JPH11313537A - 培土製造装置 - Google Patents

培土製造装置

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JPH11313537A
JPH11313537A JP10124654A JP12465498A JPH11313537A JP H11313537 A JPH11313537 A JP H11313537A JP 10124654 A JP10124654 A JP 10124654A JP 12465498 A JP12465498 A JP 12465498A JP H11313537 A JPH11313537 A JP H11313537A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
soil
core
sheath
woven fabric
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Application number
JP10124654A
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English (en)
Inventor
Soichi Yamamoto
惣一 山本
Masatoshi Yoshioka
政利 吉岡
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Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
Original Assignee
Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
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Publication date
Application filed by Yamamoto and Co Ltd, Yamamoto Co Ltd filed Critical Yamamoto and Co Ltd
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育
苗用培土を、安価でかつ量産することができる培土製造
装置を得る。 【解決手段】 培土製造装置20は、コンベヤ22、不
織布18を供給する下不織布ロール30、原材料Gを供
給する原料供給口32、不織布19を供給する上不織布
ロール34、圧縮成形のための加熱ロール38、40、
及び冷却ロール42、44を備えている。コンベヤ22
上において、不織布18の上に原材料Gを積層しさらに
その上に不織布19を重ね、これらをこの状態で順次連
続して圧縮成形することにより、籾殻と芯鞘型繊維及び
育苗用肥料を含んで構成される育苗用培土を製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲等の作物の苗
を育苗するために用いられる育苗用の培土を製造するた
めの培土製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
水稲等の作物の苗を苗床によって育苗することが行われ
ており、さらに、この苗床の床土としては一般的に土壌
培土が用いられていた。ところが、このような土壌培土
は、良質(均質)の床土が比較的高価で入手が困難であ
ったり、重く運搬性等が悪かった。そこで、このような
土壌培土に代わる床土(培土)が提案されている(一例
として、特公昭56−18165号公報)。
【0003】前記公報に示される培土は、植物質培土材
(樹皮、パルプチップ、オガクズなどを堆肥化したバー
ク堆肥等)を、親水性ウレタンプレポリマーを結合剤と
して用いて固結させ乾燥した構成となっている。なお、
結合剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン類も
用いられる場合がある。この種の培土は、樹皮やパルプ
チップ等の所謂産業廃棄物を培土材として有効利用する
ことができ、またこの植物質培土材も比較的安価であ
る。
【0004】しかしながら、前述の如き従来の培土は、
依然として以下の欠点があった。すなわち、培土材の結
合(結合剤を用いた固結乾燥)に長い時間(例えば、1
〜3時間程度)が掛かり、量産が困難で結果的にコスト
高であった。また、完成した培土(すなわち,結合剤に
より固結され乾燥された培土材)は、硬質であるものの
割れたり欠け易く、このため運搬中に形が崩れたりし、
その取扱いが面倒で煩雑であった。また一方、実際の使
用に際しては、前記従来の培土を育苗のために灌水する
と、灌水前にも増して形が崩れ易くなる。このため、例
えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施しよう
としても、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取る
ことができず、スムースな作業が困難となる場合もあっ
た。また何より、前述の如き従来の培土では、培土材自
体は比較的安価であるものの、親水性ウレタンプレポリ
