JPH11315036A - エーテル類の酸化方法、及びアセタール化合物又はカルボニル化合物の製造法 - Google Patents

エーテル類の酸化方法、及びアセタール化合物又はカルボニル化合物の製造法

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JPH11315036A
JPH11315036A JP10099996A JP9999698A JPH11315036A JP H11315036 A JPH11315036 A JP H11315036A JP 10099996 A JP10099996 A JP 10099996A JP 9999698 A JP9999698 A JP 9999698A JP H11315036 A JPH11315036 A JP H11315036A
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康敬 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エーテル類を簡易に且つ効率よく酸化して、
アセタール化合物又はカルボニル化合物を得る。 【解決手段】 N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミ
ド化合物の存在下、エーテル類と一酸化窒素とを接触さ
せる。エーテル類として、下記式(2)で表される化合
物を用いると、下記式(3)で表されるアセタール化合
物、又は下記式(4)で表されるカルボニル化合物など
が得られる。式中、Ra1及びRa2は、同一又は異なっ
て、水素原子、炭化水素基又は複素環基を示し、Rb
炭化水素基又は複素環基を示す。Ra1とRa2、Ra1又は
a2とRbとは、それぞれ、互いに結合して、隣接する
炭素原子、又は隣接する炭素原子及び酸素原子と共に環
を形成してもよい。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エーテル類から対
応する酸化物(アセタール化合物、カルボニル化合物な
ど)を製造する上で有用な酸化方法、及びアセタール化
合物又はカルボニル化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボニル化合物は、医薬、農薬、香
料、染料、有機合成中間体などとして重要な化合物であ
る。また、アセタール化合物は、前記カルボニル化合物
のカルボニル基の保護体として重要である。エーテル類
からカルボニル化合物を得る方法として、過酸化物、四
酢酸鉛、硝酸銅などを酸化剤として用いる方法が知られ
ている。しかし、これらの方法では、危険性の高い試薬
や金属化合物を多量に用いる必要があり、取扱性、経済
性などの点で不利である。なお、Tetrahedoron Lett.,
1997, 7075には、本発明と同様のN−ヒドロキシフタル
イミドを触媒として、アダマンタンと一酸化窒素とを反
応させると、リッター反応が進行し、対応するアミド類
が生成することが報告されている。しかし、エーテル類
と一酸化窒素との反応については記載されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、エーテル類を簡易に且つ効率よく酸化でき、アセタ
ール化合物やカルボニル化合物などを生成させるのに有
用な方法を提供することにある。本発明の他の目的は、
温和な条件下、エーテル類から対応するアセタール化合
物やカルボニル化合物を収率よく製造できる方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定の触媒の存在
下、エーテル類を一酸化窒素と反応させると、対応する
酸化物が収率よく生成することを見いだし、本発明を完
成した。
【0005】すなわち、本発明は、下記式(1)
【化14】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、または芳香族性又は
非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒ
ドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表さ
れるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、エー
テル類と一酸化窒素とを接触させるエーテル類の酸化方
法を提供する。
【0006】また、本発明は、上記式(1)で表される
イミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下記式
(2)
【化15】 (式中、Ra1及びRa2は、同一又は異なって、水素原
子、炭化水素基又は複素環基を示し、Rbは炭化水素基
又は複素環基を示す。Ra1とRa2、Ra1又はRa2とRb
とは、それぞれ、互いに結合して、隣接する炭素原子、
又は隣接する炭素原子及び酸素原子と共に環を形成して
もよい)で表されるエーテル類と、一酸化窒素とを反応
させて、下記式(3)
【化16】 (式中、Ra1、Ra2、Rbは前記に同じ)で表されるア
セタール化合物、又は下記式(4)
【化17】 (式中、Ra1、Ra2は前記に同じ)で表されるカルボニ
ル化合物を生成させる、アセタール化合物又はカルボニ
ル化合物の製造法を提供する。
【0007】さらに、本発明は、前記式(1)で表され
るイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、前記式
(2)で表されるエーテル類と一酸化窒素とを反応させ
て、前記式(3)で表されるアセタール化合物を生成さ
せ、次いで、該アセタール化合物を、下記式(5) Rc−OH (5) (式中、Rcは、水素原子、炭化水素基又は複素環基を
示す)で表される化合物と反応させて、下記式(6)、
又は(7)及び(8)
【化18】 (式中、Ra1、Ra2、Rb、Rcは前記に同じ)で表され
る化合物を生成させるアセタール化合物の製造法を提供
する。また、本発明は、上記のアセタール化合物の製造
法により生成した前記式(6)で表される化合物、式
(7)で表される化合物、又は式(7)及び式(8)で
表される化合物を、加水分解に付して、下記式(9)、
(10)、(4)、または(4)及び(8)
【化19】 (式中、Ra1、Ra2、Rb、Rcは前記に同じ)で表され
る化合物を得るアセタール化合物又はカルボニル化合物
の製造法を提供する。
【0008】さらにまた、本発明は、前記式(1)で表
されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下
記式(2a)
【化20】 (式中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4は、同一又は異なっ
て、水素原子、炭化水素基又は複素環基を示す。Ra1
a2、Ra3とRa4、Ra1又はRa2とRa3又はRa4b
は、それぞれ、互いに結合して、隣接する炭素原子、又
は隣接する2つの炭素原子及び酸素原子と共に環を形成
してもよい)で表されるエーテル類と、一酸化窒素とを
反応させて、下記式(4a)
【化21】 (式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4は前記に同じ)で表さ
れるカルボニル化合物を生成させるカルボニル化合物の
製造法を提供する。
【0009】なお、本明細書において、「アセタール化
合物」とは、ケタール(ケトンアセタール)化合物及び
ヘミアセタール化合物をも含む意味に用いる。
【0010】
【発明の実施の形態】[イミド化合物]前記式(1)で
表されるイミド化合物において、置換基R1及びR2のう
ちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素
が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、デシル基などのC1-10程度の直鎖状又は
分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基と
しては、例えば、C1-6程度、特にC1-4程度のアルキル
基が挙げられる。
【0011】アリール基には、フェニル基、ナフチル基
