JPH11127697A - 育苗用培土 - Google Patents

育苗用培土

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JPH11127697A
JPH11127697A JP9302104A JP30210497A JPH11127697A JP H11127697 A JPH11127697 A JP H11127697A JP 9302104 A JP9302104 A JP 9302104A JP 30210497 A JP30210497 A JP 30210497A JP H11127697 A JPH11127697 A JP H11127697A
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core
sheath
soil
seedling
surfactant
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JP9302104A
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English (en)
Inventor
Soichi Yamamoto
惣一 山本
Masatoshi Yoshioka
政利 吉岡
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Yamamoto Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Yamamoto Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れ
ることがなく取扱いが容易であり、即座に使用すること
ができる育苗用培土を得る。 【解決手段】 育苗用培土10は、籾殻12と芯鞘型繊
維14、育苗用肥料16及び界面活性剤17を含んで構
成されている。各構成材(原料)を攪拌混合し、芯鞘型
繊維14の鞘部は軟化するが芯部は軟化しない温度によ
って加熱成形することにより、芯鞘型繊維14が網目状
になって各構成材を包み込んで結合し、屈曲性、保水性
及び親水性のある育苗用培土10が得られる。この育苗
用培土10は、各原料自体が安価であり、かつ単に加熱
成形して得られるため、安価でかつ量産することができ
る。さらに、使用に際しては、灌水すれば直ちに水が浸
透して即座に使用することができ、また灌水しても割れ
たり崩れることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲等の作物の苗
を育苗するために用いられる育苗用培土に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
水稲等の作物の苗を苗床によって育苗することが行われ
ており、さらに、この苗床の床土としては一般的に土壌
培土が用いられていた。ところが、このような土壌培土
は、良質(均質)の床土が比較的高価で入手が困難であ
ったり、重く運搬性等が悪かった。そこで、このような
土壌培土に代わる床土(培土)が提案されている(一例
として、特公昭56−18165号公報)。
【0003】前記公報に示される培土は、植物質培土材
(樹皮、パルプチップ、オガクズなどを堆肥化したバー
ク堆肥等)を、親水性ウレタンプレポリマーを結合剤と
して用いて固結させ乾燥した構成となっている。なお、
結合剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン類も
用いられる場合がある。この種の培土は、樹皮やパルプ
チップ等の所謂産業廃棄物を培土材として有効利用する
ことができ、またこの植物質培土材も比較的安価であ
る。
【0004】しかしながら、前述の如き従来の培土は、
依然として以下の欠点があった。すなわち、培土材の結
合(結合剤を用いた固結乾燥)に長い時間(例えば、1
〜3時間程度)が掛かり、量産が困難で結果的にコスト
高であった。また、完成した培土(すなわち,結合剤に
より固結され乾燥された培土材)は、硬質であるものの
割れたり欠け易く、このため運搬中に形が崩れたりし、
その取扱いが面倒で煩雑であった。
【0005】また一方、この種の培土は、工場において
製造された後に出荷され、育苗センターや各農家で使用
されるが、実際の使用に際しては、この培土を育苗のた
めに灌水した場合に直ちに水が染み込み、即座にこの培
土を使用できることが望ましい。この点、従来の培土
は、撥水性が有って灌水してもなかなか浸潤せず、水稲
等の作物の苗を播種でき得る程度に水が浸潤するまでに
(実質的にこの培土が使用できる状態となるまでに)、
数十時間から数日ほども懸かり、即座にこの培土を使用
できない欠点もあった。
【0006】さらに、前記従来の培土では、育苗のため
に灌水すると、灌水前にも増して形が崩れ易くなる。こ
のため、例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを
実施しようとしても、装置のフィンガー部分がうまく苗
を掴み取ることができず、スムースな作業が困難となる
場合もあった。
【0007】また何より、前述の如き従来の培土では、
培土材自体は比較的安価であるものの、親水性ウレタン
プレポリマー等の結合剤が高価であり、結果的に全体と
