JPH11322935A - モノハロシランからオルガノシロキサンを製造する方法 - Google Patents
モノハロシランからオルガノシロキサンを製造する方法Info
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- JPH11322935A JPH11322935A JP10146658A JP14665898A JPH11322935A JP H11322935 A JPH11322935 A JP H11322935A JP 10146658 A JP10146658 A JP 10146658A JP 14665898 A JP14665898 A JP 14665898A JP H11322935 A JPH11322935 A JP H11322935A
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Abstract
与し得る工業的に有用なオルガノジシロキサン等のオル
ガノシロキサンを塩化水素ガス等の発生や、硫黄化合物
・窒素化合物等の副生がなく、高収率で、高選択的に、
かつ低コストで製造する方法の提供。 【解決手段】Hn R3-n SiX〔n=0〜3、R=有機
基(アルキル基,アリール基,アルケニル基,アミノ基
等)、X=ハロゲン(F,Cl,Br等)〕のモノハロ
シランを炭酸塩(K2 CO3 ,MgCO3 等)または金
属酸化物(Li2O,NaO等)と反応させて、生成物
にHn R3-n Si−O−の結合種を生成させる方法。上
記モノハロシランを炭酸塩または金属酸化物と反応させ
ることからなるオルガノジシロキサンの製法。
Description
オルガノシロキサンを製造する方法に関し、より詳しく
はケイ素−ハロゲン結合(Si−X)を有するモノハロ
シランからケイ素−酸素結合(Si−O)、特に該ケイ
素−酸素結合とケイ素−水素結合(Si−H)とを有す
るオルガノシロキサン、特にオルガノジシロキサンを製
造する方法に関するものである。
ら加水分解重縮合によりシロキサン結合を形成する反応
は種々知られており、既に工業的に実施されている。と
ころが、これら従来法では、反応の際に用いられる塩
酸、水、シラノールから副生するハロゲン化水素の回収
が必要なだけでなく、耐酸性の製造装置が必要であっ
た。さらに、発生するハロゲン化水素による副反応のた
め、目的とするオルガノシロキサンの収率が低いという
問題があった。特に、Si−H結合を有するシロキサン
は強塩基性化合物、ルイス酸または強酸等により容易に
分解反応や置換反応を起こすため、限られた製造方法し
か適用できなかった。
に用いられる方法である。しかし、この方法では水また
は塩化水素水を用いてハロシランの加水分解を行うた
め、塩化水素ガスの発生を抑えることができなかった。
また、発生する塩化水素のため、製造装置を耐酸性の設
備にする必要があるばかりでなく、反応の種類によって
は発生する塩化水素によりSi−H結合の加水分解が進
み、さらに縮合されるので、低温で反応を進める必要が
あり、目的とする化合物を選択性よく得ることができな
いという問題があった。上記式(2)で示される反応は
米国特許第3462386号明細書に記載されているも
のである。この反応においては反応中にアミン類を加え
て発生する塩化水素を塩酸塩の形にすることで縮合反応
等の副反応を防止するため、式(1)の方法と比較する
と収率に若干の改善がみられる。ところが、この方法は
塩化水素の発生という面では式(1)の反応と同様であ
り、耐酸性の設備が必要で、しかも収率改善効果も満足
できるものではなかった。さらに、原料に用いるシラノ
ールは不安定でり、工業原料としては不適切であり、し
かもアミン類の塩酸塩の分離、処理も必要である。ま
た、シロキサン化合物製造の際に、ハロシラン以外に反
応系内に硫黄、窒素原子を含有する化合物を加えて反応
を行う方法が知られているが、この方法では生成物であ
るシロキサン中に硫黄化合物や窒素化合物が混入し、続
いて反応を行う際にこれらの不純物が触媒毒になる等の
不都合があった。さらに、この方法では反応後に大量の
硫黄化合物や窒素化合物の廃棄物が生じるため、処理を
行い無害化する必要があり、経済的に極めて不利であっ
た。
技術の問題点を解決するためになされたものである。す
なわち、本発明は、塩化水素ガス等のハロゲン化水素等
を発生することも、硫黄化合物および窒素化合物等を副
生することもなく、工業的に有用なオルガノシロキサ
ン、特にオルガノジシロキサンを高収率で、高選択的
に、しかも低コストで製造する方法の提供を課題とす
る。
決するため、ハロシランの反応によるオルガノシロキサ
