JPH11319965A - テ―パ―付角パイプ部材の製法 - Google Patents

テ―パ―付角パイプ部材の製法

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JPH11319965A
JPH11319965A JP11094384A JP9438499A JPH11319965A JP H11319965 A JPH11319965 A JP H11319965A JP 11094384 A JP11094384 A JP 11094384A JP 9438499 A JP9438499 A JP 9438499A JP H11319965 A JPH11319965 A JP H11319965A
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和彦 後郷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テーパー付角パイプを少ない工程で成形す
る。 【解決手段】 テーパー付角パイプを押し出し成形によ
り任意の偏肉条件で角形パイプ素管20を成形し(第1
工程)、次に、角形パイプ素管20を非回転スエージン
グ加工を用いた絞り加工によりテーパー部25を形成し
てテーパー付偏肉角パイプ部材26とする(第2工
程)。この際の偏肉構造として、例えば、上下各辺2
1,23の肉厚を左右各辺22,24の肉厚よりも大き
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動2輪車のリ
ヤスイングアーム等に好適なテーパー付角パイプ部材の
製法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動2輪車のリヤスイングアームには、
縦長角形断面のテーパーパイプが使用されている。この
製法の一例として、特開平2−286488号、同2−
286489号に記載されたものがある。これらはいず
れも、まず丸パイプの素管を形成し、この素管の周囲に
ダイスを回転させてつぶし成形する回転式スエージング
加工によりテーパー管とし、最後にバルジ加工又は圧縮
成形により角形断面にするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
のものは、丸パイプ素管から角パイプを得るまでに、回
転式スエージング加工と、その後のバルジ加工又は圧縮
成形との計2工程を必要とし、比較的加工工程が多くな
るとともに、回転式スエージング加工を採用するため、
長さ方向断面内における各壁部は肉厚変化を生じ得る
が、横断面すなわち長さ方向と直交する断面内における
各壁部は均一の肉厚である。したがって、横断面内にお
ける各壁部の肉厚を任意に設定して効率よく断面係数を
確保することができない。
【0004】一方、自動2輪車のリヤスイングアームで
は、荷重のかかり方が上下、左右方向では異なるため、
パイプ部材の横断面における上下と左右方向ではそれぞ
れ肉厚を異ならせるような自由な偏肉成形が望まれる。
しかし、係る偏肉成形は前記従来の成形方法では不可能
である。本願発明は、このような要請の実現を目的とす
る。なお、パイプ部材の上下左右とは横断面の長手方向
を上下方向とし、これと直交する方向を左右方向として
表現する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願発明のテーパー付角パイプ部材の製法に係る第1の
発明は、角形断面の角パイプ素管を押し出す第1工程
と、この角パイプ素管の少なくとも一部壁面を長さ方向
へテーパー状に成形する第2工程よりなることを特徴と
する。
【0006】第2の発明は、上記第1の発明において、
テーパー成形を非回転式スエージングにより行うことを
特徴とする。
【0007】第3の発明は、上記第1又は第2の発明に
おける第1工程において、、角パイプ素管を、縦長角形
断面で上下左右の各壁部のうち、少なくとも一部の壁面
を他の壁部よりも厚肉となる任意の偏肉条件で成形する
ことを特徴とする。
【0008】第4の発明は、上記第3の発明において、
上下の壁部を左右の壁部よりも厚肉にしたことを特徴と
する。
【0009】第5の発明は、上記第1の発明において、
テーパー成形する面の幅を、これと連続する非テーパー
成形面との接続部側端部における幅W1から、他端部に
