JPH11324748A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JPH11324748A
JPH11324748A JP13853198A JP13853198A JPH11324748A JP H11324748 A JPH11324748 A JP H11324748A JP 13853198 A JP13853198 A JP 13853198A JP 13853198 A JP13853198 A JP 13853198A JP H11324748 A JPH11324748 A JP H11324748A
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JP
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output torque
fuel
amount
mmoti
control
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JP13853198A
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English (en)
Inventor
Seiji Yoshimura
誠司 吉村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】稼働気筒における混合気の空燃比が過度にリッ
チになるのを防止することのできる内燃機関の制御装置
を提供する。 【解決手段】変速機のシフト中には滑らかな変速を意図
して所定数の気筒にてフューエルカットが行われれ、こ
のフューエルカット時に排気中の酸素濃度上昇を抑制す
べく燃料噴射量の増量補正が行われる。即ち、その燃料
噴射量を増量補正するためのシフト時補正係数が「1.
3」に設定される。しかし、フューエルカット制御にか
かるシフト時補正係数より、他の制御にかかる別の燃料
増量補正のための補正係数の方が大きい場合には、燃料
噴射量の増量補正係数としてシフト時増量補正係数は採
用されない。従って、フューエルカット時における稼働
気筒において、過度に燃料噴射量が増量補正されること
はない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、要求される出力ト
ルクに応じて任意の数の気筒に対する燃料供給をカット
し、稼働気筒数を制御する内燃機関の制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の内燃機関
は、同機関の各気筒に設けられた燃焼室に燃料を供給
し、その燃料と空気とからなる混合気を燃焼させること
でピストンを往復移動させ、同機関の出力軸であるクラ
ンクシャフトを回転させるようにしている。この内燃機
関のクランクシャフトは変速機等を介して自動車の車輪
に連結され、同シャフトの回転が自動変速機を介して車
輪に伝達されることで上記自動車が走行するようにな
る。
【0003】上記変速機としては、自動車における車速
及びアクセルペダルの踏込量に基づき自動的に変速を行
う自動変速機や、変速操作を手動で行うとともに同操作
に伴うクラッチの断続等を自動的に行う形式の変速機な
どが知られている。こうした変速機の変速時には、滑ら
かな変速を意図して内燃機関における所望数の気筒への
燃料供給をカットすることにより、稼働気筒数を制御し
て内燃機関の出力トルクダウンを行うようにしている。
【0004】このように稼働気筒数を制御して内燃機関
の出力トルクダウンを図る装置としては、例えば特開平
2−45627号公報に記載されたものがあげられる。
これら公報に記載された装置によって、変速機の変速に
際して稼働気筒数を制御すれば、その変速機の変速を滑
らかに行うことができるようになる。
【0005】ところで、内燃機関の出力トルク低減のた
めの稼働気筒数制御時においては、燃料カットが行われ
る気筒の燃焼室に吸入された空気が燃焼に用いられるこ
となく同機関の排気系へと排出されることとなる。この
状態にあっては、内燃機関の排気に含まれる酸素の量が
増加するため、同機関の排気系に設けられた排気浄化触
媒に入るガス中の酸素濃度が高まり、その触媒における
窒素酸化物(NOx )の浄化能力が低下してエミッショ
ンが悪化してしまう。
【0006】そこで、特開平7−133730号公報に
記載された装置のように、稼働気筒数制御の実行時には
稼働気筒に供給される燃料の量を増量補正し、同稼働気
筒における混合気の空燃比をリッチにすることが考えら
れる。こうした稼働気筒への供給燃料の増量補正によ
り、排気浄化触媒に入るガス中の酸素濃度上昇が抑制さ
れ、同触媒におけるNOx の浄化能力低下に伴うエミッ
ション悪化を抑制することができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように稼働気筒へ
の供給燃料を増量補正することで、内燃機関のエミッシ
ョン悪化を抑制することができるようにはなる。しか
し、通常の内燃機関においては、機関が冷えた状態にあ
るとき、高出力が必要になったとき、及び排気浄化触媒
が過度に高温になったときなどにも、各気筒に供給され
る燃料の増量補正を行っている。従って、これら燃料の
増量補正が行われているときに、上記エミッション悪化
抑制のための燃料増量補正が行われると、内燃機関の稼
働気筒における混合気の空燃比が過度にリッチになって
失火を招くこととなる。
【0008】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、稼働気筒における混合気の
空燃比が過度にリッチになるのを防止することのできる
内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、各々燃料が供給される複
数の気筒を備えた内燃機関にあって、同機関の出力トル
クダウンが要求されたときには、前記気筒に供給される
燃料をカットする内燃機関の制御装置において、内燃機
関の出力トルクダウンが要求されたとき、実際の出力ト
ルクが要求された出力トルクとなるように、任意の数の
前記気筒に供給される燃料をカットして稼働気筒数を制
御する稼働気筒数制御手段と、前記燃料カットが行われ
たときに稼働気筒へ供給される燃料の量を増量補正し
て、同稼働気筒における混合気の空燃比をリッチ側に補
正する燃料量補正手段と、前記燃料量補正手段による燃
料量の増量補正に基づき前記稼働気筒における空燃比が
所定の値よりもリッチになる旨判断されたとき、前記燃
料量の増量補正を制限する補正制限手段とを備えた。
【0010】同構成によれば、稼働気筒へ供給される燃
料の量が増量補正される際、その燃料増量補正により稼
働気筒における混合気の空燃比が所定の値よりもリッチ
になるときには同燃料増量補正が制限されるため、上記
空燃比が過度にリッチになることが防止される。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記補正制限手段は、稼働気筒数制御に
かかる前記燃料量補正手段による燃料の増量補正量と、
別の制御にかかる燃料増量補正量とを比較し、その別の
制御にかかる燃料増量補正量が前記稼働気筒数制御にか
かる燃料増量補正量よりも大きいとき、その稼働気筒数
制御にかかる前記燃料量補正手段による燃料の増量補正
を禁止するものとした。
【0012】同構成によれば、稼働気筒数制御とは別の
制御にかかる燃料増量補正量が、その稼働気筒数制御に
かかる燃料増量補正量よりも大きいときには、その稼働
気筒数制御にかかる燃料増量補正が禁止されるため、同
燃料増量補正に基づく失火の発生が的確に防止される。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、前記要求された出力トルク及び前
記実際の出力トルクに応じて設定された稼働気筒数情報
を記憶する記憶手段を更に備え、前記稼働気筒数制御手
段は前記記憶手段に記憶された稼働気筒数情報と、前記
要求された出力トルク及び前記実際の出力トルクとに基
づき稼働気筒数を制御するものとした。
【0014】同構成によれば、稼働気筒数を制御する際
に複雑な計算式を用いることがないため、稼働気筒数の
決定が高速で行われるようになり、同稼働気筒数制御の
制御性が向上するようになる。
【0015】請求項4記載の発明では、請求項1〜3の
いずれかに記載の発明において、内燃機関の出力トルク
ダウンが要求されたとき、実際の出力トルクが要求され
た出力トルクとなるように、同機関の運転状態を制御す
るための各種制御量を増減させるトルク制御手段を更に
備えた。
【0016】同構成によれば、稼働気筒数制御により実
際の出力トルクを要求された出力トルクに合わせるだけ
でなく、内燃機関の運転状態を制御するための各種制御
量を増減させることによっても、上記実際の出力トルク
を要求された出力トルクに合わせることが行われる。従
って、的確に実際の出力トルクを要求された出力トルク
に合わせることができ、それら出力トルクの不一致に基
づくトルクショックの発生を好適に防止することができ
るようになる。
【0017】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
発明において、前記トルク制御手段は、内燃機関におけ
る実際の出力トルクを要求された出力トルクとすべく、
その実際の出力トルクを低下させる側に前記制御量を変
化させるものとした。
【0018】同構成によれば、トルク制御手段が内燃機
関の制御量を変化させることで実際の出力トルクが低下
側に変化して要求された出力トルクに近づけられるた
め、所定数の気筒に対する燃料カットによって実際の出
力トルクを要求された出力トルクに近づけることが短期
間ですむようになる。従って、燃料カットが行われる時
間を短くすることで、燃料カット期間中に内燃機関の排
気に含まれる酸素が増加することによるエミッション悪
化を抑制することができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
直列4気筒の自動車用エンジンに適用した第1実施形態
を図1〜図16に従って説明する。
【0020】図1に示すように、自動車1に搭載された
エンジン11においては、その機関出力軸であるクラン
クシャフト14がクラッチ2を介して変速機3に接続さ
れている。そのクラッチ2は、油圧駆動されるアクチュ
エータ2aの駆動によって動作し、クランクシャフト1
4と変速機3との間を切断状態にしたり接続状態にした
りする。また、変速機3は、図示しないプロペラシャフ
ト、ディファレンシャル及びアクスルシャフト等を介し
て自動車1の車輪4に連結されている。
【0021】本実施形態の変速機3は、運転者が手動で
変速操作を行うとともに同操作に基づきクラッチ2の断
続を自動的に行うタイプのものとなっている。そして、
クラッチ2を繋いだ状態にあっては、エンジン11の駆
動力がクランクシャフト14からクラッチ2や変速機3
等を介して車輪4に伝達され、自動車1が走行するよう
になる。
【0022】また、自動車1には、エンジン11の運転
状態を制御するエンジンコントロールコンピュータ92
と、変速機3を駆動制御するトランスミッションコント
ロールコンピュータ5とを備える電子制御ユニット6が
設けられている。この電子制御ユニット6には、変速機
3の出力軸3aの回転に基づいて自動車1の車速に対応
した信号を出力する車速センサ7、上記アクチュエータ
2a、及び同アクチュエータ2aの駆動に基づき信号を
出力するストロークセンサ8等が接続されている。ま
た、エンジンコントロールコンピュータ92とトランス
ミッションコントロールコンピュータ5とは互いに通信
可能に接続されている。
【0023】そして、上記トランスミッションコントロ
ールコンピュータ5は、運転者の手動による変速操作が
行われたとき、アクチュエータ2aを駆動制御してクラ
ッチ2を切り、シフトアップ又はシフトダウンといった
変速機3の変速動作を制御する。こうした変速機3の変
速動作が終了すると、トランスミッションコントロール
コンピュータ5は、アクチュエータ2aを駆動制御して
クラッチ2を繋ぐようになっている。
【0024】次に、エンジン11の詳細な構造を図2に
基づき説明する。図2に示すように、エンジン11の1
番気筒#1〜4番気筒#4(図2には1番気筒#1のみ
図示)には、それぞれピストン12が設けられている。
このピストン12は、エンジン11のシリンダブロック
11a内にて往復移動可能となっており、コンロッド1
3を介してエンジン11の出力軸であるクランクシャフ
ト14に連結されている。そして、ピストン12の往復
移動は、コンロッド13によってクランクシャフト14
の回転へと変換されるようになっている。
【0025】クランクシャフト14にはシグナルロータ
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
【0026】一方、シリンダブロック11aには、エン
ジン11における冷却水の水温を検出するための水温セ
ンサ11bが設けられている。また、シリンダブロック
11aの上端にはシリンダヘッド15が設けられ、シリ
ンダヘッド15とピストン12との間には燃焼室16が
設けられている。この燃焼室16には、シリンダヘッド
15に設けられた吸気ポート17及び排気ポート18が
連通している。更に、それら吸気ポート17及び排気ポ
ート18には、それぞれ吸気バルブ19及び排気バルブ
20が設けられている。
【0027】シリンダヘッド15には、上記吸気バルブ
19及び排気バルブ20を開閉駆動するための吸気カム
シャフト21及び排気カムシャフト22が回転可能に支
持されている。これら吸気及び排気カムシャフト21,
22はタイミングベルト23を介してクランクシャフト
14に連結され、同ベルト23によりクランクシャフト
14の回転が吸気及び排気カムシャフト21,22へ伝
達されるようになっている。そして、吸気カムシャフト
21が回転すると、吸気バルブ19が開閉駆動されて、
吸気ポート17と燃焼室16とが連通・遮断される。ま
た、排気カムシャフト22が回転すると、排気バルブ2
0が開閉駆動されて、排気ポート18と燃焼室16とが
連通・遮断されるようになっている。
【0028】シリンダヘッド15において、排気カムシ
ャフト22の側方には、同シャフト22の外周面に設け
られた突起22aを検出して検出信号を出力するカムポ
ジションセンサ22bが設けられている。そして、排気
カムシャフト22が回転すると、同シャフト21の突起
22aがカムポジションセンサ22bの側方を通過す
る。この状態にあっては、カムポジションセンサ22b
から上記突起22aの通過に対応した所定間隔毎に検出
信号が出力されるようになる。
