JP4097316B2 - エーテル類の酸化方法、及びアセタール化合物又はカルボニル化合物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エーテル類から対応する酸化物(アセタール化合物、カルボニル化合物など)を製造する上で有用な酸化方法、及びアセタール化合物又はカルボニル化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルボニル化合物は、医薬、農薬、香料、染料、有機合成中間体などとして重要な化合物である。また、アセタール化合物は、前記カルボニル化合物のカルボニル基の保護体として重要である。
エーテル類からカルボニル化合物を得る方法として、過酸化物、四酢酸鉛、硝酸銅などを酸化剤として用いる方法が知られている。しかし、これらの方法では、危険性の高い試薬や金属化合物を多量に用いる必要があり、取扱性、経済性などの点で不利である。
なお、Tetrahedoron Lett., 1997, 7075には、本発明と同様のN−ヒドロキシフタルイミドを触媒として、アダマンタンと一酸化窒素とを反応させると、リッター反応が進行し、対応するアミド類が生成することが報告されている。しかし、エーテル類と一酸化窒素との反応については記載されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、エーテル類を簡易に且つ効率よく酸化でき、アセタール化合物やカルボニル化合物などを生成させるのに有用な方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、温和な条件下、エーテル類から対応するアセタール化合物やカルボニル化合物を収率よく製造できる方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の触媒の存在下、エーテル類を一酸化窒素と反応させると、対応する酸化物が収率よく生成することを見いだし、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、下記式(1)
【化1】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1及びR2は互いに結合して二重結合、または芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)
で表されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下記式(2)
【化2】
(式中、R a1 及びR a2 は、同一又は異なって、水素原子、炭化水素基又は複素環基を示し、R b は炭化水素基又は複素環基を示す。R a1 とR a2 、R a1 又はR a2 とR b とは、それぞれ、互いに結合して、隣接する炭素原子、又は隣接する炭素原子及び酸素原子と共に環を形成してもよい)
で表されるエーテル類と一酸化窒素とを反応させて、下記式(3)
【化3】
(式中、R a1 、R a2 、R b は前記に同じ)
で表されるアセタール化合物、又は下記式(4)
【化4】
(式中、R a1 、R a2 は前記に同じ)
で表されるカルボニル化合物を生成させる、アセタール化合物又はカルボニル化合物の製造法を提供する。
【0007】
さらに、本発明は、前記式(1)で表されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、前記式(2)で表されるエーテル類と一酸化窒素とを反応させて、前記式(3)で表されるアセタール化合物を生成させ、次いで、該アセタール化合物を、下記式(5)
Rc−OH (5)
(式中、Rcは、水素原子、炭化水素基又は複素環基を示す)
で表される化合物と反応させて、下記式(6)、又は(7)及び(8)
【化8】
(式中、Ra1、Ra2、Rb、Rcは前記に同じ)
で表される化合物を生成させるアセタール化合物の製造法を提供する。
また、本発明は、上記のアセタール化合物の製造法により生成した前記式(6)で表される化合物、式(7)で表される化合物、又は式(7)及び式(8)で表される化合物を、加水分解に付して、下記式(9)、(10)、(4)、または(4)及び(8)
【化9】
(式中、Ra1、Ra2、Rb、Rcは前記に同じ)
で表される化合物を得るアセタール化合物又はカルボニル化合物の製造法を提供する。
【0008】
さらにまた、本発明は、前記式(1)で表されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下記式(2a)
【化11】
(式中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4は、同一又は異なって、水素原子、炭化水素基又は複素環基を示す。Ra1とRa2、Ra3とRa4、Ra1又はRa2とRa3又はRa4Rbとは、それぞれ、互いに結合して、隣接する炭素原子、又は隣接する2つの炭素原子及び酸素原子と共に環を形成してもよい)
で表されるエーテル類と、一酸化窒素とを反応させて、下記式(4a)
【化12】
(式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4は前記に同じ)
で表されるカルボニル化合物を生成させるカルボニル化合物の製造法を提供する。
【0009】
なお、本明細書において、「アセタール化合物」とは、ケタール(ケトンアセタール)化合物及びヘミアセタール化合物をも含む意味に用いる。
【0010】
【発明の実施の形態】
[イミド化合物]
前記式(1)で表されるイミド化合物において、置換基R1及びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル基などのC1-10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基としては、例えば、C1-6程度、特にC1-4程度のアルキル基が挙げられる。
【0011】
