JP2000248972A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP2000248972A
JP2000248972A JP11049783A JP4978399A JP2000248972A JP 2000248972 A JP2000248972 A JP 2000248972A JP 11049783 A JP11049783 A JP 11049783A JP 4978399 A JP4978399 A JP 4978399A JP 2000248972 A JP2000248972 A JP 2000248972A
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torque
engine
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fuel injection
inertia
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JP11049783A
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Katsunori Ueda
克則 上田
Taizo Kitada
泰造 北田
Kazuhide Togai
一英 栂井
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 CVTの変速時に車両に発生する瞬間的な加
減速Gを抑制して、良好な走行感を実現できる内燃機関
の燃料噴射制御装置を提供する。 【解決手段】 CVTを変速操作する際のソレノイドの
デューティ率に基づいて、加減速Gの原因となるイナー
シャトルクを算出し(ステップS14)、そのイナーシ
ャトルクにより目標エンジントルクTeを補正する(ス
テップS18)。このように変速制御に用いる情報を利
用するため、加減速Gの発生に遅れることなくエンジン
トルクを制御可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機(以
下、CVTという)を備えた内燃機関(以下、エンジン
という)の燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】近年、燃費低減や走行性能向上等
を目的として、走行中のエンジン回転速度を最適値に保
持可能なCVTが広く採用されている。例えばベルト式
のCVTでは、プライマリプーリとセカンダリプーリを
無端状ベルトで連結し、作動油の供給により両プーリの
変速比を変更するように構成されており、ダウンシフト
制御(変速比増加)やアップシフト制御(変速比減少)
を行うことで、要求されるエンジントルクを確保した上
で無駄な燃料消費を抑制している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、CVTの変
速に伴ってエンジン回転速度が増減する際には、エンジ
ンのイナーシャが車両を加減速させるように作用し、ダ
ウンシフト時には車両に減速Gが、アップシフト時には
加速Gが瞬間的に発生して、運転者に違和感を与えてし
まう。そこで、特公平4−40217号公報に記載の内
燃機関の燃料噴射制御装置では、エンジン回転速度の変
化率に基づいてエンジントルクを補正することにより、
イナーシャの相殺を図っている。
【0004】しかしながら、エンジン回転速度が変化し
た時点では既に車両に加減速Gが作用しているため、制
御の応答性が十分でなく上記した不具合を完全に解消す
ることはできなかった。本発明の目的は、CVTの変速
時に車両に発生する瞬間的な加減速Gを抑制して、良好
な走行感を実現することができる内燃機関の燃料噴射制
御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、アクセル操作量に基づいて内燃機関の
目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、その目標
トルクに基づいて内燃機関を制御するトルク制御手段
と、無段変速機の変速制御手段からの情報に基づき、変
速に伴って車両に作用するイナーシャトルクを推定する
イナーシャトルク推定手段と、そのイナーシャトルクに
より目標トルク設定手段の目標トルクを補正する目標ト
ルク補正手段とを備えている。
【0006】無段変速機の変速時において、車両には内
燃機関のイナーシャによって瞬間的な加減速Gが発生す
るが、このときのイナーシャの影響力と相関する情報、
