JP3279522B2 - 培土製造装置 - Google Patents

培土製造装置

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JP3279522B2 JP18489398A JP18489398A JP3279522B2 JP 3279522 B2 JP3279522 B2 JP 3279522B2 JP 18489398 A JP18489398 A JP 18489398A JP 18489398 A JP18489398 A JP 18489398A JP 3279522 B2 JP3279522 B2 JP 3279522B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲等の作物の苗
を育苗するために用いられる育苗用の培土を製造するた
めの培土製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
水稲等の作物の苗を苗床によって育苗することが行われ
ており、さらに、この苗床の床土としては一般的に土壌
培土が用いられていた。ところが、このような土壌培土
は、良質(均質)の床土が比較的高価で入手が困難であ
ったり、重く運搬性等が悪かった。そこで、このような
土壌培土に代わる床土(培土)が提案されている(一例
として、特公昭56−18165号公報)。
【0003】前記公報に示される培土は、植物質培土材
(樹皮、パルプチップ、オガクズなどを堆肥化したバー
ク堆肥等)を、親水性ウレタンプレポリマーを結合剤と
して用いて固結させ乾燥した構成となっている。なお、
結合剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン類も
用いられる場合がある。この種の培土は、樹皮やパルプ
チップ等の所謂産業廃棄物を培土材として有効利用する
ことができ、またこの植物質培土材も比較的安価であ
る。
【0004】しかしながら、前述の如き従来の培土は、
依然として以下の欠点があった。すなわち、培土材の結
合(結合剤を用いた固結乾燥)に長い時間(例えば、1
〜3時間程度)が掛かり、量産が困難で結果的にコスト
高であった。また、完成した培土(すなわち,結合剤に
より固結され乾燥された培土材)は、硬質であるものの
割れたり欠け易く、このため運搬中に形が崩れたりし、
その取扱いが面倒で煩雑であった。また一方、実際の使
用に際しては、前記従来の培土を育苗のために灌水する
と、灌水前にも増して形が崩れ易くなる。このため、例
えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施しよう
としても、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取る
ことができず、スムースな作業が困難となる場合もあっ
た。また何より、前述の如き従来の培土では、培土材自
体は比較的安価であるものの、親水性ウレタンプレポリ
マー等の結合剤が高価であり、結果的に全体としては依
然として高価であった。
【0005】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、割れたり崩れることがなく取扱いが容
易な育苗用培土を、安価でかつ量産することができる培
土製造装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の培
土製造装置は、籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度
が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、を攪拌混合し前記
攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を圧縮成形して成る育
苗用の培土を製造するための培土製造装置であって、前
記籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合した原料材を層状にし
て挟持しながら順次搬送する上下一対のベルトコンベヤ
と、前記ベルトコンベヤによる原料材搬送経路に対応し
て配置され、前記挟持された層状の原料材を、前記芯鞘
型繊維の前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温
度で加熱しながら圧縮成形する上下一対の加熱圧縮盤
と、前記加熱圧縮盤の前記原料材搬送方向下流側に配置
され、前記加熱圧縮盤によって加熱圧縮成形された直後
の原材料を、所定の温度で冷却しながら圧縮成形する上
下一対の冷却圧縮盤と、を備えたことを特徴としてい
る。
【0007】ここで、請求項1記載の培土製造装置によ
って製造される育苗用培土は、籾殻と芯鞘型繊維とを攪
拌混合し、この攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を圧縮
成形して得られる。この育苗用培土では、芯部と鞘部か
ら成る芯鞘型繊維は、籾殻と共に攪拌混合されることに
より、複雑で細かい網状になって籾殻と絡み合い、籾殻
を包み込む。この状態で、鞘部が軟化するが芯部は軟化
