JP2000332081A - 複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク - Google Patents

複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク

Info

Publication number
JP2000332081A
JP2000332081A JP13696099A JP13696099A JP2000332081A JP 2000332081 A JP2000332081 A JP 2000332081A JP 13696099 A JP13696099 A JP 13696099A JP 13696099 A JP13696099 A JP 13696099A JP 2000332081 A JP2000332081 A JP 2000332081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
magnetic ring
axis
shaft
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13696099A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromi Kumagai
浩洋 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BKS LAB KK
Original Assignee
BKS LAB KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BKS LAB KK filed Critical BKS LAB KK
Priority to JP13696099A priority Critical patent/JP2000332081A/ja
Priority to US09/325,552 priority patent/US6247889B1/en
Publication of JP2000332081A publication Critical patent/JP2000332081A/ja
Priority to US09/772,866 priority patent/US20010012483A1/en
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manipulator (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンテナンスが容易な単純構造でありなが
ら、パーティクルの発生がなく、アウトガスが少なく、
気密度が高く、位置精度が高く、高スループットを実現
する構造。 【解決手段】 大気側雰囲気と異なる雰囲気の空間を画
成する隔壁32と、内側磁気リング38aと、外側磁気
リング40aとを具える。内側磁気リングは大気側雰囲
気内に、外側磁気リングは、隔壁により画成された空間
内に設置されている。内側磁気リングと外側磁気リング
とは隔壁を介して磁気結合する、磁気カプラを構成して
いる。外側磁気リングは、隔壁に関して回転自在となる
ように隔壁に軸受けを介して支持されている。内側磁気
リングを構成する各磁石が、その配列順に、外側磁気リ
ングに接近する向き、あるいは外側磁気リングから離間
する向きに変位して、外側磁気リングに回転力を与え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路製造用プ
ロセス装置に用いられる複数軸動力伝達装置およびウエ
ハ搬送用アームリンクに関する。
【0002】
【従来の技術】ウエハ搬送用アームリンクは、真空中、
減圧雰囲気中、大気中または腐食性ガス中において、プ
ロセスチャンバと搬送チャンバとの間でウエハなどの被
処理物を搬送するために用いられる。
【0003】この技術の初期段階では、文献1「特開平
4−152078」に開示されるフロッグレッグタイプ
のロボットアームが用いられている。また、真空シール
軸としては磁性流体を用いたものが主流である。このタ
イプのウエハ搬送用アームリンクは、例えば、文献2
「特開平4−279043」、文献3「特表平7−50
4128」および文献4「特開平10−581」にも開
示されている。
【0004】また、文献5「特表平7−507010」
には、フロッグレッグタイプと異なる平行リンク方式の
アームリンクの例が開示されている。このリンクは、4
軸および4腕で構成されているために剛性が高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した方式の問題の
一つは、磁力により誘起されるいわゆる磁性流体の粘性
力と摩擦力とで真空封止力を発生させる構成にある。こ
の構成では、ロボットアームの動作時に、軸回転速度に
比例する摩擦力あるいは粘性力が抵抗として発生する。
従って、その抵抗に打ち勝つ駆動力が必要とされる。ま
た、ロボットアームが回転運動および伸縮運動を行うに
は、高い精度で構成された同軸構造および多軸構造の回
転軸が必要である。よって、この回転軸は、大重量で複
雑なものにならざるを得ない。
【0006】さらに、磁性流体を用いた真空封止軸で
