JPH07107863A - 植木鉢及びその製造方法 - Google Patents

植木鉢及びその製造方法

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JPH07107863A
JPH07107863A JP27890693A JP27890693A JPH07107863A JP H07107863 A JPH07107863 A JP H07107863A JP 27890693 A JP27890693 A JP 27890693A JP 27890693 A JP27890693 A JP 27890693A JP H07107863 A JPH07107863 A JP H07107863A
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pot
plant
palm
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Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入手が容易な材料で形成することができ、材
料に面倒な処理を特別に施すことなく、地中での崩壊を
容易にすることができる地中埋設型の植木鉢を提供す
る。 【構成】 ヤシ繊維を一旦ほぐした後、これらの繊維を
通常の不織布製造工程と同様の工程で生分解性バインダ
を含ませながら絡み合わせてヤシ繊維マット材料を形成
する。このようにして形成されたヤシ繊維マット材料を
プレス加工等によって適宜の形状に成形して植木鉢を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植木鉢に関し、更に詳
細にのべると、任意の植物を植えて展示し又は栽培する
ことができるが、この植物を地中に移植する際に鉢から
取り出すことなく、そのまま地中に植え込むことができ
る植木鉢に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉢植えされた植物を鉢と共に地中に植え
込むことができる植木鉢が知られている(例えば特公昭
54−15820号公報参照)。この種の植木鉢は、植
物を地中に移植する際に鉢から取り出す必要がないの
で、植え込みの際の処理が容易である上に季節に拘りな
く地中に植え込むことができるので好ましい。この公知
の地中埋設型の植木鉢は、おが屑、カンナ屑、わら屑、
枯草、紙屑、木綿屑等のセルロール質のチップ又は粉状
体をポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂又
はエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の
熱硬化性樹脂等の樹脂バインダで結合して形成されてい
る。
【0003】一方、蔬菜類から樹木等の種々の苗木の育
苗に好適な繊維製の育苗鉢が知られている(例えば特公
昭55−50648号公報参照)。この育苗鉢は、根の
貫通性を有するので、育苗後、鉢ごと地中に移植するこ
とができるので有利である。この育苗鉢は、繊維質、繊
維素パルプの外に、強度を増加するために合成繊維ある
いは合成パルプを混合し叩解して得られた紙料から作ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】1つの従来技術である
特公昭54−15820号に記載されているような地中
埋設型の植木鉢において、この鉢に使用されるセルロー
ス質の材料は、おが屑、カンナ屑、わら屑等は、建築現
場で生ずるが、その量は比較的少なく入手が困難であ
り、また使用される樹脂バインダは地中で分解すること
ができないので、植木鉢の強度を高めるために樹脂バイ
ンダの含有量を増加すると、地中に埋設した時の植物の
根の張りが阻害される虞があった。
【0005】また、セルロース質が地中で容易に崩壊す
ることができるように分散性を高めるために、セルロー