しない温度で加熱圧縮成形することにより、芯鞘型繊維
の鞘部同士が軟化溶着し合い、網状になって籾殻と絡み
合い結合された状態に成形される。しかして、この成形
物は、芯部が軟化していないので、スポンジのように腰
が強くて屈曲性及び保水性のある培土として構成され
る。このため、屈曲性及び保水性に富んでおり、割れた
り欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。また、育
苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱
いも容易になる。さらに、このように成形される育苗用
培土は、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し加熱圧縮成形
することで得られるため、製造時間(培土基材としての
籾殻と結合材としての芯鞘型繊維との結合)に長い時間
を要することがなく、量産が可能になる。
【0008】そこで、このような育苗用培土を製造する
ために、請求項1記載の培土製造装置では、ベルトコン
ベヤ、加熱圧縮盤、及び冷却圧縮盤を備えている。この
培土製造装置によれば、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合
した原料材が層状となり上下一対のベルトコンベヤによ
って挟持されながら搬送される。次いで、以上のように
層状となり挟持されながら搬送される原料材は、上下一
対の加熱圧縮盤によって、芯鞘型繊維の鞘部が軟化する
が芯部は軟化しない温度で加熱されながら圧縮成形され
る。これにより、原材料は、芯鞘型繊維の鞘部が軟化し
て溶着し合い、網状になって籾殻と絡み合う。
【0009】さらに、加熱圧縮盤により加熱圧縮成形さ
れた原料材は、加熱圧縮盤の原料材搬送方向下流側に配
置された冷却圧縮盤によって直ちに冷却されながら圧縮
成形される。これにより、芯鞘型繊維の鞘部が籾殻と絡
み合った状態のままで冷却されて、鞘部が網状となって
籾殻と絡み合った状態のままで固化され、所謂マット状
の育苗用培土が得られる。
【0010】このように、請求項1記載の培土製造装置
では、ベルトコンベヤによって挟持されながら搬送され
る原材料を、加熱圧縮盤によって連続して加熱しながら
圧縮成形し、かつその直後に冷却圧縮盤によって冷却し
ながら圧縮成形するため、一連の作業を順次連続して自
動的に実施することができ、大幅に作業効率が向上す
る。したがって、前述の如き育苗用培土を安価でかつ量
産することができる。また特に、加熱圧縮盤によって、
芯鞘型繊維の鞘部が軟化して溶着し網状になって籾殻と
絡み合った状態とした直後に、冷却圧縮盤によって冷却
して固化するため、軟化して溶着し籾殻と絡み合った芯
鞘型繊維の鞘部が、例えば籾殻の弾力によって不要に膨
らんで前記溶着絡み合い状態が不要に解除されることが
なく、芯鞘型繊維の鞘部が籾殻と絡み合った状態のまま
で確実に固化して育苗用培土を成形することができる。
【0011】このように、請求項1記載の培土製造装置
は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培
土を、安価でかつ量産することができる。
【0012】なお、前述した請求項1における芯鞘型繊
維としては、例えば、芯鞘型ポリエステル(ユニチカ
製)を用いることができる。この場合には、鞘部は11
0℃で軟化し、芯部は250℃で軟化する。このため、
籾殻と前記芯鞘型ポリエステルを攪拌混合した後に13
0℃〜200℃(好ましくは、140℃前後)で加熱圧
縮成形すれば、前記育苗用培土を得ることができる。ま
たさらに、芯鞘型繊維としては、例えば、ビオノーレ
(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場
合には、鞘部は90℃で軟化し、芯部は115℃で軟化
する。このため、籾殻と前記ビオノーレを攪拌混合した
後に100℃で加熱圧縮成形すれば、前記育苗用培土を
得ることができる。
【0013】また、籾殻は、圧縮粉砕した籾殻を用いる
ことが好ましい。
【0014】さらに、籾殻と芯鞘型繊維の混合割合とし
ては、例えば、籾殻が600gの場合に芯鞘型繊維を1
5gとすると良いが、この混合割合は、適宜変更可能で
ある。
【0015】またさらに、攪拌混合した籾殻と芯鞘型繊
維を加熱圧縮成形する際の加圧の程度としては、攪拌混
合した原料(籾殻と芯鞘型繊維)の厚さを4cmとした
場合に加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。
【0016】また、前述した請求項1記載の培土製造装
置において、ベルトコンベヤによって搬送される原材料
(籾殻及び芯鞘型繊維)に、育苗用肥料を併せて攪拌混
合して供給し、これらを圧縮成形するようにしてもよ
い。
【0017】この場合には、芯鞘型繊維によって絡み合
い結合された籾殻によって、育苗用肥料が共に包み込ま
れて一体に内包されて成形される。
【0018】このため、育苗に際しては、別の新たな肥
料をこの育苗用培土に加える必要がない。また、育苗す
る作物の種類や天候(気候)等に応じてこの育苗用肥料
の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育