しては依然として高価であった。
【0008】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、安価でかつ量産に適し、さらに割れた
り崩れることがなく取扱いが容易であり、即座に使用す
ることができる育苗用培土を提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の育
苗用培土は、籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度が
低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、界面活性剤と、を有
し、前記籾殻と芯鞘型繊維と界面活性剤とを攪拌混合
し、前記攪拌混合した籾殻と芯鞘型繊維と界面活性剤と
を、前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度で
加熱成形して成る構成としている。
【0010】請求項1記載の育苗用培土では、芯部と鞘
部から成る芯鞘型繊維は、籾殻及び界面活性剤と共に攪
拌混合されることにより、複雑で細かい網状になって籾
殻及び界面活性剤と絡み合い、籾殻及び界面活性剤を包
み込む。この状態で、鞘部が軟化するが芯部は軟化しな
い温度で加熱成形することにより、芯鞘型繊維の鞘部同
士が軟化溶着し合い、網状になって籾殻及び界面活性剤
と絡み合い結合された状態に成形される。しかして、こ
の成形物は、芯部が軟化していないので、スポンジのよ
うに腰が強くて屈曲性及び保水性のある培土として構成
される。
【0011】ここで、前記育苗用培土では、籾殻と芯鞘
型繊維と界面活性剤とを攪拌混合し単に所定温度で加熱
成形することで得られるため、製造時間(培土基材とし
ての籾殻と結合材としての芯鞘型繊維との結合)に長い
時間を要することがなく、量産が可能になる。また、育
苗用培土は、芯鞘型繊維が細かい網状になって籾殻及び
界面活性剤と絡み合って結合され、所謂スポンジのよう
に構成されるため、屈曲性及び保水性に富んでいる。こ
のため、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることが
ない。
【0012】また、この育苗用培土は、前述の如くスポ
ンジのように構成され屈曲性及び保水性に富んでいるた
め、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、そ
の取扱いも容易になる。したがって、実際の使用に際し
て例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施す
る場合にも、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取
ることができ、スムースな作業を行うことができる。
【0013】さらに、この育苗用培土は、界面活性剤を
内包して成形されているため、撥水性が除去されてお
り、水の浸透性が向上している。したがって、実際の使
用に際しては、この育苗用培土に灌水すれば直ちに水が
浸透し、即座にこの育苗用培土を使用できる。したがっ
て、実際の使用に際しての灌水時間を大幅に短縮するこ
とができる。
【0014】またさらに、この育苗用培土では、培土基
材としての籾殻自体が極めて安価であり(更に言えば、
所謂産業廃棄物を培土基材として有効利用することがで
き)、かつ、結合材としての芯鞘型繊維も安価なものを
適用することができると共に界面活性剤も安価なものを
適用することができるため、全体としても大幅に安価に
なる。
【0015】このように、請求項1記載の育苗用培土
は、安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れること
がなく取扱いが容易であり、即座に使用が可能である。
【0016】なお、芯鞘型繊維としては、例えば、芯鞘
型ポリエステル(ユニチカ製)を用いることができる。
この場合には、鞘部は110℃で軟化し、芯部は250
℃で軟化する。このため、籾殻と前記芯鞘型ポリエステ
ルを攪拌混合した後に130℃〜200℃(好ましく
は、140℃前後)で加熱成形すれば、前記育苗用培土
を得ることができる。またさらに、芯鞘型繊維として
は、例えば、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用い
ることができる。この場合には、鞘部は90℃で軟化
し、芯部は115℃で軟化する。このため、籾殻と前記
ビオノーレを攪拌混合した後に100℃で加熱成形すれ
ば、前記育苗用培土を得ることができる。
【0017】また、籾殻は、水分を少量加えながら圧縮
粉砕した所謂膨軟化粉砕籾殻を用いることが好ましい。
【0018】さらに、籾殻と芯鞘型繊維の混合割合とし
ては、例えば、籾殻が600gの場合に芯鞘型繊維を1
5gとすると良いが、この混合割合は、適宜変更可能で
ある。
【0019】また、界面活性剤としては、粉末状または
粒状のものが好適であり、アルキベンゼンスルホン酸ナ
トリウムやポリオキシエチレンエーテル等を用いること
ができ、あるいは、所謂家庭用中性洗剤を用いることが
できる。
【0020】またさらに、攪拌混合した籾殻と芯鞘型繊
維と界面活性剤を加熱成形するには、発熱体によって雌