ス質の材料を粉状又はチップ状に処理することが要求さ
れるので、製造工程が面倒であり、材料の入手が困難で
あることと相まって高価となる欠点があった。
【0006】また、他の従来技術である特公昭55−5
0648号公報に記載されている育苗鉢は、繊維質、繊
維素パルプ及び合成繊維又は合成パルプを叩解して紙料
とした後、この紙料を成形パルプ加工法又は紙製組立加
工法によって鉢を形成するが、繊維材料は単にパルプ製
造機又は抄紙機で成型又は抄造されるだけであって繊維
材料の成分の結合が充分でないため、高い強度が要求さ
れる展示用又は栽培用植木鉢として利用することができ
ない。
【0007】本発明の1つの目的は、入手が容易な材料
で安価に製造することができる地中埋設型の植木鉢を提
供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、材料に面倒な処理を
特別に施すことなく、鉢本体の地中での崩壊を容易にす
ることができる地中埋設型の植木鉢を提供することにあ
る。
【0009】本発明の他の目的は、高い強度を有するこ
とが要求される展示用又は栽培用に好適な地中埋設型の
植木鉢を提供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、簡単な工程で安
価に製造することができる地中埋設型の植木鉢の製造方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の課題解決
手段は、ヤシ、アシ、アバカ、バナナ等の太くて難分解
性の植物繊維の少なくとも1つの植物繊維を生分解性バ
インダで結合して形成された鉢本体から成っていること
を特徴とする植木鉢を提供することにある。
【0012】本発明の第2の課題解決手段は、第1の課
題解決手段による植木鉢であって、植物繊維の少なくと
も1つはヤシ繊維であることを特徴とする植木鉢を提供
することにある。
【0013】本発明の第3の課題解決手段は、ヤシ、ア
シ、アバカ、バナナ等の太くて難分解性の植物繊維の少
なくとも1つの植物繊維を生分解性バインダで結合して
マット状材料を形成し、このマット状材料を賦形して鉢
本体を製造することを特徴とする植木鉢の製造方法を提
供することにある。
【0014】本発明の第4の課題解決手段は、ヤシ、ア
シ、アバカ、バナナ等の太くて難分解性の植物繊維の少
なくとも1つの植物繊維を結合してマット状材料を形成
し、このマット状材料に生分解性バインダを含浸しつつ
賦形して鉢本体を製造することを特徴とする植木鉢の製
造方法を提供することにある。
【0015】本発明の第5の課題解決手段は、ヤシ、ア
シ、アバカ、バナナ等の太くて難分解性の植物繊維の少
なくとも1つの植物繊維に生分解性バインダを配合し賦
形して鉢本体を製造することを特徴とする植木鉢の製造
方法を提供することにある。
【0016】本発明の第6の課題解決手段は、ヤシ、ア
シ、アバカ、バナナ等の太くて難分解性の少なくとも1
つの植物繊維を賦形して鉢本体を形成した後、この鉢本
体に生分解性バインダを塗布又は含浸して製造すること
を特徴とする植木鉢の製造方法を提供することにある。
【0017】本発明の第7の課題解決手段は、上記第3
乃至第6の課題解決手段による植木鉢の製造方法であっ
て、植物繊維の少なくとも1つはヤシ繊維であることを
特徴とする植木鉢の製造方法を提供することにある。
【0018】
【作用】一般に、ヤシの木は、その実の汁から飲料を採
取し、また胚乳からヤシ油を採取し、更に中果皮を敷
物、マット、フィルタ等の材料に利用さしているが、ヤ
シ繊維自体は植物繊維の中でも太く分解性が低く、上記
の利用部分を除いては、産業廃棄物的に屑として廃棄さ
れることが多く、ハイテク利用は疎か用途拡大の傾向に
ない。このように用途の拡大が図られていないヤシ繊維
を利用して植木鉢を製造すると、材料は安価に且つ容易
に入手することができるため、植木鉢を経済的に得るこ
とができる。