は、アームチャンバが大気から真空に排気される際に、
磁性流体内の気泡が膨張破裂して、磁性流体が微粒子に
なって飛散し、真空室内が汚染されるおそれがある。こ
のことは、パーティクル発生に起因する集積回路の生産
歩留りの低下を招くだけでは済まされない。この磁性流
体は鉄成分を多量に含むため、集積回路の重金属汚染も
引き起こしてしまう。
【0007】これに代わる方式として、文献6「特開平
3−136779」には、隔壁を介して設置された磁気
カプラを用いるアーム軸の例が開示されている。この方
式により、上述した磁性流体タイプの課題は解決される
が、磁気カプラのカップリングを強くするために強力な
磁石が必要となるため、大きく重いロボットになってし
まう。このようなアーム軸を加減速動作させると、アー
ムが振動を伴って運動する。この振動は、プロセス処理
時の発塵、設置位置のずれおよびスループットの低下な
どを誘起する要因の一つになる。文献6によれば、隔壁
に誘導電流を発生させることによって振動を防止する構
成が開示されている。しかし、このようにアームの振動
を抑止する構造ではなく、最初からアームが振動しない
構造にする方が有効であろう。
【0008】また、磁気カップリングを強力にする工夫
が、文献7「特開平7−245333」に開示されてい
る。文献7によれば、磁気カプラを構成する永久磁石の
間をできるだけ近接させて磁気結合力を強くすることが
提案されている。しかし、この構成では、アームリンク
に必要な位置精度をもたせるために、アーム軸に過大な
応力を集中させてしまう。また、近い将来、生産コスト
の低減策として大口径ウエハが導入されることになるの
で、さらにアームの搬送距離が大きくなる。そのため、
アーム軸にはより高い剛性が必要となる。
【0009】この他に、磁気カプラを利用するアーム軸
の構成が、文献8「特開昭61−69365」、文献9
「特開昭60−116960」および文献10「特表平
8−506771」にも開示されている。しかし、これ
ら文献に開示されている構成も上記課題を解決できてい
ない。
【0010】一方、生産単価削減のためには、ロボット
アームを高速駆動して、ウエハの搬送時間の短縮を図る
ことが重要である。しかし、高速駆動すればするほど、
以下に述べる理由からパーティクルの発生が急激に増大
する。
【0011】その主なる原因は、ウエハ載せ皿の姿勢制
御機構にある。従来、ロボットアームのウエハ載せ皿の
搬送方向をアームの伸縮方向と同一に維持するため、ア
ームリンクの先端に歯車あるいはベルトを用いた姿勢制
御機構が設けられる。この姿勢制御機構を設けると、ア
ームの軸数を4軸から5軸にせざるを得ない。つまり、
アームの軸数が増加せざるを得ず、振動が誘起されやす
くなる。
【0012】また、ベルトや歯車は、摩擦無しで力を伝
達させることができない。真空あるいは減圧の環境下で
はパーティクルが発生しやすく、これらが作動するたび
に多量のパーティクルが発生してしまう。従来、この発
塵を防止するために種々の対策がなされてきたが、結果
的にアームが複雑な構造となってしまい、その剛性を低
下させてしまっている。
【0013】さらに、近年、半導体集積素子の生産性改
善の一環として、単位時間当たりのプロセス処理枚数
(スループット)の増加を図るために、独立に動く2つ
のアームリンクを互いに近接させて用いることが求めら
れている。しかし、このように2台のロボットを近接さ
せて用いると、お互いのアームから発生するパーティク
ルがウエハに付着するという問題が発生する。
【0014】最近では、半導体集積回路の集積化が進ん
だ結果、回路パタンの最小線幅が0.15ミクロンにな
ろうとしている。このため、集積回路の製造処理工程で
発生するパーティクルの粒径および発生個数を、最小線
幅の約5分の1以下でクラス20以下にすることが求め
られている。このような微細化に伴い、プロセス処理工
程全般にわたり、広い意味での非常に高度なクリーン環
境が求められる。このことは、減圧プロセス処理装置に
ついて言えば、前述の低発塵化の達成だけでなく、高い
真空密度と低いアウトガス環境とが達成されねばならな
いことを意味している。
【0015】また、前述したように、製造工程のコスト
低減の一環として、ウエハの大口径化が求められてい
る。このため、ロードロック室、アームチャンバおよび
各プロセスチャンバが大きくなり、ロボットアームの搬
送範囲も大きくなる。一方、一枚のウエハからの半導体
素子の取得有効素子数を増加させるため、ウエハ設置位
置の誤差精度を上げることも同時に求められる。従っ
て、ロボットのアーム軸には非常に高い剛性が確保され
なければならない。
【0016】以上説明したように、半導体集積回路の生
産工程では、パーティクルが集積回路の生産歩留りを大
きく左右する。このため、パーティクルの低減が重要な
課題である。一方、高スループットのロボットアームの
実現も、量産工場の経済性の改善という側面から同じく
らい重要な課題である。
【0017】そこで、この発明の目的は、パーティクル
の発生が少なく、アウトガスが少なく、気密度が高く、
位置精度が高く、しかもメンテナンスが容易な単純構造
であって、高スループットが実現できる複数軸動力伝達
装置およびウエハ搬送用アームリンクを提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明の複数軸動力伝達装置は、下記のような独
