JP3709684B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、使用燃料のオクタン価に変更(ハイオクからレギュラー)に伴うプレイグニッションの発生を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、火花点火機関をある燃料で運転し、体積効率を上げたり、点火時期を早くすると、ノッキングが発生し、機関の過熱と性能低下を来し、機関の損傷の発生の虞がある。
この現象に対するアンチノック性はガソリン燃料のオクタン価によって表され、市販されるガソリン燃料のオクタン価は、通常、普通ガソリン(以下、レギュラー)では83オクタン、スーパーガソリン(以下、ハイオク)では、93オクタンである。
【0003】
機関の熱効率の点からはノック領域に入らない範囲でできる限り燃焼速度を速くすることが必要であり、この点でノックが発生しない限り、点火時期を進めて燃焼を制御する機関にあってはハイオクはオクタン価が高いため有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ハイオクの使用を前提として設計された機関を搭載した車両(以下、ハイオク車)に、誤ってレギュラーを使用した場合、或いはハイオクが入手できず、やむおえず、レギュラーを使用した場合に、ハイオクとのアンチノック性の違いゆえにプレイグニッションなる現象が発生する場合がある。
【0005】
このプレイグニッションは過早着火と称されるものであり、点火プラグにて着火する前に混合気が熱的に温度の高い部分に触れて着火する現象(自着火反応現象)である。
このプレイグニッションは、点火プラグにて着火して発生する火炎とは違って、急速に燃焼するため、異音が発生し、機関の損傷の発生の虞もある。
【0006】
かかるプレイグニッションは、機関がアイドル状態で低回転からのアクセルの急踏み込み時に発生する。
即ち、機関の低回転時は1サイクルの時間がゆっくりで、燃料が熱的に高い温度の部分に触れる時間が相対的に長いため、即ち、自着火反応時間が長いため、プレイグニッションが発生する。
【0007】
又、プレイグニッションは、機関運転状態が高負荷時で大量空気の圧縮(体積効率ηνの増大)で発生し易い。
このような条件で発生するプレイグニッションは、数サイクル分だけ発生し、機関回転上昇によって、又、高負荷領域から抜け出すことにより、発生しなくなる。
【0008】
こうしたプレイグニッションの発生を防止するには、アイドル回転数の高設定化、体積効率ダウン、吸入空気量ダウン、カムプロフィール変更等を行えば良いが、機関に対するハードウェア的な変更が必要であり、燃費の悪化や、例えば、完成された機関では対応が困難である等の問題があり、有効な方策とは言えない。
【0009】
本発明は以上のような従来の課題を解決するためになされたものであり、例えば、ハイオクの使用を前提として設計された機関を搭載した車両に、レギュラーを使用した場合に、ハイオクとのアンチノック性の違いゆえにプレイグニッションなる現象が発生するのを防止することを目的とし、特に、機関に対するハードウェア的な変更ではなく、制御ロジックの変更によって、プレイグニッション発生に対処した内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は、図1(A)に示すように、
機関のアイドル運転時に、機関回転速度を目標アイドル回転速度に近づけるようにフィードバック制御するアイドル回転フィードバック制御手段を備えた内燃機関において、
機関に使用された燃料がハイオクであるかレギュラーであるかを判定する燃料判定手段と、
機関の運転条件を含む設定条件に応じて前記目標アイドル回転速度を設定する目標アイドル回転速度設定手段を含んで構成され、
前記目標アイドル回転速度設定手段は、前記燃料判定手段によりその設定条件の1つとしてのレギュラーが判定されたときにハイオクが判定されたときよりも高い目標アイドル回転速度を設定する構成である
ことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、図1(B)に示すように、
機関の運転条件に応じて目標空気量を設定すると共に、該目標空気量をスロットル弁の目標開口面積に変換して、該目標開口面積になるようにスロットル弁をアクチュエータで開閉する電制スロットルシステムを備え、機関の運転条件を含む所定条件に応じてアクセル開度を上限リミッタ値に制限処理するアクセル開度制限処理手段を備えた内燃機関において、
