JPH11318365A - 発酵種を含有する麺類 - Google Patents

発酵種を含有する麺類

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JPH11318365A
JPH11318365A JP10146557A JP14655798A JPH11318365A JP H11318365 A JPH11318365 A JP H11318365A JP 10146557 A JP10146557 A JP 10146557A JP 14655798 A JP14655798 A JP 14655798A JP H11318365 A JPH11318365 A JP H11318365A
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Mitsuru Murakado
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造後に時間が経っても、スペックおよびカ
ビの発生が少なく、色調に優れ、ほぐれ易く、さらに風
味、食味および食感に優れる高品質の麺類並びにそのた
めの麺類用穀粉組成物の提供。 【解決手段】 果実発酵種(a)、及び/又は前記の果
実発酵種(a)を元種として用いて更に発酵を行って得ら
れる発酵種(b)を含有する麺類、及び麺類用穀粉組成
物によって上記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発酵種を含有する
麺類および麺類用穀粉組成物に関する。より詳細には、
本発明は、製造後に時間が経っても、スペック(別称
“ホシ”)と称される斑点の発生が少なく、さらにカビ
の発生が少なく、しかも食味、食感、風味および色調が
良好で、ほぐれのよい麺類、並びに該麺類の製造に用い
る麺類用穀粉組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】小麦粉を主成分とする生麺や生の麺皮類
は、製造直後は明るい白色からクリーム色を呈する良好
な外観を有しているが、時間が経つと、ホシまたはスペ
ックと称される褐色の微細な斑点(以下「スペック」と
総称する)が多数発生し、このスペックは時間が経つに
つれて数や大きさを増し且つ黒色化して顕著なものとな
る。また、生麺や半乾燥麺をα化せずにそのまま冷凍し
た冷凍麺類の場合は、冷凍状態にある間はスペックは発
生しないが、解凍すると解凍後1〜3日後には多数のス
ペックが発生する。スペックの発生した麺類は、その商
品価値が著しく低下し、しかも調理したときに黒い斑点
を多数生じており外観が不良となる。スペックの発生機
構は未だ充分に解明されていないが、小麦粉などの穀粉
中に混入している微細な表皮や色素繊維などの成分が何
らかの原因で発色するものと考えられている。スペック
の発生を出来るだけ少なくするには、前記した表皮や色
素繊維などの混入が少なく、灰分含量が低い小麦粉を用
いるのがよいが、そのような小麦粉は高価である。しか
も、表皮や色素繊維などの混入が少なく、灰分含量の低
い小麦粉を用いても、必ずしもスペックの発生を十分に
抑制し得ないのが現状である。
【0003】また、生または半乾燥状態の麺類、および
茹でたり蒸したりしてα化した麺類は、カビや細菌類が
繁殖して変質や腐敗を生じ易い。麺類などに用いる食品
用の防腐剤としては、安息香酸またはその塩、サリチル
酸、ソルビン酸またはその塩、p−オキシ安息香酸のア
ルキルエステル、デヒドロ酢酸またはその塩などの使用
が認められているが、安全性などの点から食品への添加
量が厳しく規制されている。
【0004】さらに、乳酸などのような食品中に元々含
まれる酸を麺類の保存性の向上のために用いることも従
来から行われている。乳酸の添加によって、麺類におけ
るカビの発生はある程度抑制されるが、スペックの発生
に対してはその抑制効果は十分ではなく、しかも麺類の
食感や風味の低下を招き易いという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、麺類
の製造後に時間が経っても、スペックの発生が抑制され
ていて良好な外観を保つことができ、さらにカビや細菌
類の繁殖が抑制されて長期保存が可能であり、しかも色
調、食感および風味の点においても優れる、商品価値の
高い麺類、およびそのような麺類の製造に有効に用い得
る穀粉組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、特定の
発酵種を麺類に添加すると、製麺後に時間が経ってもス
ペックおよびカビの発生が抑制されて、良好な外観を長
く保つことができ且つ長期保存が可能な麺類が得られる
ことを見出した。さらに、本発明者らは、麺類に特定の
発酵種を添加すると、麺類の色調が向上し、しかも麺類
の食感および風味も良好になること、さらに麺類が付着
しにくいことを見出し、それらの知見に基づいて本発明
を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、果実発酵種(a)、
および/または前記の果実発酵種(a)を元種として用
いて更に発酵を行って得られる発酵種(b)を含有する
ことを特徴とする麺類である。
