JPH11313477A - 複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク - Google Patents

複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク

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JPH11313477A
JPH11313477A JP10217135A JP21713598A JPH11313477A JP H11313477 A JPH11313477 A JP H11313477A JP 10217135 A JP10217135 A JP 10217135A JP 21713598 A JP21713598 A JP 21713598A JP H11313477 A JPH11313477 A JP H11313477A
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arm
axis
magnetic
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーティクルの発生がなく、アウトガスが少
なく、気密度が高く、位置精度が高く、しかも、メンテ
ナンスが容易な単純構造であって、高スループットが実
現できるものを実現する。 【解決手段】 アーム軸12は、隔壁としての第2中固
定軸34および第1中固定軸50と、第1回転体31a
および31bと、第2回転体33aおよび33bとによ
り構成される。上述の隔壁により大気側雰囲気と減圧雰
囲気とが隔絶される。第1回転体は、大気側雰囲気内に
複数個の磁石を保持した状態で設置される。第2回転体
は、減圧雰囲気内に第1回転体に磁気的に結合する複数
個の磁石を保持した状態で設置される。第1および第2
回転体は、これら回転体が同軸52に関して回転自在と
なるように、上述の実質的に一体構造の隔壁に軸受け5
6、60、66、70を介して支持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、集積回路製造用
プロセス装置に用いられる複数軸動力伝達装置、アーム
軸、ウエハ搬送用アームリンクおよびダブルアームリン
ク構造のウエハ搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ウエハ搬送用アームリンクは、真空中、
減圧雰囲気中、大気中または腐食性ガス中において、プ
ロセスチャンバと搬送チャンバとの間でウエハなどの被
処理物を搬送するために用いられる。
【0003】この技術の初期段階では、文献1「特開平
4−152078」に開示されるフロッグレッグタイプ
のロボットアームが用いられ、真空シール軸として磁性
流体を用いたものが主流であった。このタイプのウエハ
搬送用アームリンクは、例えば、文献2「特開平4−2
79043」および文献3「特公平7−504128」
に開示されている。
【0004】また、文献4「特開平7−201694」
には、フロッグレッグタイプと異なる平行リンク方式の
アームリンクの例が開示されている。このリンクは、4
軸および4腕で構成されているために剛性が高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した方式の問題の
一つは、磁力により誘起されるいわゆる磁性流体の摩擦
力で真空封止力を発生させることにある。すなわち、ロ
ボットアームの動作時に、軸回転速度に比例する摩擦力
あるいは粘性力が発生するので、それに打ち勝つ駆動力
を必要とする。また、ロボットアームに回転運動および
伸縮運動を行わせるには、高い精度の同軸で多軸構造の
回転軸が必要になり、その結果、大重量で複雑な軸にな
らざるを得ないという問題がある。
【0006】さらに、磁性流体による真空封止軸では、
アームチャンバが大気から真空に排気される際に、磁性
流体内の気泡が膨張破裂して、磁性流体が微粒子になっ
て飛散し、真空室内が汚染されるというおそれがある。
このことは、パーティクル発生による集積回路の生産歩
留りの低下を招くだけでなく、この磁性流体が鉄成分を
多量に含むために、集積回路の重金属汚染も引き起こし
てしまう。
【0007】これに代わる方式として、文献5「特開平
3−136779」には、隔壁を介した磁気カプラを用
いるアームリンクの例が開示されている。しかし、この
方式では、上述した磁性流体タイプの課題は解決される
が、磁気カプラのカップリングを強くするために強力な
磁石が必要となり、大きく重いロボットになってしまう
という問題がある。このようなアームリンクを加減速動
作させると、アームが振動を伴って運動する。この振動
は、プロセス処理時の高い発塵、設置位置のずれおよび
スループットの低下などの原因の一つになる。文献5に
よれば、隔壁に誘導電流を発生させることによって振動
を防止する構成が開示されているが、このようにアーム
の振動を抑止するのではなく、アームが振動しない構造
にすることの方が有効であろう。
【0008】また、磁気カップリングを強力にする工夫
が、文献6「特開平7−245333」に開示されてい
る。文献6によれば、磁気カプラを構成する永久磁石の
間をできるだけ近接させて磁気結合力を強くすることが
提案されている。しかし、この構成では、アームリンク
に必要な位置精度を得るために、アーム軸に過大な応力
を集中させてしまうことになる。また、近い将来、生産
コストの低減策として大口径ウエハが導入されることに
なるので、さらにアームの搬送距離が大きくなるため、
アーム軸にはより高い剛性が必要となる。
【0009】このように、生産単価削減のためには、ロ
ボットアームを高速駆動して、ウエハの搬送時間の短縮
を図ることが重要である。しかし、高速駆動すればする
ほど、以下に述べる理由から上述のパーティクル発生が
急激に増大する。
【0010】その大きな原因は、ロボットアームのウエ
ハ載せ皿の搬送方向をアームの伸縮方向と同一にするた
めに、アームリンクの先端に歯車あるいはベルトを用い
ていることにある。このことがアームの軸数を4軸から
5軸にせざるを得ない要因となっている。厳密には、ベ
ルトや歯車は摩擦無しで力を伝達させることができず、
これらが作動するたびにパーティクルを多量に発生させ
てしまう。さらに、真空あるいは減圧の環境下では、多
量のパーティクルが発生しやすい。従来、この発塵を防
止するために種々の対策がなされており、結果的にロボ
ットアームが複雑な構造となって、その剛性を低下させ
てしまっている。
【0011】さらに、近年、半導体集積素子の生産性改
善の一環として、単位時間当たりのプロセス処理枚数
(スループット)の増加を図るために、独立に動く2つ
のアームリンクを用いることが求められている。しか
し、このような2台のロボットを近接させて用いると、
お互いのアームから発生するパーティクルがウエハに付
着する問題が発生する。
【0012】最近では、半導体集積回路の集積化が進ん
だ結果、回路パタンの最小線幅が0.15ミクロンにな
ろうとしている。このため、集積回路の製造処理工程で
発生するパーティクルの粒径および発生個数を、最小線
幅の約5分の1以下でクラス20以下にすることが求め
られている。このような微細化に伴い、プロセス処理工
程全般にわたり、広い意味での非常に高度なクリーン環
境が求められる。このことは、減圧プロセス処理装置に
ついて言えば、前述の低発塵化の達成だけでなく、高い
真空密度と低いアウトガス環境とが達成されねばならな
いことを意味している。
【0013】また、前述したように、製造工程のコスト
低減の一環として、ウエハの大口径化が求められてい
る。このため、ロードロック室、アームチャンバおよび
各プロセスチャンバが大きくなり、ロボットアームの搬
送範囲も大きくなる。一方、一枚のウエハからの半導体
素子の取得有効素子数の増加のために、ウエハ設置位置
の誤差精度を上げることも同時に求められるので、ロボ
ットのアーム軸は非常に高い剛性が確保されなければな
らない。
【0014】以上説明したように、半導体集積回路の生
産工程では、パーティクルが集積回路の生産歩留りを大
きく左右するので、パーティクルの低減が重要な課題で
ある。一方、高スループットのロボットアームも量産工
場の経済性の改善という側面から同じくらい重要な課題
である。
【0015】従って、従来より、プロセス処理装置に用
いるウエハ搬送用アームリンクとして、パーティクルの
発生がなく、アウトガスが少なく、気密度が高く、位置
精度が高く、しかも、メンテナンスが容易な単純構造で
あって、高スループットが実現できるものの出現が望ま
れていた。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明の複数
軸動力伝達装置によれば、雰囲気の異なる空間を隔絶す
る一体構造の隔壁と、大気側雰囲気内に複数個の磁石を
保持した状態で設置される複数個の第1回転体と、大気
側雰囲気と異なる雰囲気内に第1回転体に磁気的に結合
する複数個の磁石を保持した状態で設置される複数個の
第2回転体とを具えた複数軸動力伝達装置において、第
1および第2回転体は、これら回転体が同軸に関して回
転自在となるように、隔壁に軸受けを介して支持されて
いることを特徴とする。
【0017】このように、この発明の複数軸動力伝達装
置を構成する全ての回転軸は、高精度に加工された隔壁
に組み込まれる。従って、第1および第2回転体は、隔
壁を固定軸として互いに高精度に平行な状態で回転可能
となるように支持される。
【0018】一般に、高精度なアームリンクを得るに
は、アームリンクの基軸であるアーム軸の剛性をできる
だけ高く作らねばならない。さらに、他の産業ロボット
と異なり、半導体製造装置用ロボットでは非常に高いク
リーン度が常に維持されねばならず、たびたびメンテナ
ンスのために解体組み立てを繰り返し行う必要がある。
【0019】そこで、上述したように、磁気カプラを用
いた複数軸動力伝達装置を用いて、複数軸の同軸構造の
アーム軸を構成する。このアーム軸を真空隔壁として用
いることで軸径を大きく取れるために十分な剛性が得ら
れる。従って、高精度で単純な構造のアーム軸が得られ
る。
【0020】尚、磁気カプラの磁気カップリングを強固
にするためには、真空隔壁の厚さを薄くしなければなら
ず、軸剛性が小さくなる。しかし、一般に、軸の剛性は
軸直径の3乗に比例するので、この問題は、真空隔壁の
軸径をわずかに大きくすることで解決できる。さらに、
この真空隔壁が薄いと、内圧により太鼓の胴のように壁
面が膨らんでしまうおそれがある。しかし、上述したよ
うに壁を薄くできるので、対向磁石間の距離が小さくな
り、磁石間の結合力が磁石間距離の2乗の逆数に比例し
て強くなる。従って、磁気カプラを構成する磁石の高さ
を小さくしても十分な強さの磁気カップリングが得られ
るので、真空隔壁の高さを低くすることができる。よっ
て、十分な剛性が保たれ、内圧による変形を防ぐことが
できる。
【0021】このように、アームリンクが設置される真
空側の回転軸と大気側の駆動軸とを、一つの軸に組み込
むことができるので、一度組み立てた軸は一つのユニッ
トとして取り扱える。従って、メンテナンスなどでアー
ム軸をプロセス装置から取り外し、再び取り付けるとき
であっても、アームリンクの位置再現度が高くなり、調
整が不要となる。
【0022】この発明の複数軸動力伝達装置において、
好ましくは、第1回転体は、リング状の第1ヨーク部材
の外側周縁に複数個の磁石を取り付けた内側磁気リング
を具えており、第2回転体は、リング状の第2ヨーク部
材の内側周縁に複数個の磁石を取り付けた外側磁気リン
グを具えており、第1および第2ヨーク部材の双方また
はいずれか一方は、各磁気リングを構成する磁石が複数
の群に分割されるように分解可能であると良い。
【0023】上述の文献5に提案されているように、ア
ームリンクの発塵を防止する策の一つは、磁気カプラを
用いることである。磁気カプラは、大気および真空間を
隔てる隔壁を介してアーム駆動力を伝達させるものであ
る。この磁気カプラを用いたアームリンクにおいて、ウ
エハ設置位置の高い位置精度と高速動作とを実現するに
は、アーム軸を軽量にし、磁気カプラを構成する対向磁
石間の距離をより近接させる必要がある。
【0024】上述したように、磁気カプラを構成する外
側磁気リングおよび内側磁気リングの間は、それぞれ隔
壁を介した状態でできるだけ近接させるように構成する
のが良い。このように構成すると、内側磁気リングと外
側磁気リングとの間の磁気カップリングをより強めるこ
とができる。また、磁気カップリングを強めるには、外
側磁気リングを構成する磁石と第2ヨーク部材との間、
および内側磁気リングを構成する磁石と第1ヨーク部材
との間を、それぞれできる限り隙間をつくらないように
密着させることが必要である。さらに、各磁石は、それ
ぞれ隣接した磁石同士が互いに密着した状態で各ヨーク
に取り付けられる。この結果、永久磁石とヨークとの
間、および隣接する永久磁石間の磁気回路抵抗を小さく
することができる。この磁気回路抵抗を小さくするほ
ど、同じヨーク上にある両隣の磁石への漏れ磁力が小さ
くなり、回転力の伝達に必要な対向磁石間の磁気結合力
を強くできる。
【0025】このため、上述したように、第1および第
2ヨーク部材の双方またはいずれか一方が、各磁気リン
グを構成する磁石が複数の群に分割されるように分解可
能にしてある。例えば、第2ヨーク部材は、外側磁気リ
ングを構成する磁石が3つの群に分割されるように分解
可能にする。すなわち、第2ヨーク部材は、第1ヨーク
ピース、第2ヨークピースおよび第3ヨークピースの3
つの部品を組み合わせて構成する。
【0026】このように構成すると、外側磁気リング
は、上述の隔壁面に磁石の磁極面を極めて近接させた状
態で組み込まれる。そして、各磁石の磁極面が、外側磁
気リングを回転自在に隔壁に組み込むために設けられる
ベアリングの内径よりも小さなリング径を形成するよう
に、つまり各磁石の磁極面がベアリングの内側すなわち
回転軸側に位置するように組み立てることができる。こ
の結果、外側磁気リングを構成する磁石の磁極面と内側
磁気リングを構成する磁石の磁極面との間の距離を数m
m以下にすることができる。従って、従来に比べて、漏
れ磁力が少なくなり、内側磁気リングおよび外側磁気リ
ング間の磁気結合力が強くなる。
【0027】この発明の複数軸動力伝達装置において、
好ましくは、第1および第2ヨーク部材に磁性体材料を
用いると良い。
【0028】また、この発明の複数軸動力伝達装置にお
いて、好ましくは、第2ヨーク部材に取り付けられた磁
石の、第1ヨーク部材に取り付けられた磁石に対向する
