JPH11320775A - 多層フィルム - Google Patents

多層フィルム

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JPH11320775A
JPH11320775A JP13004798A JP13004798A JPH11320775A JP H11320775 A JPH11320775 A JP H11320775A JP 13004798 A JP13004798 A JP 13004798A JP 13004798 A JP13004798 A JP 13004798A JP H11320775 A JPH11320775 A JP H11320775A
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film
polymer
block
intermediate layer
ethylene
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JP13004798A
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Kazuhisa Kodama
和寿 小玉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な滑り性、自己粘着性を有し、充分な熱
融着性、透明性を有し、引張伸展性、低温での柔軟性、
変形回復性などの包装適性に優れたストレッチ包装用フ
ィルムとして好適に用いることができるフィルムを提供
すること。 【解決手段】 (A)(イ)プロピレン系重合体と、
(ロ)1,2−ビニル結合含量が25%以下であるブタ
ジエン重合体ブロックを少なくとも片末端に有するブロ
ック重合体が水素添加された水添ジエン系重合体とを主
成分とする中間層、および(B)該中間層の片面または
両面に積層された、(ハ)エチレン系重合体を主成分と
する表面層を具備している多層フィルムが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品のストレッチ包
装用フィルムとして好適に用いられる多層フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】青果物、鮮魚、鮮肉、惣菜等の食品を直
接に、またはプラスチックトレー上にこれらの食品を置
いて、フィルムでストレッチ包装することが行われてい
る。近年、上記ストレッチ包装に用いられるフィルムと
して、安全衛生上の問題等から従来の軟質ポリ塩化ビニ
ル樹脂フィルムに代わって、低密度ポリエチレン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のエチレン系樹脂
によるフィルムの開発が活発に行われている。
【0003】しかしながら、これらストレッチ包装用フ
ィルムとして既に用いられている、高圧法低密度ポリエ
チレン樹脂、低圧法低密度エチレン−ブテン−1共重合
体樹脂等の低密度ポリエチレン系樹脂フィルムは、硬く
て伸びにくい。このため、無理に伸ばしても破れるかあ
るいは不均一な伸びとなり、さらに被包装食品を置いた
トレーを変形させたり破壊させたりすると共に、フィル
ムにシワが発生し、商品価値のある包装ができない。ま
た、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルムは、低
密度ポリエチレン系樹脂フィルムの上記問題は解消でき
るが、店頭陳列時にフィルム面にかかる変形に対してし
わを残すことなく回復する等のいわゆる変形回復性にお
いて、必ずしも十分ではない。
【0004】変形回復性の優れるものとして、種々の熱
可塑性エラストマーを主成分とする層の両面にエチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂を積層した多層ストレッチ包
装用フィルムが多く提案されている。例えば、スチレン
−ブタジエンブロツク共重合体水素添加物からなる層の
両面にEVAを積層し、特定の粘弾性挙動を有する非塩
ビ系ストレツチフイルムが提案されている。しかし常温
での変形に対する弾性回復性は良いものの、フィルムの
ガラス転移点を高く設定しているために、低温での柔軟
性において十分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な滑り性、自己粘着性を有し、充分な熱融着性、透明性
を有することは勿論のこと、引張伸展性、低温での柔軟
性、変形回復性などの包装適性に優れたストレッチ包装
用フィルムとして好適に用いることができるフィルムを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、プロピレン系重
合体と特定の水添共役ジエン系重合体からなる中間層の
両面にエチレン系重合体を主体とする表層を積層した多
層フィルムが上記目的を達成することを見出し本発明を
完成するに至った。即ち本発明によれば、下記の多層フ
ィルムが提供されて、上記目的が達成される。 〔1〕 (A)(イ)プロピレン系重合体と、(ロ)1,2
−ビニル結合含量が25%以下であるブタジエン重合体
ブロックを少なくとも片末端に有するジエン系ブロック
重合体が水素添加された水添ジエン系重合体とを主成分
とする中間層、および(B)該中間層の片面または両面