おける幅W2に向って次第に幅狭になるようにしたこと
を特徴とする
【0010】
【発明の効果】第1の発明は、角形断面の角パイプ素管
を押し出す第1工程と、この角パイプ素管の少なくとも
一部壁面を長さ方向へテーパー状に成形する第2工程よ
りなる。このため、バルジ加工又は圧縮成形工程を削減
できるので、成形工数を削減し、コストダウンを図るこ
とができる。さらに、テーパーを非対称にでき、角パイ
プの角Rも比較的自由に設定できるから、フォークアー
ムの形状の自由度が大きくなり、車体用部材として最適
なものとなる。
【0011】第2の発明によれば、第2工程において非
回転式スエージングを採用することにより角パイプ素管
を縦長角形断面のテーパー状に成形できる。
【0012】第3の発明によれば、第1工程において、
角パイプ素管を、縦長角形断面で上下左右の各壁部のう
ち、少なくとも一部の壁部を他の壁部よりも厚肉となる
任意の偏肉条件で成形すると、上下左右の各壁部ごとに
肉厚を変化させて断面係数を効率よく確保することがで
きる。
【0013】第4の発明によれば、上記偏肉条件として
上下の壁部を左右の壁部よりも厚肉とすれば、荷重のか
かり方が上下方向で左右方向よりも大きくなるリヤスイ
ングアームのような車体用パイプ部材に最適なものとす
ることができる。
【0014】第5の発明によれば、テーパー成形する面
をW1からW2(W1>W2)へと変化させることによ
り、各面をテーパー状に成形することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、自動2輪車のリヤスイング
アームを製造する方法の第1実施例について説明する。
図3は、本願発明によって製造されたリヤスイングアー
ムを使用する自動2輪車の外形を示し、前輪1を下端に
支持するフロントフォーク2の上端は、メインフレーム
3の前端へ支持されている。
【0016】メインフレーム3の後端部には、ピボット
4によりリヤスイングアーム5の前端部が中上下方向へ
揺動自在に支持され、リヤスイングアーム5とメインフ
レーム3側から延びるステー6との間にリヤクッション
7が取付けられ、リヤスイングアーム5の後端には後輪
8が支持されている。また、メインフレーム3から下方
へ延びるエンジンハンガ9によりエンジンEが支持され
ている。
【0017】図4はリヤスイングアーム5の平面図、図
5は同側面図である。これらに示すように、リヤスイン
グアーム5は左右一対のフォークアーム部10、これら
左右の各前端部を連結するクロスメンバ部11、その前
方へ左右対をなして突出する軸受アーム部12、及びそ
の前端部に設けられて左右のメインフレーム間に架け渡
されたピボット軸を支持するための軸受13を備える。
【0018】さらに、フォークアーム部10の後端部に
は後輪8の車軸を支持するためのエンドピース14が溶
接され、かつその前方近傍で片側のフォークアーム部1
0にはチェーンガイドステー15が溶接で取付けられて
いる。
【0019】図5に明らかなように、フォークアーム部
10は後方へ向って次第に細くなるテーパー状をなし、
図6に明らかなように、横断面縦長の角形断面をなして
いる。フォークアーム部10はアルミ合金又は鉄等適宜
金属材料からなり、その上壁16及び下壁18が、左壁
17及び右壁19よりも厚肉となるように偏肉成形され
ている。
【0020】このようにすると、フォークアーム部10
にとって好ましい断面係数条件に合致できる。すなわ
ち、フォークアーム部10には後輪8から上下方向の大
きな荷重が加わるため、特に上壁16及び下壁18の肉
厚を厚くすることで効率よく断面係数を大きくすること
ができる。
【0021】図1及び図2は、このフォークアーム部1
0を製造する方法を説明するための図である。図1中A
は第1工程を示し、まず、アルミ合金又は鉄等の適当な
金属材料を熱間又は冷間押し出し成形により縦長断面の
角形パイプ素管20を成形する。
【0022】横断面において長手方向を上下とした場
合、上壁21及び下壁23が左壁22及び右壁24より
も厚肉になるように押し出し型を設定してある。但し、
図のように上下と左右でそれぞれ同一肉厚とすることな
く、それぞれをさらに肉厚を異ならせることも可能であ
る。すなわち、押し出し成形により自由な偏肉成形がで
きる。また、当然ながら、長さ方向の断面では肉厚が均
一となる。
【0023】図2は第2工程を示す図であり、第1工程
