JPH11316881A - 防犯センサ - Google Patents

防犯センサ

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JPH11316881A
JPH11316881A JP28309298A JP28309298A JPH11316881A JP H11316881 A JPH11316881 A JP H11316881A JP 28309298 A JP28309298 A JP 28309298A JP 28309298 A JP28309298 A JP 28309298A JP H11316881 A JPH11316881 A JP H11316881A
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Koichi Furusawa
光一 古澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防犯センサの取り付け角度の制約を緩和す
る。また、調整することなく簡略に取り付けても簡単に
異常判定できるようにする。 【解決手段】 対象物に取り付けられた傾斜センサ12
からは傾斜データが出力される。傾斜センサ12を対象
物に取り付けて傾斜センサ設置確認スイッチ15がオン
になると、学習スイッチ17をオンにすることにより、
記憶回路13に傾斜データを記憶させることができる。
しきい値形成回路22は、記憶回路13に保存されてい
る傾斜データに基づいて許容傾斜範囲を生成する。傾斜
センサ12から出力されている傾斜データが許容傾斜範
囲外になると、警報出力が出る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、盗難防止のための
防犯センサに関する。
【0002】
【従来の技術】絵画、骨董品等の裏面に取り付け、それ
らの盗難事故を検出する防犯センサが従来より用いられ
ている。この防犯センサ1の構造を図1(a)(b)に
示す。この防犯センサ1は、金属製の球体2を絶縁体か
らなるケース3内に遊動自在に納め、ケース3内部の湾
曲した底面4に一対の接点5a,5bを配置したもので
ある。しかして、防犯センサ1を取り付けられた例えば
絵画6が、図2(a)のように壁面7に真っ直ぐに掛け
られている場合には、図1(a)に示すように防犯セン
サ1内の球体2が両接点5a,5bに接触して接点5
a,5bどうしが導通状態となっている。しかし、絵画
6を運び出そうとして絵画6が傾けられると、絵画6に
取り付けられている防犯センサ1も傾き、その結果、図
1(b)のように球体2が少なくとも一方の接点5bか
ら離れて接点5a,5bどうしが非導通状態となり、盗
難が検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構造の防犯センサ1にあっては、接点どうしが閉じ
た状態に保たれるよう垂直な状態で絵画や展示品等に取
り付ける必要があるので、図2(b)のように壁面7に
対して斜めに掛けられた絵画6や複雑な形状をした骨董
品などに取り付けるときには、その取り付け状態の不具
合のために球体が正規の位置から動いて接点どうしが開
き、防犯センサが動作してしまったり、ちょっとした振
動やわずかな傾きが加わっただけで誤動作したりする恐
れがあった。そのため、防犯センサを取り付けている絵
画や骨董品等の展示状態などに応じて、防犯センサの取
り付け状態を1つ1つ点検したり、何度も取り付け直さ
ねばならないことがあった。特に、傾いた展示品の場合
には、防犯センサを展示品に対して傾けて取り付ければ
誤動作の可能性はなくなるが、センサ取り付け時の角度
調整が難しく、加えて防犯センサを取り付ける展示品毎
に角度や展示形態等が異なる場合には、1つ1つ個別に
調整する必要があるなど、センサ取り付け時の調整が難
しいという問題があった。
【0004】本発明は従来例の欠点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、取り付け角度の制
限を受けることなく、調整することなく簡略に取り付け
ても簡単に異常判定することができる防犯センサを提供
することにある。さらに、本発明の目的は、省電力型の
防犯センサを提供することにある。
【0005】
【発明の開示】請求項1に記載の防犯センサは、対象物
の傾斜を検出するための傾斜検出手段と、前記傾斜検出
手段から出力されている傾斜レベルを記憶する傾斜レベ
ル記憶手段と、前記傾斜検出手段から出力される傾斜レ
ベルと前記傾斜レベル記憶手段に保持されている傾斜レ
ベルとを比較判定する傾斜レベル判別手段とを備えたも
のである。
【0006】この防犯センサにあっては、傾斜検出手段
が対象物に取り付けられた状態で、その傾斜レベルが傾
斜レベル記憶手段に記憶され、傾斜レベル記憶手段に記
憶されている傾斜レベルと傾斜検出手段で検出されてい
る傾斜レベルとを比較することにより、盗難事故が発生
しようとしているかどうかを判断する。従って、傾斜検
出手段を予め指定された通りに対象物に取り付けなけれ
ばならないといった不都合がなく、斜めに掛けられた絵
画や複雑な形状をした骨董品などにも容易に取り付ける
ことができる。よって、簡単な操作により汎用的に防犯
センサを使用することが可能になる。
【0007】請求項2に記載の防犯センサは、対象物の
振動を検出するための振動検出手段と、前記振動検出手
段から出力される振動レベルが所定範囲内にあるか否か
を判定する振動レベル判別手段とを備えたものである。
【0008】この防犯センサにあっては、対象物に取り
付けられた振動検出手段の振動レベルによって盗難時の