ンの製造方法について鋭意研究した結果、例えば下記式
(3)で示されるように、ハロシランを炭酸塩または金
属酸化物と直接反応させることにより、塩化水素および
塩素にそれぞれ代表されるハロゲン化水素およびハロゲ
ンを発生させることなく、簡便な製造装置を用いて、高
い収率で、選択的にオルガノシロキサンを非常に安価に
製造し得る方法を見出し、しかもこの方法によると、硫
黄化合物や窒素化合物等の有害な副生物を生じることが
なく、安全面や環境面でも大幅に改善されることを見出
し、本発明を完成させた。〔なお、下記式(3)ではア
ルカリ金属(M)の炭酸塩を用いる例を示したが、他の
金属の炭酸塩、また金属酸化物でも同様に反応は進行す
る。〕
iX (式中、nは0、1、2または3を表し、Rは有機基を
表すが、複数個のRが存在する場合、それらは同じであ
っても、異なっていてもよく、そしてXはハロゲン原子
を表す)で表されるモノハロシランを炭酸塩または金属
酸化物の少なくとも1種と反応させることにより、生成
物に次式:Hn R3-n Si−O−(式中、nおよびRは
上記と同じ意味を表す)で表される結合種を生成させる
方法に関する。
表すが、複数個のRが存在する場合、それらは同じであ
っても、異なっていてもよく、そしてXはハロゲン原子
を表す)で表されるモノハロシランを炭酸塩または金属
酸化物の少なくとも1種と反応させることにより、次
式: Hn R3-n Si−O−SiR3-n Hn (式中、nおよびRは上記と同じ意味を表す)で表され
るオルガノジシロキサンを製造する方法に関する。
いて、炭酸塩または金属酸化物として、炭酸リチウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸フランシウ
ム、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸ラジウ
ム、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸
化ルビジウム、酸化セシウム、酸化ベリリウム、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸
化バリウムおよび酸化ラジウムからなる群から選択され
ることが好ましい。このように、本発明の方法におい
て、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩また
は酸化物が使用されることが好ましい。
明において使用されるモノハロシランは上記したように
次式:Hn R3-nSiXで表されるものである。ここで
式中のXはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれであってもよ
い。また、Rはケイ素原子に結合した有機基であり、よ
り具体的には、非置換または置換された炭素原子数1な
いし30の炭化水素基、例えばアルキル基(例:メチル
基,プロピル基,ブチル基,オクチル基,デシル基,イ
コシル基,トリアコンチル基,それらの異性体等;シク
ロアルキル基(例:シクロペンチル基,シクロヘキシル
基等);アリール基(例:フェニル基,トリル基,ナフ
チル基等);アルケニル基(例:ビニル基,アリル基
等);アルキニル基(例:エチニル基,プロパルギル基
等);アラルキル基(例:ベンジル基,フェネチル基、
フェニルプロピル基等)の他、含窒素置換基、例えばア
ミノ基、シアノ基等、含酸素置換基、例えばヒドロキシ
基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシ基、アル
コキシカルボニル基、ホルミル基等、含硫黄置換基、例
えばメルカプト基、スルホ基等、含ケイ素置換基、例え
ばシロキシ基等である。1分子中に複数個のRが存在す
る場合(nが0または1である場合)、それらは同じで
あっても、異なっていてもよい。上記基Rのうち、炭化
水素基の少なくとも1つの水素原子は上記したハロゲン
原子、含窒素置換基、含酸素置換基、含硫黄置換基およ
び/または含ケイ素置換基により置換されていてもよ
い。また、上記基Rのうち、含窒素置換基、含酸素置換
基、含硫黄置換基および含ケイ素置換基は、可能であれ
ば上記したハロゲン原子および/または炭化水素基によ
り置換されていてもよい。上記モノハロシランは工業的
に製造されるモノハロシランの他に、ヒドロシリル化等
の反応を用いることによって工業的に製造されるモノハ
ロシランから合成される誘導体モノハロシラン等を用い
ることができる。
ンの具体例として以下のものを挙げることができるが、
これらに限定されるものではない:メチルクロロシラ