例えばソレノイドのデューティ率等が変速制御手段から
得られ、その情報から推定されたイナーシャトルクによ
り目標トルクが補正される。このように変速制御に用い
る情報を利用するため、変速比制御に伴って実際に加減
速Gが発生する時点で、遅れることなく機関トルクを制
御可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を筒内噴射型ガソリ
ンエンジンの燃料噴射制御装置に具体化した一実施例を
説明する。図1の全体構成図において、1はエンジンで
あり、燃焼室2や吸気系等が筒内噴射専用に設計されて
いる。エンジン1のシリンダヘッド3には、各気筒毎に
点火プラグ4と共に電磁式の燃料噴射弁5が取り付けら
れており、図示しない燃料ポンプから供給された高圧燃
料が、燃料噴射弁5より燃焼室2内に直接噴射されるよ
うになっている。
【0008】シリンダヘッド3には吸気ポート6が略直
立方向に形成され、この吸気ポート6には吸気通路7が
接続されている。吸気通路7には吸入空気量を調整する
ためのスロットルバルブ8が設けられ、スロットルバル
ブ8はステッパモータ9により開閉駆動されるようにな
っている。吸気通路7から取入れられた吸入空気は、ス
ロットルバルブ8を経て吸気弁10の開弁に伴って吸気
ポート6から燃焼室2内に導入され、その吸入空気中に
燃料噴射弁5から燃料が噴射されて、点火プラグ4の点
火により燃焼する。
【0009】又、シリンダヘッド3には排気ポート15
が略水平方向に形成され、この排気ポート15には排気
通路16が接続されている。燃焼後の排ガスは、排気弁
17の開弁に伴って燃焼室2から排気ポート15、排気
通路16、及び図示しない触媒や消音器を経て大気中に
排出される。エンジン1にはベルト式のCVT21が組
み合わされ、エンジン1のクランクシャフト1aはCV
T21のトルクコンバータ22及びクラッチ23を介し
てプライマリプーリ24に接続されている。プライマリ
プーリ24は無端状ベルト25によりセカンダリプーリ
26と連結され、セカンダリプーリ26は2次減速機構
27及びデファレンシャルギア28を介して駆動輪29
に接続されている。CVT21のオイルポンプ30は伝
達機構31を介してエンジン1のクランクシャフト1a
にて回転駆動され、その作動油はソレノイド32の切換
に応じて前記プライマリプーリ24及びセカンダリプー
リ26に供給される。作動油の供給状態に応じて両プー
リ24,26の変速比が変更され、その結果、駆動輪2
9に伝達されるエンジントルクが調整される。
【0010】車室内には、図示しない入出力装置、制御
プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置
(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(C
PU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユ
ニット)41が設置されており、エンジン1及びCVT
21の総合的な制御を行う。ECU41の入力側には、
運転者によるアクセルペダルの操作量APSを検出する
アクセルセンサ42、エンジン1の回転速度Neを検出
するエンジン回転速度センサ43、エンジン1の冷却水
温Twを検出する水温センサ44、プライマリプーリ2
4の回転速度Npを検出するプライマリ回転速度センサ
45、セカンダリプーリ26の回転速度Nsを検出する
セカンダリ回転速度センサ46等の各種センサ類が接続
されて、それらの検出情報が入力されるようになってい
る。
【0011】ECU41の出力側には、前記した点火プ
ラグ4がイグナイタ51及び点火コイル52を介して接
続されると共に、燃料噴射弁5が接続されている。又、
ECU41の出力側には、ETV−CU(電子スロット
ルバルブ制御ユニット)53が接続され、ETV−CU
53の入力側にはスロットルバルブ8の開度θthを検出
するスロットルポジションセンサ54が接続され、出力
側には前記したステッパモータ9が接続されている。更
に、ECU41の出力側にはCVT21のソレノイド3
2が接続されている。
【0012】ECU41は、各センサからの検出情報に
基づいて以下に述べる各種制御を実行する。エンジン1
の燃料噴射制御に関しては、燃料噴射モード(後述する
ように、燃料噴射を行う行程を表す)及び燃料噴射時間
を決定して、燃料噴射弁5を駆動制御する。点火時期制
御に関しては、イグナイタ51により点火コイルの通電
状態を制御する。スロットル制御に関しては、目標スロ
ットル開度Tθthを決定してETV−CU53側に出力