マー等の結合剤が高価であり、結果的に全体としては依
然として高価であった。
【0005】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、割れたり崩れることがなく取扱いが容
易な育苗用培土を、安価でかつ量産することができる培
土製造装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の培
土製造装置は、籾殻と結合剤とを攪拌混合し、前記攪拌
混合した籾殻及び結合剤を層状に成すと共に少なくとも
一方の表面に不織布を設け、これらを圧縮成形して成る
育苗用の培土を製造するための培土製造装置であって、
連続する不織布を連続的に供給する不織布供給手段と、
前記不織布供給手段によって供給された不織布を順次搬
送するコンベヤと、前記コンベヤによって搬送される不
織布の上に、少なくとも前記籾殻と結合剤とを攪拌混合
した原料材を順次積層しながら供給する原料供給手段
と、前記コンベヤによって搬送される不織布及び層状の
原料材を共に同時に圧縮成形する圧縮ロールと、を備え
たことを特徴としている。
【0007】ここで、請求項1記載の培土製造装置によ
って製造される育苗用培土は、籾殻と結合剤とを攪拌混
合し、この攪拌混合した籾殻及び結合剤を層状に成すと
共に少なくとも一方の表面に不織布を設けてこれらを圧
縮成形して得られる。この育苗用培土では、結合剤は籾
殻と絡み合い結合された状態に成形され、さらに、不織
布と籾殻とはその表面細毛同士が絡み合い結合された状
態に成形される。しかして、この成形物は、スポンジの
ように腰が強くて屈曲性及び保水性のある培土として構
成され、さらに、少なくとも一方の表面には不織布が強
固に張設された状態に構成される。このため、屈曲性及
び保水性に富んでおり、割れたり欠け難く、運搬中に形
が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても形
が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。さら
に、この育苗用培土は、少なくとも一方の表面に不織布
が張設された状態に成形される。すなわち、籾殻の粒子
の大きさの大小に拘わらず、表面に張設された不織布に
よって籾殻は包み込まれている。したがって、粒子の小
さな籾殻が育苗用培土の表面から溢れ落ちることがな
く、育苗用培土の形状が崩れたり内部が粗になる(空洞
を生じる)ことがない。このため、慎重な取扱いが不要
で作業も容易になる。またさらに、この育苗用培土は、
表面に張設された不織布自体が浸潤性及び保水性に優れ
ている。したがって、育苗用培土の浸潤性が向上し、灌
水効率が良くなる。
【0008】そこで、このような育苗用培土を製造する
ために、請求項1記載の培土製造装置では、不織布供給
手段、コンベヤ、原料供給手段、及び圧縮ロールを備え
ている。この培土製造装置によれば、不織布供給手段か
ら供給された不織布がコンベヤ上を搬送される。さらに
これと共に、原料供給手段から前記攪拌混合した原料材
が供給される。これにより、コンベヤ上を搬送される不
織布上に原料材が順次層状に積層されて搬送される。次
いで、以上のように積層された原料材及び不織布は、圧
縮ロールによって挟み込まれて、搬送されながら圧縮成
形される。
【0009】このように、請求項1記載の培土製造装置
では、不織布供給手段によって供給される不織布と、原
料供給手段によって供給される原料材とをコンベヤの上
で順次連続的に積層し、さらにこれを搬送しながら圧縮
ロールによって連続して圧縮成形するため、一連の作業
を順次連続して自動的に実施することができ、大幅に作
業効率が向上する。したがって、前述の如き育苗用培土
を安価でかつ量産することができる。
【0010】請求項2に係る発明の培土製造装置は、請
求項1記載の培土製造装置において、前記コンベヤによ
って搬送される不織布上の積層された原料材の更に上
に、前記不織布供給手段によって供給される不織布とは
別の連続する不織布を連続的に供給して更に重ねて積層
する第2不織布供給手段を備えたことを特徴としてい
る。
【0011】請求項2記載の培土製造装置では、コンベ
ヤ上に不織布を供給する不織布供給手段に更に加えて、
別の連続する不織布を連続的に供給する第2不織布供給
手段を備えている。これにより、コンベヤ上を搬送され
る不織布上の原料材の上に更に別の連続する不織布が順
次重ねられて積層されながら搬送される。次いで、以上
のように積層された原料材及び表裏両面の不織布は、圧
縮ロールによって挟み込まれて、搬送されながら圧縮成
形される。
【0012】このように、請求項2記載の培土製造装置
では、表裏両面に不織布が張設され原料材を包み込んだ
状態の育苗用培土を、順次連続して自動的に製造するこ
とができ、大幅に作業効率が向上する。したがって、粒
子の小さな籾殻が表面から溢れ落ちることがない前述の
如き育苗用培土を、安価でかつ量産することができる。
【0013】請求項3に係る発明の培土製造装置は、請
求項1または請求項2記載の培土製造装置において前記
結合剤として、芯部と前記芯部よりも軟化温度が低い鞘
部とから成る芯鞘型繊維を用い、前記圧縮ロールは、前