【0029】吸気ポート17及び排気ポート18には、
それぞれ吸気管30及び排気管31が接続されている。
この吸気管30内及び吸気ポート17内は吸気通路32
となっており、排気管31内及び排気ポート18内は排
気通路33となっている。
【0030】その吸気通路32の上流部分にはスロット
ルバルブ24が設けられている。スロットルバルブ24
は自動車1(図1)の室内に設けられたアクセルペダル
25の踏込量に基づき開度調節され、このスロットルバ
ルブ24の開度調節により燃焼室16に吸入される空気
の量が調整されるようになる。そして、スロットルバル
ブ24の開度(スロットル開度)は、スロットルポジシ
ョンセンサ24aによって検出される。
【0031】また、吸気通路32には、スロットルバル
ブ24を迂回して同バルブ24の上流側と下流側とを連
通するバイパス通路26が接続されている。このバイパ
ス通路26には、同通路26を流れる空気流量を調節し
てエンジン11のアイドル回転数を制御するアイドル・
スピード・コントロール・バルブ(ISCV)27が設
けられている。このISCV27は、電磁ソレノイド
(図示せず)を備え、同電磁ソレノイドに対する印加電
圧のデューティ制御に基づいて開度調節される。こうし
たISCV27の開度調節によりバイパス通路26を流
れる空気の量が調節され、エンジン11のアイドル回転
数の調整が行われるようになる。
【0032】吸気通路32においてスロットルバルブ2
4の下流側に位置する部分には、同通路32内の圧力を
検出するバキュームセンサ28が設けられている。そし
て、バキュームセンサ28は、検出した吸気通路32内
の圧力に対応した検出信号を出力する。
【0033】また、吸気管30の下流端には、燃焼室1
6内へ向かって燃料を噴射するための燃料噴射弁50が
各気筒#1〜#4毎に設けられている。この燃料噴射弁
50は、吸気通路32内の空気が同弁50に対応する気
筒#1〜#4の燃焼室16へ吸入されるとき、その燃焼
室16へ向けて燃料を噴射し、燃料及び空気からなる混
合気を形成する。
【0034】一方、シリンダヘッド15には、燃焼室1
6内に充填された混合気に対して点火を行うための点火
プラグ51が設けられている。この点火プラグ51は、
エンジン11に設けられたイグナイタ53を介して、自
動車のバッテリ54に接続されている。そして、点火プ
ラグ51による混合気への点火時期は、上記イグナイタ
53によって調整される。
【0035】こうしたエンジン11にあっては、その吸
気行程において、ピストン12の下降により燃焼室16
内に負圧が発生し、その負圧により燃焼室16へ吸気通
路32を介して空気が吸入される。また、燃料噴射弁5
0からは、燃焼室16に吸入される空気の量に対応した
量の燃料が同燃焼室16へ向かって噴射され、その結
果、燃焼室16には空気と燃料とからなる混合気が充填
される。
【0036】その後、エンジン11の圧縮行程におい
て、ピストン12の上昇により、燃焼室16内の混合気
は圧縮される。燃焼室16内で圧縮された混合気は、点
火プラグ51により点火されて爆発し、その爆発力によ
ってピストン12が下降してエンジン11は爆発行程に
移る。この爆発行程により、エンジン11は駆動力を得
ることとなる。こうして燃焼室16内で燃焼した混合気
は、エンジン11の排気行程において、ピストン12の
上昇により排気として排気通路33へ送り出される。
【0037】この排気通路33には排気浄化触媒33a
が設けられ、排気通路33に送り出された排気が上記触
媒33aによって浄化されるようになる。また、排気管
33において排気浄化触媒33aよりも上流には、排気
中の酸素濃度に対応した信号を出力する酸素センサ34
が設けられている。
【0038】次に、本実施形態におけるエンジン11の
制御装置の電気的構成を図3に基づいて説明する。この
制御装置は、燃料噴射量制御、点火時期制御及びアイド
ル回転数制御など、エンジン11の運転状態を制御する
ための上記エンジンコントロールコンピュータ92を備
えている。このコンピュータ92は、ROM93、CP
U94、RAM95、及びバックアップRAM96等を
備える理論演算回路として構成されている。
【0039】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶す
る不揮発性のメモリである。そして、ROM93、CP
U94、RAM95及びバックアップRAM96は、バ
ス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回
路98及び外部出力回路99と接続されている。
【0040】外部入力回路98には、車速センサ7、ス
トロークセンサ8、水温センサ11b、クランクポジシ
ョンセンサ14c、カムポジションセンサ22b、スロ
ットルポジションセンサ24a、バキュームセンサ28
及び酸素センサ34等が接続されている。また、外部出
力回路99には、ISCV27、各気筒#1〜#4の燃
料噴射弁50、及びイグナイタ53等が接続されてい
る。
【0041】このように構成されたエンジンコントロー
ルコンピュータ92は、バキュームセンサ28からの検
出信号に基づき吸気圧をエンジン11の機関負荷として
求めるとともに、クランクポジションセンサ14cから
の検出信号に基づきエンジン回転数NEを求める。更
に、コンピュータ92は、機関負荷及びエンジン回転数
NEに基づき、周知のマップを参照して目標点火時期を
マップ演算する。こうして算出された目標点火時期は、
エンジン11が高負荷高回転になるほど進角側の値にな
る。そして、目標点火時期が算出されると、コンピュー
タ92は、カムポジションセンサ22b等からの信号に
基づき実際の点火時期を目標点火時期に近づけるように
イグナイタ53を制御する。
【0042】また、コンピュータ92は、例えば自動車
1が停止中でアクセル踏込量が「0」のとき、エンジン
11がアイドル運転中であることを検出し、そのアイド
ル運転中にアイドル回転数制御を実行する。即ち、IS
CV27を駆動制御して吸入空気量の調整を行うことで
燃焼室16に充填される混合気の量を変化させ、実際の
エンジン回転数NEを予め定められた目標アイドル回転
数へと制御する。
【0043】次に、各気筒#1〜#4の燃料噴射弁50
を駆動制御するために必要な最終燃料噴射量QFINを
算出する手順について図4を参照して説明する。図4は
最終燃料噴射量QFINを算出するための最終燃料噴射
量算出ルーチンを示すフローチャートである。この最終
燃料噴射量算出ルーチンは、コンピュータ92を通じて
例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0044】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS101の処理として、機関負荷及びエンジン
回転数NEに基づき、周知のマップを参照して基本燃料
噴射量QBSEをマップ演算する。こうして算出された
基本燃料噴射量QBSEは、エンジン11が高負荷高回
転になるほど大きい値になる。上記のように基本燃料噴
射量QBSEを算出した後にステップS102に進む。
続くステップS102〜S106の処理は、燃焼室16
に噴射供給される燃料の量を補正する際に用いられる各
種補正係数を算出するためのものであって、その補正係
数を上記基本燃料噴射量QBSEに乗算することで燃料
噴射量補正が行われる。
【0045】コンピュータ92は、ステップS102の
処理として、エンジン11が冷えた状態のときに燃焼室
16へ噴射供給される燃料を増量補正するための冷間補
正係数f1を算出する。即ち、コンピュータ92は、水
温センサ11bからの検出信号に基づき求められるエン
ジン11の冷却水温から上記冷間補正係数f1を算出す
る。こうして算出される冷間補正係数f1は、エンジン
11の冷却水温が低いほど大きい値となる。その冷間補
正係数f1に基づく燃料噴射量の増量補正によって、エ
ンジン11が冷えた状態にあっても安定したエンジン回
転を得ることができるようになる。
【0046】コンピュータ92は、続くステップS10
3の処理として、エンジン11の高い出力トルクが要求
されたときに燃料噴射量を増量補正するためのパワー補
正係数f2を算出する。例えば、運転者が自動車1を加
速させるためにアクセルペダル25を急激に踏み込んた
ときにはスロットルバルブ24が急に開くが、コンピュ
ータ92は、スロットルポジションセンサ24aからの
検出信号に基づき上記スロットルバルブ24の急な開度
増大を検知する。そして、コンピュータ92は、そのス
ロットルバルブ24の急な開度増大に基づき高い出力ト
ルクが要求された旨判断し、酸素センサ34からの検出
信号に基づき求められる混合気の空燃比が理論空燃比よ
りもリッチ側の値(例えば「12.5」)となるような
パワー補正係数f2を算出する。そのパワー補正係数f
2に基づく燃料噴射量の増量補正によって、エンジン1
1の高い出力トルクが要求されたときでも、その要求に
対して十分な出力トルクを生じさせることができる。
【0047】コンピュータ92は、続くステップS10
4の処理として、排気浄化触媒33aの過大な温度上昇
を抑制すべく燃料噴射量を増量するためのOTP補正係
数f3を算出する。コンピュータ92は、エンジン回転
数NEや機関負荷からエンジン11の排気温度を推測
し、その推測される排気温度が排気浄化触媒33aの許
容温度以上に高くなったとき、同排気温度に基づきOT
P補正係数f3を算出する。こうして算出されるOTP
補正係数f3は、同排気温度が高いほど大きい値とな
る。このOTP補正係数f3に基づく燃料噴射量の増量
補正を行うことによって、燃焼室16から排出される排
気の温度上昇を抑制し、排気浄化触媒33aの耐久性が
悪化するのを抑制することができるようになる。
【0048】コンピュータ92は、続くステップS10
5の処理として、後述するように変速機3の変速動作を
滑らかに行うべく稼働気筒数が制御されているとき、そ
の稼働気筒での燃料噴射量を増量補正して排気浄化触媒
33aの排気浄化効率低下を抑制するためのシフト時補
正係数f4を算出する。そのシフト時補正係数f4に基
づく燃料噴射量の増量補正によって、稼働気筒数が制限
されているときでも排気浄化触媒33aにおける窒素酸
化物(NOx )の浄化能力低下を抑制することができる
ようになる。なお、上記シフト時補正係数f4の詳細な
算出手順については後述する。
【0049】コンピュータ92は、続くステップS10
6の処理として、上記稼働気筒数制御の実行時に実際の
出力トルクを要求された出力トルクに近づけるように空
燃比制御を行うための空燃比補正量FAFTQUPを算
出する。この空燃比補正量FAFTQUPは、上記稼働
気筒数制御時に燃料噴射量を増量補正して空燃比をリッ
チ側に制御することで、上記実際の出力トルクを要求さ
れた出力トルクに近づけるためのものであって、その詳
細な算出手順については後述する。
【0050】このように各種補正係数f1〜f4、空燃
比補正量FAFTQUPが算出された後、コンピュータ
92は、ステップS107の処理として各補正係数f1
〜f4を比較する。次いで、コンピュータ92は、ステ
ップS108の処理として、基本燃料噴射量QBSEに
上記比較によって求められる最も大きい補正係数f1〜
f4を乗算し、更に空燃比補正量FAFTQUPを乗算
し、その乗算した値を最終燃料噴射量QFINとする。
その後、コンピュータ92は、この最終燃料噴射量算出
ルーチンを一旦終了する。
【0051】最終燃料噴射量QFINが上記のうように
算出されると、コンピュータ92は、別のルーチンによ
って各気筒#1〜#4の燃料噴射弁50を駆動制御し、
各気筒#1〜#4の燃焼室16にそれぞれ最終燃料噴射
量QFINに対応した量の燃料を噴射供給する。
【0052】次に、変速機3におけるシフトアップ又は
シフトダウンといった変速動作中に、滑らかな変速を行
うための燃料カット(フューエルカット)を実行するか
否かを判断する手順について図5を参照して説明する。
この図5は、上記フューエルカットを実行するか否か判
断するためのフューエルカット判定ルーチンを示すフロ
ーチャートである。フューエルカット判定ルーチンは、
エンジンコントロールコンピュータ92を通じて所定時
間毎の時間割り込みにて実行される。
【0053】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS201の処理として、クラッチ2を駆動する
ためのアクチュエータ2aの作動を検出するストローク
センサ8からの信号に基づき、変速機3が変速(シフ
ト)中であるか否か判断する。そして、ステップS20
1の処理において、シフト中でない旨判断された場合、
コンピュータ92は、このフューエルカット判定ルーチ
ンを一旦終了する。また、ステップS201の処理にお
いて、シフト中である旨判断された場合にはステップS
202に進む。
【0054】コンピュータ92は、ステップS202の
処理として、シフト中において要求されるエンジン11
の出力トルク(要求出力トルク)MMOTIと、全気筒
燃焼時におけるエンジン11の実際の出力トルクMMO
TI(s)とからトルク比Kを求める。
【0055】ここで、要求出力トルクMMOTIは、シ
フト中において図12の波形(b)で示すように推移す
ることとなる。即ち、要求出力トルクMMOTIは、シ
フト開始から除々に小さくなった後に所定期間一定値と
なり、シフト終了付近では除々に大きくなる。このよう
に推移する要求出力トルクMMOTIに合わせて、エン
ジン11における実際の出力トルクMMOTI2を推移
させれば、変速機3のシフト時におけるショックを防止
し、滑らかな変速を実現することができるようになる。
【0056】また、図12の波形(b)で示す要求出力
トルクMMOTIの推移傾向は、シフト開始時における
変速機3のギヤ比や、シフト開始時におけるエンジン1
1の実際の出力トルクMMOTI2によって決定され
る。なお、エンジン11の実際の出力トルクMMOTI
2は吸気圧及びエンジン回転数NEに基づき求められ、
実際の出力トルクMMOTI2は吸気圧が大きくなるほ
ど大きい値になるとともに、エンジン回転数NEが高く
なるほど大きい値になる。
【0057】そこで、コンピュータ92は、要求出力ト
ルクMMOTIに合わせてエンジン11の実際の出力ト
ルクMMOTI2が推移するように稼働気筒数を制御す
るために、要求出力トルクMMOTIを全気筒燃焼時に
おける実際の出力トルクMMOTI2(s)で割った値
をトルク比Kとして算出する。即ち、トルク比Kは、実
際の出力トルクMMOTI2を要求出力トルクMMOT
Iに近づけるために、いくつの気筒をフューエルカット
すればよいか決定するためのものであって、上記要求出
