JP2009096690A - 圧電磁器組成物、及び発振子 - Google Patents

圧電磁器組成物、及び発振子 Download PDF

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Abstract

【課題】厚み縦振動の三次高調波モードを利用する発振子に用いられたときに、十分に高いQmax、及び発振周波数Fの良好な温度特性を得ることを可能にする圧電磁器組成物を提供すること。
【解決手段】ペロブスカイト構造を有する複合酸化物を含有し、該複合酸化物が、(PbαLnβ)(Ti1−(x+y+z)ZrMnNb)O[式中、LnはLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。]で表される組成を有し、0.91≦α≦1.00、0<β≦0.08、0.125≦x≦0.300、0.020≦y≦0.050、及び0.040≦z≦0.070を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電磁器組成物、及び発振子に関する。
圧電磁器組成物は、外部から圧力を受けることによって電気分極を起こす圧電効果と、外部から電界を印加されることにより歪みを生じる逆圧電効果とを有するため、電気エネルギーと機械エネルギーとの相互変換を行うための材料として用いられる。このような圧電磁器組成物は、例えば、レゾネータ(発振子)、フィルタ、センサ、アクチュエータ、着火素子あるいは超音波モーター等の多種多様な製品で使用されている。
例えば、厚み縦振動の3倍波を利用したセラミックフィルタ等に用いられる圧電磁器組成物として、PbTiOのPbの一部をLaで置換したチタン酸鉛系にMn及びCrを添加し、一般式がPb1−3y/2LaTiO+z・{(1−x)MnO+(x/2)・Cr}で示される組成(ただし、0<x<1,0<z≦5wt%)としたことを特徴とする圧電磁器組成物が知られている(特許文献1)。
特開平5−139824号公報
圧電素子を備える発振子を発振回路に用いた場合、発振特性を保証するために発振子のQmaxが大きいことが要求される。更に近年では、発振周波数Fの温度特性が良好であることも要求される。なお、Qmaxとは、位相角の最大値をθmax(単位:deg)としたときのtanθmaxであり、換言すれば、Xをリアクタンス、Rをレジスタンスとしたときの共振周波数frと反共振周波数faとの間におけるQ(=|X|/R)の最大値である。また、「発振周波数Fの温度特性が良好である」とは、発振子又はこれを備える発振回路の温度が変化した際に、その温度変化量に対する発振周波数Fの変化量の比が小さく、温度変化に対して発振周波数Fが安定していることを意味する。
しかし、厚み縦振動の3倍波(厚み縦振動の三次高調波モード)を利用する発振子の場合、屈曲振動モードを利用する発振子等と比較して使用される周波数帯域が高いことから、従来の圧電磁器組成物では、Qmax、及び発振周波数Fの温度特性の点で十分に満足できるものが得られなかった。厚み縦振動の3倍波を利用する発振子は、例えばマイコンを制御するための基準クロックを発する素子であるレゾネータへの応用が可能であり、高価な水晶振動子の代替を図る点等からも、厚み縦振動の3倍波を利用する発振子に用いられたときに十分な性能を発揮する圧電磁器組成物が求められている。
そこで、本発明は、厚み縦振動の三次高調波モードを利用する発振子に用いられたときに、十分に高いQmax、及び発振周波数Fの良好な温度特性を得ることを可能にする圧電磁器組成物、及び当該圧電磁器組成物を使用した発振子を提供することを目的とする。
本発明の圧電磁器組成物は、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物を含有する圧電磁器組成物に関する。圧電磁器組成物中の複合酸化物は、
(PbαLnβ)(Ti1−(x+y+z)ZrMnNb)O
[式中、LnはLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。]
で表される組成を有し、0.91≦α≦1.00、0<β≦0.08、0.125≦x≦0.300、0.020≦y≦0.050、及び0.040≦z≦0.070を満たす。
本発明の発振子は、上記本発明の圧電磁器組成物からなる圧電素子を備える。
上記本発明の発振子では、圧電素子が上記式で表される組成を有する圧電磁器組成物からなるため、厚み縦振動の三次高調波モードを利用する発振子として用いられたときであっても、十分に高いQmax、及び発振周波数Fの良好な温度特性が得られる。
本発明の圧電磁器組成物では、LnがLaであることが好ましい。これにより本発明による効果が特に顕著に奏される。
本発明の圧電磁器組成物は、0.13≦x≦0.25を満たすことが好ましく、0.13≦x≦0.20を満たすことがより好ましく、0.13≦x≦0.16を満たすことが特に好ましい。これにより、発振周波数Fの温度特性がより一層顕著に向上する。