雄一対の成形型を構成し、この成形型によって所定の形
状(例えば、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸
法2cmのマット形状)にプレス成形してもよく、予め
大きなマット形状にプレス成形した後に所定形状(寸
法)に切断してもよい。この場合、加圧の程度として
は、攪拌混合した原料(籾殻と芯鞘型繊維)の厚さを4
cmとした場合に加圧後の厚さが2cmになる程度が好
ましい。また、プレスローラ等を用い、攪拌混合した原
料(籾殻と芯鞘型繊維)を連続的に供給しながらプレス
ローラ等によって加熱・加圧して、連続的に成形し、そ
の後に切断して完成させてもよい。またこの場合、加熱
の仕方としては、プレスローラ自体を熱ローラとして加
熱と加圧を同時に行ってもよく、あるいは、熱風を送給
することで加熱してもよい。
【0021】また、前述の如く構成される育苗用培土に
おいて、育苗用肥料を籾殻、芯鞘型繊維及び界面活性剤
と併せて攪拌混合して、前記所定温度で加熱成形して構
成することもできる。
【0022】この場合には、籾殻及び界面活性剤と共に
絡み合った芯鞘型繊維によって、育苗用肥料が共に包み
込まれて一体に内包されて成形される。
【0023】このため、育苗に際しては、別の新たな肥
料をこの育苗用培土に加える必要がない。また、育苗す
る作物の種類や天候(気候)等に応じてこの育苗用肥料
の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育
苗用培土を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大す
る。
【0024】なお、育苗用肥料としては、中期育成用肥
料(例えば、商標:ロングM100)、良質土壌菌繁殖
用剤(例えば、ゼオライト)、初期育成用肥料(例え
ば、硫化燐安)、健苗育成剤(例えば、商標:FT
E)、発芽抑制物質除去剤(例えば、クエン酸)、等が
含まれる。
【0025】さらに、籾殻と芯鞘型繊維、及び各育苗用
肥料の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場
合に、芯鞘型繊維を15g、中期育成用肥料を60g、
良質土壌菌繁殖用剤を6g、初期育成用肥料を7g、健
苗育成剤を0.36g、発芽抑制物質除去剤を1.2g
とすると良いが、この混合割合は適宜変更可能である。
【0026】一方、請求項2に係る発明の育苗用培土
は、籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度が低い鞘部
とから成る芯鞘型繊維と、を有し、前記籾殻と芯鞘型繊
維とを攪拌混合し、前記攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊
維を、前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度
で加熱成形して成る育苗用培土において、前記加熱成形
後に界面活性剤を付与したことを特徴としている。
【0027】請求項2記載の育苗用培土は、前述した請
求項1記載の育苗用培土と同様に、籾殻と芯鞘型繊維と
によって成形され、スポンジのように腰が強くて屈曲性
及び保水性のある培土として構成される。
【0028】この育苗用培土においても、製造時間に長
い時間を要することがなく、量産が可能になる。また、
屈曲性及び保水性に富んでいるため、割れたり欠け難
く、運搬中に形が崩れることがない。またこのため、育
苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱
いも容易になりスムースな作業を行うことができる。
【0029】さらに、請求項2記載の育苗用培土では、
界面活性剤が加熱成形後に付与された構成であるため、
仮に加熱成形直後の育苗用培土(成形体)に撥水性が有
っても、完成状態の育苗用培土においては前記撥水性が
除去されて水の浸透性が向上している。したがって、使
用する際に灌水すれば直ちに水が浸透し、即座にこの育
苗用培土を使用できる。したがって、実際の使用に際し
ての灌水時間を大幅に短縮することができる。
【0030】また、この育苗用培土においても、培土基
材としての籾殻自体が極めて安価であり(更に言えば、
所謂産業廃棄物を培土基材として有効利用することがで
き)、かつ、結合材としての芯鞘型繊維も安価なものを
適用することができると共に界面活性剤も安価なものを
適用することができるため、全体としても大幅に安価に
なる。
【0031】このように、請求項2記載の育苗用培土
は、安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れること
がなく取扱いが容易であり、即座に使用が可能である。
【0032】なお、界面活性剤としては、前述した請求
項1記載の育苗用培土の場合と同様に、アルキベンゼン
スルホン酸ナトリウムやポリオキシエチレンエーテル等
を用いることができ、あるいは、所謂家庭用中性洗剤を
用いることができる。
【0033】また、前記界面活性剤の付与の仕方として
は、粉末状または粒状のものを散布することで行っても
よく、あるいは、前記界面活性剤を溶かした水を噴霧す
る、当該水を灌水する、当該水に浸漬する、等の幾多の
手段があるが、何れの方法であっても差し支えない。