記芯鞘型繊維の前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化し
ない温度で加熱しながら圧縮成形する、ことを特徴とし
ている。
【0014】請求項3記載の培土製造装置では、芯部と
鞘部から成る結合剤としての芯鞘型繊維は、籾殻と共に
攪拌混合されることにより、複雑で細かい網状になって
籾殻と絡み合い、籾殻を包み込む。この状態で、鞘部が
軟化するが芯部は軟化しない温度で圧縮ロールによって
加熱圧縮成形することにより、芯鞘型繊維の鞘部同士が
軟化溶着し合い、網状になって籾殻と絡み合い結合され
た状態に成形される。しかして、この成形物は、芯部が
軟化していないので、スポンジのように腰が強くて屈曲
性及び保水性のある培土として構成される。ここで、こ
のように成形される育苗用培土は、籾殻と芯鞘型繊維と
を攪拌混合し単に所定温度で圧縮ロールによって加熱圧
縮成形することで得られるため、製造時間(培土基材と
しての籾殻と結合材としての芯鞘型繊維との結合)に長
い時間を要することがなく、量産が可能になる。
【0015】このように、請求項3記載の培土製造装置
は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培
土を、安価でかつ量産することができる。
【0016】なお、前述した請求項3における芯鞘型繊
維としては、例えば、芯鞘型ポリエステル(ユニチカ
製)を用いることができる。この場合には、鞘部は11
0℃で軟化し、芯部は250℃で軟化する。このため、
籾殻と前記芯鞘型ポリエステルを攪拌混合した後に13
0℃〜200℃(好ましくは、140℃前後)で加熱圧
縮成形すれば、前記育苗用培土を得ることができる。ま
たさらに、芯鞘型繊維としては、例えば、ビオノーレ
(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場
合には、鞘部は90℃で軟化し、芯部は115℃で軟化
する。このため、籾殻と前記ビオノーレを攪拌混合した
後に100℃で加熱圧縮成形すれば、前記育苗用培土を
得ることができる。
【0017】また、籾殻は、圧縮粉砕した籾殻を用いる
ことが好ましい。
【0018】さらに、籾殻と芯鞘型繊維の混合割合とし
ては、例えば、籾殻が600gの場合に芯鞘型繊維を1
5gとすると良いが、この混合割合は、適宜変更可能で
ある。
【0019】またさらに、攪拌混合した籾殻と芯鞘型繊
維を加熱圧縮成形する際の加圧の程度としては、攪拌混
合した原料(籾殻と芯鞘型繊維)の厚さを4cmとした
場合に加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。
【0020】また、前述した請求項1乃至請求項3記載
の培土製造装置において、原料供給手段によって供給す
る原料材(籾殻及び結合剤)に、育苗用肥料を併せて攪
拌混合して供給し、これらを圧縮成形するようにしても
よい。
【0021】この場合には、結合剤(特に、芯鞘型繊
維)によって絡み合い結合された籾殻によって、育苗用
肥料が共に包み込まれて一体に内包されて成形される。
【0022】このため、育苗に際しては、別の新たな肥
料をこの育苗用培土に加える必要がない。また、育苗す
る作物の種類や天候(気候)等に応じてこの育苗用肥料
の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育
苗用培土を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大す
る。
【0023】またこの場合にも、少なくとも一方の表面
には不織布が張設された状態に成形されているため、籾
殻のみならず内包された育苗用肥料が育苗用培土の表面
から溢れ落ちることがなく、慎重な取扱いが不要で作業
も容易になる。
【0024】なお、育苗用肥料としては、中期育成用肥
料(例えば、商標:ロングM100)、良質土壌菌繁殖
用剤(例えば、ゼオライト)、初期育成用肥料(例え
ば、硫化燐安)、健苗育成剤(例えば、商標:FT
E)、発芽抑制物質除去剤(例えば、クエン酸)、等が
含まれる。
【0025】さらに、籾殻と芯鞘型繊維、及び各育苗用
肥料の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場
合に、芯鞘型繊維を15g、中期育成用肥料を60g、
良質土壌菌繁殖用剤を6g、初期育成用肥料を7g、健
苗育成剤を0.36g、発芽抑制物質除去剤を1.2g
とすると良いが、この混合割合は適宜変更可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】図2には本発明の実施の形態に係
る培土製造装置20によって製造された育苗用培土10
の外観斜視図が示されており、図3には育苗用培土10
の断面図が示されている。
【0027】この育苗用培土10は、培土基材としての
籾殻12と、結合剤としての芯鞘型繊維14、及び複数
の育苗用肥料16を含んで構成されており、本実施の形
態においては例えば、育苗箱60(図5参照)に入るよ
うに、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法2c