本発明の圧電磁器組成物は、0.020≦y≦0.037を満たすことが好ましい。これにより、Qmaxがより一層顕著に向上し、且つ、圧電磁器組成物の抵抗率が低下し難くなるため、圧電素子の製造時において圧電磁器組成物へ圧電性を付与するための分極処理がし易くなる。
本発明によれば、厚み縦振動の三次高調波モードを利用する発振子に用いられたときに、十分に高いQmax、及び発振周波数Fの良好な温度特性を得ることを可能にする圧電磁気組成物が提供される。また、本発明によれば、圧電磁器組成物が高いキュリー温度を有していることから、高温においても脱分極しにくい圧電素子を得ることが可能である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の圧電磁器組成物を使用した発振子について、好適な実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は発振子の一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿う断面図である。図1及び図2に示す発振子1は、直方体状の圧電素子2と、圧電素子2を間に挟んで対向する1対の振動電極3とから構成される。圧電素子2の上面の中央に1つの振動電極3が形成され、圧電素子2の下面の中央に別の振動電極3が形成されている。圧電素子2は本実施形態の圧電磁器組成物からなる。振動電極3はAg等の導電材から構成されている。
圧電素子2の寸法は、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、例えば縦1.0〜4.0mm×横0.5〜4.0mm×厚さ50〜300μm程度である。また、振動電極3の形状は通常円形であり、その寸法は、例えば直径0.5〜3.0mm、厚み0.5〜5μm程度である。
上記圧電磁器組成物は、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物を主成分として含有する。この複合酸化物は、下記化学式(1)で表される組成を有する。
(PbαLnβ)(Ti1−(x+y+z)ZrMnNb)O ・・・化学式(1)
式(1)中、Lnは、ランタノイド元素であり、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。これらのランタノイド元素の中でも、Lnとしては、特にLa、Pr、Ho、Gd、SmおよびErから選ばれる少なくとも1種の元素が好ましく、Laがより好ましい。
上記複合酸化物は、0.91≦α≦1.00を満たす。αが0.91未満では、圧電磁器組成物の抵抗率が低下し易くなるため、圧電素子2の製造時において圧電磁器組成物へ圧電性を付与するための分極処理がし難くなる傾向がある。また、αが1.00を越えると、Qmaxが小さくなる傾向がある。αを上記範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。同様の観点から、0.93≦α≦0.98であることが好ましい。
上記複合酸化物は、0<β≦0.08を満たす。圧電磁器組成物を構成する複合酸化物が0<β≦0.08の範囲内でLnを含有することによって、Qmaxが向上する。βが0では圧電素子2の焼結性が悪くなる傾向があり、適切に圧電特性が得られなくなる場合がある。また、βが0.08を越えると、キュリー温度が低下し、圧電素子2が加熱された際に脱分極し易くなる傾向がある。βを上記範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。同様の観点から、0.02≦β≦0.06であることが好ましい。
上記複合酸化物は、0.125≦x≦0.300を満たす。xが0.125未満では発振周波数Fの温度特性が低下する傾向がある。また、xが0.300を越えると、キュリー温度が低下し、圧電素子2が加熱された際に脱分極し易くなる傾向がある。xを上記範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。同様の観点から、0.13≦x≦0.25であることが好ましく、0.13≦x≦0.20であることがより好ましく、0.13≦x≦0.16であることが特に好ましい。なお、x≧0.125であれば、式(1)の複合酸化物のうちPb、Ln及びTiの酸化物に由来する部分の重量に対するZrOの比率が5重量%を超える程度にまで、ZrOが複合酸化物中に比較的多く含まれることになる。
上記複合酸化物は、0.020≦y≦0.050を満たす。yが0.020未満ではQmaxが小さくなる傾向がある。また、yが0.050を越えると、圧電磁器組成物の抵抗率が低下し易くなるため、圧電素子2の製造時において圧電磁器組成物へ圧電性を付与するための分極処理がし難くなる傾向がある。yを上記範囲内とすることによってこれらの傾向を抑制できる。同様の観点から、0.020≦y≦0.037であることが好ましい。
