JPH11313535A - 育苗用培土 - Google Patents

育苗用培土

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JPH11313535A
JPH11313535A JP10124611A JP12461198A JPH11313535A JP H11313535 A JPH11313535 A JP H11313535A JP 10124611 A JP10124611 A JP 10124611A JP 12461198 A JP12461198 A JP 12461198A JP H11313535 A JPH11313535 A JP H11313535A
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JP
Japan
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soil
core
sheath
seedling
rice
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JP10124611A
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English (en)
Inventor
Soichi Yamamoto
惣一 山本
Masatoshi Yoshioka
政利 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
Original Assignee
Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価でかつ量産に適し、割れたり崩れること
がなく取扱いが容易になり、さらに浸潤性が向上して灌
水効率が良くなる育苗用培土を得る。 【解決手段】 育苗用培土10は、籾殻12と芯鞘型繊
維14及び育苗用肥料16を含んで構成されており、さ
らに、表面には不織布18、19が張設されている。各
構成材(原料)を攪拌混合し、不織布18、19が表面
に位置するように積層し、さらに、芯鞘型繊維14の鞘
部は軟化するが芯部は軟化しない温度によって加熱圧縮
成形することにより、芯鞘型繊維14が網目状になって
各構成材を包み込んで結合すると共に、不織布18、1
9と籾殻12の表面細毛同士が絡み合って結合し、屈曲
性、保水性、及び浸潤性のある育苗用培土10が得られ
る。この育苗用培土10は、安価でかつ量産することが
でき、灌水しても割れたり崩れることがなく、粒子の小
さい籾殻12等が表面から溢れ落ちることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲等の作物の苗
を育苗するために用いられる育苗用培土に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
水稲等の作物の苗を苗床によって育苗することが行われ
ており、さらに、この苗床の床土としては一般的に土壌
培土が用いられていた。ところが、このような土壌培土
は、良質(均質)の床土が比較的高価で入手が困難であ
ったり、重く運搬性等が悪かった。そこで、このような
土壌培土に代わる床土(培土)が提案されている(一例
として、特公昭56−18165号公報)。
【0003】前記公報に示される培土は、植物質培土材
(樹皮、パルプチップ、オガクズなどを堆肥化したバー
ク堆肥等)を、親水性ウレタンプレポリマーを結合剤と
して用いて固結させ乾燥した構成となっている。なお、
結合剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン類も
用いられる場合がある。この種の培土は、樹皮やパルプ
チップ等の所謂産業廃棄物を培土材として有効利用する
ことができ、またこの植物質培土材も比較的安価であ
る。
【0004】しかしながら、前述の如き従来の培土は、
依然として以下の欠点があった。すなわち、培土材の結
合(結合剤を用いた固結乾燥)に長い時間(例えば、1
〜3時間程度)が掛かり、量産が困難で結果的にコスト
高であった。また、完成した培土(すなわち、結合剤に
より固結され乾燥された培土材)は、硬質であるものの
割れたり欠け易く、このため運搬中に形が崩れたりし、
その取扱いが面倒で煩雑であった。また一方、実際の使
用に際しては、前記従来の培土を育苗のために灌水する
と、灌水前にも増して形が崩れ易くなる。このため、例
えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施しよう
としても、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取る
ことができず、スムースな作業が困難となる場合もあっ
