JPH05205746A - 電極用集電体とその製造法、及びそれを用いた水素吸蔵電極とニッケル−水素蓄電池 - Google Patents

電極用集電体とその製造法、及びそれを用いた水素吸蔵電極とニッケル−水素蓄電池

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JPH05205746A
JPH05205746A JP4010671A JP1067192A JPH05205746A JP H05205746 A JPH05205746 A JP H05205746A JP 4010671 A JP4010671 A JP 4010671A JP 1067192 A JP1067192 A JP 1067192A JP H05205746 A JPH05205746 A JP H05205746A
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hydrogen storage
current collector
nickel
hydrogen
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JP4010671A
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Gohei Suzuki
剛平 鈴木
Hiroshi Kawano
博志 川野
Nobuyuki Yanagihara
伸行 柳原
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニッケルー水素蓄電池及びその負極である水
素吸蔵電極、及びこれに用いる集電体とその製造法であ
って、水素吸蔵電極、引いてはニッケルー水素蓄電池の
軽量化を図る。 【構成】 樹脂薄板1を基板に無電解ニッケルメッキを
行い、導電層2を形成し、電極用集電体4を軽量化する
ことにより水素吸蔵電極並びにニッケル−水素蓄電池の
単位重量当たりのエネルギー密度を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解液中で水素を可逆的
に吸蔵・放出する水素吸蔵電極、及びこの電極に用いる
集電体とその製造法、さらにこの電極を負極に用いるニ
ッケル−水素蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】低廉化が期待できる水素吸蔵電極とし
て、電極支持体に発泡ニッケル多孔体に代わってパンチ
ングメタルなどの2次元多孔性金属基板が用いられる場
合が多い。この電極の製造法は以下に示す通りである。
すなわち、合金組成に合うように各種金属を秤量し、ア
ーク溶解炉などを用いて高温アーク放電によって各種金
属の混合物を溶解させ、可逆的に水素を吸蔵・放出する
水素吸蔵合金を得る。この合金をさらに粉砕して300
メッシュ以下の粒径を有する粉末とし、結着剤などと混
練してペースト状あるいはシート状にした後、これを電
極支持体と加圧一体化して水素吸蔵電極としている。ま
たこの電極を負極とし、電解液中でセパレータを介して
正極と組み合わせることにより、ニッケルー水素蓄電池
としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】小型(1Ah程度)の
円筒型電池で比較した場合、ニッケルー水素蓄電池は他
の電池系、例えばニッケルーカドミウム蓄電池に比べて
単位重量当たりのエネルギー密度が大きい。従ってその
大型電池は移動用電源として囑望されている。しかし現
状では既存の大型電池と比べてエネルギー密度に有意な
差がみられない。これは大型電池にした場合、小型電池
に比べて極柱など周辺部材の全重量に占める割合が高い
からである。そしてエネルギー密度に有意な差をもたせ
るためには、電極等については大幅な軽量化が必要であ
る。
【0004】上記の電極に用いる集電体は、耐アルカリ
性を考慮してニッケル、あるいは鉄にニッケルメッキを
施したものが用いられる。これらの集電体は、エキスパ
ンドメタルやパンチングメタルに代表されるように、電
極活物質の結着性向上のため2次元多孔性構造をとって
いる。この集電体が電極全体に占める割合は10〜20
重量%程度もあり、この値を軽減し電池全体のエネルギ
ー密度を向上させるには、集電体の材料自体を見直す必
要がある。
【0005】従って本発明は、集電体を軽量化し、単位