などが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などが含まれ
る。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基
などのC1-10程度、好ましくはC1-6程度、特にC1-4
度のアルコキシ基が含まれる。
【0012】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分がC1-10程度のアルコキシ
カルボニル基が含まれる。好ましいアルコキシカルボニ
ル基にはアルコキシ部分がC1-6程度、特にC1-4程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。
【0013】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などのC1-6程度の
アシル基が例示できる。
【0014】前記置換基R1およびR2は、同一又は異な
っていてもよい。また、前記式(1)において、R1
よびR2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性
又は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香族
性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環
程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、
炭化水素環である場合が多い。このような環には、例え
ば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換
基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセ
ン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環
など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環など
の置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環な
ど)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有して
いてもよい芳香族環が含まれる。前記環は、芳香族環で
構成される場合が多い。前記環は、アルキル基、ハロア
ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、
シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置換基を有し
ていてもよい。
【0015】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【化22】 (式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ア
ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。窒素原子NとXとの結合は単結合又は二重結合を
示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
香族性又は非芳香族性の環を形成していていもよい。R
1、R2およびnは前記に同じ) 置換基R3〜R6において、アルキル基には、前記例示の
アルキル基と同様のアルキル基、特にC1-6程度のアル
キル基が含まれ、アルコキシ基には、前記と同様のアル
コキシ基、特にC1-4程度のアルコキシ基、アルコキシ
カルボニル基には、前記と同様のアルコキシカルボニル
基、特にアルコキシ部分がC1-4程度のアルコキシカル
ボニル基が含まれる。また、アシル基としては、前記と
同様のアシル基、特にC1-6程度のアシル基が例示さ
れ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素原子な
どが例示できる。置換基R3〜R6は、通常、水素原子、
1-4程度のアルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、
ハロゲン原子である場合が多い。R3〜R6が互いに結合
して形成する環としては、前記R1及びR2が互いに結合
して形成する環と同様であり、特に芳香族性又は非芳香
族性の5〜12員環が好ましい。
【0016】前記式(1)において、Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示し、窒素原子NとXとの結合は単結
合又は二重結合である。nは、通常、1〜3程度、好ま
しくは1又は2である。式(1)で表される化合物は酸
化反応において一種又は二種以上使用できる。
【0017】前記式(1)で表されるイミド化合物に対
応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレ
イン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水
物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、
1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,
2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カ
ルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水
ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カル
ボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水フ
タル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水
フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメリット酸、
メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロ
リメット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン
酸無水物が含まれる。
【0018】好ましいイミド化合物としては、例えば、
N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイ
ン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミ
ド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカル
ボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒ
ドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシ
テトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸
イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒド
ロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ
ピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタ
レンテトラカルボン酸イミドなどが挙げられる。特に好
ましい化合物は、脂環式多価カルボン酸無水物又は芳香
族多価カルボン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン
酸無水物から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、
例えば、N−ヒドロキシフタル酸イミドなどが含まれ
る。
【0019】前記イミド化合物は、慣用のイミド化反
応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンN
2OHとを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経
てイミド化する方法により調製できる。
【0020】式(1)で表されるイミド化合物の使用量
は、広い範囲で選択でき、例えば、エーテル類1モルに
対して0.001〜1モル、好ましくは0.001〜
0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.30モル
程度であり、0.01〜0.25モル程度である場合が
多い。
【0021】[助触媒]本発明の方法では、前記式
(1)で表される触媒と助触媒とを併用することもでき
る。助触媒を用いることにより、反応の転化率や選択率
を向上できる場合がある。このような助触媒には、例え
ば、(i)金属化合物、(ii)少なくとも1つの有機基
が結合した周期表15族又は16族元素を含む多原子陽
イオン又は多原子陰イオンとカウンターイオンとで構成
された有機塩などが含まれる。
【0022】金属化合物(i)を構成する金属元素とし
ては、特に限定されず、周期表1〜15族の金属元素の
何れであってもよい。なお、本明細書では、ホウ素Bも
金属元素に含まれるものとする。例えば、前記金属元素
として、周期表1族元素(Li、Na、Kなど)、2族
元素(Mg、Ca、Sr、Baなど)、3族元素(S
c、ランタノイド元素、アクチノイド元素など)、4族
元素(Ti、Zr、Hfなど)、5族元素(Vなど)、
6族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元素(Mnな
ど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、
Rhなど)、10族元素(Ni、Pd、Ptなど)、1
1族元素(Cuなど)、12族元素(Znなど)、13
族元素(B、Al、Inなど)、14族元素(Sn、P
bなど)、15族元素(Sb、Biなど)などが挙げら
れる。好ましい金属元素には、遷移金属元素(周期表3
〜12族元素)が含まれる。なかでも、周期表5〜11
族元素が好ましい。金属元素の原子価は特に制限され
ず、1〜6価程度であってもよいが、2価又は3価程度
である場合が多い。
【0023】金属化合物(i)としては、前記金属元素
の単体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロ
ゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オ
キソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸
塩、炭酸塩など)、オキソ酸、イソポリ酸、ヘテロポリ
酸などの無機化合物;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩な
ど)、錯体などの有機化合物が挙げられる。前記錯体を
構成する配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコ
キシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシな
ど)、アシル(アセチル、プロピオニルなど)、アルコ
キシカルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニルなど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニ
ル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、
酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン(トリフェニル
ホスフィンなどのトリアリールホスフィンなど)のリン
化合物、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、
NO3(ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有
化合物などが挙げられる。
【0024】金属化合物(i)の具体例としては、例え
ば、コバルト化合物を例にとると、水酸化コバルト、酸
化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバル
ト、硫酸コバルト、リン酸コバルトなどの無機化合物;
酢酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバ
ルトなどの有機酸塩;コバルトアセチルアセトナトなど
の錯体等の2価又は3価のコバルト化合物などが挙げら
れる。また、バナジウム化合物の例としては、水酸化バ
ナジウム、酸化バナジウム、塩化バナジウム、塩化バナ
ジル、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジン酸ナト
リウムなどの無機化合物;バナジウムアセチルアセトナ
ト、バナジルアセチルアセトナトなどの錯体等の2〜5
価のバナジウム化合物などが挙げられる。他の金属元素
の化合物としては、前記コバルト又はバナジウム化合物
に対応する化合物などが例示される。金属化合物(i)
は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0025】前記金属化合物(i)の使用量は、例え
ば、エーテル類1モルに対して、0.0001〜0.7
モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ま
しくは0.002〜0.1モル程度であり、0.005
〜0.05モル程度である場合が多い。
【0026】前記有機塩(ii)において、周期表15族
元素には、N、P、As、Sb、Biが含まれる。周期
表16族元素には、O、S、Se、Teなどが含まれ
る。好ましい元素としては、N、P、As、Sb、Sが
挙げられ、特に、N、P、Sなどが好ましい。
【0027】前記元素の原子に結合する有機基には、置
換基を有していてもよい炭化水素基、置換オキシ基など
が含まれる。炭化水素基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシ
ル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アリ
ルなどの炭素数1〜30程度(好ましくは炭素数1〜2
0程度)の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(ア
ルキル基、アルケニル基及びアルキニル基);シクロペ
ンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜8程度の脂環
式炭化水素基;フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜1
4程度の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭化水素
基が有していてもよい置換基として、例えば、ハロゲン
原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例え
ば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基
など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置
換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置
換又は無置換アミノ基、アルキル基(例えば、メチル、
エチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキ
ル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基な
ど)、複素環基などが例示できる。好ましい炭化水素基
には、炭素数1〜30程度のアルキル基、炭素数6〜1
4程度の芳香族炭化水素基(特に、フェニル基又はナフ
チル基)などが含まれる。前記置換オキシ基には、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基など
