JP2000239064A - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
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- JP2000239064A JP2000239064A JP11040505A JP4050599A JP2000239064A JP 2000239064 A JP2000239064 A JP 2000239064A JP 11040505 A JP11040505 A JP 11040505A JP 4050599 A JP4050599 A JP 4050599A JP 2000239064 A JP2000239064 A JP 2000239064A
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- piezoelectric porcelain
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の材料の２倍以上の高い振動速度あるい
は大振幅でも駆動可能な圧電磁器組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の圧電磁器組成物は、主成分が組
成式ａＰｂＺｒＯ３−ｂＰｂＴｉＯ３−ｃＰｂ（Ｓｂ
１／２Ｎｂ１／２）Ｏ３（ただしａ＋ｂ＋ｃ＝１）で表
され、組成範囲が、Ｗ（ａ＝０.３２、ｂ＝０.５３、ｃ
＝０.１５）、Ｘ（ａ＝０.５、ｂ＝０.３５、ｃ＝０.１
５）、Ｙ（ａ＝０.４、ｂ＝０.５９５、ｃ＝０.００
５）、Ｚ（ａ＝０.６５、ｂ＝０.３４５、ｃ＝０.００
５）の組成点を結ぶ線上およびこの４点に囲まれた領域
であり、副成分として、主成分を重量で１００ｗｔ％と
したとき、ＭｎＯが１ｗｔ％以下（０を含まず）および
Ｓｍ２Ｏ ３が２ｗｔ％以下（０を含まず）含有され、振
動速度限界が０.４５ｍ／ｓ以上である。
は大振幅でも駆動可能な圧電磁器組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の圧電磁器組成物は、主成分が組
成式ａＰｂＺｒＯ３−ｂＰｂＴｉＯ３−ｃＰｂ（Ｓｂ
１／２Ｎｂ１／２）Ｏ３（ただしａ＋ｂ＋ｃ＝１）で表
され、組成範囲が、Ｗ（ａ＝０.３２、ｂ＝０.５３、ｃ
＝０.１５）、Ｘ（ａ＝０.５、ｂ＝０.３５、ｃ＝０.１
５）、Ｙ（ａ＝０.４、ｂ＝０.５９５、ｃ＝０.００
５）、Ｚ（ａ＝０.６５、ｂ＝０.３４５、ｃ＝０.００
５）の組成点を結ぶ線上およびこの４点に囲まれた領域
であり、副成分として、主成分を重量で１００ｗｔ％と
したとき、ＭｎＯが１ｗｔ％以下（０を含まず）および
Ｓｍ２Ｏ ３が２ｗｔ％以下（０を含まず）含有され、振
動速度限界が０.４５ｍ／ｓ以上である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲な振動レベ
ルで高効率な電気機械変換特性を有し、例えば圧電トラ
ンス、圧電アクチュエータ、超音波振動子等に適した圧
電材料として有用な圧電磁器組成物に関する。
ルで高効率な電気機械変換特性を有し、例えば圧電トラ
ンス、圧電アクチュエータ、超音波振動子等に適した圧
電材料として有用な圧電磁器組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】電気エネルギーを機械的振動エネルギー
に変換することのできる圧電材料は、圧電トランス、圧
電アクチュエータ、超音波振動子等への応用がなされて
いる。これらの応用に対して、圧電材料は、その用途に
応じて小さい機械的出力から極めて大きな機械的出力ま
で広範囲にわたり、高効率で電気−機械エネルギー変換
が行われることが求められる。近年、圧電材料を応用し
たデバイスが実用化されるなか、その機械的出力のさら
なる増大が求められている。
に変換することのできる圧電材料は、圧電トランス、圧
電アクチュエータ、超音波振動子等への応用がなされて
いる。これらの応用に対して、圧電材料は、その用途に
応じて小さい機械的出力から極めて大きな機械的出力ま
で広範囲にわたり、高効率で電気−機械エネルギー変換
が行われることが求められる。近年、圧電材料を応用し
たデバイスが実用化されるなか、その機械的出力のさら
なる増大が求められている。
【０００３】従って、これらの応用に対し、圧電材料に
は、電気エネルギーの機械的な振動エネルギーへの変換
に際して、エネルギー損失を抑制することが必要とな
る。動作振動振幅もしくは振動レベルが高くなるのに伴
い、内部エネルギー損失による発熱が生じるため、やが
て励起できる振動振幅は、限界値すなわち振動速度限界
値に達し、さらには材料の絶縁破壊を引き起こすことに
なる。いま、振動速度を振動子の最大先端振動振幅ξｍ
と、振動子の共振周波数ｆｒの測定から算出できる実効
的振動速度Ｖとすると、Ｖは次式（１）で表される。
は、電気エネルギーの機械的な振動エネルギーへの変換
に際して、エネルギー損失を抑制することが必要とな