重量当たりのエネルギー密度が大きい水素吸蔵電極及び
ニッケル−水素蓄電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は水素吸蔵電極用
の集電体として、図1に示すように樹脂薄板1を基板と
し、その表裏両面に耐アルカリ性に優れたニッケルから
なる導電層2を備えることを特徴とする電極用集電体4
を提供するものである。
【0007】水素吸蔵電極の結着性を向上させるために
は、合金層同士の接触性を高める必要がある。加えて活
物質である水素の受け渡しを円滑にするためには、集電
体によって水素吸蔵合金粉末と電解液の接触を悪化させ
ないような集電体構造とする必要がある。そこでこの集
電体をパンチングメタルのような2次元多孔性構造とす
るのが好ましい。
【0008】また、樹脂薄板及び導電層であるメッキ層
の厚みは、構造的な強度、導電性、フレキシビリティ、
及び電極の単位重量当たりのエネルギー密度などを考慮
して決定する必要があり、樹脂薄板の厚みは10〜10
0μm、導電層の厚みは2〜40μm程度とするのが好
ましい。
【0009】本発明の集電体の製造法としては、樹脂薄
板に無電解ニッケルメッキを施す方法が挙げられる。こ
こでニッケルメッキ層と樹脂薄板との密着性を上げるた
めに、樹脂薄板に予めブラスト処理を施し、樹脂薄板表
面の凹凸を大きくした後に無電解ニッケルメッキに供す
る方法が挙げられる。さらには前記ブラスト処理に引続
き、樹脂薄板を塩化パラジウム溶液に代表される無電解
メッキ用触媒溶液中に浸漬し、しかる後に無電解ニッケ
ルメッキに供する方法もとられる。
【0010】また比較的密着性や強度の小さい無電解ニ
ッケルメッキ層の上に、さらに電解ニッケルメッキを行
う方法も、信頼性の高い導電層を得る方法として挙げる
ことができる。
【0011】前記集電体4を用いた水素吸蔵電極として
は、図2に示すように、まず水素吸蔵合金粉末と結着剤
からなるペースト状あるいはシート状合金層3が、前記
集電体4を挟み込む形が挙げられる(水素吸蔵電極1) また図3に示すように、前記集電体4をU字型に曲げて
この集電体4の内側に前記合金層3を配し、全体として
集電体4が該合金層3を包み込む形をとる水素吸蔵電極
も挙げられる(水素吸蔵電極2) さらには図4に示すように3枚の前記集電体4を、2枚
の合金層3と交互に重ね合わせた形とすることもでき
る。(水素吸蔵電極3) 尚、前記図2乃至図5中、5はリードを示す。
【0012】また前記水素吸蔵電極1乃至3の導電性を
高めるために、合金層中に耐アルカリ性のあるニッケ
ル、カーボン、コバルトなどの導電性微粉末を添加する
ことも好ましい。その添加量は水素吸蔵電極の単位重量
当たりのエネルギー密度を考慮して決定する必要があ
り、水素吸蔵合金粉末に対して1〜10重量%程度が好
ましい。
【0013】また正極容量規制電池とした場合の過充電
時におけるガス吸収性を高めるために、結着剤に撥水性
の高いフッ素樹脂を用いることも好ましい。その添加量
は電極の結着性及び電池特性を考慮して決定する必要が
あり、水素吸蔵合金粉末に対して1〜10重量%程度が
好ましい。
【0014】さらには電解液を通しての電極反応を円滑
にするため、結着剤に前記フッ素樹脂と親水性高分子
(カルボキシルメチルセルロース、以下CMCと略記)
とを組合せて用いることも、バランスのとれた電池特性
を得るために好ましい方法である。
【0015】
【作用】集電体の軽量化により、単位重量当たりのエネ
ルギー密度が大きな水素吸蔵電極及びニッケル−水素蓄
電池が得られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0017】(実施例1)純度99.5%以上のランタ
ン(La)を20重量%含むミッシュメタル(Mm)、
ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、アルミニウム
(Al)、コバルト(Co)を所定の割合で混合し、ア
ーク溶解炉にて溶解しMmNi4.0 Mn0.3Al0.3
0.4 合金を製造した。この合金を不活性雰囲気中で粉
砕し、粒度300メッシュ以下の粉末とした。この合金
粉末7.5gに対して高分子結着剤ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)を5 重量%加え、よく混練した後
にローラープレスにかけ、厚さ0.25mm程度の2枚
のシートとした。このシート2枚で集電体のパンチング