力トルクMMOTIが小さくなるほど小さい値になる。
【0058】ステップS202の処理によってトルク比
Kが求められた後、ステップS203に進む。このステ
ップS203以降の処理は、実際の出力トルクMMOT
I2を要求出力トルクMMOTIに近づけるため、所定
数の気筒#1〜#4にてフューエルカットを実行するか
否か判定するためのものである。
【0059】コンピュータ92は、ステップS203の
処理として、トルク比Kが「7/8」以下か否か、即ち
要求出力トルクMMOTIが図12(d)の領域A内に
位置するか否かを判断する。そして、ステップS203
において、「K≦7/8」であって要求出力トルクMM
OTIが図12(d)の領域A内になく、領域B〜H内
に位置する旨の判断がなされると、ステップS204に
進むこととなる。コンピュータ92は、ステップS20
4の処理として、実際の出力トルクMMOTI2を要求
出力トルクMMOTIに近づけるべく、所定数の気筒#
1〜#4にてフューエルカットを実行した後、ステップ
S205に進む。コンピュータ92は、ステップS20
5の処理で、フューエルカット実行中か否か判断するた
めのフューエルカットフラグXFCONとして「1」を
RAM95の所定領域に記憶した後、このフューエルカ
ット判定ルーチンを一旦終了する。
【0060】一方、上記ステップS203の処理におい
て、「K≦7/8」でなく要求出力トルクMMOTIが
図12(d)の領域A内に位置する旨の判断がなされる
と、順次ステップS206,S207に進むこととな
る。コンピュータ92は、ステップS206,S207
の処理で、フューエルカットを実行せずにフューエルカ
ットフラグXFCONとして「0」をRAM95の所定
領域に記憶した後、このフューエルカット判定ルーチン
を一旦終了する。
【0061】次に、上記フューエルカット判定ルーチン
におけるステップS204の処理について、図6を参照
して詳しく説明する。この図6は、上記トルク比Kに応
じてフューエルカットを行う気筒#1〜#4を選択し、
その気筒#1〜#4にてフューエルカットを実行するた
めのフューエルカット処理ルーチンを示すフローチャー
トである。フューエルカット処理ルーチンは、上記フュ
ーエルカット判定ルーチンのステップS204に進んだ
とき、エンジンコントロールコンピュータ92を通じて
実行される。
【0062】同ルーチンにおけるステップS301〜S
303の処理は、トルク比Kの値に基づき、いくつの気
筒にてフューエルカットを実行するか、即ち稼働気筒数
をいくつにするかを決定するためのものである。そし
て、それらステップS301〜S303の処理で、トル
ク比Kの大きさに基づき決定される稼働気筒数等は、稼
働気筒数情報として予めROM93に記憶されている。
【0063】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS301の処理として、トルク比Kが「5/
8」よりも大きく「7/8」以下か否か、即ち要求出力
トルクMMOTIが図12(d)の領域B,C内に位置
するか否か判断する。そして、「7/8≧K>5/8」
であって要求出力トルクMMOTIが上記領域B,C内
に位置する旨の判断がなされると、ステップS305に
進む。
【0064】コンピュータ92は、ステップS305の
処理として、一つの気筒(本実施形態では1番気筒#
1)にてフューエルカットが行われるよう各気筒#1〜
#4の燃料噴射弁50を制御する。この1番気筒#1で
のフューエルカットにより、実際の出力トルクMMOT
I2が上記領域B,Cの境界上に位置することとなる。
このようなフューエルカットを実行した後、コンピュー
タ92は、このフューエルカット処理ルーチンを一旦終
了する。
【0065】また、上記ステップS301の処理におい
て、「7/8≧K>5/8」ではなくトルク比Kが上記
領域B,C以外に位置する旨の判断がなされると、ステ
ップS302に進む。コンピュータ92は、ステップS
302の処理として、トルク比Kが「3/8」よりも大
きく「5/8」以下か否か、即ち要求出力トルクMMO
TIが図12(d)の領域D,E内に位置するか否か判
断する。そして、「5/8≧K>3/8」であって要求
出力トルクMMOTIが上記領域D,E内に位置する旨
の判断がなされると、ステップS306に進む。
【0066】コンピュータ92は、ステップS306の
処理として、二つの気筒(本実施形態では1番及び4番
気筒#1,#4)にてフューエルカットが行われるよう
に各気筒#1〜#4の燃料噴射弁50を駆動制御する。
この1番及び4番気筒#1,#4でのフューエルカット
により、実際の出力トルクMMOTI2が上記領域D,
Eの境界上に位置することとなる。このようなフューエ
ルカットを実行した後、コンピュータ92は、このフュ
ーエルカット処理ルーチンを一旦終了する。
【0067】また、上記ステップS302の処理におい
て、「5/8≧K>3/8」ではなく要求出力トルクM
MOTIが上記領域D,E以外に位置する旨の判断がな
されると、ステップS303に進む。コンピュータ92
は、ステップS303の処理として、トルク比Kが「1
/8」よりも大きく「3/8」以下か否か、即ち要求出
力トルクMMOTIが図12(d)の領域F,G内に位
置するか否かを判断する。そして、「3/8≧K>1/
8」であって要求出力トルクMMOTIが上記領域F,
G内に位置する旨の判断がなされると、ステップS30
7に進む。
【0068】コンピュータ92は、ステップS307の
処理として、三つの気筒(本実施形態では1番、3番及
び4番気筒#1,#3,#4)にてフューエルカットが
行われるように各気筒#1〜#4の燃料噴射弁50を駆
動制御する。この1番、3番及び4番気筒#1,#3,
#4でのフューエルカットにより、実際の出力トルクM
MOTI2が上記領域F,Gの境界上に位置することと
なる。このようなフューエルカットを実行した後、コン
ピュータ92は、このフューエルカット処理ルーチンを
一旦終了する。
【0069】また、上記ステップS303の処理におい
て、「3/8≧K>1/8」ではなく要求出力トルクM
MOTIが上記領域F,G以外に位置する旨の判断がな
されると、ステップS304に進む。こうしてステップ
S304に進んだ場合、トルク比Kが「1/8」以下と
なって要求出力トルクMMOTIが図12(d)の領域
H内に位置することとなる。
【0070】コンピュータ92は、ステップS304の
処理として、全気筒#1〜#4にてフューエルカットが
行われるよう各気筒#1〜#4の燃料噴射弁50を駆動
制御する。この全気筒#1〜#4でのフューエルカット
により、実際の出力トルクMMOTI2が上記領域Hの
下端に位置することとなる。このようなフューエルカッ
トを実行した後、コンピュータ92は、このフューエル
カット処理ルーチンを一旦終了する。
【0071】上記フューエルカット処理では、変速機3
が図12の波形(a)で示すように変速(シフト)され
る際、図12(c)に示すようにシフト開始後にはフュ
ーエルカットされる気筒数が順次一気筒づつ増加し、シ
フト終了付近ではフューエルカットされる気筒数が順次
一気筒づつ減少する。このようなフューエルカット処理
を行うことにより、変速機3の変速がショックを生じさ
せることなく滑らかに行われるようになる。
【0072】次に、上記最終燃料量算出ルーチン(図
4)におけるステップS105の処理について、図7を
参照して詳しく説明する。この図7は、シフト時増量補
正係数f4を算出するためのシフト時補正係数算出ルー
チンを示すフローチャートである。シフト時増量補正係
数算出ルーチンは、上記最終燃料噴射量算出ルーチンの
ステップS105に進んだとき、エンジンコントロール
コンピュータ92を通じて実行される。
【0073】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS401の処理で、フューエルカットフラグX
FCONとして「1」がRAM95の所定領域に記憶さ
れているか否か、即ち上記フューエルカットが実行され
ているか否かを判断する。そして、ステップS401の
処理において、「XFCON=1」でなく上記フューエ
ルカットが実行されていない旨判断すると、ステップS
403に進む。コンピュータ92は、ステップS403
の処理として、シフト時補正係数f4を「1.0」に設
定した後、このシフト時増量補正係数算出ルーチンを一
旦終了する。
【0074】また、上記ステップS401の処理におい
て、「XFCON=1」であって上記フューエルカット
が実行されている旨判断すると、ステップS402に進
む。コンピュータ92は、ステップS402の処理とし
て、シフト時補正係数f4を「1.0」よりも大きい値
とする。本実施形態では、そのシフト時補正係数f4
を、同係数f4に基づく燃料噴射量増量補正によって失
火が生じることがなく、且つ同燃焼噴射量補正によって
排気中の一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(HC)が
過度に増加することのない値(例えば「1.3」)とす
る。その後、コンピュータ92は、このシフト時補正係
数算出ルーチンを一旦終了する。
【0075】こうして算出されたシフト時補正係数f4
は、最終燃料噴射量算出ルーチン(図4)のステップS
107において他の補正係数f1〜f3と比較される。
そして、それら補正係数f1〜f3よりもシフト時補正
係数f4の方が大きい場合、続くステップS108の処
理で用いられる補正係数として同シフト時補正係数f4
が採用されることとなる。シフト時補正係数f4に基づ
く燃料噴射量の増量補正が行われると、上記フューエル
カットが実行されて稼働気筒数が制限されているとき、
その稼働気筒における燃料噴射量が増量補正されて空燃
比がリッチ側に補正される。
【0076】この稼働気筒での燃料噴射量の増量補正に
より、排気浄化触媒33aに入る排気中の酸素濃度上昇
が抑制され、同触媒33aにおけるNOx の浄化能力低
下に伴うエミッション悪化を抑制することができるよう
になる。
【0077】また、上記ステップS107の処理でシフ
ト時補正係数f4が他の補正係数f1〜f3と比較さ
れ、それら補正係数f1〜f3の方がシフト時補正係数
f4よりも大きい旨判断される場合もある。この場合に
は、続くステップS108の処理で用いられる補正係数
として、シフト時補正係数f4以外の補正係数f1〜f
3が採用されることとなる。
【0078】ここで、仮に上記のようにシフト時補正係
数f4以外の補正係数f1〜f3に基づき燃料噴射量の
増量補正が行われているとき、それと同時にシフト時補
正係数f4に基づく燃料噴射量増量補正を行った場合に
ついて考慮する。この場合、上記フューエルカット時に
おける稼働気筒に供給される燃料が過度に多くなり、そ
の稼働気筒における混合気の空燃比が過度にリッチ側の
値になって失火が生じるおそれがある。
【0079】しかし、本実施形態では、シフト時補正係
数f4よりも他の補正係数f1〜f3の方が大きいとき
には、シフト時補正係数f4による燃料噴射量補正を実
行すると上記のように稼働気筒の空燃比が過度にリッチ
側の値になる旨判断し、燃料噴射量の補正係数としてシ
フト時補正係数f4は採用しないようにしている。従っ
て、シフト時補正係数f4よりも他の補正係数f1〜f
3の方が大きいときには、そのシフト時補正係数f4に
基づく燃料噴射量の増量補正が禁止され、フューエルカ
ット時における稼働気筒の空燃比が過度にリッチになっ
て同気筒で失火が生じることはなくなる。
【0080】また、上記フューエルカット時に燃料噴射
量の補正係数としてシフト時補正係数f4が採用されな
かったとしても、他の補正係数f1〜f3による燃料噴
射量の増量補正は行われることとなる。従って、その燃
料噴射量の増量補正によって、フューエルカット時に排
気浄化触媒33aにおけるNOx の浄化能力低下に伴う
エミッション悪化が生じるのを抑制することができるよ
うになる。
【0081】次に、上記フューエルカットの実行中で要
求出力トルクMMOTIが図12(d)の領域A,C,
E,G内に位置するときに、実際の出力トルクMMOT
I2を要求出力トルクMMOTIに近づけるための点火
時期制御手順について図8を参照して説明する。この図
8は、上記フューエルカット時の点火時期遅角量を算出
するための点火時期遅角量算出ルーチンを示すフローチ
ャートである。点火時期遅角量算出ルーチンは、エンジ
ンコントロールコンピュータ92を通じて例えば所定時
間毎の時間割り込みにて実行される。
【0082】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS501の処理として、トルク比Kが「8/
8」よりも小さく「7/8」以上か否か、即ち要求出力
トルクMMOTIが図12(d)の領域A内に位置して
いるか否かを判断する。そして、ステップS501の処
理において、「8/8>K≧7/8」であって要求出力
トルクMMOTIが上記領域A内に位置している旨判断
されると、ステップS505に進む。この状態にあって
は、要求出力トルクMMOTIが実際の出力トルクMM
OTI2よりも小さくなる。
【0083】コンピュータ92は、ステップS505の
処理として、シフト中で且つフューエルカットが行われ
ていないときの点火時期遅角量ATQRTDを下記の式
(1)によって算出する。
【0084】
【数1】 ATQRTD =(MMOTI2−MMOTI)/MTQRTD*4/4 …(1) MMOTI2: エンジン11の実際の出力トルク MMOTI : 要求出力トルク MTQRTD: 全気筒燃焼時における単位遅角量(1
°CA)当たりのトルクダウン量 なお、式(1)において、「MMOTI2−MMOT
I」は、図12(d)の領域A内における実際の出力ト
ルクMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとの差を
表す。また、上記トルクダウン量MTQRTDは、図1
3に示すマップを参照してエンジン回転数NEと吸気圧
等によって表される負荷とに基づきマップ演算される。
【0085】上記のように点火時期遅角量ATQRTD
を算出した後、ステップS510に進む。コンピュータ
92は、ステップ510の処理として、点火時期遅角量
ATQRTDをガード値eamfgで遅角側についてガ
ードした後、この点火時期遅角量算出ルーチンを一旦終
了する。そのガード値eamfgは、図14に示すマッ
プを参照してエンジン回転数NE及び負荷に基づきマッ
プ演算され、同ガード値eamfgによって遅角側にガ
ードされた点火時期遅角量ATQRTDは失火を生じさ
せることのない値となる。
【0086】こうして点火時期遅角量ATQRTDのガ
ード処理が行われた後、コンピュータ92は、別のルー
チンによってイグナイタ53を駆動制御し、点火時期を