磁極面の中央部分を凹ませてあると良い。
【0029】このように、第2ヨーク部材の内側周縁に
設置された磁石の内側磁極面の中央部を凹ますことによ
り、この磁極面の中央部において磁力線が減少し、中央
部周辺の端部近傍に磁力線が集中するようになるので、
さらに強い結合が得られる。
【0030】また、この発明の複数軸動力伝達装置にお
いて、好ましくは、磁石の表面にニッケルをコーティン
グしてあると良い。
【0031】このように構成してあると、磁石としてア
ウトガスあるいはプロセスガス耐腐食防止策が必要な磁
性体材料(例えば、鉄、フェライト、サマリュウムコバ
ルトおよびボロン−ネオジュウム磁石など)を用いるこ
とができる。
【0032】また、この発明の複数軸動力伝達装置にお
いて、好ましくは、内側磁気リングおよび外側磁気リン
グを構成する磁石の総数が磁極数と群の数との公倍数で
あると良い。
【0033】経済性の観点から、各磁石の形状はすべて
合同のものとし、分割されたヨークのピースも互いに合
同なものとする方が良い。例えば、外側磁気リングを構
成する磁石の総数を30とする。また、第2ヨーク部材
の分割数すなわち群の数を3にする。この場合、各ヨー
クピースには10個ずつの磁石が取り付けられる。この
ように、磁石の総数を、磁石の磁極数(2磁極)とヨー
クの分割数との公倍数にすることで、矛盾なく各ヨーク
ピースに磁石を均等配分できる。
【0034】また、この発明の複数軸動力伝達装置にお
いて、好ましくは、群の数が3であると良い。
【0035】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クによれば、上述の複数軸動力伝達装置と、この複数軸
動力伝達装置を構成する第1回転体に結合された第1腕
と、この複数軸動力伝達装置を構成する第2回転体に結
合された第2腕と、皿関節軸の周りに同軸で互いに平行
に回転可能な第1および第2先端腕と、皿関節軸上に設
けたウエハ載せ皿と、第1腕の先端と第1先端腕の先端
とを回転自在に結合する第1関節軸と、第2腕の先端と
第2先端腕の先端とを回転自在に結合する第2関節軸
と、ウエハ載せ皿が皿関節軸と複数軸動力伝達装置との
位置関係から決まる方向を向いた状態で皿関節軸を複数
軸動力伝達装置の側に導く方向維持手段とを具えること
を特徴とする。
【0036】このように構成してあるので、アームリン
クの軸を4軸に減らすことができる。従って、アームリ
ンクの剛性を従来より高めることができる。
【0037】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クにおいて、好ましくは、方向維持手段は、第1先端腕
に第3関節軸を介して結合する第1方向付け腕と、第2
先端腕に第4関節軸を介して結合する第2方向付け腕
と、第1方向付け腕と第2方向付け腕とを互いに平行な
状態で回転自在に結合する方向付けアーム軸と、方向付
けアーム軸の位置に設けられ、皿関節軸を複数軸動力伝
達装置の側に導くためのガイド磁石と、方向付けアーム
軸の位置にガイド磁石と反発した状態で当該ガイド磁石
を非接触的に挟むように設けられ、方向付けアーム軸に
対して回転自在に設けられた方向付け磁石とを具えると
良い。
【0038】このように、ウエハ載せ皿の方向制御にも
リンク機構と同様の非接触的な磁気カプラを採用してい
るので、低発塵になっており、単純構造であるために組
み立て精度の再現性も良く、取扱いも容易である。
【0039】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クにおいて、好ましくは、方向付けアーム軸と第3およ
び第4関節軸との間の第1軸間距離は、皿関節軸と第3
および第4関節軸との間の第2軸間距離よりも比較的大
きいが実質的に等しい距離からこの第2軸間距離の2の
平方根倍の距離の範囲にしてあると良い。
【0040】このように構成してあるので、第1腕、第
2腕、第1先端腕および第2先端腕で構成されるアーム
が最も短く縮んだときに距離不足が起きない。また、こ
のとき、ウエハ搬送用アームリンクを設置したアーム室
内にアーム全体が収まるようにできる。
【0041】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クにおいて、好ましくは、方向維持手段は、第1先端腕
に第3関節軸を介して結合する第1方向付け腕と、第2
先端腕に第4関節軸を介して結合する第2方向付け腕
と、第1方向付け腕と第2方向付け腕とを互いに平行な
状態で回転自在に結合する方向付けアーム軸と、方向付
けアーム軸の位置に設けられ、皿関節軸を複数軸動力伝
達装置の側に導くためのシャフトと、方向付けアーム軸
の位置に当該方向付けアーム軸に対して回転自在に設け
られ、シャフトをスライド自在となるように支持する軸
受けとを具えると良い。
【0042】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クにおいて、好ましくは、軸受けとしてボールスプライ
ン式のものを用いると良い。
【0043】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クにおいて、好ましくは、第1腕と第1先端腕とにそれ
ぞれ互いに磁極の異なる磁石を設け、第2腕と第2先端
腕とにそれぞれ互いに磁極の異なる磁石を設けて構成さ
れ、皿関節軸と複数軸動力伝達装置との接近に当たり、
第1腕および第1先端腕の間と第2腕および第2先端腕
の間とに反発力を発生させるジャックナイフ脱出器を具
えると良い。
【0044】このように、アームが縮むと反発力が発生
するので、アームで生じる静止摩擦力を相殺させること
ができる。従って、起動時のわずかなモーメントでアー
ムが動作する。
【0045】また、この発明のダブルアームリンク構造
のウエハ搬送装置によれば、上述のウエハ搬送用アーム
リンクを2つ具えており、第1のウエハ搬送用アームリ
ンクを構成する複数軸動力伝達装置の軸と第2のウエハ
搬送用アームリンクを構成する複数軸動力伝達装置の軸
との方向を一致させた状態でこれら複数軸動力伝達装置
同士を結合し、この結合部分を含みこれら複数軸動力伝
達装置の軸に垂直な平面に関して実質的に対称となるよ
うに、第1および第2のウエハ搬送用アームリンクを重
ねて構成したことを特徴とする。
【0046】このように構成してあるので、ウエハの受
け渡しが瞬時に行え、ウエハ搬送時間を短縮でき、スル
ープットの大幅な改善が図れる。
【0047】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クにおいて、好ましくは、方向維持手段は、複数個の磁
石がリング状に配列した状態で保持された第1、第2、
第3および第4磁気リングを具えており、第1および第
2磁気リングの各々は皿関節軸を回転軸として回転自在
に設けられ、これら第1および第2磁気リングにそれぞ
れ前記第1および第2先端腕が結合しており、第3磁気
リングは、第1磁気リングと磁気結合して当該第1磁気
リングの回転運動に伴い回転するものであり、第4磁気
リングは、第2磁気リングと磁気結合して当該第2磁気
リングの回転運動に伴い回転するものであり、これら第
3および第4磁気リング間に生じる磁気結合により前記
第1および第2磁気リングの回転運動が制御され、皿関
節軸と複数軸動力伝達装置の軸とを結ぶ直線に対する、
第3および第4磁気リングの各回転軸の相対位置が一定
に保たれるように構成してあると良い。
【0048】このように、第1先端腕の回転運動に伴っ
て第1磁気リングが回転し、第2先端腕の回転運動に伴
って第2磁気リングが回転する。また、第1磁気リング
と共に第3磁気リングが回転して、第2磁気リングと共
に第4磁気リングが回転する。第3および第4磁気リン
グ間には磁気結合が生じており、各々の回転運動が連動
して行われる。この結果、第1および第2磁気リングの
回転運動が制御され、皿関節軸と複数軸動力伝達装置の
軸とを結ぶ直線(この直線の延在する方向がアームリン
クの伸縮方向に相当する。)に対する、第2および第3
磁気リングの各回転軸の相対位置が一定に保たれる。従
って、ウエハ載せ皿の向きは伸縮ラインに対して常に一
定の状態に制御される。
【0049】よって、この方向維持手段は、非接触的に
作用する磁気結合を利用するので、低発塵であり、単純
構造であることから部品点数が少なくて済み、組み立て
精度の再現性が良く、取扱いが容易である。
【0050】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クによれば、上述の複数軸動力伝達装置と、この複数軸
動力伝達装置を構成する第1回転体に結合された第1先
端腕と、この複数軸動力伝達装置を構成する第2回転体
に結合された第2先端腕と、これら第1および第2先端
腕を、互いに平行に回転可能とするための回転軸である
皿関節軸と、この皿関節軸上に設けたウエハ載せ皿と、
ウエハ載せ皿が皿関節軸と複数軸動力伝達装置との位置
関係から決まる方向を向いた状態で皿関節軸を複数軸動
力伝達装置の側に導く方向維持手段とを具えていて、方
向維持手段は、複数個の磁石がリング状に配列した状態
で保持された第1、第2、第3および第4磁気リングを
具えており、第1および第2磁気リングの各々は皿関節
軸を回転軸として回転自在に設けられ、これら第1およ
び第2磁気リングにそれぞれ前記第1および第2先端腕
が結合しており、第3磁気リングは、前記第1磁気リン
グと磁気結合して当該第1磁気リングの回転運動に伴い
回転するものであり、第4磁気リングは、第2磁気リン
グと磁気結合して当該第2磁気リングの回転運動に伴い
回転するものであり、これら第3および第4磁気リング
間に生じる磁気結合により第1および第2磁気リングの
回転運動が制御され、皿関節軸と複数軸動力伝達装置の
軸とを結ぶ直線に対する、第3および第4磁気リングの
各回転軸の相対位置が一定に保たれるように構成してあ
ることを特徴とする。
【0051】このように構成してあるので、ウエハ載せ
皿の向きは皿関節軸と複数軸動力伝達装置の軸とを結ぶ
直線に対して常に一定の状態(向き)に制御される。よ
って、低発塵であり、単純構造であることから部品点数
が少なくて済み、組み立て精度の再現性が良く、取扱い
が容易である。このような方向維持手段は、ひし形のリ
ンク機構に用いられるばかりか、他の様々なタイプのリ
ンク機構に用いることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態につき説明する。尚、図は、この発明が理解
できる程度に、構成、配置関係および大きさが概略的に
示されているに過ぎない。また、以下に記載する数値等
の条件や材料は単なる一例に過ぎない。従って、この発
明は、この実施の形態に何ら限定されることがない。
【0053】[アームリンクの配置]この実施の形態で
は、アームリンクをマルチチャンバ構造のプロセス処理
装置に用いた構成例について説明する。先ず、図3を参
照して、アームリンクと、アーム室、ロードロック室お
よびプロセス処理室との位置関係について説明する。図
3は、アームリンクの配置例を示す平面図である。ま
た、アームリンクの動作について簡単に説明する。
【0054】アームリンク10は、アーム軸12の周り
に回転可能なアーム14と、アーム14の先端に設けら
れた皿関節軸16と、皿関節軸16上に設けられたウエ
ハ載せ皿18とを具えている。アーム14は、アーム軸
12と皿関節軸16とを結ぶ直線の方向に伸縮が可能で
ある。アームリンク10はアーム室20内に設けられて
おり、アーム14を回転自在に支持するアーム軸12が
アーム室20の中央に固定されている。
【0055】アーム室20は、室内空間の平面形状が8
角形状となるように所定の隔壁によって仕切られてい
る。アーム室20の図中左側に位置する2つの隔壁面に
は、ロードロック室22aおよび22bがそれぞれ結合
されている。また、アーム室20の図中右側に位置する
2つの隔壁面には、プロセス処理室24aおよび24b
がそれぞれ結合されている。ロードロック室22aおよ
び22bとプロセス処理室24aおよび24bとは、そ
れぞれ室内空間の平面形状が4角形状となるように所定
の隔壁によって仕切られている。ロードロック室22a
およびアーム室20の結合部分とロードロック室22b
およびアーム室20の結合部分とには、それぞれ開閉自
在のゲート弁26aおよび26bが設けられている。同
様に、プロセス処理室24aおよびアーム室20の結合
部分とプロセス処理室24bおよびアーム室20の結合
部分とには、それぞれ開閉自在のゲート弁26cおよび
26dが設けられている。ロードロック室22a、ロー
ドロック室22b、プロセス処理室24aおよびプロセ
ス処理室24bの内部には、ウエハ28の設置が可能な
円形状のスペースがウエハ設置台30a、30b、30
cおよび30dとして設けられている。
【0056】上述したアーム14は、アーム軸12と皿
関節軸16とを結ぶ直線と、各室のウエハ設置台30a
〜30dの中心とアーム軸12とを結ぶ直線とが、重な
った場合にだけ伸縮できる。一方、アーム14は、アー
ム14が最も縮んだ状態であってウエハ載せ皿18およ
びアーム14がアーム室20内に納まっている場合のと
きだけ、アーム軸12の周りに回転できる。また、上述
のゲート弁26a〜26dは、通常はアーム14がロー
ドロック室22a、22b内またはプロセス処理室24
a、24b内に侵入するときだけ開いて、それ以外は閉
じている。
【0057】ウエハの搬送時は、ロードロック室22a
(22b)内にガスが導入されて、室内が大気圧になる
とアーム室20とは反対側に設けられたゲート弁が開
く。そして、外部からウエハ28が搬入され、ウエハ設
置台30a(30b)上に設置される。続いて、ゲート
弁が閉じてロードロック室22a(22b)内のガスが
排気され減圧となる。
【0058】次に、ロードロック室22a(22b)の
アーム室20側に設けられたゲート弁26a(26b)
が開く。すると、アームリンク10のアーム14がゲー
ト弁26a(26b)の側に伸び、ウエハ載せ皿18上
にウエハ28を載せる。このウエハ載せ皿18は、後述
する手段によって、常にアーム14の伸縮方向に保持さ
れている。
【0059】アーム14は、ウエハ28を保持した状態
で縮んだ後に、搬入先のプロセス処理室24a(24
b)の方向に回転して向きを変える。その後、プロセス
処理室24a(24b)のゲート弁26c(26d)が
開くとアーム14が伸び、ウエハ28をプロセス処理室
24a(24b)内のウエハ設置台30c(30d)上
に置く。続いて、アーム14が縮み、ゲート弁26c
(26d)が閉じ、ウエハ28のプロセス処理が行われ
