JP5125108B2 - ステンレス鋼材の熱変色防止方法 - Google Patents
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ステンレス鋼の表面に、厚さ100nm〜2μmのAl2O3、SiO2、Cr2O3、TiO2、ZrO2のうち一種あるいは二種以上からなるセラミックス層をCVD法、スパッタリング法等の気相めっき法にてコーティングした高温で耐変色性に優れたステンレス鋼が提案されている(特許文献1)。
また、ステンレス鋼の表面に、厚さ0.01μm〜10μmの酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムを含む積層構造のセラミックス膜、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の単層構造のセラミックス膜を、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法等の気相めっき法によりコーティングした耐熱変色性に優れた表面処理鋼板が提案されている(特許文献2)。
また、従来の表面処理により成膜された被膜は、耐水性、耐アルカリ性が充分でなく、水や洗剤を用いて洗浄を繰り返すと、比較的短時間のうちに被膜が溶解したり、剥離したり等の問題点があった。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態のステンレス鋼材の熱変色防止膜形成用塗布液は、ケイ素アルコキシド、ケイ素アルコキシド加水分解物、オルガノアルコキシシラン及びオルガノアルコキシシラン加水分解物の群から選択される1種または2種以上のケイ素成分と、ジルコニウムアルコキシドおよび/またはジルコニウムアルコキシド加水分解物からなるジルコニウム成分と、酸と、水と、有機溶媒とを含有した塗布液である。
また、上記のジルコニウムアルコキシド加水分解物は、ジルコニウムアルコキシドの部分加水分解物、ジルコニウムアルコキシドの加水分解物の縮合物をも含むものである。
(CnH2n+1O)4Si ……(1)
(式(1)中、nは1以上の正の整数)
で表されるケイ素アルコキシド、これらのケイ素アルコキシドの加水分解物、これらのケイ素アルコキシドの加水分解物の縮合物を例示することができる。
これらのケイ素アルコキシド(アルコキシシラン)としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等が好適に用いられる。
(CnH2n+1O)3SiR ……(2)
(式(2)中、nは1以上の正の整数、Rは有機官能基)
で表されるオルガノアルコキシシロキサン、これらのオルガノアルコキシシロキサンの加水分解物、これらのオルガノアルコキシシロキサンの加水分解物の縮合物を例示することができる。
これらのオルガノアルコキシシロキサンとしては、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
このようなケイ素化合物としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等のケイ酸アルカリ、コロイダルシリカ(シリカゾル)等を例示することができる。
このようなジルコニウム化合物としては、コロイダルジルコニア(ジルコニアゾル)、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニル等を例示することができる。
質量比(ZrO2:SiO2)が上記の範囲外となると、熱変色防止膜に耐水性、膜硬度、耐摩耗性等の特性を付与することができなくなるからである。