に積層された、(ハ)エチレン系重合体を主成分とする
表面層を具備していることを特徴とする多層フィルム。
以下本発明を詳述するが、それにより本発明の他の目
的、利点および効果が明らかとなるであろう。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の多層フィルムは、(A)
中間層と、該中間層の片面または両面に積層された
(B)表面層を具備してなる。(イ)プロピレン系重合
体と(ロ)水添ジエン系重合体とを主成分として含有す
る(A)中間層は、(B)表面層と一体化するように機能
すると共に、本発明の多層フィルムに優れた引張伸展
性、低温での柔軟性および変形回復性を付与する。一
方、(B)表面層の主成分を(ハ)エチレン系重合体と
することにより、例えばインフレーション成形により本
発明の多層フィルムを製膜する際、優れた成形性を示す
ので、得られる本発明の多層フィルムに良好な透明性を
与える。しかも本発明の多層フィルムにストレッチ包装
用フィルムとしての適切な粘着性を付与する。
【0008】本発明の多層フィルムは、このような
(A)中間層と(B)表面層が結合して相乗的な効果を
奏し、上記本発明の目的を達成している。実際、プロピ
レン系共重合体と水添ジエン系重合体からなる単層フィ
ルムのみでは、例えばインフレーション成形した場合、
成形性に劣りその結果として変形回復性、透明性に劣
る。また、エチレン系重合体の単層フィルムのみでは、
変形回復性および引張伸展性等に劣る。
【0009】(A)中間層について詳細に説明する。上
記(A)中間層の(イ)成分であるプロピレン系重合体
は、プロピレン成分を主体とする重合体であり、他の共
重合可能なオレフィンや極性モノマーが共重合されてい
てもよい。共重合成分としては、例えばエチレンをはじ
め、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテ
ン−1、オクテン−1などの直鎖状α−オレフィン;4
−メチルペンテン−1、2−メチルプロペン−1、3−
メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−1、4−メ
チルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1など
の分岐状α−オレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、
などのモノカルボン酸やそのエステル;マレイン酸、フ
マル酸、などのジカルボン酸やそのモノエステル;メチ
ルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリ
レートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル;
酢酸ビニルなどの飽和カルボン酸のビニルエステル;ス
チレン、α−メチル−スチレンなどの芳香族ビニル化合
物;無水マレイン酸などの酸無水物;アクリロニトリル
などのα,β−不飽和ニトリル;ジシクロペンタジエ
ン、エチリデンノルボルネンなどのジエンモノマー;さ
らにアクリルアミド、メタクリルアミドなどを挙げるこ
とができる。
【0010】これら共重合可能なモノマーの内、エチレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテ
ン−1、オクテン−1等の直鎖状α−オレフィン、特に
エチレン、ブテン−1が物性バランスの点で好ましい。
【0011】これらの共重合可能なモノマーは、1種単
独であるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】これら共重合成分の量は、(イ)プロピレ
ン系重合体の特長である耐熱性を良好に保つ観点から、
好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%
以下である。
【0013】上記モノマーを共重合した場合の共重合体
の様式については特に制限はなく、例えばランダム型、
ブロック型、グラフト型、これらの混合型などいずれで
あってもよい。
【0014】また(イ)プロピレン系重合体の230
℃、2.16kgの荷重でのメルトフローレートは、好
ましくは0.1〜20g/10分、より好ましくは0.
5〜10g/10分である。メルトフローレートが上記
範囲にあれば、インフレーション法による多層フィルム
の製膜の際に、溶融張力が適切で製膜性に優れ、好まし
い。
【0015】次に(A)中間層の(ロ)成分について説
明する。(ロ)成分は、1,2−ビニル結合含有量が2
5%以下であるブタジエン重合体ブロックを少なくとも
片末端に有するジエン系ブロック重合体が水素添加され
た水添ジエン系重合体である。このような水添ジエン系
重合体として、以下の(ロ−a)および(ロ−b)に記
したものが好適である。
【0016】(ロ−a):ビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロック(A)〔以下「(A)ブロック」と
もいう〕とビニル結合等含有量は25〜95重量%であ
る共役ジエンを主体とする重合体ブロック(B)〔以下
「(B)ブロック」ともいう〕および1,2−ビニル結
合含有量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロ
ック(C)〔以下「(C)ブロック」ともいう〕とから
