JPH11302211A - アダマンタノール誘導体及びその製造法 - Google Patents

アダマンタノール誘導体及びその製造法

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JPH11302211A
JPH11302211A JP12829798A JP12829798A JPH11302211A JP H11302211 A JPH11302211 A JP H11302211A JP 12829798 A JP12829798 A JP 12829798A JP 12829798 A JP12829798 A JP 12829798A JP H11302211 A JPH11302211 A JP H11302211A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アダマンタン環を構成する橋頭位以外の同一
の炭素原子にヒドロキシル基及び炭化水素基が結合し、
且つアダマンタン環を構成する他の炭素原子にヒドロキ
シル基又はカルボキシル基が結合している新規なアダマ
ンタノール誘導体を得る。 【解決手段】 アダマンタノール誘導体は、下記式
(1)で表される。式中、Ra、Rb、Rc、Rd、R
yは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル
基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル
基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で
保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基などを
示し、Rxは炭化水素基を示す。Ra、Rb、Rc、Rd
びRyのうち少なくとも1つは保護基で保護されていて
もよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよい
カルボキシル基又はアルキル基である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂などの
機能性高分子のモノマー又はその原料などとして有用な
新規なアダマンタノール誘導体、及びその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】環にヒドロキシル基が結合した脂環式化
合物は、レジスト用樹脂のモノマー又はその原料、及び
医薬品中間体等として利用されている。しかし、アダマ
ンタン環を構成する橋頭位以外の同一炭素原子にヒドロ
キシル基及び炭化水素基が結合し、且つアダマンタン環
を構成する他の炭素原子にヒドロキシル基、カルボキシ
ル基又はアルキル基が結合しているアダマンタノール誘
導体、およびその製造法は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、アダマンタン環を構成する橋頭位以外の同一炭素原
子にヒドロキシル基及び炭化水素基が結合し、且つアダ
マンタン環を構成する他の炭素原子にヒドロキシル基、
カルボキシル基又はアルキル基が結合しているアダマン
タノール誘導体と、その製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、アダマンタン環にヒ
ドロキシル基、カルボキシル基又はアルキル基が結合し
たアダマンタノン誘導体に、炭化水素基を有する有機金
属化合物を作用させると、対応する新規なアダマンタノ
ール誘導体が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
【0005】すなわち、本発明は、下記式(1)
【化4】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護され
ていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていて
もよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていても
よいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキ
シル基又はニトロ基を示し、Rxは炭化水素基を示す。
yは、アダマンタン骨格を構成する炭素原子のうち橋
頭位及びRx結合位以外の炭素原子に結合している基で
あり、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、保護基で
保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護さ
れていてもよいヒドロキシメチル基、保護基で保護され
ていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよい
カルボキシル基、ニトロ基又はオキソ基を示す。Ra
b、Rc、Rd及びRyのうち少なくとも1つは保護基で
保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護さ
れていてもよいカルボキシル基又はアルキル基である)
で表されるアダマンタノール誘導体を提供する。
【0006】また、本発明は、下記式(2)
【化5】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護され
ていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていて
もよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていても
よいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキ
シル基又はニトロ基を示す。Ryは、アダマンタン骨格
を構成する炭素原子のうち橋頭位及び式中に示すオキソ
基結合位以外の炭素原子に結合している基であり、水素
原子、ハロゲン原子、炭化水素基、保護基で保護されて
いてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていても
よいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていてもよ
いアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシ
ル基、ニトロ基又はオキソ基を示す。Ra、Rb、Rc
d及びRyのうち少なくとも1つは保護基で保護されて
いてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていても
よいカルボキシル基又はアルキル基である)で表される
アダマンタノン誘導体と、下記式(3) Rx−M (3) [式中、Rxは炭化水素基を示し、Mは配位子を有して
いてもよい金属原子、又は下記式(4) −MgY (4) (式中、Yはハロゲン原子を示す)で表される基を示
す]で表される化合物とを反応させて、前記式(1)で
表される化合物を得るアダマンタノール誘導体の製造法
を提供する。
【0007】なお、本明細書において、「保護基で保護
された基」とは、被保護基(遊離の官能基)から誘導可
能で且つ前記被保護基の主要部を含む基を意味する。
【0008】
【発明の実施の形態】[アダマンタノール誘導体]前記
式(1)中、Ra、Rb、Rc、Rd、Ryにおけるハロゲ
ン原子には、フッ素、塩素、臭素原子などが含まれる。
また、アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基などの
炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6、さらに好ま
しくは炭素数1〜4程度のアルキル基が含まれる。特に
好ましいアルキル基として、メチル基およびエチル基、
とりわけメチル基が挙げられる。
【0009】ヒドロキシル基およびヒドロキシメチル基
の保護基としては、慣用の保護基、例えば、アルキル基
(例えば、メチル基、t−ブチル基などのC1-4アルキ
ル基など)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、