振動を検出することで、対象物の盗難を検知する。従っ
て、この防犯センサでも、対象物への取り付け角度や取
り付け方などに制約がないので、斜めに掛けられた絵画
や複雑な形状をした骨董品などにも容易に取り付けるこ
とができる。よって、簡単な操作により汎用的に防犯セ
ンサを使用することが可能になる。
【0009】また、この防犯センサでは、振動によって
盗難を検知するので、対象物の傾きを変動させないよう
にして対象物を持ち去ろうとする場合にも、持ち運び時
の振動を検出することで盗難を検出することができる。
【0010】請求項3に記載の防犯センサは、対象物の
傾斜を検出するための傾斜検出手段と、対象物の振動を
検出するための振動検出手段と、前記傾斜検出手段から
出力されている傾斜レベルを記憶する傾斜レベル記憶手
段と、前記傾斜検出手段から出力される傾斜レベルと前
記傾斜レベル記憶手段に保持されている傾斜レベルとを
比較判定する傾斜レベル判別手段と、前記振動検出手段
から出力される振動レベルが所定範囲内にあるか否かを
判定する振動レベル判別手段とを備えたものである。
【0011】この防犯センサにあっては、対象物の傾き
の異常と振動との両面から盗難を検出することができる
ので、より信頼性を高めることができる。しかも、ここ
で用いられる検出手段は、対象物の傾斜レベルを検出す
るための傾斜検出手段と振動レベルを検出するための振
動検出手段とを兼ねているので、部品の共用化によって
コストを低廉にすることができる。また、防犯センサの
小型化にも寄与するから、小さな対象物にも取り付ける
ことができる。
【0012】請求項4に記載の実施態様は、請求項1,
2又は3に記載の防犯センサにおいて、前記傾斜検出手
段または振動検出手段が対象物に取り付けられたことを
検出する設置確認手段を備え、この設置確認手段は、前
記傾斜検出手段または振動検出手段が対象物から取り外
されたことを検出すると警報出力を発するようにしたも
のである。
【0013】この実施態様は、検出手段が対象物に取り
付けられていることを検出する設定確認手段を備えてい
るので、監視モードに入った後、検出手段ないし防犯セ
ンサを対象物から取り外すと警報出力が出る。よって、
検出手段ないし防犯センサを対象物から取り外した上で
の盗難を防止することができる。
【0014】請求項5に記載の実施態様は、請求項1又
は3に記載の防犯センサにおいて、前記傾斜検出手段が
対象物に取り付けられたことを検出する設置確認手段
と、前記設置確認手段が、前記傾斜検出手段が対象物に
取り付けられたことを検出した後、外部からの信号によ
り、もしくは所定時間経過後自動的に、前記傾斜レベル
記憶手段に傾斜レベルを記憶させるようにしたことを特
徴としている。
【0015】この実施態様にあっては、設置確認手段
が、傾斜検出手段の取り付けを確認した後、傾斜レベル
記憶手段に傾斜レベルを記憶させるようにしているの
で、傾斜検出手段又は防犯センサを対象物に取り付ける
前に傾斜レベルを記憶させるのを防止することができ、
誤操作を防止することができる。また、外部からの信号
により傾斜レベル記憶手段に傾斜レベルを記憶させるよ
うにすれば、対象物の角度や形状等の条件を加味して正
確な傾斜レベルを記憶させることができる。また、所定
時間経過後、自動的に傾斜レベルを記憶させるようにす
れば、検出手段を対象物に設置する際の作業を簡略化で
きると共に、傾斜レベルを記憶させる際に検出手段に余
分な傾斜の変化を与えるのを防止することができる。
【0016】請求項6に記載の実施態様は、請求項2又
は3に記載の防犯センサにおいて、前記振動検出手段が
圧電素子によって構成されているものである。
【0017】静電容量型の素子を用いた振動検出手段で
は、駆動回路等により常時数mAの電流を消費するが、
圧電素子を用いた振動検出手段では、振動や衝撃が加わ
ると自ら電荷を発生して振動や衝撃を検出するので、電
流を消費する駆動回路が不要となる。従って、この実施
形態では、振動検出手段として圧電素子を用いることに
よって、省電力化することができる。よって、電池駆動
とする場合には、電池寿命を延ばすことができる。
【0018】請求項7に記載の実施態様は、請求項3に
記載の防犯センサにおいて、前記振動検出手段が振動を
検出すると、傾斜検出の機能が働くようにしたものであ
る。ここで、傾斜検出の機能が働くとは、傾斜検出手
段、傾斜レベル判別手段、傾斜レベル記憶手段の全体も
しくはその一部が、振動検出手段が振動を検出する前に
は電源がオフとなっており、振動が検出されると電源が
オンになることである。
【0019】この実施形態では、振動検出手段が振動を
検出して盗難事故が発生しようとしていると判断される
状態になると、傾斜検出の機能を働かせてよりより正確
に盗難の恐れの有無を判断できるようにしている。従っ
て、振動が検知される以前には、傾斜検出手段、傾斜レ
ベル判別手段、傾斜レベル記憶手段の全体もしくはその
一部を電源オフの状態に保っておくことができ、盗難の
検知精度を低下させることなく、防犯センサの省電力化
を図ることができる。特に、傾斜検出手段で静電容量型
の素子が用いられている場合には、振動検知によって傾
斜検出手段が作動状態となるようにすると、省電力の効
果が大きくなる。よって、電池駆動とする場合には、電
池寿命を延ばすことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の一実施形態による防犯センサ11を説明する。最初に
説明する防犯センサ11は、傾斜センサ12によってセ
ンサ自身又はセンサを取り付けた絵画や美術品等の対象
物の傾きを検出するものである。この防犯センサ11の
構成を図3の回路ブロック図に示す。傾斜センサ12
