JPH11322423A - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
- Publication number
- JPH11322423A JPH11322423A JP10155277A JP15527798A JPH11322423A JP H11322423 A JPH11322423 A JP H11322423A JP 10155277 A JP10155277 A JP 10155277A JP 15527798 A JP15527798 A JP 15527798A JP H11322423 A JPH11322423 A JP H11322423A
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- piezoelectric
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い振動速度で駆動可能な圧電磁器組成物を
提供すること。 【解決手段】 主成分が組成式ａＰｂＺｒＯ3−ｂＰｂ
ＴｉＯ3−ｃＰｂ（Ｍｎ1/ 3Ｎｂ2/3）Ｏ3（ただしａ＋ｂ
＋ｃ＝１）で表され、組成範囲が、Ｗ（ａ＝０.３５、
ｂ＝０.６０、ｃ＝０.０５）、Ｘ（ａ＝０.６０、ｂ＝
０.３５、ｃ＝０.０５）、Ｙ（ａ＝０.２５、ｂ＝０.５
０、ｃ＝０.２５）、Ｚ（ａ＝０.５５、ｂ＝０.２０、
ｃ＝０.２５）の組成点を結ぶ線上およびこの４点に囲
まれた領域で表され、副成分として、主成分を重量で１
００％としたとき、Ｌａ2Ｏ3が０.１〜０.５ｗｔ％含有
される圧電磁器組成物である。
提供すること。 【解決手段】 主成分が組成式ａＰｂＺｒＯ3−ｂＰｂ
ＴｉＯ3−ｃＰｂ（Ｍｎ1/ 3Ｎｂ2/3）Ｏ3（ただしａ＋ｂ
＋ｃ＝１）で表され、組成範囲が、Ｗ（ａ＝０.３５、
ｂ＝０.６０、ｃ＝０.０５）、Ｘ（ａ＝０.６０、ｂ＝
０.３５、ｃ＝０.０５）、Ｙ（ａ＝０.２５、ｂ＝０.５
０、ｃ＝０.２５）、Ｚ（ａ＝０.５５、ｂ＝０.２０、
ｃ＝０.２５）の組成点を結ぶ線上およびこの４点に囲
まれた領域で表され、副成分として、主成分を重量で１
００％としたとき、Ｌａ2Ｏ3が０.１〜０.５ｗｔ％含有
される圧電磁器組成物である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電トランス、圧
電アクチュエータ、超音波振動子等に適した圧電材料に
関し、特に、広範囲な振動レベルで高効率な電気機械変
換特性を有する圧電磁器組成物に関する。
電アクチュエータ、超音波振動子等に適した圧電材料に
関し、特に、広範囲な振動レベルで高効率な電気機械変
換特性を有する圧電磁器組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】電気エネルギーを機械的振動エネルギー
に変換することのできる圧電材料は、圧電トランス、圧
電アクチュエータ、超音波振動子等への応用がなされて
いる。圧電材料は、これらの応用に対して、その用途に
応じて小さい機械的出力から極めて大きな機械的出力ま
で広範囲にわたり、高効率で電気−機械エネルギー変換
が行われることが求められる。近年、圧電材料を応用し
たデバイスが実用化されるなか、その機械的出力のさら
なる増大が求められている。
に変換することのできる圧電材料は、圧電トランス、圧
電アクチュエータ、超音波振動子等への応用がなされて
