JPH11325841A - ワイヤロープの診断装置 - Google Patents

ワイヤロープの診断装置

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Publication number
JPH11325841A
JPH11325841A JP10129233A JP12923398A JPH11325841A JP H11325841 A JPH11325841 A JP H11325841A JP 10129233 A JP10129233 A JP 10129233A JP 12923398 A JP12923398 A JP 12923398A JP H11325841 A JPH11325841 A JP H11325841A
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JP
Japan
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wire rope
wire
signal processing
power supply
processing means
Prior art date
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Application number
JP10129233A
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English (en)
Inventor
Shigeo Ishida
成男 石田
Kazuhisa Okuda
和久 奥田
Etsuo Yahata
悦生 矢幡
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤロープの全長に亘って素線切れ、摩
耗、形くずれ状態を簡便に診断でき、かつ断線に至る前
のワイヤロープの素線の断線状態や摩耗・形くずれ状態
を同時に診断できるようにしたこと。 【解決手段】 ワイヤロープ4に対峙した投光器6と、
ワイヤロープを間にして投光器6と対峙する受光器7
と、受光器7の測定した受光量を周波数分析して求めた
周波数スペクトルをワイヤロープの素線切れ、摩耗・形
くずれ、伸びをそれぞれ表す周数数基準値と比較してワ
イヤロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを診断処
理する信号処理回路8と、信号処理装置8が診断処理し
た処理結果を表示する結果表示回路9とを備えてなるも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば広くはクレ
ーン・エレベータ等に使用されているワイヤロープの劣
化状態を診断するワイヤロープの診断装置に関するもの
であり、特にワイヤロープの劣化損傷による破断事故の
発生を防止する一方、上記の事故防止を図るため、真の
ワイヤロープの寿命よりも短周期でワイヤロープを取り
替えている不合理性の改善を狙いとするものである。
【0002】
【従来の技術】クレーン・エレベータ等に使用されるワ
イヤロープは、重量物の吊り上げ、吊り下げを繰り返し
実施しており、かつ巻取りドラムや滑車を通過するとき
の繰り返し曲げ疲労が激しいため、疲労度の蓄積・進行
が大きい。従って、ワイヤロープの折損により重量物が
落下したときには、それに従事する作業員の生命が非常
に危険となり、また重量物の大破により多大の損害を受
ける問題がある。そこで、巻上げワイヤロープの取り替
え時期を予測することが非常に重要になってくる。
【0003】従来、この種の巻上げワイヤロープの消耗
取り替え時期は、巻上げワイヤロープの実稼働時間、具
体的には予めワイヤロープ使用後の残留強度調査結果な
どに基づいて使用限界時間を設定し、この使用限界時間
と巻き上げモータの累積使用時間からワイヤロープの取
り替え時期を推定し、その時期に達した時に新しいワイ
ヤロープと交換するようにしているが、ワイヤロープの
疲労、破断及び吊り荷落下を恐れ、一般にワイヤロープ
の寿命よりもかなり早い時期に取り替えているのが実態
である。この場合は、ワイヤロープの購入費や取替え費
用など、いわゆる補修費用が大幅に増大することにな
り、やはりワイヤロープの取替え時期を予測することが
非常に重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、ワイヤロープ
の取替え時期を予測する方法として以下の通り様々なも
のが提案されているが、劣化検出の確実性や取り付け、
取り外しの容易性、検出器の予想製作コスト面から判断
した場合、いずれの方法も実用的なものではなかった。
その代表的なものについて何点か説明し、その問題点を
述べる。第1に、ワイヤロープの巻上げ、巻下げによる
曲げ回数や負荷荷重・張力などを測定し、その曲げ回数
や負荷荷重・張力などから疲労度を算出し、更にこの疲
労度を積算してワイヤロープの総疲労度を求めてワイヤ
ロープの取替え時期を予測する方法がある。かかる方法
は、特開昭62−17638号公報、特開平5−391
87号公報及び特開平5−278989号公報等に開示
されている。しかし、この方法は、負荷荷重測定や張力
測定などに特殊な測定器を要し、かつ、曲げ回数測定及
び疲労度の演算装置が複雑となるために一般に大きな設
備投資費用を必要とする。また、巻取りドラム・滑車な
どの曲率半径や過渡的な荷重変動量と疲労度との関係が
不明確なこと、ワイヤロープの製作誤差等が反映されな
い方法であり、精度的にも問題がある。
【0005】第2に、ワイヤロープを構成する各ストラ
ンドに絶縁被覆付き素線を少なくとも1本組込み、かつ
これらの絶縁被覆付き素線をそれぞれ通電制御してその
通電状態の有無からこれらの絶縁被覆付き素線の断線を
検出する素線切れ回路と、絶縁被覆付き素線と絶縁され
ていない他のストランド素線を介して電圧を印加して、
その絶縁被覆の絶縁状態から、ワイヤロープの損傷度を
求めてその取り替え時期を予測する方法がある。かかる
方法は、特開昭62−123368号公報に開示されて
いる。しかし、この方法は、特殊なワイヤロープを製作
する必要があり、ワイヤロープの製作・購入費用が大と
なる。また、損傷度演算装置の他に、ワイヤロープへの
通電制御装置が必要であって一般的でないという問題点
があった。
【0006】第3に、ワイヤロープを飽和点近くまで磁
化させるための永久磁石と、ロープからの漏れ磁束を検
出する検出素子を含む検出ヘッドと出力回路等からな
り、ワイヤロープに素線切れが有った場合の漏洩磁束の
変化量を検出してワイヤロープの損傷度を求め、その取
替え時期を予測する方法がある。かかる方法は、特開昭
60−243559号公報、実開平6−87861号公
報及び特開平7−137985号公報等に開示されてい
る。この方法は、上記第1及び第2の方法よりも比較的
低コストで実現可能な方法といえる。しかし、この方法
は、以下の理由により、検出精度の低い方法であると推
定される。ワイヤロープの素線切れの検出の場合、渦流
センサに比べてワイヤ素線径が非常に小さいため、素線
断線による磁束変化程度も小さいと予想されるためであ
る。また、ワイヤロープの摩耗や形くずれ等の検出は困
難であるという問題点があった。というのは、磁気セン
サは被測定物との距離により特性が大きく変化するた
め、ワイヤロープに摩耗や形くずれがあった場合やワイ
ヤロープに揺れが生じた場合に、磁気センサと被測定物
