JP2015007396A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加速の程度にかかわらず、全加速領域において、ドライバビリティを損なうことなく、燃費を最大限まで高めることが可能なエンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】 エンジンの制御装置を構成するECU50は、加速時のドライバビリティを優先して設定された加速優先EGRマップ、及び燃費を優先して設定された燃費優先EGRマップを記憶する記憶部51と、アクセルペダル開度から求められる要求トルク比の変化率に基づいて、加速の程度を判定する加速判定部52と、エンジン10の回転変動に基づいて、サージのレベルを判定するサージ判定部53と、加速の程度及びサージのレベルに応じて、加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率を変えて、EGR装置40の目標EGR量を設定するEGR量設定部54とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの制御装置に関する。
従来から、例えば燃費の向上や排気エミッションの低減などを図るために、エンジンから排出された排気ガスの一部を吸気管に再循環させる排気ガス再循環装置(以下「EGR」ともいう)や、吸気バルブ及び/又は排気バルブの開閉タイミングを任意に変更する可変バルブタイミング機構(以下「VVT」ともいう)などのデバイスを備えたエンジンが知られている。
このようなエンジンにおいて、エンジンの回転や負荷に対して、デバイスの運転ポイントを燃費が最大になるように定常状態でマッピングすると、排気ガス還流量やバルブタイミング進角量が急激に変化する領域を有するマップになることがある。このようなマップを制御装置に組み込んだ場合には、加速時にマップの設定が急変する領域を通過するときに、デバイスの状態が急変するため、ヘジテーションやサージ等のドライバビリティ不良が発生することがある。これに対して、上述したマップ上の急変領域を平滑化し、ヘジテーションやサージを避けることも考えられるが、そうした場合に、マップを平滑化した領域において定常運転を行うと、平滑化する前と比較して燃費が悪化するという問題が生じる。
ここで、特許文献1には、定常運転時と加速運転時とで別々のEGRマップに基づき、EGRの制御を行うようにしたエンジンの排気還流制御装置が開示されている。このエンジンの排気還流制御装置は、アクセル開度を基に加速運転状態か否かを判定し、加速運転状態のときには、エンジン回転数とアクセル開度に基づき、加速運転時のEGR制御マップからEGRデータを検索する。一方、定常運転状態のときには、エンジン回転数とアクセル開度に基づき、定常運転時のEGR制御マップからEGRデータを検索する。そして、検索されたEGRデータに対応した制御信号をEGR制御電磁弁に出力する。
このエンジンの排気還流制御装置によれば、定常運転時と加速運転時とでEGRマップを切り替えることにより、加速時のドライバビリティの悪化を抑制しつつ、上述した定常運転時における燃費の悪化を抑制することができる。
特開平7−253052号公報
ところで、加速状態には、緩加速から急加速までさまざまな程度(レベル)があるが、通常、全加速領域でドライバビリティの悪化を抑制しようとすると、最悪のケース(例えば最大加速)を想定してマッピングを行う必要がある。しかしながら、上述したエンジンの排気還流制御装置では、急加速時でも緩加速時でも同一の加速運転時のEGR制御マップが用いられるため、加速の程度によっては、EGRを燃費の最適点で運転することができない。すなわち、加速運転時の燃費を最大化することができない。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、加速の程度にかかわらず、全加速領域において、ドライバビリティを損なうことなく、燃費を最大限まで高めることが可能なエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエンジンの制御装置は、エンジンから排出される排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気ガス再循環装置と、加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた加速優先EGRマップ、及び、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた燃費優先EGRマップを記憶する記憶手段と、アクセルペダル開度の変化率に基づいて、加速の程度を判定する加速判定手段と、加速判定手段により判定された加速の程度に応じて、加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率を変えて、排気ガス還流装置の目標排気ガス還流量を設定する還流量設定手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係るエンジンの制御装置によれば、加速の程度に応じて、加速時のドライバビリティを優先して設定された加速優先EGRマップと、燃費を優先して設定された燃費優先EGRマップの反映比率が変更されて目標排気ガス還流量が設定される。そのため、加速の程度に応じて排気ガス再循環装置の運転ポイント(EGR量)を最適化することができる。よって、加速の程度にかかわらず、全加速領域において、ドライバビリティを損なうことなく、燃費を最大限まで高めることが可能となる。
本発明に係るエンジンの制御装置は、エンジンの回転変動に基づいて、サージのレベルを判定するサージ判定手段をさらに備え、還流量設定手段が、サージ判定手段により判定されたサージのレベルに応じて、上記反映比率を可変することが好ましい。
この場合、サージの程度に応じて上記反映比率が可変される。そのため、サージの程度をも考慮した上で排気ガス再循環装置の運転ポイントを最適化することができる。よって、サージを適切に抑制しつつ燃費を最大化することが可能となる。
本発明に係るエンジンの制御装置では、上記加速優先EGRマップが、燃費優先EGRマップと比較して、加速領域において、吸気系に還流される排気ガスの量が少なくなるように設定されており、上記還流量設定手段が、加速の程度が大きくなるほど、加速優先EGRマップの反映比率を高めることが好ましい。
このようにすれば、加速の程度に応じて、ドライバビリティを損なうことを防止しつつ(すなわちヘジテーションやサージを生じさせることなく)、EGR量を最適化することができる。よって、全加速領域において、ドライバビリティと燃費とを高い次元で両立することが可能となる。
