JPH11321145A - 印刷マスク用プラスチック材、印刷マスク及び印刷マスクの製造方法 - Google Patents

印刷マスク用プラスチック材、印刷マスク及び印刷マスクの製造方法

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JPH11321145A
JPH11321145A JP15219098A JP15219098A JPH11321145A JP H11321145 A JPH11321145 A JP H11321145A JP 15219098 A JP15219098 A JP 15219098A JP 15219098 A JP15219098 A JP 15219098A JP H11321145 A JPH11321145 A JP H11321145A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被膜の耐摩耗性、耐薬品性及び固着力を高め
ることにより、良好な帯電防止機能を維持することがで
きる印刷マスク用プラスチック材、印刷マスク及び印刷
マスクの製造方法を提供する。 【解決手段】 プラスチック(PET)シート3の表面
に導電性樹脂からなる被膜4を形成し、被膜4を加熱処
理することにより、被膜4の耐摩耗性、耐薬品性及び固
着力を高めた印刷マスク1を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板など
の印刷対象物にクリーム半田等の印刷物質を印刷するた
めの印刷マスク、該印刷マスクを製造するため印刷マス
ク用プラスチック材及び印刷マスクの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】クリーム半田、インク、接着剤、ペース
ト状の樹脂などの印刷物質をプリント基板などの印刷対
象物上に印刷するための印刷マスクとしては、従来より
スクリーンマスクとメタルマスクが知られているが、本
発明者は、これら従来のマスクの欠点を解消した印刷マ
スクとして新たに印刷マスク1を提案した(特開平7−
16924号公報、特開平7−81027号公報参
照)。
【0003】この印刷マスク1は、従来のメタルマスク
と同様にして使用されるものであるが、素材がメタルよ
りも柔らかなプラスチックであるため、印刷対象物の表
面の凹凸にしなやかに追随して密着性に優れ、印刷物質
のにじみの発生が少ないという利点がある。また、製造
方法もエキシマレーザーによるアブレーション加工であ
り、非常に微細できれいな凹部や貫通孔の加工ができ、
印刷物質の抜け性も向上する。さらに、ファインピッチ
部品に合わせて印刷マスクの材料であるプラスチック材
の表面を部分的に段掘りして薄くし、この薄肉とした段
掘り部に微小開口部を形成したいわゆるハーフエッチン
グマスクも容易に作製することができる。このため、従
来のメタルマスク以上の高品位、高精細なペースト印刷
が可能となった。
【0004】しかしながら、一方において、印刷マスク
の素材が絶縁体で、しかも金属よりも柔らかいプラスチ
ック材であるため、印刷時の摩擦によって静電気が発生
するという新たな問題が発生する。印刷マスクが帯電す
ると、次のような問題が発生する。例えば印刷マスクを
両面リフロー半田付けに使用した場合、該マスクの静電
気は、印刷による摩擦帯電が繰り返される度に蓄積され
て高電位になっていき、やがて帯電した静電気の電位が
或る電圧以上に達すると両面リフローによって既に一方
の面に実装されているROM、RAM、CMOS製品、
CCDなどの電子部品に流れ込み、部品内部の微小回路
を静電破壊させるおそれがある。また、この静電破壊
は、帯電してしまった印刷マスクを印刷対象物からはが
すときの放電現象(剥離放電)によっても発生する場合
がある。上記静電破壊された部品は、外観検査やインサ
ーキット検査ではその不具合発生の有無を判断すること
ができないため、実装のほぼ最終工程である機能検査で
発見されることになり、多大なロスを発生する。さら
に、ROM,RAMなどのメモリ回路内部の静電破壊
は、通常の機能検査では発見されないものもあり、不良
品の外部流出という事態も起こり得る。
【0005】そこで、本発明者は、プラスチック材から
なる印刷マスクの表面に導電性の被膜(導電層)を形成