2,4−ジニトロフェニル基など)、アラルキル基(例
えば、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、トリフェ
ニルメチル基など)、テトラヒドロピラニル基、アシル
基(例えば、アセチル、プロピオニル、ピバロイル基な
どのC2-6脂肪族アシル基、ベンゾイル基などの芳香族
アシル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル基などのC1-4
アルコキシ−カルボニル基など)、アラルキルオキシカ
ルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基な
ど)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例え
ば、カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカル
バモイル基など)、ジアルキルホスフィノチオイル基、
ジアリールホスフィノチオイル基など、及び、分子内に
ヒドロキシル基(ヒドロキシメチル基を含む)が2以上
存在するときには、置換基を有していてもよい2価の炭
化水素基(メチレン、エチリデン、イソプロピリデン、
シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、ベンジリデ
ン基など)などが例示できる。好ましいヒドロキシル基
の保護基には、C1-4アルキル基、C2-6脂肪族アシル
基、芳香族アシル基、C1-4アルコキシ−カルボニル
基、置換基を有していてもよいカルバモイル基などが含
まれる。
【0010】アミノ基の保護基としては、前記ヒドロキ
シル基の保護基として例示したアルキル基、アラルキル
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオ
キシカルボニル基、ジアルキルホソフィノチオイル基、
ジアリールホスフィノチオイル基などが挙げられる。好
ましいアミノ基の保護基には、C1-4アルキル基、C2-6
脂肪族アシル基、芳香族アシル基、C1-4アルコキシ−
カルボニル基などが含まれる。
【0011】カルボキシル基の保護基としては、例え
ば、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブト
キシなどのC1-6アルコキシ基など)、シクロアルキル
オキシ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基な
ど)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基
など)、トリアルキリシリルオキシ基(例えば、トリメ
チルシリルオキシ基など)、置換基を有していてもよい
アミノ基(例えば、アミノ基;メチルアミノ基、ジメチ
ルアミノ基などのモノ又はジC1-6アルキルアミノ基な
ど)、ヒドラジノ基、アルコキシカルボニルヒドラジノ
基、アラルキルオキシカルボニルヒドラジノ基などが含
まれる。好ましいカルボキシル基の保護基としては、C
1-6アルコキシ基(特に、C1-4アルコキシ基)、モノ又
はジC1-6アルキルアミノ基(特に、モノ又はジC1-4
ルキルアミノ基)などが挙げられる。
【0012】Rx、Ryにおける炭化水素基としては、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ヘキシ
ル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、1−エチルブ
チル、1−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、1−
プロピルブチル、オクチル、イソオクチル、1−メチル
ヘプチル、1−エチルヘキシル、1−プロピルペンチ
ル、ノニル、イソノニル、1−メチルオクチル、デシ
ル、1−メチルノニル、テトラデシル、ヘキサデシル、
オクタデシル、アリル、プロピニル基などの炭素数1〜
20(好ましくは1〜10、特に1〜6)程度の直鎖状
又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケ
ニル基及びアルキニル基);シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへキセ
ニル、シクロオクチル基などの3〜8員程度の脂環式炭
化水素基(シクロアルキル基及びシクロアルケニル
基);フェニル、ナフチル基などの炭素数6〜14程度
の芳香族炭化水素基(アリール基)などが挙げられる。
これらの炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
【0013】好ましいRxには、炭素数1〜10(特に
1〜6)程度のアルキル基、3〜8員シクロアルキル基
などが含まれる。なかでも、Rxとして、隣接する炭素
原子(アダマンタン環を構成する炭素原子)との結合部
位にメチン炭素原子を有する炭化水素基(例えば、イソ
プロピル、s−ブチル、1−メチルブチル、1−エチル
プロピル基などの、隣接する炭素原子との結合部位にメ
チン炭素原子を有する炭素数3〜10(特に3〜6)程
度のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル基などの3〜8員シクロア
ルキル基など)等が好ましい。
【0014】本発明のアダマンタノール誘導体では、前
記Ra、Rb、Rc、Rd及びRyのうち少なくとも1つは
保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基
で保護されていてもよいカルボキシル基又はアルキル基
である。本発明の1つの態様では、前記Ra、Rb、Rc
及びRdのうち少なくとも1つが保護基で保護されてい
てもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよ
いカルボキシル基又はアルキル基である。なお、同一分
子内に、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル
基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基及び
アルキル基から選択された2以上の異なる置換基を有し
ていてもよい。
【0015】式(1)で表される化合物の代表的な例と
して、4−メチル−1,4−アダマンタンジオール、2
−メチル−1,2−アダマンタンジオール、4−エチル
−1,4−アダマンタンジオール、4−プロピル−1,
4−アダマンタンジオール、4−イソプロピル−1,4
−アダマンタンジオール、2−イソプロピル−1,2−
アダマンタンジオール、4−ブチル−1,4−アダマン
タンジオール、4−イソブチル−1,4−アダマンタン
ジオール、4−s−ブチル−1,4−アダマンタンジオ
ール、4−t−ブチル−1,4−アダマンタンジオー
ル、4−ペンチル−1,4−アダマンタンジオール、4
−イソペンチル−1,4−アダマンタンジオール、4−
(1−メチルブチル)−1,4−アダマンタンジオー
ル、4−(1−エチルプロピル)−1,4−アダマンタ
ンジオール、4−ヘキシル−1,4−アダマンタンジオ
ール、4−(1−メチルペンチル)−1,4−アダマン
タンジオール、4−(1−エチルブチル)−1,4−ア
ダマンタンジオール、4−イソヘキシル−1,4−アダ
マンタンジオール、4−シクロプロピル−1,4−アダ
マンタンジオール、4−シクロペンチル−1,4−アダ
マンタンジオール、4−シクロヘキシル−1,4−アダ
マンタンジオール、4−フェニル−1,4−アダマンタ
ンジオール、1−カルボキシ−2−メチル−2−アダマ
ンタノール、1−カルボキシ−2−イソプロピル−2−
アダマンタノール、5−カルボキシ−2−メチル−2−
アダマンタノール、5−カルボキシ−2−イソプロピル
−2−アダマンタノール、8−ブロモ−4−イソプロピ
ル−1,4−アダマンタンジオール、2−イソプロピル
−5−メチル−1,2−アダマンタンジオール、4−イ
ソプロピル−5−メチル−1,4−アダマンタンジオー
ル、2−イソプロピル−2,4−アダマンタンジオー
ル、2−イソプロピル−2,6−アダマンタンジオー
ル、2,4−ジイソプロピル−2,4−アダマンタンジ