が含まれる。
【0028】前記多原子陽イオンは、例えば、下記式
(7)で表される。この多原子陽イオンは、カウンター
アニオンとともに、下記式(8)で表される有機オニウ
ム塩を構成する。 [Rd mA]+ (7) [Rd mA]+- (8) 上記式中、Rdは炭化水素基又は水素原子を示す。4個
のRdは互いに同一又は異なっていてもよく、少なくと
も1つのRdは炭化水素基である。Aは周期表15族又
は16族元素の原子を示す。2つのRdは互いに結合し
て隣接するAと共に環を形成してもよく、また、2つの
dが一体となってAと二重結合を形成すると共に他の
dと結合してAとで環を形成してもよい。mは3又は
4を示す。Y-は、カウンターアニオンを示し、Yは酸
基を示す。なお、上記炭化水素基は、例えば前記の置換
基を有していてもよい。
【0029】2つのRdが互いに結合して隣接するAと
共に形成する環としては、ピロリジン環、ピペリジン環
などの3〜8員(好ましくは、5〜6員)程度の含窒素
(又は含リン)複素環などが挙げられる。また、2つの
dが一体となってAと二重結合を形成すると共に他の
dと結合してAとで形成する環としては、ピリジン環
などの5〜8員の含窒素複素環などが挙げられる。これ
らの環にはベンゼン環などの環が縮合していてもよい。
このような縮合環として、キノリン環などが挙げられ
る。Aが周期表15族元素の原子のとき、mは4である
場合が多く、Aが周期表16族元素の原子のとき、mは
3である場合が多い。
【0030】前記Aは、好ましくは、N、P、As、S
b、又はSであり、さらに好ましくは、N、P、又はS
であり、特に、N又はPが好ましい。また、好ましい多
原子陽イオンでは、4個のRdのすべてが有機基である
(Aを含む環が形成されている場合を含む)。
【0031】酸基Yとしては、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;硝酸基(N
3)、硫酸基(SO4)、リン酸基(PO4)、過塩素
酸基(ClO4)などの無機酸基;酢酸基(CH3
2)、メタンスルホン酸基、ベンゼンスルホン酸基な
どの有機酸基などが挙げられる。好ましい酸基には、ハ
ロゲン原子及び無機酸基が含まれ、特に塩素原子、臭素
原子などのハロゲン原子が好ましい。
【0032】前記有機オニウム塩のなかでも、有機アン
モニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機スルホニウム塩
などが特に好ましい。有機アンモニウム塩の具体例とし
ては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチ
ルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムク
ロリド、テトラヘキシルアンモニウムクロリド、トリオ
クチルメチルアンモニウムクロリド、トリエチルフェニ
ルアンモニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)
アンモニウムクロリド、ジ(オクタデシル)ジメチルア
ンモニウムクロリドなどの第4級アンモニウムクロリ
ド、及び対応する第4級アンモニウムブロミドなどの、
窒素原子に4つの炭化水素基が結合した第4級アンモニ
ウム塩;ジメチルピペリジニウムクロリド、ヘキサデシ
ルピリジニウムクロリド、メチルキノリニウムクロリド
などの環状第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0033】また、有機ホスホニウム塩の具体例として
は、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチル
ホスホニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)ホ
スホニウムクロリド、トリエチルフェニルホスホニウム
クロリドなどの第4級ホスホニウムクロリド、及び対応
する第4級ホスホニウムブロミドなどの、リン原子に4
つの炭化水素基が結合した第4級ホスホニウム塩などが
挙げられる。有機スルホニウム塩の具体例としては、ト
リエチルスルホニウムイオジド、エチルジフェニルスル
ホニウムイオジドなどの、イオウ原子に3つの炭化水素
基が結合したスルホニウム塩などが挙げられる。
【0034】前記多原子陰イオンは、例えば、下記式
(9)で表される。この多原子陰イオンは、カウンター
カチオンとともに、下記式(10)で表される有機塩を構
成する。 [ReAO3q- (9) Zq+[ReAO3q- (10) 上記式中、Reは炭化水素基又は水素原子を示す。Aは
周期表15族又は16族元素の原子を示す。qは1又は
2を示し、Zq+は、カウンターカチオンを示す。
【0035】Reで示される炭化水素基としては、前記
と同様の基のほか、樹脂(ポリマー鎖又はその分岐鎖)
が挙げられる。好ましいAには、S、Pなどが含まれ
る。AがSなどのとき、qは1であり、AがPなどのと
き、qは2である。Zとしては、ナトリウム、カリウム
などのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどの
アルカリ土類金属などが挙げられる。好ましいZにはア
ルカリ金属が含まれる。Zq+は、前記の多原子陽イオン
であってもよい。
【0036】前記式(10)で表される有機塩としては、
メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、オクタンス
ルホン酸塩、ドデカンスルホン酸塩などのアルキルスル
ホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、デシルベンゼンスル
ホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などのアルキ
ル基で置換されていてもよいアリールスルホン酸塩;ス
ルホン酸型イオン交換樹脂(イオン交換体);ホスホン
酸型イオン交換樹脂(イオン交換体)などが挙げられ
る。なかでも、C6-18アルキルスルホン酸塩、C6-18
ルキル−アリールスルホン酸塩を用いる場合が多い。
【0037】有機塩(ii)の使用量は、例えば、エーテ
ル類1モルに対して0.0001〜0.7モル、好まし
くは0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.0
02〜0.1モル程度であり、0.005〜0.05モ
ル程度である場合が多い。有機塩(ii)の使用量が多す
ぎると、反応速度が低下する場合がある。
【0038】本発明では、さらに他の触媒成分を併用し
てもよい。
【0039】前記式(1)で表されるイミド化合物、又
はこのイミド化合物および前記助触媒で構成される触媒
は、均一系であってもよく、不均一系であってもよい。
また、触媒は、担体に触媒成分が担持された固体触媒で
あってもよい。担体としては、活性炭、ゼオライト、シ
リカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトなどの多孔質担
体を用いる場合が多い。固体触媒における触媒成分の担
持量は、担体100重量部に対して、0、1〜50重量
部、好ましくは0、5〜30重量部、さらに好ましくは
1〜20重量部程度である。
【0040】[エーテル類]反応成分として用いるエー
テル類は、脂肪族エーテル、脂環式エーテル、芳香族エ
ーテル、複素環式エーテルなどの鎖状エーテル;環状エ
ーテルの何れであってもよい。前記環状エーテルにおい
て、エーテル結合を含む環には、芳香族性又は非芳香族
性環が縮合していてもよい。また、エーテル類は、分子
中に複数のエーテル結合を有していてもよい。
【0041】好ましいエーテル類には、前記式(2)で
表されるエーテル類が含まれる。式中、Ra1、Ra2、R
bにおける炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式
炭化水素基、芳香族炭化水素基が含まれる。脂肪族炭化
水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基などの炭素数
1〜15(好ましくは1〜10)程度のアルキル基;ビ
ニル、2−プロペニル基などの炭素数2〜15(好まし
