JP2003183272A - エステルの製造方法 - Google Patents
エステルの製造方法Info
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- JP2003183272A JP2003183272A JP2001386644A JP2001386644A JP2003183272A JP 2003183272 A JP2003183272 A JP 2003183272A JP 2001386644 A JP2001386644 A JP 2001386644A JP 2001386644 A JP2001386644 A JP 2001386644A JP 2003183272 A JP2003183272 A JP 2003183272A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 温和な条件で、効率よくエステル類を製造す
る。 【解決手段】 下記式(I) 【化1】 (式中、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示す)で表
されるイミド単位を有するイミド化合物及び周期表第1
1族金属(銅など)元素を含む金属化合物から選択され
た少なくとも一種の存在下、環状ホルマール化合物
(1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサンな
ど)を分子状酸素と接触させ、対応するエステル(1,
3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキソラン−
4−オン、エチレングリコールモノギ酸エステル、メチ
レングリコールモノギ酸エステルなどを生成させる。
る。 【解決手段】 下記式(I) 【化1】 (式中、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示す)で表
されるイミド単位を有するイミド化合物及び周期表第1
1族金属(銅など)元素を含む金属化合物から選択され
た少なくとも一種の存在下、環状ホルマール化合物
(1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサンな
ど)を分子状酸素と接触させ、対応するエステル(1,
3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキソラン−
4−オン、エチレングリコールモノギ酸エステル、メチ
レングリコールモノギ酸エステルなどを生成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状ホルマール化
合物の酸化により得られるエステルの製造方法に関す
る。
合物の酸化により得られるエステルの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エチレンカーボネート(1,3−ジオキ
ソラン−2−オン)は、有機溶剤やリチウム電池の電解
質溶媒液として有用であり、広汎に利用されている。エ
チレンカーボネートは、工業的には、エチレンオキサイ
ドと炭酸ガスとの反応、又はエチレングリコールとホス
ゲンとの反応などにより製造されている。しかし、エチ
レンオキサイドやホスゲンは、安全性の面で課題があ
る。
ソラン−2−オン)は、有機溶剤やリチウム電池の電解
質溶媒液として有用であり、広汎に利用されている。エ
チレンカーボネートは、工業的には、エチレンオキサイ
ドと炭酸ガスとの反応、又はエチレングリコールとホス
ゲンとの反応などにより製造されている。しかし、エチ
レンオキサイドやホスゲンは、安全性の面で課題があ
る。
【0003】一方、1,3−ジオキソランなどの5員環
状ホルマール化合物は、鉄やコバルト触媒の存在下、酸
素酸化することにより環状酸化物であるエチレンカーボ
ネートや非環状酸化物であるエチレングリコールモノギ
酸エステルなどを生成することが知られている。例え
ば、J. prakt. Chem. 336, 155-159 (1994)には、アセ
チルアセトナト鉄(III)(Fe(acac)3)を触媒と
して用い、1,3−ジオキソランを分子状酸素により酸
化することが開示されている。この文献では、1,3−
ジオキソランから1,3−ジオキソラン−2−オン及び
グリコールカルボン酸モノエステルが得られることが開
示されている。また、Can. J. Chem. 71,84 (1993)に
は、触媒量のCoCl2の存在下、1,3−ジオキソラ
ンを分子状酸素により酸化して、エチレンカーボネート
及びエチレングリコールモノギ酸エステルが得られるこ
とが開示されている。
状ホルマール化合物は、鉄やコバルト触媒の存在下、酸
素酸化することにより環状酸化物であるエチレンカーボ
ネートや非環状酸化物であるエチレングリコールモノギ
酸エステルなどを生成することが知られている。例え
ば、J. prakt. Chem. 336, 155-159 (1994)には、アセ
チルアセトナト鉄(III)(Fe(acac)3)を触媒と
して用い、1,3−ジオキソランを分子状酸素により酸
化することが開示されている。この文献では、1,3−
ジオキソランから1,3−ジオキソラン−2−オン及び
グリコールカルボン酸モノエステルが得られることが開
示されている。また、Can. J. Chem. 71,84 (1993)に
は、触媒量のCoCl2の存在下、1,3−ジオキソラ
ンを分子状酸素により酸化して、エチレンカーボネート
及びエチレングリコールモノギ酸エステルが得られるこ
とが開示されている。
【0004】しかし、これらの方法では、エチレンカー
ボネートの収率が低く、工業的に有利に製造できない。
また、エチレングリコールモノギ酸エステルなどのグリ
コールのモノカルボン酸エステルを高い選択率で得るこ
とも困難である。さらに、環状又は非環状エステル類
(例えば、1,3−ジオキソラン−4−オンなどの環状
エステル、メチレングリコールモノギ酸エステルなど)
を得ることは困難である。
ボネートの収率が低く、工業的に有利に製造できない。
また、エチレングリコールモノギ酸エステルなどのグリ
コールのモノカルボン酸エステルを高い選択率で得るこ
とも困難である。さらに、環状又は非環状エステル類
(例えば、1,3−ジオキソラン−4−オンなどの環状
エステル、メチレングリコールモノギ酸エステルなど)
を得ることは困難である。
【0005】また、非環状のホルマール化合物の酸化方
法として、特開2000−119225号公報には、N
−ヒドロキシジカルボン酸イミド化合物及び/又は触媒
としての銅化合物などの金属化合物の存在下、メチラー
ルなどの非環状アセタール化合物を酸素により加圧下で
酸化することにより、炭酸ジメチルなどの非環状炭酸エ
ステルが得られることが開示されている。しかし、この
方法では、環状エステルは得ることができない。また、
加圧下で反応を行うため、反応条件が制約されるととも
に、多くの金属触媒が必要となる。
法として、特開2000−119225号公報には、N
−ヒドロキシジカルボン酸イミド化合物及び/又は触媒
としての銅化合物などの金属化合物の存在下、メチラー
ルなどの非環状アセタール化合物を酸素により加圧下で
酸化することにより、炭酸ジメチルなどの非環状炭酸エ
ステルが得られることが開示されている。しかし、この
方法では、環状エステルは得ることができない。また、
加圧下で反応を行うため、反応条件が制約されるととも
に、多くの金属触媒が必要となる。
【0006】特開平10−316610号公報には、N
−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド化合物と、必要
により金属助触媒とで構成された酸化触媒の存在下、鎖
状エーテル類又は非芳香族性環状エーテル類と酸素とを
接触させるエーテル類の酸化方法が開示されている。
−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド化合物と、必要
により金属助触媒とで構成された酸化触媒の存在下、鎖
状エーテル類又は非芳香族性環状エーテル類と酸素とを
接触させるエーテル類の酸化方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、温和な条件で効率よくエチレンカーボネートなどの
エステルを製造できる方法を提供することにある。
は、温和な条件で効率よくエチレンカーボネートなどの
エステルを製造できる方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、金属触媒の割合が微
量であっても、温和な条件で種々のエステルを効率よく
製造できる方法を提供することにある。
量であっても、温和な条件で種々のエステルを効率よく
製造できる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、イミド化合物及び/
又は周期表11族元素を含む金属化合物の存在下、環状
ホルマール化合物を酸化すると、効率よく対応するエス
テルが得られることを見いだし、本発明を完成した。
を達成するため鋭意検討した結果、イミド化合物及び/
又は周期表11族元素を含む金属化合物の存在下、環状
ホルマール化合物を酸化すると、効率よく対応するエス
テルが得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の製造方法では、下記式
(I)
(I)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、Xは酸素原子、ヒドロキシル基、
アシルオキシ基又はアリールカルボニルオキシ基を示
す)で表されるイミド単位を有するイミド化合物(1)
及び周期表第11族金属元素を含む金属化合物(2)か
ら選択された少なくとも一種の存在下、環状ホルマール
化合物を分子状酸素と接触させ、対応するエステルを生
成させる。前記環状ホルマール化合物は、1,3−ジオ
キソランなどの5員環状ホルマール化合物、1,3,5
−トリオキサンなどの6員環状ホルマール化合物などで
あってもよい。前記環状ホルマールの酸化反応(分子状
酸素との接触)は、さらに、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、周期表第3〜10族金属、及び周期表第12〜