ン、ジメチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、
エチルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、トリエチ
ルクロロシラン、n−プロピルクロロシラン、ジ(n−
プロピル)クロロシラン、トリ(n−プロピル)クロロ
シラン、イソプロピルクロロシラン、ジ(イソプロピ
ル)クロロシラン、トリ(イソプロピル)クロロシラ
ン、n−ブチルクロロシラン、ジ(n−ブチル)クロロ
シラン、トリ(n−ブチル)クロロシラン、第三ブチル
クロロシラン、ジ(第三ブチル)クロロシラン、トリ
(第三ブチル)クロロシラン、n−ヘキシルクロロシラ
ン、ジ(n−ヘキシル)クロロシラン、トリ(n−ヘキ
シル)クロロシラン、フェニルクロロシラン、ジフェニ
ルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン;エチルジ
メチルクロロシラン、n−プロピルジメチルクロロシラ
ン、イソプロピルジメチルクロロシラン、n−ブチルジ
メチルクロロシラン、イソブチルジメチルクロロシラ
ン、第三ブチルジメチルクロロシラン、ペンチルジメチ
ルクロロシラン、ヘキシルジメチルクロロシラン、ヘプ
チルジメチルクロロシラン、オクチルジメチルクロロシ
ラン、ノニルジメチルクロロシラン、デシルジメチルク
ロロシラン、ジ(n−ブチル)メチルクロロシラン、ジ
(第三ブチル)メチルクロロシラン、n−ノニルジメチ
ルクロロシラン、n−ヘプチルジメチルクロロシラン、
n−オクチルジメチルクロロシラン、n−デシルジメチ
ルクロロシラン、ジメチル−n−オクタデシルクロロシ
ラン、n−トリアコンチルジメチルクロロシラン、
(3,3−ジメチルブチル)ジメチルクロロシラン;ビ
ニルメチルクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラ
ン、アリルジメチルクロロシラン、オクテニルジメチル
クロロシラン、7−オクテニルジメチルクロロシラン、
シクロヘキシルジメチルクロロシラン、フェニルメチル
クロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、フェニ
ルビニルクロロシラン、ジフェニルビニルクロロシラ
ン、トリフェニルビニルクロロシラン、ベンジルジメチ
ルクロロシラン、p−トリルジメチルクロロシラン、
〔2−(3−シクロヘキセニル)エチル〕ジメチルクロ
ロシラン、(3−フェニルプロピル)ジメチルクロロシ
ラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジフェニルビニ
ルクロロシラン、(p−第三ブチルフェネチル)ジメチ
ルクロロシラン、第三ブチルジフェニルクロロシラン;
(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルクロロシ
ラン、(ジクロロメチル)メチルクロロシラン、(ジク
ロロメチル)ジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメ
チルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラ
ン、(3−クロロプロピル)ジメチルクロロシラン、ク
ロロブチルジメチルクロロシラン、ジ(クロロメチル)
メチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルクロロシラ
ン;ジメチルメトキシクロロシラン、(2−アセトキシ
エチル)ジメチルクロロシラン、(3−アセトキシプロ
ピル)ジメチルクロロシラン、メタクリロキシプロピル
ジメチルクロロシラン、3−(4−メトキシフェニル)
プロピルジメチルクロロシラン、トリ(第三ブトキシ)
クロロシラン、(10−カルボメトキシデシル)ジメチ
ルクロロシラン、(2,4,6−トリ−第三ブチルフェ
ノキシ)ジメチルクロロシラン;(N,N−ジメチルア
ミノ)ジメチルクロロシラン、ビス(N,N−ジメチル
アミノ)メチルクロロシラン、(3−イソシアネートプ
ロピル)ジメチルクロロシラン、(3−シアノプロピ
ル)ジメチルクロロシラン、〔3−(トリメチルシロキ
シ)プロピル〕ジメチルクロロシラン、トリス(トリメ
チルシロキシ)クロロシラン、(トリデカフルオロ−
1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)ジメチルクロ
ロシラン;トリメチルフルオロシラン、トリフェニルフ
ルオロシラン、ジメチルフルオロシラン、ジフェニルフ
ルオロシラン、ジメチルフェニルフルオロシラン、ジフ