【0008】そして、本発明は、果実発酵種(a)、お
よび/または前記の果実発酵種(a)を元種として用い
て更に発酵を行って得られる発酵種(b)を含有するこ
とを特徴とする麺類用穀粉組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明で用い得る果実発酵種(a)は、果実に
付着している酵母菌などの有用菌や空気中に存在する有
用菌などの働きによって果実中に含まれる糖分などが分
解されるいわゆる“発酵作用”によって生成する発酵物
である。本発明では、果実発酵種(a)として、果実の
発酵によって得られた果実発酵種であればいずれも使用
でき、果実発酵種(a)の原料となる果実の種類は特に
制限されない。そのうちでも、果実発酵種(a)とし
て、ドライフルーツ発酵種、ブドウ発酵種およびリンゴ
発酵種のうちの少なくとも1種が、果実発酵種の製造が
容易である点、麺類に添加したときのスペックおよびカ
ビの発生抑制効果が大きい点、麺類の食感、風味および
色調の向上効果が大きい点、麺類の付着がより生じにく
くなる点などから好ましく用いられる。それらのうちで
も、ドライフルーツ発酵種がより好ましく用いられる。
【0010】ドライフルーツ発酵種の種類は特に制限さ
れず、発酵させ得るドライフルーツを用いて得られるド
ライフルーツ発酵種であればいずれでもよく、好ましい
例としては、レーズンから得られるレーズン発酵種、乾
燥プルーンから得られる乾燥プルーン発酵種、乾燥フィ
グから得られる乾燥フィグ発酵種および乾燥ブルーベリ
ーから得られる乾燥ブルーベリー発酵種を挙げることが
でき、レーズン発酵種がより好ましく用いられる。
【0011】ドライフルーツ発酵種の調製法は特に制限
されないが、例えば、レーズンやその他のドライフルー
ツを丸ごと或いは粉砕またはすり潰した後、水を加え、
必要に応じてさらに砂糖、モルトシロップ、蜂蜜、ブド
ウ糖などの糖分を加えて、20〜35℃程度の温度に約
6時間〜30日間、好ましくは12時間〜15日間、よ
り好ましくは24時間〜7日間保って発酵させることに
よってドライフルーツ発酵種を得ることができる。ドラ
イフルーツ発酵種を製造する際の各材料の配合割合は適
宜調整し得るが、一般に、水100重量部に対して、レ
ーズンなどのドライフルーツ1〜80重量部、砂糖0〜
100重量部およびモルトシロップ0〜10重量部の割
合で用いることが、品質の高いドライフルーツ発酵種が
短時間で円滑に得られる点から好ましく、水100重量
部、ドライフルーツ10〜80重量部、砂糖10〜50
重量部およびモルトシロップ0.1〜5重量部の割合で
用いることがより好ましい。また、ドライフルーツ発酵
種中にドライフルーツ等が大きいままで存在する場合
は、ミキサーなどにかけて全体を良くすり潰して液状に
することが望ましい。
【0012】ブドウ発酵種またはリンゴ発酵種は、ドラ
イフルーツの代わりにブドウまたはリンゴをそれぞれ用
いて、それらを好ましくは粉砕またはすり潰した後に、
ドライフルーツ発酵種の場合と同様に、水を加え、必要
に応じてさらに砂糖、モルトシロップなどの糖分を加え
て、20〜35℃程度の温度に約6時間〜30日間、好
ましくは12時間〜15日間、より好ましくは24時間
〜7日間保って発酵させることによって得ることができ
る。
【0013】得られる液状の果実発酵種(a)は、その
ままの液状物の形態にしておいても、またはこの液状物
を濃縮して濃縮液状物にしても、或いは澱粉などを加え
た後乾燥して粉末状にしてもよい。粉末状にするために
添加する澱粉量は、果実発酵種(a)のそのままの液状
物に対して、1.5〜5重量倍であることが好ましく、
1.5〜4.5重量倍であることがより好ましく、1.
5〜3.5重量倍であることが更に好ましい。果実発酵
種(a)はいずれの形態であっても、麺類におけるスペ
ックやカビの発生抑制効果、色調、風味、食感などの向
上効果を有しており、また発酵種(b)を製造する際の
元種として有効に用いることができる。液状の果実発酵
種(a)およびそれを濃縮した濃縮液状形態の果実発酵
種(a)は、一般に冷蔵庫で1〜2カ月程度保存が可能
であり、また乾燥した粉末形態の果実発酵種(a)は冷
蔵庫で3カ月以上の長期保存が可能である。
【0014】また、発酵種(b)は、果実発酵種(a)
を元種として用いて更に発酵を行って得られる発酵種で
あればいずれでもよく特に制限されない。そのうちで
も、発酵種(b)として、ドライフルーツ発酵種、ブド
ウ発酵種およびリンゴ発酵種のうちの少なくとも1種か
らなる果実発酵種(a)を元種として用いて、これに果
実、ビール、穀類および糖分のうちの少なくとも1種を
添加してさらに発酵を行って得られる発酵種が好ましく
用いられる。
【0015】発酵種(b)の製造に用い得る果実の例と
しては、レモン、ユズ、オレンジ、ライム、グレープフ
ルーツ、みかん、夏みかん、カボス、すだちなどの柑橘
類、ブドウ、チェリー、ブルーベリー、クランベリー、
ラズベリー、リンゴ、柿、ナシ、プルーン、イチジク、
アンズ、ウメリンゴなどを挙げることができ、これらの
果実の1種または2種以上を用いることができる。特
に、果実発酵種(a)を元種とし、これにレモンなどの
柑橘類のうちの1種または2種以上を少なくとも加えて
更に発酵させて得られる発酵種(b)は、香りの面で麺