15族金属から選択された少なくとも一種の元素を含む
第2の金属化合物(3)を共存させてもよい。また、前
記金属化合物(2)は、銅化合物であってもよい。銅化
合物(2)を用いる場合、反応系に、塩基性窒素化合
物、例えば、ピリジン化合物を共存させてもよい。本発
明において、常圧下、環状ホルマール化合物として1,
3−ジオキソランを用い、1,3−ジオキソラン−2−
オン、1,3−ジオキソラン−4−オン、エチレングリ
コールモノギ酸エステルなどのエステルを生成させても
よい。また、前記イミド化合物及び第2の金属化合物
(3)の存在下、環状ホルマール化合物として、1,
3,5−トリオキサンを用い、常圧下、前記反応を行
い、メチレングリコールモノギ酸エステルを生成させて
もよい。
アシルオキシ基又はアリールカルボニルオキシ基を示
す)で表されるイミド単位を有するイミド化合物(1)
及び周期表第11族金属元素を含む金属化合物(2)か
ら選択された少なくとも一種の存在下、環状ホルマール
化合物を分子状酸素と接触させ、対応するエステルを生
成させる。前記環状ホルマール化合物は、1,3−ジオ
キソランなどの5員環状ホルマール化合物、1,3,5
−トリオキサンなどの6員環状ホルマール化合物などで
あってもよい。前記環状ホルマールの酸化反応(分子状
酸素との接触)は、さらに、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、周期表第3〜10族金属、及び周期表第12〜
15族金属から選択された少なくとも一種の元素を含む
第2の金属化合物(3)を共存させてもよい。また、前
記金属化合物(2)は、銅化合物であってもよい。銅化
合物(2)を用いる場合、反応系に、塩基性窒素化合
物、例えば、ピリジン化合物を共存させてもよい。本発
明において、常圧下、環状ホルマール化合物として1,
3−ジオキソランを用い、1,3−ジオキソラン−2−
オン、1,3−ジオキソラン−4−オン、エチレングリ
コールモノギ酸エステルなどのエステルを生成させても
よい。また、前記イミド化合物及び第2の金属化合物
(3)の存在下、環状ホルマール化合物として、1,
3,5−トリオキサンを用い、常圧下、前記反応を行
い、メチレングリコールモノギ酸エステルを生成させて
もよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、イミド化合物(1)
及び周期表第11族金属元素を含む金属化合物(2)か
ら選択された少なくとも一種の存在下、環状ホルマール
化合物を分子状酸素と接触させ、対応するエステルを生
成させる。本発明において、前記イミド化合物(1)及
び金属化合物(2)は、いずれも触媒として作用する。
及び周期表第11族金属元素を含む金属化合物(2)か
ら選択された少なくとも一種の存在下、環状ホルマール
化合物を分子状酸素と接触させ、対応するエステルを生
成させる。本発明において、前記イミド化合物(1)及
び金属化合物(2)は、いずれも触媒として作用する。
【0014】基質の環状ホルマール化合物としては、5
〜10員環状ホルマール化合物が使用できる。このよう
な環状ホルマール化合物としては、1,3−ジオキソラ
ン、又はその誘導体などの5員環状ホルマール化合物;
1,3,5−トリオキサン、又はそれらの誘導体などの
6員環状ホルマール化合物;1,3−ジオキセパン、又
はその誘導体などの7員環状ホルマール化合物;ジエチ
レングリコールホルマール、又はその誘導体などの8員
環状ホルマール化合物などが例示できる。前記環状ホル
マール化合物の誘導体としては、アルキル基(メチル、
エチル、ブチル、ヘキシル基などのC1-8アルキル基、
特にC1-4アルキル基)、アリール基(フェニル基など
のC6-10アリール基)、アラルキル基(ベンジル、フェ
ネチル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基な
ど)アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
ブトキシ基などのC1-8アルコキシ基など)などの置換
基を有する環状ホルマールが例示できる。このような置
換基を有する環状ホルマール化合物としては、1,3−
ジオキソランを例にとると、例えば、2−メチル−1,
3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソラン、4−メチル−1,3−ジオキソランなどのアル
キル置換1,3−ジオキソランなどが例示できる。
〜10員環状ホルマール化合物が使用できる。このよう
な環状ホルマール化合物としては、1,3−ジオキソラ
ン、又はその誘導体などの5員環状ホルマール化合物;
1,3,5−トリオキサン、又はそれらの誘導体などの
6員環状ホルマール化合物;1,3−ジオキセパン、又
はその誘導体などの7員環状ホルマール化合物;ジエチ
レングリコールホルマール、又はその誘導体などの8員
環状ホルマール化合物などが例示できる。前記環状ホル
マール化合物の誘導体としては、アルキル基(メチル、
エチル、ブチル、ヘキシル基などのC1-8アルキル基、
特にC1-4アルキル基)、アリール基(フェニル基など
のC6-10アリール基)、アラルキル基(ベンジル、フェ
ネチル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基な
ど)アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
ブトキシ基などのC1-8アルコキシ基など)などの置換
基を有する環状ホルマールが例示できる。このような置
換基を有する環状ホルマール化合物としては、1,3−
ジオキソランを例にとると、例えば、2−メチル−1,
3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソラン、4−メチル−1,3−ジオキソランなどのアル
キル置換1,3−ジオキソランなどが例示できる。
【0015】(1)イミド化合物
イミド化合物は、前記式(I)で表されるイミド単位を
有している。このようなイミド化合物(1)は、例え
ば、下記式(II)で表すことができる。
有している。このようなイミド化合物(1)は、例え
ば、下記式(II)で表すことができる。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1及びR2は、同一又は異なっ
て、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
基を示し、R1及びR2は、互いに結合して二重結合、あ
るいは芳香族性又は非芳香族性環を形成してもよい。R
1及びR2により形成される芳香族性又は非芳香族性環
は、前記式(I)で示されるイミド単位を少なくとも1
つ有していてもよい。Xは前記に同じ) 前記式(II)において、R1及びR2で表されるハロゲ
ン原子には、ヨウ素、臭素、塩素及びフッ素原子が含ま
れる。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-10
アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、特にC1-4ア
ルキル基)が挙げられる。
て、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
基を示し、R1及びR2は、互いに結合して二重結合、あ
るいは芳香族性又は非芳香族性環を形成してもよい。R
1及びR2により形成される芳香族性又は非芳香族性環
は、前記式(I)で示されるイミド単位を少なくとも1
つ有していてもよい。Xは前記に同じ) 前記式(II)において、R1及びR2で表されるハロゲ
ン原子には、ヨウ素、臭素、塩素及びフッ素原子が含ま
れる。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-10
アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、特にC1-4ア
ルキル基)が挙げられる。
【0018】R1及びR2で表されるアリール基として
は、フェニル基、ナフチル基などのC 6-10アリール基が
挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などのC3-10シ
クロアルキル基(好ましくはC5- 8シクロアルキル基)
が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ基などのC1-10アル
コキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、特にC1-4ア
ルコキシ基)などが挙げられる。
は、フェニル基、ナフチル基などのC 6-10アリール基が
挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などのC3-10シ
クロアルキル基(好ましくはC5- 8シクロアルキル基)
が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ基などのC1-10アル
コキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、特にC1-4ア
ルコキシ基)などが挙げられる。
【0019】アルコキシカルボニル基としては、例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシ
カルボニル、t−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシ
カルボニル基などのC1-10アルコキシ−カルボニル基
(好ましくは、C1-6アルコキシ−カルボニル基、C1-4
アルコキシ−カルボニル基)などが挙げられる。
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシ
カルボニル、t−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシ
カルボニル基などのC1-10アルコキシ−カルボニル基
(好ましくは、C1-6アルコキシ−カルボニル基、C1-4
アルコキシ−カルボニル基)などが挙げられる。
