JPH11327539A - 鍵盤楽器の鍵盤装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャーシの製作コストの大幅な削減により製
造コストを大幅に削減することができ、組立を容易に行
えるとともに、別個の取付用部材を必要とすることな
く、楽器本体にしっかり固定することができる鍵盤楽器
の鍵盤装置を提供する。 【解決手段】 複数のシャーシ２と、これら複数のシャ
ーシ２を左右方向に並んた状態で互いに連結する金属製
の連結部材４と、シャーシ２に回動自在に設けられた複
数の鍵３と、楽器本体７側から連結部材４にねじ込まれ
ることにより、複数のシャーシ２を楽器本体７に固定す
るねじ１１と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子ピアノなどに
用いられる鍵盤楽器の鍵盤装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の電子ピアノの鍵盤装置では一般
に、１個の金属製のシャーシ（フレーム）上に多数の鍵
が左右方向に並んで取り付けられている。このシャーシ
には、多数の溝や孔などが形成されており、各鍵は、こ
れらの溝および孔に係合した状態で、シャーシに回動自
在に取り付けられている。また、シャーシは、１枚の金
属板（例えば鋼板）にプレス金型を用いた打ち抜き加工
を施すとともに、曲げ金型を用いた曲げ加工などを施す
ことによって、一体に製作されている。また、金属製の
シャーシに代えて合成樹脂製のシャーシを用いた鍵盤装
置も知られており、その場合、合成樹脂製のシャーシは
一般に、金型を備える射出成形機によって、一体的に射
出成形されている。さらに、このような鍵盤装置は通
常、楽器本体の棚板側からシャーシにねじ込んだねじに
よって、棚板に固定されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の鍵盤装置に
よれば、１個のシャーシ上にすべての鍵が取り付けられ
ているため、シャーシは、これらの鍵全体の幅（左右方
向の長さ）以上の大きなサイズにならざるを得ない。こ
のため、シャーシの加工に使用される、プレス金型、曲
げ金型および射出成形用の金型や、プレス機および射出
成形機を含めた製造設備が大型になり、製造コストを大
きく増大させる原因になっている。これに加えて、シャ
ーシの試作段階において、シャーシに形成される孔や鍵
ガイドの位置などが、金型の製造誤差などによってずれ
てしまうことがあり、これらの位置を整えるための金型
調整が必要になる場合がある。この場合、金型が大型で
あることにより、溝や孔の位置ずれを調整すべき範囲が
広くなることによって、金型の調整作業に手間がかか
り、その結果、製造コストをさらに増大させるという問
題がある。

【０００４】また、鍵盤装置には、通常の８８鍵に限ら
ず、様々な鍵数のものがある。しかし、従来の鍵盤装置
では、全体として１個のシャーシを用いているため、例
えば８８鍵用のシャーシの金型を、７６鍵用のシャーシ
の加工に転用することは不可能である。このため、鍵数
の異なる鍵盤装置を製造する場合、それぞれの鍵数用の
シャーシの金型を別々に製作しなければならず、製造コ
ストが一層、増大してしまう。

【０００５】さらに、この鍵盤装置は、シャーシへのね
じ込みによって楽器本体の棚板に固定されるため、シャ
ーシが合成樹脂製の場合には、ねじ保持力が不足がちに
なることで、ねじバカなどが生じやすく、棚板にしっか
りと固定することが困難になる。例えば、電子ピアノで
は通常、棚板がＭＤＦや合板などの木質材で構成されて
いるために、その反りやねじれの発生によってねじに引
抜き力が作用しやすいことから、十分なねじ保持力を確
保することが特に必要になる。このような不具合を解消
すべく、シャーシに金属製の取付用部材を取り付け、こ
の取付用部材を介して鍵盤装置を棚板にねじ止めするこ
とも従来行われている。しかし、この場合には、別個の
取付用部材を必要とする分、部品点数と組立工数が増加
し、さらなるコスト増を招いてしまう。

【０００６】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、シャーシの製作コストの大幅な
削減により製造コストを大幅に削減することができ、組
立を容易に行えるとともに、別個の取付用部材を必要と
することなく、楽器本体にしっかり固定することができ
る鍵盤楽器の鍵盤装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の鍵盤楽器の鍵盤装置は、複数のシャーシ
と、これら複数のシャーシを左右方向に並んた状態で互
いに連結する金属製の連結部材と、シャーシに回動自在
に設けられた複数の鍵と、楽器本体側から連結部材にね
じ込まれることにより、複数のシャーシを楽器本体に固
定するねじと、を備えていることを特徴とする。