との距離が大きく変化することから容易に推定される。
【0007】第4に、内面にマジックテープ等を装備し
た管状のセンサを用意し、ワイヤロープの素線に断線が
発生した場合、素線の断線部がマジックテープに引っ掛
かり、センサがワイヤロープと共に上下何れかの方向に
引っ張られ、センサに接続されたリードロープを介して
リミットスイッチが作動されて警報する方法がある。か
かる方法は、特開昭56−69574号公報に開示され
ている。この方法は、第1、第2及び第3の方法よりも
更に低コストで実現可能な方法といえる。しかし、この
方法は、素線の断線部がマジックテープに引っ掛って動
作するものであるため、ワイヤロープの素線切れの検出
には比較的に有効だが、それ以外のワイヤロープの摩耗
や形くずれ現象等の検出には、明らかに対応不可能な方
法であるという問題点があった。
【0008】第5に、ワイヤロープの周囲に撮像手段と
その映像信号の解析手段を設け、映像解析データからワ
イヤロープの素線切れ、摩耗、腐食等を検出する方法が
ある。かかる方法は、特開平2−56397号公報に開
示されている。しかし、この方法は、検出器の取り付
け、取り外しに多大な工数を要し、かつ、高価な機器を
用いるために、上記のどの方法よりも設備投資金額が大
となる。従って、それぞれのクレーン等に常設して固定
使用するわけにいかず、一方、測定機器を携帯して定期
的に診断を繰り返そうとすれば、検出器の取り付け、取
り外しに多大な費用と時間を要することになるから、設
備停止時間が大となる上に補修費も大となり、現実的な
方法ではない。このようにいずれの方法も、ワイヤロー
プの素線切れ、摩耗・形くずれを安価で簡便に検出でき
ないという問題点があった。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、ワイヤロープの全長に亘って
素線切れ、摩耗・形くずれ状態を簡便に診断でき、かつ
断線に至る前のワイヤロープの素線の断線状態や摩耗・
形くずれ状態を同時に診断できるワイヤロープの診断装
置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
ワイヤロープの診断装置は、ワイヤロープに対峙した投
光器と、ワイヤロープを間にして投光器と対峙する受光
器と、受光器の測定した受光量を周波数分析して求めた
周波数スペクトルをワイヤロープの素線切れ、摩耗・形
くずれ、伸びをそれぞれ表す周数数基準値と比較してワ
イヤロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを診断処
理する信号処理手段と、信号処理手段が診断処理した処
理結果を表示する結果表示手段とを備えて構成されてい
る。
【0011】本発明の請求項2に係るワイヤロープの診
断装置の信号処理手段はハイパスフィルタ、ローパスフ
ィルタ、又はバンドパスフィルタの少なくともいずれか
1以上を有してなるものである。
【0012】本発明の請求項3に係るワイヤロープの診
断装置は、ワイヤロープを吊り下げているロープ昇降装
置に設置され、該ロープ昇降装置の振動を受けて振動す
る振動体及び振動体に設けられ、該振動体からの振動を
受けたときに電荷を発生する圧電素子を具備する圧電素
子電源発生器と、圧電素子電源発生器の発生する電荷を
直流電源に変換する直流変換器とからなり、投光器、受
光器、信号処理手段及び結果表示手段に電源を供給する
電源供給手段を有してなるものである。
【0013】本発明の請求項4に係るワイヤロープの診
断装置は、ワイヤロープを吊り下げているロープ昇降装
置に設置され、ワイヤロープに当接し、ワイヤロープの
上下動によって回転させられる回転コロと、回転コロの
回転に基づき発電する回転型発電機とからなり、投光
器、受光器、信号処理手段及び結果表示手段に電源を供
給する電源供給手段を有してなるものである。
【0014】本発明の請求項5に係るワイヤロープの診
断装置は、ワイヤロープを吊り下げているロープ昇降装
置に設置され、永久磁石をスプリングを介して上下動可
能に吊り下げ保持している磁石吊り下げ装置及び永久磁
石を取り巻く誘導コイルとからなる可動磁石型発電機
と、可動磁石型発電機の誘導コイルに発生する誘導電流
を直流電源に変換する直流変換器とからなり、投光器、
受光器、信号処理手段及び結果表示手段に電源を供給す
る電源供給手段を有してなるものである。
【0015】本発明の請求項6に係るワイヤロープの診
断装置は、受光器の出力側に送信器を設け、送信器の送
信信号を受信する受信器を信号処理手段の入力側に設け
ている。
【0016】本発明の請求項7に係るワイヤロープの診
断装置は、信号処理手段の出力側に送信器を設け、送信
器の送信信号を受信する受信器を前記結果表示手段の入
力側に設けている。
【0017】本発明の請求項8に係るワイヤロープの診
断装置は、複数箇所のワイヤロープにそれぞれ対峙した
投光器と、各ワイヤロープを間にして投光器と対峙する
受光器と、各受光器の測定した受光量を周波数分析して
求めた周波数スペクトルをワイヤロープの素線切れ、摩
耗・形くずれ、伸びをそれぞれ表す周数数基準値と比較
してワイヤロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを
診断処理する信号処理手段と、各信号処理手段の出力側
に設けられた送信器と、各送信器から送信された送信信
号を受信する受信器と、受信器に接続され、各信号処理
手段が診断処理した処理結果を表示する結果表示手段と
を備え、受信器と結果表示手段とを複数箇所のワイヤロ
ープから離れたセンタ部に設置して構成されている。
【0018】本発明の請求項1に係るワイヤロープの診
断装置においては、ワイヤロープに対峙した投光器から
投光した光をワイヤロープを介して受光器が受光し、信
号処理手段が受光器の測定した受光量を周波数分析して
求めた周波数スペクトルをワイヤロープの素線切れ、摩
耗・形くずれ、伸びをそれぞれ表す周数数基準値と比較
してワイヤロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを
診断処理し、結果表示手段にて信号処理手段が診断処理
した処理結果を表示するから、ワイヤロープに対して簡
便かつ非接触で、また比較的低コストでワイヤロープの
全長に亘って、素線切れ、摩耗・形くずれ、伸び等の劣
化状態を精度よく点検でき、かつ断線に至る前のワイヤ
ロープ素線の断線状態や摩耗・形くずれ状態を同時に診
断することが可能になるため、ワイヤロープの取り替え
時期を最適に予測することが可能となり、その結果ワイ
ヤロープの劣化損傷による破断事故が防止可能となり、
併せてワイヤロープの購入費用や取り替え費用等、いわ
ゆる補修費用を最小限に抑制することができる。よっ
て、ワイヤロープを使用する世の中の多くのクレーン・
エレベータなどの安全性向上及び補修費用の低減に貢献
することができる。
【0019】本発明の請求項2に係るワイヤロープの診
断装置の信号処理手段はハイパスフィルタ、ローパスフ
ィルタ、又はバンドパスフィルタの少なくともいずれか
1以上を有してなるから、これらのフィルタによって受
光量を周波数分析して求めた周波数スペクトルよりワイ
ヤロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びをそれぞれ
示す周波数スペクトルを効率的に取り出すことができ
る。
【0020】本発明の請求項3に係るワイヤロープの診
断装置は、ワイヤロープを吊り下げているロープ昇降装
置に設置され、該ロープ昇降装置の振動を受けて振動す