アリール基には、フェニル基、ナフチル基などが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などが含まれる。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などのC1-10程度、好ましくはC1-6程度、特にC1-4程度のアルコキシ基が含まれる。
【0012】
アルコキシカルボニル基には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ部分がC1-10程度のアルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキシカルボニル基にはアルコキシ部分がC1-6程度、特にC1-4程度のアルコキシカルボニル基が含まれる。
【0013】
アシル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル基などのC1-6程度のアシル基が例示できる。
【0014】
前記置換基R1およびR2は、同一又は異なっていてもよい。また、前記式(1)において、R1およびR2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化水素環である場合が多い。このような環には、例えば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していてもよい芳香族環が含まれる。前記環は、芳香族環で構成される場合が多い。前記環は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
【0015】
好ましいイミド化合物には、下記式で表される化合物が含まれる。
【化13】
(式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を示す。窒素原子NとXとの結合は単結合又は二重結合を示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳香族性又は非芳香族性の環を形成していていもよい。R1、R2およびnは前記に同じ)
置換基R3〜R6において、アルキル基には、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特にC1-6程度のアルキル基が含まれ、アルコキシ基には、前記と同様のアルコキシ基、特にC1-4程度のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシカルボニル基、特にアルコキシ部分がC1-4程度のアルコキシカルボニル基が含まれる。また、アシル基としては、前記と同様のアシル基、特にC1-6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素原子などが例示できる。置換基R3〜R6は、通常、水素原子、C1-4程度のアルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子である場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環が好ましい。
【0016】
前記式(1)において、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示し、窒素原子NとXとの結合は単結合又は二重結合である。nは、通常、1〜3程度、好ましくは1又は2である。式(1)で表される化合物は酸化反応において一種又は二種以上使用できる。
【0017】
前記式(1)で表されるイミド化合物に対応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロリメット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物が含まれる。
【0018】
好ましいイミド化合物としては、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなどが挙げられる。特に好ましい化合物は、脂環式多価カルボン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、例えば、N−ヒドロキシフタル酸イミドなどが含まれる。
【0019】
前記イミド化合物は、慣用のイミド化反応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンNH2OHとを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経てイミド化する方法により調製できる。
【0020】
式(1)で表されるイミド化合物の使用量は、広い範囲で選択でき、例えば、エーテル類1モルに対して0.001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.30モル程度であり、0.01〜0.25モル程度である場合が多い。
【0021】
[助触媒]
本発明の方法では、前記式(1)で表される触媒と助触媒とを併用することもできる。助触媒を用いることにより、反応の転化率や選択率を向上できる場合がある。このような助触媒には、例えば、(i)金属化合物、(ii)少なくとも1つの有機基が結合した周期表15族又は16族元素を含む多原子陽イオン又は多原子陰イオンとカウンターイオンとで構成された有機塩などが含まれる。
【0022】
金属化合物(i)を構成する金属元素としては、特に限定されず、周期表1〜15族の金属元素の何れであってもよい。なお、本明細書では、ホウ素Bも金属元素に含まれるものとする。例えば、前記金属元素として、周期表1族元素(Li、Na、Kなど)、2族元素(Mg、Ca、Sr、Baなど)、3族元素(Sc、ランタノイド元素、アクチノイド元素など)、4族元素(Ti、Zr、Hfなど)、5族元素(Vなど)、6族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元素(Mnなど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、Rhなど)、10族元素(Ni、Pd、Ptなど)、11族元素(Cuなど)、12族元素(Znなど)、13族元素(B、Al、Inなど)、14族元素(Sn、Pbなど)、15族元素(Sb、Biなど)などが挙げられる。好ましい金属元素には、遷移金属元素(周期表3〜12族元素)が含まれる。なかでも、周期表5〜11族元素が好ましい。金属元素の原子価は特に制限されず、1〜6価程度であってもよいが、2価又は3価程度である場合が多い。