苗用培土を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大す
る。
【0019】なお、育苗用肥料としては、中期育成用肥
料(例えば、商標:ロングM100)、良質土壌菌繁殖
用剤(例えば、ゼオライト)、初期育成用肥料(例え
ば、硫加燐安)、健苗育成剤(例えば、商標:FT
E)、発芽抑制物質除去剤(例えば、クエン酸)、等が
含まれる。
【0020】さらに、籾殻と芯鞘型繊維、及び各育苗用
肥料の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場
合に、芯鞘型繊維を15g、中期育成用肥料を60g、
良質土壌菌繁殖用剤を6g、初期育成用肥料を7g、健
苗育成剤を0.36g、発芽抑制物質除去剤を1.2g
とすると良いが、この混合割合は適宜変更可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】図4には本発明の実施の形態に係
る培土製造装置20によって製造された育苗用培土10
の外観斜視図が示されている。
【0022】この育苗用培土10は、培土基材としての
籾殻12と、結合剤としての芯鞘型繊維14、及び複数
の育苗用肥料16を含んで構成されており、本実施の形
態においては例えば、育苗箱60(図6参照)に入るよ
うに、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法2c
mのマット形状に成形されている。ここで、以下に育苗
用培土10の各構成材の種類及び含有量の一例を示す。
【0023】 籾殻 :600g 芯鞘型繊維(芯鞘型ポリエステル:ユニチカ製) : 15g 中期育成用肥料(商標:ロングM100) : 60g 良質土壌菌繁殖用剤(ゼオライト) : 6g 初期育成用肥料(硫加燐安) : 7g 健苗育成剤(商標:FTE) : 0.36g 発芽抑制物質除去剤(クエン酸) : 1.2g 前記の芯鞘型繊維14として用いた芯鞘型ポリエステル
(ユニチカ製)は、芯部14A及び鞘部14B(図5に
概略的に図示)によって構成されており、鞘部14Bは
110℃で軟化し、芯部14Aは250℃で軟化する。
また、芯鞘型繊維14としては、例えば、ビオノーレ
(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場
合には、鞘部14Bは90℃で軟化し、芯部14Aは1
15℃で軟化する。
【0024】なお、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び
複数の育苗用肥料16の混合割合は、適宜変更可能であ
る。
【0025】次に、この育苗用培土10を製造するため
の本実施の形態に係る培土製造装置20について説明す
る。
【0026】図1には、培土製造装置20の全体構成が
概略的に示されている。この培土製造装置20は、上下
一対のベルトコンベヤ22、23を備えている。下側に
位置するベルトコンベヤ22は、一対のロール24、2
6及びベルト28によって構成されている。ベルト28
は、例えば、スチールベルトとされており、あるいは、
テフロンとグラスファイバーを併用した合成樹脂繊維ベ
ルトとされている。このベルト28が図1矢印方向に移
動することにより、原料材Gを搬送することができる。
【0027】一方、ベルトコンベヤ22の搬送方向上流
側端部(ロール24)上方には、原料供給口32が設け
られており、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数の
育苗用肥料16を攪拌混合した原料材Gを下方(すなわ
ち、ベルトコンベヤ22)へ落下供給することができ
る。これにより、ベルトコンベヤ22の作動に伴って、
ベルトコンベヤ22上に前記原料材Gが順次落下して積
層されながら図1矢印方向に搬送される構成である。
【0028】また、ベルトコンベヤ22の直上には、上
側に位置するベルトコンベヤ23が配置されている。ベ
ルトコンベヤ23は、一対のロール25、27及びベル
ト29によって構成されている。ベルト29も、ベルト
28と同様に、スチールベルトあるいは合成樹脂繊維ベ
ルトとされている。このベルト29がベルトコンベヤ2
2のベルト28と共に図1矢印方向に移動することによ
り、原料材Gをベルトコンベヤ22のベルト28と共に
挟持しながら搬送する構成である。
【0029】ベルトコンベヤ22のベルト28とベルト
コンベヤ23のベルト29の対向部分(原料材Gの挟持
搬送部分)には、上下一対の加熱圧縮盤38、40が配
置されている。下側に位置する加熱圧縮盤38は、ベル
トコンベヤ22のベルト28の無端状内側に設けられて
おり、上側に位置する加熱圧縮盤40は、ベルトコンベ
ヤ23のベルト29の無端状内側に設けられており、互
いに対向し合っている。
【0030】ここで、図2にはこの加熱圧縮盤38、4
0の詳細が断面図にて示されている。加熱圧縮盤38、
40の内部には、ワイヤヒータ(熱管)50が設けられ
ている。このワイヤヒータ50は、コイル状に巻いた発
熱体を金属管の中央に挿入すると共にその金属管内に高
温度に耐える耐熱性電気絶縁粉末を高圧固形化した構造