くは2〜10)程度のアルケニル基;エチニル、プロピ
ニル基などの炭素数2〜15(好ましくは2〜10)程
度のアルキニル基などが挙げられる。
【0042】脂環式炭化水素基としては、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロオクチル、シクロへキセニル基などの炭素数3〜
15(好ましくは3〜10)程度のシクロアルキル基又
はシクロアルケニル基が挙げられる。脂環式炭化水素基
を構成する非芳香族性炭素環には、ベンゼン環、シクロ
ヘキサン環などの炭素環、ピリジン環などの複素環が縮
合していてもよい。
【0043】芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナ
フチル基などが挙げられる。芳香族炭化水素基を構成す
る芳香環には、シクロヘキサン環などの炭素環、ピリジ
ン環などの複素環が縮合していてもよい。
【0044】前記Ra1、Ra2、Rbにおける複素環基に
対応する複素環としては、例えば、フラン、オキサゾー
ル、イソオキサゾール、チオフェン、チアゾール、イソ
チアゾール、チアジアゾール、ピロール、ピラゾール、
イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、
ピリミジン、ピラジン環などの、窒素、酸素及びイオウ
原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を1〜
3個程度有する5又は6員の複素環などが挙げられる。
この複素環には、ベンゼン環、シクロヘキサン環などの
炭素環、ピリジン環などの複素環が縮合していてもよ
い。Ra1及びRa2のうち一方は、水素原子又は炭素数1
〜4のアルキル基、特に水素原子である場合が多い。
【0045】Ra1とRa2とが結合して、隣接する炭素原
子と共に形成する環としては、シクロプロピル、シクロ
ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオク
チル、シクロへキセニル環などの3〜15員(好ましく
は3〜10員)の炭素環などが含まれる。この炭素環に
は、ベンゼン環、シクロヘキサン環などの炭素環、ピリ
ジン環などの複素環が縮合していてもよい。
【0046】Ra1又はRa2とRbとが結合して、隣接す
る炭素原子及び酸素原子と共に形成する環としては、オ
キシラン、オキセタン、2,5−ジヒドロフラン、テト
ラヒドロフラン、3,6−ジヒドロピラン、テトラヒド
ロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピ
ン、オキセパン、ジヒドロオキソシン、テトラヒドロオ
キソシン、オキソカン、1,3,5,7−テトラオキソ
カン、ジヒドロオキソニン、ジオキサン、ジヒドロジオ
キシン、ジヒドロオキサチイン、テトラヒドロオキサチ
イン、ジヒドロオキサジン、ペルヒドロオキサジン環な
どの、少なくとも1個の酸素原子を含む3〜20員(好
ましくは3〜15員、さらに好ましくは4〜10員)程
度の非芳香族性複素環が挙げられる。この環には、ベン
ゼン環、シクロヘキサン環などの炭素環(例えば、3〜
15員程度の芳香族性又は非芳香族性炭素環)、ピリジ
ン環などの複素環(例えば、3〜15員程度の芳香族性
又は非芳香族性複素環)が縮合していてもよい。このよ
うな炭素環又は複素環が縮合した縮合環として、例え
ば、クマラン、イソクマラン(フタラン)、クロマン、
クロメン、イソクロマン、イソクロメン、キサンテン、
ベンズオキサジン、3,6,8−トリオキサビシクロ
[3.2.2]ノナン環などが例示できる。Ra1又はR
a2とRbとが結合して、隣接する炭素原子及び酸素原子
と共に環を形成する場合、式(2)で表されるエーテル
類は、環状エーテルを構成する。
【0047】前記炭化水素基、複素環基、Ra1とRa2
が結合して隣接する炭素原子と共に形成する環、Ra1
はRa2とRbとが結合して隣接する炭素原子及び酸素原
子と共に形成する環には、種々の置換基、例えば、ハロ
ゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素原子)、オ
キソ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドロキシア
ルキル基(例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシ
エチル基などのヒドロキシC1-4アルキル基など)、置
換オキシ基[例えば、アルコキシ基(メトキシ基などの
1-4アルコキシ基など)、アリールオキシ基、アシル
オキシ基(アセトキシ、ベンゾイルオキシ基などのC
2-10アシルオキシ基)など]、置換チオ基、カルボキシ
ル基、置換オキシカルボニル基(例えば、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニ
ル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜6程度、特に
1〜4程度のアルコキシカルボニル基など)、置換又は
無置換カルバモイル基、置換又は無置換アミノ基、シア
ノ基、ニトロ基、アルキル基(例えば、C1-4アルキル
基など)、アルケニル基(例えば、C2-4アルケニル基
など)、アルキニル基(例えば、C2-4アルキニル基な
ど)、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリー
ル基(例えば、フェニル、ナフチル基など)、アラルキ
ル基、複素環基などが置換していてもよい。
【0048】式(2)で表されるエーテル類の中でも、
特に好ましい化合物には、(i)R a1及びRa2のうち一
方が水素原子であり、他方が1−アルケニル基(例え
ば、ビニル、1−プロペニル、1−ブテニル基などの1
−C2-15アルケニル基など)である化合物、(ii)Ra1
及びRa2のうち一方が水素原子であり、他方がRbと結
合して、隣接する炭素原子及び酸素原子と共に、3〜2
0員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは4〜1
0員)程度の非芳香族性複素環(炭素環又は複素環が縮
合していてもよい)を形成している化合物(特に、エー
テル結合を構成する酸素原子に結合している炭素原子の
隣接位に、二重結合又は芳香環を有する化合物)が含ま
れる。
【0049】前記式(2a)で表される化合物は、前記式
(2)で表される化合物のうち、エーテル結合を構成す
る酸素原子の両隣接位に炭素−水素結合を有する化合物
を示す。式(2a)中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4におけ
る炭化水素基、複素環基には、前記式(2)におけるR
a1、Ra2、Rbと同様の炭化水素基及び複素環基が含ま
れる。また、Ra1とRa2、Ra3とRa4とが結合して、隣
接する炭素原子と共に形成する環としては、前記式
(2)において、Ra1とRa2とが結合して、隣接する炭
素原子と共に形成する環と同様の環が例示できる。さら
に、Ra1又はRa2とRa3又はRa4bとが結合して、隣
接する2つの炭素原子及び酸素原子と共に形成する環と
しては、前記式(2)において、Ra1又はRa2とRb
が結合して、隣接する炭素原子及び酸素原子と共に形成
する環と同様の環が挙げられる。
【0050】本発明において反応成分として用いるエー
テル類のうち、好ましい化合物として、例えば、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブ
チルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソペンチルエ
ーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、1
−クロロ−2−エトキシエタン、ビス(2−クロロエチ
ル)エーテル、2−エトキシエタノール、2,2′−オ
キシジエタノール、3,3′−オキシジプロピオン酸な
どの、置換基を有していてもよいジC1-15アルキルエー
テル(好ましくは、ジC1-10アルキルエーテル);ジア
リルエーテルなどの、置換基を有していてもよいジC
2-15アルケニルエーテル(好ましくは、ジC2-10アルケ
ニルエーテル);エチルメチルエーテル、2−メトキシ