類との相性が良くて麺類の香味および風味の向上効果が
大きく、しかも麺類の色調をより良好なものにする。
【0016】また、ビールとしては、通常のビール、黒
ビール、赤ビール、麦芽入り発泡酒などのいずれもが使
用できる。穀類としては、穀粉が好ましく用いられ、例
えば、小麦粉、馬鈴薯粉(マッシュポテト)、トウモロ
コシ粉、そば粉、大麦粉、米粉、甘薯粉などを挙げるこ
とができ、これらの1種または2種以上を用いることが
できる。また、糖分としては、例えば、砂糖、蜂蜜、モ
ルトシロップ、ブドウ糖などを挙げることができ、これ
らの1種または2種以上を用いることができる。
【0017】発酵種(b)の製造に当たっては、果実発
酵種(a)からなる元種、水、果実、ビール、穀類、糖
分などの他の成分の使用割合は特に制限されず、果実発
酵種(a)からなる元種の種類、それに加える果実、ビ
ール、穀類、糖分などの他の成分の種類などに応じて調
整することができる。一般には、水100重量部、果実
発酵種(a)0.1〜100重量部、果実0〜30重量
部、ビール0〜100重量部、穀類0〜80重量部、糖
分0〜50重量部の割合で混合して、20〜35℃程度
の温度で約6時間〜30日間、好ましくは12時間〜1
5日間、より好ましくは24時間〜7日間発酵させるこ
とによって、発酵種(b)を得ることができる。発酵種
(b)を製造するための発酵工程は一段で行ってもまた
は複数段で行ってもよい。
【0018】発酵種(b)は、そのままの液状物の形態
で、またはそれを濃縮した液状濃縮物の形態で、或いは
澱粉等を加えた後に乾燥し粉末にして用いることができ
る。粉末状の発酵種(b)にするための澱粉の添加量
は、発酵種(b)のそのままの液状物に対して、1.5
〜5重量倍であることが好ましく、1.5〜4.5重量
倍であることがより好ましく、1.5〜3.5重量倍で
あることが更に好ましい。液状物または液状濃縮物の形
態をなす発酵種(b)は冷蔵庫で通常1週間前後保存が
可能であり、また乾燥した粉末形態をなす発酵種(b)
は冷蔵庫で3カ月以上の長期保存が可能である。
【0019】麺類用の穀粉類への果実発酵種(a)およ
び/または発酵種(b)の添加方法や添加時期などは特
に制限されないが、果実発酵種(a)および発酵種
(b)が乾燥粉末である場合は、穀粉類中に粉末状の果
実発酵種(a)および発酵種(b)の少なくとも一方を
含有させると、長期間安定に保存可能な麺類用穀粉組成
物(麺類用ミックス粉)を調製することができ、この麺
類用穀粉組成物は常温または冷蔵温度で保存、流通、販
売することができる。
【0020】本発明の麺類および麺類用穀粉組成物で
は、発酵種として、果実発酵種(a)および発酵種
(b)の一方のみを含有しても、または両方を含有して
いてもよい。そのうちでも、発酵種(b)を含有させて
おくことが好ましく、それによって、麺類におけるスペ
ックおよびカビの発生が一層効果的に抑制され、色調の
向上効果が大きくなり、麺類の食感および風味が一層良
好になる。
【0021】発酵種の添加量は、発酵種の種類、麺類の
種類、麺類の製造に用いる原料組成などに応じて調節で
きるが、一般に、麺類の製造に用いる穀粉原料の合計重
量に基づいて、0.01〜48重量%[上記果実発酵種
(a)および発酵種(b)のうちの2種以上を用いる場
合はその合計量]であり、0.1〜45重量%であるこ
とがより好ましく、特に1〜30重量%であることがよ
り好ましい。
【0022】本発明では、麺類の製造に用いる穀粉類の
種類は何ら制限されず、麺類の種類などに応じて、例え
ば、小麦粉、デュラム小麦粉、そば粉、米粉、大豆粉、
トウモロコシ粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉などの各種
澱粉類、山芋粉、大麦粉、甘薯粉などの穀粉類のうちの
1種または2種以上を用いることができる。
【0023】また、麺類の種類などに応じて、例えば、
食塩、かん水(かん粉)、ガム類やその他の増粘剤、着
色料、ビタミン類、ミネラル類、蛋白質、アミノ酸、ア
ルコールなどの1種または2種以上を用いることができ
る。
【0024】麺類の形態は特に制限されず、生麺、半乾
燥麺、茹麺、蒸麺、乾燥麺、冷凍麺、即席麺などのいず
れであってもよい。そのうちでも、スペックまたはカビ
の発生し易い、生麺、半乾燥麺、茹麺や蒸麺などのα化
した麺類に対して有効であり、冷蔵温度または場合によ
り常温で保存、流通、販売される生麺におけるスペック
およびカビの発生の抑制に特に有効である。麺類(特に
生麺)を冷蔵温度で保存、流通、販売する場合は、一般
に0〜10℃の温度が好ましく採用される。前記した冷
蔵温度による場合は、麺類の種類によっては製造後1ケ
月が経過した時点でも、スペックやカビの発生が少な
く、且つ良好な外観、食感、風味、色調を保つことがで
きる。
【0025】また、麺類の種類は特に制限されず、うど
ん、冷麦、素麺、日本そば、中華麺(ラーメン、冷やし
中華麺、焼きそばなど)、ギョウザ、シュウマイ、ワン
タンなどのような麺皮、パスタ類などのいずれであって
もよい。
【0026】麺類を製造する際の麺生地の製法、麺線へ
の切り出しや押し出し方法、麺皮への切り出しや打ち抜
きの成形方法などは特に制限されず、麺類の種類などに
応じて従来から使用されている方法により行うことがで