【0023】
金属化合物(i)としては、前記金属元素の単体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オキソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など)、オキソ酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸などの無機化合物;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩など)、錯体などの有機化合物が挙げられる。前記錯体を構成する配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)、アシル(アセチル、プロピオニルなど)、アルコキシカルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン(トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィンなど)のリン化合物、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO3(ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物などが挙げられる。
【0024】
金属化合物(i)の具体例としては、例えば、コバルト化合物を例にとると、水酸化コバルト、酸化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、リン酸コバルトなどの無機化合物;酢酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトなどの有機酸塩;コバルトアセチルアセトナトなどの錯体等の2価又は3価のコバルト化合物などが挙げられる。また、バナジウム化合物の例としては、水酸化バナジウム、酸化バナジウム、塩化バナジウム、塩化バナジル、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジン酸ナトリウムなどの無機化合物;バナジウムアセチルアセトナト、バナジルアセチルアセトナトなどの錯体等の2〜5価のバナジウム化合物などが挙げられる。他の金属元素の化合物としては、前記コバルト又はバナジウム化合物に対応する化合物などが例示される。金属化合物(i)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0025】
前記金属化合物(i)の使用量は、例えば、エーテル類1モルに対して、0.0001〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.002〜0.1モル程度であり、0.005〜0.05モル程度である場合が多い。
【0026】
前記有機塩(ii)において、周期表15族元素には、N、P、As、Sb、Biが含まれる。周期表16族元素には、O、S、Se、Teなどが含まれる。好ましい元素としては、N、P、As、Sb、Sが挙げられ、特に、N、P、Sなどが好ましい。
【0027】
前記元素の原子に結合する有機基には、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換オキシ基などが含まれる。炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アリルなどの炭素数1〜30程度(好ましくは炭素数1〜20程度)の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基);シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜8程度の脂環式炭化水素基;フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜14程度の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭化水素基が有していてもよい置換基として、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、アルキル基(例えば、メチル、エチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)、複素環基などが例示できる。好ましい炭化水素基には、炭素数1〜30程度のアルキル基、炭素数6〜14程度の芳香族炭化水素基(特に、フェニル基又はナフチル基)などが含まれる。前記置換オキシ基には、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基などが含まれる。
【0028】
前記多原子陽イオンは、例えば、下記式(7)で表される。この多原子陽イオンは、カウンターアニオンとともに、下記式(8)で表される有機オニウム塩を構成する。
[Rd mA]+ (7)
[Rd mA]+Y- (8)
上記式中、Rdは炭化水素基又は水素原子を示す。4個のRdは互いに同一又は異なっていてもよく、少なくとも1つのRdは炭化水素基である。Aは周期表15族又は16族元素の原子を示す。2つのRdは互いに結合して隣接するAと共に環を形成してもよく、また、2つのRdが一体となってAと二重結合を形成すると共に他のRdと結合してAとで環を形成してもよい。mは3又は4を示す。Y-は、カウンターアニオンを示し、Yは酸基を示す。なお、上記炭化水素基は、例えば前記の置換基を有していてもよい。
【0029】