機関に使用された燃料がハイオクであるかレギュラーであるかを判定する燃料判定手段と、
機関の運転条件を含む設定条件に応じて前記アクセル開度の上限リミッタ値を設定するアクセル開度上限リミッタ値設定手段を含んで構成され、
前記アクセル開度上限リミッタ値設定手段は、前記燃料判定手段によりその設定条件の1つとしてのレギュラーが判定されたときにハイオクが判定されたときよりも小なるアクセル開度上限リミッタ値を設定する構成である
ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、図1(C)に示すように、
機関の運転条件に応じて目標空気量を設定すると共に、該目標空気量をスロットル弁の目標開口面積に変換して、該目標開口面積になるようにスロットル弁をアクチュエータで開閉する電制スロットルシステムを備え、機関のアイドル運転時に、機関回転速度を目標アイドル回転速度に近づけるように前記目標空気量をフィードバック制御するアイドル回転フィードバック制御手段と、機関の運転条件を含む所定条件に応じてアクセル開度を上限リミッタ値に制限処理するアクセル開度制限処理手段と、を備えた内燃機関において、
機関に使用された燃料がハイオクであるかレギュラーであるかを判定する燃料判定手段と、
機関の運転条件を含む設定条件に応じて前記目標アイドル回転速度を設定する目標アイドル回転速度設定手段と、
機関の運転条件を含む設定条件に応じて前記アクセル開度の上限リミッタ値を設定するアクセル開度上限リミッタ値設定手段と、
を含んで構成され、
前記目標アイドル回転速度設定手段は、前記燃料判定手段によりその設定条件の1つとしてのレギュラーが判定されたときにハイオクが判定されたときよりも高い目標アイドル回転速度を設定する構成であり、
前記アクセル開度上限リミッタ値設定手段は、前記燃料判定手段によりその設定条件としてのレギュラーが判定されたときにハイオクが判定されたときよりも小なるアクセル開度上限リミッタ値を設定する構成である
ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、
前記目標アイドル回転速度の設定条件は、機関冷却水温、補機負荷入・切、変速機の状態、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を含むことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、
前記アクセル開度上限リミッタ値の設定条件は、機関回転速度、変速機の状態、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、
前記燃料判定手段は、機関本体に発生するノック振動をノッキング検出手段により検出し、この検出結果に基づいて、ノック振動が所定値以上の場合にレギュラーと判定し、所定値未満の場合にハイオクと判定する構成であることを特徴とする。
【0015】
かかる本発明の作用について説明する。
機関の低回転時は1サイクルの時間がゆっくりで、燃料が熱的に高い温度の部分に触れる時間が相対的に長いため、即ち、自着火反応時間が長いため、又、機関運転状態が高負荷時で大量空気の圧縮(体積効率ηνの増大)でプレイグニッションが発生し易い。
【0016】
請求項1及び3に係る発明において、ハイオク使用時に対してレギュラー使用時に、目標アイドル回転速度が高く設定され、請求項2及び3に係る発明において、アクセル開度を制限するアクセル開度上限リミッタ値が小さく設定される。従って、自着火反応時間の短縮化と回転上昇時の体積効率ηνの低下を図れ、プレイグニッションの発生が抑制される。
【0017】
請求項4に係る発明において、目標アイドル回転速度は、機関冷却水温、補機負荷入・切、変速機の状態、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を含む設定条件により設定される。
請求項5に係る発明において、アクセル開度上限リミッタ値は、機関回転速度、変速機の状態、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を含む設定条件により設定される。