【0019】また、ヤシ繊維は、堅くて太く、難分解性
である上にバインダで結合するため、高い強度を有し、
従って高い強度が要求される展示用又は栽培用の植木鉢
の材料として好適である。更に、このヤシ繊維は、生分
解性バインダで結合しているので、地中に埋設すると、
バインダの生分解によって鉢の形態が崩れ、鉢内の植物
の根がヤシ繊維の間を通して地中に伸びて根張りを許
し、従って植木は鉢と共に地中に埋設して植え込むこと
ができる。尚、先に従来技術として掲げた特公昭55−
50648号公報は、ヤシの実殻から分離したヤシ繊維
を利用することを開示されているが、これは紙料の原料
としてヤシ繊維を利用しているだけであり、バインダ結
合された状態で利用されるものではない。
【0020】アシ(イネ科)、アバカ(バナナ科)、バ
ナナ(バショウ科)等の木の繊維も、ヤシ繊維と同様に
比較的堅くて太く、難分解性であり、利用可能部分以外
はほぼ産業廃棄物的に屑として廃棄されることが多く、
同様に利用拡大が図られていないので、このような植物
繊維も本発明の植木鉢の材料として好適に利用すること
ができる。
【0021】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明
すると、図1は本発明の一実施例に係る植木鉢10を示
し、この植木鉢10は、ヤシ繊維を生分解性バインダで
結合して形成された鉢本体12から成っている。
【0022】ヤシ繊維は、例えば、シュロ、トウジュロ
等の樹皮、チャマエロプス属チャボトウジュロ、クジャ
クヤシ、オウギヤシ、ナツメヤシ、サゴヤシ、クロツ
グ、サトウヤシ等の葉柄基部、ココヤシ、ニッパヤシ等
の中果皮から得られる。これらのヤシ繊維は、後に製造
方法と共に詳細にのべるように、マット化したり、短い
繊維に切断したり、粉状又はチップ状に粉砕したりした
後、適宜の成形手段によって鉢本体に成形される。ま
た、ヤシ繊維は、それ自体単独で用いることができる
が、植木鉢に適宜の特性を付加するために、他の任意の
天然繊維、合成樹脂繊維と共に使用することができ、こ
れらの付加的な繊維は、生分解性のある繊維であること
が好ましい。付加的に使用される天然繊維の例としては
アシ(イネ科)、アバカ(バナナ科)、バナナ(バショ
ウ科)等の木の植物繊維が挙げられる。
【0023】生分解性バインダは、生分解性を有する適
宜の天然又は合成バインダとすることができ、例えばデ
ンプン糊、ふのり、アラビアガム、ニカワ、カゼイン、
アマニ油、酢酸デンプン・カルボキシメチルスターチ等
のデンプン誘導体、酢酸セルロース(アセテート)、メ
チルセルロース・エチルセルロース等の繊維素誘導体、
アルギン酸ソーダ、ローカストビーンガム、ポリビニル
アルコール、ポリカプロラクタム、糖類水溶液、蛋白等
の熱硬化性物質等とすることができるが、特に好ましい
生分解性バインダは、酢酸セルロース(アセテート)及
びポリカプロラクタムである。この生分解性バインダ
は、適宜溶剤に解かして利用するか融点が低い材料であ
れば粉状体として利用することができる。
【0024】この生分解性バインダのヤシ繊維に対する
成分割合は、主成分であるヤシ繊維の太さ、繊維の絡ま
せ具合(マット状の場合)、成形時の圧縮程度、生分解
性バインダの種類、バインダ密度等によって異なるの
で、一般的に定めることができないが、生分解性バイン
ダの成分割合に応じて植木鉢に次のような特性が付与さ
れる傾向がある。
【0025】即ち、主成分であるヤシ繊維に対して生分
解性バインダの成分割合が少ないと、植木鉢を比較的軽
量で安価に製造することができる。また、生分解性バイ
ンダの成分割合が少ないと、生分解性バインダの地中で
の生分解が早く行なわれるので、植木鉢を地中に埋設し
た後、植木鉢内の植物は植木鉢を通して比較的早く根張
りすることができるため、特に成長の早い草花に好適な
植木鉢が得られる。
【0026】一方、主成分であるヤシ繊維に対して生分
解性バインダの成分割合が多いと、植木鉢が重くなる