上記点火時期遅角量ATQRTDに対応する量だけ図1
2の波形(e)で示すように遅角側に制御する。この点
火時期の遅角によりエンジン11の出力トルクダウンが
図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)の領
域A内に位置するとき、実際の出力トルクMMOTI2
が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0087】一方、上記ステップS501の処理におい
て、「8/8>K≧7/8」でなく要求出力トルクMM
OTIが上記領域A以外に位置している旨判断される
と、ステップS502に進む。コンピュータ92は、ス
テップS502の処理において、トルク比Kが「6/
8」よりも小さく「5/8」以上であるか否か、即ち図
12(d)の領域C内に位置しているか否かを判断す
る。そして、ステップS502の処理において、「6/
8>K≧5/8」であって要求出力トルクMMOTIが
上記領域C内に位置している旨判断されると、ステップ
S506に進む。この状態にあっては、要求出力トルク
MMOTIが実際の出力トルクMMOTI2よりも小さ
くなる。
【0088】コンピュータ92は、ステップS506の
処理として、シフト中であって一つの気筒(本実施形態
では1番気筒#1)にてフューエルカットが行われてい
るときの点火時期遅角量ATQRTDを下記の式(2)
により算出する。
【0089】
【数2】 ATQRTD =(MMOTI2−MMOTI)/MTQRTD*4/3 …(2) MMOTI2: エンジン11の実際の出力トルク MMOTI : 要求出力トルク MTQRTD: 全気筒燃焼時における単位遅角量(1
°CA)当たりのトルクダウン量 なお、式(2)において、「MMOTI2−MMOT
I」は、図12(d)の領域C内における実際の出力ト
ルクMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとの差を
表す。また、式(2)において、トルクダウン量MTQ
RTDに「4/3」を乗算しているのは、1番気筒#1
ではフューエルカットが行われているために点火時期遅
角が出力トルクダウンにとって有効でなく、他の三つの
気筒#2〜#4での点火時期遅角だけで必要な出力トル
クダウンを確保しなければならないためである。
【0090】コンピュータ92は、続くステップS51
0の処理として、上記点火時期遅角量ATQRTDを遅
角側についてガードした後、この点火時期遅角量算出ル
ーチンを一旦終了する。
【0091】こうして点火時期遅角量ATQRTDのガ
ード処理が行われた後、コンピュータ92は、別のルー
チンによってイグナイタ53を駆動制御し、点火時期を
上記点火時期遅角量ATQRTDに対応する量だけ図1
2の波形(e)で示すように遅角側に制御する。この点
火時期の遅角によりエンジン11の出力トルクダウンが
図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)の領
域C内に位置するとき、実際の出力トルクMMOTI2
が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0092】一方、上記ステップS502の処理におい
て、「6/8>K≧5/8」でなく要求出力トルクMM
OTIが上記領域C以外に位置している旨判断される
と、ステップS503に進む。コンピュータ92は、ス
テップS503の処理において、トルク比Kが「4/
8」よりも小さく「3/8」以上であるか否か、即ち図
12(d)の領域E内に位置しているか否かを判断す
る。そして、ステップS503の処理において、「4/
8>K≧3/8」であって要求出力トルクMMOTIが
上記領域E内に位置している旨判断されると、ステップ
S507に進む。この状態にあっては、要求出力トルク
MMOTIが実際の出力トルクMMOTI2よりも小さ
くなる。
【0093】コンピュータ92は、ステップS507の
処理として、シフト中であって二つの気筒(本実施形態
では1番及び4気筒#1,#4)にてフューエルカット
が行われているときの点火時期遅角量ATQRTDを下
記の式(3)により算出する。
【0094】
【数3】 ATQRTD =(MMOTI2−MMOTI)/MTQRTD*4/2 …(3) MMOTI2: エンジン11の実際の出力トルク MMOTI : 要求出力トルク MTQRTD: 全気筒燃焼時における単位遅角量(1
°CA)当たりのトルクダウン量 なお、式(3)において、「MMOTI2−MMOT
I」は、図12(d)の領域E内における実際の出力ト
ルクMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとの差を
表す。また、式(3)において、トルクダウン量MTQ
RTDに「4/2」を乗算しているのは、1番及び4番
気筒#1,#4ではフューエルカットが行われているた
めに点火時期遅角が出力トルクダウンにとって有効でな
く、他の二つの気筒#2,#3での点火時期遅角だけで
必要な出力トルクダウンを確保しなければならないため
である。
【0095】コンピュータ92は、続くステップS51
0の処理として、上記点火時期遅角量ATQRTDを遅
角側についてガードした後、この点火時期遅角量算出ル
ーチンを一旦終了する。
【0096】こうして点火時期遅角量ATQRTDのガ
ード処理が行われた後、コンピュータ92は、別のルー
チンによってイグナイタ53を駆動制御し、点火時期を
上記点火時期遅角量ATQRTDに対応する量だけ図1
2の波形(e)で示すように遅角側に制御する。この点
火時期の遅角によりエンジン11の出力トルクダウンが
図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)の領
域E内に位置するとき、実際の出力トルクMMOTI2
が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0097】一方、上記ステップS503の処理におい
て、「4/8>K≧3/8」でなく要求出力トルクMM
OTIが上記領域E以外に位置している旨判断される
と、ステップS504に進む。コンピュータ92は、ス
テップS504の処理において、トルク比Kが「2/
8」よりも小さく「1/8」以上であるか否か、即ち図
12(d)の領域G内に位置しているか否かを判断す
る。そして、ステップS504の処理において、「2/
8>K≧1/8」であって要求出力トルクMMOTIが
上記領域G内に位置している旨判断されると、ステップ
S508に進む。この状態にあっては、要求出力トルク
MMOTIが実際の出力トルクMMOTI2よりも小さ
くなる。
【0098】コンピュータ92は、ステップS508の
処理として、シフト中であって三つの気筒(本実施形態
では1番、3番及び4気筒#1,#3,#4)にてフュ
ーエルカットが行われているときの点火時期遅角量AT
QRTDを下記の式(4)により算出する。
【0099】
【数4】 ATQRTD =(MMOTI2−MMOTI)/MTQRTD*4/1 …(4) MMOTI2: エンジン11の実際の出力トルク MMOTI : 要求出力トルク MTQRTD: 全気筒燃焼時における単位遅角量(1
°CA)当たりのトルクダウン量 なお、式(4)において、「MMOTI2−MMOT
I」は、図12(d)の領域G内における実際の出力ト
ルクMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとの差を
表す。また、式(4)において、トルクダウン量MTQ
RTDに「4/1」を乗算しているのは、1番、3番及
び4番気筒#1,#3,#4ではフューエルカットが行
われているために点火時期遅角が出力トルクダウンにと
って有効でなく、他の一つの気筒#2での点火時期遅角
だけで必要な出力トルクダウンを確保しなければならな
いためである。
【0100】コンピュータ92は、続くステップS51
0の処理として、上記点火時期遅角量ATQRTDを遅
角側についてガードした後、この点火時期遅角量算出ル
ーチンを一旦終了する。
【0101】こうして点火時期遅角量ATQRTDのガ
ード処理が行われた後、コンピュータ92は、別のルー
チンによってイグナイタ53を駆動制御し、点火時期を
上記点火時期遅角量ATQRTDに対応する量だけ図1
2の波形(e)で示すように遅角側に制御する。この点
火時期の遅角によりエンジン11の出力トルクダウンが
図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)の領
域G内に位置するとき、実際の出力トルクMMOTI2
が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0102】一方、上記ステップS504の処理におい
て、「2/8>K≧1/8」でなく要求出力トルクMM
OTIが上記領域H内に位置している旨判断されると、
ステップS509に進む。コンピュータ92は、ステッ
プS509の処理として点火時期遅角量ATQRTDを
「0」とし、続いてステップS510の処理を実行した
後、この点火時期遅角量算出ルーチンを一旦終了する。
【0103】次に、上記フューエルカットの実行中で要
求出力トルクMMOTIが図12(d)の領域B,D,
F内に位置するときに、実際の出力トルクMMOTI2
を要求出力トルクMMOTIに近づけるための空燃比制
御手順について図9を参照して説明する。この図9は、
上記フューエルカット時に、上述した最終燃料噴射量算
出ルーチン(図4)のステップS106で用いられる空
燃比補正量FAFTQUPを算出するための空燃比補正
量算出ルーチンを示すフローチャートである。空燃比補
正量算出ルーチンは、上記最終燃料噴射量算出ルーチン
のステップS106に進んだとき、エンジンコントロー
ルコンピュータ92を通じて実行される。
【0104】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS601の処理として、トルク比が「7/8」
よりも小さく「6/8」以上か否か、即ち要求出力トル
クMMOTIが図12(d)の領域B内に位置している
か否かを判断する。そして、ステップS601の処理に
おいて、「7/8>K≧6/8」であって要求出力トル
クMMOTIが上記領域B内に位置している旨判断され
ると、ステップS605に進む。この状態にあっては、
要求出力トルクMMOTIが実際の出力トルクMMOT
I2よりも大きくなる。
【0105】コンピュータ92は、ステップS605の
処理として、シフト中であって一つの気筒(本実施形態
では1番気筒#1)にてフューエルカットが行われてい
るときの空燃比補正量FAFTQUPを下記の式(5)
により算出する。
【0106】
【数5】 FAFTQUP =1.0+(MMOTI−MMOTI2)/MTQAF*4/3 …(5) MMOTI : 要求出力トルク MMOTI2: エンジン11の実際の出力トルク MTQAF : 全気筒燃焼時における空燃比補正量F
AFTQUPの単位増量(増量=100%)当たりのト
ルクアップ量 なお、式(5)において、「MMOTI−MMOTI
2」は、図12(d)の領域B内における要求出力トル
クMMOTIと実際の出力トルクMMOTI2との差を
表す。また、上記トルクダウン量MTQAFは、図15
に示すマップを参照してエンジン回転数NEと吸気圧等
によって表される負荷とに基づきマップ演算される。更
に、式(5)において、トルクアップ量MTQAFに
「4/3」を乗算しているのは、1番気筒#1ではフュ
ーエルカットが行われているために空燃比補正量FAF
TQUPの増量が出力トルクアップにとって有効でな
く、他の三つの気筒#2〜#4だけで上記増量に基づき
必要な出力トルクアップを確保しなければならないため
である。
【0107】コンピュータ92は、続くステップS61
0の処理として、上記空燃比補正量FAFTQUPを上
限ガードし、その補正量FAFTQUPに基づく空燃比
補正が行われたとき、同空燃比が理論空燃比よりもリッ
チ側の所定値(例えば「12.5」)以上にならないよ
うにする。その後、コンピュータ92は、この空燃比補
正量算出ルーチンを一旦終了する。
【0108】こうして算出された空燃比補正量FAFT
QUPは、最終燃料噴射量算出ルーチン(図4)のステ
ップS108の処理で用いられ、上記フューエルカット
が実行されて稼働気筒数が制限されているとき、その稼
働気筒における燃料噴射量が増量補正されて空燃比が図
12に波形(f)で示すようにリッチ側に補正される。
この空燃比のリッチ側への補正によりエンジン11の出
力トルクアップが図られ、要求出力トルクMMOTIが
図12(d)の領域B内に位置するとき、実際の出力ト
ルクMMOTI2が要求出力トルクMMOTIへと近づ
けられる。
【0109】一方、ステップS601の処理において、
「7/8>K≧6/8」でなく要求出力トルクMMOT
Iが上記領域B以外に位置している旨判断されると、ス
テップS602に進む。コンピュータ92は、ステップ
S602の処理として、トルク比が「5/8」よりも小
さく「4/8」以上か否か、即ち要求出力トルクMMO
TIが図12(d)の領域D内に位置しているか否かを
判断する。そして、ステップS602の処理において、
「5/8>K≧4/8」であって要求出力トルクMMO
TIが上記領域D内に位置している旨判断されると、ス
テップS606に進む。この状態にあっては、要求出力
トルクMMOTIが実際の出力トルクMMOTI2より
も大きくなる。
【0110】コンピュータ92は、ステップS606の
処理として、シフト中であって二つの気筒(本実施形態
では1番及び4番気筒#1,#4)にてフューエルカッ
トが行われているときの空燃比補正量FAFTQUPを
下記の式(6)により算出する。
【0111】
【数6】 FAFTQUP =1.0+(MMOTI−MMOTI2)/MTQAF*4/2 …(6) MMOTI : 要求出力トルク MMOTI2: エンジン11の実際の出力トルク MTQAF : 全気筒燃焼時における空燃比補正量F
AFTQUPの単位増量(増量=100%)当たりのト
ルクアップ量 なお、式(6)において、「MMOTI−MMOTI
2」は、図12(d)の領域D内における要求出力トル
クMMOTIと実際の出力トルクMMOTI2との差を
表す。また、式(6)において、トルクアップ量MTQ
AFに「4/2」を乗算しているのは、1番及び4番気
筒#1,#4ではフューエルカットが行われているため
に空燃比補正量FAFTQUPの増量が出力トルクアッ
プにとって有効でなく、他の二つの気筒#2,#3だけ
で上記増量に基づき必要な出力トルクアップを確保しな
ければならないためである。