た。また何より、前述の如き従来の培土では、培土材自
体は比較的安価であるものの、親水性ウレタンプレポリ
マー等の結合剤が高価であり、結果的に全体としては依
然として高価であった。
【0005】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、安価でかつ量産に適し、さらに割れた
り崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培土を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の育
苗用培土は、籾殻と結合剤とを攪拌混合し、前記攪拌混
合した籾殻及び結合剤を層状に成すと共に少なくとも一
方の表面に不織布を設け、これらを圧縮成形して成るこ
とを特徴としている。
【0007】請求項1記載の育苗用培土では、籾殻と結
合剤が攪拌混合されることにより、結合剤が籾殻と絡み
合い籾殻を包み込む。さらに、層状に成されたこれらの
籾殻及び結合剤の混合物の少なくとも一方の表面には不
織布が設けられ、この状態で圧縮成形することにより、
結合剤は籾殻と絡み合い結合された状態に成形され、さ
らに、不織布と籾殻とはその表面細毛同士が絡み合い結
合された状態に成形される。しかして、この成形物は、
スポンジのように腰が強くて屈曲性及び保水性のある培
土として構成され、さらに、少なくとも一方の表面には
不織布が強固に張設された状態に構成される。
【0008】ここで、前記育苗用培土では、籾殻と結合
剤とを攪拌混合し単に圧縮成形することで得られるた
め、製造時間(培土基材としての籾殻と結合剤との結
合)に長い時間を要することがなく、量産が可能にな
る。また、育苗用培土は、籾殻が結合剤と絡み合って結
合され、所謂スポンジのように構成されるため、屈曲性
及び保水性に富んでいる。このため、割れたり欠け難
く、運搬中に形が崩れることがない。また、育苗のため
に灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易
になる。したがって、実際の使用に際してもスムースな
作業を行うことができる。またさらに、育苗用培土で
は、培土基材としての籾殻自体が極めて安価であるため
(更に言えば、所謂産業廃棄物を培土基材として有効利
用することができるため)、全体としても大幅に安価に
なる。
【0009】さらに、前記育苗用培土では、少なくとも
一方の表面に不織布が張設された状態に成形される。す
なわち、籾殻の粒子の大きさの大小に拘わらず、表面に
張設された不織布によって籾殻は包み込まれている。し
たがって、粒子の小さな籾殻が育苗用培土の表面から溢
れ落ちることがなく、育苗用培土の形状が崩れたり内部
が粗になる(空洞を生じる)ことがない。このため、慎
重な取扱いが不要で作業も容易になる。
【0010】またさらに、前記育苗用培土では、表面に
張設された不織布自体が浸潤性及び保水性に優れてい
る。したがって、育苗用培土の浸潤性が向上し、灌水効
率が良くなる。
【0011】このように、請求項1記載の育苗用培土
は、安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れること
がなく取扱いが容易になる。
【0012】なお、請求項1記載の育苗用培土において
は、表側及び裏側の両面に不織布を張設してよいことは
当然であるが、何れか片面のみに不織布を張設する構成
としてもよい。
【0013】請求項2に係る発明の育苗用培土は、請求
項1記載の育苗用培土において、前記結合剤は、芯部と
前記芯部よりも軟化温度が低い鞘部とから成る芯鞘型繊
維とされ、前記芯鞘型繊維の前記鞘部が軟化するが前記
芯部は軟化しない温度で加熱圧縮成形して成ることを特
徴としている。
【0014】請求項2記載の育苗用培土では、芯部と鞘
部から成る芯鞘型繊維は、籾殻と共に攪拌混合されるこ
とにより、複雑で細かい網状になって籾殻と絡み合い、
籾殻を包み込む。この状態で、鞘部が軟化するが芯部は
軟化しない温度で加熱成形することにより、芯鞘型繊維
の鞘部同士が軟化溶着し合い、網状になって籾殻と絡み
合い結合された状態に成形される。しかして、この成形
物は、芯部が軟化していないので、スポンジのように腰
が強くて屈曲性及び保水性のある培土として構成され
る。
【0015】ここで、前記育苗用培土では、籾殻と芯鞘
型繊維とを攪拌混合し単に所定温度で加熱圧縮成形する
ことで得られるため、製造時間(培土基材としての籾殻
と結合材としての芯鞘型繊維との結合)に長い時間を要
することがなく、量産が可能になる。また、育苗用培土
は、芯鞘型繊維が細かい網状になって籾殻と絡み合って
結合され、所謂スポンジのように構成されるため、屈曲
性及び保水性に富んでいる。このため、割れたり欠け難
く、運搬中に形が崩れることがない。また、育苗のため
に灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易
になる。したがって、実際の使用に際して例えば自動田
植機の苗台にセットして田植えを実施する場合にも、装
置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができ、
スムースな作業を行うことができる。またさらに、育苗
用培土では、培土基材としての籾殻自体が極めて安価で
あり(更に言えば、所謂産業廃棄物を培土基材として有
効利用することができ)、かつ、結合材としての芯鞘型
繊維も安価なものを適用することができるため、全体と
しても大幅に安価になる。
【0016】さらに、前記育苗用培土では、少なくとも
一方の表面に不織布が張設された状態に成形される。す
なわち、籾殻の粒子の大きさの大小に拘わらず、表面に
張設された不織布によって籾殻は包み込まれている。し
たがって、粒子の小さな籾殻が育苗用培土の表面から溢
れ落ちることがなく、育苗用培土の形状が崩れたり内部
が粗になる(空洞を生じる)ことがない。このため、慎
重な取扱いが不要で作業も容易になる。
【0017】またさらに、前記育苗用培土では、表面に
張設された不織布自体が浸潤性及び保水性に優れてい
る。したがって、育苗用培土の浸潤性が向上し、灌水効
率が良くなる。
【0018】このように、請求項2記載の育苗用培土
は、安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れること
がなく取扱いが容易になる。
【0019】なお、前述した請求項2における芯鞘型繊
維としては、例えば、芯鞘型ポリエステル(ユニチカ
製)を用いることができる。この場合には、鞘部は11
0℃で軟化し、芯部は250℃で軟化する。このため、
籾殻と前記芯鞘型ポリエステルを攪拌混合した後に13
0℃〜200℃(好ましくは、140℃前後)で加熱圧
縮成形すれば、前記育苗用培土を得ることができる。ま
たさらに、芯鞘型繊維としては、例えば、ビオノーレ
(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場
合には、鞘部は90℃で軟化し、芯部は115℃で軟化
する。このため、籾殻と前記ビオノーレを攪拌混合した
後に100℃で加熱圧縮成形すれば、前記育苗用培土を
得ることができる。
【0020】また、籾殻は、圧縮粉砕した籾殻を用いる
ことが好ましい。
【0021】さらに、籾殻と芯鞘型繊維の混合割合とし
ては、例えば、籾殻が600gの場合に芯鞘型繊維を1
5gとすると良いが、この混合割合は、適宜変更可能で
ある。
【0022】またさらに、攪拌混合した籾殻と芯鞘型繊
維を加熱圧縮成形するには、発熱体によって雌雄一対の
成形型を構成し、この成形型によって所定の形状(例え
ば、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法2cm
のマット形状)にプレス成形してもよく、予め大きなマ
ット形状にプレス成形した後に所定形状(寸法)に切断
してもよい。この場合、加圧の程度としては、攪拌混合
した原料(籾殻と芯鞘型繊維)の厚さを4cmとした場
合に加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。ま
た、プレスローラ等を用い、攪拌混合した原料(籾殻と
芯鞘型繊維)を連続的に供給しながらプレスローラ等に
よって加熱・加圧して、連続的に成形し、その後に切断
して完成させてもよい。またこの場合、加熱の仕方とし
ては、プレスローラ自体を熱ローラとして加熱と加圧を
同時に行ってもよく、あるいは、熱風を送給することで
加熱してもよい。
【0023】一方、請求項3に係る発明の育苗用培土
は、請求項1または請求項2記載の育苗用培土におい
て、育苗用肥料を、前記籾殻及び結合剤と併せて攪拌混
合し、前記圧縮成形して成ることを特徴としている。
【0024】請求項3記載の育苗用培土では、結合剤
(特に、芯鞘型繊維)によって絡み合い結合された籾殻
によって、育苗用肥料が共に包み込まれて一体に内包さ
れて構成される。
【0025】このため、育苗に際しては、別の新たな肥
料をこの育苗用培土に加える必要がない。また、育苗す
る作物の種類や天候(気候)等に応じてこの育苗用肥料
の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育
苗用培土を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大す
る。
【0026】またこの場合にも、少なくとも一方の表面
には不織布が張設された状態に成形されているため、籾
殻のみならず内包された育苗用肥料が育苗用培土の表面
から溢れ落ちることがなく、慎重な取扱いが不要で作業
も容易になる。
【0027】なお、育苗用肥料としては、中期育成用肥
料(例えば、商標:ロングM100)、良質土壌菌繁殖