mのマット形状に成形されている。ここで、以下に育苗
用培土10の各構成材の種類及び含有量の一例を示す。
【0028】 籾殻 :600g 芯鞘型繊維(芯鞘型ポリエステル:ユニチカ製) : 15g 中期育成用肥料(商標:ロングM100) : 60g 良質土壌菌繁殖用剤(ゼオライト) : 6g 初期育成用肥料(硫化燐安) : 7g 健苗育成剤(商標:FTE) : 0.36g 発芽抑制物質除去剤(クエン酸) : 1.2g 前記の芯鞘型繊維14として用いた芯鞘型ポリエステル
(ユニチカ製)は、芯部14A及び鞘部14B(図4に
概略的に図示)によって構成されており、鞘部14Bは
110℃で軟化し、芯部14Aは250℃で軟化する。
また、芯鞘型繊維14としては、例えば、ビオノーレ
(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場
合には、鞘部14Bは90℃で軟化し、芯部14Aは1
15℃で軟化する。
【0029】なお、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び
複数の育苗用肥料16の混合割合は、適宜変更可能であ
る。
【0030】またここで、図2に示す如く、育苗用培土
10は、表面に不織布18、19が設けられている。こ
の不織布18、19は、例えば厚さ寸法約0.2mmに
形成されており、前述の如く籾殻12や芯鞘型繊維14
及び複数の育苗用肥料16から成る層の表面に張設され
ている。すなわち、籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数
の育苗用肥料16から成る層(混合物)は、この不織布
18、19によって包み込まれた構成となっている。
【0031】次に、この育苗用培土10を製造するため
の本実施の形態に係る培土製造装置20について説明す
る。
【0032】図1には、培土製造装置20の全体構成が
概略的に示されている。この培土製造装置20は、コン
ベヤ22を備えている。このコンベヤ22は、一対のロ
ール24、26及びベルト28によって構成されてお
り、ベルト28が図1矢印方向に移動することにより、
後に詳述する不織布18、19及び原料材Gを搬送す
る。
【0033】コンベヤ22の下方には、不織布供給手段
としての下不織布ロール30が配置されている。下不織
布ロール30は、前述した不織布18をロール状に巻き
取っており、さらに、不織布18の先端部はコンベヤ2
2(ベルト28)上に渡って位置している。したがっ
て、コンベヤ22の作動と共に、この不織布18が下不
織布ロール30から順次巻き出されコンベヤ22(ベル
ト28)上を図1矢印方向に搬送される構成となってい
る。
【0034】一方、コンベヤ22の搬送方向上流側端部
(ロール24)上方には、原料供給手段としての原料供
給口32が設けられており、前記籾殻12や芯鞘型繊維
14及び複数の育苗用肥料16を攪拌混合した原料材G
を下方(すなわち、コンベヤ22上の不織布18)へ落
下供給することができる。これにより、コンベヤ22の
作動によってコンベヤ22上を図1矢印方向に搬送され
る不織布18上に、前記原料材Gが順次落下して積層さ
れながら、この状態で不織布18と共に搬送される構成
である。
【0035】また、コンベヤ22の搬送方向下流側端部
上方(すなわち、原料供給口32の側方)には、第2不
織布供給手段としての上不織布ロール34が配置されて
いる。上不織布ロール34は、前述した下不織布ロール
30と同様に不織布19をロール状に巻き取っており、
さらに、不織布19の先端部は案内ロール36によって
案内された後に、コンベヤ22上の原材料Gに渡って位
置している。したがって、コンベヤ22の作動と共に、
上不織布ロール34から不織布19が順次巻き出され、
コンベヤ22上を図1矢印方向に搬送される原材料Gの
上に更に重なって順次搬送される構成となっている。
【0036】以上の如く、コンベヤ22は、下側の不織
布18上に原材料Gを積層しかつ更にこの原材料G上に
不織布19を重ねた状態で搬送することができるように
なっている。
【0037】コンベヤ22の搬送方向下流側には、前記
層状の原材料G及び表裏両面の不織布18、19の搬送
軌跡に対応して、圧縮ロールとしての上下一対の加熱ロ
ール38、40が配置されている。一対の加熱ロール3
8、40は、前記層状の原材料G及び表裏両面の不織布
18、19を、この状態で挟み込むことで加熱し圧縮成
形することができる。
【0038】また、一対の加熱ロール38、40の搬送
方向下流側には、前記層状の原材料G及び表裏両面の不
織布18、19の搬送軌跡に対応して、上下一対の冷却
ロール42、44が配置されている。一対の冷却ロール
42、44は、前記加熱ロール38、40によって加熱
圧縮成形された層状の原材料G及び表裏両面の不織布1
8、19を、更に冷却しながら圧縮成形することができ
る。
【0039】さらに、一対の冷却ロール42、44の搬
送方向下流側には、第2コンベヤ46が設けられてお
り、圧縮成形された後の前記層状の原材料G及び表裏両
面の不織布18、19を次の工程(例えば、切断工程)
に搬送することができる。
【0040】またさらに、コンベヤ22と下側に位置す