が、堅固に製造することができる。また、生分解性バイ
ンダの成分割合が多いと、生分解性バインダの地中での
生分解に時間がかかるので、植木鉢を地中に埋設した
後、植木鉢内の植物が植木鉢を通して根張りすることが
できるまでの相当の時間を必要とし、成長が緩やかな大
型の草木や樹木の苗木に好適な植木鉢が得られる。
【0027】次に、本発明の植木鉢をその製造方法と共
に図2以下を参照してのべると、図2乃至図4はヤシ繊
維のマット化し、その後このマット材料を鉢本体に成形
して植木鉢を製造する方法の異なる例を示す。
【0028】先ず、図2に示すように、ヤシ繊維を一旦
ほぐした後、これらの繊維を通常の不織布製造工程と同
様の工程で生分解性バインダを含ませながら絡み合わせ
てヤシ繊維マット材料を形成する。このようにして形成
されたヤシ繊維マット材料をプレス加工等によって図1
に示すように適宜の形状の鉢本体12に成形して植木鉢
10を製造する。プレス加工に際しては生分解性バイン
ダを更に含浸してもよい。このように、マット化工程と
プレス工程とを完全に分けると、簡易な植木鉢を多品
種、多形状で製造することができる。
【0029】また、図3に示すように、ヤシ繊維に生分
解性バインダを含ませることなく、ヤシ繊維をマット化
した後、このヤシ繊維マット材料に生分解性バインダを
含浸し、この生分解性バインダが含浸されたヤシ繊維マ
ット材料をプレス加工等によって鉢本体12に賦形して
植木鉢を製造することができる。この方法は、現在のヤ
シマットを製造する既存のマット製造ラインをそのまま
利用することができるので、設備費が安価となり、また
ヤシ繊維マット材料にバインダを多量に含浸させること
ができるので一層堅固な植木鉢を製造することができ
る。
【0030】更に、図4に示すように、ヤシ繊維に生分
解性バインダを含ませることなく、ヤシ繊維をマット化
した後、このヤシ繊維マット材料をプレス加工等によっ
て賦形して鉢本体12を形成し、次いでこの鉢本体12
に生分解生バインダを塗布するか含浸して植木鉢10を
製造することができる。この方法は、図3の方法に比べ
てバインダの塗布、含浸に手間がかかるが、図3の方法
によって製造される植木鉢よりも一層堅固な植木鉢を製
造することができる。
【0031】これら図2乃至図4の方法によって植木鉢
10を製造する場合に、ヤシ繊維マット材料は、ヤシ繊
維の外にこのヤシ繊維に絡ませた上記したような付加的
な他の天然繊維又は合成繊維のいずれか一方又は両方を
含んでいてもよい。
【0032】図5及び図6はヤシ繊維をマット化するこ
となく植木鉢を製造する方法の異なる例を示す。これら
の方法では、ヤシ繊維を切断して短繊維とするかヤシ繊
維を粉砕して粉状体とする。図5の方法では、このヤシ
繊維の短繊維又は粉状体を生分解性バインダと混合して
プレス型で鉢状に成形して植木鉢10を製造する。この
方法では、原料は流動性を有するので、比較的複雑な形
状の植木鉢を製造することができる。また、図6の方法
では、ヤシ繊維の短繊維又は粉状体をプレス型で成形し
て鉢本体12を形成した後、この鉢本体12に生分解性
バイダを塗布するか含浸して植木鉢10を製造する。
尚、この図6の方法において、ヤシ繊維は短繊維ではな
く、長繊維のまま手で型に詰めることができる。このよ
うにすると、植木鉢の底の部分と周面の上方部分と下方
部分とで繊維の割合(バインダの割合)を変えて植え込
むべき植物に合った根張り、成長を考慮して植木鉢を製
造することができる。
【0033】次に、本発明の幾つかの具体例を以下にの
べる。 (具体例1)15mm厚で500g/m2 に目付けされ
ている市販のヤシマット(これはヤシ原産地でラテック
ス系のバインダでマット化されて日本国内に輸入され、
販売されている)を45cm角に切り出した後、これを
底辺の直径が11cm、上辺の直径が9cm、高さが1
0cmの台錐形の雄金型上に配置し、この雄金型との間
に7mmのキャビティを形成する雌金型を用いて一旦予
備プレスして癖付けを行なった。その後、金型を開く