ェニルメチルフルオロシラン;トリメチルブロモシラ
ン、トリフェニルブロモシラン、ジメチルブロモシラ
ン、ジフェニルブロモシラン、ジメチルフェニルブロモ
シラン、ジフェニルメチルブロモシラン等。
は、その製造の容易さの点から、基Rがアルキル基、シ
クロアルキル基、フェニル基、ビニル基、3,3,3−
トリフルオロプロピル基等である化合物であり、そのよ
うな具体的化合物としては以下のものを挙げることがで
きるが、それらに限定されない:ジメチルクロロシラ
ン、トリメチルクロロシラン、エチルクロロシラン、ト
リエチルクロロシラン、トリ(n−プロピル)クロロシ
ラン、トリ(n−ブチル)クロロシラン、n−ヘキシル
クロロシラン、トリ(n−ヘキシル)クロロシラン、ジ
フェニルクロロシラン;エチルジメチルクロロシラン、
n−プロピルジメチルクロロシラン、イソプロピルジメ
チルクロロシラン、n−ブチルジメチルクロロシラン、
ヘキシルメチルクロロシラン、ジ(n−ブチル)メチル
クロロシラン、n−デシルメチルクロロシラン、n−オ
クチルジメチルクロロシラン、n−デシルジメチルクロ
ロシラン、ジメチル−n−オクタデシルクロロシラン、
n−トリアコンチルジメチルクロロシラン;ビニルメチ
ルクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、アリル
ジメチルクロロシラン、オクテニルジメチルクロロシラ
ン、7−オクテニルジメチルクロロシラン、シクロヘキ
シルジメチルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシ
ラン、ジフェニルビニルクロロシラン、トリフェニルビ
ニルクロロシラン;(3,3,3−トリフルオロプロピ
ル)メチルクロロシラン;トリメチルフルオロシラン、
トリフェニルフルオロシラン、ジメチルフルオロシラ
ン、ジフェニルフルオロシラン、ジメチルフェニルフル
オロシラン、ジフェニルメチルフルオロシラン;トリメ
チルブロモシラン、トリフェニルブロモシラン、ジメチ
ルブロモシラン、ジフェニルブロモシラン、ジメチルフ
ェニルブロモシラン、ジフェニルメチルブロモシラン
等。本発明における上記モノハロシランの使用割合は任
意である。
属酸化物は少なくとも1種使用することが必須であり、
少なくとも1種の炭酸塩のみを用いても、少なくとも1
種の酸化物のみを用いても、また、少なくとも1種の炭
酸塩と少なくとも1種の酸化物を組み合わせて用いても
よく、その使用割合は任意である。
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セ
シウム、炭酸フランシウム、炭酸ベリリウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸
バリウム、炭酸ラジウム等が挙げられるが、これらに限
定されない。これらの炭酸塩の中で、工業的に使用しや
すいものとして炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム等が挙げられる。
カリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物が好ましく、
例えばLi2 O、Li2 O2 、Na2 O、Na2 O2 、
NaO、K2 O、K2 O2 、KO2 、BeO、Mg2 O
2 、MgO、Ca2 O、Ca2 O2 、CaO4 、Ba
O、BaO2 等が挙げられるが、これらに限定されな
い。
定されないが、原料であるモノハロシランを完全に反応
させるために、上記炭酸塩または酸化物を反応当量以上
用いることが好ましい。炭酸塩または酸化物が反応当量
以下の場合は系内に未反応で残留しているモノハロシラ
ンを回収して再び反応に用いることもできる。具体的に
モノハロシランと炭酸塩または酸化物の化学当量は、モ
ノハロシラン1に対して0.01〜20であることが好
ましい。炭酸塩および/または酸化物の使用量が0.0
1当量未満であると、生成するオルガノジシロキサンの
量が少なくなり、モノハロシランとの分離効率が低下す
ることがある。また、20当量を越えると未反応の炭酸
塩および/または酸化物が系内に大量に残留し、後処理
等に時間を要する等の不都合が生じ、生産性が低下する
ので経済的理由から好まれない。さらに好ましくは反応
率、選択率等の理由から、上記炭酸塩および/または酸
化物の使用量は0.1〜10当量である。
ノジシロキサンの製造方法は溶媒を使用せずに実施する
ことができるが、使用する場合、以下のような有機溶媒
が使用される:アルコール系溶媒、例えばメタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)等、芳