オール、2,6−ジイソプロピル−2,6−アダマンタ
ンジオール、5−ヒドロキシメチル−4−イソプロピル
−1,4−アダマンタンジオール、4−イソプロピル−
3−ニトロ−1,4−アダマンタンジオール、1,2,
3−トリメチル−2−アダマンタノール、2,5,7−
トリメチル−2−アダマンタノール、2−エチル−1,
3−ジメチル−2−アダマンタノール、2−エチル−
1,5−ジメチル−2−アダマンタノール、2−エチル
−5,7−ジメチル−2−アダマンタノール、2−イソ
プロピル−1,3−ジメチル−2−アダマンタノール、
2−イソプロピル−1,5−ジメチル−2−アダマンタ
ノール、2−イソプロピル−5,7−ジメチル−2−ア
ダマンタノール、1,2,3−トリメチル−2,5−ア
ダマンタンジオール、1,2,7−トリメチル−2,5
−アダマンタンジオール、2,3,7−トリメチル−
2,5−アダマンタンジオール、2−エチル−1,3−
ジメチル−2,5−アダマンタンジオール、2−エチル
−1,7−ジメチル−2,5−アダマンタンジオール、
2−エチル−3,7−ジメチル−2,5−アダマンタン
ジオール、2−イソプロピル−1,3−ジメチル−2,
5−アダマンタンジオール、2−イソプロピル−1,7
−ジメチル−2,5−アダマンタンジオール、2−イソ
プロピル−3,7−ジメチル−2,5−アダマンタンジ
オールなどが挙げられる。
【0016】本発明のの式(1)で表されるアダマンタ
ノール誘導体は、アダマンタン環に少なくとも1つのヒ
ドロキシル基を有しているため、例えば、カルボン酸の
エステル体に誘導した場合、それ自体はアルカリ不溶性
であるが、酸によって容易に分解し、アルカリ可溶性を
示すカルボン酸を生成させる。このため、レジスト用樹
脂、例えばアクリル系のレジスト用樹脂の単量体原料と
しての利用が期待できる。また、本発明のアダマンタノ
ール誘導体のうち、アダマンタン環に少なくとも2つの
ヒドロキシル基、または少なくともヒドロキシル基とカ
ルボキシル基とを有している化合物は、例えばエステル
結合を形成することによりポリエステルなどの樹脂に誘
導できる。このような樹脂もまた、酸により容易に分解
してアルカリ可溶性のカルボン酸を生成させるため、レ
ジスト用樹脂としての利用が期待できる。特に、ヒドロ
キシル基と同一の炭素原子に結合している炭化水素基
(Rx)が、前記炭素原子と隣接する位置にメチン炭素
原子を有する場合には、酸により極めて容易に分解する
ため、例えば光酸発生剤と組み合わせることにより、高
感度の感光性樹脂として利用できる。また、本発明のア
ダマンタノール誘導体は、医薬品などの中間体等として
の利用も期待される。
【0017】本発明の式(1)で表されるアダマンタン
誘導体において、Ra、Rb、Rc、Rd及びRy(以下、
a等という)のうち少なくとも1つがアルキル基であ
る化合物、特に、Ra等のうち2以上がメチル基などの
アルキル基である化合物は、Ra等のすべてが水素原子
である化合物と比較し、以下の点で有利である。すなわ
ち、前者の化合物は、溶剤に対する溶解性が後者の化合
物に比べて高いため、取扱性に優れる。また、対応する
式(2)で表される原料化合物から式(1)で表される
アダマンタン誘導体を製造する際、Ra等のすべてが水
素原子である化合物の原料は、通常昇華性を有するた
め、反応操作が煩雑となるのに対し、Ra等のうち少な
くとも1つがアルキル基である化合物の原料は、通常液
体であって、昇華性を示さない。そのため、操作性よく
製造することができる。さらに、Ra等のうち少なくと
も1つがアルキル基である化合物は、Ra等のすべてが
水素原子である化合物と比較して、反応部位が少ないた
め、中間原料として種々の誘導体に誘導する場合、副生
物が少なく、反応の選択性が高い。
【0018】[アダマンタノール誘導体の製造法]本発
明の製造法において、式(2)中、Ra、Rb、Rc
d、Ryにおけるハロゲン原子、アルキル基又は炭化水
素基、ヒドロキシル基の保護基、ヒドロキシメチル基の
保護基、アミノ基の保護基、カルボキシル基の保護基と
しては、前記と同様の置換基等が挙げられる。
【0019】前記式(2)で表されるアダマンタノン誘
導体の代表的な例として、例えば、5−ヒドロキシ−2
−アダマンタノン、1−ヒドロキシ−2−アダマンタノ
ン、1−カルボキシ−2−アダマンタノン、5−カルボ
キシ−2−アダマンタノン、6−ブロモ−5−ヒドロキ
シ−2−アダマンタノン、1−ヒドロキシ−5−メチル
−2−アダマンタノン、5−ヒドロキシ−1−メチル−
2−アダマンタノン、4−ヒドロキシ−2−アダマンタ
ノン、6−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、2,4−
アダマンタンジオン、2,6−アダマンタンジオン、5
−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−2−アダマンタ
ノン、5−ヒドロキシ−3−ニトロ−2−アダマンタノ
ン、1,3−ジメチル−2−アダマンタノン、1,5−
ジメチル−2−アダマンタノン、5,7−ジメチル−2
−アダマンタノン、5−ヒドロキシ−1,3−ジメチル
−2−アダマンタノン、5−ヒドロキシ−1,7−ジメ
チル−2−アダマンタノン、5−ヒドロキシ−3,7−
ジメチル−2−アダマンタノンなどが挙げられる。
【0020】前記式(3)中、Rxにおける炭化水素基
としては、前記と同様の基が挙げられる。また、Mにお
ける金属原子としては、例えば、リチウムなどのアルカ
リ金属原子などが例示できる。式(4)において、Yで
示されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素原
子が挙げられる。
【0021】式(3)で表される化合物の使用量は、式
(2)で表されるアダマンタノン誘導体1モルに対し
て、例えば0.7〜3モル、好ましくは0.9〜1.5
モル程度である。
【0022】本発明の方法は、通常、有機溶媒中で行わ
れる。有機溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば
よく、例えば、エチルエーテル、1,2−ジメトキシエ
タン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ヘプタ
ン、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素などが挙
げられる。
【0023】反応温度は、反応成分の種類などにより適
宜設定できる。例えば、式(3)で表される化合物にお
いて、Mが金属原子(例えば、リチウム)の場合には、
反応温度は、例えば−100℃〜20℃程度である。ま
た、式(3)の化合物として、前記Mが式(4)で表さ
れる基を示す化合物を用いる場合には、反応温度は、例
えば0〜150℃程度、好ましくは20〜100℃程度
である。
【0024】反応は、回分式、半回分式、連続式などの
慣用の方法により行うことができる。反応終了後、通
常、酸(例えば、塩酸など)又は塩(例えば、塩化アン
モニウムなど)を含む水溶液を添加してクエンチし、必
要に応じて、液性を調節し、濾過、濃縮、抽出、蒸留、
晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの慣用の
分離精製手段に付すことにより、目的反応生成物を得る
ことができる。
【0025】なお、式(3)で表される化合物は、有機
金属試薬を調製する際に用いる慣用の方法により得るこ
とができる。例えば、式(3)において、Mが式(4)
で表される基を示す化合物は、いわゆるGrignar
d試薬を得る慣用の方法を適用することにより調製でき
る。より具体的には、例えば、マグネシウム金属と、下
記式(5) Rx−Y (5) (式中、Rx、Yは前記に同じ)で表される化合物の一
部と、有機溶媒とを含む混合液に、少量のヨウ素や臭化
エチルなどの反応促進剤を添加して反応を開始させた
後、式(5)で表される化合物の残余を添加して反応を
継続させることにより調製できる。有機溶媒としては、
前記本発明の方法に用いられる溶媒を使用できる。マグ
ネシウム金属の使用量は、式(5)で表される化合物1
モルに対して、例えば1〜1.5モル程度であり、反応
温度は、例えば0〜100℃程度である。このようにし
て得られた式(3)で表される化合物は、単離すること