る。動作振動振幅もしくは振動レベルが高くなるのに伴
い、内部エネルギー損失による発熱が生じるため、やが
て励起できる振動振幅は、限界値すなわち振動速度限界
値に達し、さらには材料の絶縁破壊を引き起こすことに
なる。いま、振動速度を振動子の最大先端振動振幅ξｍ
と、振動子の共振周波数ｆｒの測定から算出できる実効
的振動速度Ｖとすると、Ｖは次式（１）で表される。
【０００４】 Ｖ＝２１／２・π・ｆｒ・ξｍ・・・（１）
【０００５】このように振動レベルを振動速度で表現し
た場合、従来技術では、安心して使用できる振動速度の
限界が、０.２ｍ／ｓ程度に留まっていた。
た場合、従来技術では、安心して使用できる振動速度の
限界が、０.２ｍ／ｓ程度に留まっていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の材料は、０.２ｍ／ｓ程度を上限とした低振動速度で
の駆動となるため、大きな機械的出力が要求されるデバ
イスへの応用は困難であった。
の材料は、０.２ｍ／ｓ程度を上限とした低振動速度で
の駆動となるため、大きな機械的出力が要求されるデバ
イスへの応用は困難であった。
【０００７】本発明は、高い電気機械結合係数を有し、
従来の材料の２倍以上の高い振動速度あるいは大振幅で
も駆動可能な圧電磁器組成物を提供することを目的とす
る。
従来の材料の２倍以上の高い振動速度あるいは大振幅で
も駆動可能な圧電磁器組成物を提供することを目的とす
る。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高い電気機
械結合係数を有し、かつ、高い振動速度でも駆動可能な
圧電磁器材料の組成範囲、及び焼結体の平均結晶粒径の
範囲を見出した。
械結合係数を有し、かつ、高い振動速度でも駆動可能な
圧電磁器材料の組成範囲、及び焼結体の平均結晶粒径の
範囲を見出した。
【０００９】即ち、本発明は、主成分が組成式ａＰｂＺ
ｒＯ３−ｂＰｂＴｉＯ３−ｃＰｂ（Ｓｂ１／２Ｎｂ
１／２）Ｏ３（ただしａ＋ｂ＋ｃ＝１）で表され、組成
範囲が、Ｗ（ａ＝０.３２、ｂ＝０.５３、ｃ＝０.１
５）、Ｘ（ａ＝０.５、ｂ＝０.３５、ｃ＝０.１５）、
Ｙ（ａ＝０.４、ｂ＝０.５９５、ｃ＝０.００５）、Ｚ
（ａ＝０.６５、ｂ＝０.３４５、ｃ＝０.００５）の組
成点を結ぶ線上およびこの４点に囲まれた領域であり、
副成分として、主成分を重量で１００ｗｔ％としたと
き、ＭｎＯが１ｗｔ％以下（０を含まず）およびＳｍ２
Ｏ３が２ｗｔ％以下（０を含まず）含有され、振動速度
限界が０.４５ｍ／ｓ以上であることを特徴とする圧電
磁器組成物である。
ｒＯ３−ｂＰｂＴｉＯ３−ｃＰｂ（Ｓｂ１／２Ｎｂ
１／２）Ｏ３（ただしａ＋ｂ＋ｃ＝１）で表され、組成
範囲が、Ｗ（ａ＝０.３２、ｂ＝０.５３、ｃ＝０.１
５）、Ｘ（ａ＝０.５、ｂ＝０.３５、ｃ＝０.１５）、
Ｙ（ａ＝０.４、ｂ＝０.５９５、ｃ＝０.００５）、Ｚ
（ａ＝０.６５、ｂ＝０.３４５、ｃ＝０.００５）の組
成点を結ぶ線上およびこの４点に囲まれた領域であり、
副成分として、主成分を重量で１００ｗｔ％としたと
き、ＭｎＯが１ｗｔ％以下（０を含まず）およびＳｍ２
Ｏ３が２ｗｔ％以下（０を含まず）含有され、振動速度
限界が０.４５ｍ／ｓ以上であることを特徴とする圧電
磁器組成物である。
【００１０】また、本発明は、上記の圧電磁器組成物に
おいて、焼結体の平均結晶粒径が５μｍ以下であること
を特徴とする圧電磁器組成物である。
おいて、焼結体の平均結晶粒径が５μｍ以下であること
を特徴とする圧電磁器組成物である。
【００１１】上記の本発明の組成範囲とすることで、高
い電気機械結合係数を有し、従来、困難であった振動速
度限界Ｖｍａｘが、従来の２倍以上となるＶｍａｘ≧
０.４５ｍ／ｓの特性を有する圧電磁器組成物が得られ
る。また、その焼結体の平均粒径を５μｍ以下とするこ
とで、機械的な破壊のない、安定して駆動できる圧電磁
器組成物が択られる。
い電気機械結合係数を有し、従来、困難であった振動速
度限界Ｖｍａｘが、従来の２倍以上となるＶｍａｘ≧
０.４５ｍ／ｓの特性を有する圧電磁器組成物が得られ
る。また、その焼結体の平均粒径を５μｍ以下とするこ
とで、機械的な破壊のない、安定して駆動できる圧電磁
器組成物が択られる。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。
明する。
【００１３】本発明の組成物を得る出発原料として、酸
化鉛（ＰｂＯ）、酸化ジルコニウム（ＺｒＯ２）、酸化
チタン（ＴｉＯ２）、酸化アンチモン（Ｓｂ２Ｏ３）、
酸化ニオブ（Ｎｂ２Ｏ３）、炭酸マンガン（ＭｎＣ
Ｏ３）、酸化サマリウム（Ｓｍ２Ｏ３）の各粉末を用い
た。
化鉛（ＰｂＯ）、酸化ジルコニウム（ＺｒＯ２）、酸化
チタン（ＴｉＯ２）、酸化アンチモン（Ｓｂ２Ｏ３）、
酸化ニオブ（Ｎｂ２Ｏ３）、炭酸マンガン（ＭｎＣ
Ｏ３）、酸化サマリウム（Ｓｍ２Ｏ３）の各粉末を用い
た。
【００１４】各原料粉末を所定量秤量し、ボールミルに
よる湿式混合後、混合粉末を２時間大気中にて仮焼し
