JP5436659B2 - ロープ検査装置 - Google Patents
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Description
特許文献1のような技術を、ロープが横揺れするエレベータなどに適用しようとすると、上記のような問題があるため、適用は困難であった。
また、「ロープの最大外径値」とは、光線(ビーム)を遮光するロープの外径値のうち、最大の値のことである。
また、本発明では、測定ビーム範囲内の光線の強度分布が略均一であるので、光線内におけるロープの位置が変化した場合でも、同じ外径を有するロープであれば、受光手段での受光量の変動が少ない。
図1−1に、実施の形態1におけるロープ検査装置Aによる検出手順を説明する模式図を示す。また、図1−2に、本発明の実施の形態1におけるロープ検査装置Aの光源4から受光手段(受光部)6までを、ロープ1の走行方向に対して垂直な面で切断したときの概略断面を示す。図1−2では、ロープ1は紙面と垂直な方向に伸びており、そしてロープ1の長手方向に走行する。
ロープ検査装置Aは、光照射手段(均一光照射手段)3、スリット15、受光手段(受光部)6、変換手段20、ロープ位置算出手段30、記憶手段40を含んでいる。
均一化光学系5としては、例えば、ケーラー照明系の光学系が挙げられる。ケーラー照明系は、光源4からの不均一光を、複数枚のレンズによって均一光とするものである。なお、均一光2を照射できる光源4(例えば、平行光発光ダイオード)を使用する場合には、均一化光学系5を省略することができる。
この横長の測定ビーム2Mがロープ1に照射されて、ロープ1がその一部を遮光するとき、ロープ1によって遮光される面積は、「ロープ1の外径×測定ビーム2Mの幅」で求めることができる。測定ビーム2Mの幅が一定なので、この遮光面積も一定になる。よって、ロープ1が横揺れしたとしても、遮光面積は変動しない。
受光素子7としては、様々な周知の受光素子が利用でき、例えば半導体素子などが好適である。集光レンズ8は、一般的な凸レンズ(両凸レンズ、片凸レンズ)が利用できる。
演算手段51は、外径値1dのデータ(外径値データD)と同期して得られたロープ1の位置データDLをあわせて記憶装置に記憶する。また、演算手段51は、ロープ1の外径値1dのデータ(外径値データD)と、位置データDLとから、ロープ位置に対するロープ外径値1dのグラフを描く処理も行う。
図1−5のように、スリット15(151、152)には細長い開口部S1、S2が形成されている。ロープ検査装置Aにスリット15(151、152)を組み込む時には、開口部S1、S2の長手方向が、ロープ1の走行方向DirRと直交するように配置される。
図1−5(a)のスリット151は、開口部S1の幅S11(図中の上下方向の寸法)が均一光2の測定ビーム範囲60の直径61より小さく、開口部S1の長さS12(図中の左右方向の寸法)が測定ビーム範囲60の直径61より大きい。そして、図1−5(b)のスリット152は、開口部S2の幅S21も、開口部S2の長さS22も測定ビーム範囲60の直径61より小さい。
また、測定ビーム範囲60の外側にある均一光2(均一光2の周縁部に存在)は、不均一な強度を含むことがあるが、スリット151は、均一光2の上下方向にある強度不均一な部分を遮光する。
なお、スリット151と同様に、スリット152も均一光2の上下方向にある強度不均一な部分を遮光する。
それに対して、スリット152では、開口部S2の長さS22が測定ビーム範囲60の直径61より小さいので、測定ビーム領域60よりも外側にある均一光2を全て遮断することができる。よって、スリット152を通過させることにより、全体にわたって略均一な強度を有する長方形ビームを得ることができる(図1−7)。得られた長方形ビームの強度分布を図1−4(c)に示す。スリット152で整形した長方形ビームは均一光2の不均一部分を含まないので、ロープ検査装置Aの測定精度が高くなる。また、ロープ検査装置Aに含まれる光学系等からの散乱光を効果的に遮光できるので、受光部6で得られる受光量のデータのノイズを減少することができる。