になっており、通電することで発熱して加熱圧縮盤3
8、40を所定温度(例えば、150℃)に昇温するこ
とができるようになっている。このワイヤヒータ50の
長手方向両端部は、それぞれ端子51に電気的に接続さ
れている。さらに、端子51は電源53に接続されてい
る。これにより、端子51を介してワイヤヒータ50に
通電することができる構成である。なお、ワイヤヒータ
50の本数は適宜変更可能である。
【0031】以上の構成の加熱圧縮盤38、40は、ワ
イヤヒータ50の発熱によって所定温度に昇温し、これ
により、前記ベルトコンベヤ22のベルト28とベルト
コンベヤ23のベルト29によって挟持搬送される原材
料Gを挟み込むことで加熱しながら圧縮成形することが
できる。
【0032】また、一対の加熱圧縮盤38、40の搬送
方向下流側には、前記加熱圧縮盤38、40と同様に、
ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23
のベルト29の対向部分(原料材Gの挟持搬送部分)
に、上下一対の冷却圧縮盤42、44が配置されてい
る。下側に位置する冷却圧縮盤42は、ベルトコンベヤ
22のベルト28の無端状内側に設けられており、上側
に位置する冷却圧縮盤44は、ベルトコンベヤ23のベ
ルト29の無端状内側に設けられており、互いに対向し
合っている。
【0033】ここで、図3にはこの冷却圧縮盤42、4
4の詳細が断面図にて示されている。冷却圧縮盤42、
44の内部には、水管58が設けられている。この水管
58は、水が供給されて循環することで冷却圧縮盤4
2、44を所定温度(例えば、20℃〜30℃)に冷却
することができるようになっている。この水管58は、
パイプ59を介してポンプ34及びタンク36に接続さ
れて循環路を構成しており、ポンプ34の作動により水
が循環する構成である。なお、水管58の本数は適宜変
更可能である。
【0034】以上の構成の冷却圧縮盤42、44は、水
管58に水が循環することで所定温度に冷却され、これ
により、加熱ロール38、40によって加熱圧縮成形さ
れた直後の原材料Gを、更に冷却しながら圧縮成形する
ことができる。
【0035】次に、この育苗用培土10の製造手順を説
明する。
【0036】先ず、籾殻12と芯鞘型繊維14及び前記
各育苗用肥料16を攪拌混合する。籾殻12は、圧縮粉
砕した籾殻を用いることが好ましい。芯部14Aと鞘部
14Bから成る芯鞘型繊維14は、籾殻12及び各育苗
用肥料16と共に攪拌混合されることにより、複雑で細
かい網状になって籾殻12及び各育苗用肥料16と絡み
合い、籾殻12及び各育苗用肥料16を包み込む。
【0037】次いで、この攪拌混合した籾殻12と芯鞘
型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)を培土製造
装置20によって所定の状態に積層する。
【0038】すなわち、培土製造装置20では、原料供
給口32から前記攪拌混合した原料材Gが下方へ落下供
給される。これにより、ベルトコンベヤ22、23の作
動に伴って、ベルトコンベヤ22上に原料材Gが順次層
状に積層されて図1矢印方向に搬送され、さらに、ベル
トコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベ
ルト29の対向部分へ挟持されながら搬送される。
【0039】次いで、以上のように挟持されながら搬送
される積層された籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用
肥料16(原料材G)は、加熱圧縮盤38、40によっ
て挟み込まれて、加熱されながら圧縮成形される。
【0040】ここで、加熱圧縮盤38、40により加熱
圧縮成形するに当たっては、原料材Gに含有する芯鞘型
繊維14の鞘部14Bが軟化するが芯部14Aは軟化し
ない温度で加熱圧縮成形する。この場合、例えば、芯鞘
型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を
用いた場合には、鞘部14Bは110℃で軟化し芯部1
4Aは250℃で軟化するため、130℃〜200℃
(好ましくは、140℃前後)で加熱成形する。一方、
例えば、芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子
(株)製)を用いた場合には、鞘部14Bは90℃で軟
化し芯部14Aは115℃で軟化するため、100℃で
加熱成形すればよい。
【0041】またこの場合、加圧の程度としては、前述
の如く攪拌混合し所定の状態に積層した原料材G(籾殻
12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16、及び不織布
18、19)の厚さを4cmとした場合に、加圧後の厚
さが2cmになる程度が好ましい。
【0042】このようにして加熱ロール38、40によ
り加熱圧縮成形することで、芯鞘型繊維14の鞘部14
Bが軟化して溶着し合い、網状になって籾殻12と絡み
合う。
【0043】さらに、加熱圧縮盤38、40により加熱
圧縮成形された原料材G(籾殻12と芯鞘型繊維14及
び育苗用肥料16)は、直ちに冷却圧縮盤42、44に