プロパン、メチルブチルエーテル、2−メトキシブタ
ン、2−メトキシペンタン、1−エトキシプロパン、2
−エトキシプロパン、1−エトキシブタン、2−エトキ
シブタン、1−エトキシペンタン、2−エトキシペンタ
ン、2−メトキシエタノールなどの、置換基を有してい
てもよい非対称C1-15アルキルC1-15アルキルエーテル
(好ましくは、非対称C1-10アルキルC1-10アルケニル
エーテル);ビニルアリルエーテルなどの、置換基を有
していてもよい非対称C2-15アルケニルC2-15アルケニ
ルエーテル(好ましくは、非対称C2-10アルケニルC
2-10アルケニルエーテル);メチルビニルエーテル、メ
チルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、エトキシ
エチレン、3−エトキシプロピレンなどの、置換基を有
していてもよいC1-15アルキルC2-15アルケニルエーテ
ル(好ましくは、C1-10アルキルC2-10アルケニルエー
テル);シクロプロピルエチルエーテル、シクロプロピ
ルプロピルエーテル、シクロプロピルブチルエーテル、
シクロブチルエチルエーテル、シクロブチルプロピルエ
ーテル、シクロブチルブチルエーテル、シクロペンチル
エチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シ
クロペンチルブチルエーテル、シクロヘキシルエチルエ
ーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキ
シルブチルエーテルなどの、置換基を有していてもよい
1-15アルキルC3-15シクロアルキルエーテル(好まし
くは、C1-10アルキルC3-10シクロアルキルエーテ
ル);アリルシクロヘキシルエーテルなどの、置換基を
有していてもよいC2-15アルケニルC3-15シクロアルキ
ルエーテル(好ましくは、C2-10アルケニルC3-10シク
ロアルキルエーテル);メチルフェニルエーテル(アニ
ソール)、エチルフェニルエーテル(フェネトール)、
プロピルフェニルエーテル、アネトール、ナフチルメチ
ルエーテル、ナフチルエチルエーテル、トリルエチルエ
ーテル、2−メトキシフェノール、オイゲノールなど
の、置換基を有していてもよいC1-15アルキルアリール
エーテル(好ましくは、C1-10アルキルアリールエーテ
ル);ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテ
ル、ベンジルプロピルエーテルなどの、置換基を有して
いてもよいC1-15アルキルアラルキルエーテル(好まし
くは、C1-10アルキルアラルキルエーテル);アリルフ
ェニルエーテルなどの、置換基を有していてもよいC
2-15アルケニルアリールエーテル(好ましくは、C2-10
アルケニルアリールエーテル);アリルベンジルエーテ
ルなどの、置換基を有していてもよいC2-15アルケニル
アラルキルエーテル(好ましくは、C2-10アルケニルア
ラルキルエーテル);1,2−ジメトキシエタン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、3,6−ジオキシ
オクタン、p−ジメトキシベンゼン、p−ジエトキシベ
ンゼン、1,1′−(エチレンジオキシ)ジベンゼン、
4,4′−(エチレンジオキシ)二安息香酸などの、置
換基を有していてもよいエーテル結合を複数有する鎖状
ポリエーテル;オキシラン、オキセタン、プロピレンオ
キサイド、2,5−ジヒドロフラン、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3,5,7−
テトラオキソカン、ジオキサン、クマラン、イソクマラ
ン(フタラン)、フタリド、クロマン、クロメン、イソ
クロマン、イソクロメン、キサンテン、ベンズオキサジ
ン、3,6,8−トリオキサビシクロ[3.2.2]ノ
ナン、クラウンエーテル、1−オキサスピロ[4.5]
デカン、テトラヒドロピラン−2−スピロシクロヘキサ
ンなどの、置換基を有していてもよい環状エーテルなど
が例示できる。
【0051】これらのエーテル類を本発明の酸化方法に
より酸化すると、温和な条件であっても、エーテル結合
の酸素原子に隣接する炭素部位が酸化されて、対応する
酸化物を効率よく生成させることができる。例えば、前
記式(2)で表されるエーテル類を酸化すると、対応す
る式(3)で表されるアセタール化合物、及び/又は対
応する式(4)で表されるカルボニル化合物(アルデヒ
ド又はケトン)が生成する。特に、エーテル類として、
式(2a)で表される化合物を酸化すると、前記カルボニ
ル化合物として、式(4a)で表される2分子のカルボニ
ル化合物(アルデヒド又はケトン)、又は、式(2a)で
表される化合物が環状エーテルの場合には、ジカルボニ
ル化合物(ジアルデヒド又はジケトン)が生成する。
【0052】また、反応条件を選択することにより、鎖
状エーテルからは、対応するエステル、カルボン酸、酸
無水物を、環状エーテルからは、環の員数に対応するラ
クトン(β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、
δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなど)や環状
酸無水物(無水コハク酸、無水グルタル酸など)を生成
させることもできる。
【0053】[酸化反応]エーテル類の酸化に利用され
る一酸化窒素は、純粋な一酸化窒素を用いてもよく、窒
素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガス
で希釈した一酸化窒素を使用してもよい。また、反応系
内で発生させた一酸化窒素を用いることもできる。
【0054】一酸化窒素の使用量は、通常、基質である
エーテル類1モルに対して、0.5モル以上(例えば、
1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ま
しくは2〜50モル程度である。基質に対して過剰モル
の一酸化窒素を使用する場合が多い。
【0055】反応は、通常、反応に不活性な有機溶媒中
で行なわれる。有機溶媒としては、例えば、酢酸、プロ
ピオン酸などの有機酸;アセトニトリル、プロピオニト
リル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ホルムアミ
ド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、
ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ヘキサン、オク
タンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの
芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、ジク
ロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲ
ン化炭化水素;ニトロベンゼン、ニトロメタン、ニトロ
エタンなどのニトロ化合物;酢酸エチル、酢酸ブチルな
どのエステル類;又はこれらの混合溶媒などが挙げられ
る。なお、過剰量の基質を用いることにより、基質を反
応溶媒として利用してもよい。溶媒としては、酢酸など
の有機酸、アセトニトリルなどのニトリル類を用いる場
合が多い。
【0056】本発明の方法は、比較的温和な条件であっ
ても円滑に酸化反応が進行するという特色がある。反応
温度は、基質の種類などに応じて適当に選択でき、例え
ば、0〜300℃、好ましくは10〜250℃、さらに
好ましくは20〜200℃程度であり、通常、30〜1
50℃程度で反応する場合が多い。また、反応は、常圧
または加圧下で行うことができ、加圧下で反応させる場
合には、通常、1〜100atm(例えば、1.5〜8
0atm)、好ましくは2〜70atm、さらに好まし
くは5〜50atm程度である場合が多い。反応時間
は、反応温度及び圧力に応じて、例えば30分〜48時
間、好ましくは1〜36時間、さらに好ましくは2〜2
4時間程度の範囲から適当に選択できる。
【0057】反応は、前記触媒の存在下、基質と一酸化
窒素とを接触させればよく、一酸化窒素の存在下又は一