一方、図1−3(b)のように測定ビーム範囲60内において略均一な強度分布を有するビーム(均一光)2であれば、ロープ1が横揺れしても、遮光面積が等しければ遮光されるビーム強度もほぼ等しくなる。よって、均一光2をスリット15で整形すれば、ロープ1が横揺れしても外径値1dの測定精度を高くすることができる。
測定方法は、ステップ1〜6に分かれており、ロープ1に照射後の均一光2の光量測定(ステップ1)、光量をロープ1の外径値1dに変換(ステップ2)、均一光2が照射されているロープ1の位置データDLの取得(ステップ3)、外径値1dと位置データDLの記憶(ステップ4)、外径値1d及び位置データDLのデータ解析(ステップ5)、及び解析データからロープ1の外径異常の検出(ステップ6)から構成されている。
図1−2に示すように、測定対象のロープ1に対してロープ検査装置Aを設置する。ロープ検査装置Aは、建築物等に固定されている。ロープ1は、固定されたロープ検査装置Aの中を、図1−2の紙面と垂直方向に、任意の速度で走行する。
光源4から射出された不均一光は、均一化光学系5を通って均一光2にされ、スリット15を通って横長形状又は長方形に整形される(図1−6、図1−7)。整形された均一光2の測定ビーム2Mはロープ1に照射されて、その一部はロープ1によって遮光される。遮光されなかった測定ビーム2Mは、ロープ1の両側を通って進行する(図1−2)。遮光されなかった測定ビーム2Mは、集光レンズ8によって集光され、受光素子7に入射する。受光素子7は、受光した光量に応じた信号を出力する。
受光素子7(受光素子6)からの信号は、変換手段20に入力される(図1−1)。本実施の形態では、変換手段20は、受光部出力処理回路21と、AD変換器22と、換算手段23とから構成されている。
まず、受光素子7からの信号(電流値)は、受光部出力処理回路21に入力されて、電圧信号に変換される(I−V変換)。また、受光素子7からの信号からノイズ除去のためのフィルタ処理を行ってもよい。
受光部出力処理回路21から出力された電圧信号は、AD変換器22に入力されて、デジタル信号に変換される。
ロープ1の位置データDLは、ロープ位置算出手段30により生成される(図1−1)。本実施の形態では、ロープ位置算出手段30は、ロープ搬送装置90に内蔵されているエンコーダ31と、ロープ位置算出装置32とから構成されている。
エンコーダ31は、ロープ搬送装置90がロープ1を所定方向に所定距離f(例えば1m)だけ搬送するごとに、正のパルス信号Pを出力する。例えばロータリーエンコーダは、ロープ搬送装置90が順方向(例えば時計回り)に1回転するごとにパルス信号Pを出力する。また、ロープ搬送装置90が逆方向(例えば反時計回り)に1回転するごとに、エンコーダ31は負のパルス信号−Pを出力する。
なお、位置データDLはロープ1が所定距離fごとにサンプリングされるので、ロープ1の搬送速度が変化する場合には、サンプリングの時間間隔も変化する。つまり、位置データDLのサンプリング間隔は、時間に依存しない。
演算装置50の換算手段23から出力されたロープ1の外径値データD(ステップ2)と、演算装置50の演算手段51から出力された位置データDL(ステップ3)とを、記憶装置40に記憶させる。なお、同じタイミングで記憶された外径値データDと位置データDLとは、関連づけながら(同期させながら)記憶させる。これにより、後述の「ステップ5」で、記憶装置40に記憶されたデータ列を解析することにより、ある時点におけるロープ1の測定位置と、その測定位置のロープ1の外径値1dとを知ることができる。
なお、外径値データDのデータ数のほうが、位置データDLのデータ数より多いので、外径値データDの一部のみが位置データDLと対応付けられる。
記憶装置40に記憶された2つのデータ列(外径値データDと位置データDL)を、演算装置50の演算手段51によってデータ解析して、最終的にはロープ1の測定位置に対して外径値1dをプロットする。プロットで得られたグラフには、ロープ走行範囲の外観が再現される。