る振動体及び振動体に設けられ、該振動体からの振動を
受けたときに電荷を発生する圧電素子を具備する圧電素
子電源発生器と、圧電素子電源発生器の発生する電荷を
直流電源に変換する直流変換器とからなり、投光器、受
光器、信号処理手段及び結果表示手段に電源を供給する
電源供給手段を有してなるから、ワイヤロープの診断装
置の設置にあたり、その動作用電源として外部電源を供
給することなしに、ワイヤロープの診断装置を動作させ
ることができ、従来ワイヤロープの診断装置を設置する
ときに必要であった電源工事が不要になり、ワイヤロー
プの診断装置の設置費用を最小限に抑制することができ
る。
【0021】本発明の請求項4に係るワイヤロープの診
断装置は、ワイヤロープを吊り下げているロープ昇降装
置に設置され、ワイヤロープに当接し、ワイヤロープの
上下動によって回転させられる回転コロと、回転コロの
回転に基づき発電する回転型発電機とからなり、投光
器、受光器、信号処理手段及び結果表示手段に電源を供
給する電源供給手段を有してなるから、ワイヤロープの
診断装置の設置にあたり、その動作用電源として外部電
源を供給することなしに、ワイヤロープの診断装置を動
作させることができ、従来ワイヤロープの診断装置を設
置するときに必要であった電源工事が不要になり、ワイ
ヤロープの診断装置の設置費用を最小限に抑制すること
ができる。
【0022】本発明の請求項5に係るワイヤロープの診
断装置は、ワイヤロープを吊り下げているロープ昇降装
置に設置され、永久磁石をスプリングを介して上下動可
能に吊り下げ保持している磁石吊り下げ装置及び永久磁
石を取り巻く誘導コイルとからなる可動磁石型発電機
と、可動磁石型発電機の誘導コイルに発生する誘導電流
を直流電源に変換する直流変換器とからなり、投光器、
受光器、信号処理手段及び結果表示手段に電源を供給す
る電源供給手段を有してなるから、ワイヤロープの診断
装置の設置にあたり、その動作用電源として外部電源を
供給することなしに、ワイヤロープの診断装置を動作さ
せることができ、従来ワイヤロープの診断装置を設置す
るときに必要であった電源工事が不要になり、ワイヤロ
ープの診断装置の設置費用を最小限に抑制することがで
きる。
【0023】本発明の請求項6に係るワイヤロープの診
断装置においては、受光器の出力側に送信器を設け、送
信器の送信信号を受信する受信器を信号処理手段の入力
側に設けているから、従来では、ワイヤロープの診断装
置を設置したとしても保全マンまたはオペレータによる
巡回監視体制が必要であったが、信号処理手段と結果表
示手段はワイヤロープから離れた位置に設置できるた
め、保全マンまたはオペレータによる巡回監視体制が不
要となり、常時監視によりワイヤロープ破断事故に対す
る安全性が更に向上するほか、定期修理時以外は簡単に
人の近づけない自動クレーンの安全性向上や保全マンま
たはオペレータによる巡回監視体制の省力化にも貢献で
き、ワイヤロープを使用する世の中の多くのクレーン・
エレベータなどの安全性向上および補修費用低減にさら
に貢献できる。
【0024】本発明の請求項7に係るワイヤロープの診
断装置においては、信号処理手段の出力側に送信器を設
け、送信器の送信信号を受信する受信器を前記結果表示
手段の入力側に設けているから、従来では、ワイヤロー
プの診断装置を設置したとしても保全マンまたはオペレ
ータによる巡回監視体制が必要であったが、信号処理手
段と結果表示手段はワイヤロープから離れた位置に設置
できるため、保全マンまたはオペレータによる巡回監視
体制が不要となり、常時監視によりワイヤロープ破断事
故に対する安全性が更に向上するほか、定期修理時以外
は簡単に人の近づけない自動クレーンの安全性向上や保
全マンまたはオペレータによる巡回監視体制の省力化に
も貢献でき、ワイヤロープを使用する世の中の多くのク
レーン・エレベータなどの安全性向上および補修費用低
減にさらに貢献できる。
【0025】本発明の請求項8に係るワイヤロープの診
断装置においては、複数箇所のワイヤロープにそれぞれ
投光器、受光器及び信号処理手段が設けられ、各信号処
理手段の出力側に送信器が設けられ、各送信器から送信
された送信信号を受信する受信器と、受信器に接続され
た結果表示手段は複数箇所のワイヤロープから離れたセ
ンタ部に設置されているから、各ワイヤロープの素線切
れ、摩耗・形くずれ、伸びなどの劣化状態量は定期的に
センタ部に送信されることとなり、センタ部にてその劣
化状態量の傾向管理ができ、さらにワイヤロープの劣化
状態量と進行量からワイヤロープの寿命予測なども可能
となる。従って、ワイヤロープの劣化状態量の傾向管理
や寿命予測などの実施により、ワイヤロープ破断事故に
対する安全性が向上し、ワイヤロープを使用する世の中
の多くのクレーン・エレベータなどの安全性向上および
補修費用低減にさらに貢献できるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施形態1に係るワイヤロープの診断装置を示す回路図、
図2は同ワイヤロープの診断装置の投光器及び受光器が
搭載されたロープ昇降装置がクレーンガータに設置され
ている状態を示す説明図、図3は同ワイヤロープの診断
装置の正常なワイヤロープの波形データを示す波形図、
図4は同ワイヤロープの診断装置の正常なワイヤロープ
の波形データの周波数スペクトルを示す周波数スペクト
ル図、図5は同ワイヤロープの診断装置の素線切れの発
生しているワイヤロープの波形データを示す波形図、図
6は同ワイヤロープの診断装置の素線切れの発生してい
るワイヤロープの波形データの周波数スペクトルを示す
周波数スペクトル図、図7は同ワイヤロープの診断装置
の摩耗減径大となったワイヤロープの波形データを示す
波形図、図8は同ワイヤロープの診断装置の摩耗減径大
となったワイヤロープの波形データの周波数スペクトル
を示す周波数スペクトル図である。
【0027】図2において、1はクレーンガータ、2は
クレーンガータ1上を走行するロープ昇降装置であるク
ラブ、3はクラブ2に搭載された回転ドラム、4は回転
ドラム3によって巻き上げ、巻下ろしされるワイヤロー
プ、5はワイヤロープ4に吊り下げられているフック、
6はクラブ2の下部に設けられ、ワイヤロープ4に対峙
した投光器、7はワイヤロープ4を間にして投光器6と
対峙する受光器である。8は信号処理回路で、受光器7
の測定した受光量を周波数分析して求めた周波数スペク
トルをワイヤロープ4の素線切れ、摩耗・形くずれ、伸
びをそれぞれ表す周数数基準値と比較してワイヤロープ
4の素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを診断処理する。
9は信号処理回路8が診断処理した処理結果を表示する
結果表示回路である。
【0028】信号処理回路8は受光器7の測定した受光
量から素線切れに対応する周波数成分の信号を取り出す
素線切れ検出用の50Hzのハイパスフィルタまたは5
0Hz〜500Hzのバンドパスフィルタ12Aと、受
光量から摩耗に対応する周波数成分の信号を取り出す摩
耗・形くずれ検出用の5Hzのローパスフィルタまたは
0.1Hz〜5Hzのバンドパスフィルタ12Bと、受
光量から伸びに対応する周波数成分の信号を取り出す伸
び検出用の5〜20Hzのバンドパスフィルタ12C
と、各フィルタを通過した所定周波数の信号をそれぞれ
平滑して整流する3つの整流回路13A〜13Cと、各
整流回路13A〜13Cが整流した信号と素線切れ、摩
耗・形くずれ、伸びをそれぞれ表す信号基準値と比較し