きる。何ら限定されるものではないが、例えば、ロール
製麺法、手延べ製麺法、手打ち製麺法、押し出し式製麺
法などにより本発明の麺類を製造することができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、それにより何ら限定されない。なお、
本明細書でいう茹で麺の茹で歩留りは、下記の式(I)
により求めた値をいう。
【0028】
【数1】 麺の茹で歩留り(%)=(W/W)×100 (I) [式中、W1は、茹であげて水洗、冷却し、水切りした
後の茹で麺(うどん及び日本そばの場合)の重量
(g)、または茹であげ直後の麺(ラーメンの場合)の
重量(g)、W0は茹でる前の生麺中の穀粉類の重量
(g)を表す。但し、生麺の製造に用いた穀粉類中の水
分含量が14.5%であるものとして前記W0の値を求
めた。]
【0029】《製造例1》[発酵種の製造] (1) レーズン50重量部、水100重量部、砂糖2
5重量部およびモルトシロップ1重量部を混合し、これ
により得られた混合物をプラスチック製のボウルに入
れ、ビニール袋をかけて、温度28℃、湿度75%の条
件下に、レーズンがくずれないようにしながら1日2回
の割合でていねいに撹拌して、レーズンがすべて浮き上
がり、泡がたくさん出る状態になるまで5日間発酵させ
た。これをミキサーにかけて均一な液状にしてレーズン
発酵種を得た。なお、これにより得られたレーズン発酵
種は冷蔵庫で2カ月間保存可能であった。
【0030】(2) 上記(1)で得られたレーズン発
酵種10重量部に、水100重量部、レモンの絞り汁2
3重量部、蜂蜜10重量部、マッシュポテト5重量部お
よびモルトシロップ1重量部を混合し、それにより得ら
れた混合物を温度28℃、湿度75%の条件下に1日発
酵させた後、ミキサーにかけて均一な液状のレモン発酵
種を製造した。なお、これにより得られたレモン発酵
種は冷蔵庫で1週間保存が可能であった。
【0031】(3) 上記(2)で得られた液状のレモ
ン発酵種を40℃以下の温度で、液量が1/2になる
まで加熱濃縮して、濃縮されたレモン発酵種を製造し
た。 (4) また、上記(2)で得られた液状のレモン発酵
種とタピオカ澱粉を2:3の重量割合で混合した後、
室温にて乾燥させて、粉末状のレモン種を製造した。
【0032】《実施例1》[うどんの製造] (1) 小麦粉[日清製粉(株)製「特雀」]に対し
て、水および食塩とともに、アルコール、乳酸および上
記の製造例1で得られたレモン発酵種〜のいずれか
を下記の表8に示す割合で加えて、横型ミキサー(東京
麺機株式会社製のテスト用ミキサー)にて、90回転/
分の回転速度で10分間混練して麺生地を製造した。な
お、下記の表8の実験番号2では、生の麺生地のpHお
よびアルコール含有量が実験番号3の生の麺生地と同じ
になるようにするためにアルコール1重量部および乳酸
0.15重量部を添加した。 (2) 上記(1)で得られた麺生地を常法にしたがっ
て圧延処理して厚さ2.4mmの麺帯にした後、切刃#
10角で麺線に切り出して生うどんを製造した。 (3) 上記(2)で得られた生うどんを当日に試食す
る分以外は冷蔵庫(温度5℃)に入れて、7日間、14
日間および30日間にわたって保存した。
【0033】(4) 上記(2)で得られた製造直後の
生うどん、および上記(3)で冷蔵保存した生うどんの
それぞれについて、スペックの発生状況、カビの発生状
況、色調、香りおよびほぐれ易さを下記の表1〜表5に
示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価
してもらい、その平均値を採ったところ下記の表8に示
すとおりであった。 (5) 上記(2)で得られた製造直後の生うどん、お
よび上記(3)で冷蔵保存した生うどんのそれぞれを、
十分量の沸騰水中で18分間茹でた後、水洗い、冷却を
行って茹で歩留り315%の茹でうどんとし、これをつ
けつゆにて10名のパネラーが食して、その風味および
食感を下記の表6および表7に示す評価基準にしたがっ
て点数評価してもらって平均値を採ったところ、下記の
表8に示すとおりであった。
【0034】
【表1】 [生麺のスペックの発生状態の評価基準] 5点:スペックの発生が全く見られない。 4点:スペックの発生が少し見られるが外見上殆ど気にならない。 3点:スペックが発生している。 2点:スペックが多く発生している。 1点:スペックが非常に多く発生している。
【0035】
【表2】[生麺のカビの発生状態の評価基準] 5点:カビの発生が全く見られない。 4点:小さなカビの発生が一部見られる。 3点:カビが発生している。 2点:全体的にカビが多く発生している。1点:全体的にカビが非常に多く発生している。
【0036】
【表3】 [生麺の色調の評価基準] 5点:淡黄色で、冴えのある良好な色調である。 4点:やや淡黄色で、やや冴えのある色調である。 3点:ややクスミのある淡黄色状である。 2点:クスミのある灰色に近い不良な色調である。 1点:灰色にクスンでおり、極めて不良な色調である。
【0037】
【表4】[生麺の香りの評価基準] 5点:果物のフレッシュな香りがする。 4点:ほのかに果物の香りがする。 3点:特別な香りのない、普通の麺である。 2点:ややかび臭い。1点:カビ臭が強く、不快感を与える。
【0038】
