JPH11323024A - スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物 - Google Patents

スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物

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JPH11323024A
JPH11323024A JP10135628A JP13562898A JPH11323024A JP H11323024 A JPH11323024 A JP H11323024A JP 10135628 A JP10135628 A JP 10135628A JP 13562898 A JP13562898 A JP 13562898A JP H11323024 A JPH11323024 A JP H11323024A
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JP
Japan
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rubber
powder
rubber composition
ice
particle size
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JP10135628A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Yamamoto
義之 山本
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤの氷上摩擦力や制動性を向上させる。 【解決手段】 ゴムに、貝殻を焼成して得られる粉末を
配合して成るスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスタッドレスタイヤ
用トレッドゴム組成物に関し、スタッドレスタイヤトレ
ッド用配合物として配合することによりタイヤの氷上に
おける摩擦力や制動性を向上させることができるスタッ
ドレスタイヤ用トレッドゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】貝殻を粉砕したものをスタッドレスタイ
ヤに配合することは公知である。例えば、ほたて貝など
の貝殻や卵殻の粉砕物をゴム中に混入して、ゴム表面に
粉砕物を突出させることによって、ミクロスパイク効果
を発現するものである。(特開平7−172115号公
報、特開平6−41355号公報など参照)。しかし、
単に貝殻を粉砕したものをゴム配合した場合、分散不良
を引き起こしたりするなど、均一な配合物が得られず十
分な性能が発揮できない。また、粒子径を揃えるために
ふるいをかけなくてはならないなど、工程が煩雑にな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、氷上
における摩擦力及び制動性を改良したスタッドレスタイ
ヤ用トレッドゴム組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、ゴム
に、貝殻を焼成して得られる粉末を配合して成るスタッ
ドレスタイヤ用トレッドゴム組成物が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に従えば、牡蠣貝殻、ホタ
テ貝殻などの貝殻を一次破砕した後、高温で焼成するこ
とで得られた粉末を、スタッドレスタイヤ用トレッドコ
ンパウンド組成物に配合する。特にかかる粉末をスタッ
ドレスタイヤ用トレッドコンパウンドに配合してタイヤ
を製造することにより、タイヤの氷上における摩擦力お
よび制動性を向上させることができる。
【0006】貝殻を焼成することで、藻などの付着物等
不純物を除去しつつ、材料組成の均一化、つまり、高温
焼成では酸化カルシウム、低温焼成では炭酸カルシウム
を主成分として得ることができる。また、焼成温度の調
整により、粉末の粒子径を制御することが可能となり、
よって微粉末化が可能となる。粒子径制御と微粉末化に
より、粉末の分散性が高くなることで均一なゴム組成物
を製造することができる。また、さらに好ましい事に
は、焼成という工程を経ることにより、得られた粉末の
表面形状が微細凹凸化し、さらに粒子自体がポーラスに
なることで、ゴムに対する投錨効果が増すほか、仮にタ
イヤトレッド表面付近の粒子が、走行により脱落して
も、脱落後に微細なゴム表面凹凸が形成され、表面のミ
クロ排水効果の向上を図ることができる。このように、
従来の単に機械的に粉砕し、ふるいなどで粒子径を揃え
た貝殻粉末を配合したゴムに比較して、破壊特性を向上
させ、また、タイヤでの氷上性能を向上させることがで
きる。
【0007】本発明で用いる粉末である貝殻の焼成温度
