JPH11325115A - シンクロナイザーリング - Google Patents

シンクロナイザーリング

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JPH11325115A
JPH11325115A JP10133811A JP13381198A JPH11325115A JP H11325115 A JPH11325115 A JP H11325115A JP 10133811 A JP10133811 A JP 10133811A JP 13381198 A JP13381198 A JP 13381198A JP H11325115 A JPH11325115 A JP H11325115A
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synchronizer ring
angle
cone angle
chamfer
biting
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Koji Harada
弘司 原田
Masateru Sugiyama
昌輝 杉山
Katsuhisa Yoshikawa
勝久 吉川
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Toyota Motor Corp
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/025Synchro rings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/04Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch
    • F16D23/06Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch and a blocking mechanism preventing the engagement of the main clutch prior to synchronisation
    • F16D2023/0656Details of the tooth structure; Arrangements of teeth

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シフト操作力の低減を図りつつ、食い付きを抑
えるのに有利なシンクロナイザーリングを提供する。 【解決手段】シンクロナイザーリングは、コーン角をも
つ傾斜面とチャンファ角をもつ歯部とを備えている。コ
ーン角をαとし、チャンファ角をβとしたとき、(α,
β)=(4,80)(4,94)(5,88)(5,1
08)(6,95)(6,120)の各座標点を結ぶ領
域に、コーン角及びチャンファ角が設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は同期装置に使用され
るシンクロナイザーリングに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両などに装備される変速機
構の同期装置では、シンクロナイザーリングが提供され
ている。シンクロナイザーリングは、変速機構における
同期過程を得るために使用されるものである。この同期
過程について図12(A)〜図12(C)を参照して説
明を加える。この図において左半分は、要部の断面を示
し、右半分は矢印109から見た展開図を模式的に示
す。
【0003】変速レバーの操作によりスリーブ100が
移動し始めると、図12(A)から理解できるように、
シフティングキー400が移動し、シフティングキー4
00がシンクロナイザーリング200を押しつける。そ
してシンクロナイザーリング200の傾斜摩擦面202
は相手ギヤ300のギヤコーン部302に押しつけられ
る。その摩擦により相手ギヤ300は回転し始める。
【0004】更にスリーブ100が移動すると、図12
(B)の右部に示すように、スリーブ100のスプライ
ン状の歯部104のチャンファ面106がシンクロナイ
ザーリング200の歯部204のチャンファ面206を
押す。よって、図12(B)の左部から理解できるよう
に、シンクロナイザーリング200の傾斜摩擦面202
が相手ギヤ300のギヤコーン部302に更に強く押し
つけられる。図12(B)に示す状態では、シンクロナ
イザーリング200の傾斜摩擦面202はギヤコーン部
302に圧着しており、大きな摩擦力を発生させる。こ