本発明に係るエンジンの制御装置は、吸気バルブ及び/又は排気バルブの開閉タイミングを任意に変更する可変バルブタイミング機構と、加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた加速優先VVTマップ、及び、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた燃費優先VVTマップを記憶する記憶手段と、アクセルペダル開度の変化率に基づいて、加速の程度を判定する加速判定手段と、加速判定手段により判定された加速の程度に応じて、加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率を変えて、可変バルブタイミング機構の目標バルブタイミングを設定するバルブタイミング設定手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係るエンジンの制御装置によれば、加速の程度に応じて、加速時のドライバビリティを優先して設定された加速優先VVTマップと、燃費を優先して設定された燃費優先VVTマップの反映比率が変更されて目標バルブタイミングが設定される。そのため、加速の程度に応じて可変バルブタイミング機構の運転ポイント(バルブタイミング)を最適化することができる。よって、加速の程度にかかわらず、全加速領域において、ドライバビリティを損なうことなく、燃費を最大限まで高めることが可能となる。
本発明に係るエンジンの制御装置は、エンジンの回転変動に基づいて、サージのレベルを判定するサージ判定手段をさらに備え、バルブタイミング設定手段が、サージ判定手段により判定されたサージのレベルに応じて、上記反映比率を可変することが好ましい。
このようにすれば、サージの程度に応じて上記反映比率が可変される。そのため、サージの程度をも考慮した上で可変バルブタイミング機構の運転ポイントを最適化することができる。よって、サージを適切に抑制しつつ燃費を最大化することが可能となる。
本発明に係るエンジンの制御装置では、加速優先VVTマップが、燃費優先VVTマップと比較して、加速領域において、吸気バルブのバルブタイミングが進角側になるように設定されており、バルブタイミング設定手段が、加速の程度が大きくなるほど、加速優先VVTマップの反映比率を高めることが好ましい。
このようにすれば、加速の程度に応じて、ドライバビリティを損なうことを防止しつつ、吸排気バルブのバルブタイミングを最適化(吸気バルブの遅閉じを解消)することができる。よって、全加速領域において、ドライバビリティと燃費とを高い次元で両立することが可能となる。
本発明に係るエンジンの制御装置は、エンジンから排出される排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気ガス再循環装置と、吸気バルブ及び/又は排気バルブの開閉タイミングを任意に変更する可変バルブタイミング機構と、加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた加速優先EGRマップ、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた燃費優先EGRマップ、加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた加速優先VVTマップ、及び、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた燃費優先VVTマップを記憶する記憶手段と、アクセルペダル開度の変化率に基づいて、加速の程度を判定する加速判定手段と、加速判定手段により判定された加速の程度に応じて、加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率を変えて、排気ガス還流装置の目標排気ガス還流量を設定する還流量設定手段と、加速判定手段により判定された加速の程度に応じて、加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率を変えて、可変バルブタイミング機構の目標バルブタイミングを設定するバルブタイミング設定手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係るエンジンの制御装置によれば、加速の程度に応じて、加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率が変更されて目標排気ガス還流量が設定される。同様に、加速の程度に応じて、加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率が変更されて目標バルブタイミングが設定される。そのため、加速の程度に応じて、排気ガス再循環装置の運転ポイント(EGR量)、及び、可変バルブタイミング機構の運転ポイント(バルブタイミング)を協調して最適化することができる。よって、加速の程度にかかわらず、全加速領域において、ドライバビリティを損なうことなく、燃費を最大限まで高めることが可能となる。
本発明に係るエンジンの制御装置は、エンジンの回転変動に基づいて、サージのレベルを判定するサージ判定手段をさらに備え、還流量設定手段が、サージ判定手段により判定されたサージのレベルに応じて、加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率を可変し、バルブタイミング設定手段が、サージ判定手段により判定されたサージのレベルに応じて、加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率を可変することが好ましい。
このようにすれば、サージの程度に応じて、上記加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率、及び、加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率が可変される。そのため、サージの程度をも考慮した上で排気ガス再循環装置の運転ポイント(EGR量)、及び、可変バルブタイミング機構の運転ポイント(バルブタイミング)を協調して最適化することができる。よって、サージを適切に抑制しつつ燃費を最大化することが可能となる。
本発明によれば、加速の程度にかかわらず、全加速領域において、ドライバビリティを損なうことなく、燃費を最大限まで高めることが可能となる。