る。処理終了後のウエハ28は、搬入と逆の手順でロー
ドロック室22a(22b)の側に運ばれ、ゲート弁を
通って外部に取り出される。
【0060】[アーム軸の構成]次に、この実施の形態
のアームリンクの構成につき、各構成成分ごとに順次に
説明する。先ず、上述したアーム軸12の構成につき、
図1および図2を参照して説明する。図1は、アーム軸
の構成を示す断面図である。また、図2は、磁気カプラ
の構成を示す断面図である。この実施の形態では、図2
に示す磁気カプラを用いて複数軸動力伝達装置としての
アーム軸12を構成し、外部から与えられる駆動力をア
ーム室20内のアームリンク10に伝達させる。
【0061】図1に示すように、アーム軸12は、第1
回転体31aおよび31bと第2回転体33aおよび3
3bとを具えている。第1回転体31aおよび31b
は、大気側雰囲気内に複数個の磁石を保持した状態で設
置される。第1回転体31aは、内側磁気リング36a
および第1中回転軸54より構成される。第1回転体3
1bは、内側磁気リング36bおよび第2中回転軸64
より構成される。
【0062】また、第2回転体33aおよび33bは、
大気側雰囲気と異なる低圧側雰囲気内に第1回転体31
aおよび31bに磁気的に結合する複数個の磁石を保持
した状態で設置される。第2回転体33aは、外側磁気
リング38aおよび第1外軸58より構成される。第2
回転体33bは、外側磁気リング38bおよび第2外軸
68より構成される。
【0063】また、アーム軸12は、大気側雰囲気と低
圧側雰囲気とを隔絶する隔壁として第2中固定軸34を
具えている。第2中固定軸34は、ほぼ円筒形状の部材
であり、円筒構造の上端側が蓋により塞がっている。蓋
が付いていない円筒構造の下端側は、アーム室20の下
側内面における中心位置に設けられたアーム軸取付台4
8に真空封止リング62を介して固定されている。従っ
て、第2中固定軸34により画成される円筒形の空間が
大気圧領域すなわち高圧側雰囲気となる。一方、円筒構
造の外側部分が真空領域すなわち低圧側雰囲気となる。
そして、第1回転体31a、31bおよび第2回転体3
3a、33bの各々が同軸となるように、これらを第2
中固定軸34の隔壁に対して配置して設けてある。
【0064】また、第2中固定軸34を構成する上端側
の蓋の中心位置に第1中固定軸50が固定されている。
第1中固定軸50は円柱形状の部材であり、その円柱の
延在する方向は第2中固定軸34の蓋部分の主面34a
に対して垂直である。また、第1中固定軸50と第2中
固定軸34との結合部が第2中固定軸34の隔壁内面側
となるので、第1中固定軸50は高圧側雰囲気中におい
て下方に突出した形に取り付けられる。
【0065】尚、第1中固定軸50と第2中固定軸34
とを一体構造にしなかったのは、第2中固定軸34の加
工を容易にするためである。従って、第1中固定軸50
および第2中固定軸34は、加工が困難でなければ一体
構造にしても構わない。つまり、この構成例における大
気雰囲気と減圧雰囲気とを隔絶するための隔壁は、実質
的に一体構造の第1中固定軸50および第2中固定軸3
4より構成される。
【0066】また、第1磁気カプラ32aは内側磁気リ
ング36aおよび外側磁気リング38aを具え、第2磁
気カプラ32bは内側磁気リング36bおよび外側磁気
リング38bを具えている。内側磁気リング36aは、
リング状の第1中ヨーク40aの外側周縁41aに複数
個の中磁石42aを取り付けたものである。また、外側
磁気リング38aは、リング状の第1外ヨーク44aの
内側周縁45aに複数個の外磁石46aを取り付けたも
のである。同様に、内側磁気リング36bは、リング状
の第2中ヨーク40bの外側周縁41bに複数個の中磁
石42bを取り付けたものである。また、外側磁気リン
グ38bは、リング状の第2外ヨーク44bの内側周縁
45bに複数個の外磁石46bを取り付けたものであ
る。
【0067】上述した第1中ヨーク40a、第2中ヨー
ク40b、第1外ヨーク44aおよび第2外ヨーク44
bは、鉄やニッケルなどの磁性体材料で形成された板体
である。また、中磁石42a、42bおよび外磁石46
a、46bは、ほぼ直方体形状の永久磁石である。
【0068】尚、これらヨークおよび磁石がアウトガス
あるいはプロセスガス耐腐食防止策が必要な磁性体材料
(例えば、鉄、フェライト、サマリュウムコバルトおよ
びボロン−ネオジュウム磁石など)である場合には、無
電解ニッケルメッキなどの薄い防食膜で全面カバーすれ
ば良い。また、窒化ケイ素のようなセラミックスを用い
ることで耐腐食性を高めることができ、しかもアウトガ
ス量を低減させることができる。また、この材料は、ア
ームリンクの剛性を高める点からも好適である。
【0069】上述した内側磁気リング36aは、リング
中心を通り第1中ヨーク40aの主面43aに対して垂
直な回転軸52に関して回転自在に高圧側雰囲気内に設
けられている。この例では、第2中固定軸34を構成す
る蓋部分の主面34aの中心を通って、この主面34a
に対して垂直な方向に延在する軸を回転軸52としてあ
る。従って、内側磁気リング36aを構成する中磁石4
2aは、回転軸52に対して垂直な同一平面内に、この
回転軸52を中心にリング状に配列させる。このため、
第1中ヨーク40aは、第1中固定軸50を軸として回
転可能な第1中回転軸54に取り付ける。第1中回転軸
54は、フランジの付いたシャフトであって、第1中軸
ベアリング56を介して第1中固定軸50の外側に取り
付けられている。そして、フランジ部分の外側表面に第
1中ヨーク40aが取り付けられる。
【0070】また、上述した外側磁気リング38aは、
内側磁気リング36aと同一の回転軸52に関して回転
自在に低圧側雰囲気内に設けられている。従って、外側
磁気リング38aを構成する外磁石46aは、回転軸5
2に対して垂直な同一平面内に、この回転軸52を中心
にリング状に配列させる。このため、第1外ヨーク44
aは、第2中固定軸34を軸として回転可能な第1外軸
58に取り付ける。第1外軸58は、円筒状の部材であ
り、第1外軸ベアリング60を介して第2中固定軸34
に取り付けられている。そして、第1外軸58の内側円
筒面上に第1外ヨーク44aが取り付けられる。
【0071】以上説明したように、内側磁気リング36
aを構成する中磁石42aと外側磁気リング38aを構
成する外磁石46aとは、第2中固定軸34の壁面を介
して互いに対向した状態に設置されている。
【0072】同様に、上述した内側磁気リング36b
は、リング中心を通り第2中ヨーク40bの主面43b
に対して垂直な回転軸52に関して回転自在となるよう
に高圧側雰囲気内に設けてある。従って、内側磁気リン
グ36bを構成する中磁石42bは、回転軸52に対し
て垂直な同一平面内に、この回転軸52を中心にリング
状に配列させる。このため、第2中ヨーク40bは、第
1中固定軸50を軸として回転可能な第2中回転軸64
に取り付ける。第2中回転軸64は、円筒状の部材であ
って、第2中軸ベアリング66を介して第2中固定軸3
4の内側に取り付けられている。そして、第2中回転軸
64の円筒面に第2中ヨーク40bが取り付けられる。
【0073】また、上述した外側磁気リング38bは、
内側磁気リング36bと同一の回転軸52に関して回転
自在に低圧側雰囲気内に設けられている。従って、外側
磁気リング38bを構成する外磁石46bは、回転軸5
2に対して垂直な同一平面内に、この回転軸52を中心
にリング状に配列させる。このため、第2外ヨーク44
bは、第2中固定軸34を軸として回転可能な第2外軸
68に取り付ける。第2外軸68は、円筒状の部材であ
り、第2外軸ベアリング70を介して第2中固定軸34
の外側に取り付けられている。そして、第2外軸68の
内側円筒面上に第2外ヨーク44bが取り付けられる。
【0074】従って、内側磁気リング36bを構成する
中磁石42bと外側磁気リング38bを構成する外磁石
46bとは、第2中固定軸34の壁面を介して互いに対
向した状態に設置されている。
【0075】このように、アーム軸12を構成する全て
の回転軸は、高精度に加工された第1中固定軸50およ
び第2中固定軸34に組み込まれる。すなわち、第1回
転体31a、31bおよび第2回転体33a、33b
は、これら回転体が同軸52に関して回転自在となるよ
うに、隔壁(第2中固定軸34および第1中固定軸5
0)にベアリング(軸受け)56、60、66、70を
介して支持されている。従って、第1磁気カプラ32a
および第2磁気カプラ32bをそれぞれ構成する内側磁
気リングおよび外側磁気リングが、同一の回転軸52の
周りに互いに平行な状態で回転可能となるように支持さ
れる。
【0076】尚、第2磁気カプラ32bは第1磁気カプ
ラ32aの下側に位置するように構成する。すなわち、
第1磁気カプラ32aは第2中固定軸34を構成する蓋
部分の側に比較的近接した位置に設けられる。一方、第
2磁気カプラ32bは上述の蓋部分から比較的遠方に離
間した位置に設けられる。このように回転軸52に沿っ
た上下方向にわたり第1磁気カプラ32aおよび第2磁
気カプラ32bを配置させることにより、2重同軸構造
のアーム軸12が構成される。
【0077】尚、アーム軸12に用いられるベアリング
56、60、66、70は、産業用ロボットアームにお
いて多用されるクロスローラベアリングである。このベ
アリングは、一個のベアリングでラジアル荷重、アキシ
ャル荷重およびモーメント荷重などのあらゆる方向の荷
重を受けることができる。従って、アーム軸12の構成
の単純化に寄与している。
【0078】このように構成したアーム軸12は次に説
明するようにして用いられる。ここでは、アーム軸12
を構成する第1磁気カプラ32aを例として説明する。
先ず、高圧側雰囲気内に設置された内側磁気リング36
aに対しては、モータなどの駆動手段により回転力を与
える。内側磁気リング36aと外側磁気リング38aと
の間は磁気カップリングにより結合されているので、内
側磁気リング36aの回転運動に追従して外側磁気リン
グ38aが回転する。従って、外側磁気リング38aに
所定のアームを取り付けておけば、低圧側雰囲気内に設
置されたアームリンクを作動させることができる。
【0079】よって、第1磁気カプラ32aを構成する
外側磁気リング38aおよび内側磁気リング36aの間
は、それぞれ隔壁(第2中固定軸34)を介した状態で
できるだけ近接させるように構成するのが良い。このよ
うに構成すると、内側磁気リング36aと外側磁気リン
グ38aとの間の磁気カップリングをより強めることが
できる。また、磁気カップリングを強めるには、外側磁
気リング38aを構成する外磁石46aと第1外ヨーク
44aとの間、および内側磁気リング36aを構成する
中磁石42aと第1中ヨーク40aとの間を、それぞれ
できる限り隙間をつくらないように密着させることが必
要である。さらに、外磁石46aおよび中磁石42a
は、それぞれ隣接した磁石同士が互いに密着した状態で
各ヨークに取り付けられる。この結果、永久磁石とヨー
クとの間、および隣接する永久磁石間の磁気回路抵抗を
小さくすることができる。この磁気回路抵抗を小さくす
るほど、同じヨーク上にある両隣の磁石への漏れ磁力が
小さくなり、回転力の伝達に必要な対向磁石間の磁気結
合力を強くできる。
【0080】このため、この実施の形態では、第1中ヨ
ーク40aおよび第1外ヨーク44aの双方またはいず
れか一方が、各磁気リングを構成する磁石が複数の群に
分割されるように分解可能になっている。図2は、磁気
カプラの構成を示す断面図である。図2には、リング面
に対して平行な方向すなわち回転軸52に対して垂直な
方向の断面が示してある。尚、図2では、第1中固定軸
50、第1中回転軸54および第1外軸58の図示を省
略してある。また、図2では第1磁気カプラ32aを例
として挙げてあるが、第2磁気カプラ32bもこれと同
じ構成にしてある。
【0081】図2に示すように、内側磁気リング36a
は、リング状の第1中ヨーク40aと、この第1中ヨー
ク40aの外側周縁41aに沿って取り付けられた複数
個の中磁石42aとを具えている。また、外側磁気リン
グ38aは、リング状の第1外ヨーク44aと、この第
1外ヨーク44aの内側周縁45aに沿って取り付けら
れた複数個の外磁石46aとを具えている。外側磁気リ
ング38aは内側磁気リング36aの外側に配置されて
おり、これら外側磁気リング38aおよび内側磁気リン
グ36aは図2の紙面に対して垂直な方向に延在する回
転軸52を中心軸として回転可能である。
【0082】そして、第1外ヨーク44aは、外側磁気
リング38aを構成する磁石が3つの群に分割されるよ
うに分解可能である。すなわち、第1外ヨーク44a
は、第1ヨークピース44a1、第2ヨークピース44
a2および第3ヨークピース44a3の3つの部品を組
み合わせて構成される。各ヨークピース44a1、44
a2および44a3は、それぞれ互いに合同な板体であ
る。図2に示すように、第1外ヨーク44aのリング中
心と回転軸52とをそろえて配置したとき、各ヨークピ
ース44a1、44a2および44a3間の境界位置と
回転軸52とを結ぶ直線が120°置きの角度をなすよ
うにしてある。よって、各ヨークピース44a1、44
a2および44a3には、それぞれ等数の外磁石46a
が取り付けられる。この構成例では、外側磁気リング3
8aを構成する外磁石46aの総数を30にしてあるの
で、各ヨークピース44a1、44a2および44a3
には10個ずつの外磁石46aが取り付けてある。この
ように、外磁石46aの総数を、磁石の磁極数(2磁
極)とヨークの分割数との公倍数にすることで、矛盾な
く各ヨークピースに磁石を均等配分できる。
【0083】このように構成してあるので、外側磁気リ
ング38aは、第2中固定軸34の外壁面に各外磁石4
6aの磁極面を極めて近接させた状態で組み込まれる。
図1に示すように、各外磁石46aの磁極面が第1外軸
ベアリング60の内径よりも小さなリング径を形成する
ように、つまり各外磁石46aの磁極面が第1外軸ベア
リング60の内側すなわち回転軸52側に位置するよう
に組み立てられる。この例では、外磁石46aの磁極面
と中磁石42aの磁極面との間の距離を2mm以下にす
ることができる。従って、従来に比べて、漏れ磁力が少
なくなり、内側磁気リング36aおよび外側磁気リング
38a間の磁気結合力が強くなる。
【0084】尚、経済性を考えると、それぞれのカプラ
に用いる磁石は、全て同一形状のものにする方が良い。
また、原理的には磁石の数が多いほど磁気結合性能が向
上するが、漏れ磁力線の量の増大を引き起こしてしま
い、カプラの組み立て作業も煩雑になる。従って、上述
したように各リングを構成する磁石数を30にするのが