用剤(例えば、ゼオライト)、初期育成用肥料(例え
ば、硫化燐安)、健苗育成剤(例えば、商標:FT
E)、発芽抑制物質除去剤(例えば、クエン酸)、等が
含まれる。
【0028】さらに、籾殻と芯鞘型繊維、及び各育苗用
肥料の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場
合に、芯鞘型繊維を15g、中期育成用肥料を60g、
良質土壌菌繁殖用剤を6g、初期育成用肥料を7g、健
苗育成剤を0.36g、発芽抑制物質除去剤を1.2g
とすると良いが、この混合割合は適宜変更可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】図1には本発明の実施の形態に係
る育苗用培土10の断面図が示されており、図2には育
苗用培土10の外観斜視図が示されている。
【0030】この育苗用培土10は、培土基材としての
籾殻12と、結合剤としての芯鞘型繊維14、及び複数
の育苗用肥料16を含んで構成されており、本実施の形
態においては例えば、育苗箱60(図5参照)に入るよ
うに、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法2c
mのマット形状に成形されている。ここで、以下に育苗
用培土10の各構成材の種類及び含有量の一例を示す。
【0031】 籾殻 :600g 芯鞘型繊維(芯鞘型ポリエステル:ユニチカ製) : 15g 中期育成用肥料(商標:ロングM100) : 60g 良質土壌菌繁殖用剤(ゼオライト) : 6g 初期育成用肥料(硫化燐安) : 7g 健苗育成剤(商標:FTE) : 0.36g 発芽抑制物質除去剤(クエン酸) : 1.2g 前記の芯鞘型繊維14として用いた芯鞘型ポリエステル
(ユニチカ製)は、芯部14A及び鞘部14B(図3に
概略的に図示)によって構成されており、鞘部14Bは
110℃で軟化し、芯部14Aは250℃で軟化する。
また、芯鞘型繊維14としては、例えば、ビオノーレ
(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場
合には、鞘部14Bは90℃で軟化し、芯部14Aは1
15℃で軟化する。
【0032】なお、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び
複数の育苗用肥料16の混合割合は、適宜変更可能であ
る。
【0033】またここで、図1に示す如く、育苗用培土
10は、表面に不織布18、19が設けられている。こ
の不織布18、19は、例えば厚さ寸法約0.2mmに
形成されており、前述の如く籾殻12や芯鞘型繊維14
及び複数の育苗用肥料16から成る層の表面に張設され
ている。すなわち、籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数
の育苗用肥料16から成る層(混合物)は、この不織布
18、19によって包み込まれた構成となっている。
【0034】次に、この育苗用培土10を製造するため
に好適な装置について説明する。
【0035】図4には、培土製造装置20の全体構成が
概略的に示されている。この培土製造装置20は、コン
ベヤ22を備えている。このコンベヤ22は、一対のロ
ール24、26及びベルト28によって構成されてお
り、ベルト28が図4矢印方向に移動することにより、
後に詳述する不織布18、19及び原料材Gを搬送す
る。
【0036】コンベヤ22の下方には、下不織布ロール
30が配置されている。下不織布ロール30は、前述し
た不織布18をロール状に巻き取っており、さらに、不
織布18の先端部はコンベヤ22(ベルト28)上に渡
って位置している。したがって、コンベヤ22の作動と
共に、この不織布18が下不織布ロール30から順次巻
き出されコンベヤ22(ベルト28)上を図4矢印方向
に搬送される構成となっている。
【0037】一方、コンベヤ22の搬送方向上流側端部
(ロール24)上方には、原料供給口32が設けられて
おり、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数の育苗用
肥料16を攪拌混合した原料材Gを下方(すなわち、コ
ンベヤ22上の不織布18)へ落下供給することができ
る。これにより、コンベヤ22の作動によってコンベヤ
22上を図4矢印方向に搬送される不織布18上に、前
記原料材Gが順次落下して積層されながら、この状態で
不織布18と共に搬送される構成である。
【0038】また、コンベヤ22の搬送方向下流側端部
上方(すなわち、原料供給口32の側方)には、上不織
布ロール34が配置されている。上不織布ロール34
は、前述した下不織布ロール30と同様に不織布19を
ロール状に巻き取っており、さらに、不織布19の先端
部は案内ロール36によって案内された後に、コンベヤ
22上の原材料Gに渡って位置している。したがって、
