JPH11320747A - 光輝性材料およびその製造方法 - Google Patents

光輝性材料およびその製造方法

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JPH11320747A
JPH11320747A JP10133419A JP13341998A JPH11320747A JP H11320747 A JPH11320747 A JP H11320747A JP 10133419 A JP10133419 A JP 10133419A JP 13341998 A JP13341998 A JP 13341998A JP H11320747 A JPH11320747 A JP H11320747A
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JP
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titanium oxide
layer
compound
coloring
titanium
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JP10133419A
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Masanori Tanaka
雅能 田中
Kazuhiko Mori
和彦 森
Mitsuru Nakamura
充 中村
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防汚性能及び光輝性を有する光輝性材
料及びその製造方法の提供。 【解決手段】 基体材料上に、膜厚0.3〜20μmの
着色防止層(珪素化合物、スズ化合物、アルミニウム化
合物及びマグネシウム化合物を含む)を形成し、その上
に、酸化チタン形成塗布液(好ましくは二酸化チタン、
オルソチタン酸、四価Tiイオン、又はペルオキソチタ
ン酸を含む)を塗布し乾燥して、酸化チタン含有層を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた汚れ防止性
能を有し、且つ基体材料特有の外観が失われることのな
い光輝性材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物の外装材、輸送機の部材、
ガードレール、浴槽、及び台所の水周り品などの用途
に、光輝性材料を使用することが増えている。このよう
な光輝性材料を使用する場合、その意匠性が重要である
が、従来の光輝性材料を長期間使用すると表面に汚れが
固着し、及び/又はカビや細菌等の発生によって光沢が
著しく低下して、美観を損なうことがある。そこで、紫
外線の照射下において高い光酸化触媒能を発揮する酸化
チタンを含有する塗布層を光輝性材料表面に形成し、そ
れによって汚れの付着防止、カビの発生防止、及び抗菌
作用によって長期にわたり美観を維持する多数の方法が
提案されている。しかし、光輝性材料上に直接酸化チタ
ン層を形成した場合、酸化チタンの屈折率が大きいた
め、基材材料表面における反射光と、酸化チタン膜表面
における反射光とが互に干渉を起こし、塗膜に干渉光が
着色を生ずるという問題が生ずる。なお、酸化チタン膜
を厚膜化すれば理論上着色は少なくなるが、酸化チタン
膜を厚くすると、その焼成時にワレ及び/又は剥離を生
ずることがあり、焼成のために塗膜−焼成操作を数十回
も繰り返さなければならず、このため作業効率が低く実
用的ではなかった。
【0003】このような問題を解決させる手段として、
特開平9−56549号公報には、シリコーンを酸化チ
タンに混合することにより酸化チタン層の屈折率を低下
させ、それによって、酸化チタン含有層の表面の反射率
を下げる方法が提案されている。しかしながら、この方
法は酸化チタン層の表面の反射率を低下させる方法とし
ては有効であるが、酸化チタン含有層にシリコーンが多
く含有されることになるため、酸化チタン含有層の光触
媒作用が著しく低下するという問題がある。従って、現
状では優れた汚れ防止作用を有し、しかも外観も良好な
光輝性材料は得られていないのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の抱
えている上記問題点を解決しようとするものであって、
汚れ防止効果を有し、且つ初期の光輝性外観が長期間損