てワイヤロープ4の素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを
診断処理する3つのコンパレータ14A〜14Cとで構
成されている。
【0029】また、結果表示回路9は、3つのコンパレ
ータ14A〜14Cにそれぞれ接続され、各コンパレー
タにて基準値と比較された結果についてそれがオーバー
した場合と基準値以下の場合とに切り替えて出力する切
替器15A〜15Cと、各切替器が基準値をオーバーし
た場合に出力して点灯される赤ランプ16A及び各切替
器が基準値以下の場合に出力して点灯される青ランプ1
6Bとで構成されている。17は電源回路で、投光器
6、受光器7、信号処理回路8及び結果表示回路9の各
ユニットにケーブル(図示省略)で接続されている。
【0030】この実施の形態1では、ワイヤロープ4の
素線切れを検出するためのフィルタとして、50Hzの
ハイパスフィルタ(HPF)12Aを用いている。これ
はワイヤロープ4の素線切れに対しては、素線切れ部が
投光器6及び受光器7間を通過するときに瞬時に光量が
変化(外径が変化)することによる。なお、50〜50
0Hzのバンドパスフィルタでも同様の機能を有する。
また、摩耗・形くずれを検出するためのフィルタとし
て、5Hzのローパスフィルタタ(LHPF)12Bを
用いている。これはワイヤロープ4の摩耗劣化・形くず
れに対しては、摩耗部が投光器6及び受光器7間を通過
するときの光量変化が素線切れの場合よりも緩やかなも
のになることによる。なお、0.1〜5Hzのバンドパ
スフィルタでも同様の機能を有する。また、局部的摩耗
・形くずれ部は過渡的にデータが変化するのに対して、
全体摩耗部は過渡的なデータ変化は少なく、ワイヤ全長
のデータの平均値にて評価可能であり、ワイヤロープ取
替え後の初期値と比較管理することにより、その区別も
可能となる。
【0031】また、伸びを検出するためのフィルタとし
て、5〜20Hzのバンドパスフィルタ12Cを用いて
いる。このワイヤロープ4の伸び量を評価する方法とし
て、撚りのピッチ成分に相当する光量の変化分のうち
「ピッチ周波数の平均値」及び又は「ある一定の長さに
おける山谷の数」を演算し、基準値と比較して異常判定
を行っている。なお、伸び量は、上記周波数成分(ピッ
チ周波数)量をワイヤロープの取り付け後の初期値と比
較管理することにより、評価可能である。
【0032】次に、本発明の実施形態1に係るワイヤロ
ープの診断装置の動作を説明する。ワイヤロープ4が劣
化した時、ワイヤロープ4を間にして投光器6と対峙す
る受光器7の光量の変化具合はそれぞれワイヤロープ4
の素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びなどの劣化の種類に
より、周波数が異なる。従って、まず、受光器7の測定
した受光量から素線切れに対応する周波数成分の信号を
ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタ12Aで取
り出し、また摩耗・形くずれに対応する周波数成分の信
号をローパスフィルタまたはバンドパスフィルタ12B
で取り出し、さらに伸びに対応する周波数成分の信号を
バンドパスフィルタ12Cで取り出す。
【0033】次に、これら各フィルタ12A〜Cで取り
出した信号は、それぞれ整流回路13A〜13Cによっ
て平滑して整流された後に、コンパレータ14A〜14
Cにより、ワイヤロープ4の素線切れ、摩耗・形くず
れ、伸びをそれぞれ表す周波数基準値と比較される。そ
して、コンパレータ14A〜14Cでそれぞれ比較され
た結果について、結果表示回路9の切替器15A〜15
Cでは、各周波数成分の信号が基準値をオーバーした場
合と基準値以下の場合とに切り替え、基準値をオーバー
した場合には赤ランプ16Aを点灯し、基準値以下の場
合には青ランプ16Bを点灯表示する。このとき、それ
ぞれの動作している切替器15A〜15Cの動作状態に
より素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びの何れかが分か
る。
【0034】このようにしてワイヤロープ4の素線切
れ、摩耗を診断した事例として、投光器6及び受光器7
においてレーザーを用いてワイヤロープ4を測定した波
形データと、その測定データを周波数分析して求めた周
波数スペクトルを図3〜図8に挙げて説明する。図3は
正常なワイヤロープ4の波形データであり、ワイヤ速度
は300mm/秒で巻き取られている時の状態である。
横軸に時間を、縦軸に外径の大きさを表したものである
が、波形に全く乱れはなく、ワイヤロープ4の撚りのピ
ッチ成分に相当する光量変化の周波数成分のみが良く表
れている。図4は上記の正常なワイヤロープ4の波形デ
ータを周波数分析して求めた周波数スペクトルである。
この結果、正常なワイヤロープ4の周波数成分は、ワイ
ヤロープ4の撚りのピッチ成分に相当する20Hzが主
体であることが良く分かる。
【0035】次に、図5は素線切れの発生しているワイ
ヤロープ4の波形データであるが、素線切れ部は明瞭に
判断できる。図6はその周波数スペクトルであるが、素
線切れ部の周波数成分は、115〜130Hzが主体で
あることがよく分かる。図7は摩耗減径大となったワイ
ヤロープ4の波形データであるが、ワイヤロープ4の撚
りのピッチ成分が大きく乱れていることがよく分かる。
図8はその周波数スペクトルであり、8aは摩耗が大き
いワイヤロープのもの、8bは正常なワイヤロープのも
のである。正常時(8b)のスペクトルに比べて摩耗大
のとき(8a)は摩耗減径により、ワイヤロープ4の撚
りのピッチ成分に相当する周波数成分約20Hzが減少
し、新たに1Hz成分が主体となっていることがよく分
かる。
【0036】このように、ワイヤロープ4に対峙した投
光器6から投光した光をワイヤロープ4を介して受光器
7が受光し、信号処理回路8が受光器7の測定した受光
量から12Aから12Cのフィルタにより所定の周波数
成分毎に取り出し、ワイヤロープの素線切れ、摩耗・形
くずれ、伸びをそれぞれ表す周数数基準値と比較してワ
イヤロープ4の素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを診断
処理し、結果表示手段9にて信号処理回路8が診断処理
した処理結果を表示するようにしている。従って、ワイ
ヤロープ4に対して簡便かつ非接触で、また比較的低コ
ストでワイヤロープ4の全長に亘って、素線切れ、摩耗
・形くずれ、伸び等の劣化状態を精度よく点検でき、か
つ断線に至る前のワイヤロープ4の素線の断線状態や摩
耗・形くずれ状態を同時に診断することが可能になった
め、ワイヤロープ4の取り替え時期を最適に予測するこ
とが可能となった。その結果ワイヤロープ4の劣化損傷
による破断事故が防止可能となり、併せてワイヤロープ
4の購入費用や取り替え費用等、いわゆる補修費用を最
小限に抑制することができる。よって、ワイヤロープ4
を使用する世の中の多くのクレーン・エレベータなどの
安全性向上及び補修費用の低減に貢献することができ
る。
【0037】なお、上記実施の形態1のように、光学的
検出センサとして投光器6と受光器7を1組とした場合
は、投光器6と受光器7の光軸方向以外の方向に素線切
れがあった場合は検出不可能となるが、実際には、素線
切れ10%以上をワイヤロープ4の取り替えの基準とし
ており(クレーン等安全規則にて規定)、断線初期の断
線量の極く少ない状態を捉える必要は無いこと。また、
一般に、素線切れはランダムに発生することから、投光