た。仮焼粉を粉砕後、バインダー混合、成形し、さらに
脱バインダーして、２時間大気中にて焼成を行った。
よる湿式混合後、混合粉末を２時間大気中にて仮焼し
た。仮焼粉を粉砕後、バインダー混合、成形し、さらに
脱バインダーして、２時間大気中にて焼成を行った。
【００１５】次に、得られた焼結体を切断し、４３×７
×１ｍｍの矩形板に加工した後、相対向する両主面に銀
電極を焼き付け、１００℃でシリコーンオイル中４ｋＶ
／ｍｍの直流電界を１５分印加して分極処理を施した。
×１ｍｍの矩形板に加工した後、相対向する両主面に銀
電極を焼き付け、１００℃でシリコーンオイル中４ｋＶ
／ｍｍの直流電界を１５分印加して分極処理を施した。
【００１６】分極処理後、２４時間室温放置し、圧電横
効果長さ方向振動の基本モードを励振させ、振動速度限
界の測定を行った。
効果長さ方向振動の基本モードを励振させ、振動速度限
界の測定を行った。
【００１７】振動速度限界は、圧電振動子の振動の節点
における温度測定により、その振動子の内部エネルギー
損失により励起される温度上昇（室温と振動子の温度と
の差）ΔＴが２０℃になる振動速度とした。
における温度測定により、その振動子の内部エネルギー
損失により励起される温度上昇（室温と振動子の温度と
の差）ΔＴが２０℃になる振動速度とした。
【００１８】また、電気的なエネルギーを機械的なエネ
ルギーに変換する能力を、低振動速度における縦振動モ
ードのＫ３３で評価した。
ルギーに変換する能力を、低振動速度における縦振動モ
ードのＫ３３で評価した。
【００１９】表１に測定結果を示す。
【００２０】
【表１】
【００２１】次に、表１に基づいて、各化合物の配合比
率（組成比）を限定した理由について以下に説明する。
率（組成比）を限定した理由について以下に説明する。
【００２２】ＰｂＺｒＯ３量ａ、ＰｂＴｉＯ３量ｂ、Ｐ
ｂ（Ｓｂ１／２Ｎｂ１／２）Ｏ３量ｃの配合比率を請求
範囲外とすると、Ｋ３３が４０％未満となり、変換能力
が極端に下がるため、適さない。
ｂ（Ｓｂ１／２Ｎｂ１／２）Ｏ３量ｃの配合比率を請求
範囲外とすると、Ｋ３３が４０％未満となり、変換能力
が極端に下がるため、適さない。
【００２３】ＭｎＯ量ｄが０ｗｔ％の場合、強誘電体分
極壁の運動に伴う内部摩擦による損失が大きいため、振
動速度限界は低い。また、ｄが１ｗｔ％を越えると、異
相が生成し組織が不均一となるため、好ましくない。さ
らに、Ｓｍ２Ｏ３量ｅを請求の範囲内で添加すると、Ｋ
３３が上昇し、高出力材料として好ましい。ｅが２ｗｔ
％を越えると、異相が生成し組織が不均一となるため、
好ましくない。
極壁の運動に伴う内部摩擦による損失が大きいため、振
動速度限界は低い。また、ｄが１ｗｔ％を越えると、異
相が生成し組織が不均一となるため、好ましくない。さ
らに、Ｓｍ２Ｏ３量ｅを請求の範囲内で添加すると、Ｋ
３３が上昇し、高出力材料として好ましい。ｅが２ｗｔ
％を越えると、異相が生成し組織が不均一となるため、
好ましくない。
【００２４】従って、高いＫ３３値を有し、かつ、振動
速度限界が０.４５ｍ／ｓ以上となるのは、請求した組
成範囲内に限定される。図１に、本発明の組成範囲を示
す。本発明の組成は、図１において、斜線および境界線
上の範囲である。
速度限界が０.４５ｍ／ｓ以上となるのは、請求した組
成範囲内に限定される。図１に、本発明の組成範囲を示
す。本発明の組成は、図１において、斜線および境界線
上の範囲である。
【００２５】また、焼結体の平均粒径が５μｍを越える
と、駆動時に機械的破壊を起こすので、本発明の請求の
範囲から除外される。
と、駆動時に機械的破壊を起こすので、本発明の請求の
範囲から除外される。
【００２６】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高い電気機械結合係数を有し、従来の材料の２倍以上の
高振動速度あるいは大振幅でも駆動可能な圧電磁器組成
物を提供することができた。
高い電気機械結合係数を有し、従来の材料の２倍以上の
高振動速度あるいは大振幅でも駆動可能な圧電磁器組成
物を提供することができた。
【００２７】従って、高い振動速度または大振幅で振動
させる圧電デバイスへの応用が可能となり、工業的価値
は大である。
させる圧電デバイスへの応用が可能となり、工業的価値
は大である。
【図１】本発明の特許請求の範囲を示す三成分組成図。
Claims (2)
- 【請求項１】 主成分が組成式ａＰｂＺｒＯ３−ｂＰｂ
ＴｉＯ３−ｃＰｂ（Ｓｂ１／２Ｎｂ１／２）Ｏ３（ただ
し、ａ＋ｂ＋ｃ＝１）で表され、組成範囲が、Ｗ（ａ＝
０.３２、ｂ＝０.５３、ｃ＝０.１５）、Ｘ（ａ＝０.
５、ｂ＝０.３５、ｃ＝０.１５）、Ｙ（ａ＝０.４、ｂ
＝０.５９５、ｃ＝０.００５）、Ｚ（ａ＝０.６５、ｂ
＝０.３４５、ｃ＝０.００５）の組成点を結ぶ線上およ
びこの４点に囲まれた領域であり、副成分として、主成
分を１００ｗｔ％としたとき、ＭｎＯが１ｗｔ％以下
（０を含まず）およびＳｍ２Ｏ３が２ｗｔ％以下（０を
含まず）含有され、振動速度限界が０.４５ｍ／ｓ以上