【0034】またさらに、請求項2記載の育苗用培土に
おいては、籾殻や芯鞘型繊維の種類、あるいはその混合
割合、加熱成形の仕方、添加する育苗用肥料等について
は、前述した請求項1記載の育苗用培土の場合と同様に
構成することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1には本発明の第1の実施の形
態に係る育苗用培土10の外観斜視図が示されている。
また、図2にはこの育苗用培土10の使用状態が断面図
にて示されている。
【0036】この育苗用培土10は、培土基材としての
籾殻12と、結合材としての芯鞘型繊維14、複数の育
苗用肥料16、及び界面活性剤17を含んで構成されて
おり、本実施の形態においては例えば、育苗箱40に入
るように、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法
2cmのマット形状に成形されている。ここで、以下に
育苗用培土10の各構成材の種類及び含有量の一例を示
す。
【0037】 籾殻 :600g 芯鞘型繊維(芯鞘型ポリエステル:ユニチカ製) : 15g 中期育成用肥料(商標:ロングM100) : 60g 良質土壌菌繁殖用剤(ゼオライト) : 6g 初期育成用肥料(硫化燐安) : 7g 健苗育成剤(商標:FTE) : 0.36g 発芽抑制物質除去剤(クエン酸) : 1.2g 界面活性剤 : 適量 前記の芯鞘型繊維14として用いた芯鞘型ポリエステル
(ユニチカ製)は、芯部14A及び鞘部14B(図3に
概略的に図示)によって構成されており、鞘部14Bは
110℃で軟化し、芯部14Aは250℃で軟化する。
また、芯鞘型繊維14としては、例えば、ビオノーレ
(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場
合には、鞘部14Bは90℃で軟化し、芯部14Aは1
15℃で軟化する。
【0038】また、界面活性剤17としては、粉末状ま
たは粒状のものが好適であり、アルキベンゼンスルホン
酸ナトリウムやポリオキシエチレンエーテル等を用いる
ことができ、あるいは、所謂家庭用中性洗剤を用いるこ
とができる。
【0039】なお、前記籾殻12や芯鞘型繊維14、複
数の育苗用肥料16及び界面活性剤17の混合割合は、
適宜変更可能である。
【0040】ここで、この育苗用培土10の製造手順を
説明する。先ず、籾殻12と芯鞘型繊維14、前記各育
苗用肥料16及び界面活性剤17を攪拌混合する。籾殻
12は、水分を少量加えながら圧縮粉砕した所謂膨軟化
粉砕籾殻を用いることが好ましい。芯部14Aと鞘部1
4Bから成る芯鞘型繊維14は、籾殻12、各育苗用肥
料16及び界面活性剤17と共に攪拌混合されることに
より、複雑で細かい網状になって籾殻12、各育苗用肥
料16及び界面活性剤17と絡み合い、籾殻12、各育
苗用肥料16及び界面活性剤17を包み込む。
【0041】次いで、この攪拌混合した籾殻12と芯鞘
型繊維14、育苗用肥料16及び界面活性剤17を、芯
鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化するが芯部14Aは軟
化しない温度で加熱成形する。この場合、例えば、芯鞘
型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を
用いた場合には、鞘部14Bは110℃で軟化し芯部1
4Aは250℃で軟化するため、籾殻12と前記芯鞘型
ポリエステルを攪拌混合した後に130℃〜200℃
(好ましくは、140℃前後)で加熱成形する。一方、
例えば、芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子
(株)製)を用いた場合には、鞘部14Bは90℃で軟
化し芯部14Aは115℃で軟化するため、籾殻12と
前記ビオノーレを攪拌混合した後に100℃で加熱成形
する。
【0042】またこの場合、攪拌混合した籾殻12と芯
鞘型繊維14、育苗用肥料16及び界面活性剤17を加
熱成形するに当たっては、図4に示す如く、発熱体によ
って一対の雌成形型20及び雄成形型22を構成し、こ
の雌成形型20及び雄成形型22によって所定の形状
(例えば、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法
2cmのマット形状)にプレス成形する。この場合、加
圧の程度としては、図5(A)に示す如く攪拌混合した
原料G(籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料1
6)の厚さを4cmとした場合に、図5(B)に示す如
く加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。
【0043】これにより、芯鞘型繊維14の鞘部14B
が軟化して溶着し合い、網状になって籾殻12と絡み合
い結合された状態に成形される。ここで、図3には、前
述の如き加熱成形された後の芯鞘型繊維14の状態が、
一部簡略化して模式的に示されている。この図3で示す
如く、鞘部14Bが軟化し溶着し合うことによって、軟
化していない芯部14Aが互いに網目状に絡み合って結
合されており、籾殻12、育苗用肥料16及び界面活性
剤17を包み込んでいる。これにより、所謂スポンジの