器6と受光器7は1組で十分である。但し、断線初期の
断線量の極少ない状態を捉える必要性があれば、検出セ
ンサ数を増やせば良い。なお、ここでいう光学的検出セ
ンサとは、レーザセンサ、CCDイメージセンサ、フォ
トダイオード型受光器などを有する投受光器等をいう。
これらの信号処理は、上記で説明したハード的な回路以
外に、ソフト的な処理によっても実施可能である。
【0038】実施の形態2.図9は本発明の実施形態2
に係るワイヤロープの診断装置を示す回路図である。図
において、本発明の実施形態1のワイヤロープの診断装
置と同様の構成は、同一符号を付して重複した構成の説
明を省略する。18は受光器7の出力側に接続された送
信器、19は送信器18の送信信号を受信する受信器
で、信号処理回路8の入力側に接続されている。
【0039】この実施の形態2では、受光器7の出力側
に送信器18を設け、送信器18の送信信号を受信する
受信器19を信号処理回路8の入力側に設けているか
ら、信号処理回路8と結果表示回路9はワイヤロープ4
から離れた位置に設置できることとなり、従来行われて
いた保全マンまたはオペレータによる巡回監視体制が不
要となり、常時監視によりワイヤロープ破断事故に対す
る安全性が更に向上するほか、定期修理時以外は簡単に
人の近づけない自動クレーンの安全性向上や保全マンま
たはオペレータによる巡回監視体制の省力化にも貢献で
き、ワイヤロープ4を使用する世の中の多くのクレーン
・エレベータなどの安全性向上及び補修費用低減にさら
に貢献できることとなった。
【0040】実施の形態3.図10は本発明の実施形態
3に係るワイヤロープの診断装置を示す回路図である。
図において、本発明の実施形態1のワイヤロープの診断
装置と同様の構成は、同一符号を付して重複した構成の
説明を省略する。この実施の形態3は、実施の形態2と
異なり、送信器18が信号処理装置8の出力側に接続さ
れ、送信器18の送信信号を受信する受信器19が結果
表示装置9の入力側に接続されている。この実施の形態
3の作用効果の説明は、実施の形態2と同様であるので
省略する。
【0041】実施の形態4.図11は本発明の実施形態
4に係るワイヤロープの診断装置が各クレーン毎に配置
された状態を示す配置図である。この実施の形態4は、
7箇所のクレーンA〜Gのワイヤロープ4にそれぞれ投
光器6、受光器7及び信号処理回路8が設けられてい
る。そして、信号処理回路8の出力側に送信器18が設
けられ、各送信器18から送信された送信信号を受信す
る受信器19と、受信器19に接続された結果表示回路
9とは各クレーンA〜Gから離れたセンタ部20に設置
されている。
【0042】従って、各クレーンのワイヤロープ4の素
線切れ、摩耗・形くずれ、伸びなどの劣化状態量は各信
号処理回路8に接続された送信器18から定期的にセン
タ部20の受信器19に送信されることとなり、センタ
部20の結果表示回路9の表示を見ててワイヤロープ4
の劣化状態量の傾向管理ができ、さらにワイヤロープ4
の劣化状態量と進行量からワイヤロープの寿命予測など
も可能となる。従って、ワイヤロープ4の劣化状態量の
傾向管理や寿命予測などの実施により、ワイヤロープ4
の破断事故に対する安全性が向上し、ワイヤロープ4を
使用する世の中の多くのクレーンや、エレベータなどの
安全性向上および補修費用低減にさらに貢献できるもの
である。なお、この実施の形態4では、送信器18が各
信号処理回路8の出力側に接続され、受信器19がセン
タ部20の結果表示回路9に接続されているが、送信器
18を受光器7の出力側に接続し、受信器19を信号処
理回路8の入力側に接続し、各信号処理回路8をセンタ
部20に設置するようにしてもよいことは勿論である。
【0043】実施の形態5.図12は本発明の実施形態
5に係るワイヤロープの診断装置の電源供給装置が搭載
されたロープ昇降装置がクレーンガータに設置されてい
る状態を示す説明図、図13は同ワイヤロープの診断装
置の電源供給装置の圧電素子電源発生器と直流変換器を
示す説明図である。
【0044】図12、図13において、21はクラブ2
に搭載された自発用電源供給装置で、圧電セラミック電
源発生器22と圧電セラミック電源発生器22が発生し
た電荷を直流電源に変換する直流変換器23とで構成さ
れている。この圧電セラミック電源発生器22は、両面
に電極が形成された長方形の板状圧電セラミック31
A、31Bを金属製の振動板32に貼り合わせてバイモ
ルフ構造とし、その一端を絶縁を兼ねてフレーム(振動
体)36にエポキシ樹脂等の接着剤34で固定し、その
他端に絶縁を兼ねてエポキシ樹脂等の接着剤35で金属
性の錘37を取り付けて構成されている。38Aは圧電
セラミック31Aに接続されたリード線、38Bは圧電
セラミック31Bに接続されたリード線である。また、
フレーム(振動体)36は回転ドラム3の回転駆動など
により常に振動しているクラブ2に取り付けられてい
る。
【0045】このような構成でフレーム(振動体)36
を経由して上下方向に振動を受けると圧電セラミック3
1A、31Bは破線のような曲げ振動により電荷を発生
させる。この発生した電荷はリード線38A、38Bで
取り出され、直流変換部23へ供給される。ここで、図
13のバイモルフ構造の場合には、曲げ振動により、板
状圧電セラミック31A、31Bの一方が引き伸ばされ
たとき、他方は圧縮され、それぞれ逆方向に変形して電
荷を発生するので、圧電セラミックが1枚の場合の2倍
の電荷を発生する。また、2枚の圧電セラミック31
A、31Bの間に振動板32を設けることにより圧電セ
ラミックの取付が容易になると共に機械的強度が増加す
る。
【0046】また、この板状形状の圧電セラミック振動
素子は、そのたわみ振幅が大きい程、発生する電荷量も
大きくなるので、振動によりできるだけ大きなたわみ振
幅が得られるように、片持支持の振動素子の他端に錘を
つけ、その重量は、軸受け等通常の振動周波数帯(10
〜100Hz程度)で振動素子が共振するように調節す
る。図12、図13に示された圧電セラミック電源発生
部22及び直流変換部23は、DC3V、12μAの電
源として使用することができた。
【0047】この実施の形態5では、クラブ2にワイヤ
ロープの診断装置と共に自発用電源供給装置21が搭載
されており、外部電源を供給することなしに、ワイヤロ
ープの診断装置を動作させることができる。従って、ワ
イヤロープの診断装置を設置するときに従来は必要であ
った電源工事が不要になるため、ワイヤロープの診断装
置を設置するときの設置費用を最小限に抑制することが
可能になる。このことにより、世の中の多くのクレーン
・エレベータなどの安全性向上および補修費用低減にも
貢献できるものである。
【0048】図14は同ワイヤロープの診断装置の電源
供給装置の圧電素子電源発生器の第1の変形例を示す説
明図である。同図の(a)はその片持梁の構造例を、
(b)は複数の重量の錘の例を示している。この実施の
形態5の第1の変形例の圧電素子電源発生器22Aは、
図14の(a)に示すように、リン青銅等の長方形振動
板32の両面に、それぞれ両面に電極が形成された長方
形の板状圧電素子31A,31Bを貼り合わせた長方形
板状部材を製作し、この長方形板状部材の一端を絶縁を
兼ねてフレーム36にエポキシ樹脂等の接着剤34で固
定して片持梁の構造とし、その長方形板状部材の自由端
から、例えば図14の(b)に示されるような開口部を
有する錘37を挿入して取り付けて構成されている。そ
の錘37の取付位置は上記部材上を移動させた任意の位