香族炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等、エ
ーテル系溶媒、例えばジエチルエーテル、ジ−n−ブチ
ルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(TH
F)等、脂肪族炭化水素系溶媒、例えばヘキサン、ヘプ
タン等、塩素化炭化水素系溶媒、例えばジクロロエタ
ン、塩化メチレン、クロロホルム等。固体の炭酸塩また
は酸化物、例えば炭酸リチウム、酸化リチウム等を使用
する場合、アルコール系またはエーテル系等の極性溶媒
を使用することにより、反応速度を高めることができ
る。
ンを包含するオルガノシロキサンの製造は、常圧ないし
加圧下で行い得る。炭酸ガスを効率的に発生させるため
に常圧に近い圧力で反応させることが好ましい。この
際、モノハロシランに対して反応不活性な雰囲気下で反
応を行うことが好ましい。不活性な雰囲気とするための
気体は、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、炭酸ガス等
であるが、これらに限定されるものではない。
および/または酸化物との反応は、−78〜200℃、
好ましくは−10〜170℃の温度で行うのが望まし
い。また、反応時間は概ね0.1〜48時間であり、効
率的な反応を行うためには0.5〜24時間であること
が望ましい。
(ジ)シロキサンは通常複数種のオルガノ(ジ)シロキ
サンの混合物として得られるが、その生成比は反応温
度、時間;モノハロシランの種類、混合比、滴下時間、
滴下方法、滴下温度;溶媒の有無、使用する場合の溶媒
の種類、量;炭酸塩および/または酸化物の種類、粒径
(固体の場合);反応時の攪拌方法等の条件の選択によ
り、適宜変化させることができ、また、特定のオルガノ
ジシロキサンの生成比を高めることが可能である。
ルガノシロキサン、特にオルガノジシロキサンを100
%に近い収率で、しかも高選択率で得ることができ、反
応の際に水をほとんど使用しない(実質的に無水条件で
反応が行われる)のでハロゲン化水素ガス、ハロゲンガ
スの発生を伴うことなく、様々なオルガノ(ジ)シロキ
サンを製造することが可能となった。また、本発明は、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩または酸
化物という安価な原料を用いて実施し得るので、経済的
にも有利である。本発明の方法により製造されたオルガ
ノシロキサン、特にオルガノジシロキサンは工業的に有
用であり、しかも分子中の反応性基を利用して他の有機
材料を変性することが可能であり、従来の有機材料に耐
熱性、撥水性、気体透過性、吸水性等を付与することが
できる。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
なく、本発明の技術的思想を利用するものであれば全て
本発明の範囲に含まれる。なお、以下の実施例および比
較例における略語の意味は以下のとおりである:赤外吸
収スペクトル(IR),ガスクロマトグラフィー−質量
分析法(GC−MS)。
を備えたガラス製の1リットルの5つ口フラスコ内を乾
燥窒素で十分置換した後、該フラスコに炭酸カリウム3
2gおよびトルエン500gを加えた。フラスコ内の温
度を温調装置により5℃に保ちながら、トリメチルクロ
ロシラン22g(0.2モル)を5時間かけて滴下して
添加した。滴下と共に気体が発生したが、該気体はGC
−MSにより炭酸ガスであることが確認され、その発生
量はマスフローメーターによる測定で2200mlであ
った。30℃で2時間攪拌した後、注水し、有機層を分
液し、水洗、乾燥を行った。トルエンを留去すると、生
成物(ヘキサメチルジシロキサン)16gが得られた。
生成物の構造の確認はGC−MS、IRにより行った。
反応後の析出塩を分析したところ、塩化カリウムの生成
が確認された。
HF500gを加えた。フラスコ内の温度を温調装置に
より40℃に保ちながら、ジフェニルビニルクロロシラ
ン24.5g(0.1モル)およびジフェニルメチルク
ロロシラン23g(0.1モル)を0.5時間かけて滴
下して添加した。次いで実施例1と同様に反応および後
処理を行ったところ、3種類のジシロキサンが合計41
g得られた。反応後の析出塩を分析したところ、塩化リ
チウムの生成が確認された。
行ったところ、いずれも塩化水素ガスを発生することな
く、高収率でオルガノジシロキサンが得られた。原料組
成と併せて生成物の収率も表1にまとめて示す。
を備えたガラス製の1リットルの5つ口フラスコ内を乾