【0020】アシル基としては、ホルミル、アセチル、
プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イ
ソバレリル、ピバロイル基などのC1-6アシル基が例示
できる。
プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イ
ソバレリル、ピバロイル基などのC1-6アシル基が例示
できる。
【0021】前記R1及びR2が互いに結合して形成する
非芳香族性又は芳香族性環としては、炭化水素環(脂環
族炭化水素環、芳香族炭化水素環など)、複素環、縮合
複素環などが挙げられる。芳香族性又は非芳香族性環
は、前記式(I)で表されるイミド単位を少なくとも1
つ(通常、1又は2)有していてもよい。
非芳香族性又は芳香族性環としては、炭化水素環(脂環
族炭化水素環、芳香族炭化水素環など)、複素環、縮合
複素環などが挙げられる。芳香族性又は非芳香族性環
は、前記式(I)で表されるイミド単位を少なくとも1
つ(通常、1又は2)有していてもよい。
【0022】好ましい非芳香族性又は芳香族性環は、脂
環族炭化水素環、芳香族炭化水素環などである。脂環族
炭化水素環としては、例えば、シクロヘキサン環などの
シクロアルカン環(好ましくはC5-8シクロアルカン
環、特にC5-6シクロアルカン環);シクロヘキセン環
などのシクロアルケン環(好ましくはC5-10シクロアル
ケン環、特にC5-8シクロアルケン環);ポリシクロ環
(架橋環)[ノルボルナン環などのビシクロアルカン
(C6-12ビシクロアルカンなど)、2−ノルボルネン環
などのビシクロアルケン(C6-12ビシクロアルケンな
ど);アダマンタンなどのトリシクロアルカン(C7-14
トリシクロアルカンなど)などのビ又はトリシクロ環な
ど]などが挙げられ、中でもC5-12脂環族炭化水素環、
特にC5-10脂環族炭化水素環が好ましい。
環族炭化水素環、芳香族炭化水素環などである。脂環族
炭化水素環としては、例えば、シクロヘキサン環などの
シクロアルカン環(好ましくはC5-8シクロアルカン
環、特にC5-6シクロアルカン環);シクロヘキセン環
などのシクロアルケン環(好ましくはC5-10シクロアル
ケン環、特にC5-8シクロアルケン環);ポリシクロ環
(架橋環)[ノルボルナン環などのビシクロアルカン
(C6-12ビシクロアルカンなど)、2−ノルボルネン環
などのビシクロアルケン(C6-12ビシクロアルケンな
ど);アダマンタンなどのトリシクロアルカン(C7-14
トリシクロアルカンなど)などのビ又はトリシクロ環な
ど]などが挙げられ、中でもC5-12脂環族炭化水素環、
特にC5-10脂環族炭化水素環が好ましい。
【0023】芳香族炭化水素環としては、ベンゼン、ナ
フタレン環などのC6-14芳香族炭化水素環(特にC6-10
芳香族炭化水素環)が挙げられる。
フタレン環などのC6-14芳香族炭化水素環(特にC6-10
芳香族炭化水素環)が挙げられる。
【0024】前記非芳香族性又は芳香族性環は、置換基
を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、ヒ
ドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、ア
ミノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、ヒ
ドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、ア
ミノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0025】式(II)で表されるイミド化合物のうち
下記式(IIa)〜(IIf)で表されるイミド化合物
などが好ましい。
下記式(IIa)〜(IIf)で表されるイミド化合物
などが好ましい。
【0026】
【化4】
【0027】(式中、R3〜R6は、同一又は異なって、
水素原子、又は前記非芳香族性又は芳香族性環が有する
置換基と同じく、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコ
キシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ア
シル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子
を示す。R1、R2及びXは前記に同じ) 置換基R3〜R6において、アルキル基、アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシル基、ハロゲン原子とし
ては、前記R1及びR2の項で例示の基又は原子が例示で
きる。置換基R3〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜
4程度の低級アルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、
ハロゲン原子である場合が多い。
水素原子、又は前記非芳香族性又は芳香族性環が有する
置換基と同じく、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコ
キシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ア
シル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子
を示す。R1、R2及びXは前記に同じ) 置換基R3〜R6において、アルキル基、アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシル基、ハロゲン原子とし
ては、前記R1及びR2の項で例示の基又は原子が例示で
きる。置換基R3〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜
4程度の低級アルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、
ハロゲン原子である場合が多い。
【0028】前記式(I)、(II)及び(IIa)〜
(IIf)において、Xは、酸素原子、ヒドロキシル
基、アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチ
ルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシなどの
炭素数1〜6程度のアシルオキシ基など)又はアリール
カルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、トル
オイルオキシ、ナフトイルオキシなどの炭素数6〜20
のアリールカルボニルオキシ基など)である。特に、ヒ
ドロキシル基であるのが好ましい。
(IIf)において、Xは、酸素原子、ヒドロキシル
基、アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチ
ルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシなどの
炭素数1〜6程度のアシルオキシ基など)又はアリール
カルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、トル
オイルオキシ、ナフトイルオキシなどの炭素数6〜20
のアリールカルボニルオキシ基など)である。特に、ヒ
ドロキシル基であるのが好ましい。
【0029】イミド化合物(1)は、単独で又は二種以
上組み合わせて使用できる。
上組み合わせて使用できる。
【0030】なお、イミド化合物(1)に対応する酸無
水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸など
の飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、1,2,3,
4−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2−無水物
などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カルボン酸無
水物(脂環族多価カルボン酸無水物)、無水ヘット酸、
無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カルボン酸無水
物(脂環族多価カルボン酸無水物)、無水フタル酸、テ
トラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、
無水ニトロフタル酸、無水トリメリット酸、メチルシク
ロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット
酸、無水メリット酸、1,8;4,5−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水
物が含まれる。
水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸など
の飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、1,2,3,
4−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2−無水物
などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カルボン酸無
水物(脂環族多価カルボン酸無水物)、無水ヘット酸、
無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カルボン酸無水
物(脂環族多価カルボン酸無水物)、無水フタル酸、テ
トラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、
無水ニトロフタル酸、無水トリメリット酸、メチルシク
ロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット
酸、無水メリット酸、1,8;4,5−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水