【0018】
請求項6に係る発明において、ハイオク使用時とレギュラー使用時は、機関本体に発生するノック振動に基づいて判定される。
【0019】
【発明の効果】
請求項1〜3に係る発明によれば、ハイオクの使用を前提として設計された機関を搭載したハイオク車に、レギュラーを使用した場合にあっても、プレイグニッションなる現象が発生するのを抑制することができ、異音の発生を抑制でき、機関の損傷の発生の虞を回避することができ、しかも、制御ロジックの変更によって対応できるため、機関に対するハードウェア的な変更が不要であり、例えば、完成された機関でも対応が容易である等の利点があると共に、燃費の悪化の心配もない。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、目標アイドル回転速度を、機関冷却水温、補機負荷入・切、変速機の状態、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を含む設定条件により的確に設定できる。
請求項5に係る発明によれば、アクセル開度上限リミッタ値を、機関回転速度、変速機の状態、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を含む設定条件により的確に設定できる。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、ハイオク使用時とレギュラー使用時は、機関本体に発生するノック振動に基づいて的確に判定できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一の実施の形態を適用する内燃機関の制御システムの構成図であり、この図に示す内燃機関1は、各気筒毎に筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁2を備えると共に、各気筒毎に点火プラグを備えた直噴ガソリン機関(直噴式火花点火機関)である。
【0023】
前記燃料噴射弁2は、マイクロコンピュータを内蔵したコントロールユニット3からの噴射パルス信号に応じて各気筒毎に制御されるようになっている。又、各点火プラグ4には夫々にイグニッションコイル5が備えられ、前記コントロールユニット3からの点火信号に応じてパワトラユニット6が各イグニッションコイル5の1次側への通電をON・OFFして各気筒毎に点火時期が制御されるようになっている。
【0024】
一方、機関の吸入空気量を制御するスロットル弁8を、コントロールユニット3で制御されるアクチュエータとしてのモータ13によって開閉駆動する電制スロットルシステムが備えられている。
前記コントロールユニット3には、燃料噴射制御、点火時期制御、スロットル開度制御等のために各種センサからの検出信号が入力される。
【0025】
前記各種センサとしては、吸入空気流量を検出するエアフローメータ7、スロットル弁8の開度を検出するスロットルセンサ9、クランク角を検出するクランク角センサ10、冷却水温度を検出する水温センサ12、排気中の酸素濃度に基づいて燃焼混合気の平均空燃比を検出する酸素センサ13、車速を検出する車速センサ14,変速機のニュートラル状態を検出するニュートラルスイッチ15、変速機のリバース状態を検出するリバーススイッチ16、補機負荷としてのエアコンディショナ(エアコン)スイッチ17、アクセル開度センサ18等が設けられている。
【0026】
ここで、コントロールユニット3は、前記スロットル弁8の開度を次のようにして電子制御する。
先ず、アクセル開度、機関回転速度等に基づいて目標空気量を演算する。この目標空気量の演算には、基準目標空気量の演算及び該基準目標空気量の補正による最終的な目標空気量の設定を含む。
【0027】
前記目標空気量は、スロットル開口面積に換算され、更に、前記開口面積をスロットル弁8の目標開度に換算する。
そして、前記スロットル弁8の開度を検出するスロットルセンサ9で検出される実際のスロットル開度が前記目標開度に一致するように、スロットルアクチュエータとしてのモータ13をフィードバック制御する。
【0028】
更に、コントロールユニット3は、アイドル運転時に、機関回転速度が目標アイドル回転速度に近づくようにフィードバック補正空気量を積分制御によって設定し、該フィードバック補正空気量によって前記目標空気量(基準目標空気量)を補正する。