れにより相手ギヤ300がスリーブ100と同じ速度で
同期回転し、スリーブ100と相手ギヤ300との相対
速度差が解消される。
【0005】更にスリーブ100が移動すると、図12
(C)の右部に示すように、スリーブ100の歯部10
4は相手ギヤ300の歯部304のチャンファ面306
を通過し、これによりスリーブ100の歯部104は相
手ギヤ300の歯部304と噛合し、変速が完了する。
上記した従来のシンクロナイザーリング200は一般的
には黄銅製であり、ギヤコーン部302に圧着される傾
斜摩擦面202と、チャンファ面206をもつ歯部20
4とを備えている。シンクロナイザーリング200の中
心軸線に対する傾斜摩擦面202の傾斜角は、コーン角
と呼ばれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、変速に要す
るシフト操作力を低減するには、シンクロナイザーリン
グ200の傾斜摩擦面202のコーン角を減少させれば
良いことが知られている。しかしながらシンクロナイザ
ーリング200のコーン角を減少させると、シフト操作
力の低減には有利であるものの、相手材であるギヤコー
ン部302にシンクロナイザーリング200が食いつき
易くなる。場合によっては、食いつき性の増加により、
変速操作時にシフト引っかかり感が使用者に生じるおそ
れがある。
【0007】食いつきとは、シンクロナイザーリング2
00が相手材であるギヤコーン部302に固着し、シン
クロナイザーリング200をギヤコーン部302から離
脱させる際に、ギヤコーン部302から離脱しにくくな
る現象を意味する。そのため従来のシンクロナイザーリ
ング200によれば、特公昭59−8694号公報に記
載のように、コーン角は6.5〜7度に抑えられてい
た。
【0008】本発明は上記した従来に係るシンクロナイ
ザーリングを改善したものであり、シフト操作力の低減
を図りつつも、食いつきを抑えるのに有利なシンクロナ
イザーリングを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者はシンクロナイ
ザーリングについて鋭意開発を進めた。そして傾斜摩擦
面のコーン角をαとし、チャンファ角をβとしたとき、
コーン角αを4〜6度の範囲内に設定してシフト操作力
の低減を図りつつも、(α,β)=(4,80)(4,9
4)(5,88)(5,108)(6,95)(6,1
20)の各座標点を結ぶ領域内に、シンクロナイザーリ
ングのコーン角及びチャンファ角をそれぞれ設定すれ
ば、シンクロナイザーリングの食いつき現象を抑えるの
に有利であることを本発明者は実験的に見いだし、本発
明を完成した。
【0010】すなわち本発明のシンクロナイザーリング
は、コーン角をもつ傾斜摩擦面とチャンファ角をもつ歯
部とを備えたシンクロナイザーリングにおいて、コーン
角をαとし、チャンファ角をβとしたとき、(α,β)=
(4,80)(4,94)(5,88)(5,108)
(6,95)(6,120)の各座標点を結ぶ領域内
に、コーン角及びチャンファ角は設定されていることを
特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のシンクロナイザーリング
によれば、コーン角で傾斜する傾斜摩擦面と、チャンフ
ァ角をもつ歯部とを備えている。コーン角とは、シンク
ロナイザーリングの中心軸線に対する傾斜摩擦面の傾斜
角を意味する。チャンファ角とは、シンクロナイザーリ
ングに形成されている歯部において互いに交差する向き
に面取り状に形成されているチャンファ面同士の交差角
を意味する。チャンファ面の交差部分に多少の丸みをも
つ形態も含む。
【0012】本発明のシンクロナイザーリングによれ
ば、コーン角をαとし、チャンファ角をβとしたとき、
既述したように、(α,β)=(4,80)(4,94)
(5,88)(5,108)(6,95)(6,12
0)の各座標点を結ぶ領域内にコーン角及びチャンファ
角は設定されている。本発明によれば、コーン角及びチ
ャンファ角が上記した領域の内に設定されている場合、
コーン角及びチャンファ角が各座標点を結ぶ線上に設定
されている場合も含まれる。
【0013】本発明のシンクロナイザーリングによれ
ば、コーン角は4〜6度に規定されているが、コーン角
の上限値としては必要に応じて例えば5.8度,5.6
度,5.4度などに規定できる。コーン角の下限値とし
ては例えば4.2度,4.4度などに規定できる。また
チャンファ角は80〜120度に規定されているが、チ
ャンファ角の上限値としては必要に応じて例えば118
度,116度,114度に規定できる。チャンファ角の