し、その目標スロットル開度Tθthと実際のスロットル
開度θthに基づいてETV−CU53にステッパモータ
9を駆動制御させる。一方、CVT21の変速比制御に
関しては、ソレノイド32への駆動信号のデューティ率
を制御して、両プーリ24,26の変速比を変更する。
【0013】次に、以上のように構成されたECU41
による燃料噴射制御の実行状況を説明するが、それに先
立って燃料噴射モードの設定について説明する。前記し
た燃料噴射モードは、エンジン負荷を表す目標平均有効
圧Peとエンジン回転速度Neとから図2のマップに従っ
て決定する。図に示すように、目標平均有効圧Pe及び
エンジン回転速度Neが低い領域では圧縮行程噴射リー
ンモードに、それより目標平均有効圧Peとエンジン回
転速度Neが共に高くなるに従って、S−F/Bモー
ド、O/Lモードの順に切換えられる。圧縮行程噴射リ
ーンモードは、圧縮行程で燃料噴射してリーン域(実施
例では、A/F25〜40程度)で空燃比を制御する運
転モード、この圧縮行程噴射リーンモード以外は吸気行
程で燃料噴射する運転モードであって、S−F/Bモー
ドでは理論空燃比で、O/Lモードではリッチ域で空燃
比を制御する運転モードを示している。
【0014】例えば、アイドル運転時や低速走行時のよ
うにエンジン1が低負荷域にあるときには、燃料噴射モ
ードは圧縮行程噴射リーンモードとされて、圧縮行程に
おいて燃料噴射が実施される。一方、中高速走行時のよ
うにエンジン1が中高負荷域にあるときには、燃料噴射
モードはS−F/BモードやO/Lモードとされて、吸
気行程において燃料噴射が実施される。
【0015】一方、ECU41は図3及び図4に示すメ
インルーチンを所定の制御インターバルで実行する。ま
ず、ECU41はステップS2で出力軸回転速度Nout
(即ち、セカンダリ回転速度Nsから減速比を考慮して
求めた車速)及びアクセル操作量APSに基づき、図5
に示すマップに従って駆動輪29に発生させるべき出力
軸トルクToutを決定する。図から明らかなように、ア
クセル操作量APSが大きく運転者の加速要求が高いと
きほど、大きな出力軸トルクToutが設定される。更
に、ステップS4で出力軸トルクToutに出力軸回転速
度Noutを乗算して出力軸馬力Poutに変換する。尚、実
際の出力軸馬力Poutは駆動系の伝達ロスを考慮する必
要があるが、便宜上、以下の説明では伝達ロスを0と仮
定している。
【0016】次いで、ステップS6でリーン許可フラグ
F1がセットされているか否かを判定する。このリーン
許可フラグF1はリーン運転の実行の可否を示す指標と
して、後述するリーン許可判定ルーチンで設定される。
判定がNO(否定)のときには、リーン運転不能として
ステップS8で図6に実線で示すストイキ用マップに従
って出力軸馬力Poutから目標プライマリ回転速度TNp
を決定し、判定がYES(肯定)のときには、リーン運
転可能としてステップS10で図6に破線で示すリーン
用マップに従って目標プライマリ回転速度TNpを決定
する。その後、ステップS12で目標プライマリ回転速
度TNpと実際のプライマリ回転速度Npとに基づいて駆
動信号のデューティ率を決定して、CVT21のソレノ
イド32に出力する。
【0017】図6から明らかなように、出力軸馬力Pou
tが所定以下の領域では、ストイキ用マップに比較して
リーン用マップ側ではより高い目標プライマリ回転速度
TNp(=エンジン回転速度Ne)が決定される。このマ
ップ設定はエンジン1の燃費特性を考慮したものであっ
て、リーン運転時にはストイキ運転時より若干高い回転
域で最小燃費が得られることから、それに合わせてエン
ジン回転速度Neを高めているのである。
【0018】その後、ECU41はステップS14で、
前記ステップS12で決定したソレノイド32のデュー
ティ率に所定の定数を乗算して、CVT21の変速比の
操作に要するイナーシャトルクTiを算出する。後に詳
細するように、このイナーシャトルクTiは、CVT2
1の変速操作時に生ずる車両の加減速Gを相殺するため
の補正値である。次いで、ステップS16で、前記した
出力軸馬力Poutを達成するためのエンジン1側の目標
軸出力P(出力軸馬力Poutから減速比を考慮して求め
た値)を現在のエンジン回転速度Neで除算して、必要
な基本エンジントルクTbaseを算出する。更に、ステッ
プS18でその基本エンジントルクTbaseに前記したイ
ナーシャトルクTiを加算して、目標エンジントルクTe
を算出する。
【0019】更に、ステップS20で図7に実線で示す
ストイキ用マップに従って、現在のエンジン回転速度N