なわれることのない光輝性材料と、その製造方法を提供
しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するための方法について鋭意検討した。その結
果、基材材料の表面上に直接酸化チタン含有層を形成す
ると、酸化チタン層の屈折率が大きいために、空気/酸
化チタン界面における反射光が、基体材料表面における
反射光との干渉作用を起こし、これが着色を生じて外観
に影響することが判明した。この現象は、酸化チタン光
触媒を含むコーティングの実用化に大きな障害となって
いた。本発明者等は、上記の障害を乗り越えるための種
々の手段について研究し、その結果、着色防止層を酸化
チタン層の下層として基体材料表面上に設けることによ
り、光の干渉による発色を防止し、基体材料特有の外観
を維持し得ることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明の光輝性材料は、基体材
料と、その表面上に形成され、珪素化合物、スズ化合
物、アルミニウム化合物及びマグネシウム化合物からな
る群から選ばれる少なくとも一種を含み、かつ0.3〜
20μmの膜厚を有する着色防止層と、この着色防止層
上に形成された酸化チタン含有層とを有することを特徴
とするものである。本発明の光輝性材料において、前記
着色防止層が1.5〜2.2の屈折率を有することが好
ましい。また、本発明の光輝性材料において、前記酸化
チタンが0.001〜0.2μmの粒子径を有するもの
であることが好ましい。本発明の光輝性材料において、
前記基体材料はステンレススチール、クロメート処理ア
ルミニウム、メッキ鋼及び金属被覆樹脂から成る群から
選ばれた1種であることが好ましい。本発明に係る光輝
性材料の製造方法は、基体材料の表面に、珪素化合物、
スズ化合物、アルミニウム化合物及びマグネシウム化合
物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む塗布液
を塗布し、乾燥して、0.3〜20μmの膜厚を有する
着色防止層を形成し、前記着色防止層上に、二酸化チタ
ン、オルソチタン酸、Ti4+イオン及びペルオキソチタ
ン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する
塗布液を塗布し、乾燥することにより、酸化チタン含有
層を形成することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の内容を詳しく説
明する。本発明の光輝性材料の着色防止層は、珪素化合
物、スズ化合物、アルミニウム化合物及びマグネシウム
化合物からなる群から選ばれた1種以上を使用すること
が必要である。前記珪素化合物としては、例えば二酸化
珪素、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)
アミノプロピルトリメトキシシラン、及び/又は3−
(N−アリル−N−メタクリル)アミノプロピルトリメ
トキシシランを用いることが好ましい。前記アルミニウ
ム化合物としては酸化アルミニウムを用いることが好ま
しく、前記マグネシウム化合物としては酸化マグネシウ
ムが好ましく、さらに前記スズ化合物としては酸化ス
ズ、塩化スズなどを使用することが好ましい。さらに、
これらの2種以上を組み合わせて使用することがより好
ましい。着色防止層の屈折率を好ましい範囲に規制する
には、酸化スズ及び/又は酸化アルミニウムなどの使用
が有効である。
【0008】本発明において、着色防止層の屈折率とそ
の膜厚とが、本発明の光輝性材料の外観を左右する重要
な条件の一つである。着色防止層の屈折率は酸化チタン
含有層の屈折率に近いことが好ましく、その好ましい屈
折率は1.5〜2.2であり、より好ましくは1.7〜
2.0である。着色防止層の屈折率が2.2より高い
と、着色防止層の表面における反射光量が大きくなり、
着色しやすくなるので好ましくない。
【0009】次に、着色防止層の膜厚は0.3〜20μ
mであることが必要であり、2〜5μmであることがよ
り好ましい。上記範囲内の膜厚が、着色防止層の反射光
と酸化チタン含有層の反射光との干渉による発色を防止
するのに適している。着色防止層の膜厚が0.3μm未
満の場合は、干渉による発色が起こり、外観を損なうた
め好ましくない。また、膜厚が20μmを超える場合
は、連続膜の形成が困難であり、及び反射像が2重に形
成されるので好ましくない。本発明の光輝性材料の基体