好適である。この実施の形態の真空隔壁(第2中固定軸
34)の直径が約150mmの円筒面であるから、この
30個の磁石を、その面に沿うように0.5mm以下の
ほぼ等距離間隔で磁極面が配列するようにすれば、経済
性の観点から非常に有効である。
【0085】また、この構成例では、外側磁気リング3
8aの分割数を3にしたが、4つ以上に分割しても良
い。但し、これを2分割にした場合は、ヨーク上の永久
磁石の磁石取り付け面を隙間なく配列させる精度良い加
工が困難である。従って、3分割にする方が実用的であ
る。さらに、例えば、分割数が4の場合には、32個の
永久磁石を用いて外側磁気リング38aを構成するのが
実用的である。
【0086】また、この例では、外側磁気リング38a
を構成する第1外ヨーク44aを分割したが、内側磁気
リング36aを構成する第1中ヨーク40aを分割する
構成としても良い。また、上述した構成は、第1磁気カ
プラ32aだけでなく、第2磁気カプラ32bに対して
も同様に適用される。
【0087】また、この構成例では、外側磁気リング3
8aと内側磁気リング36aとの間の距離を2mm以下
にできるので、各ヨークピース44a1、44a2、4
4a3の位置精度を0.1mm以下にしなければ磁気カ
プラの性能の再現性が得られにくい。このため、各ヨー
クピース44a1、44a2、44a3間の境界部分に
位置決めピン(平行ピン)72を設けることによって、
組み立て再現精度を確保している。
【0088】図4は、外磁石46aおよび中磁石42a
で形成される磁力線の様子を示す断面図であり、図2に
示した内側磁気リング36aおよび外側磁気リング38
aを含む領域の一部を拡大して示してある。
【0089】図4に示すように内側磁気リング36aを
構成する各中磁石42aは、漏れ磁力線と反発力の強さ
とを考慮して、ほぼ直方体形状にしてある。また、磁極
面74の長辺のリング円周(外側周縁41a)に沿う長
さが各磁極面間距離aの3倍から5倍の長さとなるよう
にし、その短辺が長辺の1/3〜1/2の長さとなるよ
うにする。また、各中磁石42aの磁極面は、第2中固
定軸34の内壁面から0.2mm〜0.5mmの距離だ
け離間した内側すなわち回転軸52側に位置させる。そ
して、各中磁石42aは、第1中ヨーク40aに取り付
けられる側のお互いの中磁石42aの角がほぼ接触する
ように配列する。また、第1中ヨーク40aに対する全
ての磁石42aの密着面が回転軸52に平行になるよう
にしてある。
【0090】また、外側磁気リング38aを構成する外
磁石46aは、中磁石42aと同様に、漏れ磁力線と反
発力の強さとを考慮して、ほぼ直方体形状にしてある。
また、磁極面76の長辺のリング円周(内側周縁45
a)に沿う長さが各磁極面間距離bの3倍から5倍の長
さとなるようにし、その短辺が長辺の1/3〜1/2の
長さとなるようにする。また、各外磁石46aの磁極面
は、第2中固定軸34の外壁面から0.2mm〜0.5
mmの距離だけ離間した外側に位置させる。このため、
第1外ヨーク44aの内側周縁45aに磁石ガイド突起
78を設けて、ヨーク上における各外磁石46aの隣接
間距離が0.5mm〜1mmだけ離れるようにしてあ
る。また、第1外ヨーク44aに対する全ての磁石46
aの密着面が回転軸52に対して平行になるようにして
ある。尚、上述した外磁石46aの磁極面間距離bが中
磁石42aの磁極面間距離aと等しくなるように構成す
るのが良い。
【0091】そして、中磁石42aは、配列順に交互に
異なる磁極の磁極面74が第2中固定軸34側に現れる
ように配列されている。外磁石46aも同様であり、配
列順に交互に異なる磁極の磁極面76が第2中固定軸3
4側に現れるように配列されている。すなわち、図4に
記号NおよびSで示すように、N極およびS極が交互に
配置される。また、内側磁気リング36aを構成する中
磁石42aの個数は、外側磁気リング38aを構成する
外磁石46aの個数と同じ30個にしてある。この結
果、中磁石42aのN極と外磁石46aのS極とが吸引
し合い、中磁石42aのS極と外磁石46aのN極とが
吸引し合うような位置で、各磁気リング36aおよび3
8aが安定する。すなわち、第2中固定軸34を介して
向かい合う中磁石42aの磁極面74と外磁石46aの
磁極面76とが互いに平行となる位置で安定する。
【0092】一般に、対向する中磁石42aと外磁石4
6aとの間の各磁極面間の距離が近くなるほど、その間
の磁気吸引力が強くなり、内側磁気リング36aと外側
磁気リング38aとの間の磁気カップリングが強められ
る。一方、ある中磁石42aに注目したとき、この中磁
石42aと、これに第2中固定軸34を介して対向する
外磁石46aに隣接する外磁石46aとの間の磁気反発
力は、中磁石42aと外磁石46aとの間の各磁極面間
の距離が近くなるほど強くなる。同様に、ある外磁石4
6aに注目したとき、この外磁石46aと、これに第2
中固定軸34を介して対向する中磁石42aに隣接する
中磁石42aとの間の磁気反発力は、中磁石42aと外
磁石46aとの間の各磁極面間の距離が近くなるほど強
くなる。この磁気反発力は、距離の自乗の逆数に比例し
て強くなるので、リング間の距離を小さくすることが如
何に重要であるかが分かる。ゆえに、外側磁気リング3
8aと内側磁気リング36aとは、これら磁気吸引力お
よび磁気反発力の合成力がバランスする位置で安定して
止まる。
【0093】従って、このバランス点からずれたときに
発生する力の強さの変化量が、各磁気リング間の結合力
の安定性を示し、また、アームの振動具合にも影響す
る。つまり、内側磁気リング36aと外側磁気リング3
8aとが上述のバランス点からずれると、上述した合成
力が復元力として働き、元のバランス点に戻ろうとする
ために振動が誘発される。
【0094】図5は、磁気カプラのバランス点からのず
れに対する相対復元力を示すグラフである。横軸にずれ
角△θを取り、(°)単位で−6°から6°の範囲を2
°ごとに目盛って示す。また、縦軸に相対復元力△f/
fを取り、kg/kg単位で0kg/kgから1kg/
kgの範囲を、0.1kg/kgごとに目盛って示す。
【0095】図5に示す通り、ずれ角△θが0°のとき
は相対復元力△f/fが0kg/kgであるが、ずれ角
△θの絶対値が大きくなるに従い相対復元力△f/fが
急激に増大する。例えば、ずれ角△θの絶対値が4°に
なると相対復元力△f/fが1kg/kgにもなる。こ
のように、ずれ角△θの増加とともに急激に60個の磁
石の吸引力と反発力とに起因する相対復元力△f/fが
増加する。相対復元力△f/fの増加率がずれ角△θの
大きさを決めるので、図5に示すようにバランス点の位
置からのずれ角△θが大きくなるにつれて相対復元力△
f/fの増加率が大きくなる方が良い。このためには、
上述したように、対向磁石間距離のみならずその両隣の
磁石の間との距離も後述する漏れ磁力線をできるだけ増
やさずに小さくするとともに、対向磁極面の中央部周辺
の端部近傍に磁力線を集中させることが有効である。
【0096】以上説明したように、バランス点の安定性
を高めるには、お互いの対向する磁石の両隣の磁石との
間の距離を小さくすることによって達成できる。これに
より、アーム駆動時の振動を小さく抑えることができ
る。この実施の形態の磁石配置によれば、急峻な磁力の
変化が得られているので、非常に安定した磁気カップリ
ングが得られる。
【0097】次に、図4を参照して、内側磁気リング3
6aと外側磁気リング38aとの間に形成される磁力線
の様子について説明する。図4に示す閉磁力線路は、対
向永久磁石間に形成される対向磁石間磁力線80と、同
じヨーク上の隣接する磁石間に形成される漏れ磁力線8
2とで形成されている。これらの違いは、前者が第2中
固定軸34を介して対向する1組の永久磁石間およびヨ
ーク間にて閉磁路を形成するのに対し、後者はヨークと
同一ヨーク上の隣接永久磁石間にて閉磁路を形成すると
ころにある。上述した文献5に開示されている構成例の
ように、対向永久磁石間の距離が比較的離間している場
合には、漏れ磁力線82に対する磁路抵抗は大きくな
り、その量が多くなる。しかし、文献7「特開平6−2
41237」に開示されているように、お互いのヨーク
の磁石間距離が近くなると漏れ磁力線82の量が小さく
なり、結果的に各磁気リング間の磁気結合が強くなる。
この実施の形態の構成例では、この文献7に開示されて
いる構成に比べてさらに磁石間距離を近づけることがで
きるので、より強い磁気結合が得られる。
【0098】さらに、ヨーク44aの内側周縁45aに
設置された磁石46aの内側磁極面の中央部をわずかに
凹ますことにより、この磁極面の中央部における磁力線
が減少し、磁極面の端部近傍に磁力線を集中させること
ができるため、さらに強い結合が得られる。
【0099】[アームリンクの構成]次に、アームリン
クの構成につき、図6を参照して説明する。図6は、ア
ームリンクの構成を示す平面図である。上述したよう
に、アームリンク10は、アーム軸12の周りに回転可
能なアーム14と、アーム14の先端に設けられた皿関
節軸16と、皿関節軸16上に設けられたウエハ載せ皿
18とを具えている。また、アーム14は、アーム軸1
2を構成する第1磁気カプラ32aに結合された第1腕
84と、アーム軸12を構成する第2磁気カプラ32b
に結合された第2腕86と、皿関節軸16の周りに互い
に平行に回転可能な第1先端腕88および第2先端腕9
0とを具えている。さらに、アーム14は、第1関節軸
92および第2関節軸94を具えている。第1関節軸9
2は、第1腕84の先端と第1先端腕88の先端とを回
転自在に結合するものであり、第2関節軸94は、第2
腕86の先端と第2先端腕90の先端とを回転自在に結
合するものである。これらの軸92および94は、アー
ム軸12と同一の方向をなすよう構成されている。
【0100】上述の第1腕84および第2腕86は、第
2関節軸94とアーム軸12(回転軸52)との間の軸
間距離と、第1関節軸92とアーム軸12(回転軸5
2)との間の軸間距離とが等しくなるような棒状の板材
で形成されている。その各々の一端がアーム軸12を構
成する第1外軸58および第2外軸68にそれぞれ固定
されている。従って、第1腕84に第1磁気カプラ32
aの回転運動が伝達されると、アーム軸12の回転軸5
2に対して垂直な面内で上述した一端を中心に回転運動
する。同様に、第2腕86に第2磁気カプラ32bの回
転運動が伝達されると、アーム軸12の回転軸52に対
して垂直な面内で上述した一端を中心に回転運動する。
つまり、これら第1腕84および第2腕86は互いに平
行な状態で回転運動を行うようになっている。
【0101】また、第1先端腕88および第2先端腕9
0は、皿関節軸16と第1関節軸92との間の軸間距離
と、皿関節軸16と第2関節軸94との間の軸間距離と
が等しくなるような棒状の板材で形成されている。皿関
節軸16にはベアリングが設けてあり、第1先端腕88
および第2先端腕90はこの皿関節軸16を中心に互い
に平行な面内で回転運動が可能である。これらの回転運
動を行う面が第1腕84および第2腕86の回転運動面
と平行になるように、皿関節軸16の軸方向がアーム軸
12の軸方向と等しくなるように配置する。
【0102】また、第1腕84および第2腕86のアー
ム軸12と反対側の先端には、上述したように第1関節
軸92および第2関節軸94が設けられている。第1関
節軸92および第2関節軸94は、これらとアーム軸1
2との間の距離が互いに等しくなるような位置に設けら
れている。そして、第1関節軸92にはベアリングを介
して、皿関節軸16とは反対側の第1先端腕88の一端
を結合させる。同様に、第2関節軸94にはベアリング
を介して、皿関節軸16とは反対側の第2先端腕90の
一端を結合させる。尚、皿関節軸16と第1関節軸92
および第2関節軸94との間の距離と、アーム軸12と
第1関節軸92および第2関節軸94との間の距離と
は、必ずしも等しくする必要はない。
【0103】このように、アームリンク10を構成する
アーム14のリンク機構は、1個のアーム軸12と、2
個の腕関節軸(第1関節軸92および第2関節軸94)
と、1個の皿関節軸16と、4つのアーム(第1腕8
4、第2腕86、第1先端腕88および第2先端腕9
0)とから構成されている。よって、ほぼ菱形に近いリ
ンクが形成され、アーム軸12を基点として直進伸縮お
よび回転するアームリンクが構成される。しかも、各腕
の動作平面は互いに平行であり、これら動作平面はアー
ム軸12に対して正確に直交した状態に組み立ててあ
る。よって、構造が単純で剛性の高いリンクが構成され
るので、ウエハの搬送を高速かつ高い位置精度で行うこ
とができる。
【0104】図7は、アームリンクの構成とともにアー
ムの移動軌跡を示す平面図である。図7には、アーム1
4が伸びている状態を実線で示し、アーム14が縮んで
いる状態を破線で示してある。尚、各アームは1本の線
分で概略的に示してあり、軸は白抜きの丸記号で示して
ある。
【0105】図7に示すように、アーム軸12を構成す
る第1磁気カプラ32aおよび第2磁気カプラ32bが
互いに等角速度で逆向きに回転するときに、アーム14
は伸縮する。例えば、図7において、アーム14が伸び
ている状態のときに、第1磁気カプラ32aを左回転さ
せる。この回転力が第1腕84に伝わって第1腕84は
左向きに回転する。同時に、第2磁気カプラ32bを右
回転させ、その回転力を第2腕86に伝えて第2腕86
を右向きに回転させる。この場合、第1腕84と第2腕
86とが互いに離間する方向に動くので、第1関節軸9
2および第2関節軸94も互いに離間する方向に移動す
るとともにアーム軸12の側に引き寄せられる。する
と、第1先端腕88および第2先端腕90にもその動き
が伝わって動き出し、皿関節軸16をアーム軸12側に
引き寄せる。よって、アーム14が縮む。
【0106】逆に、アーム14が縮んでいる状態のとき
に、第1磁気カプラ32aを右回転させる。この回転力
が第1腕84に伝わって第1腕84は右向きに回転す
る。同時に、第2磁気カプラ32bを左回転させ、その
回転力を第2腕86に伝えて第2腕86を左向きに回転
させる。この場合、第1腕84と第2腕86とが互いに
近づく方向に動くので、第1関節軸92および第2関節
軸94も互いに近づく方向に移動するとともにアーム軸
12の側から離間してゆく。すると、第1先端腕88お
よび第2先端腕90にもその動きが伝わって動き出し、
皿関節軸16をアーム軸12側から遠のける。よって、
アーム14が伸びる。
【0107】尚、アーム14の向きを変えるときには、
第1磁気カプラ32aおよび第2磁気カプラ32bを同
じ向きに等角速度で回転させる。例えば、アーム14を