eを前提としてストイキ運転時に実現可能な最大トルク
STmaxを決定すると共に、同様に図7に一点鎖線で示
すエンリッチ用マップに従って、O/Lモードでのエン
リッチ運転時に実現可能な最大トルクRTmaxを決定す
る。次いで、ステップS22で、前記ステップS18で
求めた目標エンジントルクTeがストイキ運転時の最大
トルクSTmaxを越えているか否かを判定し(Te>ST
max)、NOのときにはステップS24に移行する。ス
テップS24で目標エンジントルクTeを目標平均有効
圧Peに換算し、その目標平均有効圧Peに基づいてエン
ジン1の空燃比、スロットル開度θth、燃料噴射時期、
点火時期、図示しないEGRバルブの開度等を制御した
後、このルーチンを終了する。
【0020】又、ステップS22の判定がYESのとき
には、ステップS26で目標エンジントルクTeがエン
リッチ運転時の最大トルクRTmaxに所定値αを加算し
た値を越えているか否かを判定する(Te>RTmax+
α)。判定がYESのときには、エンリッチ運転を行っ
ても目標エンジントルクTeを実現不可能なことを意味
するが、この場合は最大のエンジントルクが得られるエ
ンリッチ運転を行う他はないため、ステップS28でエ
ンリッチ運転時の最大トルクRTmaxを目標エンジント
ルクTeとして設定すると共に、目標空燃比をエンリッ
チ側に設定し、前記ステップS24に移行する。
【0021】更に、前記ステップS26の判定がNOの
ときには、目標エンジントルクTeがストイキ運転時の
最大トルクSTmaxからエンリッチ運転時の最大トルク
RTmax+αの範囲内にある状況を意味する。このとき
にはステップS30に移行して、ディレーフラグF2が
セットされているか否かを判定する。このディレーフラ
グF2は現在のエンジン1の耐ノック性を示す指標とし
て、後述するディレー判定ルーチンで設定される。ステ
ップS30の判定がNOのときには、耐ノック性が期待
できない運転状況にあると見なして、前記ステップS2
8を経てステップS24に移行する。
【0022】又、ステップS30の判定がYESのとき
には、耐ノック性が期待できる運転状況にあると見なし
てステップS32に移行する。そして、ストイキ運転時
の最大トルクSTmaxを目標エンジントルクTeとして設
定し、目標空燃比を理論空燃比に設定すると共に、燃料
噴射モードとして2段混合を設定し、前記ステップS2
4に移行する。詳細は説明しないが、この2段混合は燃
料噴射を吸気行程と圧縮行程に分割して実行し、スモー
クの発生を防止した上でノッキングを抑制するための噴
射処理である。
【0023】そして、本実施例では以上のステップS1
6の処理を実行するときのECU41が目標トルク設定
手段として機能し、ステップS24の処理を実行すると
きのECU41がトルク制御手段として機能し、ステッ
プS2乃至ステップS12の処理を実行するときのEC
U41が変速制御手段として機能し、ステップS14の
処理を実行するときのECU41がイナーシャトルク推
定手段として機能し、ステップS18の処理を実行する
ときのECU41が目標トルク補正手段として機能す
る。
【0024】一方、ECU41は図8に示すリーン許可
判定ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。ま
ず、ECU41はステップS42で冷却水温Twが所定
値Tw0以下か否かを、ステップS44で前記した各種セ
ンサのフェール発生か否かを判定し、いずれかでYES
と判定したときには、ステップS46で前記したリーン
許可フラグF1をクリアした後、このルーチンを終了す
る。又、ステップS42及びステップS44のいずれも
NOと判定したときには、ステップS48でリーン許可
フラグF1をセットした後、このルーチンを終了する。
【0025】又、ECU41は図9に示すディレー判定
ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。まず、
ECU41はステップS52でディレーカウンタCが0
か否かを判定し、YESのときにはステップS54でデ
ィレーカウンタCをインクリメントした後にステップS
56に移行し、NOのときには直接ステップS56に移
行する。この処理はディレーカウンタCの下限を0にガ
ードするためものものである。
【0026】次いで、ステップS56で、現在のエンジ
ン1の目標平均有効圧Peが予め設定されたストイキ運
転時の最大値Pe0を越えているか否かを判定する。YE
SのときにはステップS58でディレーカウンタCをデ
クリメントし、ステップS60でディレーフラグF2を