材料としては、特に限定はないが、金属材料、特にステ
ンレススチール、アルミニウム及びメッキ鋼(亜鉛メッ
キ等)など、及び金属により被覆された樹脂材料など
(被覆金属:アルミニウム、銀、クロムなど)が適用可
能である。
【0010】本発明の光輝性材料の酸化チタン含有層を
形成する塗布液の原料としては、塩化チタン、硫酸チタ
ン、オキシ硫酸チタン、オキシ塩化チタンおよびチタン
アルコキシドを用いることが好ましいが、その他の水溶
性無機チタン化合物、並びにしゅう酸チタンカリウム及
びクエン酸チタンなどの有機チタン塩も使用することが
できる。これらのチタン塩水溶液は、これらの化合物を
水中に溶解して調製することができる。または市販のチ
タン化合物水溶液の希釈液を使用してもよい。例えば無
水塩化チタンを出発原料として使用する場合は、無水塩
化チタンを氷冷しながら徐々に純水に溶解することによ
り塩化チタン水溶液を調製することができる。また、三
塩化チタンを原料として使用する場合は、あらかじめ過
酸化水素などの酸化剤により三価チタンを四価チタンに
酸化したのち、得られた四塩化チタンを原料として用い
る。
【0011】本発明の光輝性材料の製造方法において、
酸化チタン含有層を形成するのに使用される塗布液は、
これらの原料水溶液を加水分解して調製することが好ま
しく、またはこれに過酸化水素を加えてペルオキソチタ
ン酸を生成させたものを使用することが好ましい。加水
分解は60〜100℃で行うのが最も好ましく、さらに
過剰のアニオンをイオン交換膜等で脱イオン処理した塗
布液を使用することが特に好ましい。
【0012】上記の方法により、本発明方法で使用され
る二酸化チタン、オルソチタン酸、Ti4+イオン及びペ
ルオキソチタン酸からなる群から選ばれる少なくとも1
種を含有する塗布液を調製することができる。
【0013】夾雑アニオンの除去は、アニオン交換膜な
どの半透膜による透析処理の他、陰イオン交換膜などの
半透膜による電気透析処理、またはイオン交換体との接
触によるイオン交換処理などの方法により行われる。
【0014】これらの方法によって製造される酸化チタ
ン分散液は、二酸化チタン粒子の他に、オルソチタン
酸、Ti4+イオン、またはペルオキソチタン酸を含む。
この分散液中に含まれるオルソチタン酸、Ti4+イオ
ン、またはペルオキソチタン酸と、二酸化チタン粒子の
重量比は、オルソチタン酸、Ti4+イオン、またはペル
オキソチタン酸が1重量部に対して、二酸化チタン粒子
が0.1重量部以上200重量部以下の範囲で含まれる
ことが好ましい。二酸化チタン粒子の比率が0.1未満
重量部の場合、光触媒機能が十分発現せず、また、20
0重量部を超える場合、着色防止層の表面上に形成され
た皮膜が脆いものになるから好ましくない。より好まし
くは、チタン酸またはペルオキソチタン酸1重量部に対
して、二酸化チタン粒子0.5重量部以上100重量部
以下の範囲内で用いられる。
【0015】酸化チタン分散液中に含まれる二酸化チタ
ン粒子は、主としてアナターゼ型の結晶型を有している
が、加熱処理条件によっては、ルチル型酸化チタン、無
定型酸化チタン、水酸化チタンなどを含む場合もある。
また、上記の方法によって製造された酸化チタン分散液
中に含まれる二酸化チタン粒子は、その粒子径が0.0
01〜0.2μmの範囲内にあることが好ましい。
【0016】本発明の酸化チタン含有層を形成する塗布
液は、酸化チタンとともに、200℃以上の温度で揮発
又は分解除去される有機成分を含むことがより好まし
い。このような有機成分としてはセロソルブやジオール
などの高沸点溶剤、非イオン性またはイオン性界面活性
剤、並びに水系樹脂が挙げられる。このような有機成分
の効果は、200℃以上の加熱、または光照射により炭
酸ガスとして大部分が揮発し、酸化チタン含有層中に微
細なポアを形成して酸化チタン含有層の屈折率を低下さ
せ、それによって、より完全に塗膜の着色を防止するこ
とにある。
【0017】本発明の光輝性材料の製造方法において、
基材材料の表面に、珪素化合物、スズ化合物、アルミニ
ウム化合物及びマグネシウム化合物からなる群から選ば
れる少なくとも1種を含む塗布液を塗布し、乾燥して着
色防止層を形成し、この着色防止層上に、二酸化チタ
ン、オルソチタン酸、Ti4+イオン及びペルオキソチタ
ン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の酸化チタ
ン化合物を含む塗布液を塗布し乾燥することにより、酸