【表5】 [生麺のほぐれ易さの評価基準] 5点:麺線同士の付着がなく、ほぐれが非常に良い。 4点:麺線同士の付着が殆どなく、ほぐれが良い。 3点:麺線同士の付着がややあるが、手でほぐすと直ちにほぐれる。 2点:麺線同士の付着があるが、手でほぐすと何とかほぐれる。 1点:麺線同士が完全に付着していて、無理にほぐそうとすると麺線 が切れてしまう。
【0039】
【表6】[茹で麺の風味の評価基準] 3点:非常に風味が良く、大変食欲がそそられる。 2点:風味が良く、食欲がそそられる。 1点:特に風味がない。
【0040】
【表7】 [茹で麺の食感の評価基準] 5点:非常にソフトで、粘弾性に富む、極めて良好な食感である。 4点:ソフトで、粘弾性のある、良好な食感である。 3点:ややソフトで、適当な粘弾性を有する食感である。 2点:やや硬く、ややさくい、やや不良な食感である。 1点:硬くて、さくい、不良な食感である。
【0041】
【表8】
【0042】上記の表8の結果から、レモン発酵種〜
を添加して得られた実験番号3〜6の生うどんは、レ
モン発酵種を含有していない実験番号1の生うどん、並
びにレモン発酵種を含有せずにアルコールおよび乳酸を
含有する実験番号2の生うどんに比べて、スペックおよ
びカビの発生の抑制効果が大きく、製造後14日経った
後でもスペックおよびカビの発生が殆どないこと、しか
も生麺の色調、香り、ほぐれ易さ、茹で麺の風味および
食感の点においても優れていることがわかる。
【0043】《実施例2》[ラーメンの製造] (1) 小麦粉[日清製粉(株)製「(特)飛龍」]に
対して、水およびかん水とともに、アルコール、乳酸お
よび上記の製造例1で得られたレモン発酵種〜のい
ずれかを下記の表11に示す割合で加えて、横型ミキサ
ー[東京麺機(株)製のテスト用ミキサー]にて、90
回転/分の回転速度で10分間混練して麺生地を製造し
た。なお、下記の表11の実験番号8では、生の麺生地
のpHおよびアルコール含有量が実験番号9の生の麺生
地と同じなるようにするためにアルコール1重量部およ
び乳酸0.2重量部を添加した。 (2) 上記(1)で得られた麺生地を常法にしたがっ
て圧延処理して厚さ1.4mmの麺帯にした後、切刃#
20角にて麺線に切り出して、生ラーメンを製造した。 (3) 上記(2)で得られた生ラーメンを当日に試食
する分以外は冷蔵庫(温度5℃)に入れて、7日間、1
4日間および30日間にわたって保存した。
【0044】(4) 上記(2)で得られた製造直後の
生ラーメン、および上記(3)で冷蔵保存した生ラーメ
ンのそれぞれについて、スペックの発生状況およびカビ
の発生状況を上記の表1および表2に示した評価基準に
したがって、また生ラーメンの色調を下記の表9に示す
評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価して
もらい、その平均値を採ったところ下記の表11に示す
とおりであった。 (5) 上記(2)で得られた製造直後の生ラーメン、
および上記(3)で冷蔵保存した生ラーメンのそれぞれ
を、十分量の沸騰水中で2分45秒間茹でて茹で歩留り
250%の茹でラーメンとし、これをラーメンスープを
入れた丼に入れて、10名のパネラーが食して、その風
味を上記の表6に示した評価基準にしたがって、またそ
の食感を下記の表10に示す評価基準にしたがっ点数評
価してもらって平均値を採ったところ、下記の表11に
示すとおりであった。
【0045】
【表9】 [生麺(生ラーメン)の色調の評価基準] 5点:強い黄色を有し、冴えのある良好な色調である。 4点:黄色で、ほぼ冴えのある色調である。 3点:やや黄色味のある色調である。 2点:ややクスミのあるやや不良な色調である。 1点:クスミのある不良な色調である。
【0046】
【表10】 [茹で麺(ラーメン)の食感の評価基準] 5点:非常に粘弾性に富む、極めて良好な食感である。 4点:粘弾性に富む、良好な食感である。 3点:適当な粘弾性を有する食感である。 2点:ややさくい、やや不良な食感である。 1点:さくい、不良な食感である。
【0047】
【表11】
【0048】上記の表11の結果から、レモン発酵種
〜を添加して得られた実験番号9〜11の生ラーメン
は、レモン発酵種を含有していない実験番号7の生ラー
メン、並びにレモン発酵種を含有せずにアルコールおよ
び乳酸を含有する実験番号8の生ラーメンに比べて、カ
ビの発生の抑制効果が大きく、製造後30日経った後で
もカビの発生が完全に抑制されており、さらに製造後1
4日経った後でもスペックの発生が抑制されているこ
と、しかも生麺の色調、茹で麺の食感および風味の点で
も優れていることがわかる。
【0049】《実施例3》[日本そばの製造] (1) 小麦粉[日清製粉(株)製「オーション」]に
対して、そば粉、水および水とともに、アルコール、乳
酸および上記の製造例1で得られたレモン発酵種〜
のいずれかを下記の表15に示す割合で加えて、横型ミ
キサー[東京麺機(株)製のテスト用ミキサー]にて、
90回転/分の回転速度で10分間混練して麺生地を製
造した。なお、下記の表15の実験番号13では、生の
麺生地のpHおよびアルコール含有量が実験番号14の
生の麺生地と同じなるようにするためにアルコール1重
量部および乳酸0.2重量部を添加した。 (2) 上記(1)で得られた麺生地を常法にしたがっ