酸化窒素の流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣
用の方法により行うことができる。反応終了後、反応生
成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽
出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分
離手段や、これらを組み合わせた分離手段により、容易
に分離精製できる。
【0058】[加溶媒分解反応]前記式(3)で表され
るアセタール化合物を、前記式(5)で表される化合物
(水又はヒドロキシ化合物)と反応させることにより、
加溶媒分解反応(アセタール交換反応)が進行し、前記
式(6)、又は(7)及び(8)で表される化合物を得
ることができる。
【0059】式(5)中、Rcにおける炭化水素基、複
素環基としては、前記Ra1において例示した炭化水素
基、複素環基と同様のものが挙げられる。式(5)で表
される化合物として、例えば、水;メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、
アリルアルコール、エチレングリコールなどの脂肪族ア
ルコール(好ましくはC1-15脂肪族アルコール、さらに
好ましくはC1-10脂肪族アルコール、特にC1-4脂肪族
アルコール);シクロペンチルアルコール、シクロヘキ
シルアルコールなどの脂環式アルコール(好ましくはC
3-15脂環式アルコール、さらに好ましくはC3-10脂環式
アルコール);ベンジルアルコール、2−フェニルエチ
ルアルコールなどの芳香族アルコール(好ましくはC
7-15芳香族アルコール);フェノール、クレゾールなど
のフェノール類;フルフリルアルコール、2−ヒドロキ
シピリジンなどのヒドロキシル基含有複素環化合物など
が挙げられる。
【0060】式(5)で表される化合物の使用量は、式
(3)で表されるアセタール化合物1モルに対して、例
えば0.5モル以上(0.5〜1000モル程度)、好
ましくは1モル以上(1〜500モル程度)である。式
(5)で表される化合物を溶媒として用いることが多
い。反応に用いる溶媒として、前記式(5)で表される
化合物のほか、前記酸化反応において例示した溶媒など
が挙げられる。この反応では、反応速度を高めるため、
系内に、酸を添加してもよい。前記酸としては、塩化水
素、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸;酢酸、メ
タンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸
が挙げられる。酸として、陽イオン交換樹脂を使用する
こともできる。
【0061】反応温度は、例えば、0〜200℃、好ま
しくは0〜150℃、さらに好ましくは10〜100℃
程度である。反応は、回分式、半回分式、連続式などの
慣用の方法により行うことができる。
【0062】反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、
例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラ
ムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み
合わせた分離手段により、容易に分離精製できる。前記
式(6)又は式(7)で表されるアセタール化合物は、
加水分解に付すことにより、前記式(9)若しくは式
(10)で表されるヘミアセタール化合物、又は式
(4)で表されるカルボニル化合物に変換できる。ま
た、式(7)及び式(8)で表される化合物を加水分解
に付すと、式(4)及び式(8)で表される化合物が生
成する。特に、Ra1又はRa2とRbとが結合している場
合には、分子内にヒドロキシル基を有するカルボニル化
合物(ヒドロキシケトンまたはヒドロキシアルデヒド)
を得ることができる。加水分解は、慣用の方法、例え
ば、触媒の存在下又は不存在下、0〜100℃程度の温
度で、前記アセタール化合物を水と反応させることによ
り行うことができる。触媒としては、シリカゲルや酸
(例えば、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、陽イ
オン交換樹脂など)などを使用できる。
【0063】
【発明の効果】本発明の酸化方法では、エーテル類を簡
易に且つ効率よく酸化でき、アセタール化合物やカルボ
ニル化合物などを生成させることができる。本発明の製
造法によれば、温和な条件下、エーテル類から対応する
アセタール化合物やカルボニル化合物を収率よく製造で
きる。
【0064】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0065】実施例1 イソクロマン10ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミ
ド1ミリモル、アセトニトリル5mlの混合物を、一酸
化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で7時間攪拌した。
反応液中の生成物をカラムクロマトグラフィーにより単
離したところ、イソクロマノールが2分子縮合した化合
物である1,1′−オキシジイソクロマンが得られた
(収率74%)。次いで、前記1,1′−オキシジイソ
クロマンとエタノール(5ml)との混合液を、室温で
30分撹拌した。反応液中の生成物をカラムクロマトグ
ラフィーで単離したところ、1−エトキシイソクロマン
が得られた(イソクロマン基準の収率68%)。
【0066】実施例2 フタラン(イソクマラン)10ミリモル、N−ヒドロキ
シフタルイミド1ミリモル、アセトニトリル5mlの混
合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で6時
間攪拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、フタランの転化率90%で、フタ
ルアルデヒド(収率80%)、及びフタリド(1−フタ
ラノン)(収率7%)が生成していた。
【0067】実施例3 フタランに代えて、2,5−ジヒドロフランを10ミリ
モル用いた以外は実施例2と同様の操作を行ったとこ
ろ、2,5−ジヒドロフランの転化率77%で、ブテン
ジアール(収率70%)、及び2,5−ジヒドロ−2−
フラノン(収率4%)が生成していた。
【0068】実施例4 ベンジルメチルエーテル1ミリモル、N−ヒドロキシフ
タルイミド0.1ミリモル、アセトニトリル5mlの混
合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で5時
間攪拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、ベンジルメチルエーテルの転化率
78%で、ベンズアルデヒド(収率52%)、及び安息
香酸メチル(収率20%)が生成していた。
【0069】実施例5 ベンジルエチルエーテル1ミリモル、N−ヒドロキシフ
タルイミド0.1ミリモル、アセトニトリル5mlの混
合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で5時
間攪拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、ベンジルエチルエーテルの転化率
82%で、ベンズアルデヒド(収率57%)、及び安息
香酸エチル(収率18%)が生成していた。
【0070】実施例6 フタラン(イソクマラン)1ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド0.1ミリモル、アセトニトリル5mlの
混合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で2
時間攪拌した。アセトニトリルを留去させた後、エタノ
ール(5ml)を加え、室温で30分撹拌した。反応液
中の生成物をカラムクロマトグラフィーで単離したとこ
ろ、o−ヒドロキシメチルベンズアルデヒドが得られた
(収率60%、フタラン転化率80%)。なお、一酸化
窒素雰囲気下での反応時間を2時間から4時間に延長し
て同様の操作を行ったところ、フタルアルデヒドが主生