る加熱ロール40との間、下側に位置する加熱ロール4
0と下側に位置する冷却ロール44との間、下側に位置
する冷却ロール44と第2コンベヤ46との間には、そ
れぞれテーブル48が設けられており、搬送される層状
の原材料G及び表裏両面の不織布18、19から成る成
形物を下方から支持することができる。
【0041】次に、この育苗用培土10の製造手順を説
明する。
【0042】先ず、籾殻12と芯鞘型繊維14及び前記
各育苗用肥料16を攪拌混合する。籾殻12は、圧縮粉
砕した籾殻を用いることが好ましい。芯部14Aと鞘部
14Bから成る芯鞘型繊維14は、籾殻12及び各育苗
用肥料16と共に攪拌混合されることにより、複雑で細
かい網状になって籾殻12及び各育苗用肥料16と絡み
合い、籾殻12及び各育苗用肥料16を包み込む。
【0043】次いで、この攪拌混合した籾殻12と芯鞘
型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)を培土製造
装置20によって所定の状態に積層する。
【0044】すなわち、培土製造装置20では、下不織
布ロール30から巻き出された不織布18がコンベヤ2
2上を図1矢印方向に搬送される。さらにこれと共に、
原料供給口32から前記攪拌混合した原料材Gが下方へ
落下供給される。これにより、コンベヤ22上を図1矢
印方向に搬送される不織布18上に前記原料材Gが順次
層状に積層されて搬送される。さらに、これと同時に、
上不織布ロール34から不織布19が順次巻き出され、
コンベヤ22上を図1矢印方向に搬送される原材料Gの
上に更に重なって順次搬送される。
【0045】このように、コンベヤ22上において、原
材料Gが下側の不織布18上に積層されると共に、更に
この原材料G上に不織布19が重ねられ、この状態で順
次搬送される。
【0046】次いで、以上のように積層された籾殻12
と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)及び
不織布18、19は、加熱ロール38、40によって挟
み込まれて、加熱されながら圧縮成形される。
【0047】ここで、加熱ロール38、40により加熱
圧縮成形するに当たっては、原料材Gに含有する芯鞘型
繊維14の鞘部14Bが軟化するが芯部14Aは軟化し
ない温度で加熱圧縮成形する。この場合、例えば、芯鞘
型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を
用いた場合には、鞘部14Bは110℃で軟化し芯部1
4Aは250℃で軟化するため、130℃〜200℃
(好ましくは、140℃前後)で加熱成形する。一方、
例えば、芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子
(株)製)を用いた場合には、鞘部14Bは90℃で軟
化し芯部14Aは115℃で軟化するため、100℃で
加熱成形すればよい。
【0048】またこの場合、加圧の程度としては、前述
の如く攪拌混合し所定の状態に積層した原料材G(籾殻
12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16、及び不織布
18、19)の厚さを4cmとした場合に、加圧後の厚
さが2cmになる程度が好ましい。
【0049】このようにして加熱ロール38、40によ
り加熱圧縮成形することで、芯鞘型繊維14の鞘部14
Bが軟化して溶着し合い、網状になって籾殻12と絡み
合う。
【0050】さらに、加熱ロール38、40により加熱
圧縮成形された原料材G(籾殻12と芯鞘型繊維14及
び育苗用肥料16、及び不織布18、19)は、直ちに
冷却ロール42、44によって冷却圧縮成形される。こ
れにより、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着
し合い網状になって籾殻12と絡み合った状態のままで
直ちに冷却されて、前記鞘部14Bが籾殻12と絡み合
った状態で冷却固化される。
【0051】さらに、この成形物は、第2コンベヤ46
によって次の切断工程へと搬送され、所定寸法に切断さ
れて育苗用培土10が完成する。
【0052】このようにして完成した育苗用培土10
は、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し合
い、網状になって籾殻12と絡み合い結合された状態に
成形され、さらに、不織布18、19と籾殻12とはそ
の表面細毛同士が絡み合い結合された状態に成形され
る。ここで、図4には、前述の如き圧縮成形された後の
芯鞘型繊維14の状態が、一部簡略化して模式的に示さ
れている。この図4で示す如く、鞘部14Bが軟化し溶
着し合うことによって、軟化していない芯部14Aが互
いに網目状に絡み合って結合されており、籾殻12及び
育苗用肥料16を包み込んでいる。これにより、所謂ス
ポンジのような屈曲性及び保水性のある育苗用培土10
が得られ、さらに、この育苗用培土10の表面には不織
布18、19が強固に張設された状態に成形される。
【0053】以上により得られた育苗用培土10を使用
する際には、図5に示す如く、この育苗用培土10を育
苗箱60に敷き、灌水し、水稲等の作物の苗62を播種