て圧延処理して厚さ1.4mmの麺帯にした後、切刃#
20角にて麺線に切り出して、生日本そばを製造した。 (3) 上記(2)で得られた生日本そばを当日に試食
する分以外は冷蔵庫(温度5℃)に入れて、7日間およ
び14日間にわたって保存した。
【0050】(4) 上記(2)で得られた製造直後の
生日本そば、および上記(3)で冷蔵保存した生日本そ
ばのそれぞれについて、カビの発生状況を上記の表2に
示した評価基準にしたがって、また生日本そばの色調を
下記の表12に示す評価基準にしたがって10名のパネ
ラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ
下記の表15に示すとおりであった。なお、日本そば
は、そば粉に由来する斑点を元々有しているためスペッ
クの発生状況の判定は行わなかった。 (5) 上記(2)で得られた製造直後の生日本そば、
および上記(3)で冷蔵保存した生日本そばのそれぞれ
を、十分量の沸騰水中で3分間茹でて、水洗、冷却して
茹で歩留り260%の茹で日本そばとし、これをつけつ
ゆにて10名のパネラーが食して、その風味を下記の表
13に示す評価基準にしたがって、またその食感を下記
の表14に示す評価基準にしたがって点数評価してもら
って平均値を採ったところ、下記の表15に示すとおり
であった。
【0051】
【表12】 [生麺(生日本そば)の色調の評価基準] 5点:薄茶色を呈した極めて良好な色調である。 4点:若干強い茶色の色調を有する、良好な色調である。 3点:やや茶褐色を帯びた色調である。 2点:茶褐色の色調が強く、やや不良な色調である。 1点:黒ずんだ不良な色調である。
【0052】
【表13】 [茹で麺(日本そば)の風味の評価基準] 3点:そばの香りと共に果物のフレッシュな風味があり、大変食欲が そそられる。 2点:そばの香りと共に果物のフレッシュな風味がややあり、食欲が そそられる。 1点:通常のそばの風味である。
【0053】
【表14】 [茹で麺(日本そば)の食感の評価基準] 5点:非常に粘弾性に富む、極めて良好な食感である。 4点:粘弾性のある、良好な食感である。 3点:適当な粘弾性を有する食感である。 2点:やや柔らかくて脆い、やや不良な食感である。 1点:柔らかくて脆い、不良な食感である。
【0054】
【表15】
【0055】上記の表15の結果から、レモン発酵種
〜を添加して得られた実験番号14〜17の生日本そ
ばは、レモン発酵種を含有していない実験番号12の生
日本そば、並びにレモン発酵種を含有せずにアルコール
および乳酸を含有する実験番号13の生日本そばに比べ
て、製造後14日経った後でもカビの発生が完全に抑制
されており、しかも色調が極めて良好に保たれているこ
と、さらに茹で麺の食感および風味の点でも優れている
ことがわかる。
【0056】《実施例4》[ギョウザの皮およびギョウ
ザの製造] (1) 小麦粉[日清製粉(株)製「(特)ナンバー
1」]に対して、水および食塩とともに、アルコール、
乳酸および上記の製造例1で得られたレモン発酵種〜
のいずれかを下記の表18に示す割合で加えて、横型
ミキサー[東京麺機(株)製のテスト用ミキサー]に
て、90回転/分の回転速度で10分間混練して生地を
製造した。なお、下記の表18の実験番号19では、生
の生地のpHおよびアルコール含有量が実験番号20の
生の生地と同じなるようにするためにアルコール1重量
部および乳酸0.15重量部を添加した。 (2) 上記(1)で得られた生地を常法にしたがって
圧延処理して厚さ1.0mmの麺帯にした後、直径90
mmの円形に型抜きしてギョウザの皮を製造した。 (3) 上記(2)で得られたギョウザの皮を、当日に
ギョウザを成形する分以外は冷蔵庫(温度5℃)に入れ
て、7日間、14日間および30日間にわたって保存し
た。
【0057】(4) 上記(2)で得られた製造直後の
ギョウザの皮、および上記(3)で冷蔵保存したギョウ
ザの皮のそれぞれについて、スペックの発生状況および
カビの発生状況を上記の表1および表2に示した評価基
準にしたがって、また色調を上記の表3に示した評価基
準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもら
い、その平均値を採ったところ下記の表18に示すとお
りであった。 (5) 上記(2)で得られた製造直後のギョウザの
皮、および上記(3)で冷蔵保存したギョウザの皮のそ
れぞれに、具(豚挽肉、キャベツ等の野菜を細かく切っ
たものに塩、醤油等の調味料で味付けした具)を10g
/1皮の割合で載せて成形してギョウザを製造した。こ
れを蒸し器(蒸気圧1.0kg/cm2)で6分間蒸し
た後、急速冷凍庫(温度−35℃)中にて凍結して冷凍
ギョウザを製造した。 (6) 上記(5)で得られた冷凍ギョウザを−18℃
の冷凍庫で7日間保存した後、冷凍庫より取り出して、
ホットプレートを使用して調理し、10名のパネラーに
食してもらい、皮の風味を下記の表16に示す評価基準
にしたがって、またその食感を下記の表17に示す評価
基準にしたがって点数評価してもらい、その平均値を採
ったところ、下記の表18に示すとおりであった。
【0058】
【表16】[ギョウザの皮の風味の評価基準] 3点:果物のフレッシュな香りが口の中で広がる。 2点:ほのかな果物の香りが口の中で広がる。 1点:特別な風味がない。