実施形態に係るエンジンの制御装置を備えたエンジンの構成を示す図である。 実施形態に係るエンジンの制御装置による目標EGR量の算出方法を説明するための図である。 実施形態に係るエンジンの制御装置による目標バルブタイミングの算出方法を説明するための図である。 実施形態に係るエンジンの制御装置によるEGR制御の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態に係るエンジンの制御装置によるVVT制御の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態に係るエンジンの制御装置による要求トルク比変化率の算出手順を示すフローチャートである。 実施形態に係るエンジンの制御装置によるサージレベル判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係るエンジンの制御装置を備えたエンジン10の構成について説明する。図1は、エンジンの制御装置を備えたエンジン10の構成を示す図である。
エンジン10は、例えば水平対向型の4気筒ガソリンエンジンである。エンジン10では、エアクリーナ16から吸入された空気が、吸気管15に設けられた電子制御式スロットルバルブ(以下、単に「スロットルバルブ」ともいう)13により絞られ、インテークマニホールド11を通り、エンジン10に形成された各気筒に吸入される。ここで、エアクリーナ16から吸入された空気の量は、エアクリーナ16とスロットルバルブ13との間に配置されたエアフローメータ14により検出される。また、インテークマニホールド11を構成するコレクター部(サージタンク)の内部には、インテークマニホールド11内の圧力(吸気マニホールド圧力)を検出するバキュームセンサ30が配設されている。さらに、スロットルバルブ13には、該スロットルバルブ13の開度を検出するスロットル開度センサ31が配設されている。
シリンダヘッドには、気筒毎に吸気ポート22と排気ポート23とが形成されている。各吸気ポート22、排気ポート23それぞれには、該吸気ポート22、排気ポート23を開閉する吸気バルブ24、排気バルブ25が設けられている。吸気バルブ24を駆動する吸気カム軸と吸気カムプーリとの間には、吸気カムプーリと吸気カム軸とを相対回動してクランク軸10aに対する吸気カム軸の回転位相(変位角)を連続的に変更して、吸気バルブ24のバルブタイミング(開閉タイミング)を進遅角する可変バルブタイミング機構26が配設されている。この可変バルブタイミング機構26により吸気バルブ24の開閉タイミングがエンジン運転状態に応じて可変設定される。
同様に、排気カム軸と排気カムプーリとの間には、排気カムプーリと排気カム軸とを相対回動してクランク軸10aに対する排気カム軸の回転位相(変位角)を連続的に変更して、排気バルブ25のバルブタイミング(開閉タイミング)を進遅角する可変バルブタイミング機構27が配設されている。この可変バルブタイミング機構27により排気バルブ25の開閉タイミングがエンジン運転状態に応じて可変設定される。なお、図1では、図を見やすくするために、片バンクの吸排気バルブ24,25及び可変バルブタイミング機構26,27のみを示した。
本実施形態では、可変バルブタイミング機構26,27として、電磁弁で油圧を調節することにより、カム軸の回転位相を変更する方式のものを用いた。なお、このような方式のものに代えて、例えば、電磁クラッチとヘリカル歯車を用いた方式や、駆動機構にDCモータを使用した方式のものを用いてもよい。可変バルブタイミング機構26,27は、後述する電子制御装置50により、エンジン10の運転状態に応じて駆動される。
なお、エンジン10では、可変バルブタイミング機構26を駆動して、吸気バルブ24の閉弁タイミングをピストンの吸気下死点よりも遅角側に設定(すなわち遅閉じ)することにより、有効圧縮比を膨張比より小さくし、ミラーサイクル化することが可能とされている。
インテークマニホールド11と連通する吸気ポート22近傍には、各気筒毎に、燃料を噴射するインジェクタ12が取り付けられている。インジェクタ12は、燃料タンクからフィードポンプにより吸い上げられて送出された燃料を吸気ポート22内に噴射する。
また、各気筒のシリンダヘッドには、混合気に点火する点火プラグ17、及び該点火プラグ17に高電圧を印加するイグナイタ内蔵型コイル21が取り付けられている。エンジン10の各気筒では、吸入された空気とインジェクタ12によって噴射された燃料との混合気が点火プラグ17により点火されて燃焼する。燃焼後の排気ガスは排気管18を通して排出される。
排気管18には、排気ガス中の酸素濃度に応じた信号を出力する空燃比センサ19が取り付けられている。空燃比センサ19としては、排気空燃比をオン−オフ的に検出するOセンサが用いられる。なお、空燃比センサ19として、排気空燃比をリニアに検出することのできるリニア空燃比センサ(LAFセンサ)を用いてもよい。
また、空燃比センサ19の下流には排気浄化触媒20が配設されている。排気浄化触媒20は三元触媒であり、排気ガス中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)の酸化と、窒素酸化物(NOx)の還元を同時に行い、排気ガス中の有害ガス成分を無害な二酸化炭素(CO)、水蒸気(HO)及び窒素(N)に清浄化するものである。
排気管18には、エンジン10から排出された排気ガスの一部を、エンジン10の吸気管15に再循環させる排気ガス再循環装置(以下「EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置」という)40が設けられている。EGR装置40は、エンジン10の排気管18と吸気管15とを連通するEGR配管41、及びEGR配管41上に介装され、排気ガス還流量(EGR量)を調節するEGRバルブ42を有している。
EGRバルブ42は、後述する電子制御装置50によって開度が制御(デューティ制御)される。すなわち、ECU50は、エンジン10の運転状態に応じてEGRバルブ42の開閉量を調節することにより、排気ガスの再循環量を制御する。なお、EGRバルブ42には、負圧式のものの他、ステッピングモータ等により駆動される形式のものを用いることができる。
上述したエアフローメータ14、空燃比センサ19、バキュームセンサ30、スロットル開度センサ31に加え、エンジン10のカムシャフト近傍には、エンジン10の気筒判別を行うためのカム角センサ32が取り付けられている。また、エンジン10のクランクシャフト10a近傍には、クランクシャフト10aの回転位置を検出するクランク角センサ33が取り付けられている。ここで、クランクシャフト10aの端部には、例えば、2歯欠歯した34歯の突起が10°間隔で形成されたタイミングロータ33aが取り付けられており、クランク角センサ33は、タイミングロータ33aの突起の有無を検出することにより、クランクシャフト10aの回転位置を検出する。カム角センサ32及びクランク角センサ33としては、例えば電磁ピックアップ式のものなどが用いられる。