この酸の添加量は、通常、この熱変色防止膜形成用塗布液のpHが2以下、好ましくは1以下となる添加量が好適である。pHが2を上回ると、上述したケイ素アルコキシド、ケイ素アルコキシド加水分解物、オルガノアルコキシシラン及びオルガノアルコキシシラン加水分解物、及び、上述したジルコニウムアルコキシドおよび/またはジルコニウムアルコキシド加水分解物、それぞれの加水分解を抑制することができず、この熱変色防止膜形成用塗布液の貯蔵安定性が低下するので好ましくない。
この熱変色防止膜形成用塗布液における水の含有率が5質量%を超えると、塗布液の安定性が低下し、1ヶ月を超える長期の室温保管が困難になるからである。
この金属(M)成分や非金属成分(N)を含有させることにより、熱変色防止膜の長期耐久性を向上させることが可能となる。
このような金属(M)成分や非金属成分(N)は、硝酸塩、塩化物、有機酸塩等の溶液の状態で塗布液に添加するのが好ましい。ただし、硝酸塩、塩化物等の状態で多量に添加すると、基材や製造設備を腐食させる原因ともなるので、添加量に注意を要する。
これらの成分の含有率が10ppmよりも少ないと、熱変色防止膜の長期耐久性を向上させることが難しく、一方、これらの成分の含有率が2質量%を越えると、ステンレス鋼材に対して十分な密着性を有する熱変色防止膜を形成することができないからである。
本実施形態のステンレス鋼材の熱変色防止方法は、本実施形態のステンレス鋼材の熱変色防止膜形成用塗布液を、ステンレス鋼材の表面に塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を150℃以上かつ300℃以下の温度下にて熱処理し、前記ステンレス鋼材の表面に熱変色防止膜(被膜)を形成する方法である。
得られた塗布膜の熱処理における温度及び時間は、150℃〜300℃の範囲内で可能な限り長時間であることが、被膜の強度及び耐水性が高くなるので好適である。なお、熱処理時の雰囲気は特に限定されず、通常、大気中で行う。
(1)ケイ素(Si)原子とジルコニウム(Zr)原子が酸素(O)原子を介して結合した下記式(3)
この水溶液におけるケイ酸アルカリおよび/または水酸化アルカリの濃度は、0.01質量%以上かつ50質量%以下が好ましい。ケイ酸アルカリおよび/または水酸化アルカリの濃度が0.01質量%を下回ると、耐水性、耐アルカリ性、耐熱性、熱変色防止性、膜硬度を向上させることができず、一方、ケイ酸アルカリおよび/または水酸化アルカリの濃度が50質量%を越えると、膜厚が厚くなり過ぎてしまい、クラックや剥離が生じ易くなるからである。
その理由は、ケイ酸ナトリウムとケイ酸リチウムの重量比(WN:WL)が上記の範囲内であると、耐水性、耐湿性、耐熱性に優れる熱変色防止膜が得られるからである。
このコロイダルシリカの添加量が0.25モル倍を下回ると、平滑性の向上が認められず、一方、添加量が4モル倍を越えると、熱変色防止膜の硬度が低下するからである。
この水溶液は、上記の熱変色防止膜に容易に浸透し、しかも、この熱変色防止膜の中に浸透したケイ酸アルカリおよび/または水酸化アルカリで十分な効果が得られるので、この水溶液を塗布した後、過剰の水溶液を水等で洗い流しても良い。
このようにして得られた塗布膜を熱処理(以下、第2の熱処理と称する)する。
具体的な熱処理温度としては、通常、150℃〜500℃が好ましく、より好ましくは200℃〜250℃である。
なお、第2の熱処理時の雰囲気は特に限定されず、通常、大気中で行う。
このように、第2の熱処理が施された後の熱変色防止膜は、次の(1)または(2)のような膜構造を有するものと考えられる。
すなわち、熱変色防止膜の表面にケイ酸アルカリおよび/または水酸化アルカリを含む水溶液を塗布すると、膜に水溶液が浸透し、この水溶液中のNa、K、Li等のアルカリ成分及び水により膜中に残存するアルコキシ基が更に加水分解され、この加水分解により生成した金属アルコキシド間で脱水・脱アルコール反応が生じ、酸化ケイ素と酸化ジルコニウムからなる複合酸化物が生成する。よって、熱変色防止膜の少なくとも表層部は、熱変色防止性に富む層に改質される。