上記複合酸化物は、0.040≦z≦0.070を満たす。zが0.040未満では圧電素子2の焼結性が悪くなる傾向がある。zが0.070を越えると、比抵抗が高くなり過ぎて、熱衝撃試験による特性劣化が大きくなる傾向がある。zを上記範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。
圧電磁器組成物は、上記化学式(1)で表される組成を有する複合酸化物以外の化合物を不純物または微量添加物として含有していてもよい。係る化合物としては、例えば、Na、Al、Si、P、K、Ca、Fe、Cu、Zn、Hf、Ta又はWの酸化物がある。なお、上記圧電磁器組成物がこれらの酸化物等を含有する場合、圧電磁器組成物における各酸化物の含有率の合計値は、各元素の酸化物換算で、圧電磁器組成物全体の0.3重量%以下であることが好ましい。言い換えると、圧電磁器組成物のうち99.7重量%以上は式(1)で表される酸化物であることが好ましい。この場合、実質的に、圧電磁器組成物自体が式(1)で表される組成を有する。
本実施形態では、発振子1が備える圧電素子2が上記圧電磁器組成物から形成されているため、この発振子1を厚み縦振動の三次高調波モードを利用する発振子して発振回路に用いたときに、十分に高いQmaxと良好な発振周波数Fの温度特性が達成される。また、圧電磁器組成物のキュリー温度を所望の値とすることができる。
上述した本実施形態の発振子1の製造方法は、主として、圧電素子2の原料粉末を造粒する工程と、この原料粉末をプレス成形して成形体を形成する工程と、成形体を焼成して焼結体を形成する工程と、焼結体を分極処理して圧電素子2を形成する工程と、圧電素子2に対して振動電極3を形成する工程とを備える。以下、発振子1の製造方法について具体的に説明する。
まず、圧電磁器組成物を形成するための出発原料を準備する。出発原料としては、上記化学式(1)で表されるペロブスカイト構造の複合酸化物を構成する各元素の酸化物および/または焼成後にこれらの酸化物になる化合物(炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等)を使用できる。具体的な出発原料としては、PbO、ランタノイド元素の化合物(例えば、La,La(OH)等)、TiO,ZrO、MnOまたはMnCO、Nb等を使用すればよい。これらの各出発原料を、焼成後において上記化学式(1)で表される組成の複合酸化物が形成されるような重量比で配合する。
次に、配合された出発原料をボールミル等により湿式混合する。この湿式混合された出発原料を仮成形して仮成形体を形成し、この仮成形体を仮焼成する。この仮焼成によって、上述した本実施形態の圧電磁器組成物を含有する仮焼成体が得られる。仮焼成温度は、700〜1050℃であることが好ましく、仮焼成時間は1〜3時間程度であることが好ましい。仮焼成温度が低過ぎると、仮成形体において化学反応が十分に進行しない傾向があり、仮焼成温度が高過ぎると、仮成形体が焼結し始めるため、その後の粉砕が困難となる傾向がある。また、仮焼成は、大気中で行ってもよく、また大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気または純酸素雰囲気で行ってもよい。また、湿式混合された出発原料を、仮成形することなくそのまま仮焼成してもよい。
得られた仮焼成体はスラリー化してボールミル等で微粉砕(湿式粉砕)した後、これを乾燥することにより微粉末を得る。得られた微粉末に必要に応じてバインダーを添加して、原料粉末を造粒する。なお、仮焼成体をスラリー化するための溶媒としては、水、エタノールなどのアルコール、または水とエタノールとの混合溶媒等を用いることが好ましい。また、微粉末に添加するバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールに分散剤を添加したもの、エチルセルロースなど、一般的に用いられる有機バインダーを挙げることができる。
次に、原料粉末をプレス成形することにより成形体を形成する。プレス成形する際の加重は、例えば100〜400MPaとすればよい。
得られた成形体には脱バインダー処理が施される。脱バインダー処理は、300〜700℃の温度で0.5〜5時間程度行うことが好ましい。また、脱バインダー処理は、大気中で行ってもよく、また大気よりも酸素分圧が高い雰囲気または純酸素雰囲気で行ってもよい。
脱バインダー処理後、成形体を焼成することによって、圧電磁器組成物からなる焼結体を得る。焼成温度は1050〜1250℃程度とすればよく、焼成時間は1〜8時間程度とすればよい。なお、成形体の脱バインダー処理と焼成とは連続して行ってもよく、別々に行ってもよい。