置に錘位置固定ネジ39によって固定することができ
る。なお、錘37は図14の(b)に示すように予め重
量の異なる複数の錘を容易しておき、所望の重量のもの
を選択して使用するか、または錘の個数を1個、2個、
3個と変化させて所望の重量として使用する。
【0049】この片持梁振動機構におけるたわみ振幅
は、その固有振動数がこの片持梁振動機構が設置される
設備の振動周波数に一致したときに最大値となることか
ら、図14の(a)においては、錘37の取付位置とそ
の重量を調整することによって長方形板状部材の固有振
動数を設備の振動周波数と一致させるようにしている。
なお、設備の振動周波数帯は10〜100Hz程度であ
るので、錘37の取付位置と重量の調子により、上記振
動周波数帯における所望の固有振動数を得ることができ
る。そして、上記の調整により、2枚の圧電素子31
A、31Bは最大量の電荷を発生させることができる。
【0050】図15は同ワイヤロープの診断装置の電源
供給装置の圧電素子電源発生器の第2の変形例を示す説
明図である。この実施の形態5の第2の変形例の圧電素
子電源発生器22Bは、図15に示すようにスペーサ4
0を用いてそれぞれ両面に圧電素子の成層された2枚の
振動板32をU字形に連結した2階建て構造を示してい
る。図15において、振動板32の両面に圧電素子31
A、31Bの成層された第1(下側)の長方形板状部材
の一端(図では左端)をフレーム36に接着剤34で固
定する構造は図14の(a)と同じである。そして、振
動板32より多少長さの短い振動板13の両面に圧電素
子31C、31Dの成層された第2(上側)の長方形板
状部材を製作し、この第2の長方形板状部材の一端と上
記第1の長方形板状部材の他端(図の右端)とをスペー
サ40を介してU字形に連結する。そして、第2の長方
形板状部材の自由端から図14の(b)に示したような
開口部を有する錘37を挿入し、上記部材上を移動させ
て所望の位置に錘位置固定ネジ39により固定する。3
8C、38Dは圧電素子31C、31Dのリード線であ
る。
【0051】図14の(a)の圧電素子が2枚であるの
に対して、4枚の圧電素子を有する構造のため、発生電
荷量が図14のほぼ2倍となる。図15の構造は、片持
ち梁の梁の長さを長くして、これをU字形に折り曲げて
小スペース内に収納できるようにしたものであるから、
梁を長くした分だけ錘37の重量を図14の場合より軽
くすることができる。この錘37の軽量化により振動機
構の耐久性が向上し、圧電素子電源発生部の長寿命化が
実現できる。
【0052】図16は同ワイヤロープの診断装置の電源
供給装置の圧電素子電源発生器の第3の変形例を示す説
明図で、同図の(a)は圧電素子電源発生部の円弧形板
状振動機構を真上からみた構成例を、(b)は円弧形板
状部材の例を示している。この実施の形態5の第3の変
形例の圧電素子電源発生器22Cは、図16の(a)に
示すように、リン青銅板などで円弧の一端がこの円弧中
心位置において固定可能であり、その他端を自由端とす
るC字状の円弧形振動板32を作り、この円弧形振動板
32の両面に電極が形成された円弧形の板状圧電素子3
1A、31Bを貼り合わせた円弧形板状部材を製作して
構成されている。[図16の(b)を参照。但し、11
Bは裏面側のため図示されていない。]
【0053】また、上記円弧形板状部材の振動可能な円
弧長さ[図16の(a)の円弧角度]を任意に調整して
固定できるような固定部材[例えば図16の(a)に示
すような円弧形板状部材の上側に取り付ける固定板と下
側の図示されない固定台]333及び固定ネジ39を用
意する。次に、上記下側固定台を振動検出装置のケース
に固定した上で、上記振動可能な円弧長さを調整して、
下側固定台に円弧形板状部材と上側固定板を固定ネジ3
9で固定する。さらに、円弧形板状部材の自由端には単
数又は複数の錘により所望の重量とした錘37を取り付
けるが、この錘37の取付位置は変更自在である。
【0054】上記の構成により、図16の(a)円弧形
板状部材の振動可能な円弧長さを可変できると共に、そ
の自由端に取り付けられる錘の重量も変更できる。図1
6の(a)のように構成された円弧形板状部材の固定ネ
ジ39及び固定部材33で固定された固定端に、振動検
出装置ケースから固定台を介して、図16の紙面の表裏
方向に振動を受けると、圧電素子31A,31Bの自由
端側が紙面の表裏方向に曲がり、この曲げ振動により電
荷を発生する。これは、圧電素子電源発生手段における
円弧形板状部材の振動アームの長さを変更するのみで、
様々の振動周波数で振動している各種検出対象設備に即
応して設置することができる。
【0055】図17は同ワイヤロープの診断装置の電源
供給装置の圧電素子電源発生器の第4の変形例を示す説
明図である。この実施の形態5の第4の変形例の圧電素
子電源発生器22Dは、図16に示す第3の変形例の円
弧形板状部材の円弧の長さを長くするため、これを螺旋
形板状部材に代えたものである。図17においては、螺
旋形振動板32の両面に圧電素子31A、31Bを成層
して螺旋形板状部材を製作し、振動可能な螺旋長さに調
整した上で、螺旋形板状部材の一方を固定端に取り付
け、その他方に所定重量の錘37を取い付け、取付位置
を調整した上で錘位置固定ネジ39により固定する。
【0056】図17のような螺旋形振動機構によって、
図16の円弧角度を大きくしたのと等価になり、その共
振周波数を20Hz以下の低い周波数まで調整が可能と
なる。そして、共振周波数が低くなると、電荷感度は増
加するという効果が得られる。また、螺旋長さの調整範
囲が大きいので、振動機構の共振周波数の可変範囲を拡
大することができる。これは、圧電素子電源発生手段に
おける螺旋形板状部材の振動アームの長さを変更するの
みで、様々の振動周波数で振動している各種検出対象設
備に即応して設置することができる。
【0057】実施の形態6.図18は本発明の実施形態
6に係るワイヤロープの診断装置の電源供給装置の回転
型発電機を示す説明図である。図18において、21は
クラブ2に取り付けられた自発用電源供給装置で、ワイ
ヤロープ4に当接し、ワイヤロープ4の上下動によって
回転させられる回転コロ42と、ワイヤロープ4を吊り
下げているロープ昇降装置であるクラブ2に設置され、
回転コロ42の回転に基づき発電する回転型直流発電機
43とで構成されている。この実施の形態6では、ワイ
ヤロープ4が上下動することにより、回転コロ42が回
転させられ、その回転コロ42の回転に基づき回転型直
流発電機43が回転して直流を発電するものである。
【0058】この実施の形態6では、クラブ2にワイヤ
ロープの診断装置と共に自発用電源供給装置21が搭載
されており、外部電源を供給することなしに、ワイヤロ
ープの診断装置を動作させることができる。従って、ワ
イヤロープの診断装置を設置するときに従来は必要であ
った電源工事が不要になるため、ワイヤロープの診断装
置を設置するときの設置費用を最小限に抑制することが
可能になる。このことにより、世の中の多くのクレーン
・エレベータなどの安全性向上および補修費用低減にも
貢献できるものである。
【0059】実施の形態7.図19は本発明の実施形態
7に係るワイヤロープの診断装置の電源供給装置の可動
磁石型発電機を示す説明図である。図19において、5
2はクラブ2に取り付けられた自発用電源供給装置で、
ワイヤロープ4を吊り下げているロープ昇降装置である
クラブ2に設置され、永久磁石54をスプリング55を
介して上下動可能に吊り下げ保持している磁石吊り下げ