これらのセンサは、電子制御装置(以下「ECU」という)50に接続されている。さらに、ECU50には、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ34、潤滑油の温度を検出する油温センサ35、及び、アクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセルペダルの開度を検出するアクセルペダル開度センサ36等の各種センサも接続されている。
ECU50は、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び入出力I/F等を有して構成されている。また、ECU50は、インジェクタ12を駆動するインジェクタドライバ、点火信号を出力する出力回路、及び、電子制御式スロットルバルブ13を開閉する電動モータを駆動するモータドライバ等を備えている。
ECU50では、カム角センサ32の出力から気筒が判別され、クランク角センサ33の出力からエンジン回転数が求められる。また、ECU50では、上述した各種センサから入力される検出信号に基づいて、吸入空気量、吸気管負圧、アクセルペダル開度、混合気の空燃比、及びエンジン10の水温や油温等の各種情報が取得される。そして、ECU50は、取得したこれらの各種情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、及び、スロットルバルブ13等の各種デバイスを制御することによりエンジン10を総合的に制御する。
また、ECU50は、加速の程度(定常運転〜緩加速〜急加速)に応じて、EGR装置40の運転ポイント(EGR量)、及び、可変バルブタイミング機構26,27の運転ポイント(バルブタイミング)を協調して最適化することにより、加速の程度にかかわらず、全加速領域において、ドライバビリティを損なうことなく(すなわちヘジテーションやサージを生じさせることなく)、燃費を最大限まで高めるように、EGR装置40、及び可変バルブタイミング機構26,27を制御する。そのため、ECU50は、記憶部51、加速判定部52、サージ判定部53、EGR量設定部54、及びバルブタイミング設定部55を機能的に備えている。ECU50では、ROMに記憶されているプログラムがマイクロプロセッサによって実行されることにより、加速判定部52、サージ判定部53、EGR量設定部54、及びバルブタイミング設定部55の各機能が実現される。
記憶部51は、加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた加速優先EGRマップ、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた燃費優先EGRマップを記憶する。また、記憶部51は、加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた加速優先VVTマップ、及び、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた燃費優先VVTマップを記憶する。すなわち、記憶部51は、特許請求の範囲に記載の記憶手段に相当する。
さらに、記憶部51は、要求トルク比変化率と加速補正係数との関係を定めた加速補正係数テーブル、及び、サージレベルとサージ補正係数との関係を定めたサージ補正係数テーブル(詳細は後述する)なども記憶している。
加速判定部52は、アクセルペダル開度から求められる要求トルク比の変化率に基づいて、加速の程度を判定する。すなわち、加速判定部52は、特許請求の範囲に記載の加速判定手段として機能する。より詳細には、まず、エンジン回転数とアクセルペダル開度から要求トルクが求められる。次に、そのときのエンジン回転数において、アクセルペダル開度が全開のときの要求トルク(全負荷トルク)を1とし、これに対する、実際のアクセルペダル開度から求められた要求トルクの比が要求トルク比として算出される。そして、要求トルク比の変化率が加速の程度を示す指標(例えば1〜5:定常運転〜緩加速〜急加速)として取得される。なお、加速判定部52により判定された加速の程度(例えば1〜5)は、EGR量設定部54、及びバルブタイミング設定部55それぞれに出力される。
サージ判定部53は、エンジン10の回転変動に基づいて、サージのレベルを判定する。すなわち、サージ判定部53は、特許請求の範囲に記載のサージ判定手段として機能する。より詳細には、まず、例えば、今回算出されたエンジン回転数と、32ms.前に算出されたエンジン回転数との偏差の絶対値が、エンジン10の回転変動として取得される。そして、取得されたエンジン10の回転変動によって、エンジン10の回転変動とサージレベルとの関係を定めたテーブル(サージレベルテーブル)が検索され、サージのレベル(例えば0〜1)が取得される。なお、サージ判定部53による判定結果(サージレベル)は、EGR量設定部54、及びバルブタイミング設定部55それぞれに出力される。
EGR量設定部54は、加速判定部52により判定された加速の程度、及び、サージ判定部53により判定されたサージのレベルに応じて、加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率を変えて、EGR装置40の目標排気ガス還流量(目標EGR量)を設定する。すなわち、EGR量設定部54は、特許請求の範囲に記載の還流量設定手段として機能する。
ここで、目標EGR量の求め方について、図2を参照しつつ、より具体的に説明する。まず、EGR量設定部54は、エンジン回転数とエンジン負荷から加速優先EGR量を取得する。ここで、上述したように、記憶部51には、加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジン10の回転数と負荷と加速優先EGR量(排気ガス還流量)との関係を定めた加速優先EGRマップが記憶されており、EGR量設定部54は、エンジン10の回転数と負荷に基づいて、加速優先EGRマップを検索して、加速優先EGR量を取得する。ここで、加速優先EGRマップは、ヘジテーションを抑制するために、燃費優先EGRマップと比較して、加速領域において、吸気管15に還流される排気ガスの量が少なくなるように設定されている。
同様にして、EGR量設定部54は、エンジン回転数とエンジン負荷から燃費度優先EGR量を取得する。ここで、上述したように、記憶部51には、燃費を優先して設定された、エンジン10の回転数と負荷と燃費優先EGR量(排気ガス還流量)との関係を定めた燃費優先EGRマップが記憶されており、EGR量設定部54は、エンジン10の回転数と負荷に基づいて、燃費優先EGRマップを検索して、燃費優先EGR量を取得する。ここで、燃費優先EGRマップは、燃費が最大となるように、加速優先EGRマップと比較して、より多くの排気ガスが還流されるように設定されている。