次に、焼結体を薄板状に切断し、これをラップ研磨して表面加工する。焼結体の切断に際しては、カッター、スライサーまたはダイシングソー等の切断機を用いて行うことができる。表面加工後、薄板状の焼結体の両面に、分極処理用の仮電極を形成する。仮電極を構成する導電材としては、塩化第二鉄溶液によるエッチング処理によって容易に除去できることから、Cuが好ましい。仮電極の形成には、真空蒸着法やスパッタリングを用いることが好ましい。
分極処理用の仮電極を形成した薄板状の焼結体に対して分極電界を印加して分極処理を施す。分極処理の条件は、焼結体が含有する圧電磁器組成物の組成に応じて適宜決定すればよいが、通常、分極処理される焼結体の温度は150〜300℃、分極電界を印加する時間は1〜30分間、分極電界の大きさは焼結体の抗電界の0.9倍以上とすればよい。
分極処理後、焼結体からエッチング処理などにより仮電極を除去する。そして、焼結体を所望の素子形状となるように切断して圧電素子2を形成する。この圧電素子2に振動電極3を形成することによって、本実施形態の発振子1が完成する。振動電極3の形成には、真空蒸着法やスパッタリングを用いることが好ましい。
以上、本発明の圧電磁器組成物及び発振子の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の圧電磁器組成物は、発振子以外に、フィルタ、アクチュエータ、超音波洗浄機、超音波モーター、霧化器用振動子、魚群探知機、ショックセンサ、超音波診断装置、廃トナーセンサ、ジャイロセンサ、ブザー、トランス又はライター等に使用してもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試料1の出発原料として、酸化鉛(PbO),水酸化ランタン(La(OH)),酸化チタン(TiO),酸化ジルコニウム(ZrO),炭酸マンガン(MnCO),酸化ニオブ(Nb)の各粉末原料を準備した。本焼成後の磁器試料(焼結体)を構成する圧電磁器組成物が表1の「試料1」の組成を有するものとなるように、これら各粉末原料を秤量して配合した。次に、配合された粉末原料の混合物と純水とをZrボールと共にボールミルで10時間混合してスラリーを得た。このスラリーを、十分に乾燥させた後でプレス成形し、これを900℃で仮焼成して仮焼成体を得た。次に、仮焼成体をボールミルで微粉砕した後、これを乾燥したものに、バインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)を適量加えて造粒した。得られた造粒粉を縦20mm×横20mmの金型に約3g入れ、1軸プレス成型機を用いて245MPaの荷重で成形した。成形した試料を熱処理してバインダーを除去した後、1150〜1250℃で2時間本焼成して、圧電磁器組成物から構成される焼結体である磁器試料(試料1)を得た。同様の操作で「試料1」としての磁器試料を複数準備した。
得られた磁器試料の1つを、両面ラップ盤で0.4mmの厚みに平面加工した後、これをダイシングソーで縦6mm×横6mmの寸法に切断した。切断後の磁器試料の両端部にAgペーストを真空蒸着することにより、5mm×5mmの寸法を有するAg電極を一対形成した。Ag電極を形成した磁器試料を電気炉中に設置した後、LCRメーターを用いて、昇温過程及び降温過程において磁器試料の静電容量が最大値となるときの温度をそれぞれ測定し、これらの平均値からキュリー温度Tを求めた。結果を表1に示す。なお、発振子が高温においても正常に機能するためには、高温においても圧電素子(試料1の磁器試料)が圧電性を保持する必要があるため、キュリー温度Tは高いほど好ましい。
キュリー温度Tの測定用とは別の磁器試料(試料1)を両面ラップ盤で0.4mmの厚みに平面加工した後、これをダイシングソーで縦16mm×横16mmの寸法に切断した。切断後の磁器試料の両端部にAgペーストを塗布することにより、15mm×15mmの寸法を有する分極処理用の仮電極を一対形成した。仮電極が形成された磁器試料に対して、温度120℃のシリコンオイル槽中で抗電界の2倍の分極電界を15分間印加して、分極処理を行った。分極処理後、仮電極を除去した磁器試料を再度ラップ盤で約0.25mmの厚さまで研磨し、これをダイシングソーで7mm×4.5mmの圧電素子2に加工した。次に、真空蒸着装置を用いて圧電素子2の両面に振動電極3を形成して、図1、2と同様の構成を有する発振子1を得た。なお、振動電極3は、1.5μmのAg層から構成した。
インピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー社製4294A)を使用して、30MHz付近での厚み縦振動の三次高調波モードにおける発振子1のQmaxを測定した。結果を表1に示す。なお、Qmaxは、安定発振に寄与するものであり、大きいほど好ましい。