【0112】コンピュータ92は、続くステップS61
0の処理として上記空燃比補正量FAFTQUPを上限
ガードした後、この空燃比補正量算出ルーチンを一旦終
了する。
【0113】こうして算出された空燃比補正量FAFT
QUPは、最終燃料噴射量算出ルーチン(図4)のステ
ップS108の処理で用いられ、上記フューエルカット
実行時に同ルーチンによって稼働気筒の燃料噴射量が増
量補正されて空燃比が図12に波形(f)で示すように
リッチ側に補正される。この空燃比のリッチ側への補正
によりエンジン11の出力トルクアップが図られ、要求
出力トルクMMOTIが図12(d)の領域D内に位置
するとき、実際の出力トルクMMOTI2が要求出力ト
ルクMMOTIへと近づけられる。
【0114】一方、ステップS602の処理において、
「5/8>K≧4/8」でなく要求出力トルクMMOT
Iが上記領域D以外に位置している旨判断されると、ス
テップS603に進む。コンピュータ92は、ステップ
S603の処理として、トルク比が「3/8」よりも小
さく「2/8」以上か否か、即ち要求出力トルクMMO
TIが図12(d)の領域F内に位置しているか否かを
判断する。そして、ステップS603の処理において、
「3/8>K≧2/8」であって要求出力トルクMMO
TIが上記領域F内に位置している旨判断されると、ス
テップS607に進む。この状態にあっては、要求出力
トルクMMOTIが実際の出力トルクMMOTI2より
も大きくなる。
【0115】コンピュータ92は、ステップS607の
処理として、シフト中であって三つの気筒(本実施形態
では1番、3番及び4番気筒#1,#3,#4)にてフ
ューエルカットが行われているときの空燃比補正量FA
FTQUPを下記の式(7)により算出する。
【0116】
【数7】 FAFTQUP =1.0+(MMOTI−MMOTI2)/MTQAF*4/1 …(7) MMOTI : 要求出力トルク MMOTI2: エンジン11の実際の出力トルク MTQAF : 全気筒燃焼時における空燃比補正量F
AFTQUPの単位増量(増量=100%)当たりのト
ルクアップ量 なお、式(7)において、「MMOTI−MMOTI
2」は、図12(d)の領域F内における要求出力トル
クMMOTIと実際の出力トルクMMOTI2との差を
表す。また、式(7)において、トルクアップ量MTQ
AFに「4/1」を乗算しているのは、1番、3番及び
4番気筒#1,#3,#4ではフューエルカットが行わ
れているために空燃比補正量の増量が出力トルクアップ
にとって有効でなく、他の一つの気筒#2だけで上記増
量に基づき必要な出力トルクアップを確保しなければな
らないためである。
【0117】コンピュータ92は、続くステップS61
0の処理として上記空燃比補正量FAFTQUPを上限
ガードした後、この空燃比補正量算出ルーチンを一旦終
了する。
【0118】こうして算出された空燃比補正量FAFT
QUPは、最終燃料噴射量算出ルーチン(図4)のステ
ップS108の処理で用いられ、上記フューエルカット
実行時に同ルーチンによって稼働気筒の燃料噴射量が増
量補正されて空燃比が図12に波形(f)で示すように
リッチ側に補正される。この空燃比のリッチ側への補正
によりエンジン11の出力トルクアップが図られ、要求
出力トルクMMOTIが図12(d)の領域F内に位置
するとき、実際の出力トルクMMOTI2が要求出力ト
ルクMMOTIへと近づけられる。
【0119】一方、ステップS603の処理において、
「3/8>K≧2/8」でなく要求出力トルクMMOT
Iが上記領域F以外に位置している旨判断されると、ス
テップS604に進む。コンピュータ92は、ステップ
S604の処理として、空燃比補正量FAFTQUPを
「1.0」にし、続いてステップS610の処理を実行
した後、この空燃比補正量算出ルーチンを一旦終了す
る。
【0120】なお、要求出力トルクMMOTIが図12
(d)の領域H内に位置しているとき、実際の出力トル
クMMOTI2を要求出力トルクMMOTIに近づける
ための空燃比制御を行わないのは、その領域H内に要求
トルクがMMOTIが位置した状態では全気筒#1〜#
4にてフューエルカットが行われており、燃料噴射量を
増量による空燃比制御ができないためである。
【0121】次に、上記フューエルカットの実行中に、
実際の出力トルクMMOTI2を要求出力トルクMMO
TIに近づけるためのISCV開度制御手順について図
10及び図11を参照して説明する。図10は、上記フ
ューエルカット時に要求出力トルクMMOTIが図12
(d)の領域A,C,E,G内に位置するとき、ISC
V27を閉じ側に制御するのに用いられるISCV閉じ
量DISCTQCDを算出するためのISCV閉じ量算
出ルーチンを示すフローチャートである。また、図11
は、上記フューエルカット時に要求出力トルクMMOT
Iが図12(d)の領域B,D,F内に位置するとき、
ISCV27を開き側に制御するのに用いられるISC
V開き量DISCTQUを算出するためのISCV開き
量算出ルーチンを示すフローチャートである。これらル
ーチンは、エンジンコントロールコンピュータ92を通
じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0122】図10に示すISCV閉じ量算出ルーチン
において、コンピュータ92は、ステップS701の処
理として、トルク比が「8/8」よりも小さく「7/
8」以上か否か、即ち要求出力トルクMMOTIが図1
2(d)の領域A内に位置しているか否かを判断する。
そして、ステップS701の処理において、「8/8>
K≧7/8」であって要求出力トルクMMOTIが上記
領域A内に位置している旨判断されると、ステップS7
05に進む。この状態にあっては、要求出力トルクMM
OTIが実際の出力トルクMMOTI2よりも小さくな
る。
【0123】コンピュータ92は、ステップS705の
処理として、シフト中で且つフューエルカットが行われ
ていないときのISCV閉じ量DISCTQDを下記の
式(8)によって算出する。
【0124】
【数8】 DISCTQD =(MMOTI2−MMOTI)/MISCTQUD*4/4 …(8) MMOTI2 : エンジン11の実際の出力トルク MMOTI : 要求出力トルク MISCTQUD: 全気筒燃焼時における単位ISC
V開度(1%)当たりのトルク変化量 なお、式(8)において、「MMOTI2−MMOT
I」は、図12(d)の領域A内における実際の出力ト
ルクMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとの差を
表す。また、上記トルク変化量MISCTQUDは、図
16に示すマップを参照してエンジン回転数NEと吸気
圧等によって表される負荷とに基づきマップ演算され
る。上記のようにISCV閉じ量DISCTQDを算出
した後、コンピュータ92は、このISCV閉じ量算出
ルーチンを一旦終了する。
【0125】こうしてISCV閉じ量DISCTQDが
算出された後、コンピュータ92は、別のルーチンによ
ってISCV27を駆動制御し、ISCV開度を上記I
SCV閉じ量DISCTQDに対応する量だけ図12の
波形(g)で示すように閉じ側に制御する。このISC
V開度の閉じ制御によりエンジン11の出力トルクダウ
ンが図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)
の領域A内に位置するとき、エンジン11の実際の出力
トルクMMOTI2が要求出力トルクMMOTIへと近
づけられる。
【0126】一方、上記ステップS701の処理におい
て、「8/8>K≧7/8」でなく要求出力トルクMM
OTIが上記領域A以外に位置している旨判断される
と、ステップS702に進む。コンピュータ92は、ス
テップS702の処理において、トルク比Kが「6/
8」よりも小さく「5/8」以上であるか否か、即ち図
12(d)の領域C内に位置しているか否かを判断す
る。そして、ステップS702の処理において、「6/
8>K≧5/8」であって要求出力トルクMMOTIが
上記領域C内に位置している旨判断されると、ステップ
S706に進む。この状態にあっては、要求出力トルク
MMOTIが実際の出力トルクMMOTI2よりも小さ
くなる。
【0127】コンピュータ92は、ステップS706の
処理として、シフト中であって一つの気筒(本実施形態
では1番気筒#1)にてフューエルカットが行われてい
るときのISCV閉じ量DISCTQDを下記の式
(9)により算出する。
【0128】
【数9】 DISCTQD =(MMOTI2−MMOTI)/MISCTQUD*4/3 …(9) MMOTI2 : エンジン11の実際の出力トルク MMOTI : 要求出力トルク MISCTQUD: 全気筒燃焼時における単位ISC
V開度(1%)当たりのトルク変化量 なお、式(9)において、「MMOTI2−MMOT
I」は、図12(d)の領域C内における実際の出力ト
ルクMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとの差を
表す。また、式(9)において、トルク変化量MISC
TQUDに「4/3」を乗算しているのは、1番気筒#
1ではフューエルカットが行われているためにISCV
閉じ制御が出力トルクダウンにとって有効でなく、他の
三つの気筒#2〜#4だけでISCV閉じ制御による必
要な出力トルクダウンを確保しなければならないためで
ある。上記のようにISCV閉じ量DISCTQDが算
出された後、コンピュータ92は、ISCV閉じ量算出
ルーチンを一旦終了する。
【0129】こうしてISCV閉じ量DISCTQDが
算出されると、コンピュータ92は、別のルーチンによ
ってISCV27を駆動制御し、ISCV開度を上記I
SCV閉じ量DISCTQDに対応する量だけ図12の
波形(g)で示すように閉じ側に制御する。このISC
V開度の閉じ制御によりエンジン11の出力トルクダウ
ンが図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)
の領域C内に位置するとき、実際の出力トルクMMOT
I2が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0130】一方、上記ステップS702の処理におい
て、「6/8>K≧5/8」でなく要求出力トルクMM
OTIが上記領域C以外に位置している旨判断される
と、ステップS703に進む。コンピュータ92は、ス
テップS703の処理において、トルク比Kが「4/
8」よりも小さく「3/8」以上であるか否か、即ち図
12(d)の領域E内に位置しているか否かを判断す
る。そして、ステップS703の処理において、「4/
8>K≧3/8」であって要求出力トルクMMOTIが
上記領域E内に位置している旨判断されると、ステップ
S707に進む。この状態にあっては、要求出力トルク
MMOTIが実際の出力トルクMMOTI2よりも小さ
くなる。
【0131】コンピュータ92は、ステップS707の
処理として、シフト中であって二つの気筒(本実施形態
では1番及び4気筒#1,#4)にてフューエルカット
が行われているときのISCV閉じ量DISCTQDを
下記の式(10)により算出する。
【0132】
【数10】 DISCTQD =(MMOTI2−MMOTI)/MISCTQUD*4/2 …(10) MMOTI2 : エンジン11の実際の出力トルク MMOTI : 要求出力トルク MISCTQUD: 全気筒燃焼時における単位ISC
V開度(1%)当たりのトルク変化量 なお、式(10)において、「MMOTI2−MMOT
I」は、図12(d)の領域E内における実際の出力ト
ルクMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとの差を
表す。また、式(10)において、トルク変化量MIS
CTQUDに「4/2」を乗算しているのは、1番及び
4番気筒#1,#4ではフューエルカットが行われてい
るためにISCV閉じ制御が出力トルクダウンにとって
有効でなく、他の二つの気筒#2,#3だけでISCV
閉じ制御による必要な出力トルクダウンを確保しなけれ
ばならないためである。上記のようにISCV閉じ量D
ISCTQDを算出した後、コンピュータ92は、この
ISCV閉じ量算出ルーチンを一旦終了する。
【0133】こうしてISCV閉じ量DISCTQDが
算出されると、コンピュータ92は、別のルーチンによ
ってISCV27を駆動制御し、ISCV開度を上記I
SCV閉じ量DISCTQDに対応する量だけ図12の
波形(g)で示すように閉じ側に制御する。このISC
V開度の閉じ制御によりエンジン11の出力トルクダウ
ンが図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)
の領域E内に位置するとき、実際の出力トルクMMOT
I2が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0134】一方、上記ステップS703の処理におい
て、「4/8>K≧3/8」でなく要求出力トルクMM
OTIが上記領域E以外に位置している旨判断される
と、ステップS704に進む。コンピュータ92は、ス
テップS704の処理において、トルク比Kが「2/
8」よりも小さく「1/8」以上であるか否か、即ち図
12(d)の領域G内に位置しているか否かを判断す
る。そして、ステップS704の処理において、「2/
8>K≧1/8」であって要求出力トルクMMOTIが
上記領域G内に位置している旨判断されると、ステップ
S708に進む。この状態にあっては、要求出力トルク
MMOTIが実際の出力トルクMMOTI2よりも小さ
くなる。
【0135】コンピュータ92は、ステップS708の
処理として、シフト中であって三つの気筒(本実施形態
では1番、3番及び4気筒#1,#3,#4)にてフュ
ーエルカットが行われているときのISCV閉じ量DI
SCTQDを下記の式(11)により算出する。
【0136】
【数11】 DISCTQD =(MMOTI2−MMOTI)/MISCTQUD*4/1 …(11) MMOTI2 : エンジン11の実際の出力トルク MMOTI : 要求出力トルク MISCTQUD: 全気筒燃焼時における単位ISC
V開度(1%)当たりのトルク変化量 なお、式(11)において、「MMOTI2−MMOT
I」は、図12(d)の領域G内における実際の出力ト
ルクMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとの差を
表す。また、式(4)において、トルク変化量MISC
TQUDに「4/1」を乗算しているのは、1番、3番
及び4番気筒#1,#3,#4ではフューエルカットが