この下地層となる熱変色防止膜は、高い硬度を有し、また、熱水やアルカリ性溶液に対する耐久性が向上している。さらに、このような特性を有する熱変色防止膜の上に熱変色防止性に富む酸化ケイ素質の最表層が形成されると、下地層である熱変色防止膜の熱変色防止性が向上する。また、下地層である熱変色防止膜の上に酸化ケイ素質の最表層が形成され、2層構造の熱変色防止膜となるので、膜厚も厚くなり、かつ、緻密化され、より高い硬度が得られ、磨耗に対する耐久性も向上する。
さらに、この熱変色防止膜の表面にケイ酸アルカリ及び/または水酸化アルカリを含む水溶液を塗布し、次いで、150℃以上かつ500℃以下の温度下にて熱処理し、上記の熱変色防止膜の表面を改質、または、上記の熱変色防止膜の表面に酸化ケイ素質の最表層を形成したので、さらに、耐水性、耐アルカリ性、耐熱性、熱変色防止性を向上させることができる。
本実施形態のステンレス鋼材の熱変色防止膜形成用塗布液は、ケイ素アルコキシド、ケイ素アルコキシド加水分解物、オルガノアルコキシシラン及びオルガノアルコキシシラン加水分解物の群から選択される1種または2種以上のケイ素成分と、ジルコニウムアルコキシドのキレート化合物および/またはジルコニウムアルコキシド加水分解物のキレート化合物からなるジルコニウム成分と、溶媒とを含有してなる塗布液である。
また、ジルコニウムアルコキシド加水分解物は、ジルコニウムアルコキシドの部分加水分解物をも含み、また、ジルコニウムアルコキシド加水分解物の縮合物をも含む。
更に、オルガノアルコキシシラン加水分解物は、オルガノアルコキシシランの部分加水分解物をも含み、また、オルガノアルコキシシラン加水分解物の縮合物をも含む。
このようなケイ素化合物としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等のケイ酸アルカリ、コロイダルシリカ(シリカゾル)等を例示することができる。
その理由は、ジルコニウムアルコキシドおよび/またはその加水分解物自体が非常に加水分解し易く、空気中の水分に触れただけで直ちに加水分解を生じ、ゲル化してしまうからである。
これにより、ジルコニウムアルコキシドおよび/またはその加水分解物の加水分解反応を抑制し、塗布液の初期の状態を長期に亘って保持することができ、よって、塗布液の貯蔵安定性が向上し、室温保管(貯蔵)も可能になる。
さらに、加水分解抑制剤としての酸が含まれていないので、ステンレス鋼材を腐食する虞もない。
ここで、加水分解抑制剤とは、ジルコニウムアルコキシドとキレート化合物を形成し、このキレート化合物の加水分解を抑制する作用を有する化合物のことである。
ここで、加水分解抑制剤とは、ジルコニウムアルコキシドの加水分解物とキレート化合物を形成し、このキレート化合物の加水分解を抑制する作用を有する化合物のことである。
この加水分解抑制剤の添加量が0.25モル倍より少ないと、熱変色防止膜形成用塗布液の安定性が不十分なものとなるからであり、一方、添加量が4モル倍を超えると、熱処理した後においても、加水分解抑制剤が熱変色防止膜中に残留し、その結果、熱変色防止膜の硬度が低下するからである。
このジルコニウム化合物の含有量が80モル%を超えると、耐水性、耐アルカリ性、耐熱性に優れた熱変色防止膜をステンレス鋼材の表面に簡便に形成することが困難となるので好ましくない。
このようなジルコニウム化合物としては、コロイダルジルコニア(ジルコニアゾル)、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニル等を例示することができる。
また、第1の実施形態のステンレス鋼材の熱変色防止方法と同様にして、上記の熱変色防止膜の表面にケイ酸アルカリ及び/または水酸化アルカリを含む水溶液を塗布し、次いで、150℃以上かつ500℃以下の温度下にて熱処理し、上記の熱変色防止膜の表面を改質、または、上記の熱変色防止膜の表面に酸化ケイ素質の最表層を形成すれば、さらに、耐水性、耐アルカリ性、耐熱性、熱変色防止性を向上させることができる。