2つのRdが互いに結合して隣接するAと共に形成する環としては、ピロリジン環、ピペリジン環などの3〜8員(好ましくは、5〜6員)程度の含窒素(又は含リン)複素環などが挙げられる。また、2つのRdが一体となってAと二重結合を形成すると共に他のRdと結合してAとで形成する環としては、ピリジン環などの5〜8員の含窒素複素環などが挙げられる。これらの環にはベンゼン環などの環が縮合していてもよい。このような縮合環として、キノリン環などが挙げられる。Aが周期表15族元素の原子のとき、mは4である場合が多く、Aが周期表16族元素の原子のとき、mは3である場合が多い。
【0030】
前記Aは、好ましくは、N、P、As、Sb、又はSであり、さらに好ましくは、N、P、又はSであり、特に、N又はPが好ましい。また、好ましい多原子陽イオンでは、4個のRdのすべてが有機基である(Aを含む環が形成されている場合を含む)。
【0031】
酸基Yとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)、リン酸基(PO4)、過塩素酸基(ClO4)などの無機酸基;酢酸基(CH3CO2)、メタンスルホン酸基、ベンゼンスルホン酸基などの有機酸基などが挙げられる。好ましい酸基には、ハロゲン原子及び無機酸基が含まれ、特に塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が好ましい。
【0032】
前記有機オニウム塩のなかでも、有機アンモニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機スルホニウム塩などが特に好ましい。有機アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラヘキシルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、トリエチルフェニルアンモニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)アンモニウムクロリド、ジ(オクタデシル)ジメチルアンモニウムクロリドなどの第4級アンモニウムクロリド、及び対応する第4級アンモニウムブロミドなどの、窒素原子に4つの炭化水素基が結合した第4級アンモニウム塩;ジメチルピペリジニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、メチルキノリニウムクロリドなどの環状第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0033】
また、有機ホスホニウム塩の具体例としては、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)ホスホニウムクロリド、トリエチルフェニルホスホニウムクロリドなどの第4級ホスホニウムクロリド、及び対応する第4級ホスホニウムブロミドなどの、リン原子に4つの炭化水素基が結合した第4級ホスホニウム塩などが挙げられる。有機スルホニウム塩の具体例としては、トリエチルスルホニウムイオジド、エチルジフェニルスルホニウムイオジドなどの、イオウ原子に3つの炭化水素基が結合したスルホニウム塩などが挙げられる。
【0034】
前記多原子陰イオンは、例えば、下記式(9)で表される。この多原子陰イオンは、カウンターカチオンとともに、下記式(10)で表される有機塩を構成する。
[ReAO3]q- (9)
Zq+[ReAO3]q- (10)
上記式中、Reは炭化水素基又は水素原子を示す。Aは周期表15族又は16族元素の原子を示す。qは1又は2を示し、Zq+は、カウンターカチオンを示す。
【0035】
Reで示される炭化水素基としては、前記と同様の基のほか、樹脂(ポリマー鎖又はその分岐鎖)が挙げられる。好ましいAには、S、Pなどが含まれる。AがSなどのとき、qは1であり、AがPなどのとき、qは2である。Zとしては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属などが挙げられる。好ましいZにはアルカリ金属が含まれる。Zq+は、前記の多原子陽イオンであってもよい。
【0036】
前記式(10)で表される有機塩としては、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、オクタンスルホン酸塩、ドデカンスルホン酸塩などのアルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、デシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などのアルキル基で置換されていてもよいアリールスルホン酸塩;スルホン酸型イオン交換樹脂(イオン交換体);ホスホン酸型イオン交換樹脂(イオン交換体)などが挙げられる。なかでも、C6-18アルキルスルホン酸塩、C6-18アルキル−アリールスルホン酸塩を用いる場合が多い。
【0037】
有機塩(ii)の使用量は、例えば、エーテル類1モルに対して0.0001〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.002〜0.1モル程度であり、0.005〜0.05モル程度である場合が多い。有機塩(ii)の使用量が多すぎると、反応速度が低下する場合がある。
【0038】
本発明では、さらに他の触媒成分を併用してもよい。
【0039】
前記式(1)で表されるイミド化合物、又はこのイミド化合物および前記助触媒で構成される触媒は、均一系であってもよく、不均一系であってもよい。また、触媒は、担体に触媒成分が担持された固体触媒であってもよい。担体としては、活性炭、ゼオライト、シリカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトなどの多孔質担体を用いる場合が多い。固体触媒における触媒成分の担持量は、担体100重量部に対して、0、1〜50重量部、好ましくは0、5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。
【0040】
[エーテル類]
反応成分として用いるエーテル類は、脂肪族エーテル、脂環式エーテル、芳香族エーテル、複素環式エーテルなどの鎖状エーテル;環状エーテルの何れであってもよい。前記環状エーテルにおいて、エーテル結合を含む環には、芳香族性又は非芳香族性環が縮合していてもよい。また、エーテル類は、分子中に複数のエーテル結合を有していてもよい。