ような屈曲性及び保水性のある育苗用培土10が得られ
る。
【0044】なお、加熱成形するに当たっては、図6に
示す如く、大型の雌成形型24及び雄成形型26によっ
て前記攪拌混合した原料Gを予め大きなマット形状にプ
レス成形した後に、所定形状(寸法)に切断してもよ
い。また、図7に示す如く、プレスローラ28、30、
32を用い、攪拌混合した原料Gを連続的に供給しなが
ら、プレスローラ28、30、32によって加熱・加圧
して連続的に成形し、その後にカッター34によって所
定寸法に切断して完成させてもよい。またこの場合、加
熱の仕方としては、プレスローラ28、30、32自体
を熱ローラとして加熱と加圧を同時に行ってもよく、あ
るいは、送風口36から熱風を送給することで加熱して
もよい。
【0045】以上により得られた育苗用培土10を使用
する際には、図2に示す如く、この育苗用培土10を育
苗箱40に敷き、灌水し、水稲等の作物の苗42を播種
し、さらに覆土44を施した上で、日々灌水及び温度管
理をして育苗する。
【0046】この育苗用培土10を使用した育苗に際し
て、例えば芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル
(ユニチカ製)を用いた場合には、この芯鞘型ポリエス
テルは加水分解して長期の間には圃場で分解し、一方、
例えば芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子
(株)製)を用いた場合には、このビオノーレは生分解
して長期の間には圃場で分解する。このため、他に悪影
響を与えることはない。
【0047】ここで、前記構成の育苗用培土10では、
籾殻12と芯鞘型繊維14、育苗用肥料16及び界面活
性剤17を攪拌混合し、単に所定温度で加熱成形するこ
とで得られるため、製造時間(培土基材としての籾殻1
2と結合材としての芯鞘型繊維14との結合)に長い時
間を要することがなく、量産が可能になる。
【0048】また、育苗用培土10は、芯鞘型繊維14
が細かい網状になって籾殻12と絡み合って結合され、
所謂スポンジのように構成されるため、屈曲性及び保水
性に富んでいる。このため、割れたり欠け難く、運搬中
に形が崩れることがない。
【0049】さらに、育苗用培土10では、培土基材と
しての籾殻12自体が極めて安価であり(更に言えば、
所謂産業廃棄物としての籾殻12を培土基材として有効
利用することができ)、かつ、結合材としての芯鞘型繊
維14及び界面活性剤17も安価なものを適用すること
ができるため、全体としても大幅に安価になる。
【0050】またさらに、この種の培土は、工場におい
て製造された後に出荷され、育苗センターや各農家で使
用されるが、実際の使用に際しては、この培土を育苗の
ために灌水した場合に直ちに水が染み込み、即座にこの
培土を使用できることが望ましい。この点、本第1の実
施の形態に係る育苗用培土10は、界面活性剤17を内
包して成形されているため、育苗用培土10に表面活性
が生じて撥水性が除去されており、水の浸透性(浸潤
性)が向上している。したがって、使用する際に灌水す
れば直ちに水が浸透し、即座にこの育苗用培土10を使
用でき、実際の使用に際しての灌水時間を大幅に短縮す
ることができる。
【0051】さらに、この育苗用培土10は、前述の如
くスポンジのように構成され屈曲性及び保水性に富んで
いるため、育苗のために灌水しても形が崩れることがな
く、その取扱いも容易になる。したがって、実際の使用
に際して例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを
実施する場合にも、装置のフィンガー部分がうまく苗を
掴み取ることができ、スムースな作業を行うことができ
る。
【0052】またさらに、この育苗用培土10は、育苗
用肥料16を含んで構成されているため、育苗に際して
別の新たな肥料を加える必要がない。また、育苗する作
物の種類や天候(気候)等に応じて前述した各育苗用肥
料16の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異
なる育苗用培土10を準備しておけば、大幅に適用の範
囲が拡大する。
【0053】このように、本第1の実施の形態に係る育
苗用培土10は、安価でかつ量産に適し、さらに割れた
り崩れることがなく取扱いが容易であり、即座に使用が
可能である。
【0054】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の構成
品については、前記第1の実施の形態と同一の符号を付
与してその説明を省略する。
【0055】図8には本発明の実施の形態に係る育苗用
培土50が適用された培土梱包体Kの外観斜視図が示さ
れている。
【0056】育苗用培土50は、前述した育苗用培土1
0と基本的に同一構成であるが、界面活性剤17を加熱
成形後に付与した構成としている。すなわち、籾殻12
と芯鞘型繊維14及び複数の育苗用肥料16を加熱成形
した後に、前述した第1の実施の形態と同様の界面活性
剤17(アルキベンゼンスルホン酸ナトリウムやポリオ
キシエチレンエーテル、あるいは所謂家庭用中性洗剤
等)を付与する。その後に、この育苗用培土50を複数
枚(例えば、10〜20枚)積み重ね、かつ水密性のシ
ート材52によって梱包して培土梱包体Kが完成する。