いる。圧電材料は、これらの応用に対して、その用途に
応じて小さい機械的出力から極めて大きな機械的出力ま
で広範囲にわたり、高効率で電気−機械エネルギー変換
が行われることが求められる。近年、圧電材料を応用し
たデバイスが実用化されるなか、その機械的出力のさら
なる増大が求められている。
【０００３】従って、これらの応用に対し、圧電材料に
は、電気エネルギーの機械的な振動エネルギーへの変換
に際して、エネルギー損失を抑制することが必要とな
る。動作振動振幅もしくは振動レベルが高くなるのに伴
い、内部エネルギー損失による発熱が生じるため、やが
て励起できる振動振幅は、限界値すなわち振動レベル限
界値に達し、さらには材料の絶縁破壊を引き起こすこと
になる。いま、振動レベルを振動子の最大先端振動振幅
ξｍと、振動子の共振周波数ｆｒの測定から算出できる
実効的振動速度Ｖとすると、Ｖは次式で表される。
は、電気エネルギーの機械的な振動エネルギーへの変換
に際して、エネルギー損失を抑制することが必要とな
る。動作振動振幅もしくは振動レベルが高くなるのに伴
い、内部エネルギー損失による発熱が生じるため、やが
て励起できる振動振幅は、限界値すなわち振動レベル限
界値に達し、さらには材料の絶縁破壊を引き起こすこと
になる。いま、振動レベルを振動子の最大先端振動振幅
ξｍと、振動子の共振周波数ｆｒの測定から算出できる
実効的振動速度Ｖとすると、Ｖは次式で表される。
【０００４】Ｖ＝２1/2・π・ｆｒ・ξｍ・・・（１）
【０００５】しかし、振動レベルを振動速度で表現した
場合、従来技術では、安心して使用できる振動速度の限
界が低いという問題があった。
場合、従来技術では、安心して使用できる振動速度の限
界が低いという問題があった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の材料は、低い振動速度での駆動となるため、大きな機
械的出力が要求されるデバイスへの応用は困難であっ
た。
の材料は、低い振動速度での駆動となるため、大きな機
械的出力が要求されるデバイスへの応用は困難であっ
た。
【０００７】本発明は、高い振動速度でも駆動可能な圧
電磁器組成物を提供することを目的とする。
電磁器組成物を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高い振動レ
ベル（速度）でも駆動可能な圧電磁器材料の組成範囲及
び添加物範囲を見出した。
ベル（速度）でも駆動可能な圧電磁器材料の組成範囲及
び添加物範囲を見出した。
【０００９】即ち、本発明は、主成分が組成式ａＰｂＺ
ｒＯ3−ｂＰｂＴｉＯ3−ｃＰｂ（Ｍｎ1/3Ｎｂ2/3）Ｏ3
（ただしａ＋ｂ＋ｃ＝１）で表され、組成範囲が、Ｗ
（ａ＝０.３５、ｂ＝０.６０、ｃ＝０.０５）、Ｘ（ａ
＝０.６０、ｂ＝０.３５、ｃ＝０.０５）、Ｙ（ａ＝０.
２５、ｂ＝０.５０、ｃ＝０.２５）、Ｚ（ａ＝０.５
５、ｂ＝０.２０、ｃ＝０.２５）の組成点を結ぶ線上お
よびこの４点に囲まれた領域で表され、副成分として、
主成分を重量で１００％としたとき、Ｌａ2Ｏ3が０.１
〜０.５ｗｔ％含有されたことを特徴とする圧電磁器組
成物である。
ｒＯ3−ｂＰｂＴｉＯ3−ｃＰｂ（Ｍｎ1/3Ｎｂ2/3）Ｏ3
（ただしａ＋ｂ＋ｃ＝１）で表され、組成範囲が、Ｗ
（ａ＝０.３５、ｂ＝０.６０、ｃ＝０.０５）、Ｘ（ａ
＝０.６０、ｂ＝０.３５、ｃ＝０.０５）、Ｙ（ａ＝０.