【0041】
本発明におけるエーテル類は、前記式(2)で表される。式中、Ra1、Ra2、Rbにおける炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜15(好ましくは1〜10)程度のアルキル基;ビニル、2−プロペニル基などの炭素数2〜15(好ましくは2〜10)程度のアルケニル基;エチニル、プロピニル基などの炭素数2〜15(好ましくは2〜10)程度のアルキニル基などが挙げられる。
【0042】
脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロへキセニル基などの炭素数3〜15(好ましくは3〜10)程度のシクロアルキル基又はシクロアルケニル基が挙げられる。脂環式炭化水素基を構成する非芳香族性炭素環には、ベンゼン環、シクロヘキサン環などの炭素環、ピリジン環などの複素環が縮合していてもよい。
【0043】
芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル基などが挙げられる。芳香族炭化水素基を構成する芳香環には、シクロヘキサン環などの炭素環、ピリジン環などの複素環が縮合していてもよい。
【0044】
前記Ra1、Ra2、Rbにおける複素環基に対応する複素環としては、例えば、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン環などの、窒素、酸素及びイオウ原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を1〜3個程度有する5又は6員の複素環などが挙げられる。この複素環には、ベンゼン環、シクロヘキサン環などの炭素環、ピリジン環などの複素環が縮合していてもよい。
Ra1及びRa2のうち一方は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、特に水素原子である場合が多い。
【0045】
Ra1とRa2とが結合して、隣接する炭素原子と共に形成する環としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロへキセニル環などの3〜15員(好ましくは3〜10員)の炭素環などが含まれる。この炭素環には、ベンゼン環、シクロヘキサン環などの炭素環、ピリジン環などの複素環が縮合していてもよい。
【0046】
Ra1又はRa2とRbとが結合して、隣接する炭素原子及び酸素原子と共に形成する環としては、オキシラン、オキセタン、2,5−ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、3,6−ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、オキセパン、ジヒドロオキソシン、テトラヒドロオキソシン、オキソカン、1,3,5,7−テトラオキソカン、ジヒドロオキソニン、ジオキサン、ジヒドロジオキシン、ジヒドロオキサチイン、テトラヒドロオキサチイン、ジヒドロオキサジン、ペルヒドロオキサジン環などの、少なくとも1個の酸素原子を含む3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは4〜10員)程度の非芳香族性複素環が挙げられる。この環には、ベンゼン環、シクロヘキサン環などの炭素環(例えば、3〜15員程度の芳香族性又は非芳香族性炭素環)、ピリジン環などの複素環(例えば、3〜15員程度の芳香族性又は非芳香族性複素環)が縮合していてもよい。このような炭素環又は複素環が縮合した縮合環として、例えば、クマラン、イソクマラン(フタラン)、クロマン、クロメン、イソクロマン、イソクロメン、キサンテン、ベンズオキサジン、3,6,8−トリオキサビシクロ[3.2.2]ノナン環などが例示できる。Ra1又はRa2とRbとが結合して、隣接する炭素原子及び酸素原子と共に環を形成する場合、式(2)で表されるエーテル類は、環状エーテルを構成する。
【0047】
前記炭化水素基、複素環基、Ra1とRa2とが結合して隣接する炭素原子と共に形成する環、Ra1又はRa2とRbとが結合して隣接する炭素原子及び酸素原子と共に形成する環には、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素原子)、オキソ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル基などのヒドロキシC1-4アルキル基など)、置換オキシ基[例えば、アルコキシ基(メトキシ基などのC1-4アルコキシ基など)、アリールオキシ基、アシルオキシ基(アセトキシ、ベンゾイルオキシ基などのC2-10アシルオキシ基)など]、置換チオ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜6程度、特に1〜4程度のアルコキシカルボニル基など)、置換又は無置換カルバモイル基、置換又は無置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、アルケニル基(例えば、C2-4アルケニル基など)、アルキニル基(例えば、C2-4アルキニル基など)、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)、アラルキル基、複素環基などが置換していてもよい。
【0048】
式(2)で表されるエーテル類の中でも、特に好ましい化合物には、(i)Ra1及びRa2のうち一方が水素原子であり、他方が1−アルケニル基(例えば、ビニル、1−プロペニル、1−ブテニル基などの1−C2-15アルケニル基など)である化合物、(ii)Ra1及びRa2のうち一方が水素原子であり、他方がRbと結合して、隣接する炭素原子及び酸素原子と共に、3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは4〜10員)程度の非芳香族性複素環(炭素環又は複素環が縮合していてもよい)を形成している化合物(特に、エーテル結合を構成する酸素原子に結合している炭素原子の隣接位に、二重結合又は芳香環を有する化合物)が含まれる。
【0049】