成物として得られ、o−ヒドロキシメチルベンズアルデ
ヒドは得られなかった。
【0071】実施例7 フタラン(イソクマラン)1ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド0.1ミリモル、アセトニトリル5mlの
混合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で5
時間攪拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、フタランの転化率99%で、フ
タルアルデヒド(収率90%)が生成していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 47/12 C07C 47/12 47/52 47/52 C07D 307/33 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 C07D 307/32 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    びR2は互いに結合して二重結合、または芳香族性又は
    非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒ
    ドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表さ
    れるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、エー
    テル類と一酸化窒素とを接触させるエーテル類の酸化方
    法。
  2. 【請求項2】 下記式(1) 【化2】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    びR2は互いに結合して二重結合、または芳香族性又は
    非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒ
    ドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表さ
    れるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下記
    式(2) 【化3】 (式中、Ra1及びRa2は、同一又は異なって、水素原
    子、炭化水素基又は複素環基を示し、Rbは炭化水素基
    又は複素環基を示す。Ra1とRa2、Ra1又はRa2とRb
    とは、それぞれ、互いに結合して、隣接する炭素原子、
    又は隣接する炭素原子及び酸素原子と共に環を形成して
    もよい)で表されるエーテル類と、一酸化窒素とを反応
    させて、下記式(3) 【化4】 (式中、Ra1、Ra2、Rbは前記に同じ)で表されるア
    セタール化合物、又は下記式(4) 【化5】 (式中、Ra1、Ra2は前記に同じ)で表されるカルボニ
    ル化合物を生成させる、アセタール化合物又はカルボニ
    ル化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 下記式(1) 【化6】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    びR2は互いに結合して二重結合、または芳香族性又は
    非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒ
    ドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表さ
    れるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下記
    式(2) 【化7】 (式中、Ra1及びRa2は、同一又は異なって、水素原
    子、炭化水素基又は複素環基を示し、Rbは炭化水素基
    又は複素環基を示す。Ra1とRa2、Ra1又はRa2とRb
    とは、それぞれ、互いに結合して、隣接する炭素原子、
    又は隣接する炭素原子及び酸素原子と共に環を形成して
    もよい)で表されるエーテル類と、一酸化窒素とを反応
    させて、下記式(3) 【化8】 (式中、Ra1、Ra2、Rbは前記に同じ)で表されるア
    セタール化合物を生成させ、次いで、該アセタール化合
    物を、下記式(5) Rc−OH (5) (式中、Rcは、水素原子、炭化水素基又は複素環基を
    示す)で表される化合物と反応させて、下記式(6)、
    又は(7)及び(8) 【化9】 (式中、Ra1、Ra2、Rb、Rcは前記に同じ)で表され
    る化合物を生成させるアセタール化合物の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の方法により生成した式
    (6)で表される化合物、式(7)で表される化合物、
    又は式(7)及び式(8)で表される化合物を、加水分
    解に付して、下記式(9)、(10)、(4)、または
    (4)及び(8) 【化10】 (式中、Ra1及びRa2は、同一又は異なって、水素原
    子、炭化水素基又は複素環基を示し、Rbは炭化水素基
    又は複素環基を示す。Ra1とRa2、Ra1又はRa2とRb
    とは、それぞれ、互いに結合して、隣接する炭素原子、
    又は隣接する炭素原子及び酸素原子と共に環を形成して
    もよい。Rcは、水素原子、炭化水素基又は複素環基を
    示す)で表される化合物を得るアセタール化合物又はカ
    ルボニル化合物の製造法。
  5. 【請求項5】 下記式(1) 【化11】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    びR2は互いに結合して二重結合、または芳香族性又は
    非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒ
    ドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表さ
    れるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下記
    式(2a) 【化12】 (式中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4は、同一又は異なっ
    て、水素原子、炭化水素基又は複素環基を示す。Ra1
    a2、Ra3とRa4、Ra1又はRa2とRa3又はRa4とは、
    それぞれ、互いに結合して、隣接する炭素原子、又は隣
    接する2つの炭素原子及び酸素原子と共に環を形成して
    もよい)で表されるエーテル類と、一酸化窒素とを反応
    させて、下記式(4a) 【化13】 (式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4は前記に同じ)で表さ
    れるカルボニル化合物を生成させるカルボニル化合物の
    製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002040154A1 (fr) 2000-11-15 2002-05-23 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyseurs comprenant des imides cycliques a substitution n et procedes pour la preparation de composes organiques avec lesdits catalyseurs
JP2003530449A (ja) * 2000-04-07 2003-10-14 オルブライト アンド ウィルソン (オーストラリア) リミテッド 懸濁液から造形品を成形する方法
JP4852709B2 (ja) * 2006-02-13 2012-01-11 国立大学法人宇都宮大学 アルデヒド類の製造方法

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