物が含まれる。
【0031】好ましいイミド化合物としては、例えば、
N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイ
ン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミ
ド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカル
ボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒ
ドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシ
テトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸
イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒド
ロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ
ピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタ
レンテトラカルボン酸イミド、N−アセトキシフタル酸
イミド、N−ベンゾイルオキシフタル酸イミドなどが挙
げられる。特に好ましい化合物には、脂環族多価カルボ
ン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン酸無水物から
誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、例えば、N−
ヒドロキシフタル酸イミドなどが含まれる。
N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイ
ン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミ
ド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカル
ボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒ
ドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシ
テトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸
イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒド
ロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ
ピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタ
レンテトラカルボン酸イミド、N−アセトキシフタル酸
イミド、N−ベンゾイルオキシフタル酸イミドなどが挙
げられる。特に好ましい化合物には、脂環族多価カルボ
ン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン酸無水物から
誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、例えば、N−
ヒドロキシフタル酸イミドなどが含まれる。
【0032】前記イミド化合物は、慣用のイミド化反
応、例えば、対応する酸無水物(前記酸無水物など)と
ヒドロキシルアミンNH2OHとを反応させて酸無水物
基を開環した後、閉環してイミド化することにより調製
できる。
応、例えば、対応する酸無水物(前記酸無水物など)と
ヒドロキシルアミンNH2OHとを反応させて酸無水物
基を開環した後、閉環してイミド化することにより調製
できる。
【0033】イミド化合物(1)の割合は、基質1モル
に対して、広い範囲、例えば、1×10-6〜1モル程度
から選択でき、好ましくは1×10-5〜0.5モル、さ
らに好ましくは1×10-4〜0.4モル、特に1×10
-4〜0.35モル程度である。
に対して、広い範囲、例えば、1×10-6〜1モル程度
から選択でき、好ましくは1×10-5〜0.5モル、さ
らに好ましくは1×10-4〜0.4モル、特に1×10
-4〜0.35モル程度である。
【0034】(2)周期表第11族金属元素を含む金属
化合物 金属化合物(2)を構成する周期表第11族金属元素と
しては、銅Cu、銀Ag、金Auなどが挙げられる。前
記金属化合物は、前記金属元素を一種又は二種以上含ん
でいてもよい。好ましい金属化合物は、銅化合物であ
る。
化合物 金属化合物(2)を構成する周期表第11族金属元素と
しては、銅Cu、銀Ag、金Auなどが挙げられる。前
記金属化合物は、前記金属元素を一種又は二種以上含ん
でいてもよい。好ましい金属化合物は、銅化合物であ
る。
【0035】前記金属元素の価数は、特に制限されず、
例えば、銅原子の価数は、0〜2価であってもよい。ま
た、金属化合物(2)において、価数の異なる複数の銅
原子が共存していてもよい。
例えば、銅原子の価数は、0〜2価であってもよい。ま
た、金属化合物(2)において、価数の異なる複数の銅
原子が共存していてもよい。
【0036】金属化合物(2)は、前記周期表第11属
金属元素を含む限り、特に制限されず、周期表の他の族
に属する金属元素、例えば、アルカリ金属(K、Naな
ど)、アルカリ土類金属(Mg、Caなど)、他の遷移
金属元素、12族元素(Znなど)、13族元素(B、
Alなど)などを含んでいてもよい。他の遷移金属元素
としては、周期表3族元素(Sc、Y;Laなどのラン
タノイド元素;Acなどのアクチノイド元素)、周期表
4族元素(Ti、Zrなど)、5族元素(Vなど)、6
族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元素(Mnな
ど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、
Rhなど)、10族元素(Ni、Pd、Ptなど)など
が挙げられる。
金属元素を含む限り、特に制限されず、周期表の他の族
に属する金属元素、例えば、アルカリ金属(K、Naな
ど)、アルカリ土類金属(Mg、Caなど)、他の遷移
金属元素、12族元素(Znなど)、13族元素(B、
Alなど)などを含んでいてもよい。他の遷移金属元素
としては、周期表3族元素(Sc、Y;Laなどのラン
タノイド元素;Acなどのアクチノイド元素)、周期表
4族元素(Ti、Zrなど)、5族元素(Vなど)、6
族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元素(Mnな
ど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、
Rhなど)、10族元素(Ni、Pd、Ptなど)など
が挙げられる。
【0037】金属化合物(2)としては、周期表第11
族元素を含む種々の金属化合物、例えば、金属単体(C
uなど)、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩、ハロゲ
ン化物、配位化合物(錯体)やヘテロポリ酸又はその塩
などが利用できる。これらの金属化合物は、1種で又は
2種以上組み合わせて使用できる。好ましい金属化合物
は、金属酸化物(酸化銅CuO、CuO2など)、金属
塩(有機酸塩、無機酸塩)、ハロゲン化物、錯体などで
ある。
族元素を含む種々の金属化合物、例えば、金属単体(C
uなど)、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩、ハロゲ
ン化物、配位化合物(錯体)やヘテロポリ酸又はその塩
などが利用できる。これらの金属化合物は、1種で又は
2種以上組み合わせて使用できる。好ましい金属化合物
は、金属酸化物(酸化銅CuO、CuO2など)、金属
塩(有機酸塩、無機酸塩)、ハロゲン化物、錯体などで
ある。
【0038】前記有機酸塩としては、例えば、ギ酸塩、
酢酸塩、プロピオン酸塩、ナフテン酸塩、オクチル酸
塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、シュウ酸塩、ク
エン酸塩などのC1-30カルボン酸塩(C1-24カルボン酸
塩など)が例示され、無機酸塩としては、例えば、(塩
基性)炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩又はリン酸塩などが挙げ
られる。また、ハロゲン化物としては、例えば、塩化物
や臭化物などが例示できる。
酢酸塩、プロピオン酸塩、ナフテン酸塩、オクチル酸
塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、シュウ酸塩、ク
エン酸塩などのC1-30カルボン酸塩(C1-24カルボン酸
塩など)が例示され、無機酸塩としては、例えば、(塩
基性)炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩又はリン酸塩などが挙げ
られる。また、ハロゲン化物としては、例えば、塩化物
や臭化物などが例示できる。
【0039】錯体を形成する配位子としては、OH(ヒ
ドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ基などのアルコキシ基、アセチル、プロピオニルなど
のアシル基、メトキシカルボニル(アセタト)、エトキ
シカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセチル
アセトナト、シクロペンタジエニル基、塩素、臭素など
ハロゲン原子、CO、CN、酸素原子、H2O(ア
コ)、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンな
どのトリアリールホスフィン)などのリン化合物、NH
3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO3(ニト
ラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピ
リジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物などが