【0059】
【表17】 [ギョウザの耳部分の食感の評価基準] 5点:非常にソフトで、モチモチした、極めて良好な食感である。 4点:ソフトで、モチモチした、良好な食感である。 3点:ややソフトで、適当な粘性を有する食感である。 2点:やや硬く、ぼそついた食感である。 1点:硬くて、さくく、ぼそぼそとした食感である。
【0060】
【表18】
【0061】上記の表18の結果から、レモン発酵種
〜を添加して得られた実験番号20〜23のギョウザ
の皮は、製造後14日経った後でもカビおよびスペック
の発生が無いか又は殆どないこと、そしてレモン発酵種
の添加量を適当な量に調整したものでは製造後30日経
った後でもスペックおよびカビの発生が殆どないか又は
極めて少なく、しかも長期に亙って良好な色調を保って
いることがわかる。それに対して、レモン発酵種を含有
していない実験番号18のギョウザの皮並びにレモン発
酵種を含有せずにアルコールおよび乳酸を含有する実験
番号19のギョウザの皮では、製造後14日経った時点
では、スペックおよびカビがかなり発生しており、しか
も色調の低下が大きいことがわかる。また、上記の表1
8の結果から、レモン発酵種〜を添加して得られた
実験番号20〜23のギョウザの皮を用いて製造したギ
ョウザは、レモン発酵種を含有していない実験番号18
のギョウザの皮並びにレモン発酵種を含有せずにアルコ
ールおよび乳酸を含有する実験番号19のギョウザの皮
を用いて製造したギョウザに比べて、風味および食感の
点でも優れていることがわかる。
【0062】《実施例5》[ワンタンの皮およびワンタ
ンの製造] (1) 小麦粉[日清製粉(株)製「(特)飛龍」]に
対して、水およびかんすいとともに、アルコール、乳酸
および上記の製造例1で得られたレモン発酵種〜の
いずれかを下記の表21に示す割合で加えて、横型ミキ
サー[東京麺機(株)製のテスト用ミキサー]にて、9
0回転/分の回転速度で10分間混練して生地を製造し
た。なお、下記の表21の実験番号25では、生の生地
のpHおよびアルコール含有量が実験番号26の生の生
地と同じなるようにするためにアルコール1重量部およ
び乳酸0.2重量部を添加した。 (2) 上記(1)で得られた生地を常法に従って圧延
処理して厚さ0.6mmの麺帯にした後、一辺70mm
の正方形に切断してワンタンの皮を製造した。 (3) 上記(2)で得られたワンタンの皮を、当日に
ワンタンを成形する分以外は冷蔵庫(温度5℃)に入れ
て、3日間および7日間にわたって保存した。
【0063】(4) 上記(2)で得られた製造直後の
ワンタンの皮、および上記(3)で冷蔵保存したワンタ
ンの皮のそれぞれについて、スペックの発生状況および
カビの発生状況を上記の表1および表2に示した評価基
準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもら
い、その平均値を採ったところ下記の表21に示すとお
りであった。 (5) 上記(2)で得られた製造直後のワンタンの
皮、および上記(3)で冷蔵保存したワンタンの皮のそ
れぞれに、具(豚挽肉、キャベツ等の野菜を細かく切っ
たものに塩、醤油等の調味料で味付けした具)を10g
/1皮の割合で載せて成形してワンタンを製造した。こ
れを蒸し器(蒸気圧1.0kg/cm2)で6分間蒸し
た後、急速冷凍庫(温度−35℃)中にて凍結して冷凍
ワンタンを製造した。 (6) 上記(5)で得られた冷凍ワンタンを−18℃
の冷凍庫で7日間保存した後、冷凍庫より取り出して、
沸騰水中で3分間茹でて、10名のパネラーに食しても
らい、皮の風味を下記の表19に示す評価基準にしたが
って、またその食感を下記の表20に示す評価基準にし
たがって点数評価してもらい、その平均値を採ったとこ
ろ、下記の表21に示すとおりであった。
【0064】
【表19】[ワンタンの皮の風味の評価基準] 3点:フレッシュな果物の香りが口の中で広がる。 2点:ほのかな果物の香りが口の中で広がる。 1点:特別な風味がない。
【0065】
【表20】 [ワンタンの耳部分の食感の評価基準] 5点:非常に滑らかで粘性に富む、極めて良好な食感である。 4点:滑らかで粘性のある良好な食感である。 3点:やや滑らかさがあり、粘性を有する食感である。 2点:滑らかさにやや欠け、ぼそぼそとした食感である。 1点:滑らかさに欠け、ぼそぼそとした食感である。
【0066】
【表21】
【0067】上記の表21の結果から、レモン発酵種
〜を添加して得られた実験番号26〜29のワンタン
の皮は、製造後7日経った後でもカビおよびスペックの
発生が無いか又は殆どないこと、そして発酵種の添加量
を適当な量に調整したものでは製造後7日経った後でも
スペックの発生がかなり抑制されていることがわかる。
それに対して、レモン発酵種を含有していない実験番号
24のワンタンの皮並びにレモン発酵種を含有せずにア
ルコールおよび乳酸を含有する実験番号25のワンタン
の皮では、製造後3日経った時点ではスペックが発生し
ており、製造後7日経った時点ではスペックおよびカビ
がかなり発生していることがわかる。
【0068】
【発明の効果】本発明による場合は、麺類の製造後に時
間が経っても、スペックの発生が抑制されていて良好な
外観を保つことのできる麺類およびそのための麺類用穀