次に、EGR量設定部54は、加速判定部52により取得された、要求トルク比の変化率すなわち加速の程度(例えば1〜5)に基づいて、加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率である加速補正係数を取得する。
ここで、上述したように、記憶部51には、加速の程度と加速補正係数との関係を定めたテーブル(加速補正係数テーブル)が記憶されており、EGR量設定部54は、加速の程度に基づいて、加速補正係数テーブルを検索して、加速補正係数を取得する。
ここで、加速補正係数テーブルの一例を図2中に示す。加速補正係数テーブルでは、図2中に示されるように、加速の程度が大きくなるほど、加速補正係数が小さくなるように(すなわち加速優先EGRマップの反映比率が大きくなるように)設定されている。
同様にして、EGR量設定部54は、サージ判定部53により取得された、サージのレベル(例えば0〜1)に基づいて、上記反映比率を可変するサージ補正係数を取得する。
ここで、上述したように、記憶部51には、サージのレベルとサージ補正係数との関係を定めたテーブル(サージ補正係数テーブル)が記憶されており、EGR量設定部54は、サージのレベルに基づいて、サージ補正係数テーブルを検索して、サージ補正係数を取得する。
ここで、サージ補正係数テーブルの一例を図2中に示す。サージ補正係数テーブルでは、図2中に示されるように、サージレベルが大きくなるほど(サージが強くなるほど)、サージ補正係数が小さくなるように(すなわち加速優先EGRマップの反映比率が大きくなるように)設定されている。
そして、EGR量設定部54は、燃費優先EGR量(燃費優先EGRマップ検索値)から加速優先EGR量(加速優先EGRマップ検索値)を減算し、その減算結果に対して加速補正係数及びサージ補正係数を乗算し、その乗算結果を加速優先EGR量に加算して、目標EGR量を算出する。そのため、目標EGR量は、加速の程度に応じて、加速優先EGRマップ(加速優先EGR量)と燃費優先EGRマップ(燃費優先EGR量)との間の値をとる。
そして、目標EGR量に応じて、EGRバルブ42の目標開度が設定され、当該目標開度とEGRバルブ42の実開度とが一致するように、EGRバルブ42が駆動(デューティ制御)される。このようにして、加速の程度に応じて、EGR装置40による排気ガスの還流量が調整される。
バルブタイミング設定部55は、加速判定部52により判定された加速の程度、及び、サージ判定部53により判定されたサージのレベルに応じて、加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率を変えて、可変バルブタイミング機構26,27の目標バルブタイミングを設定する。すなわち、バルブタイミング設定部55は、特許請求の範囲に記載のバルブタイミング設定手段として機能する。
ここで、目標バルブタイミングの求め方について、図3を参照しつつ、より具体的に説明する。なお、吸気側の可変バルブタイミング機構26の目標バルブタイミングの求め方と、排気側の可変バルブタイミング機構27の目標バルブタイミングの求め方とは同じであるので(マップデータのみが異なる)、ここでは、可変バルブタイミング機構26の目標バルブタイミングの求め方を例にして説明する。
まず、バルブタイミング設定部55は、エンジン回転数とエンジン負荷から加速優先バルブタイミングを取得する。ここで、上述したように、記憶部51には、加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジン10の回転数と負荷と加速優先バルブタイミングとの関係を定めた加速優先VVTマップが記憶されており、バルブタイミング設定部55は、エンジン10の回転数と負荷に基づいて、加速優先VVTマップを検索して、加速優先バルブタイミングを取得する。なお、加速優先VVTマップは、燃費優先VVTマップと比較して、加速領域において、吸気バルブ24のバルブタイミングが進角されるように(すなわち吸気バルブ24の遅閉じが解消される方向に)設定されている。
同様にして、バルブタイミング設定部55は、エンジン回転数とエンジン負荷から燃費度優先バルブタイミングを取得する。ここで、上述したように、記憶部51には、燃費を優先して設定された、エンジン10の回転数と負荷と燃費優先バルブタイミングとの関係を定めた燃費優先VVTマップが記憶されており、バルブタイミング設定部55は、エンジン10の回転数と負荷に基づいて、燃費優先VVTマップを検索して、燃費優先バルブタイミングを取得する。なお、燃費優先VVTマップは、加速優先VVTマップと比較して、吸気バルブ24を遅閉じして有効圧縮比を膨張比より小さくし、高膨張比サイクル(ミラーサイクル)とすることにより熱効率を高める方向に設定されている。
次に、バルブタイミング設定部55は、加速判定部52により取得された、要求トルク比の変化率すなわち加速の程度(例えば1〜5)に基づいて、加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率である加速補正係数を取得する。
ここで、上述したように、記憶部51には、加速の程度と加速補正係数との関係を定めたテーブル(加速補正係数テーブル)が記憶されており、バルブタイミング設定部55は、加速の程度に基づいて、加速補正係数テーブルを検索して、加速補正係数を取得する。
ここで、加速補正係数テーブルの一例を図3中に示す。加速補正係数テーブルでは、図3中に示されるように、加速の程度が大きくなるほど、加速補正係数が小さくなるように(すなわち加速優先VVTマップの反映比率が大きくなるように)設定されている。
同様にして、バルブタイミング設定部55は、サージ判定部53により取得された、サージのレベル(例えば0〜1)に基づいて、上記反映比率を可変するサージ補正係数を取得する。
ここで、上述したように、記憶部51には、サージのレベルとサージ補正係数との関係を定めたテーブル(サージ補正係数テーブル)が記憶されており、バルブタイミング設定部55は、サージのレベルに基づいて、サージ補正係数テーブルを検索して、サージ補正係数を取得する。
ここで、サージ補正係数テーブルの一例を図3中に示す。サージ補正係数テーブルでは、図3中に示されるように、サージレベルが大きくなるほど(サージが強くなるほど)、サージ補正係数が小さくなるように(すなわち加速優先VVTマップの反映比率が大きくなるように)設定されている。