装置57及び永久磁石54を取り巻く誘導コイル56と
からなる可動磁石型交流発電機52と、可動磁石型交流
発電機52の誘導コイル56に発生する誘導電流を直流
電源に変換する直流変換器(図示省略)とで構成されて
いる。
【0060】この実施の形態7では、磁石吊り下げ装置
57が回転ドラム3が常時回転駆動して常に振動してい
るクラブ2に取り付けられているおり、その磁石吊り下
げ装置57には永久磁石54がスプリング55を介して
上下動可能に吊り下げ保持され、クラブ2が常に振動し
ていることにより、磁石吊り下げ装置57が上下に振動
して永久磁石54が常に上下動しているため、その永久
磁石54を取り巻く誘導コイル56に誘導電流が流れて
発電するものである。なお、誘導コイル56に発生した
有津電流は直流変換器で直流電源に変換される。
【0061】この実施の形態6では、クラブ2にワイヤ
ロープの診断装置と共に自発用電源供給装置21が搭載
されており、外部電源を供給することなしに、ワイヤロ
ープの診断装置を動作させることができる。従って、ワ
イヤロープの診断装置を設置するときに従来は必要であ
った電源工事が不要になるため、ワイヤロープの診断装
置を設置するときの設置費用を最小限に抑制することが
可能になる。このことにより、世の中の多くのクレーン
・エレベータなどの安全性向上および補修費用低減にも
貢献できるものである。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1によれ
ば、ワイヤロープに対峙した投光器から投光した光をワ
イヤロープ介して受光器が受光し、信号処理手段が受光
器の測定した受光量を周波数分析して求めた周波数スペ
クトルをワイヤロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸
びをそれぞれ表す周数数基準値と比較してワイヤロープ
の素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを診断処理し、結果
表示手段にて信号処理手段が診断処理した処理結果を表
示するので、ワイヤロープに対して簡便かつ非接触で、
また比較的低コストでワイヤロープの全長に亘って、素
線切れ、摩耗・形くずれ、伸び等の劣化状態を精度よく
点検でき、かつ断線に至る前のワイヤロープ素線の断線
状態や摩耗・形くずれ状態を同時に診断することが可能
になるため、ワイヤロープの取り替え時期を最適に予測
することが可能となり、その結果ワイヤロープの劣化損
傷による破断事故が防止可能となり、併せてワイヤロー
プの購入費用や取り替え費用等、いわゆる補修費用を最
小限に抑制することができる。よって、ワイヤロープを
使用する世の中の多くのクレーン・エレベータなどの安
全性向上及び補修費用の低減に貢献することができると
いう効果を有する。
【0063】本発明の請求項2によれば、ワイヤロープ
の診断装置の信号処理手段はハイパスフィルタ、ローパ
スフィルタ、又はバンドパスフィルタの少なくともいず
れか1以上を有してなるので、これらのフィルタによっ
て受光量を周波数分析して求めた周波数スペクトルより
ワイヤロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びをそれ
ぞれ示す周波数スペクトルを効率的に取り出すことがで
きるという効果を有する。
【0064】本発明の請求項3によれば、ワイヤロープ
を吊り下げているロープ昇降装置に設置され、該ロープ
昇降装置の振動を受けて振動する振動体及び振動体に設
けられ、該振動体からの振動を受けたときに電荷を発生
する圧電素子を具備する圧電素子電源発生器と、圧電素
子電源発生器の発生する電荷を直流電源に変換する直流
変換器とからなり、投光器、受光器、信号処理手段及び
結果表示手段に電源を供給する電源供給手段を有してな
るので、ワイヤロープの診断装置の設置にあたり、その
動作用電源として外部電源を供給することなしに、ワイ
ヤロープの診断装置を動作させることができ、従来ワイ
ヤロープの診断装置を設置するときに必要であった電源
工事が不要になり、ワイヤロープの診断装置の設置費用
を最小限に抑制することができるという効果を有する。
【0065】本発明の請求項4によれば、ワイヤロープ
を吊り下げているロープ昇降装置に設置され、ワイヤロ
ープに当接し、ワイヤロープの上下動によって回転させ
られる回転コロと、回転コロの回転に基づき発電する回
転型発電機とからなり、投光器、受光器、信号処理手段
及び結果表示手段に電源を供給する電源供給手段を有し
てなるので、ワイヤロープの診断装置の設置にあたり、
その動作用電源として外部電源を供給することなしに、
ワイヤロープの診断装置を動作させることができ、従来
ワイヤロープの診断装置を設置するときに必要であった
電源工事が不要になり、ワイヤロープの診断装置の設置
費用を最小限に抑制することができるという効果を有す
る。
【0066】本発明の請求項5によれば、ワイヤロープ
を吊り下げているロープ昇降装置に設置され、永久磁石
をスプリングを介して上下動可能に吊り下げ保持してい
る磁石吊り下げ装置及び永久磁石を取り巻く誘導コイル
とからなる可動磁石型発電機と、可動磁石型発電機の誘
導コイルに発生する誘導電流を直流電源に変換する直流
変換器とからなり、投光器、受光器、信号処理手段及び
結果表示手段に電源を供給する電源供給手段を有してな
るので、ワイヤロープの診断装置の設置にあたり、その
動作用電源として外部電源を供給することなしに、ワイ
ヤロープの診断装置を動作させることができ、従来ワイ
ヤロープの診断装置を設置するときに必要であった電源
工事が不要になり、ワイヤロープの診断装置の設置費用
を最小限に抑制することができるという効果を有する。
【0067】本発明の請求項6によれば、受光器の出力
側に送信器を設け、送信器の送信信号を受信する受信器
を信号処理手段の入力側に設けているので、従来ではワ
イヤロープの診断装置を設置したとしても保全マンまた
はオペレータによる巡回監視体制が必要であったが、信
号処理手段と結果表示手段はワイヤロープから離れた位
置に設置できるため、保全マンまたはオペレータによる
巡回監視体制が不要となり、常時監視によりワイヤロー
プ破断事故に対する安全性が更に向上するほか、定期修
理時以外は簡単に人の近づけない自動クレーンの安全性
向上や保全マンまたはオペレータによる巡回監視体制の
省力化にも貢献でき、ワイヤロープを使用する世の中の
多くのクレーン・エレベータなどの安全性向上および補
修費用低減にさらに貢献できるという効果を有する。
【0068】本発明の請求項7によれば、信号処理手段
の出力側に送信器を設け、送信器の送信信号を受信する
受信器を前記結果表示手段の入力側に設けているので、
従来ではワイヤロープの診断装置を設置したとしても保
全マンまたはオペレータによる巡回監視体制が必要であ
ったが、信号処理手段と結果表示手段はワイヤロープか
ら離れた位置に設置できるため、保全マンまたはオペレ
ータによる巡回監視体制が不要となり、常時監視により
ワイヤロープ破断事故に対する安全性が更に向上するほ
か、定期修理時以外は簡単に人の近づけない自動クレー
ンの安全性向上や保全マンまたはオペレータによる巡回
監視体制の省力化にも貢献でき、ワイヤロープを使用す
る世の中の多くのクレーン・エレベータなどの安全性向
上および補修費用低減にさらに貢献できるという効果を
有する。
【0069】本発明の請求項8によれば、複数箇所のワ
イヤロープにそれぞれ投光器、受光器及び信号処理手段
が設けられ、各信号処理手段の出力側に送信器が設けら