右向きに回転させたい場合には、第1磁気カプラ32a
および第2磁気カプラ32bを右回転させる。逆に、ア
ーム14を左向きに回転させたい場合には、第1磁気カ
プラ32aおよび第2磁気カプラ32bを左回転させれ
ば良い。
【0108】<方向維持手段の構成>次に、ウエハ載せ
皿18の方向維持の方法について説明する。図6および
図7に示すように、皿関節軸16にはアーム軸12と同
一軸方向に回転自在な状態で皿止め板96が取り付けら
れている。この皿止め板96にウエハ載せ皿18が固定
されている。そして、この構成例のアームリンク10
は、ウエハ載せ皿18の方向維持手段98aを具えてい
る。この方向維持手段98aは、第1方向付け腕10
0、第2方向付け腕102、方向付けアーム軸104、
ガイドマグネット106および方向付けマグネット10
8で構成されている。方向付けマグネット108は、方
向付けアーム軸104にアーム軸12と同一な軸方向に
回転自在に取り付けられている。
【0109】第1方向付け腕100の一端は、第1先端
腕88に第3関節軸110を介して結合されている。ま
た、第2方向付け腕102の一端は、第2先端腕90に
第4関節軸112を介して結合されている。これら第1
方向付け腕100および第2方向付け腕102の他端
は、互いに重ねられた状態で上述の方向付けアーム軸1
04に結合される。この方向付けアーム軸104によ
り、第1方向付け腕100と第2方向付け腕102とが
互いに平行な状態で回転自在に結合される。
【0110】尚、方向付けアーム軸104が皿関節軸1
6とアーム軸12とを結ぶ直線上に位置するようにする
ため、第1方向付け腕100および第2方向付け腕10
2の両者は、第3関節軸110と方向付けアーム軸10
4との軸間距離と第4関節軸112と方向付けアーム軸
104との軸間距離とが等しくなるような長さにしてあ
る。また、第3関節軸110および第4関節軸112は
アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ直線に関して対称
となる位置に設けてある。方向付けアーム軸104と第
3関節軸110との軸間距離および方向付けアーム軸1
04と第4関節軸112との軸間距離は、アーム14が
最も短く縮んだときに距離不足を起こさないで、アーム
室20にアーム14全体が収まるようにするため、皿関
節軸16と第3関節軸110との軸間距離および皿関節
軸16と第4関節軸112との軸間距離にほぼ等しい距
離から、この距離の2の平方根倍の距離までの範囲にし
てある。このように構成してあるので、第1方向付け腕
100および第2方向付け腕102は、それぞれ第1腕
84および第2腕86と同じように動作する。
【0111】また、上述のガイドマグネット106は、
ウエハ載せ皿18の向きを変えないように当該ウエハ載
せ皿18をアーム軸12の側に導くためのものである。
このガイドマグネット106は、平行度の良好な棒状の
永久磁石であって、その一端が皿止め板96に固定され
ている。但し、ガイドマグネット106と皿止め板96
との結合部分が、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ
直線上に位置するようにしてある。そして、棒状のガイ
ドマグネット106が、アーム14および方向維持手段
98aを構成する各腕と平行になるようにしてある。さ
らに、このガイドマグネット106の棒の延在する方向
が、静止状態でアーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ直
線の方向に一致するようにしてある。
【0112】また、上述の方向付けマグネット108
は、方向付けアーム軸104の位置にガイドマグネット
106を囲むように設けてある。この例では、方向付け
マグネット108として、ほぼ磁力が等しい2個の磁石
をホルダに設置したものを用いている。これら磁石は、
各々の間が所定の間隔で離間した状態であって、各々の
N極およびS極を互いに対向させた状態でホルダ上に設
置される。このホルダの表面にニッケルなどの磁性体材
料をコートしておけば、設置された磁石との間に閉じた
磁路が形成され、周囲の磁気状態に影響されない強力で
安定した磁場が得られる。このホルダがベアリングを介
して方向付けアーム軸104の位置に取り付けられる。
この際に、磁石間のギャップの中心位置が皿関節軸16
とアーム軸12とを結ぶ直線上に位置するように、方向
付けマグネット108を取り付ける。
【0113】そして、上述のガイドマグネット106が
方向付けマグネット108を構成する2つの磁石の間を
通過するように構成する。ガイドマグネット106の磁
極は、対向する方向付けマグネット108の磁石の磁極
と同一となるようにしてある。従って、ガイドマグネッ
ト106は、方向付けマグネット108を構成する2つ
の磁石からほぼ等しい大きさの反発力を対向する両方の
面から受けるため、これらの力がバランスする点に安定
して止まる。つまり、反発磁力により、棒磁石(ガイド
マグネット106)の中心が方向付けマグネット108
の磁石間のギャプのほぼ中心に位置するように、非接触
的に保持される。よって、アーム14の伸縮動作に伴っ
て、方向付けアーム軸104は皿関節軸16とアーム軸
12とを結ぶ直線上を移動することになる。その結果、
アーム14の伸縮動作によらずに、常にウエハ載せ皿1
8を一定方向すなわち皿関節軸16およびアーム軸12
の位置関係によって決まる方向に向かせた状態に保つこ
とができる。
【0114】尚、ガイドマグネット106の磁極面と方
向付けマグネット108の磁極面との間の距離は0.1
〜0.5mm程度にしておくのが、ウエハ設置位置精度
の観点から望ましい。さらに、ウエハ設置位置精度の要
請から、ガイドマグネット106の磁極面の平行度は
0.02mm以下に作ることが望ましい。このようにす
れば、棒磁石に磁力の不均一さが多少あったとしても棒
磁石の磁極面が平行なので、棒磁石の安定点はほぼ上述
のギャップの中心を通る。
【0115】また、方向付け維持手段は磁石を用いなく
ても構成することができる。例えば、方向付けアーム軸
104の位置に設けられ、皿関節軸16をアーム軸12
の側に導くためのシャフトと、方向付けアーム軸104
の位置に当該方向付けアーム軸104に対して回転自在
に設けられ、上述のシャフトをスライド自在となるよう
に支持する軸受けとをもって方向維持手段を構成しても
良い。このとき、上述の軸受けとしてボールスプライン
式のものを用いると良い。
【0116】<方向維持手段の変形例(その1)>次
に、方向維持手段の第1の変形例について、図8を参照
して説明する。図8は、方向維持手段の第1変形例(ア
ームリンクの第1変形例)をアームの移動軌跡とともに
示す平面図である。この例の方向維持手段98bも、第
1方向付け腕100、第2方向付け腕102、方向付け
アーム軸104、ガイドマグネット106および方向付
けマグネット108で構成されている。
【0117】この構成例では、第1先端腕88および第
2先端腕90の皿関節軸16による結合位置をアーム軸
12に近い側に配置させ、第1先端腕88および第2先
端腕90の各先端部分が皿関節軸16を越えてウエハ載
せ皿18側に達するように、余分に延長させた状態にし
てある。そして、この第1先端腕88の延長部分の先端
に、第1方向付け腕100の一端が第3関節軸110を
介して結合される。第2先端腕90の延長部分の先端に
は、第2方向付け腕102の一端が第4関節軸112を
介して結合される。また、方向付けアーム軸104はウ
エハ載せ皿18上であって、皿関節軸16とアーム軸1
2とを結ぶ直線上に位置するようにしてある。よって、
第1方向付け腕100および第2方向付け腕102は、
ウエハ載せ皿18上の方向付けアーム軸104の位置に
おいて結合される。従って、方向付けマグネット108
もウエハ載せ皿18上に位置している。ガイドマグネッ
ト106は、この方向付けアーム軸104と皿関節軸1
6との間に延在するように、皿止め板96上に固定され
る。
【0118】このように構成してあるので、第1方向付
け腕100および第2方向付け腕102は、それぞれ第
2先端腕90および第1先端腕88と同じように動作す
る。よって、アーム14の伸縮に伴って、方向付けアー
ム軸104は皿関節軸16とアーム軸12とを結ぶ直線
上を移動する。その結果、アーム14の伸縮動作によら
ずに、常にウエハ載せ皿18を一定方向すなわち皿関節
軸16およびアーム軸12の位置関係によって決まる方
向に向かせた状態に保つことができる。
【0119】<方向維持手段の変形例(その2)>次
に、方向維持手段の第2の変形例について、図9を参照
して説明する。図9は、方向維持手段の第2変形例(ア
ームリンクの第2変形例)をアームの移動軌跡とともに
示す平面図である。この例の方向維持手段98cも、第
1方向付け腕100、第2方向付け腕102、方向付け
アーム軸104、ガイドマグネット106および方向付
けマグネット108で構成されている。
【0120】この構成例では、第1先端腕88の長さを
第2先端腕90よりも長くしてある。そして、第1先端
腕88の途中と第2先端腕90の先端とを皿関節軸16
において結合する。このため、第1先端腕88の先端部
分が皿関節軸16を越えてウエハ載せ皿18側に達して
いる。そして、この第1先端腕88の延長部分の先端
に、第1方向付け腕100の一端が第3関節軸110を
介して結合される。また、第2先端腕90の途中部分
に、第2方向付け腕102の一端が第4関節軸112を
介して結合される。このとき、第3関節軸110および
第4関節軸112を結ぶ直線が、アーム軸12と皿関節
軸16とを結ぶ直線に対して平行となるようにしてあ
る。
【0121】また、方向付けアーム軸104は皿止め板
96上であって、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ
直線よりも図中の上側の位置に配置される。この位置に
は、方向付けマグネット108も設置される。そして、
この方向付けアーム軸104と皿関節軸16とを結ぶ直
線が、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ直線に対し
て直交するように構成する。よって、ガイドマグネット
106は、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ直線に
対して直交する方向に延在するように、皿止め板96上
に固定される。
【0122】このように構成してあるので、アーム14
の伸縮に伴って、方向付けアーム軸104は皿関節軸1
6とアーム軸12とを結ぶ直線に対して直交する直線上
を移動する。その結果、アーム14の伸縮動作によらず
に、常にウエハ載せ皿18を一定方向すなわち皿関節軸
16およびアーム軸12の位置関係によって決まる方向
に向かせた状態に保つことができる。
【0123】<方向維持手段の変形例(その3)>次
に、方向維持手段の第3の変形例について、図10を参
照して説明する。図10は、方向維持手段の第3変形例
(アームリンクの第3変形例)をアームの移動軌跡とと
もに示す平面図である。この例の方向維持手段98d
も、第1方向付け腕100、第2方向付け腕102、方
向付けアーム軸104、ガイドマグネット106および
方向付けマグネット108で構成されている。
【0124】この構成例では、方向付けアーム軸104
が皿止め板96上に位置している。第1方向付け腕10
0および第2方向付け腕102の各一端は、この方向付
けアーム軸104により結合されている。また、第1方
向付け腕100および第2方向付け腕102の各他端
は、それぞれ第3関節軸110および第4関節軸112
を介して第1先端腕88および第2先端腕90に結合さ
れている。
【0125】また、方向付けマグネット108は、方向
付けアーム軸104と同じ位置に設けられている。そし
て、ガイドマグネット106は、その延在方向がアーム
軸12と皿関節軸16とを結ぶ直線に対して平行となる
ように、かつガイドマグネット106の中心がこの直線
上に位置するように構成する。
【0126】このように構成してあるので、アーム14
の伸縮に伴って、方向付けアーム軸104は皿関節軸1
6とアーム軸12とを結ぶ直線上を移動する。その結
果、アーム14の伸縮動作によらずに、常にウエハ載せ
皿18を一定方向すなわち皿関節軸16およびアーム軸
12の位置関係によって決まる方向に向かせた状態に保
つことができる。
【0127】<ジャックナイフ脱出器の構成>次に、ジ
ャックナイフ脱出器の構成につき、図6を参照して説明
する。アーム14が最も縮んだ状態で停止していると
き、このアーム14を伸ばすためには、第1腕84およ
び第2腕86をお互いに近づける方向に回転させなけれ
ばならない。このようなとき、菱形リンクでは、回転の
モーメントがほとんど相殺してしまい、ほんのわずかな
モーメントだけがアームを開く働きに寄与する。アーム
14全体に生じる摩擦力が、この回転モーメントの生ず
る力よりも大きいと、アーム14は動作できない。この
現象は、ジャックナイフ効果と呼ばれる(例えば、文献
2参照)。
【0128】従って、この構成例のアーム14には、図
6に示すような構成のジャックナイフ脱出器114を設
けてある。ジャックナイフ脱出器114は、4つの磁石
114a、114b、114cおよび114dを具えて
いる。磁石114aは、第1腕84に取り付けてある。
磁石114bは、第1先端腕88に取り付けてある。磁
石114cは、第2腕86に取り付けてある。磁石11
4dは、第2先端腕90に取り付けてある。尚、第1腕
84と第1先端腕88とに設けた磁石114aおよび1
14bは、それぞれ互いに磁極の異なる磁石である。同
様に、第2腕86と第2先端腕90とに設けた磁石11
4cおよび114dは、それぞれ互いに磁極の異なる磁
石である。そして、これら磁石114a〜114dは、
皿関節軸16とアーム軸12との接近に当たって、第1
腕84および第1先端腕88の間と第2腕86および第
2先端腕90の間とに反発力を発生させるように設けて
ある。
【0129】よって、アーム14が縮むとき、第1腕8
4と第1先端腕88との間が接近し、これら結合部分で
ある第1関節軸92の近傍に設けられた磁石114aお
よび114bの間で反発力が発生する。また、アーム1
4が縮むとき、第2腕86と第2先端腕90との間が接
近し、これら結合部分である第2関節軸94の近傍に設
けられた磁石114cおよび114dの間で反発力が発
生する。このように、反発力を発生させることによりア
ーム14で生じる静止摩擦力を相殺させることができ
る。従って、起動時のわずかなモーメントでアーム14
は動作するようになる。しかも、この反発力は、アーム