そして、バルブタイミング設定部55は、燃費優先バルブタイミング(燃費優先VVTマップ検索値)から加速優先バルブタイミング(加速優先VVTマップ検索値)を減算し、その減算結果に対して加速補正係数、及びサージ補正係数を乗算し、その乗算結果を加速優先バルブタイミングに加算して、目標バルブタイミングを算出する。そのため、目標バルブタイミングは、加速の程度に応じて、加速優先VVTマップ(加速優先バルブタイミング)と燃費優先VVTマップ(燃費優先バルブタイミング)との間の値をとる。
そして、加速の程度に応じて算出された目標バルブタイミングと、カム角センサ32とクランク角センサ33の信号から検出されたカムの位相との偏差が算出され、当該偏差に応じて電磁弁の制御電流が調整されることで可変バルブタイミング機構26(27)が制御され、開閉タイミングが調節される。
次に、図4〜図7を併せて参照しつつ、エンジンの制御装置の動作について説明する。ここで、図4は、エンジンの制御装置によるEGR制御の処理手順を示すフローチャートである。また、図5は、エンジンの制御装置によるVVT制御の処理手順を示すフローチャートである。図6は要求トルク比変化率の算出手順を示すフローチャートであり、図7はサージレベル判定処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、ECU50において、所定のタイミングで繰り返して実行される。
まず、図4,6,7を併せて参照しつつ、エンジンの制御装置によるEGR制御の処理手順について説明する。ステップS100では、エンジン回転数とエンジン負荷に基づいて、加速優先EGRマップが検索され、加速優先EGR量EGRRDACが取得される。続くステップS102では、エンジン回転数とエンジン負荷に基づいて、燃費優先EGRマップが検索され、燃費優先EGR量EGRRDFEが取得される。
続いて、ステップS104では、ステップS102において取得された燃費優先EGR量EGRRDFEから、ステップS100において取得された加速優先EGR量EGRRDACが減算され、差分EGRRDSが算出される。
次に、ステップS106では、加速補正係数EGRACC(加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率)が取得される。そのために、ステップS106では、まず、要求トルク比変化率ACCLVLが求められる。ここで、図6を参照しつつ、要求トルク比変化率ACCLVLの算出方法について説明する。
ステップS300では、アクセル開度に基づいて、要求トルクが算出される。続いて、ステップS302では、ステップS300で算出された要求トルクが全負荷トルク(スロットル開度が全開の要求トルク)によって除算されることにより、要求トルク比が算出される。
次に、ステップS304では、ステップS302において算出された要求トルク比がゼロ以下であるか否かについての判断が行われる。ここで、要求トルク比がゼロ以下の場合には、ステップS306において要求トルク比変化率ACCLVLに「1」がセットされた後、図4のステップS106に処理が戻される。一方、要求トルク比がゼロよりも大きいときには、ステップS308に処理が移行する。
ステップS308では、今回算出された要求トルク比が、前回算出された要求トルク比によって除算されることにより、要求トルク比変化率ACCLVLが算出される。
続いて、ステップS310では、ステップS308で算出された要求トルク比変化率ACCLVLが「1」未満であるか否かについての判断が行われる。ここで、要求トルク比変化率ACCLVLが「1」未満である場合には、上述したステップS306において要求トルク比変化率ACCLVLに「1」がセットされた後、図4のステップS106に処理が戻される。一方、要求トルク比変化率ACCLVLが「1」以上であるときには、そのまま、図4のステップS106に処理が戻される。
図4のステップS106に戻り、算出された要求トルク比変化率ACCLVLに基づいて、加速補正係数テーブルが検索されて、加速補正係数EGRACCが取得される。
次に、ステップS108では、サージ補正係数EGRSRG(加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率)が取得される。そのために、ステップS108では、まず、サージレベルSRGLVLが求められる。ここで、図7を参照しつつ、サージレベルSRGLVLの算出方法について説明する。
ステップS400では、エンジン10の運転状態(エンジン回転数と負荷)が、エンジン回転数と負荷とで定められたサージ判定領域の中に入っているか否かについての判断が行われる。ここで、エンジン10の運転状態がサージ判定領域外である場合には、ステップS402においてサージレベルSRGLVLに「0」がセットされた後、図4のステップS108に処理が戻される。一方、エンジン10の運転状態がサージ判定領域内であるときには、ステップS404に処理が移行する。
ステップS404では、例えば、今回算出されたエンジン回転数から、32ms.前に算出されたエンジン回転数が減算され、その減算結果の絶対値がエンジン回転偏差DNESとして取得される。
続いて、ステップS406では、ステップS404で算出されたエンジン回転偏差DNESに基づいて、サージレベルとサージ補正係数との関係を定めたサージ補正係数テーブルが検索されて、サージレベルSRGLVLが取得される。その後、図4のステップS108に処理が戻される。
図4のステップS108に戻り、算出されたサージレベルSRGLVLに基づいて、サージ補正係数テーブルが検索されて、サージ補正係数EGRSRGが取得される。
次に、ステップS110では、次式(1)に基づいて、目標EGR量EGRRDが算出される。
EGRRD=EGRRDAC+EGRRDS×EGRACC×EGRSRG ・・・(1)
すなわち、ステップS110では、燃費優先EGR量EGRRDFEと加速優先EGR量EGRRDACとの差分EGRRDSに対して加速補正係数EGRACC、及びサージ補正係数EGRSRGが乗算され、その乗算結果が加速優先EGR量EGRRDACに加算されて、目標EGR量EGRRDが算出される。
そして、目標EGR量EGRRDに応じて、EGRバルブ42の目標開度が設定され、当該目標開度とEGRバルブ42の実開度とが一致するように、EGRバルブ42が駆動(デューティ制御)される。このようにして、加速の程度に応じて、EGR装置40による排気ガスの還流量が調整される。
次に、図5,6,7を併せて参照しつつ、エンジンの制御装置によるVVT制御の処理手順について説明する。ステップS200では、エンジン回転数とエンジン負荷に基づいて、加速優先VVTマップが検索され、加速優先バルブタイミングVVTRDACが取得される。続くステップS202では、エンジン回転数とエンジン負荷に基づいて、燃費優先VVTマップが検索され、燃費優先バルブタイミングVVTRDFEが取得される。