なく本発明の方法に使用できる。
【0026】本発明の方法によれば、前記新規なアダマ
ンタノール誘導体を簡易な操作により良好な収率で製造
できる。なお、式(2)で表されるアダマンタン誘導体
において、分子内に複数のオキソ基で置換された炭素原
子を有する場合には、反応条件を選択することにより
(例えば、式(3)で表される化合物の使用量を増大さ
せることにより)、ヒドロキシル基とRx基とが結合し
た炭素原子を複数個有するアダマンタノール誘導体を得
ることができる。
【0027】[式(2)で表されるアダマンタノン誘導
体の調製]本発明の方法において原料として用いる式
(2)で表されるアダマンタノン誘導体は、アダマンタ
ン環を構成するメチレン炭素原子にオキソ基を導入する
ことにより調製できる。例えば、式(2)において、R
aが水素原子又はヒドロキシル基である化合物、すなわ
ち、下記式(2-1)
【化6】 (式中、Ra1は、水素原子又はヒドロキシル基を示す。
b、Rc、Rd、Ryは前記に同じ。Ra1、Rb、Rc、R
d及びRyのうち、少なくとも1つは保護基で保護されて
いてもよいヒドロキシル基又は保護基で保護されていて
もよいカルボキシル基である)で表される化合物は、下
記式(6)
【化7】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、または芳香族性又は
非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒ
ドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表さ
れるイミド化合物と、強酸とで構成される触媒の存在
下、下記式(7)
【化8】 (式中、Rb、Rc、Rd、Ryは前記に同じ)で表される
化合物を酸素と反応させることにより得ることができ
る。なお、式(2-1)において、アダマンタン環に少な
くとも1つの保護されていてもよいカルボキシル基が結
合した化合物を得る際には、前記式(7)の化合物とし
て、Rb、Rc、Rd及びRyのうち少なくとも1つが保護
されていてもよいカルボキシル基である化合物を用い
る。一方、式(2-1)において、アダマンタン環に少な
くとも1つの保護されていてもよいヒドロキシル基が結
合した化合物を得る際には、反応によりヒドロキシル基
を導入できるので、必ずしも、式(7)において、
b、Rc、Rd及びRyのうち少なくとも1つが保護され
ていてもよいヒドロキシル基である必要はない。
【0028】前記式(6)で表されるイミド化合物にお
いて、置換基R1及びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ
素、臭素、塩素およびフッ素が含まれる。アルキル基に
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘ
キシル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又
は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基
としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜
4程度の低級アルキル基が挙げられる。
【0029】アリール基には、フェニル、ナフチル基な
どが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、
シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、
例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜
10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素数1
〜4程度の低級アルコキシ基が含まれる。
【0030】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカル
ボニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ
部分の炭素数が1〜10程度のアルコキシカルボニル基
が含まれる。好ましいカルボニル基にはアルコキシ部分
の炭素数が1〜6程度、特に1〜4程度の低級アルコキ
シカルボニル基が含まれる。アシル基としては、例え
ば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル基な
どの炭素数1〜6程度のアシル基が例示できる。
【0031】前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっ
ていてもよい。また、前記式(6)において、R1及び
2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は
非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又
は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度
であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化
水素環である場合が多い。このような環には、例えば、
非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を
有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環
などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環な
ど)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの
置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、
ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していても
よい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、
芳香族環で構成される場合が多い。前記環は、アルキル
基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、
ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置
換基を有していていもよい。
【0032】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【化9】 (式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ア
ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。
1、R2およびnは前記に同じ) 置換基R3〜R6において、アルキル基には、前記例示の
アルキル基と同様のアルキル基、特に炭素数1〜6程度
のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基には、トリフル
オロメチル基などの炭素数1〜4程度のハロアルキル
基、アルコキシ基には、前記と同様のアルコキシ基、特
に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、アルコキシカ
ルボニル基には、前記と同様のアルコキシカルボニル
基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程度の低級ア
ルコキシカルボニル基が含まれる。また、アシル基とし
ては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1〜6程度の
アシル基が例示され、ハロゲン原子としては、フッ素、
塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3〜R6は、通
常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級アルキル基、カ
ルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子である場合が多
い。R3〜R6が互いに結合して形成する環としては、前
記R1及びR2が互いに結合して形成する環と同様であ
り、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環が好ま
しい。
【0033】前記式(6)において、Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示し、窒素原子NとXとの結合は単結
合又は二重結合である。nは、通常、1〜3程度、好ま
しくは1又は2である。式(6)で表されるイミド化合
物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0034】前記式(6)で表されるイミド化合物に対
応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレ
イン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水
物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、
1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,
2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カ
ルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水
ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カル
ボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水フ
タル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水
フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメット酸、メ
チルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメ
リット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸
無水物が含まれる。
【0035】好ましいイミド化合物としては、例えば、
N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイ
ン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミ
ド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカル
ボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒ
ドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシ
テトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸
イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒド
ロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ
ピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタ
レンテトラカルボン酸イミドなどが挙げられる。特に好
ましい化合物は、脂環式多価カルボン酸無水物又は芳香
族多価カルボン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン
酸無水物から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、
例えば、N−ヒドロキシフタル酸イミドなどが含まれ
る。
【0036】前記イミド化合物は、慣用のイミド化反
応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンN
2OHとを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経
てイミド化する方法により調製できる。
【0037】式(6)で表されるイミド化合物の使用量
は、広い範囲で選択でき、例えば、式(7)で表される
化合物1モルに対して0.0001〜1モル、好ましく
は0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.01
〜0.3モル程度である。
【0038】前記強酸には、例えばpKa2以下(25
℃)の化合物が含まれる。強酸のpKaは、好ましくは
−15〜2程度、さらに好ましくは−10〜0程度であ
る。強酸としては、例えば、ハロゲン化水素(フッ化水
素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素)、ハロゲン化水
素酸(フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素
酸)、オキソ酸(硫酸、硝酸、リン酸、クロム酸などの
金属酸、塩素酸などのハロゲン酸など)、超強酸(Cl
SO3H、H2SO4−SO3、FSO3H、FSO3H−S
3、FSO3H−SbF5、HF−SbF5など)、ヘテ
ロポリ酸(ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リ
ンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンバナドモリ
ブデン酸、リンバナドタングステン酸など)、スルホン
酸類(メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸など)等が挙げられる。好ましい強
酸には、無機酸、例えば、ハロゲン化水素、ハロゲン化
水素酸、硫酸、ヘテロポリ酸などが含まれる。強酸は単
独で又は2種以上混合して使用できる。
【0039】強酸の使用量は、式(7)で表される化合
物1モルに対して、例えば0.00001〜1モル、好
ましくは0.0005〜0.7モル、さらに好ましくは
0.005〜0.5モル程度である。なお、強酸の使用
量が多すぎると、酸化反応自体が阻害される場合があ
る。
【0040】前記方法において、触媒は、前記イミド化
合物と強酸と助触媒とで構成してもよい。助触媒とし
て、金属化合物が挙げられる。金属化合物を構成する金
属元素としては、特に限定されないが、周期表2〜15
族の金属元素を用いる場合が多い。なお、本明細書で
は、ホウ素Bも金属元素に含まれるものとする。例え
ば、前記金属元素として、周期表2族元素(Mg、C
a、Sr、Baなど)、3族元素(Sc、ランタノイド
元素、アクチノイド元素など)、4族元素(Ti、Z
r、Hfなど)、5族元素(Vなど)、6族元素(C
r、Mo、Wなど)、7族元素(Mnなど)、8族元素
(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、Rhなど)、1
0族元素(Ni、Pd、Ptなど)、11族元素(Cu
など)、12族元素(Znなど)、13族元素(B、A
l、Inなど)、14族元素(Sn、Pbなど)、15
族元素(Sb、Biなど)などが挙げられる。好ましい
金属元素には、遷移金属元素(周期表3〜12族元素)
が含まれる。なかでも、周期表5〜11族元素、特に5
族〜9族元素が好ましく、とりわけV、Mo、Mn、C
oなどが好ましい。金属元素の原子価は特に制限され
ず、例えば0〜6価程度である。
【0041】金属化合物としては、前記金属元素の単
体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロゲン
化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オキソ
酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、
炭酸塩など)、イソポリ酸の塩、ヘテロポリ酸の塩など