は好ましくは600〜1200℃、さらに好ましくは8
00〜1100℃である。より高温で焼成することによ
り、微粉末化が促進される。この粉末は、上記のよう
に、高温焼成では主として酸化カルシウム、低温焼成で
は主として炭酸カルシウムからなる。従来ゴム薬として
の炭酸カルシウムは可塑性付与による加工性の改善ある
いは、充填剤としてコスト低下を目的として増量剤とし
て用いられている。また、酸化カルシウムは、特殊用途
ゴム用に、脱水剤、発泡防止剤として配合する場合があ
る。これらは、通常粒子径が0.1μm以下と非常に小
さいため、ゴムに配合した場合の機械的特性の悪化は小
さい。しかし、フィラーの突出によるゴム表面の凹凸を
形成し、ミクロスパイク効果を得ることは難しい。一
方、貝殻を焼成し、粉砕したものは、単に物理的に破砕
したものより、微粉末化し、粒子径の分布が良好になる
ので、ゴムに配合した場合分散不良を起こすことなく均
一に配合できる。より高温で焼成すれば、その効果はさ
らに促進される。また、粒子径を揃えるための篩い分け
工程等を省くことができる。さらに好ましい事には焼成
工程を経ることで、粒子表面に微細な凹凸が形成され、
さらに粒子自体がポーラスになる。これをゴムに配合す
ることにより、ゴムへの投錨効果が大きくなり、粒子径
がゴム薬より大きくても摩擦による脱落が少ない。仮に
脱落しても、脱落後のゴム表面に微細な凹凸が形成され
るので、ミクロ排水効果の向上を図ることができる。ま
たポーラスな表面は、氷路面とタイヤトレッド面の間に
発生する水の排水効果を大きくすることが可能となる。
ゴム中に均一に分散している粒子の突起は、走行してゴ
ムが摩耗しても常に存在するので、ミクロスパイク効果
とミクロ排水効果といった氷上性能が持続する。このよ
うに貝殻を焼成した粉末をゴム配合する事によりスタッ
ドレスタイヤ用トレッドゴム組成物として加硫すること
で上記効果を得ることができる。
【0008】本発明において使用するゴムとしては、従
来からタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に配合され
ている任意のゴム、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソ
プレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合
体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)
などのジエン系ゴム、その他をあげることができる。こ
れらのゴムは単独又は任意のブレンドとして使用するこ
とができる。なお、前記ゴムに加えてエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR,EPDM)及びブチルゴム
(IIR)などを少量成分としてブレンドして使用する
こともできる。
【0009】本発明のスタッドレスタイヤ用トレッドゴ
ム組成物には、前述の如く、ゴム100重量部に対し、
貝殻粉末を好ましくは600〜1200℃、より好まし
くは800〜1200℃で焼成した、好ましくは平均粒
子径45〜800μm、より好ましくは100〜700
μmの粉末を好ましくは5〜30重量部を配合する。焼
成貝殻粉末の粒子径が小さすぎるとゴム表面での粒子の
突出が少なくなりすぎ、また表面凹凸の程度が小さいた
め、氷上路面に対するミクロスパイク効果、ミクロ排水
効果が薄れるので好ましくなく、逆に大きすぎると分散
不良や、ゴム破壊特性が大幅に悪化するので好ましくな
い。また、焼成した貝殻粉末の配合量が少なすぎると所
望の氷上性能効果が認められず、逆に多すぎるとゴム破
壊特性および加工性が大幅に悪化するので好ましくな
い。焼成温度が低いと、微粉末化の程度が低くゴム破壊
特性は大きく悪化するだけでなく、また特に、粉末の表
面の微細凹凸化が少ないので、氷上性能効果が大幅に低
下する。
【0010】本発明に係るスタッドレスタイヤ用トレッ
ドゴム組成物はゴムと焼成した貝殻粉末と、更に一般的
な方法に従ってカーボンブラック、硫黄、加硫促進剤、
老化防止剤、充填剤、軟化剤、可塑剤などのスタッドレ
スタイヤ用トレッドゴム組成物に一般的に配合されてい
る各種添加剤を必要に応じて配合し、たとえばバンバリ
ミキサー等の混練機を用いて通常の方法条件で混練する
事ができる。本発明のゴム組成物は一般的な方法で加硫
し、スタッドレスタイヤ用トレッドとすることができ
る。
【0011】
【実施例】以下、標準例、実施例及び比較例によって本
発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例
に限定するものでないことは言うまでもない。
【0012】実施例1〜2、標準例及び比較例1〜4 表Iに示す配合(重量部)において、加硫促進剤と硫黄
を除く成分を1.7リットルの密閉型ミキサーで4分間
混練した後、この混合物に加硫促進剤と硫黄を8インチ