で得られた角形パイプ素管20をダイスを回転させない
非回転式スエージング加工により、一端側に向かって次
第に細く絞る工程を示している。
【0024】まず、一端側にテーパー部28aが形成さ
れた芯型28をダイス29の中心部に形成された成形空
間29a内へ挿入する。成形空間29aの上部内壁面は
テーパー部28aに対応するテーパー面29bになって
いる。
【0025】ダイス29は角形パイプ素管20の挿入方
向と直交する方向の断面が略正方形をなす。このダイス
29は、4分割された加圧ダイス29c乃至29fによ
り形成され、それぞれは略正方形をなして対角線方向へ
移動自在である。
【0026】ダイス29の外側には、これを円形に囲む
回転ハウジング29gが設けられ、その円形壁面の全周
には等間隔で複数の加圧ローラ29h(図2は一部のみ
表示)が回転自在に取付けられ、モータによる回転ハウ
ジング29gの回転により、各29c乃至29fの外側
角部と接触又は非接触するようになっている。
【0027】そこで、回転ハウジング29gを回転させ
るとともに、角形パイプ素管20をダイス29と芯型2
8の隙間に挿入していくことにより角形パイプ素管20
の一端側がテーパーに加工される。これをダイス29か
ら取外せば、テーパー付偏肉角パイプ部材26が得られ
る。このテーパー付偏肉角パイプ部材26は、横断面に
おいて角形パイプ素管20と同じ偏肉条件を維持する。
なお、軸方向断面では、絞り側が次第に肉厚となるよう
に変化させることも可能である。
【0028】このようにして得られたテーパー付偏肉角
パイプ部材26は、適当な温度で適当な時間時効して強
度を得るための熱処理(T6)が行われた後、必要な長
さに整えるために後端が切断され、エンドピース14を
取付けるためにその後端部に切り込み27を入れ、必要
な曲げ加工、先端加工を施した後、クロスメンバ部1
1、エンドピース14、チェーンガイドステー15等を
溶接することによりリヤスイングアーム5が得られる。
【0029】このように、本方法によれば、任意な偏肉
条件でテーパー付角パイプ部材を成形することが可能に
なる。しかも、この例ではテーパー部25を上壁21の
みに形成したので、上壁21と下壁23の形状がテーパ
ー付偏肉角パイプ部材26の長さ方向中心線に対して非
対称になる。もちろん長さ方向中心線に対して対称にす
ることも可能である。
【0030】したがって、上下左右の各壁部ごとに肉厚
を変化させて断面係数を効率よく確保することが可能に
なり、また形状を非対称にでき、かつ角Rの設定も自由
になるから形状の自由度が増し、車体用部材として最適
なものとなる。
【0031】また、このテーパー部25では細くなるに
従って、内側角Rを徐々に小さくすることが可能であ
る。小さくすることにより、スエージング時の材料の巻
き込み等を押え、良好なフローとなる。これは、外側の
角Rを変更しても同様の効果を得ることができる。
【0032】その上、第1及び第2の計2工程で成形で
き、前記従来法のように、バルジ加工又は圧縮成形工程
を削減できるので、成形工数を削減し、コストダウンを
図ることができる。しかも、本方法によれば、回転式ス
エージングで円筒をテーパーにし、その後角形状に成形
する従来方法では不可能であった、通称、日の字又は目
の字状断面であっても中型を分割することでテーパー形
状に成形することが可能となる。
【0033】図7乃至図14において第2実施例を説明
する。図7は本実施例製品を適用したオフロード用自動
2輪車の側面図、図8はその骨格部側面図、図10はリ
ヤスイングアーム5の動きを図7と反対側(車体右側)
から示す図、図11はリヤスイングアーム5の平面図、
図12はその側面図である。
【0034】さらに、図12はテーパー付偏肉角パイプ
部材26の側面及び平面形状等を同時に示す図、図13
及び図14はテーパー付偏肉角パイプ部材26側面に対
する部品の取付構造を示す図である。なお、以下の説明
では、第1実施例と共通する構造または機能部分につい
て同一符号を用いる(以下の実施例でも同様)。
【0035】まず、図7及び図8において、後輪8の車
体左側には、後輪車軸30と同心にドリブンスプロケッ
ト31が取付けられ、他側である車体右側にはブレーキ
ディスク32が取付けられている。ブレーキディスク3
2にはブレーキキャリパ33(図8)が摺接し、その上
方にはマフラー34が位置する。