かかるコントロールユニット3の機能がアイドル回転フィードバック制御手段に相当する。
【0029】
又、コントロールユニット3は、機関の運転条件を含む設定条件に応じてアクセル開度を上限リミッタ値に制限するアクセル開度制限手段としての機能を具備している。
次に、本発明の概念について説明する。
従来技術の項でも述べたように、ハイオク車に、レギュラーを使用した場合に発生するプレイグニッションは、機関がアイドル状態で低回転からのアクセルの急踏み込み時に発生する場合がある。
【0030】
従って、かかるプレイグニッションを回避するには、ハイオク使用時に対してレギュラー使用時に、
(1)アイドル回転速度を高く設定する。
(2)アクセル開度を制限するアクセル開度上限リミッタ値を小さく設定する。
という制御を実行する。
【0031】
図3は、ハイオク車におけるレギュラー使用時のアイドル回転速度とノック音発生率との関係を実験によって求めたグラフであり、アイドル回転速度が低い場合にはノック音発生率が高く、アイドル回転速度を高くするに従ってノック音発生率が低減する。
即ち、自着火反応時間の短縮化によって、プレイグニッションを回避できる。
【0032】
又、図4は、ハイオク車におけるレギュラー使用時のアクセル踏み込みブースト圧(吸入負圧)とノック音発生率との関係を実験によって求めたグラフであり、アクセル踏み込みブースト圧が高い場合にはノック音発生率が高く、アクセル踏み込みブースト圧が低くなるに従ってノック音発生率が低減する。
即ち、機関回転上昇時の体積効率の低減化によって、プレイグニッションを回避できる。
【0033】
この場合、上記の実験グラフによれば、ノック音発生率を0%とするアイドル回転速度並びにアクセル踏み込みブースト圧が存在し、このアイドル回転速度並びにアクセル踏み込みブースト圧への設定により、ノック音を回避できるが、アイドル回転速度アップ並びにアクセル踏み込みブースト圧ダウンは、夫々燃費の悪化並びに加速時の運転性悪化という跳ね返りがある。
【0034】
このため、実際にはこの跳ね返りとの兼ね合いで、アイドル回転速度アップとアクセル踏み込みブースト圧ダウンの設定を適宜行うのが好ましい。
一例として、ハイオク使用時のアイドル回転速度550rpmに対して、レギュラー使用時のアイドル回転速度650rpmに設定する。
又、ハイオク使用時のアクセル踏み込みブースト圧30(−mmHg)に対して、レギュラー使用時のアクセル踏み込みブースト圧50(−mmHg)に設定する。
【0035】
次に、上記の本発明の制御の具体的内容について説明する。
アイドル回転速度の設定値を次のようにする。
例えばA/T(オートマチックトランスミッション)車において、
エアコンスイッチON或いはOFF
ニートラルスイッチOFF
リバーススイッチOFF
のときに、レギュラー状態とハイオク状態とでアイドル回転速度を別設定可能とする。
【0036】
アクセル踏み込みブースト圧の設定に際してのアクセル開度制限処理に係わる1速トルクダウン制御を次のようにする。
トランスミッションのギアポジションが1速時
アクセル開度の上限リミッタ値の検索テーブル値をレギュラーとハイオクとで別設定して検索する。
【0037】
トランスミッションのギアポジションが2速時
レギュラー時のみアクセル開度の上限リミッタ値の検索テーブル値を参照する。
次に、上記の制御内容を図5及び図6のフローチャートに従って説明する。
図5は、目標アイドル回転速度の算出(設定)ルーチンであり、ステップ1にて、目標アイドル回転速度の算出(設定)条件を入力する。
【0038】
目標アイドル回転速度の算出条件は、機関冷却水温、エアコンスイッチのON・OFF、変速機の状態としてのニュートラルスイッチ及びリバーススイッチのON・OFFに加え、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を新たな条件とし、レギュラー状態とハイオク状態とでアイドル回転速度を別設定可能にする。
【0039】
即ち、前述したように、アイドル回転速度の設定値を次のようにする。
A/T(オートマチックトランスミッション)車において、
エアコンディショナ(エアコン)スイッチON或いはOFF
ニートラルスイッチOFF
リバーススイッチOFF
のときに、レギュラー状態とハイオク状態とでアイドル回転速度を別設定する。
【0040】