は、その傾斜量に応じたアナログ電圧出力(傾斜デー
タ)を出力するものである。傾斜センサ12の出力は、
記憶回路13と2つのコンパレータ23,24へ送出さ
れる。記憶回路13はメモリIC等を内蔵しており、ト
リガ入力にトリガ信号が入力された時に傾斜センサ12
から送出された傾斜データを記憶保持する。記憶データ
有無判別回路14は、たとえばコンパレータなどを用い
て、記憶回路13に記憶データが入っている場合にハイ
レベルの信号が出力されるように構成されている。
【0021】傾斜センサ設置確認スイッチ15は傾斜セ
ンサ12を対象物に取り付けた時に連動してオンになる
ように構成されており、抵抗16と直列接続して電源電
位V DDと接地電位との間に接続されている。傾斜センサ
設置確認スイッチ15がオフになっている場合には、傾
斜センサ設置確認スイッチ15と抵抗16との中点から
出ている信号線15aはローレベルとなり、傾斜センサ
設置確認スイッチ15がオンになると、信号線15aは
ハイレベルとなる。学習スイッチ17も抵抗18と直列
接続して電源電位VDDと接地電位との間に接続されてお
り、学習スイッチ17がオフになっている場合には、学
習スイッチ17と抵抗18との中点から出ている信号線
17aはローレベルとなり、学習スイッチ17がオンに
なると、信号線17aはハイレベルとなる。学習スイッ
チ17側の信号線17aはアンドゲート19に入力さ
れ、記憶データ有無判別回路14の出力はインバータ回
路20を介してアンドゲート19に入力され、さらに、
アンドゲート19の出力と傾斜センサ設置確認スイッチ
15側の信号線15aがアンドゲート21に入力され、
アンドゲート21の出力が記憶回路13のトリガ入力に
接続されている。従って、傾斜センサ12が対象物に取
り付けられて傾斜センサ設置確認スイッチ15がオンに
なっている場合には、記憶回路13に記憶データがなく
記憶データ有無判別回路14の出力がローであって、か
つ、学習スイッチ17がオンになると、記憶回路13は
傾斜センサ12からの傾斜データを記憶保持する。
【0022】記憶回路13に傾斜センサ12からの傾斜
データが記憶されると、しきい値形成回路22は、傾斜
データに基づいて傾斜センサ12の出力の許容傾斜範囲
を定め、その上限値と下限値をコンパレータ23,24
に出力する。ここで、許容傾斜範囲は、対象物に取り付
けられている傾斜センサ12の出力の自然な変動の範囲
に設定され、盗難等の異常が起きたときの傾斜センサ1
2の出力が許容傾斜範囲外となるように定められる。な
お、許容傾斜範囲の上限値及び下限値はオペアンプなど
を用いた加算回路や減算回路などで容易に実現できる。
【0023】コンパレータ23は許容傾斜範囲の上限値
と傾斜センサ12の出力データとを比較しており、コン
パレータ23は、傾斜センサ12の出力が上限値を越え
ると作動し、その出力がローレベルからハイレベルに変
化する。コンパレータ24は許容傾斜範囲の下限値と傾
斜センサ12の出力とを比較しており、コンパレータ2
4は、傾斜センサ12の出力データが下限値よりも下が
ると作動し、その出力はローレベルからハイレベルに変
化する。両コンパレータ23,24の比較出力は、とも
にオアゲート25に入力されており、オアゲート25の
出力はアナログスイッチ26に接続されている。オアゲ
ート25の出力がハイレベルになると、アナログスイッ
チ26を介して警報出力が出力され、警報装置(図示せ
ず)から警報が発せられる。従って、傾斜センサ12の
出力データが許容傾斜範囲外になると、警報装置が作動
する。ただし、アナログスイッチ26は、記憶データ有
無判別回路14の出力によって制御されており、記憶回
路13にデータがなく記憶データ有無判別回路14の出
力がローの場合には、オンにならず、警報出力は出力さ
れない。
【0024】また、アンドゲート28の一方の入力に
は、インバータ回路27を介して傾斜センサ設置確認ス
イッチ15の信号線15aが接続され、他方の入力に
は、記憶データ有無判別回路14の出力が接続されてお
り、記憶回路13にデータが保持されている状態で、傾
斜センサ設置確認スイッチ15がオフになって、その信
号線がローレベルになると、アンドゲート28から警報
出力が出力され、警報装置が作動して警報が発せられ
る。
【0025】次に、この防犯センサ11の動作を説明す
る。傾斜センサ12を対象物に取り付けて設置すると、
傾斜センサ設置確認スイッチ15が連動してオンになる
ので、アンドゲート21の一方の入力がハイレベルにな
り、学習スイッチ17で制御されるアンドゲート19が
発する出力(学習信号)の値に応じて、記憶回路13の
トリガ入力の制御が可能な状態になる。傾斜センサ12
を対象物に取り付けた時点では記憶回路13には傾斜デ
ータは存在していないので、記憶データ有無判別回路1
4の出力からはローレベルの信号が出力され、インバー
タ回路20でハイレベルの信号に変換され、アンドゲー
ト19の一方の入力に入力される。従って、この状態で
学習スイッチ17がオンされると、アンドゲート19及
び21の出力がハイレベルになり記憶回路13のトリガ
入力にトリガ信号が入力されるので、傾斜量に応じた傾
斜センサ12の信号(傾斜データ)が記憶回路13に入
力されて記憶保持される。すなわち、最初に学習スイッ
チ17をオンにすると、傾斜センサ12の取り付け作業
時の傾斜データが記憶される。
【0026】記憶回路13に傾斜データが記憶保持され
ると、記憶データ有無判別回路14の出力がハイレベル
に変化するので、インバータ回路20を介してアンドゲ
ート19の一方の入力がローレベルとなり、以後学習ス
イッチ17を操作しても記憶回路13にトリガ入力が入