することにより、静電気の帯電を防止することができる
印刷マスクを提案した(特開平8−252988号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記印刷マスクの導電
性の被膜は、製造コストが低く抑えることができ、マス
ク母材のプラスチック材との固着力が金属被膜の場合よ
りも大きいということから、導電性樹脂で形成すること
が有利であると考えられる。ところが、この導電性樹脂
からなる被膜を有する印刷マスクを用いる場合、機械的
接触や摩擦によって該被膜が摩耗しやすかった。また、
再利用のために溶剤を用いた超音波洗浄を行なったとき
には、該被膜が剥離したり該溶剤に溶解したりして損傷
を受けるおそれもあった。そのため、上記被膜の帯電防
止機能が発揮されなくなってしまうという不具合があっ
た。
【0007】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的は、導電性の被膜の耐摩耗性、耐薬品
性及び固着力を高めることにより、良好な帯電防止機能
を維持することができる印刷マスク用プラスチック材、
印刷マスク及び印刷マスクの製造方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、印刷マスクを製造するた
めの印刷マスク用プラスチック材であって、表面に導電
性樹脂からなる被膜を有し、該被膜が加熱処理されてい
ることを特徴とするものである。
【0009】この請求項1の印刷マスク用プラスチック
材においては、表面の被膜が導電性樹脂であるので、金
属を用いた場合に比較して該プラスチック材に対する固
着力が強い。そして、該被膜が加熱処理されて焼き付け
られているので、該被膜の耐摩耗性及び耐薬品性が高ま
っているとともに、上記固着力が更に高まっている。こ
のように被膜の耐摩耗性、耐薬品性及び固着力が高まっ
た該プラスチック材に、所定パターンからなる開口部が
形成されると、導電性の被膜を有する印刷マスクとな
る。
【0010】請求項2の発明は、表面に導電性樹脂から
なる被膜を有し、該被膜が加熱処理されていることを特
徴とする印刷マスクである。
【0011】この請求項2の印刷マスクでは、表面の被
膜が導電性樹脂であるので、金属を用いた場合に比較し
て基材のプラスチック材に対する固着力が強い。そし
て、該被膜が加熱処理されて焼き付けられているので、
該被膜の耐摩耗性及び耐薬品性が高まっているととも
に、上記固着力が更に高まっている。
【0012】請求項3の発明は、印刷用プラスチック材
に所定パターンからなる開口部を形成する印刷マスクの
製造方法であって、該印刷用プラスチック材の表面に導
電性樹脂からなる被膜を形成した後、該被膜を加熱処理
することを特徴とするものである。
【0013】この請求項3の印刷マスクの製造方法で
は、印刷マスクの表面に形成した被膜が導電性樹脂であ
るので、金属を用いた場合に比較して基材のプラスチッ
ク材に対する固着力が強い。そして、該被膜を加熱処理
して焼き付けているので、該被膜の耐摩耗性及び耐薬品
性を高めるとともに、上記固着力を更に高めることがで
きる。
【0014】なお、上記請求項3の印刷マスクの製造方
法において、導電性樹脂からなる被膜の形成及び該被膜
の加熱処理は、上記開口部の形成の前後どちらで行って
もよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について説明する。図1(a)は本実施形態
に係る印刷マスク1の断面図、図1(b)は該印刷マス
ク1の平面図、図1(c)は該印刷マスク1の部分拡大
断面図である。この印刷マスク1は、印刷対象物として
の電子部品実装用のプリント基板上に、印刷物質として
の導電性ペーストを印刷する場合に用いられるものであ
る。
【0016】この印刷マスク1の製造方法は次のとおり
である。図1(a)及び(b)において、アルミ角パイ
プ製の枠体2に、印刷マスク用プラスチック材として、
厚さ150μmの2軸延伸PET(ポリエチレンテレフ
タレート)からなるプラスチックシート3が一定のテン
ションで張られている。
【0017】このプラスチックシート3の下面(印刷時
にプリント基板に接する面)には、図1(c)に示すよ
うに、導電性樹脂からなる被膜4が形成されている。こ