前記式(2a)で表される化合物は、前記式(2)で表される化合物のうち、エーテル結合を構成する酸素原子の両隣接位に炭素−水素結合を有する化合物を示す。式(2a)中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4における炭化水素基、複素環基には、前記式(2)におけるRa1、Ra2、Rbと同様の炭化水素基及び複素環基が含まれる。また、Ra1とRa2、Ra3とRa4とが結合して、隣接する炭素原子と共に形成する環としては、前記式(2)において、Ra1とRa2とが結合して、隣接する炭素原子と共に形成する環と同様の環が例示できる。さらに、Ra1又はRa2とRa3又はRa4Rbとが結合して、隣接する2つの炭素原子及び酸素原子と共に形成する環としては、前記式(2)において、Ra1又はRa2とRbとが結合して、隣接する炭素原子及び酸素原子と共に形成する環と同様の環が挙げられる。
【0050】
本発明において反応成分として用いるエーテル類のうち、好ましい化合物として、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、1−クロロ−2−エトキシエタン、ビス(2−クロロエチル)エーテル、2−エトキシエタノール、2,2′−オキシジエタノール、3,3′−オキシジプロピオン酸などの、置換基を有していてもよいジC1-15アルキルエーテル(好ましくは、ジC1-10アルキルエーテル);ジアリルエーテルなどの、置換基を有していてもよいジC2-15アルケニルエーテル(好ましくは、ジC2-10アルケニルエーテル);エチルメチルエーテル、2−メトキシプロパン、メチルブチルエーテル、2−メトキシブタン、2−メトキシペンタン、1−エトキシプロパン、2−エトキシプロパン、1−エトキシブタン、2−エトキシブタン、1−エトキシペンタン、2−エトキシペンタン、2−メトキシエタノールなどの、置換基を有していてもよい非対称C1-15アルキルC1-15アルキルエーテル(好ましくは、非対称C1-10アルキルC1-10アルケニルエーテル);ビニルアリルエーテルなどの、置換基を有していてもよい非対称C2-15アルケニルC2-15アルケニルエーテル(好ましくは、非対称C2-10アルケニルC2-10アルケニルエーテル);メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、エトキシエチレン、3−エトキシプロピレンなどの、置換基を有していてもよいC1-15アルキルC2-15アルケニルエーテル(好ましくは、C1-10アルキルC2-10アルケニルエーテル);シクロプロピルエチルエーテル、シクロプロピルプロピルエーテル、シクロプロピルブチルエーテル、シクロブチルエチルエーテル、シクロブチルプロピルエーテル、シクロブチルブチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテルなどの、置換基を有していてもよいC1-15アルキルC3-15シクロアルキルエーテル(好ましくは、C1-10アルキルC3-10シクロアルキルエーテル);アリルシクロヘキシルエーテルなどの、置換基を有していてもよいC2-15アルケニルC3-15シクロアルキルエーテル(好ましくは、C2-10アルケニルC3-10シクロアルキルエーテル);メチルフェニルエーテル(アニソール)、エチルフェニルエーテル(フェネトール)、プロピルフェニルエーテル、アネトール、ナフチルメチルエーテル、ナフチルエチルエーテル、トリルエチルエーテル、2−メトキシフェノール、オイゲノールなどの、置換基を有していてもよいC1-15アルキルアリールエーテル(好ましくは、C1-10アルキルアリールエーテル);ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ベンジルプロピルエーテルなどの、置換基を有していてもよいC1-15アルキルアラルキルエーテル(好ましくは、C1-10アルキルアラルキルエーテル);アリルフェニルエーテルなどの、置換基を有していてもよいC2-15アルケニルアリールエーテル(好ましくは、C2-10アルケニルアリールエーテル);アリルベンジルエーテルなどの、置換基を有していてもよいC2-15アルケニルアラルキルエーテル(好ましくは、C2-10アルケニルアラルキルエーテル);1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3,6−ジオキシオクタン、p−ジメトキシベンゼン、p−ジエトキシベンゼン、1,1′−(エチレンジオキシ)ジベンゼン、4,4′−(エチレンジオキシ)二安息香酸などの、置換基を有していてもよいエーテル結合を複数有する鎖状ポリエーテル;オキシラン、オキセタン、プロピレンオキサイド、2,5−ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3,5,7−テトラオキソカン、ジオキサン、クマラン、イソクマラン(フタラン)、フタリド、クロマン、クロメン、イソクロマン、イソクロメン、キサンテン、ベンズオキサジン、3,6,8−トリオキサビシクロ[3.2.2]ノナン、クラウンエーテル、1−オキサスピロ[4.5]デカン、テトラヒドロピラン−2−スピロシクロヘキサンなどの、置換基を有していてもよい環状エーテルなどが例示できる。
【0051】
これらのエーテル類を本発明の酸化方法により酸化すると、温和な条件であっても、エーテル結合の酸素原子に隣接する炭素部位が酸化されて、対応する酸化物を効率よく生成させることができる。例えば、前記式(2)で表されるエーテル類を酸化すると、対応する式(3)で表されるアセタール化合物、及び/又は対応する式(4)で表されるカルボニル化合物(アルデヒド又はケトン)が生成する。特に、エーテル類として、式(2a)で表される化合物を酸化すると、前記カルボニル化合物として、式(4a)で表される2分子のカルボニル化合物(アルデヒド又はケトン)、又は、式(2a)で表される化合物が環状エーテルの場合には、ジカルボニル化合物(ジアルデヒド又はジケトン)が生成する。
【0052】