し、さらに覆土64を施した上で、日々灌水及び温度管
理をして育苗する。この場合、育苗用培土10は、前述
した不織布18、19が張設された状態のままで使用す
る。
【0054】この育苗用培土10を使用した育苗に際し
て、例えば芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル
(ユニチカ製)を用いた場合には、この芯鞘型ポリエス
テルは加水分解して長期の間には圃場で分解し、一方、
例えば芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子
(株)製)を用いた場合には、このビオノーレは生分解
して長期の間には圃場で分解する。このため、他に悪影
響を与えることはない。またこの場合、苗62は、育苗
用培土10の表面に張設された不織布18、19の「目
の隙間」から根を延ばしていくため、苗62の成長(生
育)に悪影響を与えることはない。
【0055】ここで、前述の如く培土製造装置20によ
って製造された育苗用培土10は、籾殻12と芯鞘型繊
維14及び育苗用肥料16を攪拌混合して積層されると
共に表面に不織布18、19を設けてこれらを圧縮成形
して得られる。この育苗用培土10は、芯鞘型繊維14
が細かい網状になって籾殻12と絡み合って結合されス
ポンジのように腰が強くて屈曲性及び保水性のある培土
として構成され、さらに、その表面には不織布18、1
9が籾殻12の表面細毛同士と絡み合い結合され強固に
張設された状態に成形される。このため、屈曲性及び保
水性に富んでおり、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩
れることがない。また、育苗のために灌水しても形が崩
れることがなく、その取扱いも容易になる。したがっ
て、実際の使用に際して例えば自動田植機の苗台にセッ
トして田植えを実施する場合にも、装置のフィンガー部
分がうまく苗を掴み取ることができ、スムースな作業を
行うことができる。また、このような自動田植機による
田植えに際しては、装置のフィンガー部分が育苗用培土
10の表面に張設された不織布18、19を無理なく破
って苗を掴み取ることができ、何ら悪影響はない。
【0056】さらに、この育苗用培土10は、表面に不
織布18、19が張設された状態に成形されるため、籾
殻12や育苗用肥料16の粒子の大きさの大小に拘わら
ず、表面に張設された不織布18、19によって籾殻1
2や育苗用肥料16は包み込まれている。したがって、
粒子の小さな籾殻12や粒子の大きな育苗用肥料16が
育苗用培土10の表面から溢れ落ちることがなく、育苗
用培土10の形状が崩れたり内部が粗になる(空洞を生
じる)ことがない。このため、慎重な取扱いが不要で作
業も容易になる。またさらに、この育苗用培土10は、
表面に張設された不織布18、19自体が浸潤性及び保
水性に優れている。したがって、育苗用培土10の浸潤
性が向上し、灌水効率が良くなる。
【0057】さらに、育苗用培土10では、培土基材と
しての籾殻12自体が極めて安価であり(更に言えば、
所謂産業廃棄物としての籾殻12を培土基材として有効
利用することができ)、かつ、結合剤としての芯鞘型繊
維14も安価なものを適用することができるため、全体
としても大幅に安価になる。
【0058】またさらに、この育苗用培土10は、育苗
用肥料16を含んで構成されているため、育苗に際して
別の新たな肥料を加える必要がない。また、育苗する作
物の種類や天候(気候)等に応じて前述した各育苗用肥
料16の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異
なる育苗用培土10を準備しておけば、大幅に適用の範
囲が拡大する。
【0059】そこで、このような育苗用培土10を製造
するために、本実施の形態に係る培土製造装置20で
は、不織布供給手段としての下不織布ロール30、コン
ベヤ22、原料供給手段としての原料供給口32、及び
圧縮ロールとしての上下一対の加熱ロール38、40、
さらに、第2不織布供給手段としての上不織布ロール3
4を備えている。この培土製造装置20によれば、下不
織布ロール30によって供給される不織布18と、原料
供給口32から供給される原料材Gとをコンベヤ22の
上で順次連続的に積層すると共に、上不織布ロール34
から供給された不織布19を原材料Gの上に更に重ね、
さらにこれらを搬送しながら加熱ロール38、40によ
って連続して圧縮成形するため、一連の作業を順次連続
して自動的に実施することができ、大幅に作業効率が向
上する。したがって、前述の如き育苗用培土10を安価
でかつ量産することができる。
【0060】またさらに、この培土製造装置20では、
下不織布ロール30から供給される不織布18をコンベ
ヤ22で搬送しながらその上に原材料Gを供給して積層
する構成であるため、不織布18上に供給・積層された
原材料Gが落下することがなく(例えば、加熱ロール4
0とテーブル48との間の隙間から溢れ落ちることがな
く)、これらの素材を好適に搬送しながら処理すること
ができる。
【0061】なお、前述した実施の形態における培土製
造装置20では、第2不織布供給手段としての上不織布