特の構成を具えている。すなわち、この発明の複数軸動
力伝達装置は、大気側雰囲気と異なる雰囲気の空間を画
成するための隔壁と、大気側雰囲気内に設置された複数
個の内側磁気リングと、隔壁により画成される空間内に
設置され、内側磁気リングに隔壁を介して磁気的に結合
する複数個の外側磁気リングとを具えている。この発明
では、内側磁気リングは、リング状の第1ヨーク部材の
外側周縁に複数個の磁石を相隣り合う磁極面が相互に異
なるように配列させたものである。また、この発明で
は、外側磁気リングは、リング状の第2ヨーク部材の内
側周縁に、内側磁気リングの磁石の個数と異なる個数の
磁石を相隣り合う磁極面が相互に異なるように配列させ
たものである。さらに、この発明では、外側磁気リング
は、隔壁に関して回転自在となるように、当該隔壁に軸
受けを介して支持されている。さらに、この発明では、
内側磁気リングを構成する各磁石が、その配列順に、外
側磁気リングに接近する向き、あるいは外側磁気リング
から離間する向きに変位して、外側磁気リングに回転力
を与える構成としてある。
【0019】このように、内側磁気リングを構成する磁
石と、外側磁気リングを構成する磁石との距離が、リン
グ周に沿って順次に変化する。磁石間距離が短くなる部
分では磁気結合力が増し、磁石間距離が長くなる部分で
は磁気結合力が減少する。このようにして内側磁気リン
グにより形成される磁場は、時間的および位置的に変化
する。その磁場の変化は、外側磁気リングに対して回転
力を与える。このような構成によれば、コンパクトで高
剛性の構造が得られ、しかも、バックラッシュが起こら
ない。
【0020】この発明の実施に当たり、好ましくは、第
2ヨーク部材は、外側磁気リングを構成する磁石が複数
の群に配分されるように分解可能であると良い。
【0021】例えば、第2ヨーク部材は、外側磁気リン
グを構成する磁石が3つの群に配分されるように分解可
能にしてある。すなわち、第2ヨーク部材は、第1ヨー
クピース、第2ヨークピースおよび第3ヨークピースの
3つの部品を組み合わせて構成されている。このように
構成すると、外側磁気リングは、上述の隔壁面に磁石の
磁極面を極めて近接させた状態で組み込まれる。そし
て、各磁石の磁極面の配置により構成されるリングの径
が、外側磁気リングを回転自在に隔壁に組み込むために
設けられるベアリングの内径よりも小さなリング径を形
成するように組み立てられる。つまり、各磁石の磁極面
がベアリングの内側すなわち回転軸側に位置するように
組み立てられる。この結果、外側磁気リングを構成する
磁石の磁極面と内側磁気リングを構成する磁石の磁極面
との間の距離が数mm以下になる。従って、従来に比べ
て、漏れ磁力が少なくなり、内側磁気リングおよび外側
磁気リング間の磁気結合力が強くなる。
【0022】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、外側磁気リングの回転軸に関して回転自在であっ
て、この回転軸に直交する方向の断面が楕円形状となっ
ている回転部材を具えており、第1ヨーク部材は可撓性
を有していて、その一部が隔壁に対して固定されてお
り、この第1ヨーク部材が回転部材の側面に沿って摺動
自在に設けられていると良い。
【0023】このように構成してあるので、内側磁気リ
ングの磁石は、回転部材の側面に沿って楕円状に配列す
る。また、回転部材は、内側磁気リングに対して摺動自
在である。よって、回転部材が回転しても内側磁気リン
グは回転しない。回転部材が回転すると、内側磁気リン
グの磁石は、回転軸に対して直交する平面内で、回転軸
に接近する向き、あるいは、回転軸から離れる向きに位
置を変える。このため、内側磁気リングと外側磁気リン
グとの間の距離が位置的および時間的に変化して、外側
磁気リングの回転力が生じる。
【0024】この発明の好適実施例によれば、内側磁気
リングを構成する磁石の個数が、外側磁気リングを構成
する磁石の個数よりも少ない。
【0025】このように構成してあるので、回転部材の
回転数に比べて外側磁気リングの回転数が小さくなる。
よって、減速機能が実現される。
【0026】また、この発明の他の複数軸動力伝達装置
は、複数個の内側磁気リングと、この内側磁気リングに
磁気的に結合する複数個の外側磁気リングとを具えてい
る。この発明では、内側磁気リングは、リング状の第1
ヨーク部材の外側周縁に複数個の磁石を相隣り合う磁極
面が相互に異なるように配列させたものである。また、
この発明では、外側磁気リングは、リング状の第2ヨー
ク部材の内側周縁に、内側磁気リングの磁石の個数と異
なる個数の磁石を相隣り合う磁極面が相互に異なるよう
に配列させたものであって、回転自在となるように支持
されている。さらに、この発明では、内側磁気リングを
構成する各磁石が、その配列順に、外側磁気リングに接
近する向き、あるいは外側磁気リングから離間する向き
に変位して、外側磁気リングに回転力を与える構成とし
てある。
【0027】この発明の実施に当たり、好ましくは、第
2ヨーク部材は、外側磁気リングを構成する磁石が複数
の群に配分されるように分解可能であると良い。
【0028】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、外側磁気リングの回転軸に関して回転自在であっ