続いて、ステップS204では、ステップS202において取得された燃費優先バルブタイミングVVTRDFEから、ステップS200において取得された加速優先バルブタイミングVVTRDACが減算され、差分VVTRDSが算出される。
次に、ステップS206では、加速補正係数VVTACC(加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率)が取得される。そのために、ステップS206では、まず、要求トルク比変化率ACCLVLが求められる。ここで、要求トルク比変化率ACCLVLの算出方法については、上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。ステップS206では、算出された要求トルク比変化率ACCLVLに基づいて、加速補正係数テーブルが検索されて、加速補正係数VVTACCが取得される。
次に、ステップS208では、サージ補正係数EGRSRG(加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率)が取得される。そのために、ステップS208では、まず、サージレベルSRGLVLが求められる。ここで、サージレベルSRGLVLの算出方法については、上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。ステップS208では、算出されたサージレベルSRGLVLに基づいて、サージ補正係数テーブルが検索されて、サージ補正係数VVTSRGが取得される。
次に、ステップS210では、次式(2)に基づいて、目標バルブタイミングVVTRDが算出される。
VVTRD=VVTRDAC+VVTRDS×VVTACC×VVTSRG ・・・(2)
すなわち、ステップS210では、燃費優先バルブタイミングVVTRDFEと加速優先バルブタイミングVVTRDACとの差分VVTRDSに対して加速補正係数VVTACC、及びサージ補正係数VVTSRGが乗算され、その乗算結果が加速優先バルブタイミングVVTRDACに加算されて、目標バルブタイミングVVTRDが算出される。
そして、目標バルブタイミングVVTRDと、カム角センサ32とクランク角センサ33の信号から検出されたカムの位相との偏差が算出され、当該偏差に応じて電磁弁の制御電流が調節されることで可変バルブタイミング機構26(27)が制御され、開閉タイミングが調節される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、加速の程度に応じて、加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率が変更されて目標排気ガス還流量が設定される。同様に、加速の程度に応じて、加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率が変更されて目標バルブタイミングが設定される。そのため、加速の程度に応じて、排気ガス再循環装置40の運転ポイント(EGR量)、及び、可変バルブタイミング機構26,27の運転ポイント(バルブタイミング)を協調して最適化することができる。よって、加速の程度にかかわらず、全加速領域において、ドライバビリティを損なうことなく、燃費を最大限まで高めることが可能となる。
また、本実施形態によれば、サージの程度に応じて、加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率、及び、加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率が可変される。そのため、サージの程度をも考慮した上で排気ガス再循環装置40の運転ポイント(EGR量)、及び、可変バルブタイミング機構26,27の運転ポイント(バルブタイミング)を協調して最適化することができる。よって、サージを適切に抑制しつつ燃費を最大化することが可能となる。
ところで、従来の技術では、サージ限界ぎりぎりにマップ値を設定すると、例えばEGRバルブ42の流量個体差などのハードばらつきや、高外気温によるノック限界低下などの運転環境の変化により、定常状態においても、条件によってはサージが発生してしまい、燃費の最大化を狙うことができなかった。しかしながら、本実施形態によれば、サージレベルに応じてEGR量やバルブタイミングを可変してサージを回避することができるため、燃費優先EGRマップ、及び燃費優先VVTマップを、サージ限界ぎりぎりの値に設定することができる。そのため、定常状態においても、燃費を最大化することが可能となる。
本実施形態によれば、加速優先EGRマップが、燃費優先EGRマップと比較して、加速領域において、吸気管15に還流される排気ガスの量が少なくなるように設定されており、加速の程度が大きくなるほど、加速優先EGRマップの反映比率が高められる。そのため、加速の程度に応じて、ドライバビリティを損なうことを防止しつつ(すなわちヘジテーションやサージを生じさせることなく)、EGR還流量を最適化することができる。よって、全加速領域において、ドライバビリティと燃費とを高い次元で両立することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、加速優先VVTマップが、燃費優先VVTマップと比較して、加速領域において、吸気バルブ24のバルブタイミングが進角側になるように設定されており、加速の程度が大きくなるほど、加速優先VVTマップの反映比率が高められる。そのため、加速の程度に応じて、ドライバビリティを損なうことを防止しつつ、吸排気バルブ24,25のバルブタイミングを最適化(主として吸気バルブ24の遅閉じを解消)することができる。よって、全加速領域において、ドライバビリティと燃費とを高い次元で両立することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、可変バルブタイミング機構26,27及びEGR装置40を両方備えているエンジンを例にして説明したが、本発明は、可変バルブタイミング機構26,27と、EGR装置40のいずれか一方のみを備えたエンジンにも適用することができる。また、可変バルブタイミング機構26,27は、必ずしも吸気側と排気側の両方に設けられている必要はなく、吸気側又は排気側にのみ設ける構成としてもよい。
上記実施形態では、加速補正係数やサージ補正係数等を求める際にテーブルを用いたが、演算により求める構成としてもよい。
また、上記実施形態では、EGR装置40、可変バルブタイミング機構26,27それぞれの目標値を設定するために、加速優先マップと燃費優先マップの2枚のマップを備えたが、さらに、目標点火時期を設定するために、EGR装置40、可変バルブタイミング機構26,27の動作状態に合わせた2枚のマップ、すなわち、加速優先の点火時期マップと燃費優先の点火時期マップとを持つ構成としてもよい。