よって冷却圧縮成形される。これにより、芯鞘型繊維1
4の鞘部14Bが軟化して溶着し合い網状になって籾殻
12と絡み合った状態のままで直ちに冷却されて、前記
鞘部14Bが籾殻12と絡み合った状態のままで固化さ
れ、所謂マット状の成形物が得られる。
【0044】さらに、この成形物は、図示しない第2コ
ンベヤによって次の切断工程へと搬送され、所定寸法に
切断されて育苗用培土10が完成する。
【0045】このようにして完成した育苗用培土10
は、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し合
い、網状になって籾殻12と絡み合い結合された状態に
成形される。ここで、図5には、前述の如き圧縮成形さ
れた後の芯鞘型繊維14の状態が、一部簡略化して模式
的に示されている。この図5で示す如く、鞘部14Bが
軟化し溶着し合うことによって、軟化していない芯部1
4Aが互いに網目状に絡み合って結合されており、籾殻
12及び育苗用肥料16を包み込んでいる。これによ
り、所謂スポンジのような屈曲性及び保水性のある育苗
用培土10が得られる。
【0046】以上により得られた育苗用培土10を使用
する際には、図6に示す如く、この育苗用培土10を育
苗箱60に敷き、灌水し、水稲等の作物の苗62を播種
し、さらに覆土64を施した上で、日々灌水及び温度管
理をして育苗する。
【0047】この育苗用培土10を使用した育苗に際し
て、例えば芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル
(ユニチカ製)を用いた場合には、この芯鞘型ポリエス
テルは加水分解して長期の間には圃場で分解し、一方、
例えば芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子
(株)製)を用いた場合には、このビオノーレは生分解
して長期の間には圃場で分解する。このため、他に悪影
響を与えることはない。ここで、前述の如く培土製造装
置20によって製造された育苗用培土10は、籾殻12
と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16を攪拌混合して積
層されこれらを圧縮成形して得られる。この育苗用培土
10は、芯鞘型繊維14が細かい網状になって籾殻12
と絡み合って結合されスポンジのように腰が強くて屈曲
性及び保水性のある培土として構成される。このため、
屈曲性及び保水性に富んでおり、割れたり欠け難く、運
搬中に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水
しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易にな
る。したがって、実際の使用に際して例えば自動田植機
の苗台にセットして田植えを実施する場合にも、装置の
フィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができ、スム
ースな作業を行うことができる。
【0048】さらに、この育苗用培土10では、培土基
材としての籾殻12自体が極めて安価であり(更に言え
ば、所謂産業廃棄物としての籾殻12を培土基材として
有効利用することができ)、かつ、結合剤としての芯鞘
型繊維14も安価なものを適用することができるため、
全体としても大幅に安価になる。
【0049】またさらに、この育苗用培土10は、育苗
用肥料16を含んで構成されているため、育苗に際して
別の新たな肥料を加える必要がない。また、育苗する作
物の種類や天候(気候)等に応じて前述した各育苗用肥
料16の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異
なる育苗用培土10を準備しておけば、大幅に適用の範
囲が拡大する。
【0050】そこで、このような育苗用培土10を製造
するために、本実施の形態に係る培土製造装置20で
は、ベルトコンベヤ22、23、原料供給口32、上下
一対の加熱圧縮盤38、40、及び、上下一対の冷却圧
縮盤42、44を備えている。この培土製造装置20に
よれば、原料供給口32から供給される原料材Gをベル
トコンベヤ22の上で順次連続的に積層し、ベルトコン
ベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト2
9の対向部分で挟持しながら搬送し、これらを搬送しな
がら加熱圧縮盤38、40によって連続して加熱圧縮成
形し、かつその直後に冷却圧縮盤42、44によって連
続して冷却圧縮成形するため、一連の作業を順次連続し
て自動的に実施することができ、大幅に作業効率が向上
する。したがって、前述の如き育苗用培土10を安価で
かつ量産することができる。
【0051】また特に、加熱圧縮盤38、40によっ
て、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し網状
になって籾殻12と絡み合った状態とした直後に、冷却
圧縮盤42、44によって冷却して固化するため、軟化
して溶着し籾殻12と絡み合った芯鞘型繊維14の鞘部
14Bが、例えば籾殻12の弾力によって不要に膨らん
で前記溶着絡み合い状態が不要に解除されることがな
