ム、ウエランガム、ゲランガム、ラムザンガム、又はカ
    ードランである請求項5に記載の水素吸蔵合金電極の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 上記導電性支持体が、パンチングメタル
    である請求項5〜7の何れかに記載の水素吸蔵合金電極
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030052738A (ko) * 2001-12-21 2003-06-27 현대자동차주식회사 고출력 니켈-수소전지용 페이스트식 음극 및 그 제조방법
WO2010106877A1 (ja) * 2009-03-16 2010-09-23 電気化学工業株式会社 リチウムイオン二次電池及びその製造方法
CN114440123A (zh) * 2022-02-14 2022-05-06 有研工程技术研究院有限公司 一种固态储氢罐用储氢床体元件

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