行われているためにISCV閉じ制御が出力トルクダウ
ンにとって有効でなく、他の一つの気筒#2だけでIS
CV閉じ制御による必要な出力トルクダウンを確保しな
ければならないためである。上記のようにISCV閉じ
量DISCTQDを算出した後、コンピュータ92は、
このISCV閉じ量算出ルーチンを一旦終了する。
【0137】こうしてISCV閉じ量DISCTQDが
算出されると、コンピュータ92は、別のルーチンによ
ってISCV27を駆動制御し、ISCV開度を上記I
SCV閉じ量DISCTQDに対応する量だけ図12の
波形(g)で示すように閉じ側に制御する。このISC
V開度の閉じ制御によりエンジン11の出力トルクダウ
ンが図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)
の領域G内に位置するとき、実際の出力トルクMMOT
I2が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0138】一方、上記ステップS704の処理におい
て、「2/8>K≧1/8」でなく要求出力トルクMM
OTIが上記領域H内に位置している旨判断されると、
ステップS709に進む。コンピュータ92は、S70
9の処理として、ISCV閉じ量DISCTQDを
「0」にした後、このISCV閉じ量算出ルーチンを一
旦終了する。
【0139】次に、図11に示す上記ISCV開き量算
出ルーチンについて説明する。このISCV開き量算出
ルーチンにおいて、コンピュータ92は、ステップS8
01の処理として、トルク比が「7/8」よりも小さく
「6/8」以上か否か、即ち要求出力トルクMMOTI
が図12(d)の領域B内に位置しているか否かを判断
する。そして、ステップS801の処理において、「7
/8>K≧6/8」であって要求出力トルクMMOTI
が上記領域B内に位置している旨判断されると、ステッ
プS805に進む。この状態にあっては、要求出力トル
クMMOTIが実際の出力トルクMMOTI2よりも大
きくなる。
【0140】コンピュータ92は、ステップS805の
処理として、シフト中であって一つの気筒(本実施形態
では1番気筒#1)にてフューエルカットが行われてい
るときのISCV開き量DISCTQUを下記の式(1
2)により算出する。
【0141】
【数12】 DISCTQU =(MMOTI−MMOTI2)/MISCTQUD*4/3 …(12) MMOTI : 要求出力トルク MMOTI2 : エンジン11の実際の出力トルク MISCTQUD: 全気筒燃焼時における単位ISC
V開度(1%)当たりのトルク変化量 なお、式(12)において、「MMOTI−MMOTI
2」は、図12(d)の領域B内における要求出力トル
クMMOTIと実際の出力トルクMMOTI2との差を
表す。また、式(12)において、トルク変化量MIS
CTQUDに「4/3」を乗算しているのは、1番気筒
#1ではフューエルカットが行われているためにISC
V開き制御が出力トルクアップにとって有効でなく、他
の三つの気筒#2〜#4だけでISCV開き制御による
必要な出力トルクアップを確保しなければならないため
である。上記のようにISCV開き量DISCTQUが
算出された後、コンピュータ92は、このISCV開き
量算出ルーチンを一旦終了する。
【0142】こうしてISCV開き量DISCTQUが
算出されると、コンピュータ92は、別のルーチンによ
ってISCV27を駆動制御し、ISCV開度を上記I
SCV開き量DISCTQUに対応する量だけ図12の
波形(g)で示すように開き側に制御する。このISC
V開度の開き制御によりエンジン11の出力トルクアッ
プが図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)
の領域B内に位置するとき、実際の出力トルクMMOT
I2が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0143】一方、ステップS801の処理において、
「7/8>K≧6/8」でなく要求出力トルクMMOT
Iが上記領域B以外に位置している旨判断されると、ス
テップS802に進む。コンピュータ92は、ステップ
S802の処理として、トルク比が「5/8」よりも小
さく「4/8」以上か否か、即ち要求出力トルクMMO
TIが図12(d)の領域D内に位置しているか否かを
判断する。そして、ステップS802の処理において、
「5/8>K≧4/8」であって要求出力トルクMMO
TIが上記領域D内に位置している旨判断されると、ス
テップS806に進む。この状態にあっては、要求出力
トルクMMOTIが実際の出力トルクMMOTI2より
も大きくなる。
【0144】コンピュータ92は、ステップS806の
処理として、シフト中であって二つの気筒(本実施形態
では1番及び4番気筒#1,#4)にてフューエルカッ
トが行われているときのISCV開き量DISCTQU
を下記の式(13)により算出する。
【0145】
【数13】 DISCTQU =(MMOTI−MMOTI2)/MISCTQUD*4/2 …(13) MMOTI : 要求出力トルク MMOTI2 : エンジン11の実際の出力トルク MISCTQUD: 全気筒燃焼時における単位ISC
V開度(1%)当たりのトルク変化量 なお、式(13)において、「MMOTI−MMOTI
2」は、図12(d)の領域D内における要求出力トル
クMMOTIと実際の出力トルクMMOTI2との差を
表す。また、式(13)において、トルク変化量MIS
CTQUDに「4/2」を乗算しているのは、1番及び
4番気筒#1,#4ではフューエルカットが行われてい
るためにISCV開き制御が出力トルクアップにとって
有効でなく、他の二つの気筒#2,#3だけでISCV
開き制御による必要な出力トルクアップを確保しなけれ
ばならないためである。上記のようにISCV開き量D
ISCTQUを算出した後、コンピュータ92は、この
ISCV開き量算出ルーチンを一旦終了する。
【0146】こうしてISCV開き量DISCTQUが
算出されると、コンピュータ92は、別のルーチンによ
ってISCV27を駆動制御し、ISCV開度を上記I
SCV開き量DISCTQUに対応する量だけ図12の
波形(g)で示すように開き側に制御する。このISC
V開度の開き制御によりエンジン11の出力トルクアッ
プが図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)
の領域D内に位置するとき、実際の出力トルクMMOT
I2が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0147】一方、ステップS802の処理において、
「5/8>K≧4/8」でなく要求出力トルクMMOT
Iが上記領域D以外に位置している旨判断されると、ス
テップS803に進む。コンピュータ92は、ステップ
S803の処理として、トルク比が「3/8」よりも小
さく「2/8」以上か否か、即ち要求出力トルクMMO
TIが図12(d)の領域F内に位置しているか否かを
判断する。そして、ステップS803の処理において、
「3/8>K≧2/8」であって要求出力トルクMMO
TIが上記領域F内に位置している旨判断されると、ス
テップS807に進む。この状態にあっては、要求出力
トルクMMOTIが実際の出力トルクMMOTI2より
も大きくなる。
【0148】コンピュータ92は、ステップS807の
処理として、シフト中であって三つの気筒(本実施形態
では1番、3番及び4番気筒#1,#3,#4)にてフ
ューエルカットが行われているときのISCV開き量D
ISCTQUを下記の式(14)により算出する。
【0149】
【数14】 DISCTQU =(MMOTI−MMOTI2)/MISCTQUD*4/1 …(14) MMOTI : 要求出力トルク MMOTI2 : エンジン11の実際の出力トルク MISCTQUD: 全気筒燃焼時における単位ISC
V開度(1%)当たりのトルク変化量 なお、式(14)において、「MMOTI−MMOTI
2」は、図12(d)の領域F内における要求出力トル
クMMOTIと実際の出力トルクMMOTI2との差を
表す。また、式(14)において、トルク変化量MIS
CTQUDに「4/1」を乗算しているのは、1番、3
番及び4番気筒#1,#3,#4ではフューエルカット
が行われているためにISCV開き制御が出力トルクア
ップにとって有効でなく、他の一つの気筒#2だけでI
SCV開き制御による必要な出力トルクアップを確保し
なければならないためである。上記のようにISCV開
き量DISCTQUを算出した後、コンピュータ92
は、このISCV開き量算出ルーチンを一旦終了する。
【0150】こうしてISCV開き量DISCTQUが
算出されると、コンピュータ92は、別のルーチンによ
ってISCV27を駆動制御し、ISCV開度を上記I
SCV開き量DISCTQUに対応する量だけ図12の
波形(g)で示すように開き側に制御する。このISC
V開度の開き制御によりエンジン11の出力トルクアッ
プが図られ、要求出力トルクMMOTIが図12(d)
の領域F内に位置するとき、実際の出力トルクMMOT
I2が要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0151】一方、ステップS803の処理において、
「3/8>K≧2/8」でなく要求出力トルクMMOT
Iが上記領域F以外(領域G,H内)に位置している旨
判断されると、ステップS808に進む。コンピュータ
92は、ステップS808の処理として、ISCV開き
量DISCTQUを「0」にした後、このISCV開き
量算出ルーチンを一旦終了する。
【0152】最後に、上記変速機3の変速(シフト)時
におけるエンジン制御の動作について図12のタイミン
グチャートを参照して総括する。変速機3の変速が行わ
れるとき、エンジンコントロールコンピュータ92によ
って求められるエンジン11の要求出力トルクMMOT
Iは、図12(d)に波線で示すように推移する。そし
て、要求出力トルクMMOTIを全気筒燃焼時における
実際の出力トルクMMOTI2(s)で除算した値であ
るトルク比Kと、ROM93に稼働気筒数情報として記
憶されている同トルク比Kに応じた稼働気筒数とに基づ
き、変速を滑らかにするためのフューエルカットを行う
気筒数を決定する。
【0153】即ち、トルク比Kは要求出力トルクMMO
TIに応じて変化するが、その要求出力トルクMMOT
Iが図12(d)の領域A、領域B,C、領域D,E、
領域F,G、領域H内にそれぞれ位置するようなトルク
比Kとなったとき、フューエルカットされる気筒数がそ
れぞれ「0」、「1」、「2」、「3」、「4」に決定
される。このフューエルカット気筒数の決定はトルク比
Kに応じた稼働気筒数情報に基づいて行われ、複雑な計
算式を用いて同決定を行うことがないため、そのフュー
エルカット気筒数の決定(稼働気筒数の決定)が高速で
行われるようになる。
【0154】こうして決定されたフューエルカット気筒
数に応じてフューエルカットを行うことで、変速機3の
シフト中に要求出力トルクMMOTIが図中波線で示す
ように推移したときには、フューエルカット気筒数が図
12(c)に示すように順次「0」、「1」、「2」、
「3」、「4」、「3」、「2」、「1」、「0」と変
化するようになる。このようにフューエルカットを行う
ことで稼働気筒数が制御され、エンジン11の実際の出
力トルクMMOTI2が図12(d)に実線で示すよう
に段階的に推移するようになる。
【0155】上記フューエルカットが行われる際には、
シフト時補正係数算出ルーチン(図7)におけるステッ
プS402の処理によって、燃料噴射量の増量補正係数
であるシフト補正係数f4が「1.0」より大きい値
(本実施形態では「1.3」)に設定される。こうした
シフト時補正係数f4の設定等により、フューエルカッ
ト時に稼働気筒の燃料噴射量が増量補正され、その稼働
気筒における混合気の空燃比がリッチ側に補正される。
そして、上記稼働気筒の空燃比がリッチ側に補正される
ことで、排気浄化触媒33aに入る排気中の酸素濃度上
昇が抑制され、同触媒33aにおけるNOx の浄化能力
低下に伴うエミッション悪化が抑制されるようになる。
【0156】また、最終燃料噴射量算出ルーチン(図
4)におけるステップS107の比較処理の結果、上記
のように設定されたシフト時補正係数f4よりも別の制
御にかかる補正係数f1〜f3の方が大きいと判断され
た場合には、そのシフト時補正係数f4は燃料噴射量増
量補正用の補正係数として採用されない。即ち、上記フ
ューエルカット制御(稼働気筒数制御)にかかる燃料噴
射量の増量補正量に対し、別の制御にかかる燃料噴射量
の増量補正量の方が大きい場合には、そのフューエルカ
ット制御にかかる燃料噴射量の増量補正が禁止される。
従って、フューエルカット制御にかかる燃料噴射量の増
量補正と、別の制御かかる燃料噴射量の増量補正とが同
時に行われることで、混合気の空燃比が過度にリッチに
なって失火が発生してしまうことは防止されるようにな
る。
【0157】ところで、上記フューエルカットが行われ
る変速機3のシフト中において、要求出力トルクMMO
TIが図12(d)の領域A,C,E,G内に位置して
いるときには、要求出力トルクMMOTIが実際の出力
トルクMMOTI2よりも小さくなる。この場合、それ
ら出力トルクMMOTI2,MMOTIの差に応じた量
だけ点火時期が図12(e)に示すように遅角側に制御
されるとともに、ISCV開度が図12(g)に示すよ
うに閉じ側に制御される。その結果、エンジン11の出
力トルクダウンが図られ、実際の出力トルクMMOTI
2が低下して要求出力トルクMMOTIへと近づけられ
る。
【0158】また、要求出力トルクMMOTIが図12
(d)の領域B,D,F内に位置しているときには、要
求出力トルクMMOTIが実際の出力トルクMMOTI
2よりも大きくなる。この場合、それら出力トルクMM
OTI2,MMOTIの差に応じた量だけ空燃比が図1
2(f)に示すようにリッチ側に制御されるとともに、
ISCV開度が図12(g)に示すように開き側に制御
される。その結果、エンジン11の出力トルクアップが
図られ、実際の出力トルクMMOTI2が上昇して要求
出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0159】上記のように点火時期、空燃比、及びIS
CV開度といったエンジン11の運転状態を制御するた
めの制御量を制御することで、実際の出力トルクMMO
TI2を的確に要求出力トルクMMOTIへと合わせる
ことができる。そして、それら出力トルクMMOTI
2,MMOTIを一致させることによって、それら出力