メタル(鉄にニッケルめっき、90μm厚)を挟み、ロ
ーラープレスにて加圧成型し前記水素吸蔵電極1と同構
造の電極とした(寸法55×60mm2 、厚さ0.45
mm)。この電極を0.2A×15時間の条件で予備充
放電した後再びローラープレスによる加圧を行った。こ
れを負極として5枚用い、図5に示すような負極容量規
制のニッケルー水素蓄電池を作製した。これを電池Aと
する。具体的には、負極6をセパレター8を介して正極
7と組み合わせ、アルカリ性電解液9とともに電槽10
に挿入するようにした。この電槽10には注液栓を兼ね
る安全弁11が取りつけてある蓋12が装備され、さら
に負荷を取り出すための負極リード13と正極リード1
4が取りつけてある。
【0018】次に集電体のパンチングメタルをU字型に
曲げ、その内側に電池Aと同様のシート挟み、加圧一体
化により前記水素吸蔵電極2と同構造の電極を作製し
た。この電極に対し電池Aと同様の予備充放電及び再加
圧を行った。これを負極として5枚用い、図5と同様に
作製した電池を電池Bとする。
【0019】続いて電池Aと同様の電極体を作製し、こ
の電極体を挟む形でニッケルネット2枚を加圧一体化し
て前記水素吸蔵電極3と同構造の電極を作製した。この
電極に対し電池Aと同様の予備充放電及び再加圧を行っ
た。これを負極として5枚用い、図2と同様に作製した
電池を電池Cとする。
【0020】ここでパンチングメタルに代わって、厚さ
70μmのポリ塩化ビニル薄板を次亜リン酸系の還元剤
を含む無電解ニッケルメッキ液に浸漬し、メッキ厚が片
面10μmになるまで無電解ニッケルメッキを施し、総
厚を90μmとした後一定間隔でパンチ穴を開けた本発
明の2次元多孔性集電体を用い、電池A、B、Cと同様
の電極構成及び電池構成としたものを、それぞれ電池
D、E、Fとする。
【0021】電池作製に際しては、ニッケル正極は1枚
当たり2.5Ahのものを6枚用い、電解液には比重
1.3の水酸化カリウム水溶液200mlを用いた。
【0022】以上の電池各1個について5.0Aの電流
で充放電した。充電時間は3時間、放電終止電圧は1.
0Vとして100サイクルの充放電試験を行った。電池
A〜Fの負極重量(リードは除く)、及び2、20、1
00サイクル目における負極重量当たりの放電容量を表
1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】電池A〜Cに関しては、電池の放電容量は
電池A<B<Cの順に大きくなっている。これは水素吸
蔵電極の構造、即ち集電体による導電性の向上に起因し
て現れた差異である。しかし集電体であるパンチングメ
タルの電極重量に占める割合が大きいため、電極重量当
たりの放電容量は用いた集電体の重量に反比例して、明
確に電池A>B>Cと逆転しており、導電性向上の効果
が見られなくなっている。しかもその放電容量は、最大
値を示した100サイクルにおいても190mAh/g
程度に過ぎない。
【0025】これに比べて本発明の電池D〜Fでは、電
池の放電容量はパンチングメタルを集電体に用いた電池
A〜Cと変わらないが、電極重量当たりの放電容量が電
池AとDでは7%、電池BとEでは14%、電池CとF
では21%、それぞれ伸長している。また電極構造によ
る導電性向上の効果については、その傾向は依然明確で
ないものの(電池D≧E≧F)、集電体重量が大幅に小
さくなったことにより幾分改善されているのがわかる。
【0026】以上のように本発明の集電体を用いた水素
吸蔵電極は、放電容量そのものは従来と変わりないもの
の、集電体の軽量化により単位重量当たりの放電容量が
向上することがわかった。
【0027】(実施例2)表2に示す厚さのポリ塩化ビ
ニル薄板を次亜リン酸系の還元剤を含む無電解ニッケル
メッキ液に浸漬し、メッキ厚が片面10μmになるまで
無電解ニッケルメッキを施した後一定間隔でパンチ穴を
開けて2次元多孔性集電体を作製した。この集電体を用
いて、実施例1の電池Eと同様の水素吸蔵電極及びニッ
ケルー水素蓄電池G、H、I、J、Kを作製した。
【0028】
【表2】
【0029】以上の電池各1個を5.0Aの電流で充放
電した。充電時間は3時間、放電終止電圧は1.0Vと
して300サイクルの充放電試験を行った。負極重量
(リードは除く)、及び2、20、100、200、3
00サイクル目におけるこれら電池の負極重量当たりの
放電容量を、電池Eとともに表2に併せて示す。