て、この回転軸に直交する方向の断面が楕円形状となっ
ている回転部材を具えており、第1ヨーク部材は可撓性
を有していて、この第1ヨーク部材が回転部材の側面に
沿って摺動自在に設けられていると良い。
【0029】この発明の好適実施例によれば、内側磁気
リングを構成する磁石の個数が、外側磁気リングを構成
する磁石の個数よりも少ない。
【0030】また、この発明のウエハ搬送用アームリン
クは、皿関節軸、第1先端腕、第2先端腕、ウエハ載せ
皿、第3関節軸、第4関節軸、第1方向付け腕、第2方
向付け腕、方向付けアーム軸、ガイド磁石および方向付
け磁石を具えている。この発明では、第1および第2先
端腕は、皿関節軸の周りに互いに平行に回転可能であ
る。また、この発明では、ウエハ載せ皿は皿関節軸上に
設けられている。また、この発明では、第3関節軸は第
1先端腕に設けられており、第4関節軸は第2先端腕に
設けられている。また、この発明では、第1方向付け腕
は第1先端腕に第3関節軸を介して結合されており、第
2方向付け腕は第2先端腕に第4関節軸を介して結合さ
れている。さらに、この発明では、方向付けアーム軸
は、第1方向付け腕と第2方向付け腕とを互いに平行な
状態で回転自在に結合する。さらに、この発明では、ガ
イド磁石は、ウエハ載せ皿に一端が固定され、方向付け
アーム軸上に直線的に他端が延在した棒状のものであ
る。さらに、この発明では、方向付け磁石は、方向付け
アーム軸の位置に設けられ、ガイド磁石を非接触的に支
持する。
【0031】この構成によれば、第1および第2先端腕
が回転運動を行うと、それに伴って第1および第2方向
付け腕が動き、方向付けアーム軸の位置が移動する。こ
のとき、ウエハ載せ皿の向きは、ガイド磁石の延在方
向、すなわち、方向付けアーム軸と皿関節軸とを結ぶ直
線の延在方向に対して不変となる。従って、このリンク
機構にあっては、リンクの伸縮動作の過程で、ウエハ載
せ皿の向きが所望の向きに制御される。
【0032】また、このように構成してあるので、ウエ
ハ載せ皿の方向制御のためにアームリンクの軸を増加す
る必要がない。従って、アームリンクの剛性を従来より
高めることができる。また、ウエハ載せ皿の方向制御
は、磁気を利用した非接触的機構により実現されている
ので低発塵になる。しかも、単純構造であるために組み
立て精度の再現性も良く、取扱いも容易である。
【0033】この発明の実施に当たり、好ましくは、皿
関節軸および第3関節軸間の距離と、皿関節軸および第
4関節軸間の距離とが等しく、第1方向付け腕の長さと
第2方向付け腕の長さとが等しいと良い。
【0034】このように構成してあるので、ガイド磁石
の延在方向は、第1先端腕と第2先端腕との間の開き角
を二等分する直線の延在方向に一致する。よって、ウエ
ハ載せ皿の向きは、常に上述の直線の延在方向に一致す
る向きに制御される。
【0035】この発明の好適実施例によれば、方向付け
アーム軸と第3および第4関節軸との間の第1軸間距離
は、皿関節軸と第3および第4関節軸との間の第2軸間
距離よりも比較的大きいが実質的に等しい距離からこの
第2軸間距離の2の平方根倍の距離の範囲にしてある。
【0036】このように構成してあるので、第1先端腕
と第2先端腕とが最も開いたときに距離不足が起こらな
い。
【0037】また、この発明の他のウエハ搬送用アーム
リンクは、皿関節軸、第1先端腕、第2先端腕、ウエハ
載せ皿、第3関節軸、第4関節軸、第1方向付け腕、第
2方向づけ腕、方向付けアーム軸、シャフトおよび軸受
けを具えている。この発明では、第1および第2先端腕
は、皿関節軸の周りに互いに平行に回転可能である。ま
た、この発明では、ウエハ載せ皿は皿関節軸上に設けら
れている。また、この発明では、第3関節軸は第1先端
腕に設けられており、第4関節軸は第2先端腕に設けら
れている。また、この発明では、第1方向付け腕は第1
先端腕に第3関節軸を介して結合されており、第2方向
付け腕は第2先端腕に第4関節軸を介して結合されてい
る。さらに、この発明では、方向付けアーム軸は、第1
方向付け腕と第2方向付け腕とを互いに平行な状態で回
転自在に結合する。さらに、この発明では、シャフト
は、ウエハ載せ皿に一端が固定され、方向付けアーム軸
上に直線的に他端が延在した棒状のものである。さら
に、この発明では、軸受けは、方向付けアーム軸の位置
に設けられ、シャフトをスライド自在となるように支持
する。
【0038】この構成によれば、第1および第2先端腕
が回転運動を行うと、それに伴って第1および第2方向
付け腕が動き、方向付けアーム軸の位置が移動する。こ
のとき、ウエハ載せ皿の向きは、シャフトの延在方向、
すなわち、方向付けアーム軸と皿関節軸とを結ぶ直線の
延在方向に対して不変となる。従って、このリンク機構
にあっては、リンクの伸縮動作の過程で、ウエハ載せ皿
の向きが所望の向きに制御される。
【0039】この発明の実施に当たり、好ましくは、皿
関節軸および第3関節軸間の距離と、皿関節軸および第
4関節軸間の距離とが等しく、第1方向付け腕の長さと
第2方向付け腕の長さとが等しいと良い。
【0040】このように構成してあるので、シャフトの
延在方向は、第1先端腕と第2先端腕との間の開き角を
二等分する直線の延在方向に一致する。よって、ウエハ
載せ皿の向きは、常に上述の直線の延在方向に一致する
向きに制御される。