ロール34を備えており、コンベヤ22上を不織布18
と共に搬送される原材料Gの上に更に不織布19を重ね
て搬送する構成としたが、この上不織布ロール34(換
言すれば、不織布19)は必須のものではなく、これを
省略して構成することもできる。
【0062】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る培土製造
装置は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗
用培土を、安価でかつ量産することができるという優れ
た効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の概略
的な全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によっ
て製造された育苗用培土の外観斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によっ
て製造された育苗用培土の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によっ
て製造された育苗用培土における加熱圧縮成形された後
の芯鞘型繊維の状態を示す一部簡略化した模式図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によっ
て製造された育苗用培土の使用状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 育苗用培土 12 籾殻 14 芯鞘型繊維(結合剤) 14A 芯部 14B 鞘部 16 育苗用肥料 18 不織布 19 不織布 20 培土製造装置 22 コンベヤ 30 下不織布ロール(不織布供給手段) 32 原料供給口(原料供給手段) 34 上不織布ロール(第2不織布供給手段) 38 加熱ロール(圧縮ロール) 40 加熱ロール(圧縮ロール) 42 冷却ロール(圧縮ロール) 44 冷却ロール(圧縮ロール)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C05G 3:00 C09K 101:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 籾殻と結合剤とを攪拌混合し、前記攪拌
    混合した籾殻及び結合剤を層状に成すと共に少なくとも
    一方の表面に不織布を設け、これらを圧縮成形して成る
    育苗用の培土を製造するための培土製造装置であって、 連続する不織布を連続的に供給する不織布供給手段と、 前記不織布供給手段によって供給された不織布を順次搬
    送するコンベヤと、 前記コンベヤによって搬送される不織布の上に、少なく
    とも前記籾殻と結合剤とを攪拌混合した原料材を順次積
    層しながら供給する原料供給手段と、 前記コンベヤによって搬送される不織布及び層状の原料
    材を共に同時に圧縮成形する圧縮ロールと、 を備えたことを特徴とする培土製造装置。
  2. 【請求項2】 前記コンベヤによって搬送される不織布
    上の積層された原料材の更に上に、前記不織布供給手段
    によって供給される不織布とは別の連続する不織布を連
    続的に供給して更に重ねて積層する第2不織布供給手段
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の培土製造装
    置。
  3. 【請求項3】 前記結合剤として、芯部と前記芯部より
    も軟化温度が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維を用い、 前記圧縮ロールは、前記芯鞘型繊維の前記鞘部が軟化す
    るが前記芯部は軟化しない温度で加熱しながら圧縮成形
    する、 ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の培土製
    造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012217337A (ja) * 2011-04-02 2012-11-12 Minoru Industrial Co Ltd 緑化用植栽基盤及びその製造方法
US8483042B2 (en) 2008-04-18 2013-07-09 Kyocera Corporation Mobile communication system, base station device and channel allocation method

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US8483042B2 (en) 2008-04-18 2013-07-09 Kyocera Corporation Mobile communication system, base station device and channel allocation method
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