の無機化合物;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン
酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩など)、
錯体などの有機化合物が挙げられる。前記錯体を構成す
る配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコキシ
(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)、
アシル(アセチル、プロピオニルなど)、アルコキシカ
ルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルな
ど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル基、
ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、酸素原
子、H2O(アコ)、ホスフィン(トリフェニルホスフ
ィンなどのトリアリールホスフィンなど)のリン化合
物、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO
3(ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合
物などが挙げられる。
【0042】金属化合物の具体例としては、例えば、コ
バルト化合物を例にとると、水酸化コバルト、酸化コバ
ルト、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、硫
酸コバルト、リン酸コバルトなどの無機化合物;酢酸コ
バルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトな
どの有機酸塩;コバルトアセチルアセトナトなどの錯体
等の2価又は3価のコバルト化合物などが挙げられる。
また、バナジウム化合物の例としては、水酸化バナジウ
ム、酸化バナジウム、塩化バナジウム、塩化バナジル、
硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジン酸ナトリウム
などの無機化合物;バナジウムアセチルアセトナト、バ
ナジルアセチルアセトナトなどの錯体等の2〜5価のバ
ナジウム化合物などが挙げられる。他の金属元素の化合
物としては、前記コバルト又はバナジウム化合物に対応
する化合物などが例示される。金属化合物は単独で又は
2種以上組み合わせて使用できる。
【0043】前記金属化合物の使用量は、例えば、前記
式(7)で表される化合物1モルに対して0.0001
〜1モル、好ましくは0.0001〜0.7モル、さら
に好ましくは0.001〜0.5モル程度である。ま
た、金属化合物の前記イミド化合物に対する割合は、例
えば0.001〜0.1モル倍、好ましくは0.005
〜0.08モル倍程度である。
【0044】酸素は、分子状酸素、活性酸素の何れであ
ってもよい。分子状酸素は、特に制限されず、純粋な酸
素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化
炭素などの不活性ガスで希釈した酸素や空気を使用して
もよい。酸素として分子状酸素を用いる場合が多い。
【0045】酸素の使用量は、通常、式(7)で表され
る化合物1モルに対して、0.5モル以上(例えば、1
モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好まし
くは2〜50モル程度である。式(7)の化合物に対し
て過剰モルの分子状酸素を使用する場合が多い。
【0046】反応は、通常、有機溶媒中で行われる。有
機溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸などの有
機酸;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニト
リルなどのニトリル類;ホルムアミド、アセトアミド、
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミ
ドなどのアミド類;t−ブタノール、t−アミルアルコ
ールなどのアルコール類;ヘキサン、オクタンなどの脂
肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水
素;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベン
ゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロベンゼン、ニト
ロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合物;酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類;及びこれら
の混合溶媒などが挙げられる。溶媒としては、酢酸など
の有機酸、ベンゾニトリルなどのニトリル類、トリフル
オロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素等を用い
る場合が多い。
【0047】反応系のpHは、例えば0.01〜3、好
ましくは0.1〜3程度である。反応温度は、反応成分
の種類などに応じて適当に選択でき、例えば、0〜30
0℃、好ましくは30〜250℃、さらに好ましくは4
0〜200℃程度であり、通常、50〜150℃程度で
反応する場合が多い。反応は、常圧または加圧下で行う
ことができ、加圧下で反応させる場合には、通常、1〜
100atm(例えば、1.5〜80atm)、好まし
くは2〜70atm程度である。反応時間は、反応温度
及び圧力に応じて、例えば、30分〜48時間程度の範
囲から適当に選択できる。
【0048】反応は、酸素の存在下又は酸素の流通下、
回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行う
ことができる。反応終了後、反応生成物は、慣用の方
法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、
カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを
組み合わせた分離手段により容易に分離精製できる。
【0049】上記の方法により、アダマンタン環を構成
するメチレン炭素原子に容易にオキソ基を導入できる。
なお、反応条件を選択することにより、Raが水素原子
である化合物又はヒドロキシル基である化合物を得るこ
とができる。例えば、反応温度、反応時間、触媒量など
が小さい場合には前者の化合物が、逆に大きい値をとる
場合には後者の化合物を主生成物として得ることができ
る。また、式(7)において、Rb、Rc又はRdが水素
原子である場合には、反応条件を選択することにより、
前記水素原子をヒドロキシル基に変換できる。
【0050】また、式(2)において、Raが水素原子
である化合物、すなわち、下記式(2-2)
【化10】 (式中、Rb、Rc、Rd、Ryは前記に同じ。Rb、Rc
d及びRyのうち、少なくとも1つは保護基で保護され
ていてもよいヒドロキシル基又は保護基で保護されてい
てもよいカルボキシル基である)で表される化合物は、
下記式(8)
【化11】 (式中、Rb、Rc、Rd、Ryは前記に同じ。Rb、Rc
d及びRyのうち、少なくとも1つは保護基で保護され
ていてもよいヒドロキシル基又は保護基で保護されてい
てもよいカルボキシル基である)で表される化合物を、
強酸の存在下、酸素と反応させることにより得ることが
できる。
【0051】前記強酸としては、前記式(7)で表され
る化合物から式(2-1)で表される化合物を得る際に用
いられる強酸と同様のものを使用できる。好ましい強酸
には、例えば、ハロゲン化水素、ハロゲン化水素酸、硫
酸、ヘテロポリ酸などが含まれる。特に、硫酸などが好
ましい。強酸は単独で又は2種以上混合して使用でき
る。強酸は、通常、式(8)で表される化合物に対して
過剰量(例えば、10モル倍以上)用いられる。
【0052】酸素は、分子状酸素、活性酸素の何れであ
ってもよい。分子状酸素は、特に制限されず、純粋な酸