クリアした後、このルーチンを終了する。一方、前記ス
テップS56の判定がNOのときには、ステップS62
でディレーカウンタCをインクリメントした後に、ステ
ップS64でディレーカウンタCが所定値C0に達した
か否かを判定し、NOのときには前記ステップS60に
移行する。又、ステップS64の判定がYESのときに
はステップS66でディレーフラグF2をセットすると
共に、ディレーカウンタCをデクリメントする。
【0027】目標平均有効圧Peがストイキ最大値Pe0
以下のときにはストイキ運転又はリーン運転が推測さ
れ、このような運転状態が所定値C0相当分継続した場
合には、エンジン1の発熱量に余裕があり耐ノック性を
期待できる状況が推測できる。ディレーフラグF2は、
エンジン1がこのような運転状態にあるときにセットさ
れる。つまり、前記ステップS26の判定がNOの場
合、本来はステップS28のエンリッチ運転を実行すべ
きであるが、運転者が要求する目標エンジントルクTe
が最大トルクRTmaxを多少越えているだけのため、こ
の場合にはステップS32の2段混合でノッキングを抑
制した上で点火進角することで、要求に近い加速性を実
現した上で、ストイキ運転による燃費の向上を図ってい
るのである。
【0028】以上説明した処理により、加速時には以下
のように目標エンジントルクTeが制御される。車両の
定速走行中にアクセル操作が行われると、アクセル操作
量APSの増加に伴ってステップS2で出力軸トルクT
outが、ステップS4で出力軸馬力Poutがそれぞれ増加
設定され、ステップS8又はステップS10でより高い
目標プライマリ回転速度TNpが決定される。この目標
プライマリ回転速度TNpに基づき、CVT21がダウ
ンシフト側に制御されてエンジン回転速度Neが上昇
し、要求されるエンジントルクが確保される。
【0029】このCVT21の変速時において、車両に
はエンジン1のイナーシャによる瞬間的な減速Gが発生
し、このときのイナーシャの影響力は変速比の操作速
度、つまりソレノイド32への駆動信号のデューティ率
と相関すると見なすことができる。ステップS14で
は、デューティ率をエンジントルク相当に換算するため
に定数が乗算され、得られたイナーシャトルクTiによ
りステップS18で目標エンジントルクTeが増加設定
される。図10では、イナーシャトルクTiを考慮しな
い従来技術を実線で、考慮した本実施例を破線で示して
いるが、以上の制御により、変速比操作のために所定デ
ューティ率が適用されている間は、それに応じて目標エ
ンジントルクTeが増加設定され、これによりイナーシ
ャが相殺されて出力軸トルクToutはなだらかに増加
し、瞬間的な減速Gを生ずることなく加速が開始され
る。
【0030】又、減速時には、イナーシャトルクTiに
よる補正方向が逆になるだけであり、デューティ率に応
じて負のイナーシャトルクTiが算出され、それに応じ
て目標エンジントルクTeが減少設定されて、瞬間的な
加速Gが抑制される。尚、イナーシャトルクTiの算出
時に用いる定数は予め台上試験等で設定されたものであ
り、言うまでもないが、エンジン1やCVT21の仕様
等に応じて異なる。
【0031】ここで、本実施例では、CVT21の変速
に用いるデューティ率に基づいて目標エンジントルクT
eを補正していることから、変速比操作により実際に加
減速Gが発生する時点では既に目標エンジントルクTe
の補正が完了し、その加減速Gを抑制可能なエンジント
ルクに制御されている。従って、制御遅れを生じること
なく変速時の瞬間的な加減速Gを確実に抑制して、極め
て良好な走行感を実現することができる。
【0032】ところで、上記実施例では、ベルト式CV
T21と組み合わせた筒内噴射型ガソリンエンジン1の
燃料噴射制御装置に具体化したが、エンジンの型式やC
VTの作動原理等はこれに限定されることはなく、例え
ば、通常の吸気マニホールド内に燃料噴射するエンジン
の燃料噴射装置に具体化してもよい。又、上記実施例で
は、目標エンジントルクTeを達成するためにエンジン
1の空燃比、スロットル開度θth、燃料噴射時期、点火
時期、EGR開度等を総合的に制御したが、加減速Gを
抑制すべくエンジントルクを調整可能なものであれば、
そのトルク調整の手段は限定されない。従って、例えば
イナーシャトルクTiを目標スロットル開度Tθthに反
映させて、スロットル制御のみによりエンジントルクを
調整するように構成してもよい。
【0033】更に、上記実施例では、ソレノイド32へ
の駆動信号のデューティ率に基づいてイナーシャトルク
Tiを算出したが、CVT21の変速比の操作速度と相