ることが禁止される。よって、記憶回路13に保持され
ている傾斜データの書き換えが防止され、記憶回路13
のデータを変更した上での盗難を防止できる。
【0027】つぎに、記憶回路13に傾斜データが記憶
されると、しきい値形成回路22は、記憶回路13に保
持されている傾斜データに基づいて許容傾斜範囲の上限
値及び下限値を生成し、上限値をコンパレータ23に入
力し、下限値をコンパレータ24に入力する。コンパレ
ータ23及び24では、それぞれ傾斜センサ12の出力
と傾斜許容範囲の上限値及び下限値とを常時比較し、傾
斜センサ12を対象物に取り付けたとき(学習スイッチ
17をオンにして傾斜データを入力させたとき)の傾斜
レベルと比較して傾斜レベルの変動が許容範囲を越えた
場合には、対象物の盗難等によるものであると判断し、
警報信号を発する。ただし、記憶データ有無判別回路1
4の出力がローの場合には、アナログスイッチ26から
警報出力が出力されないので、傾斜センサ12が対象物
に取り付けられ、学習スイッチ17がオンされる前に
は、誤って警報装置が作動することはない。
【0028】また、傾斜センサ12を対象物に取り付
け、学習スイッチ17をオンにして記憶回路13に傾斜
データを保存させた後で、傾斜センサ12を対象物から
取り外されると、傾斜センサ設置確認スイッチ15がオ
フになるので、信号線15aがローレベルとなり、アン
ドゲート28から警報出力が出力され、警報装置が作動
する。従って、傾斜センサ12を対象物から取り外して
対象物を持ち去ろうとする場合にも警報が発せられ、傾
斜センサ12を外した上での盗難を防止できる。
【0029】(第2の実施形態)図4は本発明の別な実
施形態による防犯センサ41の構成を示す回路ブロック
図である。この実施形態にあっては、対象物に取り付け
られ、振動量に応じたアナログ電圧出力を発する振動セ
ンサ42が用いられている。振動センサ42の出力は、
コンデンサ43を介して振動の変化分のみの成分(交流
成分)とし、コンパレータ45に入力される。振動セン
サ42の振動成分は、コンパレータ45で基準電圧発生
回路44の判定レベル(基準電圧Vref)と比較され、
検出されている振動が所定の振動レベル以上になると警
報出力を発する。
【0030】従って、振動センサ42を取り付けられて
いる対象物を持ち出そうとすると、その際の振動が振動
センサ42により検出され、警報装置が作動して警報が
発せられる。
【0031】振動センサ設置確認スイッチ47は振動セ
ンサ42を対象物に取り付けた時に連動してオンになる
ように構成されており、抵抗48と直列接続して電源電
位V DDと接地電位との間に接続されている。振動センサ
設置確認スイッチ47がオフになっている場合には、振
動センサ設置確認スイッチ47と抵抗48との中点から
出ている信号線47aはローレベルとなり、振動センサ
設置確認スイッチ47がオンになると、信号線47aは
ハイレベルとなる。
【0032】コンパレータ45による警報出力は、アナ
ログスイッチ46を介して出力されており、アナログス
イッチ46には振動センサ設置確認スイッチ47の信号
線47aが接続され、振動センサ設置確認スイッチ47
がオンの時に限ってアナログスイッチ46が作動するよ
うになっている。従って、振動センサ42を対象物に取
り付ける前の、振動センサ設置確認スイッチ47がオフ
のときには、アナログスイッチ46から警報出力は出力
されず、誤動作が防止される。
【0033】また、振動センサ設置確認スイッチ47の
信号線47aは、RSラッチ回路49のS(セット)入
力とインバータ回路50に接続されており、RSラッチ
回路49のQ出力とインバータ回路50の出力はアンド
ゲート51に入力されている。緊急時には、アンドゲー
ト51の出力はハイレベルとなる。いったん対象物に振
動センサ42が取り付けられると、振動センサ設置確認
スイッチ47が入ってRSラッチ回路49が働き、アン
ドゲート51の一方の入力がハイレベルになる。もう一
方の入力はインバータ回路50によってローレベルの信
号が入っているため、アンドゲート51の出力はローレ
ベルに保持される。振動センサ42を対象物から外す
と、振動センサ設置確認スイッチ47が切れてインバー
タ回路50の出力はハイレベルとなり、アンドゲート5
1の出力はハイレベルの警報出力となる。従って、対象
物から振動センサ42が取り外された場合にも、警報が
発せられる。
【0034】(傾斜センサ、振動センサ)上記第1の実
施形態でも第2の実施形態でも、傾斜センサ12及び振
動センサ42の構造については、特に説明しなかった
が、これらのセンサでは、図5に示すような構造の加速
度センサ61を用いることができる。この加速度センサ
61は、フレーム62から延出されたビーム63の先端
にマス部(重り部)64を設け、ビーム63によってマ
ス部64を片持ち支持させたものであって、フレーム6
2の両面はガラス基板65,66によって塞がれてい
る。このフレーム62、ビーム63及びマス部64は、
例えばSiウエハをマイクロマシニング技術を用いて加
工することによって一体に形成される。また、両ガラス
基板65,66の内面の、マス部64と対向する位置に
は、固定電極67a,67bが形成されている。この加
速度センサ61にあっては、静的加速度(つまり、重力
加速度や遠心力等の周波数0Hzの加速度)や動的加速
度(つまり、振動のような周波数が0Hzでない加速
度)の検出が可能となっており、加速度が加わるとビー
ム63を湾曲させてマス部64が変位するので、この変
位量をマス部64の表面(可動電極68a,68b)と
固定電極67a,67bの間の静電容量の変化として出
力することができる。