コンベヤ22の作動と共に、上不織布ロール34から不
織布19が順次巻き出され、コンベヤ22上を図4矢印
方向に搬送される原材料Gの上に更に重なって順次搬送
される構成となっている。
【0039】以上の如く、コンベヤ22は、下側の不織
布18上に原材料Gを積層しかつ更にこの原材料G上に
不織布19を重ねた状態で搬送することができるように
なっている。
【0040】コンベヤ22の搬送方向下流側には、前記
層状の原材料G及び表裏両面の不織布18、19の搬送
軌跡に対応して、上下一対の加熱ロール38、40が配
置されている。一対の加熱ロール38、40は、前記層
状の原材料G及び表裏両面の不織布18、19を、この
状態で挟み込むことで加熱し圧縮成形することができ
る。
【0041】また、一対の加熱ロール38、40の搬送
方向下流側には、前記層状の原材料G及び表裏両面の不
織布18、19の搬送軌跡に対応して、上下一対の冷却
ロール42、44が配置されている。一対の冷却ロール
42、44は、前記加熱ロール38、40によって加熱
圧縮成形された層状の原材料G及び表裏両面の不織布1
8、19を、更に冷却しながら圧縮成形することができ
る。
【0042】さらに、一対の冷却ロール42、44の搬
送方向下流側には、第2コンベヤ46が設けられてお
り、圧縮成形された後の前記層状の原材料G及び表裏両
面の不織布18、19を次の工程(例えば、切断工程)
に搬送することができる。
【0043】またさらに、コンベヤ22と下側に位置す
る加熱ロール40との間、下側に位置する加熱ロール4
0と下側に位置する冷却ロール44との間、下側に位置
する冷却ロール44と第2コンベヤ46との間には、そ
れぞれテーブル48が設けられており、搬送される層状
の原材料G及び表裏両面の不織布18、19から成る成
形物を下方から支持することができる。
【0044】次に、この育苗用培土10の製造手順を説
明する。
【0045】先ず、籾殻12と芯鞘型繊維14及び前記
各育苗用肥料16を攪拌混合する。籾殻12は、圧縮粉
砕した籾殻を用いることが好ましい。芯部14Aと鞘部
14Bから成る芯鞘型繊維14は、籾殻12及び各育苗
用肥料16と共に攪拌混合されることにより、複雑で細
かい網状になって籾殻12及び各育苗用肥料16と絡み
合い、籾殻12及び各育苗用肥料16を包み込む。
【0046】次いで、この攪拌混合した籾殻12と芯鞘
型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)を培土製造
装置20によって所定の状態に積層する。
【0047】すなわち、培土製造装置20では、下不織
布ロール30から巻き出された不織布18がコンベヤ2
2上を図4矢印方向に搬送される。さらにこれと共に、
原料供給口32から前記攪拌混合した原料材Gが下方へ
落下供給される。これにより、コンベヤ22上を図4矢
印方向に搬送される不織布18上に前記原料材Gが順次
層状に積層されて搬送される。さらに、これと同時に、
上不織布ロール34から不織布19が順次巻き出され、
コンベヤ22上を図4矢印方向に搬送される原材料Gの
上に更に重なって順次搬送される。
【0048】このように、コンベヤ22上において、原
材料Gが下側の不織布18上に積層されると共に、更に
この原材料G上に不織布19が重ねられ、この状態で順
次搬送される。
【0049】次いで、以上のように積層された籾殻12
と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)及び
不織布18、19は、加熱ロール38、40によって挟
み込まれて、加熱されながら圧縮成形される。
【0050】ここで、加熱ロール38、40により加熱
圧縮成形するに当たっては、原料材Gに含有する芯鞘型
繊維14の鞘部14Bが軟化するが芯部14Aは軟化し
ない温度で加熱圧縮成形する。この場合、例えば、芯鞘
型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を
用いた場合には、鞘部14Bは110℃で軟化し芯部1
4Aは250℃で軟化するため、130℃〜200℃
(好ましくは、140℃前後)で加熱成形する。一方、
例えば、芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子
(株)製)を用いた場合には、鞘部14Bは90℃で軟
化し芯部14Aは115℃で軟化するため、100℃で
加熱成形すればよい。
【0051】またこの場合、加圧の程度としては、前述
の如く攪拌混合し所定の状態に積層した原料材G(籾殻
12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16、及び不織布
18、19)の厚さを4cmとした場合に、加圧後の厚
さが2cmになる程度が好ましい。
【0052】このようにして加熱ロール38、40によ