また、反応条件を選択することにより、鎖状エーテルからは、対応するエステル、カルボン酸、酸無水物を、環状エーテルからは、環の員数に対応するラクトン(β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなど)や環状酸無水物(無水コハク酸、無水グルタル酸など)を生成させることもできる。
【0053】
[酸化反応]
エーテル類の酸化に利用される一酸化窒素は、純粋な一酸化窒素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈した一酸化窒素を使用してもよい。また、反応系内で発生させた一酸化窒素を用いることもできる。
【0054】
一酸化窒素の使用量は、通常、基質であるエーテル類1モルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モル程度である。基質に対して過剰モルの一酸化窒素を使用する場合が多い。
【0055】
反応は、通常、反応に不活性な有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸などの有機酸;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロベンゼン、ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合物;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。なお、過剰量の基質を用いることにより、基質を反応溶媒として利用してもよい。溶媒としては、酢酸などの有機酸、アセトニトリルなどのニトリル類を用いる場合が多い。
【0056】
本発明の方法は、比較的温和な条件であっても円滑に酸化反応が進行するという特色がある。反応温度は、基質の種類などに応じて適当に選択でき、例えば、0〜300℃、好ましくは10〜250℃、さらに好ましくは20〜200℃程度であり、通常、30〜150℃程度で反応する場合が多い。また、反応は、常圧または加圧下で行うことができ、加圧下で反応させる場合には、通常、1〜100atm(例えば、1.5〜80atm)、好ましくは2〜70atm、さらに好ましくは5〜50atm程度である場合が多い。反応時間は、反応温度及び圧力に応じて、例えば30分〜48時間、好ましくは1〜36時間、さらに好ましくは2〜24時間程度の範囲から適当に選択できる。
【0057】
反応は、前記触媒の存在下、基質と一酸化窒素とを接触させればよく、一酸化窒素の存在下又は一酸化窒素の流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0058】
[加溶媒分解反応]
前記式(3)で表されるアセタール化合物を、前記式(5)で表される化合物(水又はヒドロキシ化合物)と反応させることにより、加溶媒分解反応(アセタール交換反応)が進行し、前記式(6)、又は(7)及び(8)で表される化合物を得ることができる。
【0059】
式(5)中、Rcにおける炭化水素基、複素環基としては、前記Ra1において例示した炭化水素基、複素環基と同様のものが挙げられる。式(5)で表される化合物として、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、アリルアルコール、エチレングリコールなどの脂肪族アルコール(好ましくはC1-15脂肪族アルコール、さらに好ましくはC1-10脂肪族アルコール、特にC1-4脂肪族アルコール);シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコールなどの脂環式アルコール(好ましくはC3-15脂環式アルコール、さらに好ましくはC3-10脂環式アルコール);ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコールなどの芳香族アルコール(好ましくはC7-15芳香族アルコール);フェノール、クレゾールなどのフェノール類;フルフリルアルコール、2−ヒドロキシピリジンなどのヒドロキシル基含有複素環化合物などが挙げられる。
【0060】
式(5)で表される化合物の使用量は、式(3)で表されるアセタール化合物1モルに対して、例えば0.5モル以上(0.5〜1000モル程度)、好ましくは1モル以上(1〜500モル程度)である。式(5)で表される化合物を溶媒として用いることが多い。反応に用いる溶媒として、前記式(5)で表される化合物のほか、前記酸化反応において例示した溶媒などが挙げられる。この反応では、反応速度を高めるため、系内に、酸を添加してもよい。前記酸としては、塩化水素、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸;酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。酸として、陽イオン交換樹脂を使用することもできる。
【0061】
反応温度は、例えば、0〜200℃、好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは10〜100℃程度である。反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。
【0062】
反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により、容易に分離精製できる。
前記式(6)又は式(7)で表されるアセタール化合物は、加水分解に付すことにより、前記式(9)若しくは式(10)で表されるヘミアセタール化合物、又は式(4)で表されるカルボニル化合物に変換できる。また、式(7)及び式(8)で表される化合物を加水分解に付すと、式(4)及び式(8)で表される化合物が生成する。特に、Ra1又はRa2とRbとが結合している場合には、分子内にヒドロキシル基を有するカルボニル化合物(ヒドロキシケトンまたはヒドロキシアルデヒド)を得ることができる。加水分解は、慣用の方法、例えば、触媒の存在下又は不存在下、0〜100℃程度の温度で、前記アセタール化合物を水と反応させることにより行うことができる。触媒としては、シリカゲルや酸(例えば、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、陽イオン交換樹脂など)などを使用できる。