【0041】この発明の好適実施例によれば、軸受けと
してボールスプライン式のものを用いている。
【0042】また、この発明の他のウエハ搬送用アーム
リンクは、皿関節軸と、この皿関節軸の周りに互いに平
行に回転可能な第1および第2先端腕と、皿関節軸上に
設けられたウエハ載せ皿と、それぞれの軸に関してほぼ
等しい角度ピッチで複数個の磁石がリング状に単列ある
いは複列に配列した状態で保持された第1、第2、第3
および第4磁気リングとを具えている。この発明では、
第1および第2磁気リングの各々は皿関節軸を回転軸と
して回転自在に設けられ、これら第1および第2磁気リ
ングにそれぞれ第1および第2先端腕が結合している。
また、この発明では、第3磁気リングは、第1磁気リン
グと磁気結合して当該第1磁気リングの回転運動に伴い
回転するものである。また、この発明では、第4磁気リ
ングは、第2磁気リングと磁気結合して当該第2磁気リ
ングの回転運動に伴い回転するものである。さらに、こ
の発明では、これら第3および第4磁気リング間に生じ
る磁気結合により第1および第2磁気リングの回転運動
が制御され、第1先端腕と第2先端腕との間の開き角を
二等分する直線に対する、第3および第4磁気リングの
各回転軸の相対位置が一定に保たれるように、かつ、各
回転軸間の距離が等しくなるように構成してある。
【0043】このように、第1先端腕の回転運動に伴っ
て第1磁気リングが回転し、第2先端腕の回転運動に伴
って第2磁気リングが回転する。また、第1磁気リング
と共に第3磁気リングが回転して、第2磁気リングと共
に第4磁気リングが回転する。第3および第4磁気リン
グ間には磁気結合が生じており、各々の回転運動が連動
して行われる。この結果、第1および第2磁気リングの
回転運動が制御され、第1先端腕と第2先端腕との間の
開き角を二等分する直線に対する、第3および第4磁気
リングの各回転軸の相対位置が一定に保たれる。従っ
て、ウエハ載せ皿は、上述の直線に対して常に一定の向
きに制御される。
【0044】このように、ウエハ載せ皿の方向制御は、
非接触的に作用する磁気結合により行われるので、低発
塵である。しかも、単純構造であることから部品点数が
少なくて済み、組み立て精度の再現性が良く、取扱いが
容易である。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンクの
実施の形態につき説明する。尚、各図は、この発明が理
解できる程度に、各構成要素を概略的に示しているに過
ぎない。また、以下に記載される数値等の条件や材料は
単なる一例に過ぎない。
【0046】この実施の形態では、ウエハ搬送用アーム
リンクをマルチチャンバ構造のプロセス処理装置に用い
た構成例について説明する。先ず、図5を参照して、ウ
エハ搬送用アームリンク(以下、アームリンクと略称す
る。)、アーム室、ロードロック室およびプロセス処理
室の位置関係について説明する。図5は、アームリンク
の配置例を示す平面図である。
【0047】[アームリンクの配置]図5に示すよう
に、アームリンク10は、複数軸動力伝達装置としての
アーム軸12の周りに回転可能なアーム14と、アーム
14の先端に設けられた皿関節軸16と、皿関節軸16
上に設けられたウエハ載せ皿18とを具えている。アー
ム14は、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ直線の
延在方向に沿って伸縮が可能である。アームリンク10
はアーム室20内に設けられている。アーム14を回転
自在に支持するアーム軸12は、アーム室20の中央に
固定されている。
【0048】アーム室20は、室内空間の平面形状が8
角形状となるように所定の隔壁によって仕切られてい
る。アーム室20の図中左側に位置する2つの隔壁面に
は、ロードロック室22aおよび22bがそれぞれ結合
されている。また、アーム室20の図中右側に位置する
2つの隔壁面には、プロセス処理室24aおよび24b
がそれぞれ結合されている。ロードロック室22aおよ
び22bとプロセス処理室24aおよび24bとは、そ
れぞれ室内空間の平面形状が4角形状となるように所定
の隔壁によって仕切られている。ロードロック室22a
およびアーム室20の結合部分と、ロードロック室22
bおよびアーム室20の結合部分とには、それぞれ開閉
自在のゲート弁26aおよび26bが設けられている。
同様に、プロセス処理室24aおよびアーム室20の結
合部分と、プロセス処理室24bおよびアーム室20の
結合部分とには、それぞれ開閉自在のゲート弁26cお
よび26dが設けられている。ロードロック室22a、
ロードロック室22b、プロセス処理室24aおよびプ
ロセス処理室24bの内部には、ウエハ28の設置が可
能な円形状のスペースがウエハ設置台30a、30b、
30cおよび30dとして設けられている。
【0049】上述したアーム14は、アーム軸12と皿
関節軸16とを結ぶ直線と、各室のウエハ設置台30a
〜30dの中心とアーム軸12とを結ぶ直線とが、重な
った場合にだけ伸縮できる。一方、アーム14は、この
アーム14が最も縮んだ状態であってウエハ載せ皿18
およびアーム14がアーム室20内に納まっている場合
のときだけ、アーム軸12の周りに回転できる。また、
上述のゲート弁26a〜26dは、通常はアーム14が