化チタン含有層を形成することができる。塗布方法はス
プレー、ディップ、カーテンフローなどのいずれを用い
てもよく、所望の膜厚が得られるように、塗布液の濃度
等を調整することが好ましい。また、塗布液層の乾燥方
式は、熱風乾燥が一般的であるが、これに限定されるわ
けではない。乾燥温度は60〜400℃、時間は30〜
600秒とすることが好ましい。
【0018】
【実施例】以下、具体的実施例を挙げて本発明を説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0019】本発明の実施例及び比較例に使用した酸化
チタンは、以下に示す方法で作製されたものである。 <酸化チタンの製造方法>四塩化チタン水溶液(20重
量%)をビーカーに入れて水で希釈し、この水溶液を、
80℃の温度で10分間加熱処理したのち、水冷して3
0℃まで冷却した液に、陰イオン交換膜を介して脱イオ
ン流水で27℃において拡散透析を施して夾雑イオンを
除去した。
【0020】供試体として、ステンレス鋼板を使用した
場合の実施例及び比較例を下記に示す。 実施例1 供試材として、表面に光輝熱処理を施したステンレス鋼
板(SUS304)を使用し、これに予めアルカリ洗浄
を施した。洗浄されたステンレス鋼板に、二酸化珪素/
酸化アルミニウムを重量比2になるように混合し、エタ
ノールで希釈して調整した塗布液をロールコートを用い
て塗布し、200℃において60秒間乾燥して、膜厚1
μmの着色防止層を形成した。次に、粒径0.01μm
の酸化チタン粒子を5重量%の濃度で含む塗布液をロー
ルコートを用いて、前記着色防止層上に塗布し、250
℃において60秒間乾燥して、膜厚0.5μmの酸化チ
タン含有層を形成した。分光反射スペクトルから求めた
着色防止層の屈折率は1.52であった。なお、使用し
た前記二酸化珪素及び酸化アルミニウムは日産化学製で
あった。
【0021】実施例2 供試材として、表面に光輝熱処理を施したステンレス鋼
板(SUS304)を使用し、これに予めアルカリ洗浄
を施した。洗浄された前記ステンレス鋼板に、酸化スズ
/メチルトリメトキシシランを重量比0.5:1になる
ように混合し、この混合液を純水で希釈して調製した塗
布液を、ロールコートを用いて塗布し、200℃におい
て60秒間乾燥して、膜厚7μmの着色防止層を形成し
た。着色防止層の屈折率は1.75であった。次に、粒
径0.01μmの酸化チタン粒子を5重量%の濃度で含
む塗布液をロールコートを用いて前記着色防止層上に塗
布し、250℃において60秒間乾燥して、膜厚0.5
μmの酸化チタン含有層を形成した。なお、前記メチル
トリメトキシシランは東芝シリコーン製であった。
【0022】比較例1 供試材として、表面に光輝熱処理を施したステンレス鋼
板(SUS304)を使用し、これに予めアルカリ洗浄
を施した。前記洗浄されたステンレス鋼板に、二酸化珪
素/酸化アルミニウムを重量比2:1になるように混合
し、純水で希釈し調整した塗布液を、ロールコートを用
いて塗布し、200℃において60秒間乾燥して、膜厚
0.1μmの着色防止層を形成した。次に、粒径0.0
1μmの酸化チタン粒子を5重量%の濃度で含有する塗
布液を、ロールコートを用いて、前記着色防止層上に塗
布し、250℃において60秒間乾燥して、膜厚0.5
μmの酸化チタン含有層を形成した。なお、前記二酸化
珪素と酸化アルミニウムはそれぞれ日産化学製ゾルであ
った。
【0023】比較例2 供試材として、表面に光輝熱処理を施したステンレス鋼
板(SUS304)を使用し、これに予めアルカリ洗浄
を施した。前記洗浄されたステンレス鋼板に、粒径0.
01μmの酸化チタン粒子を5重量%の濃度で含むコロ
イド溶液と、メチルトリメトキシシラン50重量%溶液
とを重量比10:1になるように混合して調製した塗布
液を、ロールコートを用いて塗布し、250℃において
60秒間乾燥して、膜厚1μmの、酸化チタンとシリコ
ーンとの混合物層を形成した。なお、前記メチルトリメ
トキシシランは東芝シリコーン製であった。
【0024】供試体として、クロメート処理アルミニウ
ムを使用した場合の実施例及び比較例を下記に示す。 実施例3 基体材料としてクロメート処理を施したアルミニウム合
金板(合金番号5182)を使用した。このクロメート
処理アルミニウム合金板に、二酸化珪素20重量%の溶
液をエタノールで希釈し調整された塗布液を、スプレー
塗布し、200℃において60秒間乾燥して、膜厚0.