と、一応癖付けされるが、ヤシ繊維の特性で元の形状に
多少戻るが、それに構わずに、その上方から生分解性バ
インダであるポリカプロラクトン(生分解性樹脂)のペ
レット粉(ペレットを更に粉砕した細粉片)をヤシ繊維
の表面に一様に覆われる程度に振りかけた後、これを再
度金型間にセットし、最初は弱めに押圧して金型を70
〜80℃程度に加熱し、その後これを更に押圧し、金型
を急冷し、バインダ成分が固化した頃を見計らって、金
型を開き、賦形物を取り出す。次いで、この賦形物を上
下引っ繰り返し、上片端面を円周状に切り落とすと共に
底片中央に排水口をパンチングによって形成して植木鉢
の完成品とする。
【0034】このようにして得られた植木鉢は、その外
周面に生分解性バインダが形状を崩さない程度に少な目
に存在しており、従って軽量で簡易なものであり、また
成長の早い小型の草花に適している。更に、生分解性バ
インダが分解されるまでには多少時間を要するので、展
示時、栽培時にもその間に見所を終える草木を植え込む
のに利用することができる。
【0035】(具体例2)具体例1で得られた植木鉢を
生分解性バインダであるポリカプロラクタンを溶融した
ポット中に具体例1で得られた植木鉢を浸漬した後、こ
の植木鉢を取り出し放置して自然冷却固化し、周囲全面
を生分解性バインダで塗布した植木鉢を得た。
【0036】(具体例3)具体例2と同様の方法である
が、具体例1の植木鉢を減圧下でポリカプロラクタンの
ポット内に浸漬し、その後更に具体例1で用いられた金
型間に入れて再加熱しながら押圧し、冷却後これを取り
出してヤシ繊維間に生分解性バインダを密に存在させた
堅固で比較的重量観のある植木鉢を得た。
【0037】これらの具体例2及び3の植木鉢は、比較
的成長の遅い、大型の草木や樹木の苗木等を植え込むの
に適している。尚、展示時及び栽培時の水濡れを考慮し
て少なくとも植木鉢の内面に撥水性塗料等を塗布して適
宜防水処理するのが好ましい。地中埋設時には、植木鉢
の外側から吸水して生分解することになる。
【0038】既にのべたように、ヤシ繊維自体は植物繊
維の中でも太く分解性が低く、ヤシの汁及び敷物、フィ
ルタとして利用される部分を除いては、ほぼ産業廃棄物
的に屑として廃棄されることが多いが、このようにほぼ
屑として廃棄される傾向があるヤシ繊維を利用して植木
鉢を製造すると、材料は安価に且つ容易に入手すること
ができるため、植木鉢を経済的に得ることができること
が解る。
【0039】また、植木鉢の主成分であるヤシ繊維は、
堅くて太く、難分解性である上にバインダで結合してい
るため、高い強度を有し、従ってこの植木鉢に木を植え
込んで展示したり栽培したりする際に必要な強度が維持
される。更に、このヤシ繊維は、生分解性バインダで結
合しているので、植木鉢に植え込まれた植木を植木鉢と
共に地中に埋設すると、生分解性バインダは、ヤシ繊維
よりも先に分解して欠落するため鉢の形態が崩れ、鉢内
の植物の根がヤシ繊維の間を通して地中に伸びて根張り
することができる。ヤシ繊維は、容易には分解しない
が、これは天然物であるため、長期的には自然分解する
ので、植木鉢は地中でほぼ完全に分解することができる
ことになる。
【0040】上記実施例及び具体例では、ヤシ繊維単独
かヤシ繊維を主成分としてこれにアシ、アバカ、バナナ
の天然繊維又は適宜の合成繊維を付加して植木鉢を製造
する場合についてのべたが、アシ、アバカ、バナナ等の
ようにヤシ繊維と同様に比較的太く難分解性であって利
用可能部分以外は産業廃棄物的に屑として廃棄されるこ
とが多い他の植物繊維を主成分としても本発明の植木鉢
を製造することができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、今まで
大部分が産業廃棄物的に屑として廃棄されることが多い
太くて難分解性である木の植物繊維、特にヤシ繊維を利
用して植木鉢を製造するので、材料は安価に且つ容易に