の導電性樹脂としては、例えばポリウレタン樹脂にカー
ボン粉を分散したものを用いることができる。このポリ
ウレタン樹脂を溶剤に溶かし、グラビアロールでプラス
チックシート3の表面に塗布して被膜を形成し、該被膜
中の溶剤を加熱して除去し、ロールに巻き取る。
【0018】そして、上記プラスチックシート3上の被
膜4を焼き付けるために、熱処理(アニーリング処理)
を行っている。この熱処理は、上記ロール状のプラスチ
ックシート3を恒温チャンバー内で入れ、例えば60〜
70°Cの温度条件で24〜48時間程度行う。
【0019】この熱処理を施したプラスチックシート3
を前述の枠体2に張った後、図1(c)に示すように所
定パターンからなる開口部5を形成する。この開口部5
は、例えば本発明者が特開平7−81027号公報で示
したような、エキシマレーザ光によるアブレーション加
工で形成することができる。
【0020】次に、図2を参照して、本実施形態の印刷
マスク1を用いて、電子部品実装用のプリント基板に導
電性ペーストであるクリーム半田を印刷する方法につい
て説明する。印刷機のクランパ10などの金属構造部を
接地した後、印刷作業は次のようにして行なわれる。ま
ず、半田付けを行なうプリント基板11を印刷機の左右
のクランパ10上に載置した後、印刷マスク1を被膜4
がプリント基板11に接する向きにプリント基板11上
に載せ、図示しない押圧手段によって印刷マスク1全体
を押圧することにより、プリント基板11の表面と印刷
機のクランパ10などの金属構造部に密着させる。
【0021】次いで、印刷マスク1上に所定量のクリー
ム半田12を載せた後、スキージ13によって展延し、
印刷マスク1の開口部5にクリーム半田12を充填す
る。クリーム半田の充填が終了したら、プリント基板1
1上から印刷マスク1を引き剥がして取り去る。これに
より、プリント基板11上には開口部5と同一形状のク
リーム半田のパターンが形成される。
【0022】このようにスキージ13によってクリーム
半田を印刷する際、スキージ13の先端と印刷マスク1
の表面は摩擦される。この結果、スキージ先端と印刷マ
スク1の表面には互いに逆極性の正負の静電気が帯電さ
れる。なお、いずれの側が正負になるかは摩擦される物
質同士の摩擦帯電列によって決定される。この静電気
は、絶縁体であるスキージ13と印刷マスク1の表面に
とどまり、そのままでは除電されることはない。しかし
ながら、本実施形態の場合、摩擦電気の発生源に密着し
ているクリーム半田12を介してその一部が互いに打ち
消し合って除電されるとともに、残留する静電気は、ク
リーム半田12を経由して印刷マスク1の開口部5を通
り、下面の被膜4、印刷マスク1に密着している印刷機
のクランパ10、アース線14を通じてアースに逃がさ
れ、除電される。
【0023】したがって、スキージ13などの絶縁体の
プラスチックスキージを使用したとしても静電気が帯電
するようなことがなくなり、両面リフロー半田付け法に
よるプリント基板への電子部品の実装作業などにおいて
実装部品が静電破壊されるようなことがなくなる。
【0024】また、図3に示すように、印刷終了後に印
刷マスク1をプリント基板11から引き剥がす際に、剥
離帯電が発生する。一般にプリント基板11の表面に
は、図3に示すように、パッド15、レジスト16、表
示用インク17、パターン部突起18などの微細な凹凸
があり、プリント基板11と印刷マスク1との間には間
隙19が存在し、両者はミクロ的には完全に密着してい
ないが、上記剥離帯電は前述の摩擦帯電よりもはるかに
大きい。この剥離帯電で発生した電荷も、本実施形態の
場合、被膜4が印刷機のクランパ10から離れ切るまで
はアースに逃がされて除電される。
【0025】また、被膜4が印刷機のクランパ10から
離れた後にも、印刷マスク1とプリント基板との接触部
が残っている場合には、その後に起こる剥離によっても
剥離帯電が発生するが、この帯電電荷は被膜4の全面に
拡散して平均化されるので、たとえ剥離帯電による静電
気が印刷マスク1の表面に残ったとしても、高電圧にな
ることはなく、実装部品を破壊するようなことはない。
このような被膜4における帯電電荷の平均化は、図4に
示すように印刷マスク1の全面ではなく上記クランパ1
0に接触しない中央部にだけ上記被膜4を形成した場合