【０００８】この鍵盤楽器の鍵盤装置によれば、鍵盤装
置のシャーシが複数に分割されていて、それらを別々に
製作できるので、１つの鍵盤装置に対して１個のシャー
シを製作する従来の場合と比べて、シャーシ１個当りの
サイズを小型化できる。これによって、シャーシの製作
に用いる、金型やプレス機などを含む製造設備を小型化
できるとともに、試作段階の金型調整も容易になるの
で、シャーシの製作コスト、したがって、鍵盤装置の製
造コストを大幅に削減することができる。

【０００９】また、複数のシャーシが連結部材で互いに
連結されるので、例えば、シャーシを楽器本体に取り付
ける前に、連結部材で連結した複数のシャーシに鍵を取
り付けることが可能になるなど、鍵盤装置の組立の自由
度が高められる。そして、そのように、楽器本体への取
付前に、例えば楽器本体外で、鍵盤装置を組み立てるこ
とによって、その組立作業、および複数のシャーシ相互
間やそれらに取り付けられた鍵相互間の位置関係の調整
作業などを容易に行うことができ、楽器本体にシャーシ
や鍵などを順次、組み込んだ場合に生じやすい鍵の表面
の損傷などを回避することができる。

【００１０】さらに、金属製の連結部材に楽器本体側か
らねじ込んだねじによって、シャーシを楽器本体に固定
するので、十分なねじ保持力を確保でき、ねじバカなど
の不具合を防止しつつ、鍵盤装置を楽器本体にしっかり
固定することができる。また、そのために従来設けられ
ていた別個の取付用部材は不要となり、その分の部品点
数および組立工数の削減によって、製造コストをさらに
削減することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態を詳細に説明する。図１および図２は、本
発明の第１実施形態による電子ピアノの鍵盤装置を示し
ている。両図に示すように、この鍵盤装置１は、複数の
シャーシ２と、シャーシ２上に回動自在に取り付けら
れ、左右方向に並設された多数の鍵３と、複数のシャー
シ２を互いに連結する前後の連結部材４、４と、を備え
ている。

【００１２】複数のシャーシ２は、左右方向に並んだ状
態で連結部材４、４によって連結されており、中央の７
個（図１には２個のみ図示）のシャーシと、図示しない
最低音部用および最高音部用のシャーシの、計９個のシ
ャーシで構成されている。このうち、中央の７個のシャ
ーシ２は、互いに同じ寸法および形状を有しており、各
シャーシ２に、１オクターブ分の鍵３、すなわち７個の
白鍵３ａおよび５個の黒鍵３ｂから成る計１２個の鍵３
が取り付けられている。また、最低音部用および最高音
部用のシャーシには、最低音部の３個の鍵３および最高
音の１個の鍵３がそれぞれ取り付けられている。このよ
うに、鍵盤装置１は、全部で８８個の鍵３を備えている
（図１には２オクターブ分のみ図示）。

【００１３】中央の７個のシャーシ２はそれぞれ、同じ
金型で製作された、例えばＡＢＳ樹脂の射出成形品で構
成され、矩形の平面形状を有している。シャーシ２の下
面の四隅には、ボス２ａが下方に突出して形成されてお
り（図２に前後の２つのみ図示）、前側のボス２ａには
後方に延びる補強用のリブ２ｂ、後ろ側のボス２ａには
前後に延びるリブ２ｂ、２ｂが、それぞれ一体に形成さ
れている。

【００１４】一方、最低音部用および最高音部用のシャ
ーシはそれぞれ、上記シャーシ２用の金型に入子型を用
いることによって、Ｖ字形の溝付きのシャーシを射出成
形し、この溝付きシャーシを溝に沿って切断することに
より、製作されている。

【００１５】前後の連結部材４、４はそれぞれ、シャー
シ２の左右方向の全体に渡る長さの細長い１本の金属製
のアングル状のものであり、例えばアルミ合金の押出成
形品で構成されている。前連結部材４は、図２に示すよ
うに、上側の水平なシャーシ連結部４ａと、下側の水平
な棚板固定部４ｂと、それらの後端間をつなぐ鉛直部４
ｃとで構成されている。シャーシ連結部４ａには、シャ
ーシ２のボス２ａに対応する位置に、複数のボルト孔４
ｄ（１つのみ図示）が形成されている。そして、前連結
部材４は、シャーシ連結部４ａのボルト孔４ｄを介して
下側から通したねじ８を、各シャーシ２の前側のボス２
ａにねじ込むことによって、シャーシ２に固定され、シ
ャーシ２を相互に連結する（図１参照）。