5μmの着色防止層を形成した。着色防止層の屈折率は
1.47であった。次に、粒径0.01μmの酸化チタ
ン粒子5重量%塗布液をスプレー塗布し、250℃にお
いて60秒間乾燥して、膜厚0.5μmの酸化チタン含
有層を前記着色防止層上に形成した。なお、前記二酸化
珪素は日産化学製であった。
【0025】実施例4 基体材料としてクロメート処理を施したアルミニウム合
金板(合金番号5182)を使用した。このクロメート
処理アルミニウム合金板に、メチルトリメトキシシラン
20重量%溶液を、スプレー塗布し、200℃において
60秒間乾燥して、膜厚15μmの着色防止層を形成し
た。着色防止層の屈折率は1.45であった。次に、こ
の着色防止層上に、粒径0.01μmの酸化チタン粒子
5重量%液にブチルセロソルブ10%を添加した塗布液
をスプレー塗布し、250℃において60秒間乾燥し
て、膜厚0.5μmの酸化チタン含有層を形成した。な
お、前記メチルトリメトキシシランは信越化学製であっ
た。
【0026】比較例3 基体材料としてクロメート処理を施したアルミニウム合
金板(合金番号5182)を使用した。このクロメート
処理アルミニウム合金板に、二酸化珪素20重量%溶液
をエタノールで希釈し、プロパンジオールを2%添加し
て調整された塗布液をスプレー塗布し、200℃におい
て60秒間乾燥して、膜厚0.05μmの着色防止層を
形成した。この着色防止層上に、粒径0.01μmの酸
化チタン粒子5重量%含有塗布液を、スプレー塗布し、
250℃において60秒間乾燥して、膜厚0.5μmの
酸化チタン含有層を形成した。なお、二酸化珪素は日産
化学製であった。
【0027】比較例4 基体材料として、クロメート処理を施したアルミニウム
合金板(合金番号5182)を使用した。このクロメー
ト処理アルミニウム合金板に、粒径0.01μmの酸化
チタン粒子5重量%と、メチルトリメトキシシラン50
重量%とを、重量比10:1になるように混合して調製
した塗布液をスプレー塗布し、250℃において60秒
間乾燥して、膜厚1μmの、酸化チタンとシリコーンと
の混合物層を形成した。なお、前記メチルトリメトキシ
シランは東芝シリコーン製であった。
【0028】供試体として、クロメート処理溶融亜鉛メ
ッキ鋼板を使用した場合の実施例、比較例を下記に示
す。 実施例5 基体材料としてクロメート処理を施した溶融亜鉛メッキ
鋼板(メッキ厚20μm)を使用した。このクロメート
処理溶融亜鉛メッキ鋼板に、酸化マグネシウム/酸化ア
ルミニウムを重量比0.2:1として混合し、純水で希
釈して調整した塗布液を、スプレー塗布し、200℃に
おいて、60秒間乾燥して、膜厚3μmの着色防止層を
形成した。着色防止層の屈折率は1.60であった。次
に、この着色防止層上に、粒径0.01μmの酸化チタ
ン粒子5重量%塗布液をスプレー塗布し、250℃にお
いて60秒間乾燥して、膜厚0.5μmの酸化チタン含
有層を形成した。なお、前記酸化アルミニウムは日産化
学製であった。
【0029】実施例6 基体材料としてクロメート処理を施した溶融亜鉛メッキ
鋼板(メッキ厚20μm)を使用した。このクロメート
処理溶融亜鉛メッキ鋼板に、酸化アルミニウム10重量
%の含有塗布液をスプレー塗布し、200℃において、
60秒間乾燥して、膜厚5μmの着色防止層を形成し
た。着色防止層の屈折率は1.62であった。次に、こ
の着色防止層上に粒径0.01μmの酸化チタン粒子5
重量%含有塗布液をスプレー塗布し、250℃において
60秒間乾燥して、膜厚0.5μmの酸化チタン含有層
を形成した。なお、前記酸化アルミニウムは日産化学製
であった。
【0030】比較例5 基体材料としてクロメート処理を施した溶融亜鉛メッキ
鋼板(メッキ厚20μm)を使用した。このクロメート
処理溶融亜鉛メッキ鋼板上に、メチルトリメトキシシラ
ン50重量%含有塗布液をスプレー塗布し、200℃に
おいて、60秒間乾燥して、膜厚25μmの着色防止層
を形成した。次に、この着色防止層上に、粒径0.01
μmの酸化チタン粒子5重量%含有塗布液をスプレー塗
布し、250℃において60秒間乾燥して、膜厚0.5
μmの酸化チタン含有層を形成した。なお、前記メチル
トリメトキシシランは東芝シリコーン製であった。
【0031】比較例6 基体材料としてクロメート処理を施した溶融亜鉛メッキ
鋼板(メッキ厚20μm)を使用した。このクロメート
処理溶融亜鉛メッキ鋼板に、粒径0.01μmの酸化チ