関するパラメータであれば、これに限定されるものでは
ない。従って、例えばデューティ率に応じてCVT21
に発生する油圧をセンサにて検出し、その検出値からイ
ナーシャトルクTiを算出するようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の内燃機関の
燃料噴射制御装置によれば、CVTの変速時に車両に発
生する瞬間的な加減速Gを抑制して、良好な走行感を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の内燃機関の燃料噴射制御装置を示す全
体構成図である。
【図2】燃料噴射モードを決定するためのマップを示す
説明図である。
【図3】ECUが実行するメインルーチンを示すフロー
チャートである。
【図4】ECUが実行するメインルーチンを示すフロー
チャートである。
【図5】出力軸トルクToutを決定するためのマップを
示す説明図である。
【図6】目標プライマリ回転速度TNpを決定するため
のマップを示す説明図である。
【図7】最大トルクSTmax,RTmaxを決定するための
マップを示す説明図である。
【図8】ECUが実行するリーン許可判定ルーチンを示
すフローチャートである。
【図9】ECUが実行するディレー判定ルーチンを示す
フローチャートである。
【図10】加速時の目標エンジントルクTeの設定状況
を示すタイムチャートである。
【符号の説明】 1 エンジン(内燃機関) 21 CVT(無段変速機) 41 ECU(目標トルク設定手段、トルク制御手段、
変速制御手段、イナーシャトルク推定手段、目標トルク
補正手段)
フロントページの続き (72)発明者 栂井 一英 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA53 AC01 AC20 AD10 AD37 AE02 AE03 AE04 AE07 AE09 AE31 3G093 AA06 AB00 BA03 CB08 DA06 DB11 EA00 EA02 EA04 EA05 EA09 EA13 EB03 FA10 FA11 FB04 3G301 HA01 HA04 HA13 HA15 JA04 JA22 KB10 LA00 LA03 LC03 MA01 MA11 MA19 MA26 NC04 NE13 NE21 PE08Z PF03Z PF08Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともアクセル操作量に基づいて内
    燃機関の目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、 上記目標トルク設定手段にて設定された目標トルクに基
    づいて内燃機関を制御するトルク制御手段と、 無段変速機の変速比を制御する変速制御手段からの情報
    に基づき、変速に伴って車両に作用するイナーシャトル
    クを推定するイナーシャトルク推定手段と、 上記イナーシャトルク推定手段にて推定されたイナーシ
    ャトルクにより、上記目標トルク設定手段の目標トルク
    を補正する目標トルク補正手段とを備えたことを特徴と
    する内燃機関の燃料噴射制御装置。
JP11049783A 1999-02-26 1999-02-26 内燃機関の燃料噴射制御装置 Pending JP2000248972A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002147263A (ja) * 2000-11-07 2002-05-22 Mitsubishi Motors Corp ハイブリッド車両の制御装置
JP2002152908A (ja) * 2000-11-07 2002-05-24 Mitsubishi Motors Corp ハイブリッド車両の制御装置
EP1186462A3 (en) * 2000-09-08 2004-08-04 Visteon Global Technologies, Inc. Engine output and gear transmission ratio controller
EP1686030A1 (de) * 2005-01-28 2006-08-02 Voith Turbo GmbH & Co. KG Verfahren zur Steuerung des Anfahrvorganges in einem Antriebsstrang eines Fahrzeuges

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