14が伸びると急激に小さくなるので、このような用途
には最適である。
【0130】[ダブルアームリンク構造のウエハ搬送装
置]次に、以上説明したアームリンクを2台用いて、ダ
ブルアームリンク構造のウエハ搬送装置を構成する利用
例につき説明する。図11は、ダブルアームリンク構造
のウエハ搬送装置の構成を示す断面図である。図11に
示すように、互いに同じ構成のアームリンク10aおよ
び10bをアーム室20内に設置する。このとき、アー
ムリンク10aを構成するアーム軸12aは、アーム室
20の下側内面に取り付けられた下アーム軸取付台48
aに真空封止リングを介して固定される。また、アーム
リンク10bを構成するアーム軸12bは、アーム室2
0の上側内面に取り付けられた上アーム軸取付台48b
に真空封止リングを介して固定される。各アーム軸12
aおよび12bは、各々の軸を正確に一致させた状態に
して固定される。そして、下側のアーム14aの動作面
と上側のアーム14bの動作面とが互いに平行となるよ
うに、アーム軸12aおよび12bを構成する各第2中
固定軸の蓋部分を向き合わせてねじで固定する。
【0131】図1および図2を参照して説明したよう
に、アーム軸12aおよび12bは2軸の同軸構造であ
るから、図11に示すダブルアームリンク構造の場合に
は、4軸の同軸構造となる。このアーム軸12aおよび
12bを基点として、4つのアームおよび4つの軸で構
成された各アーム14aおよび14bを動作させるの
で、非常に高い剛性のリンク構造が構成でき、ウエハの
設置が目標の位置に正確になされる点が優れている。
【0132】各アームリンク10aおよび10bは、そ
れぞれ駆動装置115aおよび115bによって駆動す
る。駆動装置115aは、2つのモータ116aおよび
116bを具えている。また、駆動装置115bも、2
つのモータ116cおよび116dを具えている。各モ
ータ116a〜116dの駆動力は減速機120を介し
て伝達ベルト118a〜118dにそれぞれ伝達され
る。各モータ116a〜116dとしては、回転位置検
出エンコーダ付きのものを用いると良い。このようにす
ると、アームの回転制御、伸縮の開始制御、伸縮の速度
制御および停止位置制御を、上述のエンコーダからの信
号を用いて所定のモータドライバによって行うことが可
能である。尚、この例では、モータの駆動力をアーム軸
に伝達させるために伝達ベルトを用いたが、これに限ら
ず、アーム軸を構成する第1中回転軸および第2中回転
軸を直接駆動するように構成しても良い。
【0133】ダブルアームリンク構造のウエハ搬送装置
の動作につき簡単に説明する。例えば、ロードロック室
22内には、外部からゲート弁27を通ってウエハが搬
送される。搬送されたウエハ28aは、ロードロック室
22内のウエハ設置台30上に置かれる。すると、アー
ム室20側のゲート弁26が開いてアーム14aおよび
14bがロードロック室22内に侵入する。上側のアー
ムリンク10bがロードロック室22内のウエハ設置台
30上に置かれたウエハ28aをウエハ載せ皿18bに
載せると同時に、下側のアームリンク10aはウエハ載
せ皿18aに載せた別のウエハ28bをロードロック室
22内のウエハ設置台30上に置く。このように上下の
アームリンク10aおよび10bを独立に動かすことが
できるので、ウエハの受け渡しが瞬時に行え、搬送の時
間を短縮でき、スループットの大幅な改善を図ることが
可能である。
【0134】また、アーム室20は、アーム室チャンバ
壁20a、アーム室上蓋20b、下アーム軸取付台48
aおよび上アーム軸取付台48bによって真空封止リン
グを介して封じられ、気密室になっている。従って、ア
ーム室上蓋20bはアームリンク10aおよび10bに
対して何の影響も与えずに上側に取り外せるようになっ
ている。このような構成にしてあるので、チャンバ内の
メンテナンスが容易に行える。
【0135】[方向維持手段の別構成]次に、方向維持
手段の別構成につき、図12、図13および図14を参
照して説明する。図12は、方向維持手段の別構成を示
す平面図である。図12は、皿関節軸16近傍の部分を
拡大して示すものである。また、図13は、方向維持手
段の別構成(I−I断面)を示す断面図である。図13
には、図12のI−I線に沿った切り口の断面が示され
ている。図14は、方向維持手段の別構成(J−J断
面)を示す断面図である。図14には、図12のJ−J
線に沿った切り口の断面が示されている。
【0136】この方向維持手段122は、複数個の磁石
がリング状に配列した状態で保持された第1磁気リング
124、第2磁気リング126、第3磁気リング128
および第4磁気リング130を具えている。これら各磁
気リング124〜130は、主として、リング状の部材
と複数個の磁石とより構成されている。各磁石は、リン
グ状部材の表面において、リング状、この例では円形状
となるように配置されて取り付けられる。各磁石の磁極
面は皿関節軸16と同一方向で、磁極の配列は、実用
上、隣り合う磁石の極が異なるように並べると良い。こ
のように構成したので、各磁石から等距離の位置が回転
中心軸となって、磁気リングとして機能する。各磁気リ
ング124〜130は、ベアリングを介して皿止め板9
6に取り付けられている。
【0137】そして、第1磁気リング124および第2
磁気リング126の各々は、皿関節軸16を回転軸とし
て回転自在に設けられている。また、これら第1磁気リ
ング124および第2磁気リング126にそれぞれ第1
先端腕88および第2先端腕90が結合している。
【0138】第1磁気リング124は、リング状部材1
32と、このリング状部材132に取り付けられた所定
数の磁石134とをもって構成されている。このリング
状部材132は、ベアリング136を介して皿止め板9
6に取り付けられている。このベアリング136は、皿
止め板96の一部分であって、皿関節軸16の延在する
方向に突出した、円柱形状の皿止め板部分96aに嵌め
込まれている。そして、ベアリング136は、軸受止め
137および137aによって皿止め板部分96aに固
定されている。各磁石134は、皿関節軸16に対して
直交する平面内であって、皿関節軸16から互いに等距
離だけ離間したリング状部材132上の位置に配置され
ている。
【0139】また、リング状部材132の一箇所に腕接
合部材138の一端が接続されている。この腕接合部材
138は、皿関節軸16に対して直交する方向に延在す
る板体であり、その他端に第1先端腕88の先端が接続
する。この構成により、第1先端腕88が皿関節軸16
の周りに回転運動すると共に、第1磁気リング124は
皿関節軸16を回転軸として回転運動する。
【0140】また、第2磁気リング126は、リング状
部材140と、このリング状部材140に取り付けられ
た所定数の磁石142とをもって構成されている。この
リング状部材140は、ベアリング144を介して、第
1磁気リング124を構成するリング状部材132に取
り付けられている。このベアリング144は、リング状
部材132の一部分であって、皿関節軸16と同一の方
向に延在する円筒形状の部分に嵌め込まれている。ベア
リング144は、リング状部材132により皿止め板9
6の側に押圧されることにより固定されている。各磁石
142は、皿関節軸16に対して直交する平面内であっ
て、皿関節軸16から互いに等距離だけ離間したリング
状部材140上の位置に配置されている。
【0141】また、リング状部材140の一箇所に腕接
合部材146の一端が接続されている。この腕接合部材
146は、皿関節軸16に対して直交する方向に延在す
る板体であり、その他端に第2先端腕90の先端が接続
する。この構成により、第2先端腕90が皿関節軸16
の周りに回転運動すると共に、第2磁気リング126は
皿関節軸16を回転軸として回転運動する。
【0142】以上説明したように、第1磁気リング12
4および第2磁気リング126は、同一の軸(皿関節軸
16)の周りに設けられていて、二重同軸構造を構成し
ている。各磁気リング124および126の径(皿関節
軸16から各磁石134あるいは144までの距離)を
同一にしてあるので、各磁気リング124および126
は皿関節軸16の軸延在方向に対して上下に亘り重なっ
た状態に設けられる。この構成例では、第1磁気リング
124は、皿止め板96から比較的離間した側(図13
および図14中の下側)の位置に設けられており、第2
磁気リング126は、皿止め板96に近接した側(図1
3および図14中の上側)の位置に設けられている。
尚、第1磁気リング124を構成する磁石134と、第
2磁気リング126を構成する磁石142とは、これら
の間に第3磁気リング128および第4磁気リング13
0が挟まれて互いに遠のくため、両者間の相互作用が無
視できる程度となる距離だけ互いに離間した状態とな
る。
【0143】次に、第3磁気リング128および第4磁
気リング130につき説明する。先ず、第3磁気リング
128は、第1磁気リング124と磁気結合して当該第
1磁気リング124の回転運動に伴い回転するものであ
る。第3磁気リング128は、リング状部材148と、
このリング状部材148に取り付けられた所定数の磁石
150とをもって構成されている。このリング状部材1
48は、4点接触型のベアリング152を介して皿止め
板96に取り付けられている。このベアリング152
は、皿止め板96の一部分であって、皿関節軸16が延
在する方向と同一の方向に突出した、円筒形状の皿止め
板部分96bに嵌め込まれている。そして、ベアリング
152は、軸受止め153によって皿止め板部分96b
に固定されている。各磁石150は、皿関節軸16と同
一の方向に延在する回転軸154に対して直交する平面
内であって、この回転軸154から互いに等距離だけ離
間したリング状部材148上の位置に配置されている。
尚、この回転軸154は、皿関節軸16とアーム軸12
の回転軸52とを結ぶ直線(図12中の直線a。この直
線aの延在する方向がアームリンクの伸縮方向に相当す
る。)上から外れた位置に配置されている。
【0144】また、第3磁気リング128と第1磁気リ
ング124とが一部で重なった状態になし、この重なり
部分において第3磁気リング128を構成する磁石15
0が第1磁気リング124を構成する磁石134と非常
に近接した状態にして、互いに磁気結合するように構成
する。図13に示すように、第3磁気リング128の磁
石150の下面側と第1磁気リング124の磁石134
の上面側とが対向した状態にしてある。この第3磁気リ
ング128は、皿止め板96から比較的離間した位置
(図13中の下方)に設けられるので、第2磁気リング
126の磁石142とは磁気結合しない。
【0145】一方、第4磁気リング130は、第2磁気
リング126と磁気結合して当該第2磁気リング126
の回転運動に伴い回転するものである。この第4磁気リ
ング130は、リング状部材156と、このリング状部
材156に取り付けられた所定数の磁石158とをもっ
て構成されている。このリング状部材156は、4点接
触型のベアリング160を介して皿止め板96に取り付
けられている。このベアリング160は、皿止め板96
の一部分であって、皿関節軸16が延在する方向と同一
の方向に突出した、円筒形状の皿止め板部分96cに嵌
め込まれている。そして、ベアリング160は、軸受止
め161によって皿止め板部分96cに固定されてい
る。各磁石158は、皿関節軸16と同一の方向に延在
する回転軸162に対して直交する平面内であって、こ
の回転軸162から互いに等距離だけ離間したリング状
部材156上の位置に配置されている。尚、この回転軸
162は、皿関節軸16とアーム軸12の回転軸52と
を結ぶ直線(図12中の直線a)上であって、皿関節軸
16に対してウエハ載せ皿18に近い側に位置してい
る。
【0146】また、第4磁気リング130と第2磁気リ
ング126とが一部で重なった状態になし、この重なり
部分において第4磁気リング130を構成する磁石15
8が第2磁気リング126を構成する磁石142と非常
に近接した状態にして、互いに磁気結合するように構成
する。図14に示すように、第4磁気リング130の磁
石158の上面側と第2磁気リング126の磁石142
の下面側とが対向した状態にしてある。この第4磁気リ
ング130は、皿止め板96に比較的近接した位置(図
14中の上方)に設けられるので、第1磁気リング12
4の磁石134とは磁気結合しない。
【0147】また、第3磁気リング128および第4磁
気リング130間には磁気結合が生じるように各々の設
置位置を決めてある。ここで、図12を参照して、各磁
気リングの配置関係について説明しておく。上述したよ
うに、第4磁気リング130の回転軸162は、皿関節
軸16とアーム軸12の回転軸52とを結ぶ直線a上に
位置している。一方、第3磁気リング128の回転軸1
54は、この直線a上から外れた位置に配置される。回
転軸52は皿関節軸16よりもウエハ載せ皿18に近い
側に位置しており、回転軸162と皿関節軸16との間
に回転軸154が位置している。これら回転軸162、
皿関節軸16および回転軸154はほぼ正三角形の頂点
に位置するようにそれぞれ配置される。図12におい
て、第1磁気リング124と第2磁気リング126と
は、互いに重なり合う位置に設けられている。また、第
3磁気リング128と第4磁気リング130とは一部で
重なるように構成されており、この重なり部分において
第3磁気リング128と第4磁気リング130との磁気
結合が生じる。図13および図14に示すように、この
重なり部分では、第3磁気リング128を構成する磁石
150の上面と、第4磁気リング130を構成する磁石
158の下面とが非常に近接した位置で対向している。
【0148】そして、これら第3磁気リング128およ
び第4磁気リング130間に生じる磁気結合により、第
1磁気リング124および第2磁気リング126の回転
運動が制御される。上述したように、第1磁気リング1
24と第3磁気リング128とは磁気結合により回転運
動が連動して行われる。また、第2磁気リング126と
第4磁気リング130とも同様であって、これらの磁気
結合により各々の回転運動が連動して行われる。つま
り、第1磁気リング124と共に第3磁気リング128
が回転し、第2磁気リング126と共に第4磁気リング
130が回転するように構成されている。
【0149】また、第3磁気リング128と第4磁気リ
ング130との間で磁気結合を生じさせるので、これら
の回転運動も連動して行われる。従って、第1磁気リン
グ124と第2磁気リング126との回転運動が連動し
て行われる。
【0150】このように、第3磁気リング128および