入手することができるため、植木鉢を経済的に製造する
ことができる実益がある。
【0042】本発明の植木鉢の主成分であるヤシ繊維
は、堅くて太く、難分解性である上にバインダで結合し
ているため、高い強度を有するので、高い強度が要求さ
れる展示用又は栽培用に好適な植木鉢を提供することが
できる。
【0043】本発明の植木鉢は、ヤシ繊維等の植物繊維
を生分解性バインダで結合して形成されているので、植
木と共に植木鉢を地中に埋設すると、生分解性バインダ
が植物繊維よりも先に分解して鉢の形態が崩れるので、
鉢内の植物の根張りが容易に行われ、また植物繊維の長
期にわたる分解と共に植木鉢はほぼ完全に崩壊してその
後の植木の成長を阻害することがない。
【0044】また、本発明によれば、植木鉢の主成分で
ある植物繊維を結合する生分解性バインダは、その成分
割合に応じて地中での分解速度を調節することができる
ので、成長の早い草花から成長の緩やかな大型の草木や
樹木の苗木等の広範囲の植物に利用することができる。
【0045】更に、本発明によれば、植木鉢の主成分で
ある植物繊維は、必ずしも短繊維又は粉状体に処理しな
くてもそのまま利用することができるので、材料の面倒
な処理が不要となって植木鉢を経済的に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植木鉢の斜視図である。
【図2】本発明の植木鉢の第1の実施例による製造方法
の工程図である。
【図3】本発明の植木鉢の第2の実施例による製造方法
の工程図である。
【図4】本発明の植木鉢の第3の実施例による製造方法
の工程図である。
【図5】本発明の植木鉢の第4の実施例による製造方法
の工程図である。
【図6】本発明の植木鉢の第5の実施例による製造方法
の工程図である。
【符号の説明】
10 植木鉢 12 鉢本体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヤシ、アシ、アバカ、バナナ等の太くて
    難分解性の植物繊維の少なくとも1つの植物繊維を生分
    解性バインダで結合して形成された鉢本体から成ってい
    ることを特徴とする植木鉢。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の植木鉢であって、前記
    植物繊維の少なくとも1つはヤシ繊維であることを特徴
    とする植木鉢。
  3. 【請求項3】 ヤシ、アシ、アバカ、バナナ等の太くて
    難分解性の繊維の少なくとも1つの植物繊維を生分解性
    バインダで結合してマット状材料を形成し、前記マット
    状材料を賦形して鉢本体を製造することを特徴とする植
    木鉢の製造方法。
  4. 【請求項4】 ヤシ、アシ、アバカ、バナナ等の太くて
    難分解性の植物繊維の少なくとも1つの植物繊維を結合
    してマット状材料を形成し、前記マット状材料に生分解
    性バインダを含浸しつつ賦形して鉢本体を製造すること
    を特徴とする植木鉢の製造方法。
  5. 【請求項5】 ヤシ、アシ、アバカ、バナナ等の太くて
    難分解性の植物繊維の少なくとも1つの植物繊維に生分
    解性バインダを配合し賦形して鉢本体を製造することを
    特徴とする植木鉢の製造方法。
  6. 【請求項6】 ヤシ、アシ、アバカ、バナナ等の太くて
    難分解性の植物繊維の少なくとも1つの植物繊維を賦形
    して鉢本体を形成した後、前記鉢本体に生分解性バイン
    ダを塗布又は含浸して製造することを特徴とする植木鉢
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至請求項6のいずれかに記載
    の植木鉢の製造方法であって、前記植物繊維の少なくと
    も1つはヤシ繊維であることを特徴とする植木鉢の製造
    方法。
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