ロードロック室22a、22b内またはプロセス処理室
24a、24b内に侵入するときだけ開いて、それ以外
のときは閉じている。
【0050】ウエハの搬送時は、ロードロック室22a
(22b)内にガスが導入され、室内が大気圧になると
アーム室20側ではない側に設けられたゲート弁が開
く。そして、外部からウエハ28が搬入され、ウエハ設
置台30a(30b)上に設置される。続いて、ゲート
弁が閉じてロードロック室22a(22b)内のガスが
排気され減圧される。
【0051】次に、ロードロック室22a(22b)の
アーム室20側に設けられたゲート弁26a(26b)
が開く。すると、アームリンク10のアーム14がゲー
ト弁26a(26b)の側に伸び、ウエハ載せ皿18上
にウエハ28を載せる。このウエハ載せ皿18は、後述
する手段によって、常にアーム14の伸縮方向に保持さ
れている。
【0052】アーム14は、ウエハ28を保持した状態
で縮んだ後、搬入先のプロセス処理室24a(24b)
の方向に回転して向きを変える。その後、プロセス処理
室24a(24b)のゲート弁26c(26d)が開く
とアーム14が伸び、ウエハ28をプロセス処理室24
a(24b)内のウエハ設置台30c(30d)上に置
く。続いて、アーム14が縮み、ゲート弁26c(26
d)が閉じ、ウエハ28のプロセス処理が行われる。処
理終了後のウエハ28は、搬入時と逆の手順でロードロ
ック室22a(22b)側に運ばれ、ゲート弁を通って
外部に取り出される。
【0053】<第1の実施の形態>次に、アームリンク
10の構成につき、各構成成分ごとに順次に説明する。
先ず、第1の実施の形態では、アーム軸12の構成につ
き、図1および図2を参照して説明する。図1は、第1
の実施の形態のアーム軸を構成する磁気カプラの構成を
示す断面図である。また、図2は、第1の実施の形態の
アーム軸の構成を示す断面図である。この実施の形態で
は、図1に示す磁気カプラにより複数軸動力伝達装置と
してのアーム軸12が構成されている。外部から与えら
れる駆動力は、このアーム軸12により、アーム室20
内のアームリンク10に伝達される。
【0054】この実施の形態のアーム軸12は、大気側
雰囲気と異なる雰囲気の空間を画成する隔壁32を具え
ている。隔壁32は、略円筒形状の部材である。この部
材の上端側は板により塞がっている。また、この部材の
下端側は、アーム軸取付台34に、真空封止リング36
を介して固定されている。円筒構造内側の空間が大気圧
領域すなわち高圧側雰囲気となる。一方、円筒構造外側
の空間は、アーム室20に連通しており、プロセス処理
時には真空排気されて真空領域すなわち低圧側雰囲気と
なる。
【0055】また、アーム軸12は、内側磁気リング3
8aおよび38bと、外側磁気リング40aおよび40
bとを具えている。これら内側磁気リング38aおよび
38bは、それぞれ大気側雰囲気内に設置されている。
一方、外側磁気リング40aおよび40bは、それぞれ
隔壁32により画成された空間内(アーム室20内)に
設置されている。内側磁気リング38aは、リング状の
第1ヨーク部材42aの外側周縁に複数個の磁石44a
を配列させたものである。また、内側磁気リング38b
は、リング状の第1ヨーク部材42bの外側周縁に複数
個の磁石44bを配列させたものである。さらに、外側
磁気リング40aは、リング状の第2ヨーク部材46a
の内側周縁に複数個の磁石48aを配列させたものであ
る。さらに、外側磁気リング40bは、リング状の第2
ヨーク部材46bの内側周縁に複数個の磁石48bを配
列させたものである。
【0056】上述の第1ヨーク部材42aおよび42b
と、第2ヨーク部材46aおよび46bとは、鉄やニッ
ケルなどの磁性体材料で形成されている。また、各磁石
44a、44b、48aおよび48bは、ほぼ直方体形
状の永久磁石である。
【0057】そして、内側磁気リング38aを構成する
磁石44aと、外側磁気リング40aを構成する磁石4
8aとは、隔壁32を介して互いに対向した状態に設置
されている。また、内側磁気リング38bを構成する磁
石44bと、外側磁気リング40bを構成する磁石48
bとは、隔壁32を介して互いに対向した状態に設置さ
れている。よって、外側磁気リング40aおよび40b
は、隔壁32を介して内側磁気リング38aおよび38
bにそれぞれ対向されている。外側磁気リング40aと
内側磁気リング38aとは磁気的に結合し、同様に、外
側磁気リング40bと内側磁気リング38bとは磁気的
に結合する。
【0058】このように、内側磁気リング38aと外側
磁気リング40aとが隔壁32を介して磁気結合する、
磁気カプラを構成している。また、内側磁気リング38
bと外側磁気リング40bとが隔壁32を介して磁気結
合する、磁気カプラを構成している。これら磁気カプラ
は、図2中の上下方向にわたり、隔壁32に沿って、配
置されている。
【0059】また、外側磁気リング40aは、隔壁32
に関して回転自在となるように、当該隔壁32に軸受け
(ベアリング)50aを介して支持されている。具体的
には、第2ヨーク部材46aおよび磁石48aは外側回
転軸52aの内面に設けられており、この外側回転軸5
2aが軸受け50aを介して隔壁32に支持されてい
る。この外側回転軸52aには、アーム14を構成する
第1腕84が結合されている。