トルクMMOTI2,MMOTIの不一致に基づくトル
クショックの発生が好適に防止されるようになる。
【0160】また、要求出力トルクMMOTIが図12
(d)の領域A内に位置しているときには、シフト中で
あってもフューエルカット実行気筒数が「0」となって
フューエルカットは行われず、点火時期遅角による出力
トルクダウンのみによって実際の出力トルクMMOTI
2が要求出力トルクMMOTIに近づけられる。従っ
て、シフト開始直後、急にフューエルカットによる出力
トルクダウンが行われて、大きなトルクショックが発生
するのを防止することができるようになる。
【0161】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)変速機3の変速を滑らかにするためのフューエル
カットが所定数の気筒にて行われる際には、エミッショ
ン悪化の防止を意図して稼働気筒における燃料噴射量が
増量補正される。しかし、上記フューエルカット制御に
かかる燃料噴射量の増量補正量に対し、別の制御にかか
る燃料噴射量の増量補正量の方が大きい場合には、その
フューエルカット制御にかかる燃料噴射量の増量補正が
禁止される。従って、フューエルカット制御にかかる燃
料噴射量の増量補正と、別の制御かかる燃料噴射量の増
量補正とが同時に行われることで、混合気の空燃比が過
度にリッチになって失火が発生するのを防止することが
できる。
【0162】(2)エンジンコントロールコンピュータ
92のROM93には、要求出力トルクMMOTIを全
気筒燃焼時における実際のシフト開始時出力トルクMM
OTI2(s)で除算した値であるトルク比Kに応じた
稼働気筒数が稼働気筒数情報として記憶されている。そ
して、上記トルク比K及び稼働気筒数情報に基づきフュ
ーエルカットを行う気筒を決定するため、複雑な計算式
を用いてフューエルカット気筒数の決定を行うことがな
い。従って、上記フューエルカット気筒数の決定(稼働
気筒数の決定)を高速で行うことができ、稼働気筒数制
御(フューエルカット制御)の制御性を向上させること
ができる。
【0163】(3)上記フューエルカットが行われる変
速機3のシフト中には、点火時期、空燃比、及びISC
V開度といったエンジン11の運転状態を制御するため
の制御量を制御することで、実際の出力トルクMMOT
I2が的確に要求出力トルクMMOTIへと合わされ
る。従って、それら出力トルクMMOTI2,MMOT
Iを一致させることによって、それら出力トルクMMO
TI2,MMOTIの不一致に基づくトルクショックの
発生を好適に防止することができる。
【0164】(4)上記フューエルカット制御にかかる
燃料噴射量の増量補正量は、失火が生じることなく且つ
HCやCOの大幅増量が生じない値となるため、その燃
料噴射量の増量補正によりNOx 増加を抑制するだけで
なく、失火やHC、COの大幅増量も防止することがで
きる。
【0165】(5)要求出力トルクMMOTIが図12
(d)の領域A内に位置しているときには、フューエル
カットは行われず、点火時期遅角のみにより実際の出力
トルクMMOTI2が低下されて要求出力トルクMMO
TIに近づけられる。従って、シフト開始直後、急にフ
ューエルカットによる出力トルクダウンが行われて、大
きなトルクショックが発生するのを防止することができ
る。
【0166】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を図17〜図21に基づき説明する。なお、本実施
形態では、フューエルカット時における実際の出力トル
クMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとの一致を
点火時期の遅角のみよって行うとともに、同フューエル
カットの実行時間を短くするようにしている。本実施形
態では、最終燃料噴射量算出ルーチン、フューエルカッ
ト判定ルーチン、フューエルカット処理ルーチン、及び
点火時期遅角量算出ルーチンが第1実施形態と異なって
おり、空燃比補正量算出ルーチン、ISCV閉じ量算出
ルーチン及びISCV開き量算出ルーチンは実行されな
い。従って、本実施形態においては第1実施形態と異な
る部分についてのみ説明し、第1実施形態と同一部分に
ついては詳しい説明を省略する。
【0167】先ず、本実施形態のエンジン制御装置によ
る制御態様の概要を図21のタイミングチャートに基づ
き説明する。図21(a)に示すように、変速機3の変
速(シフト)が行われるとき、エンジンコントロールコ
ンピュータ92によって、エンジン11の要求出力トル
クMMOTIが求められる。この要求出力トルクMMO
TIは、図21(b)には実線で示すように、また図2
1(d)には波線で示すように推移する。そして、要求
出力トルクMMOTIを全気筒燃焼時における実際の出
力トルクMMOTI2(s)で除算した値であるトルク
比Kと、ROM93に稼働気筒数情報として記憶されて
いる同トルク比Kに応じた稼働気筒数とに基づき、変速
を滑らかにするためのフューエルカットを行う気筒数を
決定する。
【0168】即ち、トルク比Kは要求出力トルクMMO
TIに応じて変化するが、その要求出力トルクMMOT
Iが図21(d)の領域AB,領域CD,領域EF,領
域GH内にそれぞれ位置するようなトルク比Kとなった
とき、フューエルカットされる気筒数がそれぞれれ
「0」、「1」、「2」、「3」に決定される。また、
要求出力トルクMMOTIが領域GHの下端境界上に位
置するようなトルク比Kとなったときには、フューエル
カットされる気筒数が「4」に決定される。
【0169】こうして決定されたフューエルカット気筒
数に応じてフューエルカットを行うことで、変速機3の
シフト中に要求出力トルクMMOTIが図中波線で示す
ように推移したときには、フューエルカット気筒数が図
21(c)に示すように順次「0」、「1」、「2」、
「3」、「4」、「3」、「2」、「1」、「0」と変
化するようになる。このようにフューエルカットを行う
ことで稼働気筒数が制御され、エンジン11の実際の出
力トルクMMOTI2が図21(d)に実線で示すよう
に段階的に推移するようになる。
【0170】ところで、上記フューエルカットが行われ
る変速機3のシフト中において、要求出力トルクMMO
TIが実際の出力トルクMMOTI2よりも小さいとき
には、それら出力トルクMMOTI2,MMOTIの差
に応じた量だけ点火時期が図21(e)に示すように遅
角側に制御される。その結果、エンジン11の出力トル
クダウンが図られ、実際の出力トルクMMOTI2が低
下して要求出力トルクMMOTIへと近づけられる。
【0171】このように点火時期を遅角側に制御するこ
とで、実際の出力トルクMMOTI2を的確に要求出力
トルクMMOTIへと合わせることができる。そして、
それら出力トルクMMOTI2,MMOTIを一致させ
ることによって、それら出力トルクMMOTI2,MM
OTIの不一致に基づくトルクショックの発生が好適に
防止されるようになる。
【0172】また、シフト中においてフューエルカット
が行われない領域(図21(d)の領域AB)を大きく
とるようにしている。従って、シフト中におけるフュー
エルカットの実行時間Tを短くすることができるように
なる。このようにフューエルカットの実行時間Tを短く
することによって、シフト中においてエンジン11から
の排気に含まれる酸素濃度が増加する期間が短くなり、
その酸素濃度増加による排気浄化触媒33aのNOx 浄
化能力低下を極力抑えることができるようになる。
【0173】次に、本実施形態において第1実施形態と
異なる各ルーチン、即ち最終燃料噴射量算出ルーチン、
フューエルカット判定ルーチン、フューエルカット処理
ルーチン、及び点火時期遅角量算出ルーチンについて順
次説明する。
【0174】図17は、本実施形態の最終燃料噴射量算
出ルーチンを示すフローチャートである。この最終燃料
噴射量算出ルーチンは、エンジンコントロールコンピュ
ータ92を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて
実行される。同ルーチンでは、第1実施形態における最
終燃料噴射量算出ルーチン(図4)のステップS106
に相当する処理が行われないようになっている。
【0175】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS901の処理として基本燃料噴射量QBSE
を算出し、ステップS902〜S905の処理として冷
間補正係数f1、パワー補正係数f2、OTP補正係数
f3、及びシフト時補正係数f4を算出する。そして、
コンピュータ92は、ステップS907の処理として各
補正係数f1〜f4を比較し、ステップS908の処理
として最も大きい補正係数f1〜f4を基本燃料噴射量
Qに乗算した値を最終燃料噴射量QFINとして算出す
る。その後、コンピュータ92は、この最終燃料噴射量
算出ルーチンを一旦終了する。
【0176】図18は、本実施形態のフューエルカット
判定ルーチンを示すフローチャートである。このフュー
エルカット判定ルーチンは、エンジンコントロールコン
ピュータ92を通じて例えば所定時間毎の時間割り込み
にて実行される。同ルーチンでは、第1実施形態におけ
るフューエルカット判定ルーチン(図5)のステップS
203に相当する処理(ステップS1003)のみが第
1実施形態と異なっている。
【0177】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS1001の処理としてシフト中か否か判断
し、シフト中である旨判断された場合には、続くステッ
プS102の処理としてトルク比Kを算出する。コンピ
ュータ92は、ステップS1003の処理として、トル
ク比Kが「3/4」以下か否か、即ち要求出力トルクM
MOTIが図21(d)の領域AB内にあるか否か判断
する。
【0178】そして、ステップS1003の処理におい
て、「K≦3/4」でなく要求出力トルクMMOTIが
上記領域AB内に位置する旨判断されると、順次ステッ
プS1004,S1005に進む。コンピュータ92
は、ステップS1004の処理でフューエルカット処理
を実行し、ステップS1005の処理でフューエルカッ
トフラグXFCONとして「1」をRAM95の所定領
域に記憶した後、このフューエルカット判定ルーチンを
一旦終了する。
【0179】また、ステップS1003の処理におい
て、「K≦3/4」であって要求出力トルクMMOTI
が上記領域AB以外に位置する旨判断されると、順次ス
テップS1006,S1007に進む。コンピュータ9
2は、ステップ1006の処理でフューエルカットは行
わず、ステップS1007の処理でフューエルカットフ
ラグXFCONとして「0」をRAM95の所定領域に
記憶した後、このフューエルカット判定ルーチンを一旦
終了する。
【0180】図19は、本実施形態のフューエルカット
処理ルーチンを示すフローチャートである。このフュー
エルカット処理ルーチンは、フューエルカット判定ルー
チン(図18)のステップS1004に進む毎にエンジ
ンコントロールコンピュータ92を通じて実行される。
同ルーチンでは、第1実施形態におけるフューエルカッ
ト処理ルーチン(図6)のステップS301〜S303
に相当する処理(ステップS1101〜S1103)の
みが第1実施形態と異なっている。
【0181】同ルーチンにおけるステップS1101〜
S1103の処理は、トルク比Kの値に基づき、いくつ
の気筒にてフューエルカットを実行するか、即ち稼働気
筒数をいくつにするかを決定するためのものである。そ
して、それらステップS1101〜S1103の処理
で、トルク比Kの大きさに基づき決定される稼働気筒数
等は、稼働気筒数情報として予めROM93に記憶され
ている。
【0182】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS1101の処理として、トルク比Kが「3/
4」以下で「2/4」よりも大きいか、即ち要求出力ト
ルクMMOTIが図21(d)の領域CD内にある否か
判断する。そして、「3/4≧K>2/4」であって要
求出力トルクMMOTIが上記領域CD内に位置する旨
判断された場合にはステップS1105に進んで、一つ
の気筒(本実施形態では1番気筒#1)にてフューエル
カットを実行する。また、「3/4≧K>2/4」であ
って要求出力トルクMMOTIが上記領域CD以外に位
置する旨判断された場合には、ステップS1102に進
む。
【0183】コンピュータ92は、ステップS1102
の処理として、トルク比Kが「2/4」以下で「1/
4」よりも大きいか、即ち要求出力トルクMMOTIが
図21(d)の領域EF内に位置する否か判断する。そ
して、「2/4≧K>1/4」であって要求出力トルク
MMOTIが上記領域EF内に位置する旨判断された場
合にはステップS1106に進んで、二つの気筒(本実
施形態では1番及び4気筒#1,#4)にてフューエル
カットを実行する。また、「2/4≧K>1/4」でな
く要求出力トルクMMOTIが上記領域EF以外に位置
する旨判断された場合には、ステップS1103に進
む。
【0184】コンピュータ92は、ステップS1103
の処理として、トルク比Kが「1/4」以下で「0」よ
りも大きいか、即ち要求出力トルクMMOTIが図21
(d)の領域GH内に位置する否か判断する。そして、
「1/4≧K>0」であって要求出力トルクが上記領域
GH内に位置する旨判断された場合にはステップS11
07に進んで、三つの気筒(本実施形態では1番、3番
及び4気筒#1,#3,#4)にてフューエルカットを
実行する。また、「1/4≧K>0」でなく要求出力ト
ルクMMOTIが上記領域GHの下端境界上に位置する
旨判断された場合にはステップS1104に進む。
【0185】こうしてステップS1104に進んだとき
には、要求出力トルクMMOTIが「0」であってトル
ク比Kが「0」となっている。コンピュータ92は、ス
テップS1104の処理として、全気筒#1〜#4にて
フューエルカットを実行した後、このフューエルカット
処理ルーチンを一旦終了する。
【0186】図20は、本実施形態の点火時期遅角量算
出ルーチンを示すフローチャートである。この点火時期
遅角量算出ルーチンは、エンジンコントロールコンピュ
ータ92を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて
実行される。同ルーチンでは、第1実施形態における点
火時期遅角量算出ルーチン(図8)のステップS501
〜S504に相当する処理(ステップS1201〜S1
204)のみが第1実施形態と異なっている。
【0187】同ルーチンにおいてコンピュータ92は、
ステップS1201の処理として、トルク比Kが「4/
4」以下で「3/4」よりも大きいか否か、即ち要求出