下限値としては例えば82度,84度,86度に規定で
きる。
【0014】本発明によれば、シフト操作の低減効果、
食いつき抑制効果の対する重点の置き方の如何などによ
って、上記した領域の基準となる(α,β)を適宜選択
することができる。例えば、(α,β)の既述した各座
標点を利用するほかに、その領域内の(α,β)とし
て、(4,80)、(4,90)、(6,95)、
(6,115)の各座標を選択し、これらの各座標点を
利用して区画される領域に、本発明のシンクロナイザー
リングのコーン角及びチャンファ角を設定することがで
きる。
【0015】本発明のシンクロナイザーリングによれ
ば、以下のべるの形態を採用でき、あるいは、の形
態を採用でき、あるいは、及びの双方を含む形態を
採用することもできる。 の形態 本形態のシンクロナイザーリングは、リング状をなす高
ヤング率を備えた基部と、基部の内周面に一体的に設け
られた傾斜摩擦面をもつ低ヤング率を備えた摩擦材層と
の複層構造で形成できる。この態様では、コーン角を4
〜6度と少な目に抑えたとしても、シンクロナイザーリ
ングの食いつきを抑えるの一層有利となる。基部は例え
ば鉄系、摩擦材層は例えば銅系、ニッケル系、銅−ニッ
ケル系を採用できる。本形態によれば、シンクロナイザ
ーリングとしては焼結シンクロナイザーリングを採用で
きる。即ち、粉末を圧密成形した圧粉体を焼結温度で焼
結して一体化する粉末冶金法でシンクロナイザーリング
を形成できる。従って、上記した基部となる部分、摩擦
材層となる部分を一体成形したリング状の圧粉体を焼結
することにより、シンクロナイザーリングを形成でき
る。
【0016】の形態 本形態のシンクロナイザーリングによれば、傾斜摩擦面
には、シンクロナイザーリングの軸線方向に沿って延び
る溝を形成できる。溝は複数本形成できる。コーン角を
4〜6度と少な目にしたとしても、溝によりシンクロナ
イザーリングの食いつきを抑えるの一層有利となる。溝
は面圧に影響を与え、摩擦材層の弾性変形量が変わるた
めと推察される。
【0017】
【実施例】以下、本発明のシンクロナイザーリングの実
施例を図面を参照して説明する。図1及び図2に示すよ
うに、本実施例のシンクロナイザーリング1は、リング
状の基部10と、基部10の内周面に一体化されたリン
グ状の摩擦材層12とで構成されている。摩擦材層12
の内周部には、実質的に円錐形状をなす傾斜摩擦面13
が形成されている。シンクロナイザーリング1の中心軸
線Sに対して摩擦材層12の傾斜摩擦面13が傾斜して
いる角をコーン角とし、これをαとする。
【0018】摩擦材層12の傾斜摩擦面13には溝14
が形成されている。溝14は、シンクロナイザーリング
1の中心軸線Sの方向に沿った溝である。この溝14
は、摩擦材層12の周方向に沿って多数個設けられてい
る。本実施例では、摩擦材層12の径大側の内径D1は
6.9cmであり、摩擦材層12の平均厚みは1.4m
mであり、溝14の数は72個であり、隣設し合う溝1
4で規定される山14aの幅は1mmである。但し、こ
れらの値に限定されるものではない。
【0019】基部10の外周部には、従来と同様に、外
径方向に突出した歯部16が設けられている。図2に示
すように、歯部16は、基部10の周方向に沿って多数
個設けられている。図3は、図1において矢印W3から
見た図を模式的に示す。図3に示すように、歯部16に
は、互いに交差する向きのチャンファ面17が形成され
ている。チャンファ面17が交差する角をチャンファ角
とし、これをβとする。
【0020】なお、前記した図12に示した同期過程
は、本実施例においても同様である。図12(B)に示
す形態から理解できるように、同期過程ではスリーブ1
00の歯部104がシンクロナイザーリングの歯部のチ
ャンファ面を押す。その関係で、前記したシンクロナイ
ザーリング1のチャンファ角βが大きすぎると、シンク
ロナイザーリング1の傾斜摩擦面13が相手側のギヤコ
ーン部302に圧着しすぎ、シンクロナイザーリング1
に食いつきが発生し易くなる傾向がある。従って食いつ
きを抑えるには、チャンファ角を規定することが意義が
ある。またチャンファ角βが小さすぎると、図12
(B)(C)に示す形態から理解できるように、シンク
ロナイザーリングの傾斜摩擦面が相手側のギヤコーン部
302を充分に同期させる前に、スリーブ100の歯部
104が相手ギヤ300の歯部304の側に進みすぎ、
同期不良を誘発する傾向がある。
【0021】また本実施例では、基部10は鉄系であり
ヤング率が高い。摩擦材層12は銅系の合金であり、基
部10よりもヤング率が低い。摩擦材層12のヤング率
が基部10のヤング率よりも小さいため、コーン角を少