【0060】同様に、外側磁気リング40bは、隔壁3
2に関して回転自在となるように、当該隔壁32に軸受
け50bを介して支持されている。具体的には、第2ヨ
ーク部材46bおよび磁石48bは外側回転軸52bの
内面に設けられており、この外側回転軸52bが軸受け
50bを介して隔壁32に支持されている。この外側回
転軸52bには、アーム14を構成する第2腕86が結
合されている。
【0061】このように、アーム軸12を構成する外側
磁気リング40aおよび40bは、高精度に加工された
隔壁32に組み込まれる。各外側磁気リング40aおよ
び40bは、同一の回転軸54に関して回転自在であ
る。従って、これら外側磁気リング40aおよび40b
は、同一の回転軸54の周りに互いに平行な状態で回転
可能となるように支持される。尚、回転軸54は、隔壁
32の中心軸に一致している。
【0062】そして、各外側磁気リング40aおよび4
0bに対しては、上述の磁気カプラの機構により、それ
ぞれ内側磁気リング38aおよび38bを介して回転力
が供給される。このように、アーム軸12は、2重同軸
構造の回転軸である。
【0063】そして、この例のアーム軸12では、内側
磁気リング38aを構成する各磁石44aが、その配列
順に、外側磁気リング40aに接近する向き、あるいは
外側磁気リング40aから離間する向きに変位して、外
側磁気リング40aに回転力を与える構成としてある。
同様に、内側磁気リング38bを構成する各磁石44b
が、その配列順に、外側磁気リング40bに接近する向
き、あるいは外側磁気リング40bから離間する向きに
変位して、外側磁気リング40bに回転力を与える構成
としてある。
【0064】この構成を実現するに当たり、アーム軸1
2には、回転部材56aが設けられている。回転部材5
6aは、外側磁気リング40aの回転軸54に関して回
転自在であって、この回転軸54に直交する方向の断面
が楕円形状となっている部品である。また、この構成例
では、上述の第1ヨーク部材42aが可撓性を有してい
て、その一部が隔壁32に対して固定されている。第1
ヨーク部材42aの下端は、固定台58を介して隔壁3
2に固定されている。そして、第1ヨーク部材42aが
回転部材56aの側面に沿って摺動自在に設けられてい
る。第1ヨーク部材42aの下端は固定されているか
ら、回転部材56aが回転しても第1ヨーク部材42a
は回転しない。従って、回転部材56aが回転すると第
1ヨーク部材42aは変形する。そのため、第1ヨーク
部材42aに設けられた磁石44aが変位する。
【0065】同様に、アーム軸12には、もう一つの回
転部材56bが設けられている。回転部材56bは、外
側磁気リング40bの回転軸54に関して回転自在であ
り、この回転軸54に直交する方向の断面が楕円形状と
なっている。また、第1ヨーク部材42bは可撓性を有
していて、その一部が隔壁32に対して固定されてい
る。第1ヨーク部材42bの下端は、固定台60を介し
て隔壁32に固定されている。そして、第1ヨーク部材
42bが回転部材56bの側面に沿って摺動自在に設け
られている。第1ヨーク部材42bの下端は固定されて
いるから、回転部材56bが回転しても第1ヨーク部材
42bは回転しない。従って、回転部材56bが回転す
ると、第1ヨーク部材42bが変形して、第1ヨーク部
材42b上の磁石44bが変位する。
【0066】次に、図1を参照して、この実施の形態の
磁気カプラの構成につきさらに詳細に説明する。図1に
は、リング面に対して平行な方向すなわち回転軸54に
対して垂直な方向の断面が示されている。尚、図1に
は、内側磁気リング38aおよび外側磁気リング40a
により構成される磁気カプラを示したが、他方の内側磁
気リング38bおよび他方の外側磁気リング40bによ
り構成される磁気カプラも実質的に同じ構成である。
【0067】図1に示すように、回転部材56aは、断
面が楕円形状の部材である。この回転部材56aは、い
わゆるカムとして機能するものである。この回転部材5
6aの側面には、その外周に沿ってボールベアリング6
2が嵌め込まれている。このベアリング62の内輪は回
転部材56aに固定されているが、その外輪はボールを
介して弾性変形する。この回転部材56aは、外側磁気
リング40aとほぼ同一の回転軸54に関して回転可能
に設けられている。図2に示すように、この回転部材5
6aと他方の回転部材56bとは、互いに独立に駆動が
可能な中空モータ64によって回転駆動される。但し、
ここに用いるモータは、回転部材56aおよび56bの
回転を独立に制御できる機構であれば中空型である必要
はない。
【0068】また、第1ヨーク部材42aには、金属弾
性体で形成された部品が使用されている。この部品は回
転部材56aの側面に沿って、ベアリング62を介して
接触している。従って、第1ヨーク部材42a上の各磁
石44aは楕円形状に沿って配置される。この第1ヨー
ク部材42aの下端は固定台58に固定されているた
め、回転部材56aが回転しても第1ヨーク部材42a
は回転しない。回転部材56aが回転すると、その外周
のベアリング62が第1ヨーク部材42aの内面に接し
て転がり、第1ヨーク部材42aは回転部材56aの形
状に合わせて変形する。このため、第1ヨーク部材42
aに取り付けられた磁石44aは、回転軸54に関して
回転せずに、外側磁気リング40aの側に接近する向