挙げられる。錯体又は錯塩において、同種又は異種の配
位子は一種又は二種以上配位していてもよい。前記金属
元素と配位子とは適当に組合せて錯体を構成することが
でき、錯体は、例えば、銅アセチルアセトナトなどであ
ってもよい。
ドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ基などのアルコキシ基、アセチル、プロピオニルなど
のアシル基、メトキシカルボニル(アセタト)、エトキ
シカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセチル
アセトナト、シクロペンタジエニル基、塩素、臭素など
ハロゲン原子、CO、CN、酸素原子、H2O(ア
コ)、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンな
どのトリアリールホスフィン)などのリン化合物、NH
3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO3(ニト
ラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピ
リジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物などが
挙げられる。錯体又は錯塩において、同種又は異種の配
位子は一種又は二種以上配位していてもよい。前記金属
元素と配位子とは適当に組合せて錯体を構成することが
でき、錯体は、例えば、銅アセチルアセトナトなどであ
ってもよい。
【0040】特に好ましい金属化合物(2)は、酸化
銅、有機酸銅塩(酢酸銅などのC1-10カルボン酸銅塩、
特にC1-6カルボン酸銅塩など)などである。
銅、有機酸銅塩(酢酸銅などのC1-10カルボン酸銅塩、
特にC1-6カルボン酸銅塩など)などである。
【0041】前記金属化合物(2)の割合は、周期表第
11族金属元素換算で、基質1モルに対して、1×10
-6〜0.7モル、好ましくは1×10-5〜0.3モル、
さらに好ましくは1×10-5〜0.1モル程度である。
イミド化合物(1)と金属化合物(2)とを組み合わせ
て用いる場合、前記金属化合物(2)の割合が、1×1
0-7〜1×10-2モル程度と微量であっても、効率よく
酸化反応を進行させることができる。また、イミド化合
物(1)と金属化合物(2)とを組み合わせて用いる場
合、両者の割合は、前者/後者(モル比)=99/1〜
1/99、好ましくは95/5〜5/95程度である。
11族金属元素換算で、基質1モルに対して、1×10
-6〜0.7モル、好ましくは1×10-5〜0.3モル、
さらに好ましくは1×10-5〜0.1モル程度である。
イミド化合物(1)と金属化合物(2)とを組み合わせ
て用いる場合、前記金属化合物(2)の割合が、1×1
0-7〜1×10-2モル程度と微量であっても、効率よく
酸化反応を進行させることができる。また、イミド化合
物(1)と金属化合物(2)とを組み合わせて用いる場
合、両者の割合は、前者/後者(モル比)=99/1〜
1/99、好ましくは95/5〜5/95程度である。
【0042】触媒は、均一系であってもよく、不均一系
であってもよい。また、担体に触媒成分を担持した固体
触媒であってもよい。担体としては、活性炭、ゼオライ
ト、シリカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトなどの多
孔質担体を用いる場合が多い。固体触媒における触媒成
分の担持量は、担体100重量部に対して、イミド化合
物(1)0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜30
重量部程度、金属化合物(2)0.1〜30重量部、好
ましくは0.1〜20重量部程度である。
であってもよい。また、担体に触媒成分を担持した固体
触媒であってもよい。担体としては、活性炭、ゼオライ
ト、シリカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトなどの多
孔質担体を用いる場合が多い。固体触媒における触媒成
分の担持量は、担体100重量部に対して、イミド化合
物(1)0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜30
重量部程度、金属化合物(2)0.1〜30重量部、好
ましくは0.1〜20重量部程度である。
【0043】本発明において、酸化反応は、少なくとも
イミド化合物(1)及び/又は金属化合物(2)(特
に、銅化合物)の存在下で行う。
イミド化合物(1)及び/又は金属化合物(2)(特
に、銅化合物)の存在下で行う。
【0044】このような反応系において、さらに周期表
第11族金属以外の金属元素を含む第2の金属化合物
(3)を共存させてもよい。このような第2の金属化合
物(3)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用して
もよい。なお、本明細書では、ホウ素Bも前記金属元素
に含まれるものとする。
第11族金属以外の金属元素を含む第2の金属化合物
(3)を共存させてもよい。このような第2の金属化合
物(3)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用して
もよい。なお、本明細書では、ホウ素Bも前記金属元素
に含まれるものとする。
【0045】前記第2の金属化合物を構成する金属元素
としては、アルカリ金属元素(Li、Na、Kなど)、
アルカリ土類金属元素(Mg、Ca、Sr、Baな
ど)、第3族金属元素(Sc、Y;Laなどのランタノ
イド元素;Acなどのアクチノイド元素など)、第4族
金属元素(Ti、Zr、Hfなど)、第5族金属元素
(Vなど)、第6族金属元素(Cr、Mo、Wなど)、
第7族金属元素(Mnなど)、第8族金属元素(Fe、
Ruなど)、第9族金属元素(Co、Rhなど)、第1
0族金属元素(Ni、Pd、Ptなど)、第12族金属
元素(Znなど)、第13族金属元素(B、Al、In
など)、第14族金属元素(Sn、Pbなど)、第15
族金属元素(Sb、Bi)などが挙げられる。好ましい
金属元素には、遷移金属元素(周期表第3〜10族金属
元素、及び第12族金属元素)が含まれる。なかでも、
周期表第5〜第10族元素、特に、第5族、第6族、第
7族及び第9族元素が好ましく、とりわけ、V、Mo、
Co、Mnなどが好ましい。金属元素の原子価は特に制
限されないが、0〜6価程度である場合が多い。
としては、アルカリ金属元素(Li、Na、Kなど)、
アルカリ土類金属元素(Mg、Ca、Sr、Baな
ど)、第3族金属元素(Sc、Y;Laなどのランタノ
イド元素;Acなどのアクチノイド元素など)、第4族
金属元素(Ti、Zr、Hfなど)、第5族金属元素
(Vなど)、第6族金属元素(Cr、Mo、Wなど)、
第7族金属元素(Mnなど)、第8族金属元素(Fe、
Ruなど)、第9族金属元素(Co、Rhなど)、第1
0族金属元素(Ni、Pd、Ptなど)、第12族金属
元素(Znなど)、第13族金属元素(B、Al、In
など)、第14族金属元素(Sn、Pbなど)、第15
族金属元素(Sb、Bi)などが挙げられる。好ましい
金属元素には、遷移金属元素(周期表第3〜10族金属
元素、及び第12族金属元素)が含まれる。なかでも、
周期表第5〜第10族元素、特に、第5族、第6族、第
7族及び第9族元素が好ましく、とりわけ、V、Mo、
Co、Mnなどが好ましい。金属元素の原子価は特に制
限されないが、0〜6価程度である場合が多い。
【0046】第2の金属化合物(3)としては、前記金
属元素の単体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含
む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ
化物)、オキソ酸、オキソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸
塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など),イソポリ酸、
ヘテロポリ酸などの無機化合物;有機酸塩(例えば、酢
酸塩、プロピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステア
リン酸塩など)、錯体などの有機化合物が挙げられる。
前記錯体を構成する配位子としては、OH(ヒドロキ
ソ)アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プ
トキシなど)、アシル(アセチル、プロピオニルな
ど)、アルコキシカルボニル(メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニルなど)、アセチルアセトナト、シクロ
ペンタジエニル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、
CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン
(トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホフィン
など)のリン化合物、NH3(アンミン)、NO、NO2
(ニトロ)、NO3(ニトラト)、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンな
どの窒素含有化合物などが挙げられる。
属元素の単体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含
む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ
化物)、オキソ酸、オキソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸
塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など),イソポリ酸、
ヘテロポリ酸などの無機化合物;有機酸塩(例えば、酢
酸塩、プロピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステア
リン酸塩など)、錯体などの有機化合物が挙げられる。
前記錯体を構成する配位子としては、OH(ヒドロキ
ソ)アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プ
トキシなど)、アシル(アセチル、プロピオニルな
ど)、アルコキシカルボニル(メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニルなど)、アセチルアセトナト、シクロ
ペンタジエニル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、
CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン
(トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホフィン
など)のリン化合物、NH3(アンミン)、NO、NO2
(ニトロ)、NO3(ニトラト)、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンな
どの窒素含有化合物などが挙げられる。
【0047】第2の金属化合物の具体例としては、例え
ば、コバルト化合物を例にとると、水酸化コバルト、酸
化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバル
ト、硫酸コバルト、リン酸コバルトなどの無機化合物;
酢酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバ
ルトなどの有機酸塩;コバルトアセチルアセトナトなど
の錯体等の2価又は3価のコバルト化合物などが挙げら
れる。
ば、コバルト化合物を例にとると、水酸化コバルト、酸
化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバル
ト、硫酸コバルト、リン酸コバルトなどの無機化合物;
酢酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバ
ルトなどの有機酸塩;コバルトアセチルアセトナトなど
の錯体等の2価又は3価のコバルト化合物などが挙げら
れる。
【0048】このような第2の金属化合物(3)は、前
記銅化合物(2)と組み合わせてもよいが、特に、前記
イミド化合物(1)と組み合わせて用いるのが好まし
い。例えば、前記イミド化合物及び第2の金属化合物の
存在下、環状ホルマール化合物として1,3,5−トリ
オキサンを用い、常圧下で酸化反応を行うと、メチレン
グリコールモノギ酸エステルなどの非環状エステルを得
ることもできる。
記銅化合物(2)と組み合わせてもよいが、特に、前記
イミド化合物(1)と組み合わせて用いるのが好まし
い。例えば、前記イミド化合物及び第2の金属化合物の
存在下、環状ホルマール化合物として1,3,5−トリ
オキサンを用い、常圧下で酸化反応を行うと、メチレン
グリコールモノギ酸エステルなどの非環状エステルを得
ることもできる。
【0049】酸化反応は、少なくとも金属化合物(2)
の存在下で行うのが好ましい。特に、少なくとも銅化合
物を触媒として用いる場合、反応系には塩基性窒素化合
物、例えば、脂肪族アミン化合物(ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、トリメチルアミンなどのアルキルアミン
など)、脂環族アミン化合物(シクロヘキシルアミン、
イソホロンジアミンなど)、芳香族アミン化合物(アニ
リンなど)、複素環アミン化合物(ピリジン化合物な
ど)を共存させてもよい。このような塩基性窒素化合物
としては、ピリジン化合物が好ましい。前記ピリジン化
合物としては、ピリジン又はその誘導体が挙げられ、前
記ピリジン誘導体には、アルキルピリジン[α−,β−
又はγ−ピコリン、2,3−,2,4−,2,5−,
2,6−,3,4−,3,5−ルチジンなどのC1-4ア
ルキル−ピリジン類(特にC1-2アルキル−ピリジン
類)など]などが含まれる。塩基性窒素化合物は、1種
で又は2種以上組み合わせて使用できる。
の存在下で行うのが好ましい。特に、少なくとも銅化合
物を触媒として用いる場合、反応系には塩基性窒素化合
物、例えば、脂肪族アミン化合物(ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、トリメチルアミンなどのアルキルアミン
など)、脂環族アミン化合物(シクロヘキシルアミン、
イソホロンジアミンなど)、芳香族アミン化合物(アニ
リンなど)、複素環アミン化合物(ピリジン化合物な
ど)を共存させてもよい。このような塩基性窒素化合物
としては、ピリジン化合物が好ましい。前記ピリジン化
合物としては、ピリジン又はその誘導体が挙げられ、前
記ピリジン誘導体には、アルキルピリジン[α−,β−
又はγ−ピコリン、2,3−,2,4−,2,5−,
2,6−,3,4−,3,5−ルチジンなどのC1-4ア
ルキル−ピリジン類(特にC1-2アルキル−ピリジン
類)など]などが含まれる。塩基性窒素化合物は、1種
で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0050】前記塩基性窒素化合物の割合は、銅化合物
(2)1モルに対して、0.01〜100モル、好まし
くは0.05〜50モル程度である。
(2)1モルに対して、0.01〜100モル、好まし
くは0.05〜50モル程度である。
【0051】[酸化反応]酸化反応は、酸素雰囲気下
で、基質を分子状酸素と接触させることにより行われ
る。
で、基質を分子状酸素と接触させることにより行われ
る。
【0052】酸素源としては、特に制限されず、純粋な
酸素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸
化炭素などの不活性ガスで希釈した酸素を使用してもよ
い。操作性及び安全性のみならず経済性などの点から、
空気を使用するのが好ましい。酸素の使用量は、基質の
種類に応じて選択でき、通常、基質1モルに対して、
0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1
〜100モル、さらに好ましくは2〜50モル程度であ
る。
酸素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸
化炭素などの不活性ガスで希釈した酸素を使用してもよ
い。操作性及び安全性のみならず経済性などの点から、
空気を使用するのが好ましい。酸素の使用量は、基質の
種類に応じて選択でき、通常、基質1モルに対して、
0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1
〜100モル、さらに好ましくは2〜50モル程度であ
る。
【0053】反応は、分子状酸素の存在下及び流通下の
いずれでも行うことができる。例えば、予め十分な分子
状酸素を反応装置内に供給した後、密閉系で行ってもよ
く、連続的に分子状酸素を流通させて行ってもよい。連
続的に流通させる場合、酸素の流通速度は、前記使用量
に対応した速度で供給できる。
いずれでも行うことができる。例えば、予め十分な分子
状酸素を反応装置内に供給した後、密閉系で行ってもよ
く、連続的に分子状酸素を流通させて行ってもよい。連
続的に流通させる場合、酸素の流通速度は、前記使用量
に対応した速度で供給できる。
【0054】反応は、溶媒の非存在下で行ってもよい
が、通常、反応に不活性な有機溶媒中で行われる。前記
有機溶媒としては、有機酸(酢酸、プロピオン酸な
ど)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリルなど)、アミド類(ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類
(ジメチルスルホキシドなど)、エステル類(酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、
トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサ
ン,シクロヘキサン,オクタン,シクロオクタンなど鎖
状又は環状炭化水素類)、ハロゲン化炭化水素(塩化メ
チレン、クロロホルム、ブロモホルム、クロロベンゼ
ン、ブロモベンゼンなど)、ニトロ化合物(ニトロメタ
ン、ニトロエタン、ニトロベンゼンなど)などが挙げら
れる。有機溶媒は、一種で又は二種以上組み合わせた混
合溶媒として用いてもよい。中でも、アセトニトリルな
どのニトリル類が好ましい。
が、通常、反応に不活性な有機溶媒中で行われる。前記
有機溶媒としては、有機酸(酢酸、プロピオン酸な
ど)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリルなど)、アミド類(ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類
(ジメチルスルホキシドなど)、エステル類(酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、
トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサ
ン,シクロヘキサン,オクタン,シクロオクタンなど鎖
状又は環状炭化水素類)、ハロゲン化炭化水素(塩化メ
チレン、クロロホルム、ブロモホルム、クロロベンゼ
ン、ブロモベンゼンなど)、ニトロ化合物(ニトロメタ
ン、ニトロエタン、ニトロベンゼンなど)などが挙げら
れる。有機溶媒は、一種で又は二種以上組み合わせた混
合溶媒として用いてもよい。中でも、アセトニトリルな
どのニトリル類が好ましい。
【0055】溶媒の割合は、特に制限されず、基質10
0重量部に対して、例えば、1〜20000重量部程度
の広い範囲から選択でき、好ましくは100〜2000
重量部程度である。反応混合物中の基質濃度は、特に制
限されず、例えば0.1〜50重量%、好ましくは0.
5〜30重量%、さらに好ましくは1〜15重量%程度
である。
0重量部に対して、例えば、1〜20000重量部程度
の広い範囲から選択でき、好ましくは100〜2000
重量部程度である。反応混合物中の基質濃度は、特に制
限されず、例えば0.1〜50重量%、好ましくは0.