な目にしたときでも、シンクロナイザーリング1の食い
つきを抑えるのに一層有利である。ちなみに本実施例に
よれば、基部10のヤング率は10000〜15000
kgf/mm2、摩擦材層12のヤング率は2000〜3
000kgf/mm2であった。
【0022】このような2層タイプのシンクロナイザー
リング1は、焼結シンクロナイザーリングであり、基部
10となる部分、摩擦材層12となる部分を一体成形し
たリング状の圧粉体を焼結温度域に加熱して焼結するこ
とにより、形成されている。図4は、スリーブ100が
矢印130方向に移動してスリーブ100のスプライン
状の歯部104が相手ギヤ300の歯部304に噛合す
る前の状態の要部を示す。図4から理解できるように、
同期過程においては、スリーブ100の歯部104がシ
ンクロナイザーリング1の歯部16を通る際には、スリ
ーブ100の歯部104がシンクロナイザーリング1の
歯部16のチャンファ面17を押す。これによりシンク
ロナイザーリング1の傾斜摩擦面13が相手側のギヤコ
ーン部に圧着し、ギヤコーン部を同期させる。このとき
くさび力に基づいて、シンクロナイザーリング1を周方
向に付勢して押し分ける押し分けトルクF(図4参照)
が発生する。つまり、シンクロナイザーリング1を周方
向に回す力が発生する。従って、食いつき性に影響する
コーン角αに応じてチャンファ角βを適切な値にすれ
ば、押し分けトルクFがシンクロナイザーリング1の食
いつき力に打ち勝ち易くなり、シンクロナイザーリング
1の食いつきを効果的に抑えるのに一層有利となる。
【0023】すなわち本実施例によれば、シンクロナイ
ザーリング1のコーン角及びチャンファ角としては、図
5に示すように、K1,K2,L1,L2,M1,M2
の座標点を結ぶ条件線P1〜P4で規定された領域内に
設定されている。換言すれば、コーン角をαとし、チャ
ンファ角をβとしたとき、αを4〜6度に設定するとと
もに、(α,β)=(4,80)(4,94)(5,8
8)(5,108)(6,95)(6,120)の各座
標点を結ぶ領域内に設定されている。
【0024】図5に示す条件線P1は、同期装置におけ
る同期成立限界を考慮して設定した。即ちシンクロナイ
ザーリング1の押しつけ時に正常な同期作動を行ない得
る条件である。条件線P1未満の領域では、チャンファ
角が小さすぎ、シンクロナイザーリング1の傾斜摩擦面
13が相手側のギヤコーン部を充分に同期させる前に、
スリーブ100が進みすぎ易くなり、この結果、同期不
良、ギヤ鳴りが発生し易くなり、場合によってはシフト
不能となる。条件線P1の算出条件としては、シンクロ
ナイザーリング1の押しつけ時に発生するコーントルク
とインデックストルクにおいて、コーントルク>インデ
ックストルクの関係が得られるように、コーン角及びチ
ャンファ角を算出した。
【0025】条件線P2は、シンクロナイザーリング1
の食いつき発生限界を考慮して設定した。条件線P2を
越えた領域では、チャンファ角が大きすぎ、シフト操作
時にシンクロナイザーリング1の傾斜摩擦面13が相手
ギヤのギヤコーン部に圧着し易くなり、この結果シンク
ロナイザーリング1がギヤコーン部に食いつき易くな
る。よってシフト操作時に引っかかり力が増加し、シフ
トフィーリングが悪化し、場合によってはシフト不能と
なる。条件線P2の算出条件としては、各コーン角にお
いてシンクロナイザーリング同期荷重F1、押し分け荷
重F2を基準とし、(F2/F1)<1.0を満足する
チャンファ角を算出した。
【0026】条件線P3は、コーン角の下限値限界を意
味し、条件線P1,条件線P2を満足させ得る領域とし
て求められる最小コーン角を示す。条件線P4は、シフ
ト時における操作力低減効果が良好に得られるように設
定され、従来品のシンクロナイザーリング(コーン角:
7度)に対して、適切な操作力低減効果が得られるコー
ン角とした。
【0027】以上説明したように本実施例によれば、コ
ーン角を4.0〜6.0度に抑えているため、シフト操作
力の低減を図り得る。 更に本実施例によれば、コーン角とチャンファ角との関
係を図5に示すように規定している。つまり、図5から
理解できるように、食いつき性に影響を与えるコーン角
が小さいほど、同じく食いつき性に影響を与えるチャン
ファ角が小さくなるように、コーン角及びチャンファ角
の関係を設定している。
【0028】従って本実施例によれば、コーン角を減少
させたためコーン角の減少による影響で食いつき性が増
加するときには、チャンファ角を減少させ、チャンファ
角の影響による食いつき性を減少させている。そのた
め、本実施例では、上記のようにコーン角を4.0〜6.