【００１６】一方、後連結部材４は、前連結部材４と前
後対称に形成され、すなわち、上下の水平なシャーシ連
結部４ａおよび棚板固定部４ｂと、それらの前端間をつ
なぐ鉛直部４ｃとから構成されており、前連結部材４と
同様、シャーシ連結部４ａのボルト孔４ｄを介して、各
シャーシ２の後ろ側のボス２ａに、下方からねじ８で固
定され、シャーシ２を相互に連結する。

【００１７】鍵３（白鍵３ａおよび黒鍵３ｂ）はそれぞ
れ、例えばＡＢＳ樹脂の射出成形品で構成されており、
以下、白鍵３ａを例にとり、その構成を説明する。白鍵
３ａの後端部には、下方に延びる可撓部３ｅと、この可
撓部３ｅから後方に水平に延びる取付部３ｆとが形成さ
れている。白鍵３ａは、この取付部３ｆの部分で、ねじ
９によりシャーシ２の上面後端部に取り付けられてい
る。また、可撓部３ｅは、白鍵３ａが押鍵されたとき
に、弾性変形して撓めるような厚さを有しており、この
構成によって、白鍵３ａは、取付部３ｆを中心として回
動可能であるとともに、離鍵後は、可撓部３ｅの弾性力
によって、離鍵方向（図２の時計方向）に復帰回動する
ようになっている。

【００１８】また、白鍵３ａの前部には、フック状のス
トッパ部３ｃが形成されており、このストッパ部３ｃ
は、シャーシ２の孔２ｄを通って下方に突出している。
一方、シャーシ２の上面および下面には、ゴム製の下限
ストッパ２ｅおよび上限ストッパ２ｆが、それぞれ取り
付けられている。以上の構成により、白鍵３ａは、スト
ッパ部３ｃが上限ストッパ２ｆに当接する斜め後ろ下が
りの離鍵位置（図２に示す位置）と、白鍵３ａの下面が
下限ストッパ２ｅに当接する押鍵位置（図示せず）との
間で、回動可能であり、常時は、可撓部３ｅの弾性力に
よって離鍵位置に位置している。

【００１９】さらに、シャーシ２には、白鍵３ａのスト
ッパ部３ｃに相当する位置に、鍵ガイド２ｇが立設され
ている。白鍵３ａは、その回動時に、この鍵ガイド２ｇ
によって、左右方向にぶれないように案内される。

【００２０】白鍵３ａは、以上のように構成されてお
り、説明は省略するが、黒鍵３ｂも白鍵３ａとほぼ同様
に構成されている。

【００２１】また、シャーシ２の中央部には、鍵３の押
鍵情報を検出するための鍵スイッチ１３が設けられてい
る。この鍵スイッチ１３は、プリント基板１４と、その
上面に設けられた多数のスイッチ本体１５とを備えてい
る。プリント基板１４は、その前端部がシャーシ２の係
合溝２ｃに係合した状態で、シャーシ２にねじ１０で取
り付けられている。

【００２２】各スイッチ本体１５は、シャーシ２に形成
した孔２ｈを介して、シャーシ２の上方に突出するとと
もに、プリント基板１４を介して、電子ピアノの発音を
制御する制御装置（図示せず）に接続されている。一
方、鍵３の中央部には、下方に突出するアクチュエータ
部３ｄが形成されており、このアクチュエータ部３ｄ
は、スイッチ本体１５の上面に常に当接している。そし
て、鍵３が押鍵されるのに伴い、アクチュエータ部３ｄ
がスイッチ本体１５を押下し、オン動作させることによ
って、鍵３の押鍵の有無および押鍵速度などの押鍵情報
が検出され、その検出結果に応じて、制御装置が電子ピ
アノの発音を制御するようになっている。

【００２３】以上の構成の鍵盤装置１は、例えば、複数
のシャーシ２を前後の連結部材４、５により、前述した
ようにして相互に連結し、次いで、連結されたシャーシ
２に鍵スイッチ１３や鍵３を取り付けることなどにより
組み立てられ、さらにシャーシ２相互間や鍵３相互間の
位置関係の調整を終えた後、楽器本体としての棚板７に
取り付けられる。この棚板７は、ＭＤＦや合板などの木
質材で構成されている。