第4磁気リング130間に生じる磁気結合により、第1
磁気リング124および第2磁気リング126の回転運
動が制御される。そして、この制御は、上述した直線a
に対する、第3磁気リング128および第4磁気リング
130の各回転軸の相対位置が一定に保たれるように行
われる。従って、ウエハ載せ皿18の向きが直線aに対
して常に一定となる。この構成例では、アームリンクの
動作時において、第4磁気リング130の回転軸162
が常に直線a上に位置するように、第1先端腕88およ
び第2先端腕90の回転により生じるウエハ載せ皿18
の向きのずれが補償される。このような構成を得るため
には、各磁気リングのリング径や磁石の数や磁気リング
の回転軸の位置を適切に設計すれば良い。
【0151】次に、図15を参照して、方向維持手段1
22の動作につき説明する。図15は、方向維持手段1
22の動作説明に供する平面図である。図15(A)に
はアームリンクが伸びる場合が示され、図15(B)に
はアームリンクが縮む場合が示されている。但し、図1
5において、第1先端腕88および第2先端腕90は太
線で示してある。また、腕接合部材138および146
や皿止め板96の図示は省略してある。
【0152】先ず、図15(A)に示すように、アーム
リンクが伸びる場合は、第1先端腕88と第2先端腕9
0とが互いに接近する向きへ回転運動する。従って、図
15において、第1先端腕88は図中の上方へ回転し、
第2先端腕90は図中の下方へ回転する。このとき、第
1先端腕88に結合されている第1磁気リング124
は、図中の左向き(矢印pで示す方向)に回転する。す
ると、第1磁気リング124に磁気結合された第3磁気
リング128は、第1磁気リング124の回転運動に伴
い、図中の右向き(矢印rで示す方向)に回転する。
【0153】一方、第2先端腕90に結合されている第
2磁気リング126は、図中の右向き(矢印qで示す方
向)に回転する。この第2磁気リング126に磁気結合
された第4磁気リング130は、第2磁気リング126
の回転運動に伴い、図中の左向き(矢印sで示す方向)
に回転する。
【0154】このように、第3磁気リング128は右向
きに回転し、第4磁気リング130は左向きに回転す
る。これら第3磁気リング128および第4磁気リング
130は互いに磁気結合しているので、各々の回転運動
が連動して行われる。
【0155】この回転運動の連動の効果は、第1先端腕
88および第2先端腕90がアーム軸12と独立して運
動する場合を考えると理解しやすい。このとき、第1先
端腕88が回転運動して、直線a(この場合、この直線
aは皿関節軸16と回転軸162とを結ぶ直線と考え
る。)に接近し始めると、その動きにつれて第1磁気リ
ング124が回転する。すると、第1磁気リング124
に磁気結合された第3磁気リング128が回転し、さら
に、第3磁気リング128に磁気結合された第4磁気リ
ング130が回転する。そして、第4磁気リング130
には第2磁気リング126が磁気結合されているので、
この第4磁気リング130の回転に伴い第2磁気リング
126が回転して、第2先端腕90を直線aの側に向け
て回転させる。第1先端腕88が直線aに向かって回転
する速さと、第2先端腕90が直線aに向かって回転す
る速さとは、磁気リングの径や磁石の数などの設計によ
り、互いに等しくなるように構成されている。よって、
第1先端腕88および第2先端腕90の回転運動は直線
aに関して対称的に行われるので、ウエハ載せ皿18の
向きは直線aに対して変化しない。このように構成して
あるので、今度は第1先端腕88および第2先端腕90
がアーム軸12により駆動される場合を考えると、ウエ
ハ載せ皿18は直線aに対して一定の向きを保ったまま
直線aに沿って移動し、アーム軸12側から遠ざけられ
る。
【0156】アームリンクが縮む場合も同様である。図
15(B)に示すように、アームリンクが縮む場合は、
第1先端腕88と第2先端腕90とが互いに離れる向き
へ回転運動する。従って、図15(B)において、第1
先端腕88は図中の下方へ回転し、第2先端腕90は図
中の上方へ回転する。このとき、第1先端腕88に結合
されている第1磁気リング124は、図中の右向き(矢
印pで示す方向)に回転する。すると、第1磁気リング
124に磁気結合された第3磁気リング128は、第1
磁気リング124の回転運動に伴い、図中の左向き(矢
印rで示す方向)に回転する。
【0157】一方、第2先端腕90に結合されている第
2磁気リング126は、図中の左向き(矢印qで示す方
向)に回転する。この第2磁気リング126に磁気結合
された第4磁気リング130は、第2磁気リング126
の回転運動に伴い、図中の右向き(矢印sで示す方向)
に回転する。
【0158】このように、第3磁気リング128は左向
きに回転し、第4磁気リング130は右向きに回転す
る。これら第3磁気リング128および第4磁気リング
130は互いに磁気結合しているので、各々の回転運動
が連動して行われる。上述した説明の通り、アームリン
クが縮むときは、ウエハ載せ皿18は直線aに対して一
定の向きを保ったまま直線aに沿って移動し、アーム軸
12の側に引き寄せられる。
【0159】以上説明したように、この方向維持手段1
22は、非接触的に作用する磁気結合を利用しているの
で、脈動が起こらず低発塵である。しかも、単純な構造
であることから部品点数が少なくて済み、組み立て精度
の再現性が良く、取扱いが容易である。
【0160】尚、各磁気リング124〜130を構成す
る磁石としては、例えば、サマリュウムコバルトやネオ
ジュウム磁石などを用いるのが好適である。また、磁石
の配列は、アーム軸12を構成する磁気カプラ32a、
32bのように、交互に異なる磁極が配列するように構
成すると良い。
【0161】さらに、各磁気リング間の磁気結合が発生
する重なり部分には、3個の磁石が収まるように構成す
るのが好適である。このように構成するには、例えば、
各磁気リングを構成する磁石の個数を26個にするのが
望ましい。しかし、これに限られることはなく、磁石の
材料や、磁石の個数やサイズや、リング径などは設計に
応じて、この発明の効果が得られる範囲で変更すること
が可能である。
【0162】また、この構成の方向維持手段122は、
文献2、3に開示されている従来タイプのアームリンク
にも用いることができ、低発塵性能に優れたアームが実
現できる。
【0163】
【発明の効果】この発明の複数軸動力伝達装置によれ
ば、ウエハ搬送用アームリンクの動力伝達のための磁気
結合力は結合距離を縮めて強力にしたので、小型軽量の
動力伝達軸を一つの軸体で実現できる。よって、今後の
12インチウエハの大口径時代にあっても、容易に人力
でハンドリングできるウエハ搬送用アームリンクが実現
できる。
【0164】また、ウエハ搬送時間の短縮によるスルー
プットの改善のために複葉ロボットアームが必須となる
が、ほとんど同じ構造のウエハ搬送用アームリンクを互
いに重ねることで容易に実現できる。
【0165】さらに、ウエハを載せる皿の方向を一定に
保つ手段は磁力を利用して非接触で実現できるので、驚
異的な低発塵ウエハ搬送アームが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アーム軸の構成を示す図である。
【図2】磁気カプラの構成を示す図である。
【図3】アームリンクの配置例を示す図である。
【図4】磁力線の様子を示す図である。
【図5】磁気カプラのバランス点からのずれに対する相
対復元力を示す図である。
【図6】アームリンクの構成を示す図である。
【図7】アームリンクの構成およびアームの移動軌跡を
示す図である。
【図8】アームリンクの第1変形例およびアームの移動
軌跡を示す図である。
【図9】アームリンクの第2変形例およびアームの移動
軌跡を示す図である。
【図10】アームリンクの第3変形例およびアームの移
動軌跡を示す図である。
【図11】ダブルアームリンク構造のウエハ搬送装置の
構成を示す図である。
【図12】方向維持手段の別構成を示す図である。
【図13】方向維持手段の別構成(I−I断面)を示す
図である。
【図14】方向維持手段の別構成(J−J断面)を示す
図である。
【図15】方向維持手段の動作説明に供する図である。
【符号の説明】
10,10a,10b:アームリンク 12,12a,12b:アーム軸 14,14a,14b:アーム 16:皿関節軸 18,18a,18b:ウエハ載せ皿 20:アーム室 20a:アーム室チャンバ壁 20b:アーム室上蓋 22,22a,22b:ロードロック室 24a,24b:プロセス処理室 26a〜26d,26,27:ゲート弁 28,28a,28b:ウエハ 30a〜30d,30:ウエハ設置台 31a,31b:第1回転体 32a:第1磁気カプラ 32b:第2磁気カプラ 33a,33b:第2回転体 34:第2中固定軸 36a,36b:内側磁気リング 38a,38b:外側磁気リング 40a:第1中ヨーク 40b:第2中ヨーク 41a,41b:外側周縁 42a,42b:中磁石 43a,43b:主面 44a:第1外ヨーク 44b:第2外ヨーク 44a1:第1ヨークピース 44a2:第2ヨークピース 44a3:第3ヨークピース 45a,45b:内側周縁 46a,46b:外磁石 48:アーム軸取付台 48a:下アーム軸取付台 48b:上アーム軸取付台 50:第1中固定軸 52:回転軸 54:第1中回転軸 56:第1中軸ベアリング 58:第1外軸 60:第1外軸ベアリング 62:真空封止リング 64:第2中回転軸 66:第2中軸ベアリング 68:第2外軸 70:第2外軸ベアリング 72:位置決めピン 74,76:磁極面 78:磁石ガイド突起 80:対向磁石間磁力線 82:漏れ磁力線 84:第1腕 86:第2腕 88:第1先端腕 90:第2先端腕 92:第1関節軸 94:第2関節軸 96:皿止め板 98a〜98d:方向維持手段 100:第1方向付け腕 102:第2方向付け腕 104:方向付けアーム軸 106:ガイドマグネット 108:方向付けマグネット 110:第3関節軸 112:第4関節軸 114:ジャックナイフ脱出器 114a〜114d:磁石 115a,115b:駆動装置 116a〜116d:モータ 118a〜118d:伝達ベルト 120:減速機 122:方向維持手段 124:第1磁気リング 126:第2磁気リング 128:第3磁気リング 130:第4磁気リング 138,146:腕接合部材 154,162:回転軸 132,140,148,156:リング状部材 134,142,150,158:磁石 136,144,152,160:ベアリング 137,137a,153,161:軸受止め 96a,96b,96c:皿止め板部分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送
用アームリンク
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、集積回路製造用
プロセス装置に用いられる複数軸動力伝達装置およびウ
エハ搬送用アームリンクに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明の複数
軸動力伝達装置によれば、雰囲気の異なる空間を隔絶す
る一体構造の隔壁と、大気側雰囲気内に複数個の磁石を
保持した状態で設置される複数個の第1回転体と、大気
側雰囲気と異なる雰囲気内に第1回転体に磁気的に結合
する複数個の磁石を保持した状態で設置される複数個の
第2回転体とを具えた複数軸動力伝達装置において、第
1および第2回転体は、これら回転体が同軸に関して回
転自在となるように、隔壁に軸受けを介して支持されて
おり、第1回転体は、リング状の第1ヨーク部材の外側
周縁に複数個の磁石を取り付けた内側磁気リングを具え
ており、第2回転体は、リング状の第2ヨーク部材の内
側周縁に複数個の磁石を取り付けた外側磁気リングを具
えており、第1および第2ヨーク部材の双方またはいず
れか一方は、各磁気リングを構成する磁石が複数の群に
分割されるように分解可能であることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、上述の文献5に提案されているよう
に、アームリンクの発塵を防止する策の一つは、磁気カ
プラを用いることである。磁気カプラは、大気および真
空間を隔てる隔壁を介してアーム駆動力を伝達させるも
のである。この磁気カプラを用いたアームリンクにおい
て、ウエハ設置位置の高い位置精度と高速動作とを実現
するには、アーム軸を軽量にし、磁気カプラを構成する
対向磁石間の距離をより近接させる必要がある。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クによれば、上述の複数軸動力伝達装置と、この複数軸
動力伝達装置を構成する第1回転体に結合された第1腕
と、この複数軸動力伝達装置を構成する第2回転体に結
合された第2腕と、皿関節軸の周りに同軸で互いに平行
に回転可能な第1および第2先端腕と、皿関節軸上に設
けたウエハ載せ皿と、第1腕の先端と第1先端腕の先端
とを回転自在に結合する第1関節軸と、第2腕の先端と
第2先端腕の先端とを回転自在に結合する第2関節軸
と、ウエハ載せ皿が皿関節軸と複数軸動力伝達装置との
位置関係から決まる方向を向いた状態で皿関節軸を複数
軸動力伝達装置の側に導く方向維持手段とを具えてお
り、方向維持手段は、第1先端腕に第3関節軸を介して
結合する第1方向付け腕と、第2先端腕に第4関節軸を
介して結合する第2方向付け腕と、第1方向付け腕と第
2方向付け腕とを互いに平行な状態で回転自在に結合す
る方向付けアーム軸と、方向付けアーム軸の位置に設け
られ、皿関節軸を複数軸動力伝達装置の側に導くための
ガイド磁石と、方向付けアーム軸の位置にガイド磁石と
反発した状態で当該ガイド磁石を非接触的に挟むように
設けられ、方向付けアーム軸に対して回転自在に設けら
れた方向付け磁石とを具えることを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】削除
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】また、ウエハ載せ皿の方向制御にもリンク
機構と同様の非接触的な磁気カプラを採用しているの
で、低発塵になっており、単純構造であるために組み立
て精度の再現性も良く、取扱いも容易である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クによれば、上述の複数軸動力伝達装置と、この複数軸
動力伝達装置を構成する第1回転体に結合された第1腕
と、この複数軸動力伝達装置を構成する第2回転体に結
合された第2腕と、皿関節軸の周りに同軸で互いに平行