【0036】マフラー34はエンジンEの排気チャンバ
35と接続し、シートSを支持するシートレール36及
びリヤステイ37へ支持されている。車体右側のフォー
クアーム部10における後部内方側面にはブラケットホ
ルダ39が取付けられている。
【0037】図9に示すように、ブレーキキャリパ33
はフォークアーム部10のエンドピース14において、
ブレーキディスク32と同心的に支持されているキャリ
パブラケット38の先端部へ取付けられており、キャリ
パブラケット38の下部はブラケットホルダ39へ支持
されている。
【0038】なお、マフラー34は、フォークアーム部
10の上方へ揺動する限界位置(リヤサスペンションの
ボトム位置、図9中の仮想線)において、ブレーキキャ
リパ33と干渉しないように配設されている。
【0039】図10及び図11に明らかなように、この
リヤスイングアーム5は、第1実施例とほぼ同様の形状
をなすが、図11に示すように、フォークアーム部10
の絞り形状が異なっている。すなわち、図12に示すよ
うに、フォークアーム部10を構成するテーパー付偏肉
角パイプ部材26は、上面側だけを絞ってあり、かつこ
の上面側は、テーパー部25を挟んで前側40と後側4
1が、上下方向の高さH1、H2を高低に異ならせる
(H1>H2)二段になっている。
【0040】また、前端部は内側へ向く斜めカット部4
2をなし、クロスメンバ部11の側面と長い溶接ライン
を形成するようになっている。斜めカット部42の側面
には前端側から切り込み43が形成され、クロスメンバ
部11との溶接時に前端側の開口部をつぶしてクロスメ
ンバ部11と密着するようになっている。前側40は、
テーパー部25へ変化する部分で内側へ屈曲され、平面
形状が略への字になっている。
【0041】図12のAはテーパー付偏肉角パイプ部材
26の側面図、Bは平面図、Cは後端側から示した図で
ある。このテーパー付偏肉角パイプ部材26は第1実施
形態と同様の方法で成形される。このように、テーパー
部25により前側40よりも低い後側41を形成する理
由は、図9に示したように、ブレーキキャリパ33がマ
フラー34と干渉せずにフォークアーム部10の揺動量
を大きくすること、すなわちリヤサスペンションにおけ
るストローク量を可能な限り大きくするためである。
【0042】また、上面側のみを絞ることにより、軸受
け13と後輪車軸30の各中心とを結ぶリヤスイングア
ームの揺動中心線C1とフォークアーム部10の前側4
0部分における上下方向高さの中間部を通るパイプセン
ターラインC2とが差Dだけ相違し、パイプセンターラ
インC2が上方へオフセットされる。
【0043】これにより、ブレーキキャリパ33が上方
へ配置され、その部分だけマフラー34の容量を小さく
する必要が生じるところ、本実施形態のように、低くし
た後側41を設けることによりこの問題を解決してい
る。しかも、ブレーキキャリパ33の支持部はテーパー
部25の後方に形成された一様断面を持つ平坦部である
後側41になっており、この後側41を設けることでブ
レーキキャリパー33を効率よく配置できる。
【0044】さらに、サスペンションリンクLKの位置
も地上からより高く配置でき、その結果、グランドクリ
アランスも大きくなる。このため、大きなグランドクリ
アランスの確保とリヤサスペンションにおける大きなス
トローク量の確保を同時に実現できる。
【0045】図13は、本製法のスエージング時に発生
するバリ44の処理を示す。図中のAに示すフォークア
ーム部10の表面にはフォークアーム部10のパーティ
ング部にバリ44が発生する。そこでBに示すようにこ
のバリ44と重なるブラケットホルダ39には、Cに拡
大して示すように、凹部からなる逃げ部45を形成す
る。
【0046】このようにすると、バリ44の処理を不要
もしくは簡単にしても、バリ44によりブラケットホル
ダ39の取付面がフォークアーム部10から浮き上がる
ような事態を防止できる。したがって、バリ44の処理
に要する手間が著減し、成形コストを低くすることがで
きる。 図14は同様の構造をチェーンガイドステー1
5の取付部に適用したものである。
【0047】図15乃至図17は第3実施例におけるテ
ーパー付偏肉角パイプ部材26を示し、図15は前端側
を手前にした斜視図、図16は図15の16−16線に
沿う後端部の断面図、図17は図15の17A−17A
線に沿う断面Aと、同17B−17B線に沿う断面Bを