【００２４】この棚板７への鍵盤装置１の取付は、図２
に示すように、棚板７に形成したボルト孔７ａ、および
前後の連結部材４、４の各棚板固定部４ｂに形成したね
じ孔４ｅに、ねじ１１を棚板７の下側から通し、このね
じ１１を棚板固定部４ｂのねじ孔４ｅにねじ込むことに
よって、行われる。

【００２５】以上のように構成された本実施形態の鍵盤
装置１によれば、鍵３を取り付けるためのシャーシが、
１オクターブ分用の７個のシャーシ２と、最低音部用お
よび最高音部用の２個のシャーシとに分割構成されてい
るので、シャーシ２の製作に用いる、射出成形用の金型
や射出成形機を含めた製造設備を小型化できる。また、
金型の小型化によって、試作段階の金型調整も容易にな
る。したがって、シャーシ２の製作コストを大幅に削減
でき、鍵盤装置１の製造コストを大幅に削減することが
できる。

【００２６】また、複数のシャーシ２が連結部材４で互
いに連結されるので、例えば、シャーシ２を棚板７に取
り付ける前に、連結部材４で連結した複数のシャーシ２
に鍵３を取り付けることが可能になるなど、鍵盤装置１
の組立の自由度が高められる。そして、そのように、棚
板７への取付前に、例えばピアノ本体外で、鍵盤装置１
を組み立てることによって、その組立作業、および複数
のシャーシ２相互間やそれらに取り付けられた鍵３相互
間の位置関係の調整作業などを容易に行うことができ、
棚板７にシャーシ２や鍵３などを順次、組み込んだ場合
に生じやすい鍵３の表面の損傷などを回避することがで
きる。

【００２７】さらに、金属製の連結部材４に棚板７側か
らねじ込んだねじ１１によって、シャーシ２を棚板７に
固定するので、十分なねじ保持力を確保でき、ねじバカ
などの不具合を防止しつつ、鍵盤装置１を棚板７にしっ
かり固定することができる。また、そのために従来設け
られていた別個の取付用部材は不要となり、その分の部
品点数および組立工数の削減によって、製造コストをさ
らに削減することができる。

【００２８】図３は、本発明の第２実施形態による電子
ピアノの鍵盤装置を示している。この鍵盤装置２１は、
鍵３に連動して回動するハンマー２２を備えたタイプの
ものである。鍵３は、後端部がシャーシ２に回動自在に
支持されている。ハンマー２２は、その中央部よりも前
側の部分で、シャーシ２の回動支点２３に回動自在に支
持されている。また、ハンマー２２は、その前端部の鍵
当接部２２ａが鍵３の頂壁の裏面に当接しているととも
に、回動支点２３よりも後ろ側の部分がシャーシ２の開
口２ｉを通って、シャーシ２の下側に延びている。さら
に、ハンマー２２の後端部には、上方に延びる延出部２
２ｂが形成されていて、ハンマー２２の回動時、この延
出部２２ｂが、シャーシ２に形成された開口２ｊを通っ
て、出入りするようになっている。

【００２９】さらに、ハンマー２２の鍵当接部２２ａの
下側には、アクチュエータ部２２ｃが形成されていて、
このアクチュエータ部２２ｃは、鍵スイッチ１３のスイ
ッチ本体１５の上面に常時、当接している。なお、同図
中の符号２ｋ、２ｌは、ハンマー２２の下限位置および
上限位置をそれぞれ規制するために、棚板７の上面およ
びシャーシ２の下面にそれぞれ設けられた下限ストッパ
および上限ストッパである。以上の構成により、鍵３が
押鍵されると、ハンマー２２は、その鍵当接部２２ａが
鍵３で押されることによって、同図の反時計方向に回動
し、この回動の際、アクチュエータ部２２ｃが鍵スイッ
チ１３のスイッチ本体１５を押下することによって、鍵
３の押鍵情報が検出される。