素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化
炭素などの不活性ガスで希釈した酸素や空気を使用して
もよい。酸素として分子状酸素を用いる場合が多い。酸
素の使用量は、通常、式(7)で表される化合物1モル
に対して、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好
ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モ
ル程度である。式(7)の化合物に対して過剰モルの分
子状酸素を使用する場合が多い。
【0053】反応は、反応に不活性な溶媒中で行っても
よい。前記強酸を溶媒として用いることもできる。反応
温度は、例えば0〜150℃、好ましくは10〜100
℃程度である。反応は、酸素の存在下又は酸素の流通
下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により
行うことができる。
【0054】反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、
例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラ
ムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み
合わせた分離手段により容易に分離精製できる。この方
法によっても、アダマンタン環を構成するメチレン炭素
原子に容易にオキソ基を導入することができる。
【0055】上記の各方法において、原料として用いら
れる式(7)及び式(8)で表される化合物は、公知乃
至慣用の方法により製造できる。
【0056】例えば、橋頭位にヒドロキシル基を有する
アダマンタン誘導体は、橋頭位に水素原子を有するアダ
マンタン誘導体を、前記式(6)で表されるイミド化合
物で構成された触媒、又はこの触媒と前記金属化合物と
で構成された触媒の存在下、酸素により酸化(ヒドロキ
シル化)することにより得ることができる。イミド化合
物の使用量は、橋頭位に水素原子を有するアダマンタン
誘導体1モルに対して、例えば0.001〜1モル程度
であり、前記金属化合物の使用量は、橋頭位に水素原子
を有するアダマンタン誘導体1モルに対して、例えば
0.0001〜0.7モル程度である。酸素は、通常、
橋頭位に水素原子を有するアダマンタン誘導体に対して
過剰モル量使用される。酸素としては、分子状酸素を使
用できる。反応は、例えば、酢酸などの有機酸、アセト
ニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル等の溶媒中、
常圧又は加圧条件下、0〜300℃(好ましくは30〜
250℃)程度の温度で行われる。
【0057】また、橋頭位にカルボキシル基を有するア
ダマンタン誘導体は、橋頭位に水素原子を有するアダマ
ンタン誘導体を、前記式(6)で表されるイミド化合物
で構成された触媒、又はこの触媒と前記金属化合物とで
構成された触媒の存在下、一酸化炭素及び酸素と接触さ
せることにより得ることができる。このカルボキシル化
において、イミド化合物及び金属化合物の使用量は、前
記酸化反応(ヒドロキシル化)の場合と同様である。一
酸化炭素の使用量は、橋頭位に水素原子を有するアダマ
ンタン誘導体1モルに対して、通常、1モル以上(例え
ば1〜100モル)である。酸素の使用量は、橋頭位に
水素原子を有するアダマンタン誘導体1モルに対して、
0.5モル以上(例えば0.5〜100モル)程度であ
る。一酸化炭素と酸素の割合は、一酸化炭素/酸素(モ
ル比)=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜
99/1程度である。反応は、例えば、酢酸などの有機
酸、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル等
の溶媒中、常圧又は加圧条件下、0〜200℃(好まし
くは10〜150℃)程度の温度で行われる。
【0058】橋頭位にヒドロキシルメチル基を有するア
ダマンタン誘導体は、上記の橋頭位にカルボキシル基を
有するアダマンタン誘導体を、還元剤(例えば、水素−
白金族金属触媒、水素化ホウ素ナトリウム−ルイス酸、
水素化アルミニウムリチウム、ジボランなど)を用いた
慣用の還元法に付すことにより得ることができる。
【0059】橋頭位にニトロ基を有するアダマンタン誘
導体は、橋頭位に水素原子を有するアダマンタン誘導体
を、前記式(6)で表されるイミド化合物で構成された
触媒の存在下又は非存在下、窒素酸化物(例えば、N2
3、N2O−O2、NO−O2、NO2など)と接触させ
ることにより得ることができる。このニトロ化反応にお
いて、イミド化合物の使用量は、前記酸化反応の場合と
同様である。窒素酸化物の使用量は、橋頭位に水素原子
を有するアダマンタン誘導体1モルに対して、通常、1
〜50モル、好ましくは1.5〜30モル程度である。
反応は、例えば、酢酸などの有機酸、アセトニトリル、
ベンゾニトリルなどのニトリル等の溶媒中、常圧又は加
圧条件下、0〜150℃(好ましくは10〜125℃)
程度の温度で行われる。
【0060】橋頭位にアミノ基を有するアダマンタン誘
導体は、上記橋頭位にニトロ基を有するアダマンタン誘
導体を、還元剤[例えば、水素−金属触媒(白金族金
属、ニッケル、銅クロマイトなど)、水素化ホウ素ナト
リウム、ジボランなど]を用いた慣用の還元法に付すこ
とにより得ることができる。
【0061】また、アダマンタン環にオキソ基を有する
アダマンタン誘導体は、アダマンタン環にメチレン炭素
原子を有するアダマンタン誘導体を原料とし、上記のオ
キソ基導入法を利用することにより得ることができる。
また、橋頭位以外の炭素原子にヒドロキシル基を有する
アダマンタン誘導体は、上記オキソ基を有するアダマン
タン誘導体を、例えば、水素化ホウ素ナトリウムなどの
慣用の還元剤で還元することにより得ることができる。
さらに、アダマンタン環にハロゲン原子を有するアダマ
ンタン誘導体は、例えば、上記アダマンタン環にヒドロ
キシル基を有する化合物に、適宜のハロゲン化剤(例え
ば、ブロモホルムなど)を作用させることにより得るこ
とができる。
【0062】なお、上記アダマンタン環へのヒドロキシ
ル基、カルボキシル基、ニトロ基などの置換基の導入
は、前記オキソ基導入の前だけでなく、オキソ基導入後
に行うこともできる。すなわち、前記式(2-1)及び式
(2-2)で表される化合物を、前記酸化(ヒドロキシル
化)、カルボキシル化、ニトロ化等の反応に供すること
により、上記各種置換基を有するアダマンタン誘導体を
得ることもできる。
【0063】また、式(1)、式(2)、式(2-1)、
式(2-2)、式(7)、式(8)で表される化合物にお
いて、保護基の導入及び脱離は慣用の方法により行うこ
とができる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、アダマンタン環を構成
する橋頭位以外の同一炭素原子にヒドロキシル基及び炭
化水素基が結合し、且つアダマンタン環を構成する他の
炭素原子にヒドロキシル基、カルボキシル基又はアルキ
ル基が結合している新規なアダマンタノール誘導体が提
供される。また、本発明の方法によれば、上記新規なア
ダマンタノール誘導体を簡易な手段で収率よく得ること
ができる。
【0065】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0066】参考例1 アダマンタン0.1モル、N−ヒドロキシフタルイミド
10ミリモル、98重量%硫酸5ミリモル、バナジウム
アセチルアセトナートV(AA)30.5ミリモル、及
び酢酸250mlの混合物(pH0.8)を、酸素雰囲
気下(1atm)、75℃で6時間攪拌した。反応混合
物を濃縮後、pHを5以上に調整し、酢酸エチルで抽出
した。有機層を一部濃縮した後、冷却することにより晶
析し、5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン(収率38
%)を得た。アダマンタンの転化率は97%であった。
なお、上記のほかに、2−アダマンタノン(収率36
%)、1−ヒドロキシ−2−アダマンタノン(収率3.