く、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが籾殻12と絡み合っ
た状態のままで確実に固化して育苗用培土10を成形す
ることができる。
【0052】さらにこの場合、加熱圧縮盤38、40あ
るいは冷却圧縮盤42、44の如く平盤状の部材によっ
て加熱圧縮あるいは冷却圧縮を行うため、加熱圧縮ある
いは冷却圧縮の時間やその面積が大きい。したがって、
育苗用培土10の成形程度(仕上がり具合)が良好(均
一)になる。またさらに、加熱圧縮盤38、40あるい
は冷却圧縮盤42、44は、それぞれベルト28あるい
はベルト29の内側に位置して原料材Gを圧縮する構成
であるため、これらの加熱圧縮盤38、40あるいは冷
却圧縮盤42、44が圧縮成形の際の保持型の役目を成
し、ベルト28あるいはベルト29が撓み曲がることが
防止され、これによっても育苗用培土10の成形程度
(仕上がり具合)が良好になる。
【0053】このように、本実施の形態に係る培土製造
装置20は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な
育苗用培土10を、安価でかつ量産することができる。
【0054】なお、前述した実施の形態に係る培土製造
装置20においては、上下一対の加熱圧縮盤38、40
を所定の温度に昇温するために、ワイヤヒータ50を用
いた構成としたが、これに限らず、他の昇温手段によっ
て加熱圧縮盤38、40を所定の温度に昇温するように
構成してもよい。
【0055】また同様に、前述した実施の形態に係る培
土製造装置20においては、上下一対の冷却圧縮盤4
2、44を所定の温度に冷却するために、水管58を設
けた構成としたが、これに限らず、他の冷却手段によっ
て冷却圧縮盤42、44を所定の温度に冷却するように
構成することもできる。
【0056】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る培土製造
装置は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗
用培土を、安価でかつ量産することができるという優れ
た効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の概略
的な全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の加熱
圧縮盤の詳細を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の冷却
圧縮盤の詳細を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によっ
て製造された育苗用培土の外観斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によっ
て製造された育苗用培土における圧縮成形された後の芯
鞘型繊維の状態を示す一部簡略化した模式図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によっ
て製造された育苗用培土の使用状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 育苗用培土 12 籾殻 14 芯鞘型繊維 14A 芯部 14B 鞘部 16 育苗用肥料 20 培土製造装置 22 ベルトコンベヤ 23 ベルトコンベヤ 32 原料供給口 38 加熱圧縮盤 40 加熱圧縮盤 42 冷却圧縮盤 44 冷却圧縮盤
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 1/00 303 D04H 1/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度
    が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、を攪拌混合し前記
    攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を圧縮成形して成る育
    苗用の培土を製造するための培土製造装置であって、 前記籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合した原料材を層状に
    して挟持しながら順次搬送する上下一対のベルトコンベ
    ヤと、 前記ベルトコンベヤによる原料材搬送経路に対応して配
    置され、前記挟持された層状の原料材を、前記芯鞘型繊
    維の前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度で
    加熱しながら圧縮成形する上下一対の加熱圧縮盤と、 前記加熱圧縮盤の前記原料材搬送方向下流側に配置さ
    れ、前記加熱圧縮盤によって加熱圧縮成形された直後の
    原材料を、所定の温度で冷却しながら圧縮成形する上下
    一対の冷却圧縮盤と、 を備えたことを特徴とする培土製造装置。
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