り加熱圧縮成形することで、芯鞘型繊維14の鞘部14
Bが軟化して溶着し合い、網状になって籾殻12と絡み
合う。
【0053】さらに、加熱ロール38、40により加熱
圧縮成形された原料材G(籾殻12と芯鞘型繊維14及
び育苗用肥料16、及び不織布18、19)は、直ちに
冷却ロール42、44によって冷却圧縮成形される。こ
れにより、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着
し合い網状になって籾殻12と絡み合った状態のままで
直ちに冷却されて、前記鞘部14Bが籾殻12と絡み合
った状態で冷却固化される。
【0054】さらに、この成形物は、第2コンベヤ46
によって次の切断工程へと搬送され、所定寸法に切断さ
れて育苗用培土10が完成する。
【0055】このようにして完成した育苗用培土10
は、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し合
い、網状になって籾殻12と絡み合い結合された状態に
成形され、さらに、不織布18、19と籾殻12とはそ
の表面細毛同士が絡み合い結合された状態に成形され
る。ここで、図3には、前述の如き圧縮成形された後の
芯鞘型繊維14の状態が、一部簡略化して模式的に示さ
れている。この図3で示す如く、鞘部14Bが軟化し溶
着し合うことによって、軟化していない芯部14Aが互
いに網目状に絡み合って結合されており、籾殻12及び
育苗用肥料16を包み込んでいる。これにより、所謂ス
ポンジのような屈曲性及び保水性のある育苗用培土10
が得られ、さらに、この育苗用培土10の表面には不織
布18、19が強固に張設された状態に成形される。
【0056】以上により得られた育苗用培土10を使用
する際には、図5に示す如く、この育苗用培土10を育
苗箱60に敷き、灌水し、水稲等の作物の苗62を播種
し、さらに覆土64を施した上で、日々灌水及び温度管
理をして育苗する。この場合、育苗用培土10は、前述
した不織布18、19が張設された状態のままで使用す
る。
【0057】この育苗用培土10を使用した育苗に際し
て、例えば芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル
(ユニチカ製)を用いた場合には、この芯鞘型ポリエス
テルは加水分解して長期の間には圃場で分解し、一方、
例えば芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子
(株)製)を用いた場合には、このビオノーレは生分解
して長期の間には圃場で分解する。このため、他に悪影
響を与えることはない。またこの場合、苗62は、育苗
用培土10の表面に張設された不織布18、19の「目
の隙間」から根を延ばしていくため、苗62の成長(生
育)に悪影響を与えることはない。
【0058】ここで、前記構成の育苗用培土10では、
籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16を攪拌混
合して積層し、単に所定温度で加熱圧縮成形することで
得られるため、製造時間(培土基材としての籾殻12と
結合剤としての芯鞘型繊維14との結合)に長い時間を
要することがなく、量産が可能になる。
【0059】また、育苗用培土10は、芯鞘型繊維14
が細かい網状になって籾殻12と絡み合って結合され、
所謂スポンジのように構成されるため、屈曲性及び保水
性に富んでいる。このため、割れたり欠け難く、運搬中
に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水して
も形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。し
たがって、実際の使用に際して例えば自動田植機の苗台
にセットして田植えを実施する場合にも、装置のフィン
ガー部分がうまく苗を掴み取ることができ、スムースな
作業を行うことができる。また、このような自動田植機
による田植えに際しては、装置のフィンガー部分が育苗
用培土10の表面に張設された不織布18、19を無理
なく破って苗を掴み取ることができ、何ら悪影響はな
い。
【0060】さらに、育苗用培土10では、培土基材と
しての籾殻12自体が極めて安価であり(更に言えば、
所謂産業廃棄物としての籾殻12を培土基材として有効
利用することができ)、かつ、結合剤としての芯鞘型繊
維14も安価なものを適用することができるため、全体
としても大幅に安価になる。
【0061】またさらに、この育苗用培土10は、育苗
用肥料16を含んで構成されているため、育苗に際して
別の新たな肥料を加える必要がない。また、育苗する作
物の種類や天候(気候)等に応じて前述した各育苗用肥
料16の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異