実際のロープ1は表面に凹凸があるため、得られるグラフにも凹凸が現れる。グラフの意味を十分に把握するために、まず、ロープ1と、測定時のロープ1の速度について説明する。
図1−9からわかるように、外層ストランド101〜106を螺旋状に巻いているので、ロープ1の外面には微細な凹凸が形成される。この微細な凹凸によって、ロープ1の外径も周期的に変化する。
撚りピッチTの範囲内には、使用されている外層ストランドの本数と同数の凹部が含まれる(図1−9では、6本の外層ストランドと、6つの凹部)。また、撚りピッチTの両端に位置する凸部をそれぞれ0.5個と数えれば、撚りピッチTの範囲内には、外層ストランドの本数と同数の凸部が含まれている(図1−9では、6本の外層ストランドと、6つの凸部が含まれている)。
図1−12から明らかなように、位置−外径値グラフでは、凹凸は等間隔になっている。すなわち、位置データDLに対して外径値データをプロットすることにより、グラフの凹凸の間隔は、測定時のロープ1の速度に依存せず、常に一定になる。
なお、図1−12はロープ1の外径値データをプロットしているので、外層ストランド102の突出する向きは反映されない。よって、図1−6のように両側面に凹凸を有するロープ1では、ロープ右側の突出に対応する外径値増加も、左側の突出に対応する外径値増加も、同じ「外径値の増加」として図1−12のグラフに反映される。
本実施の形態では、ロープ1に外径異常が生じた場合、その検出の手法が複数ある。以下に、それぞれの検出手法を説明する。
図1−13は、ロープ1の外層ストランド102が切断等によって弛みを生じた様子を示している。図1−13からわかるように、弛んだ外層ストランド102が右側に飛び出し、撚りピッチTの半分(=T/2)だけ下がって左側に飛び出し、さらにT/2だけ下がって再び右側に飛び出す。外層ストランド102が飛び出した部分は外径値1dが大きくなるので、ロープ1がT/2進むごとに外径値1dの大きい部分が現れる。
このように、位置−外径値グラフの形状に、撚りピッチTと相関性のある周期的な異変が現れた場合には、外層ストランドが弛んでいると判断することができる。
図1−15は、図1−8のロープ1(外層ストランド10本、内層ストランド6本)から得られた位置−外径値グラフである。外層ストランドの撚りピッチTと、内層ストランドの撚りピッチtとは異なっている。
図1−15(a)は、外径異常のないロープ1から得られたグラフである。図1−15(b)は、外層ストランド101〜110のうちの1本が弛みを生じたロープ1から得られた位置−外径値グラフである。図1−15(c)は、内層ストランド200のうちの1本が弛みを生じたロープ1から得られた位置−外径値グラフである。なお、内層ストランド200は外層ストランドによって完全に覆われているので、簡単な視認だけでは、内層ストランド200の弛みを検出するのは困難な場合がある。
図1−15(b)には、低い凸部が4つ続いた後に、高い凸部が1つ現れる、という周期性が見られる。この高い凸部の現れる周期(5つおき)は、外層ストランドの撚りピッチT(凸部10個分に相当)の半分と一致する。
一方、図1−15(c)では、低い凸部が4つ〜5つ続いた後に、高い凸部が2つ〜1つ現れている。図1−15(b)と比べると、図1−15(c)では高い凸部の現れる周期が長い点と、高い凸部の個数(1つ〜2つ)及び低い凸部の個数(4つ〜5つ)にばらつきが見られる点で異なる。図1−15(b)と図1−15(c)との相違は、ロープ1の内部構造に起因するものであり、詳細については後述する。
この閾値設定の方法として、予め絶対的な値を設定する方法が考えられるが、後に述べるように、i)複数区間に分割して、その他の区間と比較してこれらの値が突出していないか否かにより異常判定する方法、ii)区間毎の増減量、または増減率を算出し、これらに対して閾値判定する方法、または他の区間と比較して突出していないか否かにより判定する方法も考えられる。
異常であるか否かの判定を行う方法として、複数区間に分割して、その他の区間と比較してこれらの値が突出していないか否かにより異常判定する方法を述べる。