0度と少な目に抑えているにもかかわらず、シンクロナ
イザーリング1の食いつきを抑えるのに有利である。
【0029】(試験) (1)試験例1を行った。試験例1で用いたシンクロナ
イザーリング(本発明品1)は、上記した実施例と同種
のものであり、コーン角を5度とし、チャンファ角を9
5度とした。この(α,β)を、図5において座標L3
として示す。また、隣設し合う溝14で規定される山の
幅を1mmとした。そして同期装置の中立位置から第1
段に変速する場合について試験し、シフト操作力と押し
分け比を求めた。シフト押し分け比は、(押し分け荷重
F2/同期荷重F1)で求めた。シフト操作力と押し分
け比とは共に低いほど、シンクロナイザーリングとして
良品である。
【0030】比較例として、従来より使用されていると
ともに本発明品1と同サイズの高力黄銅製のシンクロナ
イザーリング(従来品1)を用いた。そして従来品1に
ついても同様に試験した。従来品1のシンクロナイザー
リングは、溝がネジ溝形状であり、コーン角は7度、チ
ャンファ角が115度であった。試験結果を図6、図7
に示す。図6、図7は共に10回の平均値を示す。図6
に示すように、シフト操作力については本発明品1は従
来品1に対して25%[(10−7.5)/10)×1
00]も低減していた。図7に示すように、シフト引っ
かかりに影響を与える押し分け比については、本発明品
1は従来品1とほぼ同等であった。
【0031】(2)試験例2を行った。試験例2で用い
たシンクロナイザーリング(本発明品2)は、上記した
実施例と同種のものであり、コーン角を6度とし、チャ
ンファ角を115度とした。この(α,β)を、図5に
おいて座標M3として示す。また隣設し合う溝14で規
定される山の幅を1mmとした。そして同期装置の中立
位置から第1段に変速する場合について試験し、同期力
積と2段入り力を求めた。同期力積と2段入り力とは共
に低いほど、シンクロナイザーリングとして良品であ
る。
【0032】比較例として、従来より使用されていると
ともに本発明品2と同サイズの高力黄銅製のシンクロナ
イザーリング(従来品2)を用い、従来品2についても
同様に試験した。従来品2のシンクロナイザーリング
は、従来品1と同種のものであり、溝がネジ溝形状であ
り、コーン角は7度、チャンファ角が115度であっ
た。試験結果を図8、図9に示す。図8,図9はそれぞれ
100回の平均値を示す。図8に示すように、同期力積
については、従来品2に対して本発明品2は25%も低
減しており、シフト操作力の低減が可能である。図9に
示すように、シフト引っかかりの要因となる2段入り力
については、従来品2に対して本発明品2は同等である
か、やや小さかった。つまり、シフト引っかかりについ
ては、従来品2に対して本発明品2は同等か、良好であ
った。
【0033】(3)試験例3として、チャンファ角及び
コーン角を変更した場合について、アップロック発生率
を求めた。アップロック発生率とは、シフト操作時にお
いて2段入り感を示す評価指標である。アップロック発
生率が高いほど、使用者が2段入り感を感じる頻度が高
い。試験例3では、本発明品2と同種のものを用いた。
ただしチャンファ角及びコーン角を図10に示すように
変更した。即ち、コーン角をαとし、チャンファ角をβ
としたとき、(α,β)=(3.5,95)(5,95)
(5,115)(6,115)(7,115)とした。
従来品2についても同様にアップロック発生率を求め
た。試験結果を図10に示す。図10は500回の平均
値を示す。図10から理解できるように、比較例となる
NO.1及びNO.3については、アップロック発生率
が高かった。殊に、コーン角が3.5度とかなり小さい
NO.1では、アップロック発生率が15%近くあり、
高かった。これに対して本発明品となるNO.2,N
O.4については、アップロック発生率が低くく、従来
品2と同等かそれ以下であり、シフト操作時における2