【0030】一般に無電解メッキの密着性は、基板の凹
部へメッキ層が噛み込むことにより上昇する。これに対
し樹脂薄板は薄くなるにつれてその平滑性は高くなる傾
向がある。従って薄い樹脂薄板を用いて集電体を作製
し、これを電極材料として用いた場合、樹脂薄板とニッ
ケルメッキ層との密着性低いため、充電ロスに起因する
ガス発生によってメッキ層の剥離進み、充放電サイクル
を重ねるにつれて容量は低下し続ける(電池G)。
【0031】一方電池Eに用いる水素吸蔵電極2の構造
では、樹脂薄板は厚くなると、曲げの応力に対する斥力
が大きくなるため、特に樹脂薄板表面にかかる歪みによ
りメッキ層の剥離が起こりやすくなる。従ってこれを電
極材料として用いた場合、充放電サイクルを重ねるにつ
れて容量は低下し続ける(電池K)。
【0032】前記の2つの現象については、試験終了後
に電池を分解し確認したものである。従って本発明の集
電体を電極材料として用いる場合、従来のパンチングメ
タルなとどの優位性を考慮して、樹脂薄板の厚みを10
〜100μmの範囲とするのが好ましい。
【0033】(実施例3)厚さ70μmのポリ塩化ビニ
ル薄板を次亜リン酸系の還元剤を含む無電解ニッケルメ
ッキ液に浸漬し、片面のメッキ厚が表3に示す値になる
まで無電解ニッケルメッキを施した後一定間隔でパンチ
穴を開けて2次元多孔性集電体を作製した。この集電体
を用いて、実施例1の電池Eと同様の水素吸蔵電極及び
ニッケルー水素蓄電池L、M、N、Oを作製した。
【0034】
【表3】
【0035】以上の電池各1個を5.0Aの電流で充放
電した。充電時間は3時間、放電終止電圧は1.0Vと
して300サイクルの充放電試験を行った。負極重量
(リードは除く)、及び2、20、100、200、3
00サイクル目におけるこれら電池の負極重量当たりの
放電容量を、電池Eとともに表3に併せて示す。
【0036】本発明の集電体においてはニッケルメッキ
層の重量割合が高いため、本発明の主旨に基づき、電池
特性を損なわない範囲内でできるだけこの割合を低くす
ることが必要である。しかしメッキ厚を過剰に小さくす
ると、集電体の導電性が悪化し電極の電池特性は低下す
ると考えられる。実際メッキ厚が片面1μmの場合(電
池L)、電池特性の著しい低下が見られた。
【0037】またメッキ厚が過剰に大きい場合、単位重
量当たりの電池容量が低下する(電池O)。従って本発
明の集電体を電極材料として用いる場合、従来のパンチ
ングメタルなどとの優位性を考慮して、メッキ層の厚み
を2〜40μmの範囲とするのが好ましい。
【0038】(実施例4)厚さ70μmのポリ塩化ビニ
ル薄板にブラスト処理を行い、表面の凹凸を増した後に
次亜リン酸系の還元剤を含む無電解ニッケルメッキ液に
浸漬し、片面のメッキ厚が10μmになるまで無電解ニ
ッケルメッキを施した後一定間隔でパンチ穴を開けて2
次元多孔性集電体を作製した(集電体1)。また前記ブ
ラスト処理の後、2×10-3Mの塩化パラジウム水溶液
に1分間浸漬した後に集電体1と同様の方法で2次元多
孔性集電体を作製した(集電体2)。さらには実施例1
に用いた集電体と前記集電体1及び2に対して、それぞ
れメッキ厚が5μmとなるように電解ニッケルメッキを
行った(それぞれを集電体3、4、5とする)。この集
電体1〜5を用いて、実施例1の電池Eと同様の水素吸
蔵電極及びニッケルー水素蓄電池を作製した。これらの
電池をそれぞれ電池P、Q、R、S、Tとする。
【0039】以上の電池各1個を5.0Aの電流で充放
電した。充電時間は3時間、放電終止電圧は1.0Vと
して300サイクルの充放電試験を行った。負極重量
(リードは除く)、及び2、20、100、200、3
00サイクル目におけるこれら電池の負極重量当たりの
放電容量を電池Eとともに表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】無電解メッキは基板の凹部を反応開始点と
して自己触媒的に反応が進む系であり、前述のように表
面の凹凸に応じて基板とメッキ層との密着性は上昇す
る。電池Eに用いた樹脂薄板(70μm厚)は表面に適
度の凹凸があるため、無電解メッキ層(片面10μm
厚)との密着性もさほど低くはないが、しかし300サ
イクル程度充放電を繰り返すと、無電解メッキ層の剥離
に起因する電極の容量低下が確認される。この現象は試
験終了後に電池を分解することにより確認できる。
【0042】一方ブラスト処理により樹脂薄板の凹凸を