実際に使用されるロープ製品では、ロープ1の外径寸法は完全に均質ではなく、初期ばらつき(誤差)があるのが通常である。そして、使用前から存在する「初期ばらつき」が、使用後に生じた「外径異常」と誤認されるおそれがある。そのような誤認のおそれがあれば、初期ばらつきと外径異常とを明確に識別することが必要になる。
また、この検出手法を利用すると、外径値の経時変化の傾向(トレンド)を監視することができるので、ロープ1の交換計画を立てる際に有用である。
本実施の形態では、ロープ検査装置Aのロープ位置算出手段30はエンコーダ31のみ(ロープ位置算出装置32を含まない)から構成され、代わりに、エンコーダ31から出力されたパルス信号P、−Pを変換手段20のAD変換器22に入力する点で、実施の形態1と異なる(図2−1)。
本実施の形態では、AD変換器22から出力されるデジタル信号の出力のタイミングが実施の形態1と異なる。
実施の形態1では、AD変換器22からのデジタル信号は、連続的に出力される。
しなしながら、本実施の形態では、エンコーダ31からのパルス信号P、−Pの入力があった時にのみ、AD変換器22からデジタル信号が出力される。よって、「デジタル信号が出力された」ということは、前のデジタル信号が出力されてから、ロープ1が所定距離fだけ搬送されたことを意味している。そして、デジタル信号から換算されたロープ1の外径値データDも、ロープ1を所定距離fごとの外径値1dであることがわかる。
本実施の形態では、ロープ位置算出手段30がエンコーダ31のみからなる点と、エンコーダ31から出力されたパルス信号PがAD変換器22に入力される点で、実施の形態1と異なる(図2−1)。よって、ステップ3では、位置データDLは得られない。
本実施の形態では、ステップ3で位置データDLが得られないので、記憶装置40に記憶されるデータがロープ1の外径値データDのみになる点で、実施の形態1と異なる(位置データDLは記憶されない)。また、外径値データDが出力されるのは、サンプリング信号が入力された時だけに制限されるので、記憶装置40に記憶される外径値データDの個数が実施の形態1に比べて少なくなる。
本実施の形態では、位置−外径値グラフの横軸の基準となるための位置データDLがない点で、実施の形態1と異なる。
本実施の形態では、ロープ1の外径値データDは、ロープ1を所定距離fだけ搬送したタイミングで得られる。よって、外径値データDの横軸方向の間隔が所定距離fになるように、外径値データDを等間隔で配置すれば、実際のロープ1の外観を反映したグラフをプロットすることができる(図2−2)。
本実施の形態では、ロープ検査装置Aが、エンコーダ31及びロープ位置算出装置32を含まず、代わりに演算装置50の演算手段51がロープ位置算出手段30としても機能する点で実施の形態1及び2と異なる(図3−1)。
本実施の形態は、ロープ位置算出手段30を備えていない(図3−1)。よってステップ3も含まれず、位置データDLは得られない。
本実施の形態では、ステップ3で位置データDLが得られないので、記憶装置40に記憶されるデータがロープ1の外径値データDのみになる点で、実施の形態1と異なる(位置データDLは記憶されない)。
本実施の形態では、データ解析の手法が実施の形態1及び2と大きく異なる。
第1に、測定したロープ1の外層ストランドの本数(n本)と、外層ストランドの撚りピッチTとを予め調べておく。
第2に、演算装置50の演算手段51によって、時間−外径値グラフをプロットする(図3−2)。なお、測定時にはロープ1を図1−10の条件で走行させたので、図3−2の時間−外径値グラフの凹凸は等間隔になっていない。
第3に、図3−2の時間−外径値グラフから、凹凸の頂部(山と谷)を抽出する(図3−3)。
また、位置データDLを記憶装置40に記憶する必要がないので、記憶装置40の効率的な利用ができる。
さらに、ロープの伸びやすべりによって、エンコーダ31からのパルス信号Pと、実際のロープの搬送距離との間にズレが生じた場合でも、本実施の形態はパルス信号Pを利用していないので、そのようなズレの影響を受けない。よって、常に正確なロープ位置を確認することができる。