【0035】この加速度センサ61は、第1の実施形態
による防犯センサで用いた傾斜センサ12としても、第
2の実施形態による防犯センサで用いた振動センサ42
としても用いることができる。すなわち、加速度センサ
61を左右に傾けると、図6(a)(b)に示すように
重力加速度によってビーム63が湾曲して矢印のように
マス部64が移動し、マス部64の可動電極68a,6
8bと固定電極67a,67bの間の距離が変化して可
動電極68aと固定電極67aの間の静電容量が増加ま
たは減少し、一方で可動電極68bと固定電極67bの
間の静電容量が減少または増加するので、この静電容量
の変化によって加速度センサ61の傾斜角を測定するこ
とができる。
【0036】また、加速度センサ61に振動が加わる
と、図7に矢印で示すように、振動によってマス部64
が内部で揺れ動いてマス部64の可動電極68a,68
bと固定電極67a,67bの間の距離が変動するの
で、加速度センサ61に加わっている振動の周波数や振
動の強さなどを計測することができる。
【0037】図8は上記加速度センサ61を用いた傾斜
センサ12の構成を示す回路図である。マス部64の両
可動電極68a,68bには発振器30が接続されてお
り、固定電極67a,67bにはそれぞれ抵抗31a,
31bが直列に接続されていて、可動電極68aと固定
電極67aの間の静電容量と抵抗31aによって一方の
ハイパスフィルタ(HPF)が構成されており、可動電
極68bと固定電極67bの間の静電容量と抵抗31b
によってもう一方のハイパスフィルタ(HPF)が構成
されている。
【0038】各抵抗31a,31bの上端電圧は、2つ
のコンパレータ32a,32bの各非反転入力端子に入
力されており、2つのコンパレータ32Aa,32bの
各反転入力端子には、基準電源33の基準電圧Vrefが
入力されている。 さらに、一方のコンパレータ32a
の出力は抵抗34aとコンデンサ35aをτ型接続した
ローパスフィルタを介して差動増幅器36の一方の入力
端子に接続され、他方のコンパレータ32bの出力も抵
抗34bとコンデンサ35bをτ型接続したローパスフ
ィルタを介して差動増幅器36の他方の入力端子に接続
されている。
【0039】しかして、発振器30で発生した正弦波
は、静電容量型の加速度センサ61の2対の電極67
a,68a;67b,68b間の静電容量とそれに接続
された抵抗31a,31bで形成された2つのハイパス
フィルタを通過する。可動電極68a,68bはマス部
64の両面に設けられているので、傾斜センサ12が傾
くと、マス部64が一方の固定電極に接近して他方の固
定電極から離れる。このとき2つのハイパスフィルタの
各静電容量は、片一方が増加してもう一方が減少するよ
うに動作し、2つのハイパスフィルタを通過する正弦波
の量も片一方が増加してもう一方が減少する。
【0040】ハイパスフィルタの中点電圧はそれぞれ次
段のコンパレータ32a,32bで基準電源33の基準
電圧Vrefと比較され、前段のハイパスフィルタを通過
した正弦波の量に応じて、出力のパルス波のデューティ
ー比が増減させられる。ついで、ローパスフィルタ(3
4a,35a;34b,35b)を通して、前段のデュ
ーティー比が電圧に変換される。そして、差動増幅器3
では、静電容量型の加速度センサ61の2対の電極67
a,68a;67b,68b間の静電容量を電圧に変換
したものが比較され、傾斜センサ12の傾きに応じた電
圧信号として出力される。
【0041】なお、図示しないが、静電容量型の加速度
センサ61を用いた振動センサ42も、図8の傾斜セン
サ12と同様な構成を有している。
【0042】(傾斜センサ設置確認スイッチ、振動セン
サ設置確認スイッチ)また、傾斜センサ設置確認スイッ
チ15及び振動センサ設置確認スイッチ47としては、
図9に示すような、防犯センサ11,41の表面に設け
られた自己復帰型のスイッチ71を用いることができ
る。この自己復帰型スイッチ71は、突起部(押しボタ
ン)72が防犯センサ11,41の取り付け面73から
飛び出るように実装されており、防犯センサ11,41
を対象物74に取り付けると、突起部72が押されてス
イッチ71がオンになり、対象物74から取り外すと、
突起部72が飛び出てスイッチ71がオフとなるもので
ある。
【0043】防犯センサに用いる傾斜センサ12や振動
センサ42として図5のような加速度センサ61を用い
れば、図3のような防犯センサ11に用いる傾斜センサ
12と図4のような防犯センサ41に用いる振動センサ
42として1個の加速度センサ61を共用することがで
き、また傾斜センサ設置確認スイッチ15及び振動セン
サ設置確認スイッチ47としても、1個の自己復帰型ス
イッチ71を共用できる。したがって、1個の加速度セ
ンサ61を傾斜センサ12及び振動センサ42として共
用すると共に1個の自己復帰型スイッチ71を傾斜セン
サ設置確認スイッチ15及び振動センサ設置確認スイッ
チ47として兼用し、その加速度センサ61及び自己復
帰型スイッチ71に図3のような回路構成(傾斜センサ
12及び傾斜センサ設置確認スイッチ15を除いたも
の)の防犯センサ11と図4のような回路構成(振動セ
ンサ42及び振動センサ設置確認スイッチ47を除いた
もの)の防犯センサ41を接続し、2つの防犯センサ1
1,41の機能を1形態にしてコンパクトにまとめるこ
とが可能になる。
【0044】(第3の実施形態)図10は本発明のさら
に別な実施形態による防犯センサ81の構成を示す一部
省略した回路ブロック図である。第1の実施形態では、
傾斜センサ12が対象物に取り付けられて傾斜センサ設
置確認スイッチ15がオンになった後、学習スイッチ1