２５、ｂ＝０.５０、ｃ＝０.２５）、Ｚ（ａ＝０.５
５、ｂ＝０.２０、ｃ＝０.２５）の組成点を結ぶ線上お
よびこの４点に囲まれた領域で表され、副成分として、
主成分を重量で１００％としたとき、Ｌａ2Ｏ3が０.１
〜０.５ｗｔ％含有されたことを特徴とする圧電磁器組
成物である。
【００１０】上記の本発明の組成範囲及び添加物範囲と
することで、従来より高い振動レベル限界Ｖｍａｘを有
する圧電磁器材料が得られる。
することで、従来より高い振動レベル限界Ｖｍａｘを有
する圧電磁器材料が得られる。
【００１１】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。
する。
【００１２】本発明の組成物を得る出発原料として、酸
化鉛（ＰｂＯ）、酸化ジルコニウム（ＺｒＯ2）、酸化
チタン（ＴｉＯ2）、炭酸マンガン（ＭｎＣＯ3）、酸化
ニオブ（Ｎｂ2Ｏ3）、酸化ランタン（Ｌａ2Ｏ3）の各粉
末を用いた。
化鉛（ＰｂＯ）、酸化ジルコニウム（ＺｒＯ2）、酸化
チタン（ＴｉＯ2）、炭酸マンガン（ＭｎＣＯ3）、酸化
ニオブ（Ｎｂ2Ｏ3）、酸化ランタン（Ｌａ2Ｏ3）の各粉
末を用いた。
【００１３】各原料粉末を所定量秤量し、ボールミルに
よる湿式混合後、混合粉末を８５０℃で２時間大気中に
て仮焼した。仮焼粉を粉砕後、バインダー混合、成形
し、さらに、脱バインダーして、１２００〜１２６５℃
で２時間大気中にて焼成を行った。次に、得られた焼結
体を切断し、４３×７×１ｍｍの矩形板に加工した後、
相対向する両主面に銀電極を焼き付け、１００℃でシリ
コーンオイル中４ｋＶ／ｍｍの直流電界を１５分印加し
て分極処理を施した。
よる湿式混合後、混合粉末を８５０℃で２時間大気中に
て仮焼した。仮焼粉を粉砕後、バインダー混合、成形
し、さらに、脱バインダーして、１２００〜１２６５℃
で２時間大気中にて焼成を行った。次に、得られた焼結
体を切断し、４３×７×１ｍｍの矩形板に加工した後、
相対向する両主面に銀電極を焼き付け、１００℃でシリ
コーンオイル中４ｋＶ／ｍｍの直流電界を１５分印加し
て分極処理を施した。
【００１４】分極処理後、２４時間室温放置し、圧電横
効果長さ方向振動の基本モードを励振させ、振動レベル
限界の測定を行った。
効果長さ方向振動の基本モードを励振させ、振動レベル
限界の測定を行った。
【００１５】振動レベル（速度）限界は、圧電振動子の
振動の節点における温度測定により、その振動子の内部
エネルギー損失により励起される温度上昇（室温と振動
子の温度との差）ΔＴが２０℃になる振動速度とした。
振動の節点における温度測定により、その振動子の内部
エネルギー損失により励起される温度上昇（室温と振動
子の温度との差）ΔＴが２０℃になる振動速度とした。
【００１６】表１に測定結果を示す。表１において、Ｐ
ｂＺｒＯ3量、ＰｂＴｉＯ3量、Ｐｂ（Ｍｎ1/3Ｎｂ2/3）
Ｏ3量は、ｍｏｌ％で示している。また、＊の記された
試料は、本発明の請求範囲外の試料であることを示す。
ｂＺｒＯ3量、ＰｂＴｉＯ3量、Ｐｂ（Ｍｎ1/3Ｎｂ2/3）
Ｏ3量は、ｍｏｌ％で示している。また、＊の記された
試料は、本発明の請求範囲外の試料であることを示す。
【００１７】
【表１】
【００１８】次に、表１に基づいて、各化合物の配合比
率（組成比）を限定した理由について、以下に説明する
率（組成比）を限定した理由について、以下に説明する
【００１９】Ｐｂ（Ｍｎ1/3Ｎｂ2/3）Ｏ3量ｃが５ｍｏ
ｌ％未満の場合、強誘電体分域壁の運動に伴う内部摩擦
による損失が大きいため、振動レベル限界は低い。ま
た、２５ｍｏｌ％を越えると、パイロクロア等の異相が
生成し、弾性的な損失を引き起こす。また、ＰｂＺｒＯ
3量ａの配合比率を請求範囲外の比率にすると、電気的
なエネルギーを機械的なエネルギーに変換する能力が極
端に下がるため、振動レベル限界は低くなる。ＰｂＴｉ
Ｏ3量ｂは、ａ、ｃが決まれば必然的に決まる。Ｌａ2Ｏ
3量が請求範囲外では、その効果の低下や、材料の焼結
性の変化等により好ましくない。従って、振動レベル限
界が従来より大きくなるのは、請求した組成範囲内に限
定される。
ｌ％未満の場合、強誘電体分域壁の運動に伴う内部摩擦
による損失が大きいため、振動レベル限界は低い。ま
た、２５ｍｏｌ％を越えると、パイロクロア等の異相が
生成し、弾性的な損失を引き起こす。また、ＰｂＺｒＯ
3量ａの配合比率を請求範囲外の比率にすると、電気的
なエネルギーを機械的なエネルギーに変換する能力が極
端に下がるため、振動レベル限界は低くなる。ＰｂＴｉ
Ｏ3量ｂは、ａ、ｃが決まれば必然的に決まる。Ｌａ2Ｏ
3量が請求範囲外では、その効果の低下や、材料の焼結
性の変化等により好ましくない。従って、振動レベル限
界が従来より大きくなるのは、請求した組成範囲内に限
定される。
【００２０】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来材料より高い振動速度、あるいは大振幅でも駆動可
能な圧電磁器組成物を提供することができた。
従来材料より高い振動速度、あるいは大振幅でも駆動可