粉組成物が得られる。そして、本発明による場合は、麺
類の製造後に時間が経ってもカビや細菌類の発生や繁殖
の少ない、長期保存が可能な麺類およびそのための麺類
用穀粉組成物が得られる。さらに、本発明による場合
は、付着しにくくて、ほぐれ易く、色調、食感および風
味に優れる商品価値の高い麺類、およびそのための麺類
用穀粉組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 康裕 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 (72)発明者 広瀬 明朗 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 (72)発明者 明石 肇 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 (72)発明者 鎌田 真彦 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 (72)発明者 岡山 直生 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 (72)発明者 村角 充 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 (72)発明者 長櫓 邦夫 岡山県岡山市下石井1丁目3番16号 日清 製粉株式会社中四国営業部内 (72)発明者 遠藤 繁 埼玉県入間郡大井町鶴ケ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社製粉研究所内 (72)発明者 早川 克志 埼玉県入間郡大井町鶴ケ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社製粉研究所内 (72)発明者 堀米 健二郎 埼玉県入間郡大井町鶴ケ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社製粉研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 果実発酵種(a)、および/または前記
    の果実発酵種(a)を元種として用いて更に発酵を行っ
    て得られる発酵種(b)を含有することを特徴とする麺
    類。
  2. 【請求項2】 果実発酵種(a)がドライフルーツ発酵
    種、ブドウ発酵種またはリンゴ発酵種であり、発酵種
    (b)がドライフルーツ発酵種、ブドウ発酵種およびリ
    ンゴ発酵種のうちの少なくとも1種を元種として用いて
    これに果実、ビール、穀類および糖分のうちの少なくと
    も1種を添加してさらに発酵を行って得られる発酵種で
    ある請求項1記載の麺類。
  3. 【請求項3】 ドライフルーツ発酵種が、レーズン発酵
    種、乾燥プルーン発酵種、乾燥フィグ発酵種および乾燥
    ブルーベリー発酵種から選ばれる少なくとも1種である
    請求項2記載の麺類。
  4. 【請求項4】 発酵種の添加量が、製麺用穀粉原料の合
    計重量に基づいて、0.1〜45重量%である請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の麺類。
  5. 【請求項5】 果実発酵種(a)、および/または前記
    の果実発酵種(a)を元種として用いて更に発酵を行っ
    て得られる発酵種(b)を含有することを特徴とする麺
    類用穀粉組成物。
  6. 【請求項6】 果実発酵種(a)がドライフルーツ発酵
    種、ブドウ発酵種またはリンゴ発酵種であり、発酵種
    (b)がドライフルーツ発酵種、ブドウ発酵種およびリ
    ンゴ発酵種のうちの少なくとも1種を元種として用いて
    これに果実、ビール、穀類および糖分のうちの少なくと
    も1種を添加してさらに発酵を行って得られる発酵種で
    ある請求項5記載の麺類用穀粉組成物。
  7. 【請求項7】 ドライフルーツ発酵種が、レーズン発酵
    種、乾燥プルーン発酵種、乾燥フィグ発酵種および乾燥
    ブルーベリー発酵種から選ばれる少なくとも1種である
    請求項6記載の麺類用穀粉組成物。
  8. 【請求項8】 発酵種の添加量が、製麺用穀粉原料の合
    計重量に基づいて、0.1〜45重量%である請求項5
    〜7のいずれか1項に記載の麺類用穀粉組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012105553A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Nisshin Flour Milling Inc 茹で中華麺類の製造方法
CN108077749A (zh) * 2017-12-23 2018-05-29 全椒玉屏山庄葡萄种植专业合作社 一种降血压降血脂葡萄面条的制作方法
CN114287561A (zh) * 2021-12-25 2022-04-08 北京天第食圣食品有限公司 一种半干保鲜面及其生产工艺

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