また、本実施形態のステンレス鋼材の熱変色防止膜形成用塗布液を用いてステンレス鋼材の表面に熱変色防止膜を形成することにより、第1の実施形態のステンレス鋼材の熱変色防止方法と同様の作用、効果を奏することができる。
実施例及び比較例に用いる2種類の熱変色防止膜形成用塗布液、及び3種類のアルカリ水溶液(ケイ酸アルカリ及び/または水酸化アルカリを含む水溶液)を以下のとおり調製した。
テトラエトキシシラン5重量部、ジルコニウムノルマルブトキシド3重量部、50重量%濃度の硝酸4重量部、2−プロパノール88重量部を混合し、熱変色防止膜形成用塗布液Aを調整した。
(2)熱変色防止膜形成用塗布液Bの調製
アセチルアセトン1.6重量部、ジルコニウムノルマルブトキシド3重量部、2−プロパノール81.9重量部を室温下(25℃)で混合して、アセチルアセトンとジルコニウムノルマルブトキシドとを反応させた。次いで、この反応液に、テトラエトキシシラン3重量部、純水0.5重量部を加え、さらに室温(25℃)下で5時間攪拌し、熱変色防止膜形成用塗布液Bを調製した。
JIS3号水ガラス2重量部と、ケイ酸リチウム1重量部と、純水7重量部とを室温(25℃)下で混合し、アルカリ水溶液Aを調製した。
(4)アルカリ水溶液Bの調製
JIS3号水ガラス3重量部と、純水7重量部とを室温(25℃)下で混合し、アルカリ水溶液Bを調製した。
(5)アルカリ水溶液Cの調製
水酸化ナトリウム2重量部を純水98重量部に溶解させて、アルカリ水溶液Cを調製した。
スプレー法を用いて、熱変色防止膜形成用塗布液Aをヘアライン研磨ステンレス板(50mm×100mm×0.3mm)の表面に塗布し、次いで、大気雰囲気下、200℃にて20分間熱処理し、熱変色防止膜が形成された実施例1の熱変色防止ステンレス板を得た。
スプレー法を用いて、熱変色防止膜形成用塗布液Bをヘアライン研磨ステンレス板(50mm×100mm×0.3mm)の表面に塗布し、次いで、大気雰囲気下、200℃にて20分間熱処理し、熱変色防止膜が形成された実施例2の熱変色防止ステンレス板を得た。
スプレー法を用いて、熱変色防止膜形成用塗布液Aをヘアライン研磨ステンレス板(50mm×100mm×0.3mm)の表面に塗布し、次いで、大気雰囲気下、200℃にて20分間熱処理し、熱変色防止膜が形成されたステンレス板を得た。
次いで、このステンレス板の熱変色防止膜上に、スプレー法を用いてアルカリ水溶液Aを塗布し、大気雰囲気下、300℃にて20分間熱処理し、上記の熱変色防止膜上に酸化ケイ素質の最表層が形成された実施例3の熱変色防止ステンレス板を得た。
スプレー法を用いて、熱変色防止膜形成用塗布液Bをヘアライン研磨ステンレス板(50mm×100mm×0.3mm)の表面に塗布し、次いで、大気雰囲気下、200℃にて20分間熱処理し、熱変色防止膜が形成されたステンレス板を得た。
次いで、このステンレス板の熱変色防止膜上に、スプレー法を用いてアルカリ水溶液Aを塗布し、大気雰囲気下、300℃にて20分間熱処理し、上記の熱変色防止膜上に酸化ケイ素質の最表層が形成された実施例4の熱変色防止ステンレス板を得た。
スプレー法を用いて、熱変色防止膜形成用塗布液Aをヘアライン研磨ステンレス板(50mm×100mm×0.3mm)の表面に塗布し、次いで、大気雰囲気下、200℃にて20分間熱処理し、熱変色防止膜が形成されたステンレス板を得た。
次いで、このステンレス板の熱変色防止膜上に、スプレー法を用いてアルカリ水溶液Bを塗布し、大気雰囲気下、300℃にて20分間熱処理し、上記の熱変色防止膜上に酸化ケイ素質の最表層が形成された実施例5の熱変色防止ステンレス板を得た。