7をオンにすると、記憶回路13に傾斜データが記憶さ
れるようになっていたが、この実施形態では、学習スイ
ッチ17を押す手間を省いて自動化している。
【0045】すなわち、傾斜センサ設置確認スイッチ1
5の信号線15aは、アンドゲート21の一方の入力、
タイマ回路82の入力(及びインバータ回路27)に接
続されており、タイマ回路82の出力がアンドゲート1
9の一方の入力に接続され、記憶データ有無判別回路1
4の出力もインバータ回路20を介してアンドゲート1
9の他方の入力に接続され、アンドゲート19の出力が
アンドゲート21の他方の入力に接続され、アンドゲー
ト21の出力が記憶回路13のトリガ入力に接続されて
いる。
【0046】しかして、傾斜センサ12が対象物に取り
付けられて傾斜センサ設置確認スイッチ15がオンにな
ると、タイマ回路82が作動し、記憶回路13にデータ
がない場合には、タイマ回路82が所定時間経過してカ
ウントアップした時に記憶回路13にトリガ信号が入力
され、傾斜センサ12の出力が記憶回路13に取込まれ
て記憶保持される。よって、この実施形態によれば、セ
ンサ設置時の作業を簡略化できると共に、学習スイッチ
17を操作した時に防犯センサ81の傾斜角度が変化し
たり余計な振動が発生したりして誤動作するのを防止で
きる。
【0047】(第4の実施形態)図11は本発明のさら
に別な実施形態による防犯センサ91の構成を示す一部
省略した回路ブロック図である。この実施形態も、第1
の実施形態の改良であって、学習スイッチ17が有効に
働いたことを報知するための表示部96を備えている。
【0048】すなわち、電源電圧VDDと設置電位の間に
は、発光ダイオード(LED)92、抵抗93及びトラ
ンジスタ94を直列に接続して構成した表示部96が接
続されており、アンドゲート21の出力が抵抗95を介
してトランジスタ94のベースに接続されている。そし
て、学習スイッチ17がオンされてアンドゲート21か
らハイレベルのトリガ信号が出力されると、表示部96
のトランジスタ94がオンになってLED92に電流が
流れ、LED92が点灯する。学習スイッチ17がオフ
になると、アンドゲート21の出力はローレベルになる
ので、トランジスタ94がオフになってLED92は消
灯する。従って、この実施形態によれば、学習スイッチ
17を押したとき、記憶回路13への書き込み動作が実
行されたか否かを表示部96により視覚で確認すること
ができる。あるいは、傾斜センサ12の取り付け作業を
行う者と監視する者とが別々の場所にいる場合には、表
示部96が監視室などに設置されていれば、監視室にお
いて傾斜センサ12が取り付けられて学習スイッチ17
がオンにされたことを確認できる。
【0049】(第5の実施形態)図12は本発明のさら
に別な実施形態による防犯センサ101の構成を示す一
部省略した回路ブロック図である。この実施形態でも、
記憶回路13に傾斜センサ12の傾斜データが書き込ま
れたことを確認させるための表示部102を備えてい
る。
【0050】すなわち、電源電圧VDDと設置電位の間に
は、発光ダイオード(LED)103、抵抗104及び
トランジスタ105を直列に接続して構成した表示部1
02が接続されており、記憶データ有無判別回路14の
出力が抵抗106を介してトランジスタ105のベース
に接続されている。記憶回路13に傾斜データが格納さ
れている場合には、記憶データ有無判別回路14の出力
がハイレベルになるので、表示部102のトランジスタ
105がオンになりLED103が点灯し、表示部10
2の点灯していることによって記憶回路13に記憶デー
タが格納されていることを確認できる。
【0051】なお、第4又は第5の実施形態で用いた表
示部としては、光等で視認させるものに限らず、音で知
らせるものでもよい。
【0052】(第6の実施形態)図13は本発明のさら
に別な実施形態による防犯センサ111の構成を示す一
部省略した回路ブロック図である。この実施形態は誤動
作防止機能を有するものであって、図3の回路ブロック
図のオアゲート25とアナログスイッチ26との間にア
ンドゲート112を挿入し、オアゲート25の出力をア
ンドゲート112の一方の入力とタイマ回路113の入
力に接続し、タイマ回路113の出力をアンドゲート1
12の他方の入力に接続し、アンドゲート112の出力
をアナログスイッチ26に接続している。
【0053】しかして、オアゲート25からハイレベル
の信号が出力されると、タイマ回路113からは所定時
間遅延してハイレベルの信号が出力される。従って、傾
斜センサ12の傾斜レベルが異常を示し、オアゲート2
5からハイレベルの警報出力が発せられても、その警報
出力がタイマ回路113で設定されている遅延時間以上
持続しないと、アンドゲート112の出力がハイレベル
に変化せず、警報装置へ警報出力が送出されない。よっ
て、一時的な振動や外乱等により瞬間的に警報出力が出
て警報装置が誤動作するのを防止できる。
【0054】(第7の実施形態)図14は本発明のさら
に別な実施形態による防犯センサ121の構成を示す一
部省略した回路ブロック図である。この実施形態も誤動
作防止機能を有するものであって、図4の回路ブロック
図のコンパレータ45とアナログスイッチ46との間に
カウンタ回路122とコンパレータ123とを挿入して
いる。カウンタ回路122は、振動センサ42の振動レ
ベルが異常を示し、コンパレータ123から異常信号が
発せられると、その都度カウンタ値を1ずつ増加させ
る。カウンタ回路には、一定時間毎にパルス発生回路1
25からリセット信号が出力されており、カウンタ回路
122はリセット信号を受信すると、カウント値をクリ
アする。コンパレータ123はカウンタ回路122のカ