次に、図3のように、発振子1に、所定の容量を有する並列容量CL1,CL2を接続して、ICと共にコルピッツ発振回路20を形成した。なお、コルピッツ発振回路20において、Rfは帰還抵抗、Rdは制限抵抗である。また、コルピッツ発振回路20には所定のDC電源(図示省略)を接続した。このコルピッツ発振回路20を、25℃の恒温槽に入れ、槽内の温度が25℃に安定した時における発振周波数(以下、F(25℃)と記す。)を測定した。また、コルピッツ発振回路20を入れた恒温槽の温度を−40℃に設定し、槽内の温度が−40℃に安定した時における発振周波数(以下、F(−40℃)と記す。)、及びコルピッツ発振回路20を入れた恒温槽の温度を85℃に設定し、槽内の温度が85℃に安定した時における発振周波数(以下、F(85℃)と記す。)をそれぞれ測定した。発振周波数F(25℃)、F(−40℃)及びF(85℃)は、それぞれ周波数カウンター(アジレントテクノロジー社製53181A)を用いて測定した。
測定した発振周波数F(25℃)、F(−40℃)及びF(85℃)の値から、下記数式(1),(2)を用いて、発振周波数Fの温度特性値FTC1及びFTC2(単位:ppm/℃)を求めた。結果を表1に示す。なお、FTC1,FTC2がそれぞれ小さいほど、発振周波数Fが温度変化に対して安定しており、Fの温度特性が良好であることを意味する。したがって、FTC1,FTC2は小さいほど好ましい。
Figure 2009096690

Figure 2009096690
本焼成後の磁器試料(焼結体)を構成する圧電磁器組成物が表1に示す試料2〜30の各組成を有するものとなるように各粉末原料を配合したこと以外は、試料1と同様の方法で、試料2〜30としての磁器試料をそれぞれ作製した。また、試料1と同様の方法で、試料2〜30のキュリー温度T、Qmax、FTC1及びFTC2をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。なお、表1に示す試料1〜30のうち、キュリー温度Tが300℃以上であり、Qmaxが10以上であり、且つFTC1及びFTC2がいずれも15ppm/℃以下である試料が好ましい。
Figure 2009096690
表1に示すように、磁器試料を構成する圧電磁器組成物が、0.91≦α≦1.00、0<β≦0.08、0.125≦x≦0.300、0.020≦y≦0.037、及び0.040≦z≦0.070を満たす試料3,8〜12,14〜30においては、キュリー温度Tが300℃以上であり、Qmaxが10以上であり、且つFTC1及びFTC2がいずれも15ppm/℃以下であることが確認された。
xが0.125未満である試料1,2では、FTC2が大きく、発振周波数Fの温度特性が良好でないことが確認された。また、xが0.300を越える試料4では、キュリー温度Tが300℃未満であり、FTC1が大きいことが確認された。
αが0.91未満である試料13では、磁器試料の抵抗率が低かったため、分極処理によって磁器試料に充分な圧電性を付与することができなかった。
以上の実験結果から、本発明によれば、厚み縦振動の三次高調波モードを利用する発振子に用いられたときに、十分に高いQmax、及び発振周波数Fの良好な温度特性を得ることを可能にする圧電磁気組成物が提供されることが確認された。
本発明の一実施形態に係る発振子を示す斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 発振子を備えるコルピッツ発振回路図である。
符号の説明
1…発振子、2…圧電素子、3…振動電極。

Claims (7)

  1. ペロブスカイト構造を有する複合酸化物を含有し、
    前記複合酸化物が、
    (PbαLnβ)(Ti1−(x+y+z)ZrMnNb)O
    [式中、LnはLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。]
    で表される組成を有し、
    0.91≦α≦1.00、
    0<β≦0.08、
    0.125≦x≦0.300、
    0.020≦y≦0.050、及び
    0.040≦z≦0.070
    を満たす、圧電磁器組成物。
  2. 前記LnがLaである、請求項1に記載の圧電磁器組成物。
  3. 0.13≦x≦0.25を満たす、請求項1又は2に記載の圧電磁器組成物。
  4. 0.13≦x≦0.20を満たす、請求項1又は2に記載の圧電磁器組成物。
  5. 0.13≦x≦0.16を満たす、請求項1又は2に記載の圧電磁器組成物。
  6. 0.020≦y≦0.037を満たす、請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電磁器組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧電磁器組成物からなる圧電素子を備える発振子。
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