スプレー法を用いて、熱変色防止膜形成用塗布液Aをヘアライン研磨ステンレス板(50mm×100mm×0.3mm)の表面に塗布し、次いで、大気雰囲気下、200℃にて20分間熱処理し、熱変色防止膜が形成されたステンレス板を得た。
次いで、このステンレス板の熱変色防止膜上に、スプレー法を用いてアルカリ水溶液Cを塗布し、大気雰囲気下、300℃にて20分間熱処理し、上記の熱変色防止膜が改質された実施例6の熱変色防止ステンレス板を得た。
スプレー法を用いて、ポリシラザンを含有するシリカ(SiO2)膜形成用塗布液「アクアミカ」(商品名:クラリアント社製)をヘアライン研磨ステンレス板(50mm×100mm×0.3mm)の表面に塗布し、次いで、大気雰囲気下、200℃にて60分間熱処理し、表面にシリカからなる熱変色防止膜が形成された比較例の表面処理ステンレス板を得た。
実施例1〜6の熱変色防止ステンレス板、比較例の表面処理ステンレス板、従来例である未処理のステンレス板各々の評価を行った。評価項目は、熱変色防止膜の膜厚及び組成、最表層の膜厚及び組成、表面硬度、耐摩耗性、熱変色試験1〜3の9項目とした。これらの評価項目の評価方法は下記のとおりである。
(1)膜厚
表面段差計を用いて測定した。
(2)熱変色防止膜の組成
被膜中のSiO2量及びZrO2量を蛍光X線法により測定した。
(3)最表層の組成
最表層中のSiO2量を蛍光X線法により測定した。
日本工業規格JIS K 5400「塗料一般試験方法」(鉛筆硬度試験法)により測定した。
(5)耐摩耗性
メラミンスポンジに100gf/cm2の荷重をかけて100回往復摩擦し、被膜の表面を目視観察した。
ここでは、被膜が剥離せず、かつ被膜に傷の発生が認められないものを「○」(良)と判定し、被膜に剥離、傷のいずれかの発生が認められたものを「×」(不良)と判定した。
電気温水ポットを用いて熱水の温度を98℃に設定し、フタを開けた状態で高温の水蒸気を発生させ、この高温の水蒸気に試験片の被膜側を30分間曝し、試験片の外観を目視にて観察した。
(7)熱変色試験2
試験片を500℃の電気炉(大気雰囲気)内に20分間放置した後、取り出して室温まで徐冷し、試験片の外観を目視にて観察した。
(8)熱変色試験2
試験片を98℃の熱水中に24時間浸漬し、その後、取り出して乾燥させ、さらに、この試験片を500℃の電気炉(大気雰囲気)内に20分間放置した後、取り出して室温まで徐冷し、試験片の外観を目視にて観察した。
膜厚及び組成を表1に、表面硬度、耐摩耗性、熱変色試験1〜3を表2に、それぞれ示す。
Claims (2)
- ケイ素アルコキシド、ケイ素アルコキシド加水分解物、オルガノアルコキシシラン及びオルガノアルコキシシラン加水分解物の群から選択される1種または2種以上のケイ素成分と、ジルコニウムアルコキシドおよび/またはジルコニウムアルコキシド加水分解物からなるジルコニウム成分と、酸と、水と、有機溶媒とを含有してなるステンレス鋼材の熱変色防止膜形成用塗布液を、ステンレス鋼材の表面に塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を150℃以上かつ300℃以下の温度下にて熱処理することにより、前記ステンレス鋼材の表面に被膜を形成し、次いで、前記被膜の表面にケイ酸アルカリおよび/または水酸化アルカリを含む水溶液を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を150℃以上かつ500℃以下の温度下にて熱処理することを特徴とするステンレス鋼材の熱変色防止方法。
- 前記ケイ酸アルカリは、ケイ酸ナトリウムとケイ酸リチウムの混合物であり、前記ケイ酸ナトリウムと前記ケイ酸リチウムの重量比(WN:WL)は、1:0.1〜1:2であることを特徴とする請求項1記載のステンレス鋼材の熱変色防止方法。
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