【0057】なお、加熱成形後の育苗用培土50を複数
枚積み重ねた状態で、前記界面活性剤17を付与し、そ
の後にシート材52によって梱包してもよい。
【0058】また、界面活性剤17の付与の仕方として
は、粉末状または粒状のものを前記加熱成形後の育苗用
培土50に散布することで行ってもよく、あるいは、前
記界面活性剤17を溶かした水を、前記加熱成形後の育
苗用培土50に噴霧する、当該水を灌水する、当該水に
浸漬する、等の幾多の手段があるが、何れの方法であっ
ても差し支えない。
【0059】本第2の実施の形態に係る育苗用培土50
では、製造され出荷される時点において界面活性剤17
が付与されかつ水密性のシート材52で梱包されて培土
梱包体Kとして構成されているため、実際の使用に際し
ては、前記シート材52による梱包を解くのみで即座に
使用できる。さらに、仮に加熱成形直後の育苗用培土
(成形体)50に撥水性が有っても、前述の如く完成状
態の育苗用培土50には界面活性剤17が付与されてい
るため、育苗用培土50に表面活性が生じて前記撥水性
が除去され水の浸透性(浸潤性)が向上している。した
がって、使用する際に灌水すれば直ちに水が浸透し、即
座にこの育苗用培土50を使用することができ、実際の
使用に際しての灌水時間を大幅に短縮することができ
る。
【0060】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る育苗用培
土は、安価でかつ量産に適し、さらに、割れたり崩れる
ことがなく取扱いが容易であり、即座に使用することが
できるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る育苗用培土の
外観斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る育苗用培土の
使用状態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る育苗用培土に
おける加熱成形された後の芯鞘型繊維の状態を示す一部
簡略化した模式図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る育苗用培土の
加熱成形工程を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る育苗用培土の
加熱成形工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る育苗用培土の
加熱成形工程の他の例を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る育苗用培土の
加熱成形工程の他の例を示す側面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る育苗用培土が
適用されて構成された培土梱包体の外観斜視図である。
【符号の説明】
10 育苗用培土 12 籾殻 14 芯鞘型繊維 14A 芯部 14B 鞘部 16 育苗用肥料 17 界面活性剤 50 育苗用培土 52 シート材 K 培土梱包体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度
    が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、界面活性剤と、を
    有し、前記籾殻と芯鞘型繊維と界面活性剤とを攪拌混合
    し、前記攪拌混合した籾殻と芯鞘型繊維と界面活性剤と
    を、前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度で
    加熱成形して成る育苗用培土。
  2. 【請求項2】 籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度
    が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、を有し、前記籾殻
    と芯鞘型繊維とを攪拌混合し、前記攪拌混合した籾殻及
    び芯鞘型繊維を、前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化
    しない温度で加熱成形して成る育苗用培土において、 前記加熱成形後に界面活性剤を付与したことを特徴とす
    る育苗用培土。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001251956A (ja) * 2000-01-07 2001-09-18 Yamagata Okitama Nogyo Kyodo Kumiai 稲育苗用モミ殻マットの製造方法および製造プラント
KR20010098368A (ko) * 2000-04-21 2001-11-08 야마모토 소이치 육묘용 배지 및 육묘용 배지의 제조 시스템
JP2002058311A (ja) * 2000-08-15 2002-02-26 National Agricultural Research Organization マルチステージ播種、苗移植システム

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