タン粒子5重量%含有塗布液と、メチルトリメトキシシ
ラン50重量%含有液とを重量比10:1になるように
混合して調製した塗布液をスプレー塗布し、250℃に
おいて60秒間乾燥して、膜厚1μmの、酸化チタンと
シリコーンとの混合物層を形成した。なお、前記メチル
トリメトキシシランは東芝シリコーン製であった。
【0032】なお、実施例1〜2及び比較例1〜2に用
いられた供試基体材料の光沢度は、510〜560、実
施例3〜4及び比較例3〜4の供試基体材料の光沢度
は、230〜250、及び実施例5〜6及び比較例5〜
6の供試基体材料の光沢度は、120〜130であっ
た。
【0033】<評価試験>実施例1〜6、比較例1〜6
において得られた光輝性材料について以下に示す方法に
よりテストを行った。1.塗膜の外観 実施例および比較例で各々で作製された光輝性材料の外
観を目視で判定した。 ≪評価基準≫ ○・・・・・干渉による発色はない ×・・・・・干渉色を帯びている、若しくは反射像が2
重になる
【0034】2.光輝性材料の防汚性 実施例および比較例の各々で作製された光輝性材料の防
汚性を屋外暴露試験により判定した。暴露試験は以下の
条件で実施した。 暴露場所:神奈川県平塚市大神 テストピース設置方法:南向き、45°傾斜 暴露期間:6ケ月 (イ)色差測定 東京電色製分光色差計を用いて色差(ΔE)を測定し下
記基準で判定した。 (ロ)光沢度の変化スガ試験機製光沢度計を用いて光沢
度変化(ΔG)を測定し下記基準で判断した。
【0035】評価結果を表1に示す。
【表1】
【0036】表1から明らかなように、本発明に係る実
施例1〜6の光輝性材料の塗膜外観は、干渉による発色
がなく良好であり、且つ汚れ防止性能においても優れて
いた。一方、比較例1,3及び5の光輝性材料は、干渉
色若しくは反射像が2重になり基体材料特有の外観が失
われた。また、比較例2,4及び6の光輝性材料は、酸
化チタン層にシリコーンが多く含まれるため、汚れ防止
作用が著しく低下していた。
【0037】上記に説明したように、本発明の光輝性材
料は、基体材料本来の外観を損なうことがなく、且つ高
い汚れ防止性能を有しているため、建築物の外装材、輸
送機の部材、ガードレール、浴槽、台所の水周り品など
広い範囲の分野に有用なものであり、その実用価値は大
きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体材料と、その表面上に形成され、珪
    素化合物、スズ化合物、アルミニウム化合物及びマグネ
    シウム化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種を
    含み、かつ0.3〜20μmの膜厚を有する着色防止層
    と、前記着色防止層上に形成された酸化チタン含有層と
    を有することを特徴とする光輝性材料。
  2. 【請求項2】 前記着色防止層の屈折率が1.5〜2.
    2である、請求項1に記載の光輝性材料。
  3. 【請求項3】 前記酸化チタンが0.001〜0.2μ
    mの粒子径を有する、請求項1に記載の光輝性材料。
  4. 【請求項4】 前記基体材料が、ステンレススチール、
    クロメート処理アルミニウム、メッキ鋼及び金属被覆樹
    脂から成る群から選ばれる1種である、請求項1に記載
    の光輝性材料。
  5. 【請求項5】 基体の材料の表面に、珪素化合物、スズ
    化合物、アルミニウム化合物及びマグネシウム化合物か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種を含む塗布液を塗
    布し、乾燥して0.3〜20μmの膜厚を有する着色防
    止層を形成し、前記着色防止層上に二酸化チタン、オル
    ソチタン酸、Ti4+イオン及びペルオキソチタン酸から
    なる群から選ばれる少なくとも1種を含有する塗布液を
    塗布し、乾燥して、酸化チタン含有層を形成することを
    特徴とする光輝性材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111201338A (zh) * 2017-10-12 2020-05-26 日本帕卡濑精株式会社 表面处理剂、以及具有表面处理覆膜的金属材料及其制造方法

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