ステップ2では、入力された目標アイドル回転速度の算出条件に基づいて目標アイドル回転速度を算出設定する。
図6は、アクセル開度リミッタ値の算出(設定)ルーチンであり、ステップ11にて、アクセル開度上限リミッタ値の算出(設定)条件を入力する。
アクセル開度上限リミッタ値の算出条件は、機関回転速度、変速機の状態としてのギヤポジションに加え、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を新たな条件とし、レギュラー状態とハイオク状態とでアクセル開度上限リミッタ値を別設定可能にする。即ち、例えば、上記のように、ギアポジションが1速時にアクセル開度の上限リミッタ値の検索テーブル値をレギュラーとハイオクとで別設定して検索し、トランスミッションのギアポジションが2速時には、レギュラー時のみアクセル開度の上限リミッタ値の検索テーブル値を参照する。
【0041】
尚、有効径が連続的に変化可能な2つのプーリと、両プーリ間に巻き掛けられるベルトとを備え、一方のプーリのアクチュエータにはライン圧(被駆動側流体圧)を供給し、他方のプーリのアクチュエータには変速制御のためにライン圧を元圧とし変速制御弁(流量制御弁)を介して所定圧に調整した変速圧(駆動側流体圧)を供給して無段変速を行う無段変速機(CVT)を備えたものにおいては、上記ギヤポジションに代えて、所定のギヤ比以下でアクセル開度リミッタ値を設定する。
【0042】
ステップ12では、入力されたアクセル開度リミッタ値の算出条件に基づいてアクセル開度リミッタ値を算出設定する。
ここで、上記の目標アイドル回転速度の算出ルーチン及びアクセル開度リミッタ値の算出ルーチンにおいて、レギュラー状態かハイオク状態かの判定は、例えば、機関本体に発生するノック振動をノッキング検出手段としてのノッキングセンサ19(図2参照)により検出し、この検出結果に基づいて、ノック振動が所定値以上の場合にレギュラーと判定し、所定値未満の場合にハイオクと判定すれば良い。
【0043】
かかる構成によると、ハイオクの使用を前提として設計された機関を搭載したハイオク車に、レギュラーを使用した場合にあっても、プレイグニッションなる現象が発生するのを抑制することができる。
即ち、機関の低回転時は1サイクルの時間がゆっくりで、燃料が熱的に高い温度の部分に触れる時間が相対的に長いため、即ち、自着火反応時間が長いため、又、機関運転状態が高負荷時で大量空気の圧縮(体積効率ηνの増大)でプレイグニッションが発生し易い。
【0044】
上記の構成によると、ハイオク使用時に対してレギュラー使用時に、アイドル回転速度を高く設定すると共に、アクセル開度を制限するアクセル開度上限リミッタ値を小さく設定するようにしたから、自着火反応時間の短縮化と回転上昇時の体積効率ηνの低下を図れ、プレイグニッションの発生を抑制できる結果、異音の発生を抑制でき、機関の損傷の発生の虞を回避することができる。
【0045】
又、制御ロジックの変更によって対応できるため、機関に対するハードウェア的な変更が不要であり、例えば、完成された機関でも対応が容易である等の利点があると共に、レギュラー使用時のみにアイドル回転速度が高められるだけであるから、燃費の悪化の心配もない。
尚、上記の説明においては、ハイオク使用時に対してレギュラー使用時に、アイドル回転速度を高く設定すると共に、アクセル開度を制限するアクセル開度上限リミッタ値を小さく設定するようにしたが、アイドル回転速度の高設定と、アクセル開度上限リミッタ値の小設定と、のいずれか一方を行うようにしても良い。
【0046】
又、上記の説明においては、本発明を直噴ガソリン機関(直噴式火花点火機関)に適用した例について説明したが、これに限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)〜(C)は本発明に係る内燃機関の制御装置のクレーム対応図
【図2】 本発明の一の実施の形態を適用する機関の制御システムの構成図
【図3】 レギュラー使用時のアイドル回転速度とノック音発生率との関係を実験によって求めたグラフ
【図4】 レギュラー使用時のアクセル踏み込みブースト圧(吸入負圧)とノック音発生率との関係を実験によって求めたグラフ
【図5】 目標アイドル回転速度の算出(設定)ルーチンを説明するフローチャート
【図6】 アクセル開度リミッタ値の算出(設定)ルーチンを説明するフローチャート