5〜30重量%、さらに好ましくは1〜15重量%程度
である。
【0056】酸化反応は、通常、常圧又は加圧下で行う
ことができる。反応圧力は、例えば、1〜100atm
(例えば、1〜50atm)程度であってもよいが、非
加圧(常圧)下であっても円滑に反応を進行させること
ができる。
ことができる。反応圧力は、例えば、1〜100atm
(例えば、1〜50atm)程度であってもよいが、非
加圧(常圧)下であっても円滑に反応を進行させること
ができる。
【0057】また、反応は、適当な温度(例えば、反応
系の融点以上であって、沸点未満の温度)、例えば、0
〜200℃、好ましくは5〜100℃程度で行うことが
できる。本発明では、10〜80℃程度、特に、室温
(20〜30℃程度)〜80℃程度の比較的低温であっ
ても効率よく反応を進行させることができる。
系の融点以上であって、沸点未満の温度)、例えば、0
〜200℃、好ましくは5〜100℃程度で行うことが
できる。本発明では、10〜80℃程度、特に、室温
(20〜30℃程度)〜80℃程度の比較的低温であっ
ても効率よく反応を進行させることができる。
【0058】反応時間は特に制限されず、例えば、0.
1〜48時間、好ましくは0.1〜24時間、さらに好
ましくは0.5〜20時間程度である。
1〜48時間、好ましくは0.1〜24時間、さらに好
ましくは0.5〜20時間程度である。
【0059】酸化反応は、慣用の方法、例えば、連続
式、バッチ式、セミバッチ式などのいずれの方法によっ
ても行うことができる。
式、バッチ式、セミバッチ式などのいずれの方法によっ
ても行うことができる。
【0060】(エステル)本発明では、前記酸化反応に
より、環状ホルマール化合物から対応するエステル(環
状エステル、非環状エステル)が生成する。例えば、基
質として1,3−ジオキソランを用いると、特に非加圧
下(常圧下)において、1,3−ジオキソラン−2−オ
ン(エチレンカーボネート)及び1,3−ジオキソラン
−4−オンなどの環状エステル、エチレングリコールモ
ノギ酸エステルなどの非環状エステルが得られる。前記
1,3−ジオキソラン−2−オンやエチレングリコール
モノギ酸エステルは、1,3−ジオキソランの2位の炭
素原子の酸化により生成し、1,3−ジオキソラン−4
−オンは、4位の炭素原子の酸化により生成すると考え
られる。
より、環状ホルマール化合物から対応するエステル(環
状エステル、非環状エステル)が生成する。例えば、基
質として1,3−ジオキソランを用いると、特に非加圧
下(常圧下)において、1,3−ジオキソラン−2−オ
ン(エチレンカーボネート)及び1,3−ジオキソラン
−4−オンなどの環状エステル、エチレングリコールモ
ノギ酸エステルなどの非環状エステルが得られる。前記
1,3−ジオキソラン−2−オンやエチレングリコール
モノギ酸エステルは、1,3−ジオキソランの2位の炭
素原子の酸化により生成し、1,3−ジオキソラン−4
−オンは、4位の炭素原子の酸化により生成すると考え
られる。
【0061】いずれの生成物が得られるかは、触媒の種
類などの反応条件を適宜選択することにより、選択でき
る。以下に、基質として1,3−ジオキソランを用いた
場合を例に挙げて説明する。
類などの反応条件を適宜選択することにより、選択でき
る。以下に、基質として1,3−ジオキソランを用いた
場合を例に挙げて説明する。
【0062】(i)イミド化合物(1)を単独で用いた
反応系について 触媒としてイミド化合物(1)を単独で用いると、1,
3−ジオキソランの2位又は4位の炭素原子が酸化さ
れ、水素ラジカルの引き抜きにより、1,3−ジオキソ
ラン−2−オン又は1,3−ジオキソラン−4−オンが
生成する。また、2位の炭素原子が酸化された後、水素
ラジカルの付加が起こると、1,3−ジオキソランの1
位−2位の酸素−炭素結合が切断され、水素ラジカルの
付加が起こると、開環酸化体であるエチレングリコール
モノギ酸エステルが生成する。生成物の生成比は、溶媒
の有無、溶媒の種類などにも影響されるようである。例
えば、無溶媒で1,3−ジオキソランを酸化すると、
1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキソラ
ン−4−オン、エチレングリコールモノギ酸エステルが
生成する。また、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒
中で、1,3−ジオキソランを酸化すると、エチレング
リコールモノギ酸エステルの生成比を大幅に向上でき、
選択率100%に向上することもできる。
反応系について 触媒としてイミド化合物(1)を単独で用いると、1,
3−ジオキソランの2位又は4位の炭素原子が酸化さ
れ、水素ラジカルの引き抜きにより、1,3−ジオキソ
ラン−2−オン又は1,3−ジオキソラン−4−オンが
生成する。また、2位の炭素原子が酸化された後、水素
ラジカルの付加が起こると、1,3−ジオキソランの1
位−2位の酸素−炭素結合が切断され、水素ラジカルの
付加が起こると、開環酸化体であるエチレングリコール
モノギ酸エステルが生成する。生成物の生成比は、溶媒
の有無、溶媒の種類などにも影響されるようである。例
えば、無溶媒で1,3−ジオキソランを酸化すると、
1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキソラ
ン−4−オン、エチレングリコールモノギ酸エステルが
生成する。また、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒
中で、1,3−ジオキソランを酸化すると、エチレング
リコールモノギ酸エステルの生成比を大幅に向上でき、
選択率100%に向上することもできる。
【0063】(ii)金属化合物(2)を用いた反応系
について 金属化合物(2)を単独で用いた反応系、及びイミド化
合物(1)と金属化合物(2)との併用系においては、
1,3−ジオキソランの2位の炭素原子が酸化され、水
素ラジカルの引き抜きにより1,3−ジオキソラン−2
−オンが主として生成する。生成物の生成比は、金属化
合物、特に銅化合物の種類、溶媒の有無、溶媒の種類な
どにも影響される。
について 金属化合物(2)を単独で用いた反応系、及びイミド化
合物(1)と金属化合物(2)との併用系においては、
1,3−ジオキソランの2位の炭素原子が酸化され、水
素ラジカルの引き抜きにより1,3−ジオキソラン−2
−オンが主として生成する。生成物の生成比は、金属化
合物、特に銅化合物の種類、溶媒の有無、溶媒の種類な
どにも影響される。
【0064】なお、J. prakt. Chem. 336, 155-159 (19
94)及びCan. J. Chem. 71, 84 (1993)には、Fe,Co
などを含む金属化合物の存在下で1,3−ジオキソラン
を酸化し、1,3−ジオキソラン−2−オンやエチレン
グリコールモノギ酸エステルが得られることが開示され
ている。これらの文献では、金属化合物の存在下で、主
生成物として、1,3−ジオキソランの2位の炭素原子
が酸化されることにより得られる非環状エステル類が得
られている。また、特開2000−119225号公報
では、銅化合物などの金属化合物触媒の存在下、メチラ
ールなどの非環状アセタールを加圧下で酸化することに
より、炭酸ジメチルなどの対応する非環状炭酸ジエステ
ルが得られている。
94)及びCan. J. Chem. 71, 84 (1993)には、Fe,Co
などを含む金属化合物の存在下で1,3−ジオキソラン
を酸化し、1,3−ジオキソラン−2−オンやエチレン
グリコールモノギ酸エステルが得られることが開示され
ている。これらの文献では、金属化合物の存在下で、主
生成物として、1,3−ジオキソランの2位の炭素原子
が酸化されることにより得られる非環状エステル類が得
られている。また、特開2000−119225号公報
では、銅化合物などの金属化合物触媒の存在下、メチラ
ールなどの非環状アセタールを加圧下で酸化することに
より、炭酸ジメチルなどの対応する非環状炭酸ジエステ
ルが得られている。
【0065】本発明の方法により得られた種々のエステ
ル類は、慣用の分離精製手段、例えば、濾過、濃縮、蒸
留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムクロマトグラフ
ィーなどの分離精製手段やこれらを組み合わせた手段に
より分離精製できる。
ル類は、慣用の分離精製手段、例えば、濾過、濃縮、蒸
留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムクロマトグラフ
ィーなどの分離精製手段やこれらを組み合わせた手段に
より分離精製できる。
【0066】本発明の方法で得られたエステルは、有機
溶剤などの種々の用途に有用である。特に、1,3−ジ
オキソラン−2−オン(エチレンカーボネート)及び、
1,3−ジオキソラン−4−オンは、有機溶剤の他、リ
チウム電池の電解液質溶媒、生分解性ポリマーのモノマ
ーなどとして有用である。
溶剤などの種々の用途に有用である。特に、1,3−ジ
オキソラン−2−オン(エチレンカーボネート)及び、
1,3−ジオキソラン−4−オンは、有機溶剤の他、リ
チウム電池の電解液質溶媒、生分解性ポリマーのモノマ
ーなどとして有用である。
【0067】
【発明の効果】本発明では、イミド化合物、周期表第1
1族金属元素を含む金属化合物を触媒として用いて環状
ホルマール化合物を酸化するので、温和な条件で効率よ
くエチレンカーボネートなどのエステル類を製造でき
る。また、金属触媒が微量であっても温和な条件で環状
ホルマール化合物から対応する種々のエステルを製造で
きる。
1族金属元素を含む金属化合物を触媒として用いて環状
ホルマール化合物を酸化するので、温和な条件で効率よ
くエチレンカーボネートなどのエステル類を製造でき
る。また、金属触媒が微量であっても温和な条件で環状
ホルマール化合物から対応する種々のエステルを製造で
きる。
【0068】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0069】実施例1〜8及び比較例1〜2
1,3−ジオキソラン、触媒、及び必要により溶媒とし
てのアセトニトリルを、表1に示す割合で、フラスコに
仕込み、大気雰囲気下、表1に示す反応温度及び反応時
間で反応させた。得られた反応物を、GC/MSにより
分析し、基質の転化率及び生成物の収率を算出した。
てのアセトニトリルを、表1に示す割合で、フラスコに
仕込み、大気雰囲気下、表1に示す反応温度及び反応時
間で反応させた。得られた反応物を、GC/MSにより
分析し、基質の転化率及び生成物の収率を算出した。
【0070】比較例として、触媒を用いることなく反応
させる以外、実施例と同様に反応及び分析を行った。
させる以外、実施例と同様に反応及び分析を行った。
【0071】実施例及び比較例で得られた結果を反応条
件とともに表1に示す。なお、表1中、NHPIはN−
ヒドロキシフタルイミドを示し、ECはエチレンカーボ
ネートを示し、DO4Oは1,3−ジオキソラン−4−
オンを示し、EGMFはエチレングリコールモノギ酸エ
ステルを示す。
件とともに表1に示す。なお、表1中、NHPIはN−
ヒドロキシフタルイミドを示し、ECはエチレンカーボ
ネートを示し、DO4Oは1,3−ジオキソラン−4−
オンを示し、EGMFはエチレングリコールモノギ酸エ
ステルを示す。
【0072】
【表1】
【0073】実施例9
1,3−ジオキソラン300mg(4mmol)、N−
ヒドロキシフタルイミド13mg、酢酸銅Cu(OA
c)23.6mg、ピリジン1.6mg、アセトニトリ
ル10mlをフラスコに仕込み、大気雰囲気下、70℃
にて10時間反応させた。その後、反応物をGC/MS
により分析した結果、1,3−ジオキソランの転化率3
1%で、エチレンカーボネートを収率27%で、エチレ
ングリコールモノギ酸エステルを収率4%で得た。
ヒドロキシフタルイミド13mg、酢酸銅Cu(OA
c)23.6mg、ピリジン1.6mg、アセトニトリ
ル10mlをフラスコに仕込み、大気雰囲気下、70℃
にて10時間反応させた。その後、反応物をGC/MS
により分析した結果、1,3−ジオキソランの転化率3
1%で、エチレンカーボネートを収率27%で、エチレ
ングリコールモノギ酸エステルを収率4%で得た。
【0074】実施例10
1,3,5−トリオキサン370mg(4mmol)、
N−ヒドキシフタルイミド66mg、コバルトアセチル
アセトナトCo(acac)25.7mg、アセトニト
リル10mlをフラスコに仕込み、大気雰囲気下、80
℃にて20時間反応させた。その後、反応物をGC/M
Sにより分析した結果、1,3,5−トリオキサンの転
化率12%で、メチレングリコールモノギ酸エステルを
収率12%で得た。
N−ヒドキシフタルイミド66mg、コバルトアセチル
アセトナトCo(acac)25.7mg、アセトニト
リル10mlをフラスコに仕込み、大気雰囲気下、80
℃にて20時間反応させた。その後、反応物をGC/M
Sにより分析した結果、1,3,5−トリオキサンの転
化率12%で、メチレングリコールモノギ酸エステルを
収率12%で得た。
Claims (8)
- 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、Xは酸素原子、ヒドロキシル基、アシルオキシ
基又はアリールカルボニルオキシ基を示す)で表される
イミド単位を有するイミド化合物(1)及び周期表第1
1族金属元素を含む金属化合物(2)から選択された少
なくとも一種の存在下、環状ホルマール化合物を分子状
酸素と接触させ、対応するエステルを生成させるエステ
ルの製造方法。 - 【請求項2】 環状ホルマール化合物が5員又は6員環
状ホルマール化合物である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 環状ホルマール化合物が、1,3−ジオ
キソラン又は1,3,5−トリオキサンである請求項1
記載の製造方法。 - 【請求項4】 さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、周期表第3〜10族金属、及び周期表第12〜15
族金属から選択された少なくとも一種の金属元素を含む
第2の金属化合物の共存下で、環状ホルマール化合物を
分子状酸素と接触させる請求項1記載の製造方法。 - 【請求項5】 金属化合物(2)が銅化合物である請求
項1記載の製造方法。 - 【請求項6】 反応系に塩基性窒素化合物を共存させる
請求項5記載の製造方法。 - 【請求項7】 常圧下、環状ホルマール化合物として
1,3−ジオキソランを用い、1,3−ジオキソラン−
2−オン、1,3−ジオキソラン−4−オン及びエチレ
ングリコールモノギ酸エステルから選択された少なくと
も一種のエステルを生成させる請求項1記載の製造方
法。 - 【請求項8】 イミド化合物及び第2の金属化合物の存
在下、環状ホルマール化合物として、1,3,5−トリ
オキサンを用い、常圧下、メチレングリコールモノギ酸
エステルを生成させる請求項4記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001386644A JP2003183272A (ja) | 2001-12-19 | 2001-12-19 | エステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001386644A JP2003183272A (ja) | 2001-12-19 | 2001-12-19 | エステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003183272A true JP2003183272A (ja) | 2003-07-03 |
Family
ID=27595740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001386644A Pending JP2003183272A (ja) | 2001-12-19 | 2001-12-19 | エステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003183272A (ja) |
-
2001
- 2001-12-19 JP JP2001386644A patent/JP2003183272A/ja active Pending
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