のオープンロールで4分間混練し、ゴム組成物を得、加
硫物性を以下の通り評価した。
【0013】摩耗指数:岩本製作所製のランボーン摩耗
試験機を用い、荷重1.5kg、スリップ率40%の条件
下で試験片の摩耗を測定した。なお、標準例(貝殻粉末
未配分)の値を100として指数表示した。この値が大
きい程耐摩耗性に優れていることを示す。 氷上摩擦指数:アイススキッドテスターを用いて氷上摩
擦力を測定。なお、標準例の値を100として指数表示
した。この値が大きい程耐摩耗性に優れ、制動性が良好
なことを示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表I脚注 *1:昭和キャボット(株)製のN220 *2:精工化学社製のオゾノン6C *3:大内新興化学社製のノクセラ−NS *4:近江化学工業(株)製オイル処理品(平均粒径=
0.1μm以下) *5:白石カルシウム(株)の白艶華CC(平均粒径=
0.04μm)
【0017】表2にJIS K6223による篩分け法
による各粉末の篩残分および平均粒子径を示した。なお
平均粒子径は以下の方法で算出した。
【0018】平均粒子径:JIS K6223に基づ
き、焼成後の粉末を目開き3350,2000,100
0,500,250,125,63,45μmの順に篩
にかけた。各篩残分の重量の全重量に対する割合を求
め、各目開き径との積の総和を平均粒子径とした。な
お、ゴム薬用酸化カルシウム、炭酸カルシウムは、上記
方法で篩測定した結果、目開き45μmの篩残分3%以
下であり、上記方法での平均粒子径の計算が不能であっ
たので、カタログ値を記載した。
【0019】表Iの結果から明らかなように、本発明に
従って焼成カキ貝殻粉末を配合した実施例1及び2の配
合では、粉末を添加しない標準例に比較して摩耗指数を
実用上支障のない値に維持しながら氷上摩擦指数を著し
く高めることができる。これに対し、焼成しない同一の
カキ貝殻粉末を配合した比較例1では摩耗指数及び氷上
摩擦指数は共に大きく低下し、更に酸化カルシウムや炭
酸カルシウムのような無機粉末を配合した比較例2及び
3の配合では氷上摩擦指数の実質的な増大は認められ
ず、逆に摩耗指数が低下する。また、焼成温度が低い
と、粉末表面の微細凹凸化の程度が低く、粒子径の微細
化の程度が小さいので、氷上性能および破壊特性が低く
なる。また逆に焼成温度が高すぎると、微細化が進みす
ぎて実質的に氷上性能を発揮しなくなる。よって好まし
い焼成温度は、600〜1200℃、さらに好ましく
は、800〜1100℃である。
【0020】実施例3〜8 実施例2において、表III に示すように、カキ貝殻焼成
粉末IIの配合量を変化させた以外は同様にしてゴム組成
物を得、加硫物性を評価した。結果は表IIに示す。
【0021】
【表3】
【0022】表III の結果から明らかなように、本発明
に従ってカキ貝殻焼成粉末IIをゴム100重量部当り5
〜30重量部配合した実施例5〜7では摩耗指数を実用
上問題とならない範囲に維持しながら氷上摩擦指数を向
上させることができる。配合量が40重量部以上では、
摩耗指数が大きく低下し実用的ではない。摩耗指数の低
下を抑えながら氷上摩擦指数を向上させるより好ましい
範囲は、5〜30重量部である。
【0023】
【表4】
【0024】
【発明の効果】以上の通り、本発明に従えば貝殻を焼成
して得られる、好ましくは、平均粒度45〜800μm
の粉末をゴム100重量部に対し好ましくは5〜30重
量部配合してスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物
とすることにより摩耗性を実用上損なうことなく氷上摩
擦力を高めてタイヤの氷上制動性を向上させることがで
きる。しかも原料貝殻は大量に発生する無害の自然廃棄
物であり、その再利用をはかれるという効果も奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムに、貝殻を焼成して得られる粉末を
    配合して成るスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記貝殻を焼成して得られる粉末の配合
    量が、5〜30重量部である請求項1に記載のゴム組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記貝殻を焼成する温度が600〜12
    00℃かつ焼成後の粉末粒子径が45〜800μmであ
    る請求項1または2に記載のゴム組成物。
JP10135628A 1998-05-18 1998-05-18 スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物 Pending JPH11323024A (ja)

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