併設した図である。
【0048】図15及び図16に示すように、テーパー
付偏肉角パイプ部材26は略目の字形断面の角パイプを
用いて非回転型ダイスを用いたスエージングで成形さ
れ、略上下にテーパー部25が形成されている。
【0049】テーパー付偏肉角パイプ部材26の成形に
先立って、パイプ素管は中空部内に長さ方向へ平行する
上下二段の隔壁50、51が形成され、これにより中空
部が上室52、中室53、下室54に区画されている。
【0050】テーパー付偏肉角パイプ部材26の上下各
面の幅は、前端から中央部までが一定(W1)であり、
中央部から後端の幅(W2)へかけて徐々に狭くなって
いる(W1>W2)。
【0051】肉厚は、前端側の各部で一定(T1)であ
る。然し、中室53の側壁56の肉厚は後方へ向かって
徐々に薄くなり、後端側はT2となる。一方、上室52
及び下室54の側壁55、57の各肉厚は一定(T1)
であるから、図16に明らかなように、後端側では中室
53の側壁56のみが薄くなる(T2<T1)。
【0052】この肉厚変化はテーパー付偏肉角パイプ部
材26の成形時に形成される。これはテーパー部25は
テーパー形成時に長さ方向へ延びるが、このときテーパ
ーに形成される上室52及び下室54の側壁55、57
は高さ方向が短くなるため肉厚を変化させなくとも延び
分の肉を確保することができる。しかし、中間の側壁で
ある中室53の側壁56は高さが不変で長さだけが延び
るので、肉厚を薄くして延び分の肉を確保する必要があ
るためである。
【0053】この側壁56の肉厚変化はテーパー形成時
のスエージングにおける中型と外型の間隔により決定さ
れるものであるが、外型の幅を小さくすることにより肉
厚を薄くする方が、中型の幅を大きくして肉厚を薄くす
るよりも成形後の中型の抜けがスムーズになるので望ま
しい。
【0054】本実施形態では、隔壁50、51の存在に
より側壁の肉が移動しにくくなるので、このように肉厚
変化させることにより、スエージング加工でテーパー付
偏肉角パイプ部材26を成形する際、側壁56の側壁5
5又は側壁57に対する境界部におけるクラックの発生
を防止でき、成形性が向上する。
【0055】図18乃至図20に基づいて第4実施例を
説明する。本形態もこれまでと同様にして成形されたテ
ーパー付偏肉角パイプ部材26を用いてリヤスイングア
ーム5を構成したものである。但し、本形態のフォーク
アーム部10は前端側の軸受アーム部12がフォークア
ーム部10本体部分と一体に形成されている点でこれま
でと異なる。
【0056】すなわち、左右のフォークアーム部10
は、それぞれ前部をクロスメンバ部11よりも前方へ延
出する軸受アーム部12とし、その先端でピボットパイ
プ60の両端へ溶接してある。
【0057】図18及び図19中の符号61はクロスメ
ンバ部11から上方へ突出するステー、62はステー6
1の上端と左右のエンドピース14間を連結する略U字
形の補強パイプである。
【0058】フォークアーム部10はそのテーパー付偏
肉角パイプ部材26を図20にも示すように、前端側を
テーパー部25とすることにより軸受アーム部12が形
成され、その先端にはピボットパイプ60の外周へ当接
するための弧状凹部63が形成されている。
【0059】テーパー付偏肉角パイプ部材26の後部6
4側はストレートに形成され、ここにエンドピース14
が嵌合後溶接されている。この場合後部64はテーパー
付偏肉角パイプ部材26の形成時に中子を出入りするた
め大きな開口部を有するが、エンドピース14の嵌合部
を大型にすることで対処できる。
【0060】このように、テーパー付偏肉角パイプ部材
26は、前後いずれか一方側から中子を出入りするた
め、他側にテーパー部25を形成することになり、前側
を絞れば軸受アーム部12を容易に一体形成できる。
【0061】図21はテーパー付偏肉角パイプ部材26
を日の字形断面に形成した第5実施例を示す。図中のA
は平面形状、Bは側面形状、Cは前端形状を示す。この
ように、中空部内の区画を任意にでき、Cに示す隔壁7
0に代えてDに示す変化形のように、リブ71にするこ
ともできる。
【0062】また、隔壁70及びリブ71の位置や数も
任意であり、上下に設けることもできる。これは、従来
の円筒パイプを回転式スエージングでテーパー化し、さ
らにこれを角パイプにする成形方法では不可能であり、
本願発明により可能になったものである。