5%)、1−アダマンタノール(収率3%)、1,3−
アダマンタンジオール(収率4%)、及びその他の生成
物(2,4−アダマンタンジオン、2,6−アダマンタ
ンジオンなどのポリケトンなど)(収率16%)が生成
していた。 [5−ヒドロキシ−2−アダマンタノンのスペクトルデ
ータ] IR(cm-1):3410,2920,2810,17
20,1440,1330,1240,1060,88
0 MS m/e:166([M+]),148,119。
【0067】実施例1 フラスコに、金属マグネシウム1.1モル入れ、窒素置
換した後、2−ブロモプロパン1.0モルをエチルエー
テル500mlに溶解した溶液を、前記金属マグネシウ
ムが浸漬する程度仕込んだ。次いで、少量のヨウ素を添
加して反応を開始させ、残りの2−ブロモプロパンのエ
チルエーテル溶液を、溶媒が穏やかに還流する程度の速
度で滴下し、滴下終了後、さらに2時間還流させた。得
られた反応混合液に、参考例1の方法により得られた5
−ヒドロキシ−2−アダマンタノン1.0モルを100
0mlのエチルエーテルに溶解した溶液を、溶媒が穏や
かに還流する程度の速度で滴下し、滴下終了後、さらに
2時間還流させた。得られた反応混合液を、氷冷した1
0%塩酸(HCl:1モル相当量)中に、撹拌しながら
ゆっくりと滴下し、さらに0℃〜室温で2時間撹拌し
た。反応混合液に10%水酸化ナトリウムを加えて液性
を中性に調整した後、有機層と水層に分液し、水層をエ
チルエーテル1000mlで2回抽出し、有機層を合わ
せて濃縮し、濃縮残渣をヘキサンから再結晶することに
より、4−イソプロピル−1,4−アダマンタンジオー
ルを収率40%で得た。 [4−イソプロピル−1,4−アダマンタンジオールの
スペクトルデータ] MS m/e:210([M+]),192,174,
159,144,131。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
    素原子、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護され
    ていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていて
    もよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていても
    よいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキ
    シル基又はニトロ基を示し、Rxは炭化水素基を示す。
    yは、アダマンタン骨格を構成する炭素原子のうち橋
    頭位及びRx結合位以外の炭素原子に結合している基で
    あり、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、保護基で
    保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護さ
    れていてもよいヒドロキシメチル基、保護基で保護され
    ていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよい
    カルボキシル基、ニトロ基又はオキソ基を示す。Ra
    b、Rc、Rd及びRyのうち少なくとも1つは保護基で
    保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護さ
    れていてもよいカルボキシル基又はアルキル基である)
    で表されるアダマンタノール誘導体。
  2. 【請求項2】 下記式(2) 【化2】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは、同一又は異なって、水
    素原子、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護され
    ていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていて
    もよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていても
    よいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキ
    シル基又はニトロ基を示す。Ryは、アダマンタン骨格
    を構成する炭素原子のうち橋頭位及び式中に示すオキソ
    基結合位以外の炭素原子に結合している基であり、水素
    原子、ハロゲン原子、炭化水素基、保護基で保護されて
    いてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていても
    よいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていてもよ
    いアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシ
    ル基、ニトロ基又はオキソ基を示す。Ra、Rb、Rc
    d及びRyのうち少なくとも1つは保護基で保護されて
    いてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていても
    よいカルボキシル基又はアルキル基である)で表される
    アダマンタノン誘導体と、下記式(3) Rx−M (3) [式中、Rxは炭化水素基を示し、Mは配位子を有して
    いてもよい金属原子、又は下記式(4) −MgY (4) (式中、Yはハロゲン原子を示す)で表される基を示
    す]で表される化合物とを反応させて、下記式(1) 【化3】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Rx、Ryは前記に同じ。
    ただし、Ryは、アダマンタン骨格を構成する炭素原子
    のうち橋頭位及びRx結合位以外の炭素原子に結合して
    いる基を示す)で表される化合物を得るアダマンタノー
    ル誘導体の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002002493A1 (fr) * 2000-07-04 2002-01-10 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Procede pour produire de l'alcool tertiaire avec un squelette d'adamantane
US7326730B2 (en) 2000-02-22 2008-02-05 Adamas Pharmaceuticals, Inc. Aminoadamantane derivatives as therapeutic agents
CN100450994C (zh) * 2002-12-23 2009-01-14 詹森药业有限公司 制备1-羟基-4-氨基金刚烷的方法

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WO2002002493A1 (fr) * 2000-07-04 2002-01-10 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Procede pour produire de l'alcool tertiaire avec un squelette d'adamantane
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