段入り感は低減されていた。
【0034】(4)ヤング率が高い基部の内周面に、ヤ
ング率が低い摩擦材層を積層した2層タイプのシンクロ
ナイザーリングを用いた場合について、食いつきトルク
を試験した。同期荷重は、160kgf,80kgf,
40kgfの3種とした。基部10のヤング率は115
00kgf/mm2、摩擦材層12のヤング率は3000
kgf/mm2であった。このシンクロナイザーリングで
は、コーン角は7度であり、チャンファ角は115度で
あり、本発明に係るコーン角、チャンファ角の領域から
は逸脱している。
【0035】同様に、高力黄銅製のシンクロナイザーリ
ング(コーン角:7度,チャンファ角:115度)につ
いても試験した。試験結果を図11に示す。◆印は2層
タイプのシンクロナイザーリングを示す。■印は高力黄
銅製のシンクロナイザーリングを示す。図11から理解
できるように、2層タイプのシンクロナイザーリング
(◆印)によれば、高力黄銅製のシンクロナイザーリン
グ(■印)に比較して、同期荷重が160kgf,80
kgf,40kgfのいずれのときにおいても、食いつ
きトルク(食いつき力)が低減されていた。つまり、シ
ンクロナイザーリングの傾斜摩擦面を低ヤング率とすれ
ば、食いつきが生じにくくなることがわかる。
【0036】(付記)本発明のシンクロナイザーリング
によれば、シフト操作力の低減、食いつき抑制などに対
する重点のおきかた如何によって、請求項1で規定した
領域内において、更に減縮できるものである。例えば、
上記した発明の実施の形態、実施例、試験例に係る
(α,β)を利用して、請求項1に係るコーン角及びチ
ャンファ角の領域を規定できるものである。
【0037】
【発明の効果】本発明のシンクロナイザーリングによれ
ば、コーン角が4〜6度に設定されているため、シフト
操作力の低減を図り得る。しかもコーン角を4〜6度と
小さく設定しているにもかかわらず、コーン角とチャン
ファ角との関係を規定し、コーン角に応じてチャンファ
角を設定するため、シンクロナイザーリングの食いつき
を抑えるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】シンクロナイザーリングの断面図である。
【図2】シンクロナイザーリングの平面図である。
【図3】シンクロナイザーリングの歯部のチャンファ角
を示す構成図である。
【図4】同期過程の一形態を示す構成図である。
【図5】シンクロナイザーリングにおけるコーン角とチ
ャンファ角との関係を示すグラフである。
【図6】シフト操作力に関する結果を示すグラフであ
る。
【図7】押し分け比に関する結果を示すグラフである。
【図8】シフト操作力に影響を与える同期力積に関する
結果を示すグラフである。
【図9】シフト引っかかりに影響を与える2段入り力に
関する結果を示すグラフである。
【図10】アップロック発生率を示すグラフである。
【図11】食いつきトルクを示すグラフである。
【図12】従来技術に係り、シンクロナイザーリングの
作用を説明する構成図である。
【符号の説明】
図中、1はシンクロナイザーリング、10は基部、12
は摩擦材層、13は傾斜摩擦面、14は溝、16は歯
部、17はチャンファ面を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コーン角をもつ傾斜摩擦面とチャンファ角
    をもつ歯部とを備えたシンクロナイザーリングにおい
    て、 コーン角をαとし、チャンファ角をβとしたとき、 (α,β)=(4,80)(4,94)(5,88)
    (5,108)(6,95)(6,120)の各座標点
    を結ぶ領域内に、コーン角及びチャンファ角は設定され
    ていることを特徴とするシンクロナイザーリング。
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