れ、各送信器から送信された送信信号を受信する受信器
と、受信器に接続された結果表示手段とは複数箇所のワ
イヤロープから離れたセンタ部に設置されているので、
各ワイヤロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びなど
の劣化状態量は定期的にセンタ部に送信されることとな
り、センタ部にてその劣化状態量の傾向管理ができ、さ
らにワイヤロープの劣化状態量と進行量からワイヤロー
プの寿命予測なども可能となるという効果を有する。従
って、ワイヤロープの劣化状態量の傾向管理や寿命予測
などの実施により、ワイヤロープ破断事故に対する安全
性が向上し、ワイヤロープを使用する世の中の多くのク
レーン・エレベータなどの安全性向上および補修費用低
減にさらに貢献できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るワイヤロープの診断
装置を示す回路図である。
【図2】同ワイヤロープの診断装置の投光器及び受光器
が搭載されたロープ昇降装置がクレーンガータに設置さ
れている状態を示す説明図である。
【図3】同ワイヤロープの診断装置の正常なワイヤロー
プの波形データを示す波形図である。
【図4】同ワイヤロープの診断装置の正常なワイヤロー
プの波形データの周波数スペクトルを示す周波数スペク
トル図である。
【図5】同ワイヤロープの診断装置の素線切れの発生し
ているワイヤロープの波形データを示す波形図である。
【図6】同ワイヤロープの診断装置の素線切れの発生し
ているワイヤロープの波形データの周波数スペクトルを
示す周波数スペクトル図である。
【図7】同ワイヤロープの診断装置の摩耗減径大となっ
たワイヤロープの波形データを示す波形図である。
【図8】同ワイヤロープの診断装置の摩耗減径大となっ
たワイヤロープの波形データの周波数スペクトルを示す
周波数スペクトル図である。
【図9】本発明の実施形態2に係るワイヤロープの診断
装置を示す回路図である。
【図10】本発明の実施形態3に係るワイヤロープの診
断装置を示す回路図である。
【図11】本発明の実施形態4に係るワイヤロープの診
断装置が各クレーン毎に配置された状態を示す配置図で
ある。
【図12】本発明の実施形態5に係るワイヤロープの診
断装置の電源供給装置が搭載されたロープ昇降装置がク
レーンガータに設置されている状態を示す説明図であ
る。
【図13】同ワイヤロープの診断装置の電源供給装置の
圧電素子電源発生器と直流変換器を示す説明図である。
【図14】同ワイヤロープの診断装置の電源供給装置の
圧電素子電源発生器の第1の変形例を示す説明図であ
る。
【図15】同ワイヤロープの診断装置の電源供給装置の
圧電素子電源発生器の第2の変形例を示す説明図であ
る。
【図16】同ワイヤロープの診断装置の電源供給装置の
圧電素子電源発生器の第3の変形例を示す説明図であ
る。
【図17】同ワイヤロープの診断装置の電源供給装置の
圧電素子電源発生器の第4の変形例を示す説明図であ
る。
【図18】本発明の実施形態6に係るワイヤロープの診
断装置の電源供給装置の回転型発電機を示す説明図であ
る。
【図19】本発明の実施形態7に係るワイヤロープの診
断装置の電源供給装置の可動磁石型発電機を示す説明図
である。
【符号の説明】
4 ワイヤロープ 6 投光器 7 受光器 8 信号処理回路 9 結果表示回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤロープに対峙した投光器と、 ワイヤロープを間にして投光器と対峙する受光器と、 受光器の測定した受光量を周波数分析して求めた周波数
    スペクトルをワイヤロープの素線切れ、摩耗・形くず
    れ、伸びをそれぞれ表す周数数基準値と比較してワイヤ
    ロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを診断処理す
    る信号処理手段と、 信号処理手段が診断処理した処理結果を表示する結果表
    示手段とを備えたことを特徴とするワイヤロープの診断
    装置。
  2. 【請求項2】 前記信号処理手段はハイパスフィルタ、
    ローパスフィルタ、又はバンドパスフィルタの少なくと
    もいずれか1以上を有することを特徴とする請求項1記
    載のワイヤロープの診断装置。
  3. 【請求項3】 ワイヤロープを吊り下げているロープ昇
    降装置に設置され、該ロープ昇降装置の振動を受けて振
    動する振動体及び振動体に設けられ、該振動体からの振
    動を受けたときに電荷を発生する圧電素子を具備する圧
    電素子電源発生器と、圧電素子電源発生器の発生する電
    荷を直流電源に変換する直流変換器とからなり、前記投
    光器、受光器、信号処理手段及び結果表示手段に電源を
    供給する電源供給手段を有してなることを特徴とする請
    求項1又は2のいずれか記載のワイヤロープの診断装
    置。
  4. 【請求項4】 ワイヤロープを吊り下げているロープ昇
    降装置に設置され、ワイヤロープに当接し、ワイヤロー
    プの上下動によって回転させられる回転コロと、回転コ
    ロの回転に基づき発電する回転型発電機とからなり、前
    記投光器、受光器、信号処理手段及び結果表示手段に電
    源を供給する電源供給手段を有してなることを特徴とす
    る請求項1又は2のいずれか記載のワイヤロープの診断
    装置。
  5. 【請求項5】 ワイヤロープを吊り下げているロープ昇
    降装置に設置され、永久磁石をスプリングを介して上下
    動可能に吊り下げ保持している磁石吊り下げ装置及び永
    久磁石を取り巻く誘導コイルとからなる可動磁石型発電
    機と、可動磁石型発電機の誘導コイルに発生する誘導電
    流を直流電源に変換する直流変換器とからなり、前記投
    光器、受光器、信号処理手段及び結果表示手段に電源を
    供給する電源供給手段を有してなることを特徴とする請
    求項1又は2のいずれか記載のワイヤロープの劣化診断
    装置。
  6. 【請求項6】 前記受光器の出力側に送信器を向け、送
    信器の送信信号を受信する受信器を前記信号処理手段の
    入力側に設けたことを特徴とする請求項1又は2のいず
    れか記載のワイヤロープの診断装置。
  7. 【請求項7】 前記信号処理手段の出力側に送信器を設
    け、送信器の送信信号を受信する受信器を前記結果表示
    手段の入力側に設けたことを特徴とする請求項1又は2
    のいずれか記載のワイヤロープの診断装置。
  8. 【請求項8】 複数箇所のワイヤロープにそれぞれ対峙
    した投光器と、 各ワイヤロープを間にして投光器と対峙する受光器と、 各受光器の測定した受光量をワイヤロープの素線切れ、
    摩耗・形くずれ、伸びを表すそれぞれの基準値と比較し
    てワイヤロープの素線切れ、摩耗・形くずれ、伸びを診
    断処理する信号処理手段と、 各信号処理手段の出力側に設けられた送信器と、 各送信器から送信された送信信号を受信する受信器と、 受信器に接続され、各信号処理装置が診断処理した処理
    結果を表示する結果表示手段とを備え、 受信器と結果表示手段とを複数箇所のワイヤロープから
    離れたセンタ部に設置したことを特徴とするワイヤロー
    プの診断装置。
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