10 エンジン
10a クランクシャフト
11 インテークマニホールド
12 インジェクタ
13 電子制御式スロットルバルブ
14 エアフローメータ
17 点火プラグ
22 吸気ポート
23 排気ポート
24 吸気バルブ
25 排気バルブ
26,27 可変バルブタイミング機構
30 バキュームセンサ
31 スロットル開度センサ
32 カム角センサ
33 クランク角センサ
33a タイミングロータ
40 EGR装置
50 ECU
51 記憶部
52 加速判定部
53 サージ判定部
54 EGR量設定部
55 バルブタイミング設定部

Claims (8)

  1. エンジンから排出される排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気ガス再循環装置と、
    加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた加速優先EGRマップ、及び、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた燃費優先EGRマップを記憶する記憶手段と、
    アクセルペダル開度の変化率に基づいて、加速の程度を判定する加速判定手段と、
    前記加速判定手段により判定された加速の程度に応じて、前記加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率を変えて、前記排気ガス還流装置の目標排気ガス還流量を設定する還流量設定手段と、を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記エンジンの回転変動に基づいて、サージのレベルを判定するサージ判定手段をさらに備え、
    前記還流量設定手段は、前記サージ判定手段により判定されたサージのレベルに応じて、前記反映比率を可変することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記加速優先EGRマップは、前記燃費優先EGRマップと比較して、加速領域において、吸気系に還流される排気ガスの量が少なくなるように設定されており、
    前記還流量設定手段は、加速の程度が大きくなるほど、前記加速優先EGRマップの反映比率を高めることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 吸気バルブ及び/又は排気バルブの開閉タイミングを任意に変更する可変バルブタイミング機構と、
    加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた加速優先VVTマップ、及び、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた燃費優先VVTマップを記憶する記憶手段と、
    アクセルペダル開度の変化率に基づいて、加速の程度を判定する加速判定手段と、
    前記加速判定手段により判定された加速の程度に応じて、前記加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率を変えて、前記可変バルブタイミング機構の目標バルブタイミングを設定するバルブタイミング設定手段と、を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  5. 前記エンジンの回転変動に基づいて、サージのレベルを判定するサージ判定手段をさらに備え、
    前記バルブタイミング設定手段は、前記サージ判定手段により判定されたサージのレベルに応じて、前記反映比率を可変することを特徴とする請求項4に記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記加速優先VVTマップは、前記燃費優先VVTマップと比較して、加速領域において、吸気バルブのバルブタイミングが進角側になるように設定されており、
    前記バルブタイミング設定手段は、加速の程度が大きくなるほど、前記加速優先VVTマップの反映比率を高めることを特徴とする請求項4又は5に記載のエンジンの制御装置。
  7. エンジンから排出される排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気ガス再循環装置と、
    吸気バルブ及び/又は排気バルブの開閉タイミングを任意に変更する可変バルブタイミング機構と、
    加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた加速優先EGRマップ、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷と排気ガス還流量との関係を定めた燃費優先EGRマップ、加速時のドライバビリティを優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた加速優先VVTマップ、及び、燃費を優先して設定された、エンジンの回転数と負荷とバルブタイミングとの関係を定めた燃費優先VVTマップを記憶する記憶手段と、
    アクセルペダル開度の変化率に基づいて、加速の程度を判定する加速判定手段と、
    前記加速判定手段により判定された加速の程度に応じて、前記加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率を変えて、前記排気ガス還流装置の目標排気ガス還流量を設定する還流量設定手段と、
    前記加速判定手段により判定された加速の程度に応じて、前記加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率を変えて、前記可変バルブタイミング機構の目標バルブタイミングを設定するバルブタイミング設定手段と、を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  8. 前記エンジンの回転変動に基づいて、サージのレベルを判定するサージ判定手段をさらに備え、
    前記還流量設定手段は、前記サージ判定手段により判定されたサージのレベルに応じて、前記加速優先EGRマップと燃費優先EGRマップの反映比率を可変し、
    前記バルブタイミング設定手段は、前記サージ判定手段により判定されたサージのレベルに応じて、前記加速優先VVTマップと燃費優先VVTマップの反映比率を可変することを特徴とする請求項7に記載のエンジンの制御装置。
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