【0063】図22及び図23は、テーパー付偏肉角パ
イプ部材26の上室80の上側後方部のみにテーパー部
25を形成した第6実施例を示す。図22は、その斜視
図であり、図23は図22の23矢示方向から見た背面
図である。
【0064】本実施例においても第3実施例と同様に、
前端側では上室80の側壁82と下室81の側壁83の
肉厚はT1で同じであるのに対し、後端側ではテーパー
部25が形成される上室80の側壁82の肉厚T1よ
り、テーパー部25が形成されない下室81の側壁83
の肉厚T2の方が薄くなっている。
【0065】これにより、隔壁84の存在によるスエー
ジング加工でテーパー付偏肉角パイプ部材26を形成す
る際のクラックの発生を防止することができ、日の字形
断面をなし、かつ上下の室を囲む側壁の肉厚が異なるテ
ーパー付偏肉角パイプ部材26を容易に成形できる。な
お、その際、外型の幅を小さくすることにより側壁83
の肉厚を薄くする方が、成形後の中型の抜けをスムーズ
にする上で望ましいのは、第3実施形態と同様である。
【0066】なお、本願発明の適用は、リヤスイングア
ーム5のみに限定されず、他の車体フレーム各部に適用
可能である。例えば、図3において、メインフレーム
3、ステー6及びエンジンハンガ9等テーパー付偏肉角
パイプ部材を必要とする場所ならばどこでもよい。さら
に、第2工程の成型方法としてロール鍛造や内外型を用
いた鍛造等の方法を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 角形パイプ素管及びテーパー付偏肉角パイ
プ部材を示す図
【図2】 第2工程を示す図
【図3】 自動2輪車の側面図
【図4】 リヤスイングアームの平面図
【図5】 同側面図
【図6】 図5の6−6線断面図
【図7】 第2実施例におけるオフロード用自動2輪
車の側面図
【図8】 その骨格部側面図
【図9】 リヤスイングアームの動きを示す図
【図10】 リヤスイングアームの平面図
【図11】 その側面図
【図12】 そのパイプ部材の側面、平面及び後方視各
形状を同時に示す図
【図13】 バリ処理を示す図
【図14】 別部品における図13同様のバリ処理を示
す図
【図15】 第3実施例におけるパイプ部材の斜視図
【図16】 図15の16−16線断面図
【図17】 図15の17A−17A及び17B−17
B線に沿う各断面図
【図18】 第4実施例に係るリヤスイングアームの平
面図
【図19】 その側面図
【図20】 そのパイプ部材の側面及び平面形状を同時
に示す図
【図21】 第5実施例におけるパイプ部材を示す図
【図22】 第6実施例におけるパイプ部材の斜視図
【図23】 その背面図
【符号の説明】
3:メインフレーム、5:リヤスイングアーム、10:
フォークアーム部、16:上壁、17:左壁、18:下
壁、19:右壁、20:角形パイプ素管、25:テーパ
ー部、26:テーパー付偏肉角パイプ部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】角形断面の角パイプ素管を押し出す第1工
    程と、この角パイプ素管の少なくとも一部壁面を長さ方
    向へテーパー状に成形する第2工程よりなるテーパー付
    角パイプ部材の製法。
  2. 【請求項2】テーパー成形を非回転式スエージングによ
    り行うことを特徴とする請求項1記載のテーパー付角パ
    イプ部材の製法。
  3. 【請求項3】第1工程において、角パイプ素管を、縦長
    角形断面で上下左右の各壁部のうち、少なくとも一部の
    壁面を他の壁部よりも厚肉となる任意の偏肉条件で成形
    することを特徴とする請求項1又は2記載のテーパー付
    角パイプ部材の製法。
  4. 【請求項4】上下の壁部を左右の壁部よりも厚肉にした
    ことを特徴とする請求項3記載のテーパー付角パイプ部
    材の製法。
  5. 【請求項5】テーパー成形する面の幅を、これと連続す
    る非テーパー成形面との接続部側端部における幅W1か
    ら、他端部における幅W2に向って次第に幅狭になるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載のテーパー付角
    パイプ部材の製法。
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