さらに大きくした電池Pでは、初期容量こそ変わりない
ものの、300サイクル目の放電容量が大きくなってい
ることがわかる。このようにメッキ基板(ここでは樹脂
薄板)の表面凹凸を、集電体作製に先立ち大きくするこ
とは、電極の寿命特性向上に効果があることがわかっ
た。
【0043】また前記ブラスト処理を行った樹脂薄板上
にメッキ用触媒を付与した場合(電池Q)、放電容量自
体が若干上昇する。これは触媒の存在により無電解メッ
キ反応が均一に起こり、より緻密な導電層(無電解ニッ
ケルメッキ層)が形成されたことに基づくと考えられ
る。
【0044】さらにこれら無電解ニッケルメッキ層の上
に電解ニッケルメッキを施した場合(電池R〜T)、電
池R、Sについては電極重量が増したにもかかわらず、
それぞれ電解メッキを行っていないものよりも放電容量
が伸長した。これは一般に無電解メッキが基板に対して
垂直方向に反応が進むのに対し、電解メッキは条件によ
り基板と平行方向にメッキ層を形成させることができる
からで、これにより得られたニッケルメッキ層の導電性
が著しく上昇したためである。従って既に緻密なメッキ
層を得ている電池Qの改良型である電池Tでは、さほど
の効果がなかったと考えられる。
【0045】(実施例5)実施例1と同様の合金粉末
7.5gに対して高分子結着剤PTFEを適量、さらに
必要に応じてCMCを0.3重量%加え、適宜導電材と
してニッケル微粉末(粒径2〜3μm)を加えてシート
とした。このシートを用いて電池Eと同条件の水素吸蔵
電極を作製した。これら電極の作製条件の詳細について
は表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】以上の水素吸蔵電極5枚を用いて実施例1
と同様にニッケルー水素蓄電池U、V、W、X、Y、
Z、AA、BB、CCを組立て、これら各1個を5.0
Aの電流で充放電した。充電時間は3時間、放電終止電
圧は1.0Vとして300サイクルの充放電試験を行っ
た。負極重量(リードは除く)、及び2、20、10
0、200、300サイクル目におけるこれら電池の負
極重量当たりの放電容量を、電池Eとともに表5に併せ
て示す。
【0048】表5に示すように、結着剤であるPTFE
量に関しては、添加量を合金に対して0.5重量%とし
た場合(電池U)、初期の容量は他の電池に比べてよい
ものの、300サイクル経過時には放電容量がほとんど
0である。また添加量が15重量%のもの(電池X)
は、初期から放電容量が低いままである。この2つの電
池を300サイクル後に分解したところ、電池Uの負極
はシートが崩壊して粉末が集電体からほとんど脱落して
いるのが確認できた。また電池Xの負極は電解液をはじ
いているのが確認でき、電池反応がスムーズに行われて
いなかったと考えられる。従ってPTFEの添加量は、
合金に対して1〜10重量%であるのが好ましい。
【0049】このように疎水性結着剤であるPTFEの
みを用いた場合、水溶液である電解液との親和性が低い
ため、電池容量が低くなる傾向がある。そこで電池Yの
ように結着剤にCMCを併用したところ、表5に示すよ
うにPTFEのみの電池Eに比べて2%程度電池容量が
伸長した。このように結着力の強いフッ素樹脂結着剤と
親水性結着剤を併用することは、電池特性の向上に効果
があることがわかった。
【0050】ニッケル微粉末添加の効果については、表
5に示すようにその添加量が大きいものの方が放電容量
が大きい。しかしニッケル添加量が15重量%の場合、
ニッケルを電極重量に加えて換算すると、もはやニッケ
ル添加の優位性はみられない。従ってニッケル添加量は
1〜10重量%が望ましいということがわかる。
【0051】なお本実施例では導電性粉末としてニッケ
ルを用いたが、他にコバルト、カーボン、パラジウム、
白金、銀などから1種あるいは数種を選択して添加して
も、同様の効果が得られる。またフッ素樹脂について
も、PTFEの他にテトラフルオロエチレンーヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、ポリヘキサフルオロプロピ
レンなどが使用できる。さらには親水性高分子として、
CMCの他にポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、
ポリビニルアルコールなどが使用できる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、軽量で且