本実施の形態では、受光部6の代わりに、2つの受光部6L、6Rを設けた点で実施の形態1〜3と異なる。本実施の形態は、ロープ1の後方に位置する受光部6は不要であるとして、ロープ1の両側に限定して受光部6L、6Rを設けたものである(図4−1)。
図4−1に示すように、光源4から射出された不均一光は、均一化光学系5を通って略均一強度の均一光2にされ、スリット15を通って横長形状又は長方形に整形される(図1−6、図1−7)。整形された均一光2の測定ビーム2Mは、ロープ1に照射される。測定ビーム2Mの一部はロープ1によって遮光される。遮光されなかった測定ビーム2Mは、ロープ1の両側を通って進行する(図4−1)。
本実施の形態では、実施の形態4で説明した「ステップ1」で、左側受光素子7Lと右側受光素子7Rとからそれぞれ出力された信号を加算して受光部出力処理回路21に入力する代わりに、ぞれぞれの信号を別々に受光部出力処理回路21する点で、実施の形態4と異なる(図5−1)。
また、本実施の形態では、実施の形態1〜4に開示されていない2つのデータ解析(これを「ステップ5’:データ解析2」と「ステップ5’’:データ解析3」と称する)を含んでいる点で異なる。
各受光素子7L、7Rから受光部出力処理回路21に入力された2つのデータ列(L、R)は、AD変換器22で別々にデジタルデータに変換する。
2つのデジタルデータ(L、R)を受光素子7L、7Rからの出力に換算し、換算値を時間軸に対してプロットすると、図5−2(a)〜(b)のようなグラフが得られる。
グラフ中の(i)の時点では、左右の受光素子7L、7Rで受光した光量は同じである。これは、図4−1のようにロープ1が均一光2の中心にあり、ロープ1の両側を抜ける分割光2L、2Rが同じ光量になっていることを意味している。
(ii)の時点では、左側受光素子7Lの受光量が多く、右側受光素子7Rの受光量が少ない。これは、図5−3のようにロープ1が均一光2の中心よりも右側にずれており、ロープ1の左側を抜ける左側分割光2Lが、ロープ1の右側を抜ける右側分割光2Rよりも多くなっていることを意味している。
(iii)の時点では、左側受光素子7Lの受光量が少なく、右側受光素子7Rの受光量が多い。これは、ロープ1が均一光2の中心よりも左側にずれており、ロープ1の左側を抜ける左側分割光2Lが、ロープ1の右側を抜ける右側分割光2Rよりも少なくなっていることを意味している。
そして、図5−2(c)のグラフから横揺れの振動数を求め、その時点におけるロープ1の長さをロープ1の位置データDLから算出する。
そのロープ1の長さにおける基本振動数と、横揺れの振動数とを比較して、相違する場合にはテンション異常と判定する。
ステップ5’で得られた2つのデジタルデータ(L、R)を、演算装置50に入力する(図5−1)。演算装置50の演算手段51では、デジタルデータ(L、R)の各々を平均化して、2つの平均値(L、R)を算出する。得られた2つの平均値(L、R)を受光素子7L、7Rからの出力に換算し、記憶装置40に記憶する。
ave(L)=ave(R)であるならば、停止時のロープ1は均一光2の中心にあることがわかる。ロープ検査装置Aを設置する際には、ロープ1が均一光2の中心になるように位置決めするので、設置直後の測定では、ave(L)=ave(R)となる。
また、ロープ1とロープ検査装置Aとの経時的な位置関係の変化を調べるには、過去に算出した光量の平均値ave(L)、ave(R)と、別の時点における光量の平均値ave(L)、ave(R)とを比較すればよい。
実施の形態1〜5では、スリット15により整形した均一光2を使用していたが、整形しない均一光2を使用することもできる。
実施の形態1〜5では、1本のロープ1の検査をするためのロープ検査装置Aについて詳述した。もし、複数のロープ1の検査が必要な場合には、均一光照射手段3、受光部6及び受光部出力処理回路21をロープ1と同数準備して、各ロープ1に対して設置する。そして、複数の受光部出力処理回路21からの電圧信号を、1つのAD変換器22に接続すればよい。