ウント値と基準カウント値124とを比較し、カウンタ
回路122のカウント値が基準カウント値124を越え
るとアナログスイッチ46にハイレベルの警報出力を送
る。従って、カウンタ回路122では、パルス発生回路
125からのリセット信号でクリアされるまでの所定時
間内にコンパレータ123で何回異常信号が発生したか
をカウントしており、所定時間内に基準カウント値12
4以上の異常信号が発生するとアナログスイッチ46か
ら警報出力を送出させるが、基準カウント値124より
も少ない場合には警報出力は発生しない。
【0055】(第8の実施形態)傾斜センサ12の具体
的構成は図5及び図8に示されているが、このような静
電容量型の加速度センサ61を用いた傾斜センサ12や
振動センサ42では、加速度センサ61の可動電極68
a,68b及び固定電極67a,67b間の静電容量と
抵抗31a,31bを使ってCR発振回路を形成し、電
極間容量の変化を発振周波数の変化として捉えているた
め、電力消費の大きな発振回路30を絶えず発振させて
おかなければならなかった。また、このような回路を実
現するためには、少なくとも5つのオペアンプやコンパ
レータなどが必要となる。
【0056】その結果、消費電流は、例えば10mAを
越える場合があり、単3乾電池で駆動する場合では、5
〜6日しか電池寿命が持たず、傾斜や振動を判定するた
めの回路まで含めると、さらに寿命は数十時間程度にな
る恐れがある。このため、上記のような傾斜センサや振
動センサを用いた防犯センサでは、電源ケーブルを接続
するか、短期間で電池交換する必要があった。
【0057】そこで、図15に示す本発明のさらに別な
実施形態による防犯センサ131では、省電力化を図る
ための工夫を凝らしている。ここで示す傾斜センサ12
は、図8で説明したものと同じものであって、静電容量
型の加速度センサ61を使用している。
【0058】この振動センサ42では、圧電素子及びC
MOS型のICを用いている。すなわち、圧電素子13
2の一方端子をグランドに接地し、他方端子をCMOS
増幅器133に接続し、CMOS増幅器133の出力
を、抵抗134及びコンデンサ135をτ型接続したロ
ーパスフィルタ(LPF)を介してコンパレータ136
に接続している。しかして、この振動センサ42におい
ては、振動や衝撃により圧電素子132で発生した振動
波形をCMOS増幅器133で増幅し、ローパスフィル
タを通してコンパレータ136に入力させて基準電圧V
refと比較し、振動波形を検知した時だけコンパレータ
136の出力に電圧を発生させることができる。
【0059】この振動センサ42では、CMOS増幅器
133及びコンパレータ136として低消費電力型CM
OSオペアンプ(例えば、MAX406)を使用してい
るので、消費電流を小さく(たとえば、10μA程度
に)抑えることができる。また、圧電素子132は、振
動や衝撃が加わると自ら電荷を発生するので、静電容量
型の加速度センサ61を用いた振動センサ42のように
絶えず発振回路を発振状態に保つ必要がなく、消費電極
を小さくすることができる。このように、圧電素子13
2やCMOSタイプのICは消費電流が少ないので、振
動センサ42を省電力化することができ、防犯センサ1
31を電池駆動とする場合には、電池寿命を延ばすこと
ができる。
【0060】さらに、振動センサ42の出力はタイマ1
37に接続され、タイマ137の出力は傾斜センサ12
に電源を供給するための電源供給回路138に接続され
ている。通常の状態では、振動センサ42だけが監視状
態にあり、傾斜センサ12は電源オフとなっている。し
かして、振動センサ42が振動を検出すると、タイマ1
37へ検知信号を出力する。振動センサ42が検知信号
を出力すると、タイマ137を介して電源供給回路13
8がオンとなり、電源供給回路138から傾斜センサ1
2に電源が供給される。振動センサ42から検知信号が
出力されると、傾斜センサ12が作動状態となる。傾斜
センサ12が作動すると、防犯センサ131の傾斜角度
を調べ、正常な傾斜角度であるか否かを判定し、傾斜異
常と判断すると警報を出力する。この警報は、電波や光
等の無線信号として通報される。
【0061】また、振動センサ42から検出信号が出力
されると同時にタイマ137がスタートして一定時間を
カウントする。そして、一定時間が経過してタイマ13
7がカウントアップすると、電源供給回路138がオフ
となり(振動が継続していれば、オンに保たれる)、傾
斜センサ12に電源が供給されなくなる。なお、タイマ
137は振動センサ42からの検知信号を受信しなくな
ってから一定時間後に電源供給回路138をオフにする
ようにしてもよい。
【0062】従って、消費電力の大きな傾斜センサ12
は、通常の状態では、電源オフとなっていて作動してい
ないので、防犯センサ131の消費電力を小さくするこ
とができる。しかも、振動センサ42が振動を検出する
ことにより傾斜センサ12が電源オンとなって作動する
ので、防犯センサ131の信頼性は維持される。ここ
で、タイマ137を用いて振動センサ42が振動を検知
してから傾斜センサ12が作動するまでの間を遅延させ
ているのは、振動センサ42に加わる振動や衝撃が短時
間である場合でも、正常状態の傾きと振動または衝撃が
加わっている時の傾きの差を比較判定するのに必要な時
間を保持するためである。
【0063】なお、傾斜センサ12がタイマ137を作
動させるための振動レベルは、前記の実施形態などで盗
難事故が発生したと判断する振動レベルと等しくてもよ
く、それよりも小さな振動レベルであってもよい。ま
た、電源供給回路138は、タイマ137の出力では傾