能な圧電磁器組成物を提供することができた。
【００２１】従って、高い振動レベルまたは大振幅で振
動させる圧電デバイスへの応用が可能となり、工業的価
値は大である。
動させる圧電デバイスへの応用が可能となり、工業的価
値は大である。
Claims (1)
- 【請求項１】 主成分が組成式ａＰｂＺｒＯ3−ｂＰｂ
ＴｉＯ3−ｃＰｂ（Ｍｎ1/3Ｎｂ2/3）Ｏ3（ただしａ＋ｂ
＋ｃ＝１）で表され、組成範囲が、Ｗ（ａ＝０.３５、
ｂ＝０.６０、ｃ＝０.０５）、Ｘ（ａ＝０.６０、ｂ＝
０.３５、ｃ＝０.０５）、Ｙ（ａ＝０.２５、ｂ＝０.５
０、ｃ＝０.２５）、Ｚ（ａ＝０.５５、ｂ＝０.２０、
ｃ＝０.２５）の組成点を結ぶ線上およびこの４点に囲
まれた領域で表され、副成分として、主成分を重量で１
００％としたとき、Ｌａ2Ｏ3が０.１〜０.５ｗｔ％含有
されたことを特徴とする圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10155277A JPH11322423A (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10155277A JPH11322423A (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 圧電磁器組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11322423A true JPH11322423A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15602393
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10155277A Pending JPH11322423A (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11322423A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002356372A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Kyocera Corp | 圧電磁器組成物及び圧電トランス |
| WO2005068394A1 (ja) * | 2004-01-20 | 2005-07-28 | Iai Corporation | 圧電磁器組成物 |
| JP2009096690A (ja) * | 2007-10-18 | 2009-05-07 | Tdk Corp | 圧電磁器組成物、及び発振子 |
| JP2009096688A (ja) * | 2007-10-18 | 2009-05-07 | Tdk Corp | 圧電磁器組成物、及び発振子 |
| JP2009242188A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Tdk Corp | 圧電磁器組成物、圧電素子、及び発振子 |
-
1998
- 1998-05-19 JP JP10155277A patent/JPH11322423A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002356372A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Kyocera Corp | 圧電磁器組成物及び圧電トランス |
| WO2005068394A1 (ja) * | 2004-01-20 | 2005-07-28 | Iai Corporation | 圧電磁器組成物 |
| JPWO2005068394A1 (ja) * | 2004-01-20 | 2007-09-06 | 株式会社アイエイアイ | 圧電磁器組成物 |
| JP2009096690A (ja) * | 2007-10-18 | 2009-05-07 | Tdk Corp | 圧電磁器組成物、及び発振子 |
| JP2009096688A (ja) * | 2007-10-18 | 2009-05-07 | Tdk Corp | 圧電磁器組成物、及び発振子 |
| JP2009242188A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Tdk Corp | 圧電磁器組成物、圧電素子、及び発振子 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071022 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071031 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071226 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081203 |