つ十分な集電能をもつ電極用集電体、及びこの集電体を
用いた単位重量当たりのエネルギー密度が大きい水素吸
蔵電極及びニッケルー水素蓄電池を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明集電体の斜視図
【図2】本発明電極の側面断面図
【図3】本発明電極の側面断面図
【図4】本発明電極の側面断面図
【図5】本発明電池の側面断面図
【符号の説明】
1 樹脂薄板 2 ニッケル導電層 3 シート状合金層 4 集電体 5 リード 6 負極 7 正極 8 セパレータ 9 電解液 10 電槽 11 安全弁 12 蓋 13 負極リード 14 正極リード

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ蓄電池用負極に用いる集電体で
    あって、樹脂薄板の表裏両面にニッケルからなる導電層
    を備えてなる電極用集電体。
  2. 【請求項2】 前記樹脂薄板を2次元多孔性構造とした
    請求項1記載の電極用集電体。
  3. 【請求項3】 前記樹脂薄板の厚みが10〜100μm
    である請求項1または2記載の電極用集電体。
  4. 【請求項4】 前記導電層の厚みが2〜40μmである
    請求項1乃至3の何れかに記載の電極用集電体。
  5. 【請求項5】 アルカリ蓄電池用負極に用いる集電体の
    製造法であって、樹脂薄板に無電解ニッケルメッキを施
    すことにより表裏両面にニッケルからなる導電層を形成
    せしめる電極用集電体の製造法。
  6. 【請求項6】 前記樹脂薄板に各種ブラスト処理を行
    い、各面の凹凸を大きくした後に前記無電解ニッケルメ
    ッキを施す請求項5記載の電極用集電体の製造法。
  7. 【請求項7】 前記ブラスト処理に引き続き、樹脂薄板
    を各種メッキ用触媒溶液中に浸漬した後に前記無電解ニ
    ッケルメッキを施す請求項6記載の電極用集電体の製造
    法。
  8. 【請求項8】 前記無電解ニッケルメッキの後に電解ニ
    ッケルメッキを施す請求項5乃至7の何れかに記載の電
    極用集電体の製造法。
  9. 【請求項9】 樹脂薄板の表裏両面にニッケルからなる
    導電層を備えてなる集電体、電気化学的に水素を吸蔵・
    放出する水素吸蔵合金粉末、及び結着剤からなる水素吸
    蔵電極であって、前記集電体を、前記水素吸蔵合金粉末
    と結着剤からなる合金層が挟み込む形をとる水素吸蔵電
    極。
  10. 【請求項10】 樹脂薄板の表裏両面にニッケルからな
    る導電層を備えてなる集電体、電気化学的に水素を吸蔵
    ・放出する水素吸蔵合金粉末、及び結着剤からなる水素
    吸蔵電極であって、前記集電体をU字型に曲げて、前記
    水素吸蔵合金粉末と結着剤からなる合金層を包み込む形
    をとる水素吸蔵電極。
  11. 【請求項11】 樹脂薄板の表裏両面にニッケルからな
    る導電層を備えてなる集電体、電気化学的に水素を吸蔵
    ・放出する水素吸蔵合金粉末、及び結着剤からなる水素
    吸蔵電極であって、前記集電体3枚を、前記水素吸蔵合
    金粉末と結着剤からなる合金層2枚と交互に重ね合わせ
    た形をとる水素吸蔵電極。
  12. 【請求項12】 前記合金層中に耐アルカリ性のある導
    電性微粉末が水素吸蔵合金粉末に対して1〜10重量%
    含まれる請求項9乃至11の何れかに記載の水素吸蔵電
    極。
  13. 【請求項13】 前記結着剤がフッ素樹脂であり、その
    添加量が水素吸蔵合金粉末に対して1〜10重量%であ
    る請求項9乃至12の何れかに記載の水素吸蔵電極。
  14. 【請求項14】 前記結着剤がフッ素樹脂と親水性高分
    子との組合せであり、フッ素樹脂の添加量が水素吸蔵合
    金粉末に対して1〜10重量%である請求項9乃至12
    の何れかに記載の水素吸蔵電極。
  15. 【請求項15】 電気化学的に水素を吸蔵・放出する水
    素吸蔵電極からなる負極、ニッケル正極、セパレータ、
    及びアルカリ電解液からなるニッケル−水素蓄電池であ
    って、前記負極が請求項9乃至14の何れかに記載の水
    素吸蔵電極からなるニッケル−水素蓄電池。
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