燥窒素で十分置換した後、トリメチルクロロシラン22
gおよびトルエン500gを加えた。窒素気流下、35
重量%塩酸15gを30分かけて滴下して添加した。滴
下中はフラスコの温度を温調装置により30℃に保持し
た。滴下と共に気体が発生し、GC−MSにより塩化水
素ガスであることが確認され、その発生量はマスフロー
メーターから発生した塩酸を算出すると5000mlで
あった。30℃で1時間攪拌した後、注水し、有機層を
分液し、水洗、乾燥を行った。溶媒のトルエンを留去す
ると、ヘキサメチルジシロキサン15gが得られた。生
成物の確認はGC−MSにより行った。
ノハロシランを出発物質として加水分解やアミン類の添
加なしに生成物にケイ素−酸素結合(Si−O)を生成
させることを可能としたものである。また、本発明によ
れば、モノハロシラン、炭酸塩および/または金属酸化
物という非常に安価な原材料から、高純度および高収率
で選択的にオルガノジシロキサンを包含するオルガノシ
ロキサンを製造することができる。さらに、本発明は反
応の際に水を必要としないため、ハロゲン化水素ガスや
ハロゲンガスの発生がなく、より簡便な製造設備を用い
て上記オルガノシロキサンを製造することができ、工業
的に非常に有利な製造方法である。しかも、本発明の方
法によれば、反応後に食塩等の金属ハロゲン化物が副生
するのみで、硫黄物質や窒素物質等の有害物を生成する
ことなく安全にオルガノシロキサンを製造することがで
きる。また、本発明において、特定の炭酸塩および/ま
たは金属酸化物を選択して使用することにより、上記し
た本発明の種々の効果をより一層向上させることができ
る。本発明の方法により製造されたオルガノシロキサ
ン、特にオルガノジシロキサンは分子中の反応性基を利
用して他の有機材料を変性することが可能であり、従来
の有機材料に耐熱性、撥水性、気体透過性、吸水性等を
付与することが可能であるため、有機材料の変性剤や改
質剤等として好適に使用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 次式:Hn R3-n SiX (式中、nは0、1、2または3を表し、Rは有機基を
表すが、複数個のRが存在する場合、それらは同じであ
っても、異なっていてもよく、そしてXはハロゲン原子
を表す)で表されるモノハロシランを炭酸塩または金属
酸化物の少なくとも1種と反応させることにより、生成
物に次式:Hn R3-n Si−O− (式中、nおよびRは上記と同じ意味を表す)で表され
る結合種を生成させる方法。 - 【請求項2】 次式:Hn R3-n SiX (式中、nは0、1、2または3を表し、Rは有機基を
表すが、複数個のRが存在する場合、それらは同じであ
っても、異なっていてもよく、そしてXはハロゲン原子
を表す)で表されるモノハロシランを炭酸塩または金属
酸化物の少なくとも1種と反応させることにより、次
式: Hn R3-n Si−O−SiR3-n Hn (式中、nおよびRは上記と同じ意味を表す)で表され
るオルガノジシロキサンを製造する方法。 - 【請求項3】 炭酸塩または金属酸化物として、炭酸リ
チウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸フラ
ンシウム、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸ラ
ジウム、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウ
ム、酸化ルビジウム、酸化セシウム、酸化ベリリウム、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化バリウムおよび酸化ラジウムからなる群から選
択される少なくとも1種が使用される請求項1または2
記載の方法。
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Cited By (2)
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WO2008099811A1 (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-21 | Jsr Corporation | ケイ素含有膜形成用材料、ならびにケイ素含有絶縁膜およびその形成方法 |
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1998
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