なる(A)−(B)−(C)ブロック共重合体もしくは
この官能基変性体であって、 (A)ブロックの含量が4〜60重量%、 (B)ブロックの含量が30〜90重量%、 (C)ブロックの含量が4〜60重量%、〔ここで、
(A)〜(C)の合計量は100重量%である〕である
ブロック共重合体、または上記重合体ブロック(A)、
(B)、(C)が、カップリング剤残基を介して重合体
分子鎖が延長または分岐したブロック共重合体を水素添
加することにより得られる、共役ジエン成分部分の2重
結合が80%以上飽和され、かつ数平均分子量が5万〜
70万である水添ジエン系共重合体もしくはこの官能基
変性体。
【0017】(ロ−b):上記(C)ブロックと、
(B)ブロックとからなる(C)−(B)または(C)
−(B)−(C)ブロック重合体、または重合体ブロッ
ク(B)、(C)が、カップリング剤残基を介して重合
体分子鎖が延長または分岐されたブロック重合体を水素
添加することにより得られる、共役ジエン部分の2重結
合が80%以上飽和され、かつ数平均分子量が5万〜7
0万である水添ジエン系重合体もしくはこの官能基変性
体。
【0018】上記(ロ−a)および(ロ−b)におい
て、(B)ブロック中の全共役ジエン成分に対する1、
2または3、4結合した共役ジエン成分の割合は、好ま
しくは60%以上、より好ましくは65%以上、さらに
好ましくは70%以上である。1、2または3、4結合
した共役ジエン成分の割合が60%未満の場合、(イ)
プロピレン系重合体とブレンドした場合の引張伸展性、
透明性および低温での柔軟性に対する改良効果が不十分
となる場合がある。上記(ロ−a)および(ロ−b)の
水添ジエン系共重合体は、例えば特開平3―72512
号公報に記載されている方法によって製造することがで
きる。
【0019】これら(ロ−a)、(ロ−b)の水添ジエ
ン系共重合体を使用することで、透明性、引張伸展性、
低温での柔軟性、変形回復性などの包装適性に優れたス
トレッチ包装用フィルムとして好適に用いることができ
る本発明の多層フィルムを得ることができる。
【0020】(A)中間層中の(イ)プロピレン系重合
体と(ロ)水添ジエン系重合体との重量割合((イ)/
(ロ))は、本発明の多層フィルムの透明性、引張伸展
性、低温での柔軟性、変形回復性、耐熱性のバランスか
ら、90/10〜10/90であることが好ましく、7
0/30〜30/70であることがさらに好ましい。こ
の場合、水添ジエン系重合体の配合量が10重量%未満
では得られる多層フィルムの透明性、引張伸展性、低温
での柔軟性、および変形回復性が十分ではなく、90重
量%を越えると多層フィルムの変形回復性および耐熱性
が低下するので好ましくない。
【0021】次に、(B)表面層について説明する。
(B)表面層は、上述したように、(A)中間層の両面に積
層された層であり、エチレン系重合体を主成分とする。
具体的には、上記エチレン系重合体としては、低密度ポ
リエチレン、超低密度ポリエチレン(エチレンとα−オ
レフィンとの共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)、エチレン−アルキルアクリレート共重合
体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、低密
度ポリエチレン等のアイオノマなどが好適である。
【0022】実用上は例えばEVAを好適に使用するこ
とができ、このEVAとしては、酢酸ビニル成分含量
が、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜
20重量%であり、そしてメルトフローレート(MF
R)が0.2〜2g/10分(190℃、2.16kg
荷重)であるものが、強度や透明性、フィルム成形加工
性などの面で好適である。
【0023】(B)表面層は、これら(ハ)エチレン系
重合体を1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
含有していてもよい。また上記した(ロ)成分を包含す
る水添ジエン系重合体を20重量%以下含有させること
で、粘着性が向上して好ましい場合がある。
【0024】本発明の多層フィルムの全厚みは、製膜
性、強度、および伸展性を考慮すると、好ましくは5〜
30μmであり、より好ましくは7〜20μmである。
ストレッチ包装する場合、あまりに薄いと製膜性に劣
り、得られたフィルムは強度不足となり、破れたり、穴
があく等の問題が生じる。また、あまりに厚いと、強度
が高くなり、伸ばしにくい等の問題が発生する。本発明
の多層フィルムの(A)中間層の厚みが占める割合は、
本発明の多層フィルムが引張伸展性、低温での柔軟性、
および変形回復性などストレッチ包装用フィルムとして
優れた機能を発揮するために、10〜90%であること
が好ましく、より好ましくは20〜70%であり、更に
好ましくは25〜60%である。
【0025】本発明の多層フィルムの(A)中間層およ
び(B)表面層には、本発明の目的の達成を損なわない
範囲で、適度の滑り性、自己粘着性、防曇性、帯電防止
性を付与するために、下記の界面活性剤、滑剤などの添
加剤を添加することができる。(1)界面活性剤 PL規格(食品用添加剤リスト)に準ずる界面活性剤と
して、グリセリン脂肪酸( C8 〜C22) エステル、ソル