に回転可能な第1および第2先端腕と、皿関節軸上に設
けたウエハ載せ皿と、第1腕の先端と第1先端腕の先端
とを回転自在に結合する第1関節軸と、第2腕の先端と
第2先端腕の先端とを回転自在に結合する第2関節軸
と、ウエハ載せ皿が皿関節軸と複数軸動力伝達装置との
位置関係から決まる方向を向いた状態で皿関節軸を複数
軸動力伝達装置の側に導く方向維持手段とを具えてお
り、方向維持手段は、第1先端腕に第3関節軸を介して
結合する第1方向付け腕と、第2先端腕に第4関節軸を
介して結合する第2方向付け腕と、第1方向付け腕と第
2方向付け腕とを互いに平行な状態で回転自在に結合す
る方向付けアーム軸と、方向付けアーム軸の位置に設け
られ、皿関節軸を複数軸動力伝達装置の側に導くための
シャフトと、方向付けアーム軸の位置に当該方向付けア
ーム軸に対して回転自在に設けられ、シャフトをスライ
ド自在となるように支持する軸受けとを具えることを特
徴とする。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クによれば、上述の複数軸動力伝達装置と、この複数軸
動力伝達装置を構成する第1回転体に結合された第1腕
と、この複数軸動力伝達装置を構成する第2回転体に結
合された第2腕と、皿関節軸の周りに同軸で互いに平行
に回転可能な第1および第2先端腕と、皿関節軸上に設
けたウエハ載せ皿と、第1腕の先端と第1先端腕の先端
とを回転自在に結合する第1関節軸と、第2腕の先端と
第2先端腕の先端とを回転自在に結合する第2関節軸
と、ウエハ載せ皿が皿関節軸と複数軸動力伝達装置との
位置関係から決まる方向を向いた状態で皿関節軸を複数
軸動力伝達装置の側に導く方向維持手段とを具えてお
り、第1腕と第1先端腕とにそれぞれ互いに磁極の異な
る磁石を設け、第2腕と第2先端腕とにそれぞれ互いに
磁極の異なる磁石を設けて構成され、皿関節軸と複数軸
動力伝達装置との接近に当たり、第1腕および第1先端
腕の間と第2腕および第2先端腕の間とに反発力を発生
させるジャックナイフ脱出器を具えることを特徴とす
る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】削除
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】削除
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クによれば、上述の複数軸動力伝達装置と、この複数軸
動力伝達装置を構成する第1回転体に結合された第1腕
と、この複数軸動力伝達装置を構成する第2回転体に結
合された第2腕と、皿関節軸の周りに同軸で互いに平行
に回転可能な第1および第2先端腕と、皿関節軸上に設
けたウエハ載せ皿と、第1腕の先端と第1先端腕の先端
とを回転自在に結合する第1関節軸と、第2腕の先端と
第2先端腕の先端とを回転自在に結合する第2関節軸
と、ウエハ載せ皿が皿関節軸と複数軸動力伝達装置との
位置関係から決まる方向を向いた状態で皿関節軸を複数
軸動力伝達装置の側に導く方向維持手段とを具えてお
り、方向維持手段は、複数個の磁石がリング状に配列し
た状態で保持された第1、第2、第3および第4磁気リ
ングを具えており、第1および第2磁気リングの各々は
皿関節軸を回転軸として回転自在に設けられ、これら第
1および第2磁気リングにそれぞれ第1および第2先端
腕が結合しており、第3磁気リングは、第1磁気リング
と磁気結合して当該第1磁気リングの回転運動に伴い回
転するものであり、第4磁気リングは、第2磁気リング
と磁気結合して当該第2磁気リングの回転運動に伴い回
転するものであり、これら第3および第4磁気リング間
に生じる磁気結合により第1および第2磁気リングの回
転運動が制御され、皿関節軸と複数軸動力伝達装置の軸
とを結ぶ直線に対する、第3および第4磁気リングの各
回転軸の相対位置が一定に保たれるように構成してある
ことを特徴とする。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】削除
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/68 B65G 49/07 D // B65G 49/07 H01L 21/30 502J

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雰囲気の異なる空間を隔絶する一体構造
    の隔壁と、大気側雰囲気内に複数個の磁石を保持した状
    態で設置される複数個の第1回転体と、大気側雰囲気と
    異なる雰囲気内に前記第1回転体に磁気的に結合する複
    数個の磁石を保持した状態で設置される複数個の第2回
    転体とを具えた複数軸動力伝達装置において、 前記第1および第2回転体は、これら回転体が同軸に関
    して回転自在となるように、前記隔壁に軸受けを介して
    支持されていることを特徴とする複数軸動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記第1回転体は、リング状の第1ヨーク部材の外側周
    縁に複数個の磁石を取り付けた内側磁気リングを具えて
    おり、 前記第2回転体は、リング状の第2ヨーク部材の内側周
    縁に複数個の磁石を取り付けた外側磁気リングを具えて
    おり、 前記第1および第2ヨーク部材の双方またはいずれか一
    方は、各磁気リングを構成する磁石が複数の群に分割さ
    れるように分解可能であることを特徴とする複数軸動力
    伝達装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記第1および第2ヨーク部材に磁性体材料を用いてい
    ることを特徴とする複数軸動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記第2ヨーク部材に取り付けられた磁石の、前記第1
    ヨーク部材に取り付けられた磁石に対向する磁極面の中
    央部分を凹ませてあることを特徴とする複数軸動力伝達
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記磁石の表面にニッケルをコーティングしてあること
    を特徴とする複数軸動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記内側磁気リングおよび外側磁気リングを構成する磁
    石の総数が磁極数と前記群の数との公倍数であることを
    特徴とする複数軸動力伝達装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記群の数が3であることを特徴とする複数軸動力伝達
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の複数軸動力伝達装置
    と、 該複数軸動力伝達装置を構成する第1回転体に結合され
    た第1腕と、 該複数軸動力伝達装置を構成する第2回転体に結合され
    た第2腕と、 皿関節軸の周りに同軸で互いに平行に回転可能な第1お
    よび第2先端腕と、 前記皿関節軸上に設けたウエハ載せ皿と、 前記第1腕の先端と前記第1先端腕の先端とを回転自在
    に結合する第1関節軸と、 前記第2腕の先端と前記第2先端腕の先端とを回転自在
    に結合する第2関節軸と、 前記ウエハ載せ皿が前記皿関節軸と前記複数軸動力伝達
    装置との位置関係から決まる方向を向いた状態で前記皿
    関節軸を前記複数軸動力伝達装置の側に導く方向維持手
    段とを具えることを特徴とするウエハ搬送用アームリン
    ク。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のウエハ搬送用アームリ
    ンクにおいて、 前記方向維持手段は、 前記第1先端腕に第3関節軸を介して結合する第1方向
    付け腕と、 前記第2先端腕に第4関節軸を介して結合する第2方向
    付け腕と、 前記第1方向付け腕と前記第2方向付け腕とを互いに平
    行な状態で回転自在に結合する方向付けアーム軸と、 前記方向付けアーム軸の位置に設けられ、前記皿関節軸
    を前記複数軸動力伝達装置の側に導くためのガイド磁石
    と、 前記方向付けアーム軸の位置に前記ガイド磁石と反発し
    た状態で当該ガイド磁石を非接触的に挟むように設けら
    れ、前記方向付けアーム軸に対して回転自在に設けられ
    た方向付け磁石とを具えることを特徴とするウエハ搬送
    用アームリンク。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のウエハ搬送用アーム
    リンクにおいて、 前記方向付けアーム軸と前記第3および第4関節軸との
    間の第1軸間距離は、前記皿関節軸と前記第3および第
    4関節軸との間の第2軸間距離よりも比較的大きいが実
    質的に等しい距離から該第2軸間距離の2の平方根倍の
    距離の範囲にしてあることを特徴とするウエハ搬送用ア
    ームリンク。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載のウエハ搬送用アーム
    リンクにおいて、 前記方向維持手段は、 前記第1先端腕に第3関節軸を介して結合する第1方向
    付け腕と、 前記第2先端腕に第4関節軸を介して結合する第2方向
    付け腕と、 前記第1方向付け腕と前記第2方向付け腕とを互いに平
    行な状態で回転自在に結合する方向付けアーム軸と、 前記方向付けアーム軸の位置に設けられ、前記皿関節軸
    を前記複数軸動力伝達装置の側に導くためのシャフト
    と、 前記方向付けアーム軸の位置に当該方向付けアーム軸に
    対して回転自在に設けられ、前記シャフトをスライド自
    在となるように支持する軸受けとを具えることを特徴と
    するウエハ搬送用アームリンク。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のウエハ搬送用アー
    ムリンクにおいて、 前記軸受けとしてボールスプライン式のものを用いるこ
    とを特徴とするウエハ搬送用アームリンク。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載のウエハ搬送用アーム
    リンクにおいて、 前記第1腕と前記第1先端腕とにそれぞれ互いに磁極の
    異なる磁石を設け、前記第2腕と前記第2先端腕とにそ
    れぞれ互いに磁極の異なる磁石を設けて構成され、 前記皿関節軸と前記複数軸動力伝達装置との接近に当た
    り、前記第1腕および第1先端腕の間と前記第2腕およ
    び第2先端腕の間とに反発力を発生させるジャックナイ
    フ脱出器を具えることを特徴とするウエハ搬送用アーム
    リンク。
  14. 【請求項14】 請求項8に記載のウエハ搬送用アーム
    リンクを2つ具えており、 第1のウエハ搬送用アームリンクを構成する複数軸動力
    伝達装置の軸と第2のウエハ搬送用アームリンクを構成
    する複数軸動力伝達装置の軸との方向を一致させた状態
    でこれら複数軸動力伝達装置同士を結合し、 該結合部分を含みこれら複数軸動力伝達装置の軸に垂直
    な平面に関して実質的に対称となるように、前記第1お
    よび第2のウエハ搬送用アームリンクを重ねて構成した
    ことを特徴とするダブルアームリンク構造のウエハ搬送
    装置。
  15. 【請求項15】 請求項8に記載のウエハ搬送用アーム
    リンクにおいて、 前記方向維持手段は、複数個の磁石がリング状に配列し
    た状態で保持された第1、第2、第3および第4磁気リ
    ングを具えており、 前記第1および第2磁気リングの各々は前記皿関節軸を
    回転軸として回転自在に設けられ、これら第1および第
    2磁気リングにそれぞれ前記第1および第2先端腕が結
    合しており、 前記第3磁気リングは、前記第1磁気リングと磁気結合
    して当該第1磁気リングの回転運動に伴い回転するもの
    であり、 前記第4磁気リングは、前記第2磁気リングと磁気結合
    して当該第2磁気リングの回転運動に伴い回転するもの
    であり、 これら第3および第4磁気リング間に生じる磁気結合に
    より前記第1および第2磁気リングの回転運動が制御さ
    れ、前記皿関節軸と前記複数軸動力伝達装置の軸とを結
    ぶ直線に対する、前記第3および第4磁気リングの各回
    転軸の相対位置が一定に保たれるように構成してあるこ
    とを特徴とするウエハ搬送用アームリンク。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の複数軸動力伝達装置
    と、 該複数軸動力伝達装置を構成する第1回転体に結合され
    た第1先端腕と、 該複数軸動力伝達装置を構成する第2回転体に結合され
    た第2先端腕と、 これら第1および第2先端腕を、互いに平行に回転可能
    とするための回転軸である皿関節軸と、 該皿関節軸上に設けたウエハ載せ皿と、 前記ウエハ載せ皿が前記皿関節軸と前記複数軸動力伝達
    装置との位置関係から決まる方向を向いた状態で前記皿
    関節軸を前記複数軸動力伝達装置の側に導く方向維持手
    段とを具えていて、 前記方向維持手段は、複数個の磁石がリング状に配列し
    た状態で保持された第1、第2、第3および第4磁気リ
    ングを具えており、 前記第1および第2磁気リングの各々は前記皿関節軸を
    回転軸として回転自在に設けられ、これら第1および第
    2磁気リングにそれぞれ前記第1および第2先端腕が結
    合しており、 前記第3磁気リングは、前記第1磁気リングと磁気結合
    して当該第1磁気リングの回転運動に伴い回転するもの
    であり、 前記第4磁気リングは、前記第2磁気リングと磁気結合
    して当該第2磁気リングの回転運動に伴い回転するもの
    であり、 これら第3および第4磁気リング間に生じる磁気結合に
    より前記第1および第2磁気リングの回転運動が制御さ
    れ、前記皿関節軸と前記複数軸動力伝達装置の軸とを結
    ぶ直線に対する、前記第3および第4磁気リングの各回
    転軸の相対位置が一定に保たれるように構成してあるこ
    とを特徴とするウエハ搬送用アームリンク。
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