【符号の説明】
1 内燃機関
2 燃料噴射弁
3 コントロールユニット
7 エアフローメータ
8 スロットル弁
10 クランク角センサ
13 モータ
18 アクセル開度センサ
Claims (6)
- 機関回転速度を目標アイドル回転速度に近づけるようにフィードバック制御するアイドル回転フィードバック制御手段を備えた内燃機関において、
機関に使用された燃料がハイオクであるかレギュラーであるかを判定する燃料判定手段と、
機関の運転条件を含む設定条件に応じて前記目標アイドル回転速度を設定する目標アイドル回転速度設定手段を含んで構成され、
前記目標アイドル回転速度設定手段は、前記燃料判定手段によりその設定条件の1つとしてのレギュラーが判定されたときにハイオクが判定されたときよりも高い目標アイドル回転速度を設定する構成である
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 機関の運転条件に応じて目標空気量を設定すると共に、該目標空気量をスロットル弁の目標開口面積に変換して、該目標開口面積になるようにスロットル弁をアクチュエータで開閉する電制スロットルシステムを備え、機関の運転条件を含む所定条件に応じてアクセル開度を上限リミッタ値に制限処理するアクセル開度制限処理手段を備えた内燃機関において、
機関に使用された燃料がハイオクであるかレギュラーであるかを判定する燃料判定手段と、
機関の運転条件を含む設定条件に応じて前記アクセル開度の上限リミッタ値を設定するアクセル開度上限リミッタ値設定手段を含んで構成され、
前記アクセル開度上限リミッタ値設定手段は、前記燃料判定手段によりその設定条件の1つとしてのレギュラーが判定されたときにハイオクが判定されたときよりも小なるアクセル開度上限リミッタ値を設定する構成である
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 機関の運転条件に応じて目標空気量を設定すると共に、該目標空気量をスロットル弁の目標開口面積に変換して、該目標開口面積になるようにスロットル弁をアクチュエータで開閉する電制スロットルシステムを備え、機関のアイドル運転時に、機関回転速度を目標アイドル回転速度に近づけるように前記目標空気量をフィードバック制御するアイドル回転フィードバック制御手段と、機関の運転条件を含む所定条件に応じてアクセル開度を上限リミッタ値に制限処理するアクセル開度制限処理手段と、を備えた内燃機関において、
機関に使用された燃料がハイオクであるかレギュラーであるかを判定する燃料判定手段と、
機関の運転条件を含む設定条件に応じて前記目標アイドル回転速度を設定する目標アイドル回転速度設定手段と、
機関の運転条件を含む設定条件に応じて前記アクセル開度の上限リミッタ値を設定するアクセル開度上限リミッタ値設定手段と、
を含んで構成され、
前記目標アイドル回転速度設定手段は、前記燃料判定手段によりその設定条件の1つとしてのレギュラーが判定されたときにハイオクが判定されたときよりも高い目標アイドル回転速度を設定する構成であり、
前記アクセル開度上限リミッタ値設定手段は、前記燃料判定手段によりその設定条件としてのレギュラーが判定されたときにハイオクが判定されたときよりも小なるアクセル開度上限リミッタ値を設定する構成である
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記目標アイドル回転速度の設定条件は、機関冷却水温、補機負荷入・切、変速機の状態、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を含むことを特徴とする請求項1又は3記載の内燃機関の制御装置。
- 前記アクセル開度上限リミッタ値の設定条件は、機関回転速度、変速機の状態、ハイオクであるかレギュラーであるかの判定結果を含むことを特徴とする請求項2又は3記載の内燃機関の制御装置。
- 前記燃料判定手段は、機関本体に発生するノック振動をノッキング検出手段により検出し、この検出結果に基づいて、ノック振動が所定値以上の場合にレギュラーと判定し、所定値未満の場合にハイオクと判定する構成であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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