【0063】
【発明の効果】
本発明の酸化方法では、エーテル類を簡易に且つ効率よく酸化でき、アセタール化合物やカルボニル化合物などを生成させることができる。
本発明の製造法によれば、温和な条件下、エーテル類から対応するアセタール化合物やカルボニル化合物を収率よく製造できる。
【0064】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0065】
実施例1
イソクロマン10ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド1ミリモル、アセトニトリル5mlの混合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で7時間攪拌した。反応液中の生成物をカラムクロマトグラフィーにより単離したところ、イソクロマノールが2分子縮合した化合物である1,1′−オキシジイソクロマンが得られた(収率74%)。
次いで、前記1,1′−オキシジイソクロマンとエタノール(5ml)との混合液を、室温で30分撹拌した。反応液中の生成物をカラムクロマトグラフィーで単離したところ、1−エトキシイソクロマンが得られた(イソクロマン基準の収率68%)。
【0066】
実施例2
フタラン(イソクマラン)10ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド1ミリモル、アセトニトリル5mlの混合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で6時間攪拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フタランの転化率90%で、フタルアルデヒド(収率80%)、及びフタリド(1−フタラノン)(収率7%)が生成していた。
【0067】
実施例3
フタランに代えて、2,5−ジヒドロフランを10ミリモル用いた以外は実施例2と同様の操作を行ったところ、2,5−ジヒドロフランの転化率77%で、ブテンジアール(収率70%)、及び2,5−ジヒドロ−2−フラノン(収率4%)が生成していた。
【0068】
実施例4
ベンジルメチルエーテル1ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.1ミリモル、アセトニトリル5mlの混合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で5時間攪拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、ベンジルメチルエーテルの転化率78%で、ベンズアルデヒド(収率52%)、及び安息香酸メチル(収率20%)が生成していた。
【0069】
実施例5
ベンジルエチルエーテル1ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.1ミリモル、アセトニトリル5mlの混合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で5時間攪拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、ベンジルエチルエーテルの転化率82%で、ベンズアルデヒド(収率57%)、及び安息香酸エチル(収率18%)が生成していた。
【0070】
実施例6
フタラン(イソクマラン)1ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.1ミリモル、アセトニトリル5mlの混合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で2時間攪拌した。アセトニトリルを留去させた後、エタノール(5ml)を加え、室温で30分撹拌した。反応液中の生成物をカラムクロマトグラフィーで単離したところ、o−ヒドロキシメチルベンズアルデヒドが得られた(収率60%、フタラン転化率80%)。
なお、一酸化窒素雰囲気下での反応時間を2時間から4時間に延長して同様の操作を行ったところ、フタルアルデヒドが主生成物として得られ、o−ヒドロキシメチルベンズアルデヒドは得られなかった。
【0071】
実施例7
フタラン(イソクマラン)1ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.1ミリモル、アセトニトリル5mlの混合物を、一酸化窒素雰囲気下(1気圧)、60℃で5時間攪拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フタランの転化率99%で、フタルアルデヒド(収率90%)が生成していた。
Claims (4)
- 下記式(1)
で表されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下記式(2)
で表されるエーテル類と一酸化窒素とを反応させて、下記式(3)
で表されるアセタール化合物、又は下記式(4)
で表されるカルボニル化合物を生成させる、アセタール化合物又はカルボニル化合物の製造法。 - 下記式(1)
で表されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下記式(2)
で表されるエーテル類と、一酸化窒素とを反応させて、下記式(3)
で表されるアセタール化合物を生成させ、次いで、該アセタール化合物を、下記式(5)
Rc−OH (5)
(式中、Rcは、水素原子、炭化水素基又は複素環基を示す)
で表される化合物と反応させて、下記式(6)、又は(7)及び(8)
で表される化合物を生成させるアセタール化合物の製造法。 - 下記式(1)
で表されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下記式(2a)
で表されるエーテル類と、一酸化窒素とを反応させて、下記式(4a)
で表されるカルボニル化合物を生成させるカルボニル化合物の製造法。
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