ビタン脂肪酸(C8 〜C22)エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸(C8 〜C22)エステル、ショ糖脂肪酸
(C8 〜C22)エステル、クエン酸モノ(ジまたはト
リ)ステアリン酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪
酸(C8 〜C18)エステル、ポリグリセリン脂肪酸(C
8 〜C18)エステル、ポリオキシエチレン(20)グリ
セリン脂肪酸(C12〜C18)エステル、ポリオキシエチ
レン(20)ソルビタン脂肪酸(C12〜C18)エステ
ル、ポリエチレングリコール脂肪酸(C8 〜C22)エス
テル、ポリプロピレングリコール脂肪酸(C8 〜C18)
エステル、ポリオキシエチレン(9.5)ドデシルエー
テル、ポリオキシエチレン(4〜14.30〜50)ア
ルキル(C4 , 9 , 12)フェニルエーテル、N,N−ビ
ス(2)−ヒドロキシエチル脂肪酸(C12〜C18)アミ
ン、脂肪酸(C12〜C18)アミン、脂肪酸(C12〜C1
8)とジエタノールアミンによる縮合生成物、ポリオキ
シプロピレンポリオキシエチレンブロック共重合体、ポ
リエチレングリコール(分子量200〜9500)、ポ
リプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0026】(2)滑剤 パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、
流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス等のパラフィン、炭化水素樹脂類、ステアリ
ン酸、ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアロ
アミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、エル
シルアミド、リシノールアミド、メチレンビスステアロ
アミド、メチレンビスステアロベヘンアミド、エチレン
ビスステアロアミド等の脂肪酸アミド類、n−ブチルス
テアレート、メチルヒドロキシステアレート等の脂肪酸
エステル類等が挙げられる。
【0027】これらの界面活性剤、滑剤などの添加剤
は、各々の層を構成する上記重合体に、該重合体100
重量部当たり0.01〜5重量部、特には0.5〜3重
量部配合することが好ましい。上記添加剤は、1種単独
でまたは2種以上を組み合わせて配合することができ
る。また、必要に応じて各層に水添石油樹脂を添加して
もよい。
【0028】以上の構成による本発明の多層フィルム
は、それ自体公知の方法、例えば前記の樹脂を複数の押
出機を用いてインフレーション成形による共押出法で積
層して成形することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
い限り重量基準である。また、実施例中の各種化学組成
および評価は、次のようにして測定した値および評価で
ある。 結合ビニル芳香族化合物含量 679cm-1のフェニル基の吸収をもとに、赤外分析法
により測定した。 共役ジエンのビニル結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。 水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、1H―N
MRスペクトルから算出した。 水添ジエン系重合体の数平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。
【0030】伸展性 市販のハンドラッパーを用いて発泡スチロール製トレー
に乗せた食品を包装した時の伸びの状態、伸ばし易さを
肉眼観察で以下のように判定した。 ○:不均一な伸びがなく、極めて伸ばし易い。 ×:不均一な伸びが発生し、極めて伸ばしにくい。 変形回復性 市販のハンドラッパーを用いて発泡スチロール製トレー
に乗せた食品を包装して、手指でフィルム面に変形を加
えた時の回復性を肉眼観察で以下のように判定した。 ○:極めて回復性良好である。 △:回復性良好。 ×:回復性に劣る。 自動包装適正 市販の自動包装機を用いて発泡スチロールトレー製に乗
せた食品を包装して、自己粘着性、シワ、破れ、トレー
変形等を以下のように判定した。 ○:シワ、破れ、トレー変形などなく極めて良好であ
る。 ×:シワ、破れ、トレー変形が見られる。
【0031】実施例、比較例、および評価の配合処方に
用いられる各種の成分は、以下の通りである。 (イ)プロピレン系重合体成分 イ−1 ポリプロピレン(チッソ石油化学(株)製、F
8577) イ−2 ポリプロピレン(三菱化学製(株)製、FB3
C) (ロ)水添ジエン系重合体成分 下記表1に示す水添ジエン系重合体(ロ−1) 〜(ロ−
4)は、本発明者らによって、それ自体公知の方法で合
成したものである。なお、表1における略号は以下の化
合物を示す。 BD:ブタジエン IP:イソプレン St:スチレン
【0032】
【表1】
【0033】(ハ)EVA:以下に示す(ハ−1)およ
び(ハ−2)を使用した。 (ハ−1)酢酸ビニル含量15重量%、MFR=2.0
g/10分 (ハ−2)酢酸ビニル含量10重量%、MFR=1.5
g/10分
【0034】(実施例1)上記(イ)、(ロ)成分を表2
に示す組成で45mm2軸押出機で200℃で混練し
た。一方、上記(ハ)成分を口径40mmの押出機を用