であることを特徴とする圧電磁器組成物。 - 【請求項２】 請求項１記載の圧電磁器組成物におい
て、焼結体の平均結晶粒径が５μｍ以下であることを特
徴とする圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11040505A JP2000239064A (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | 圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11040505A JP2000239064A (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | 圧電磁器組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000239064A true JP2000239064A (ja) | 2000-09-05 |
Family
ID=12582421
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11040505A Withdrawn JP2000239064A (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | 圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000239064A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004067437A (ja) * | 2002-08-06 | 2004-03-04 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
| US7081480B2 (en) | 2000-08-07 | 2006-07-25 | Kagome Co., Ltd. | Hepatic disorder suppressant |
| JP2006199524A (ja) * | 2005-01-19 | 2006-08-03 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
| JP2008007335A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-01-17 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
| JP2010006632A (ja) * | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
-
1999
- 1999-02-18 JP JP11040505A patent/JP2000239064A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7081480B2 (en) | 2000-08-07 | 2006-07-25 | Kagome Co., Ltd. | Hepatic disorder suppressant |
| US7101913B2 (en) | 2000-08-07 | 2006-09-05 | Kagome Co., Ltd. | Hepatic disorder suppressant |
| US7132450B2 (en) | 2000-08-07 | 2006-11-07 | Kagome Co., Ltd. | Hepatic disorder suppressant |
| JP2004067437A (ja) * | 2002-08-06 | 2004-03-04 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
| JP4498665B2 (ja) * | 2002-08-06 | 2010-07-07 | Ｎｅｃトーキン株式会社 | アクチュエータ用圧電磁器組成物 |
| JP2006199524A (ja) * | 2005-01-19 | 2006-08-03 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
| JP2008007335A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-01-17 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
| JP2010006632A (ja) * | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050608 |
|
| A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070206 |