【００３０】本実施形態においても、シャーシ２は９個
のシャーシで分割構成されており、これら複数のシャー
シ２は、前述した第１実施形態の前連結部材４と同様の
金属製の前後の連結部材４、４により、第１実施形態と
同様にして、互いに連結されるとともに、棚板７に固定
されている。また、本実施形態では、前後の連結部材
４、４に加えて、中央の連結部材１２が設けられてい
る。この連結部材１２は、上下の水平なシャーシ連結部
１２ａおよび棚板固定部１２ｂと、前者１２ａの後端と
後者１２ｂの前端の間に延びる鉛直部１２ｃとで構成さ
れている。連結部材１２は、シャーシ連結部１２ａに形
成したボルト孔１２ｄを介し、鍵スイッチ１３を固定す
るねじ１０によって、シャーシ２に固定され、これらを
相互に連結するとともに、棚板固定部１２ｂに形成した
ねじ孔１２ｅに、ねじ１１を棚板７のボルト孔７ａを介
して下側からねじ込むことによって、棚板７に固定され
ている。

【００３１】したがって、本実施形態の鍵盤装置２１に
おいても、第１実施形態と同様の効果を得ることがで
き、すなわち、シャーシ２の製作コストの削減により鍵
盤装置２１の製造コストを大幅に削減でき、組立の自由
度が高められるとともに、連結部材４、１２を介して、
鍵盤装置２１を棚板７にしっかり固定することができ
る。

【００３２】図４および図５は、本発明の第３実施形態
による電子ピアノの鍵盤装置を示している。この鍵盤装
置３１は、第２実施形態の鍵盤装置２１と比較し、ハン
マー２２の延出部２２ｂの下端部に後方に突出するスト
ッパ部２２ｄが形成されている点、および、後連結部材
２４が第２実施形態の後連結部材４よりも大きな寸法を
有していて、その上下のシャーシ連結部２４ａおよび棚
板固定部２４ｂに、上限ストッパ２ｌおよび下限ストッ
パ２ｋがそれぞれ取り付けられている点のみが異なるも
のである。この構成によれば、ハンマー２２は、図４お
よび図５に示すように、そのストッパ部２２ｃが下限ス
トッパ２ｋおよび上限ストッパ２ｌに当接することによ
って、回動範囲を規制される。

【００３３】したがって、本実施形態の鍵盤装置３１に
おいても、第１および第２実施形態とまったく同様の効
果を得ることができる。また、ハンマー２２の回動範囲
を規制する上限および下限ストッパ２ｌ、２ｋが、いず
れも後連結部材２４に取り付けられているので、これら
を棚板７とシャーシ２に分けて取り付けた第２実施形態
と異なり、鍵盤装置３１の棚板７への取付精度などに影
響されることなく、ハンマー２２間の回動ストロークの
ばらつきを無くすことができる。

【００３４】なお、本発明は、説明した実施形態に限定
されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、各実施形態では、シャーシが合成樹脂製で且つ
棚板が木製のものとして説明したが、シャーシや棚板を
これら以外の材質で構成してもよいことはもちろんであ
る。また、実施形態は、本発明を電子ピアノに適用した
例であるが、本発明は、これに限らず、他の電子楽器
（例えばシンセサイザなど）や、アコースティックピア
ノなどに広く適用することが可能である。その他、本発
明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更すること
ができる。

【００３５】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の鍵盤楽器
の鍵盤装置は、シャーシの製作コストの大幅な削減によ
り製造コストを大幅に削減することができ、組立を容易
に行えるとともに、別個の取付用部材を必要とすること
なく、楽器本体にしっかり固定することができるなどの
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態による電子ピアノの鍵盤
装置の、一部を省略した平面図である。

【図２】図１の鍵盤装置の側断面図である。

【図３】本発明の第２実施形態による電子ピアノの鍵盤
装置の側断面図である。

【図４】本発明の第３実施形態による電子ピアノの鍵盤
装置の、離鍵状態における側断面図である。

【図５】図４の鍵盤装置の、押鍵状態における側断面図
である。

【符号の説明】

１ 鍵盤装置 ２ シャーシ ３ 鍵 ４ 連結部材 ４ａ シャーシ連結部 ４ｂ 棚板固定部 ７ 棚板 １１ ねじ １２ 連結部材 １２ａ シャーシ連結部 １２ｂ 棚板固定部 ２１ 鍵盤装置 ２４ 連結部材 ２４ａ シャーシ連結部 ２４ｂ 棚板固定部 ３１ 鍵盤装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のシャーシと、 これら複数のシャーシを左右方向に並んた状態で互いに
   連結する金属製の連結部材と、 前記シャーシに回動自在に設けられた複数の鍵と、 楽器本体側から前記連結部材にねじ込まれることによ
   り、前記複数のシャーシを前記楽器本体に固定するねじ
   と、 を備えていることを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤装置。