力トルクMMOTIが図21(d)の領域AB内に位置
するか否か判断する。そして、ステップS1201の処
理において、「4/4≧K>3/4」であって要求出力
トルクMMOTIが上記領域AB内に位置する旨判断さ
れた場合には、ステップS1205に進む。コンピュー
タ92は、ステップS1205の処理として、フューエ
ルカットが行われていないときの点火時期遅角量ATQ
RTDを、実際の出力トルクMMOTIと要求出力トル
クMMOTIとの差に応じて求めた後、ステップS12
10に進む。また、ステップS1201の処理におい
て、「4/4≧K>3/4」でなく要求出力トルクMM
OTIが上記領域AB以外に位置する旨判断された場合
には、ステップS1202に進む。
【0188】コンピュータ92は、ステップS1202
の処理として、トルク比Kが「3/4」以下で「2/
4」よりも大きいか否か、即ち要求出力トルクMMOT
Iが図21(d)の領域CD内に位置するか否か判断す
る。そして、ステップS1202の処理において、「3
/4≧K>2/4」であって要求出力トルクMMOTI
が上記領域CD内に位置する旨判断された場合には、ス
テップS1206に進む。コンピュータ92は、ステッ
プS1206の処理として、1番気筒#1にてフューエ
ルカットが行われているときの点火時期遅角量ATQR
TDを、実際の出力トルクMMOTIと要求出力トルク
MMOTIとの差に応じて求めた後、ステップS121
0に進む。また、ステップS1202の処理において、
「3/4≧K>2/4」でなく要求出力トルクMMOT
Iが上記領域CD以外に位置する旨判断された場合に
は、ステップS1203に進む。
【0189】コンピュータ92は、ステップS1203
の処理として、トルク比Kが「2/4」以下で「1/
4」よりも大きいか否か、即ち要求出力トルクMMOT
Iが図21(d)の領域EF内に位置するか否か判断す
る。そして、ステップS1203の処理において、「2
/4≧K>1/4」であって要求出力トルクMMOTI
が上記領域EF内に位置する旨判断された場合には、ス
テップS1207に進む。コンピュータ92は、ステッ
プS1207の処理として、1番及び4番気筒#1,#
4にてフューエルカットが行われているときの点火時期
遅角量ATQRTDを、実際の出力トルクMMOTIと
要求出力トルクMMOTIとの差に応じて求めた後、ス
テップS1210に進む。また、ステップS1203の
処理において、「2/4≧K>1/4」でなく要求出力
トルクMMOTIが上記領域EF以外に位置する旨判断
された場合には、ステップS1204に進む。
【0190】コンピュータ92は、ステップS1204
の処理として、トルク比Kが「1/4」以下で「0」よ
りも大きいか否か、即ち要求出力トルクMMOTIが図
21(d)の領域GH内に位置するか否か判断する。そ
して、ステップS1204の処理において、「1/4≧
K>0」であって要求出力トルクMMOTIが上記領域
GH内に位置する旨判断された場合には、ステップS1
208に進む。コンピュータ92は、ステップS120
8の処理として、1番、3番及び4番気筒#1,#3,
#4にてフューエルカットが行われているときの点火時
期遅角量ATQRTDを、実際の出力トルクMMOTI
と要求出力トルクMMOTIとの差に応じて求めた後、
ステップS1210に進む。また、ステップS1204
の処理において、「2/4≧K>1/4」でなく要求出
力トルクMMOTIが上記領域GHの下端境界上に位置
する旨判断された場合には、ステップS1209に進
む。
【0191】コンピュータ92は、ステップS1209
の処理として、点火時期遅角量ATQRTDを「0」に
する。コンピュータ92は、続くステップS1210の
処理として、上記ステップS1205〜S1209のい
ずれかにて求められた点火時期遅角量ATQRTDをガ
ード値eamfgで遅角側についてガードした後、この
点火時期遅角量算出ルーチンを一旦終了する。
【0192】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、第1実施形態に記載した(1)〜(5)の効果
に加え、以下に示す効果が得られるようになる。 (6)シフト中においてフューエルカットが行われない
領域(図21(d)の領域AB)を大きくとることによ
り、シフト中におけるフューエルカットの実行時間Tを
短くすることができる。この実行時間Tを短くすること
によって、シフト中においてエンジン11からの排気に
含まれる酸素濃度が増加する期間が短くなり、その酸素
濃度増加による排気浄化触媒33aのNOx 浄化能力低
下を極力抑えることができる。
【0193】なお、上記各実施形態は、例えば以下のよ
うに変更することもできる。 ・変速機3のシフト中において、実際の出力トルクMM
OTI2と要求出力トルクMMOTIとを一致させるこ
とは、第1実施形態では点火時期、空燃比及びISCV
開度といった各制御量を制御することによって行われ、
第2実施形態では点火時期という一つの制御量を制御す
ることによって行われるが、本発明はこれに限定されな
い。即ち、上記各種制御量以外のエンジン11を運転制
御するための制御量を調整することで、実際の出力トル
クMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとを一致さ
せてもよい。
【0194】・第1実施形態では、実際の出力トルクM
MOTI2と要求出力トルクMMOTIとを一致させる
ために調整される制御量として、点火時期、空燃比及び
ISCV開度の三種類が用いられているが、本発明はこ
れに限定されない。即ち、それら三種類の制御量の内の
一種類又は二種類を適宜選択して用いたり、別の制御量
を採用して三種類以上としたりしてもよい。
【0195】・変速機3のシフト中に、実際の出力トル
クMMOTI2と要求出力トルクMMOTIとを一致さ
せるための制御量の調整を必ずしも行う必要はない。 ・上記各実施形態において、要求出力トルクMMOTI
と全気筒燃焼時における実際の出力トルクMMOTI2
(s)との比であるトルク比と、同トルク比に応じて記
憶された稼働気筒数情報とに基づき、フューエルカット
する気筒数(稼働気筒数)を決定するのではなく、同気
筒数を計算式により算出して決定するようにしてもよ
い。
【0196】・上記各実施形態では、フューエルカット
中はシフト時増量補正係数f4を「1.3」に固定する
ようにしたが、フューエルカット気筒数等に応じて同係
数f4を可変設定するようにしてもよい。
【0197】・上記各実施形態では、フューエルカット
によるエンジン11の出力ダウンが必要な運転状況とし
て変速機3のシフト時を例示し、そのシフト時に本発明
にかかる制御を適用したが、本発明はこれに限定されな
い。即ち、例えば、自動車のスリップ防止のためにトラ
クションコントロールが行われる場合には、そのトラク
ションコントロールによる出力トルクダウン要求時にフ
ューエルカットが行われるが、こうしたトラクションコ
ントロールが行われるときに本発明にかかる制御を適用
してもよい。
【0198】・上記各実施形態では、直列4気筒のエン
ジン11に本発明を適用したが、その他の気筒数及び気
筒配置形態を有するエンジンに本発明を適用してもよ
い。
【0199】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、稼働気筒
へ供給される燃料の量が増量補正される際、その燃料増
量補正により稼働気筒における混合気の空燃比が所定の
値よりもリッチになるときには同燃料増量補正が制限さ
れるため、上記空燃比が過度にリッチになるのを防止す
ることができる。
【0200】請求項2記載の発明によれば、稼働気筒数
制御とは別の制御にかかる燃料増量補正量が、その稼働
気筒数制御にかかる燃料増量補正量よりも大きいときに
は、その稼働気筒数制御にかかる燃料増量補正が禁止さ
れるため、同燃料増量補正に基づく失火の発生を的確に
防止することができる。
【0201】請求項3記載の発明によれば、稼働気筒数
を制御する際に複雑な計算式を用いることがないため、
稼働気筒数の決定が高速で行われるようになり、同稼働
気筒数制御の制御性が向上するようになる。
【0202】請求項4記載の発明によれば、稼働気筒数
制御により実際の出力トルクを要求された出力トルクに
合わせるだけでなく、内燃機関の運転状態を制御するた
めの各種制御量を増減させることによっても、上記実際
の出力トルクを要求された出力トルクに合わせることが
行われる。従って、的確に実際の出力トルクを要求され
た出力トルクに合わせることができ、それら出力トルク
の不一致に基づくトルクショックの発生を好適に防止す
ることができる。
【0203】請求項5記載の発明によれば、トルク制御
手段が内燃機関の制御量を変化させることで実際の出力
トルクが低下側に変化して要求された出力トルクに近づ
けられるため、所定数の気筒に対する燃料カットによっ
て実際の出力トルクを要求された出力トルクに近づける
ことが短期間ですむようになる。従って、燃料カットが
行われる時間を短くすることで、燃料カット期間中に内
燃機関の排気に含まれる酸素が増加することによるエミ
ッション悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御装置が適用されたエンジン
を搭載する自動車を示す概略図。
【図2】同エンジン全体を示す断面図。
【図3】上記制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】第1実施形態の最終燃料噴射量算出手順を示す
フローチャート。
【図5】同実施形態のフューエルカット判定手順を示す
フローチャート。
【図6】同実施形態のフューエルカット処理手順を示す
フローチャート。
【図7】同実施形態のシフト時補正係数算出手順を示す
フローチャート。
【図8】同実施形態の点火時期遅角量算出手順を示すフ
ローチャート。
【図9】同実施形態の空燃比補正量算出ルーチンを示す
フローチャート。
【図10】同実施形態のISCV閉じ量算出ルーチンを
示すフローチャート。
【図11】同実施形態のISCV開き量算出ルーチンを
示すフローチャート。
【図12】同実施形態における変速機のシフト時におけ
る要求出力トルク、フューエルカット気筒数、実際の出
力トルク、点火時期、空燃比、及びISCV開度の推移
を示すタイムチャート。
【図13】点火時期1°CA遅角当たりのトルクダウン
量MTQRTDを算出する際に参照されるマップ。
【図14】点火時期遅角量のガード値eamfgを算出
する際に参照されるマップ。
【図15】空燃比補正量の単位増量(増量=100%)
当たりのトルクアップ量MTQAFを算出する際に参照
されるマップ。
【図16】単位ISCV開度(1%)当たりのトルク変
化量MISCTQUDを算出する際に参照されるマッ
プ。
【図17】第2実施形態の最終燃料噴射量算出手順を示
すフローチャート。
【図18】同実施形態のフューエルカット判定手順を示
すフローチャート。
【図19】同実施形態のフューエルカット処理手順を示
すフローチャート。
【図20】同実施形態の点火時期遅角量算出手順を示す
フローチャート。
【図21】同実施形態における変速機のシフト時におけ
る要求出力トルク、フューエルカット気筒数、実際の出
力トルク、及び点火時期の推移を示すタイムチャート。
【符号の説明】
11…エンジン、8…ストロークセンサ、14c…クラ
ンクポジションセンサ、24a…スロットルポジション
センサ、26…バイパス通路、27…アイドルスピード
コントロールバルブ(ISCV)、28…バキュームセ
ンサ、34…酸素センサ、50…燃料噴射弁、51…点
火プラグ、53…イグナイタ、92…エンジンコントロ
ールコンピュータ、#1〜#4…1番〜4番気筒。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/36 F02D 41/36 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々燃料が供給される複数の気筒を備えた
    内燃機関にあって、同機関の出力トルクダウンが要求さ
    れたときには、前記気筒に供給される燃料をカットする
    内燃機関の制御装置において、 内燃機関の出力トルクダウンが要求されたとき、実際の
    出力トルクが要求された出力トルクとなるように、任意
    の数の前記気筒に供給される燃料をカットして稼働気筒
    数を制御する稼働気筒数制御手段と、 前記燃料カットが行われたときに稼働気筒へ供給される
    燃料の量を増量補正して、同稼働気筒における混合気の
    空燃比をリッチ側に補正する燃料量補正手段と、 前記燃料量補正手段による燃料量の増量補正に基づき前
    記稼働気筒における空燃比が所定の値よりもリッチにな
    る旨判断されたとき、前記燃料量の増量補正を制限する
    補正制限手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】前記補正制限手段は、稼働気筒数制御にか
    かる前記燃料量補正手段による燃料の増量補正量と、別
    の制御にかかる燃料増量補正量とを比較し、その別の制
    御にかかる燃料増量補正量が前記稼働気筒数制御にかか
    る燃料増量補正量よりも大きいとき、その稼働気筒数制
    御にかかる前記燃料量補正手段による燃料の増量補正を
    禁止する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置
    において、 前記要求された出力トルク及び前記実際の出力トルクに
    応じて設定された稼働気筒数情報を記憶する記憶手段を
    更に備え、前記稼働気筒数制御手段は前記記憶手段に記
    憶された稼働気筒数情報と、前記要求された出力トルク
    及び前記実際の出力トルクとに基づき稼働気筒数を制御
    する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関
    の制御装置において、 内燃機関の出力トルクダウンが要求されたとき、実際の
    出力トルクが要求された出力トルクとなるように、同機
    関の運転状態を制御するための各種制御量を増減させる
    トルク制御手段を更に備えることを特徴とする内燃機関
    の制御装置。
  5. 【請求項5】前記トルク制御手段は、内燃機関における
    実際の出力トルクを要求された出力トルクとすべく、そ
    の実際の出力トルクを低下させる側に前記制御量を変化
    させる請求項4記載の内燃機関の制御装置。
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