いて180℃で混練し、この両者を一台の190℃の環
状三層ダイスに供給して、(イ)プロピレン系重合体と
(ロ)水添ジエン系重合体の混合物からなる厚み7μm
の(A)中間層の両面に、(ハ−1)を厚み4μmの
(B)表面層として積層した全厚み15μmの3層フィ
ルム(ストレッチ包装用フィルム)をインフレーション成
形した。このフィルムにつき、変形回復性、伸展性、お
よび自動包装適正の評価を行った。結果を表2に示す。
表2に示された結果から、得られたフィルムは、上記特
性において優れていることが明らかである。
【0035】(実施例2〜8)上記(イ)、(ロ)、
(ハ)成分および各層の厚みを表2に記載したとおりと
した以外は、実施例1同様にして3層フィルムを作成し
た。得られたフィルムについて、実施例1と同様な評価
を行った。結果を表2に示す。表2に示された結果か
ら、これらのフィルムが、実施例1と同様に変形回復
性、伸展性、および自動包装適正に優れていることが明
らかである。
【0036】
【表2】
【0037】(実施例9、10)上記(イ)、(ロ)成分
および水添石油樹脂(軟化点120℃)を表4に示す組
成で45mm2軸押出機で200℃で混練した。一方、
上記(ハ)成分を口径40mmの押出機を用いて180
℃で混練し、この両者を一台の190℃の環状三層ダイ
スに供給して、(イ)プロピレン系重合体と(ロ)水添
ジエン系重合体および水添石油樹脂の混合物からなる厚
み7μmの(A)中間層の両面に、(ハ−1)を厚み4
μmの(B)表面層として積層した全厚み15μmの3
層フィルム(ストレッチ包装用フィルム)をインフレーシ
ョン成形した。得られたフィルムについて、実施例1と
同様な評価を行った。結果を表3に示す。表3に示され
た結果から、これらのフィルムが、実施例1と同様に変
形回復性、伸展性、および自動包装適正に優れているこ
とが明らかである。
【0038】(比較例1)(ハ)成分として、(A)中間
層に使用した(イ−1)ポリプロピレンを使用した以外
は、実施例1同様にして3層フィルムを作成した。得ら
れたフィルムについて、実施例1と同様な評価を行っ
た。結果を表3に示す。表3に示された結果から、得ら
れたフィルムが、変形回復性、伸展性、および自動包装
適正に劣ることが明らかである。
【0039】(比較例2)(A)表面層を積層せずに、単
層フィルムを成形した。この単層フィルムにつき実施例
1と同様に評価した。結果を表3に示す。表3に示され
た結果から、得られたフィルムが、自動包装適性に劣る
ことが明らかである。
【0040】(比較例3)(ロ)水添ジエン系重合体成分
を使用せずに成形した以外は、実施例1同様にして3層
フィルムを作成した。得られたフィルムについて、実施
例1と同様な評価を行った。結果を表3に示す。表3に
示された結果から、得られたフィルムが、変形回復性、
伸展性、および自動包装適性に劣ることが明らかであ
る。
【0041】(比較例4)(イ)プロピレン系重合体成分
を使用せず成形した以外は、実施例1同様にして3層フ
ィルムを作成した。得られたフィルムについて、実施例
1と同様な評価を行った。結果を表3に示す。表3に示
された結果から、得られたフィルムは、伸展性は良いも
のの変形回復性があまり良くなく、自動包装適性に劣る
ことが明らかである。
【0042】(比較例5)(ハ)成分のみで単層フィルム
を成形した。この単層フィルムにつき実施例1と同様に
評価した。結果を表3に示す。表3に示された結果か
ら、得られたフィルムが、伸展性、回復性、および自動
包装適性に劣ることが明らかである。
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明の多層フィルムは、適当な滑り
性、自己粘着性を有し、充分な熱融着性、透明性を有す
ることは勿論のこと、伸展性、低温での柔軟性に優れ、
かつ変形回復性などの包装適性が極めて優れている。そ
のため食品包装のためのストレッチ包装用フィルムとし
て、さらには工業用ストレッチ包装用フィルムなどとし
ても好適に使用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(イ)プロピレン系重合体と、
    (ロ)1,2−ビニル結合含量が25%以下であるブタ
    ジエン重合体ブロックを少なくとも片末端に有するジエ
    ン系ブロック重合体が水素添加された水添ジエン系重合
    体とを主成分とする中間層、および(B)該中間層の片
    面または両面に積層された、(ハ)エチレン系重合体を
    主成分とする表面層を具備していることを特徴とする多
    層フィルム。
JP13004798A 1998-05-13 1998-05-13 多層フィルム Pending JPH11320775A (ja)

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JP13004798A JPH11320775A (ja) 1998-05-13 1998-05-13 多層フィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003276118A (ja) * 2002-03-22 2003-09-30 Asahi Kasei Corp 多層フィルム

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