なる育苗用培土10を準備しておけば、大幅に適用の範
囲が拡大する。
【0062】さらにここで、この育苗用培土10では、
表面に不織布18、19が張設された状態に成形され
る。すなわち、籾殻12や育苗用肥料16の粒子の大き
さの大小に拘わらず、表面に張設された不織布18、1
9によって籾殻12や育苗用肥料16は包み込まれてい
る。したがって、粒子の小さな籾殻12や粒子の大きな
育苗用肥料16が育苗用培土10の表面から溢れ落ちる
ことがなく、育苗用培土10の形状が崩れたり内部が粗
になる(空洞を生じる)ことがない。このため、慎重な
取扱いが不要で作業も容易になる。
【0063】またさらに、この育苗用培土10では、表
面に張設された不織布18、19自体が浸潤性及び保水
性に優れている。したがって、育苗用培土10の浸潤性
が向上し、灌水効率が良くなる。
【0064】このように、本実施の形態に係る育苗用培
土10は、安価でかつ量産に適し、また割れたり崩れる
ことがなく取扱いが容易になり、さらに浸潤性が向上し
て灌水効率が良くなる。
【0065】なお、前述した実施の形態においては、攪
拌混合した籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料1
6(原料材G)及び不織布18、19を培土製造装置2
0によって同時に圧縮成形して育苗用培土10を得る構
成として説明したが、この育苗用培土10は、このよう
な培土製造装置20を用いなくても成形することができ
る。
【0066】例えば、原材料G及び不織布18、19を
同時に加熱圧縮成形するに当たって、発熱体によって雌
雄一対の成形型を設け、この雌雄一対の成形型によって
所定の形状(例えば、縦寸法28cm、横寸法58c
m、厚さ寸法2cmのマット形状)にプレス成形するこ
とで育苗用培土10を得ることもできる。あるいはま
た、加熱圧縮成形するに当たって、大型の雌成形型及び
雄成形型によって前記攪拌混合し積層した原材料G及び
不織布18、19を予め大きなマット形状にプレス成形
した後に、所定形状(寸法)に切断してもよい。
【0067】また、前述した実施の形態に係る育苗用培
土10では、表裏両面にそれぞれ不織布18、19が張
設された構成としたが、これに限らず、何れか片面のみ
に不織布を張設する構成としてもよい。
【0068】さらに、前述した実施の形態に係る育苗用
培土10では、結合剤として芯鞘型繊維14を用いた構
成としたが、これに限らず、ポリビニルアルコールやデ
ンプン類等の他の結合剤を用いた構成としてもよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る育苗用培
土は、安価でかつ量産に適し、また割れたり崩れること
がなく取扱いが容易になり、さらに浸潤性が向上して灌
水効率が良くなるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る育苗用培土の断面図
である。
【図2】本発明の実施の形態に係る育苗用培土の外観斜
視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る育苗用培土における
加熱圧縮成形された後の芯鞘型繊維の状態を示す一部簡
略化した模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る育苗用培土を製造す
る際に適用される培土製造装置の概略的な全体構成図で
ある。
【図5】本発明の実施の形態に係る育苗用培土の使用状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 育苗用培土 12 籾殻 14 芯鞘型繊維 14A 芯部 14B 鞘部 16 育苗用肥料 18 不織布 19 不織布

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 籾殻と結合剤とを攪拌混合し、前記攪拌
    混合した籾殻及び結合剤を層状に成すと共に少なくとも
    一方の表面に不織布を設け、これらを圧縮成形して成る
    育苗用培土。
  2. 【請求項2】 前記結合剤は、芯部と前記芯部よりも軟
    化温度が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維とされ、 前記芯鞘型繊維の前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化
    しない温度で加熱圧縮成形して成ることを特徴とする請
    求項1記載の育苗用培土。
  3. 【請求項3】 育苗用肥料を、前記籾殻及び結合剤と併
    せて攪拌混合し、前記圧縮成形して成る請求項1または
    請求項2記載の育苗用培土。
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