にも発生すると考えられ、この場合にも、高電圧になる
ことはなく、実装部品を破壊するようなことはない。
【0026】また、印刷マスク1の表面に剥離帯電によ
る静電気が残ったとしても、次のクリーム半田印刷時に
被膜4、クランパ10、アース線11を通じてその都度
アースに逃がされるので、印刷作業の回数が進むに従っ
て静電気が蓄積していくというようなこともなくなる。
【0027】また、本実施形態に係る印刷マスク1を上
記半田ペーストの印刷に繰り返し用いる場合は、マスク
表面の汚れなどを除去するためにマスク洗浄液を用いて
クリーニングを行う。このマスク洗浄液としては、例え
ばアルコール系、界面活性剤、エチレングリコール系、
塩素系の液を用いる。そして、このマスク洗浄液を用い
たシャワー洗浄、温浴洗浄、超音波洗浄、バブル洗浄等
により、マスク洗浄を行う。
【0028】以上、本実施形態によれば、導電性のポリ
ウレタン樹脂で形成した被膜4を加熱処理して焼き付け
処理を行い、該被膜4の耐摩耗性、耐薬品性及び固着力
を高めているので、繰り返し使用する場合でも、印刷マ
スク1に発生した電荷を除去するという良好な帯電防止
機能を維持することができる。特に、繰り返し使用のた
めに超音波等を用いたマスク洗浄を行った場合において
も良好な帯電防止機能を維持することができる。
【0029】なお、上記実施形態では、印刷マスク1の
被膜としてカーボンを含有したポリウレタン樹脂を用い
た場合について述べたが、本発明は、このようなポリウ
レタン樹脂以外の他の導電性樹脂を用いた場合にも同様
に適用できるものである。
【0030】また、上記実施形態では、プリント基板上
にクリーム半田を印刷するための印刷マスクについて述
べたが、本発明は、プリント基板以外の他の印刷対象物
上に、クリーム半田以外の他の印刷物質を印刷するため
の印刷マスクにも同様に適用できるものである。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、導電性の被膜の耐摩耗
性、耐薬品性及び固着力を高めることにより、良好な帯
電防止機能を維持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る印刷マスク
の断面図。(b)は同印刷マスクの平面図。(c)は同
印刷マスクの部分拡大断面図。
【図2】同印刷マスクを用いた半田ペースト印刷方法の
説明図。
【図3】同印刷マスクとプリント基板の密着状態の説明
図。
【図4】変形例に係る印刷マスクを用いた半田ペースト
印刷方法の説明図。
【符号の説明】
1 印刷マスク 2 枠体 3 プラスチックシート 4 導電性樹脂からなる被膜 5 開口部 10 印刷機のクランパ 11 プリント基板 12 クリーム半田 13 スキージ 14 アース線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷マスクを製造するための印刷マスク用
    プラスチック材であって、 表面に導電性樹脂からなる被膜を有し、該被膜が加熱処
    理されていることを特徴とする印刷マスク用プラスチッ
    ク材。
  2. 【請求項2】表面に導電性樹脂からなる被膜を有し、該
    被膜が加熱処理されていることを特徴とする印刷マス
    ク。
  3. 【請求項3】印刷用プラスチック材に所定パターンから
    なる開口部を形成する印刷マスクの製造方法であって、 該印刷用プラスチック材の表面に導電性樹脂からなる被
    膜を形成した後、該被膜を加熱処理することを特徴とす
    る印刷マスクの製造方法。
JP15219098A 1998-05-15 1998-05-15 印刷マスク用プラスチック材、印刷マスク及び印刷マスクの製造方法 Expired - Lifetime JP4006097B2 (ja)

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JP2009045838A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Ricoh Microelectronics Co Ltd 印刷装置及び印刷マスクの管理方法

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