斜センサ12を作動させるのに必要な電流を得ることが
できない場合に必要となるものであり、タイマ137の
出力によって傾斜センサ12を作動させることができる
のであれば、直接タイマ137の出力を傾斜センサ12
の電源としてもよい。さらに、傾斜センサ12よりも後
段の異常判別のための回路等も振動センサ42が振動を
検知したときに電源がオンとなるようにすれば、より一
層省電力化することができる。
【0064】防犯センサ131が目立たないようにする
ためには、防犯センサ131に電源ケーブルを繋がない
で電池駆動とし、警報も無線信号で通報するようにする
ことが望ましいが、その場合でも、この実施形態の防犯
センサ131では、極力低消費電力化を図っているの
で、電池寿命を長くすることができる。
【0065】なお、上記実施形態においては、いずれも
防犯センサをハードウェアにより構成したが、同様な機
能を有する防犯センサは、ソフトウェアでも実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は、従来の防犯センサの構造及び
動作を説明する概略断面図である。
【図2】(a)(b)は、防犯センサを取り付けられた
絵画が壁に取り付けられている状態を説明する図であ
る。
【図3】本発明の一実施形態による防犯センサの構成を
示す回路ブロック図である。
【図4】本発明の別な実施形態による防犯センサの構成
を示す回路ブロック図である。
【図5】加速度センサの構造を示す断面図である。
【図6】(a)(b)は、同上の加速度センサの傾斜セ
ンサとしての動作を説明する図である。
【図7】同上の加速度センサの振動センサとしての動作
を説明する図である。
【図8】同上の加速度センサを用いた傾斜センサの構成
を示す回路ブロック図である。
【図9】傾斜センサ設置確認スイッチ又は振動センサ設
置確認スイッチとして用いられる自己復帰型スイッチの
説明図である。
【図10】本発明のさらに別な実施形態による防犯セン
サの構成を示す一部省略した回路ブロック図である。
【図11】本発明のさらに別な実施形態による防犯セン
サの構成を示す一部省略した回路ブロック図である。
【図12】本発明のさらに別な実施形態による防犯セン
サの構成を示す一部省略した回路ブロック図である。
【図13】本発明のさらに別な実施形態による防犯セン
サの構成を示す一部省略した回路ブロック図である。
【図14】本発明のさらに別な実施形態による防犯セン
サの構成を示す一部省略した回路ブロック図である。
【図15】本発明のさらに別な実施形態による防犯セン
サの構成を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
12 傾斜センサ 13 記憶回路 14 記憶データ有無判別回路 15 傾斜センサ設置確認スイッチ 17 学習スイッチ 22 しきい値形成回路 42 振動センサ 44 基準電圧発生回路 45 コンパレータ 47 振動センサ設置確認スイッチ 61 加速度センサ 132 圧電素子 138 電源供給回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物の傾斜を検出するための傾斜検出
    手段と、 前記傾斜検出手段から出力されている傾斜レベルを記憶
    する傾斜レベル記憶手段と、 前記傾斜検出手段から出力される傾斜レベルと前記傾斜
    レベル記憶手段に保持されている傾斜レベルとを比較判
    定する傾斜レベル判別手段と、を備えた防犯センサ。
  2. 【請求項2】 対象物の振動を検出するための振動検出
    手段と、 前記振動検出手段から出力される振動レベルが所定範囲
    内にあるか否かを判定する振動レベル判別手段と、を備
    えた防犯センサ。
  3. 【請求項3】 対象物の傾斜を検出するための傾斜検出
    手段と、 対象物の振動を検出するための振動検出手段と、 前記傾斜検出手段から出力されている傾斜レベルを記憶
    する傾斜レベル記憶手段と、 前記傾斜検出手段から出力される傾斜レベルと前記傾斜
    レベル記憶手段に保持されている傾斜レベルとを比較判
    定する傾斜レベル判別手段と、 前記振動検出手段から出力される振動レベルが所定範囲
    内にあるか否かを判定する振動レベル判別手段と、を備
    えた防犯センサ。
  4. 【請求項4】 前記傾斜検出手段または振動検出手段が
    対象物に取り付けられたことを検出する設置確認手段を
    備え、この設置確認手段は、前記傾斜検出手段または振
    動検出手段が対象物から取り外されたことを検出すると
    警報出力を発することを特徴とする、請求項1,2又は
    3に記載の防犯センサ。
  5. 【請求項5】 前記傾斜検出手段が対象物に取り付けら
    れたことを検出する設置確認手段と、 前記設置確認手段が、前記傾斜検出手段が対象物に取り
    付けられたことを検出した後、外部からの信号により、
    もしくは所定時間経過後自動的に、前記傾斜レベル記憶
    手段に傾斜レベルを記憶させるようにしたことを特徴と
    する、請求項1又は3に記載の防犯センサ。
  6. 【請求項6】 前記振動検出手段は、圧電素子によって
    構成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記
    載の防犯センサ。
  7. 【請求項7】 前記振動検出手段が振動を検出すると、
    傾斜検出の機能が働くようにしたことを特徴とする、請
    求項3に記載の防犯センサ。
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