実施の形態1〜5で参照した図面では、均一光2は、均一化光学系5から集光レンズ8まで平行な平行均一光として図示されているが、例えば均一化光学系5から集光レンズ8に向かって測定ビーム2Mが拡大するような非平行の均一光2を用いることもできる。
非平行な均一光2の場合、測定ビーム2Mの光軸に垂直で、且つロープ1の中心線Cを通る平面において、測定ビーム2Mの強度が均一になるように均一化光学系5を調節する。従って、その平面からロープ1がずれないような用途では、非平行な均一光2を利用できる。
Claims (7)
- 走行するロープに光線を照射するために、前記光線の光軸と直交し且つ前記ロープの走行方向と直交する第1の方向における前記光線の幅が、前記ロープの最大外径値と前記ロープが走行中に第1の方向に移動する幅とを加算した値より大きい前記光線を出射する光照射手段と、
前記ロープを挟んで前記光照射手段と対向して配置され、前記光線の光量を検出する受光手段と、
前記受光手段で検出された前記光量を前記ロープの外径値に変換する変換手段と、
を含むロープ検査装置であって、
前記光線の強度は、前記光線の進行方向に対して垂直な面内で、且つ前記ロープに照射される範囲内では略均一であり、
前記ロープ検査装置は、
前記ロープの位置データを出力するロープ位置算出手段と、
前記ロープの前記位置データと前記変換手段から出力される前記外径値とを同期して記録可能な記憶手段と、
をさらに含み、
前記ロープ位置算出手段が、時間に対する前記外径値のグラフにおける頂部の間隔を、前記ロープの外層ストランドの本数と撚りピッチとから求めた前記ロープの表面の凹凸の頂部の間隔に一致させることにより、前記グラフの時間データから前記ロープの前記位置データを算出することを特徴とするロープ検査装置。 - 前記ロープ検査装置が、前記測定ビーム範囲内の前記光線を整形するためのスリットをさらに含み、
前記スリットには、前記ロープの走行方向と直交する方向に伸びる開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ検査装置。 - 前記ロープ検査装置が、第1の演算手段を含み、
前記第1の演算手段が、
前記ロープの前記位置データに基づいて求めた前記ロープの長さを基準として、前記外径値またはこれに基づく算出値を複数の区間に分割する機能と、
各区間に含まれる前記外径値またはこれに基づく算出値と、他の区間に含まれる外径値またはこれに基づく算出値とを比較する機能と、
を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロープ検査装置。 - 前記ロープ検査装置が、第2の演算手段を含み、
前記第2の演算手段が、前記区間の各々に含まれる前記外径値またはこれに基づく算出値と、別の時点に測定された同一区間に含まれる前記外径値またはこれに基づく算出値とを比較する機能を備えていることを特徴とする請求項3に記載のロープ検査装置。 - 前記ロープ検査装置が、第3の演算手段を含み、
前記第3の演算手段が、前記ロープの前記外径値データから、前記ロープの外径異常に対応した凹凸周期成分を抽出する機能を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のロープ検査装置。 - 前記受光手段が2つの受光部を備え、
前記2つの受光部の各々は、前記ロープの両側を通過する2つの光線の各々を受光するように配置されていることをする請求項1〜5のいずれか1項に記載のロープ検査装置。 - 前記ロープ検査装置が、第4の演算手段を含み、
前記第4の演算手段が、
前記2つの受光部の各々で検出した光量の時間的な平均値を求める機能と、
前記光量の時間的な平均値と、別の時点に検出された前記光量の時間的な平均値とを比較する機能と、
を備えていることを特徴とする請求項6に記載のロープ検査装置。
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