き、あるいは外側磁気リング40aから離れる向きに移
動する。
【0069】尚、第1ヨーク部材42aが変形すると、
磁石44aの向きが僅かに変わる。この方向変化を吸収
するため、磁石44aは、弾性変形するゴム材66に一
部モールドされた状態で、第1ヨーク部材42aに取り
付けられている。このゴム材66は、産業用の動力伝達
ベルトに用いられているものであって、通常のモータの
駆動力伝達用タイミングベルトとほぼ同じ構造と材質か
らなる円筒型の強靭なベルトである。このゴム材66
は、20〜30Kgの引っ張り力に対しても0.1%以
上伸びることはない。磁石44aは、このゴム材66に
埋め込まれるため、方向変化が生じない。ゴム材66の
厚さは0.2mm程度である。
【0070】さらに、図2に示すように、ゴム材66と
第1ヨーク部材42aとの接続部分には、円筒の板ばね
材68が埋め込まれている。この板ばね材68には、磁
石44aの幅に一致した短冊状のスリットが入ってい
る。磁石44aは、このスリットに嵌め込まれた状態に
なされる。この板ばね材68の下端は、固定台58に固
定されている。従って、実際には、第1ヨーク部材42
aは、この板ばね材68を介して、固定台58に固定さ
れている。この板ばね材68には、例えばSUP−7等
のばね材を用いると良い。この板ばね材は径方向に変形
が容易であり、円周方向には高い剛性を有している。従
って、第1ヨーク部材42a上の磁石44aは、回転を
起こさずに、磁気リングの径方向にスムーズに移動する
ことになる。
【0071】同様に、他方の第1ヨーク部材42bに
も、板ばね材70が結合されており、この板ばね材70
の下端が固定台60に固定されている。
【0072】また、各磁石44aは、相隣合う磁極が互
いに逆となるように配置されている。つまり、回転部材
56aの側面に沿って、磁極が交互に逆向きとなるよう
に配置されている。尚、外側磁気リング40aを構成す
る磁石48aも、相隣合う磁極が互いに逆となるように
配置されている。
【0073】さらに、この構成例のアーム軸12では、
内側磁気リング38aを構成する磁石44aの個数が、
外側磁気リング40aを構成する磁石48aの個数より
も少ない。同様に、内側磁気リング38bを構成する磁
石44bの個数が、外側磁気リング40bを構成する磁
石48bの個数よりも少ない。図1に示す例では、内側
磁気リング38aの磁石44aの個数を10個とし、外
側磁気リング40aの磁石48aの個数を12個として
いる。
【0074】尚、ベアリング62の代わりにローラを用
いても良い。また、ニードルローラベアリングを用いる
のも好適である。さらに、これらの代わりに歯車を用い
て、ゴム材66の内面に、この歯車の歯数の整数倍の歯
数の歯形が付いたタイミングベルトを設けることも良
い。
【0075】また、回転部材56aを構成する部品は、
磁力の効率的利用という観点から、磁性体を用いるのも
一つの方法である。しかし、回転むらを無くすという観
点からは、非磁性体で構成するのが望ましい。
【0076】さらに、回転部材56aの楕円形状、すな
わち、楕円の長軸と短軸との長さの差は次のように設計
するのが良い。すなわち、外側磁気リング40aを構成
する磁石48aから、第1ヨーク部材42aの短軸近傍
に位置する磁石44aに働く磁力が、長軸近傍に位置す
る磁石44aに働く力の約70%以下になるように、こ
の値を決める。実用的には、この軸長の差を1mm以下
に保つことになる。
【0077】また、上述したヨークおよび磁石がアウト
ガスあるいはプロセスガス耐腐食防止策が必要な磁性体
材料(例えば、鉄、フェライト、サマリュウムコバルト
およびボロン−ネオジュウム磁石など)である場合に
は、無電解ニッケルメッキなどの薄い防食膜で全面カバ
ーすれば良い。また、窒化ケイ素のようなセラミックス
を用いることで耐腐食性を高めることができ、しかもア
ウトガス量を低減させることができる。この材料の使用
は、アームリンクの剛性を高める点からも好ましい。
【0078】また、アーム軸12に用いられるベアリン
グ50aおよび50bは、産業用ロボットアームにおい
て多用されるクロスローラベアリングである。このベア
リングは、一個のベアリングでラジアル荷重、アキシャ
ル荷重およびモーメント荷重などのあらゆる方向の荷重
を受けることができる。従って、アーム軸12の構成が
単純化される。
【0079】次に、アーム軸12の動作につき、図3お
よび図4を参照して説明する。図3および図4は、第1
の実施の形態のアーム軸12の動作説明に供する断面図
である。図3および図4には、一方の磁気カプラの構成
が示されている。
【0080】図3(A)は、回転部材56aの長軸が図
中の上下方向に一致している状態を示している。この状
態では、回転部材56aの長軸延長上に位置する磁石4
4a1が外側磁気リング40aに対して最も接近してい
る。この磁石44a1は、外側磁気リング40aの磁石
48a1に対向する位置にある。回転部材56aは、こ
の状態から、図中の反時計回りに回転し始める。
【0081】図3(B)は、回転部材56aが反時計回
りに45°の角度だけ回転した状態を示している。この
とき、上述の磁石44a1は外側磁気リング40aから
離間する向きに移動する。同時に、その隣の磁石(図3
(B)中で、磁石44a1の左側に位置する磁石)44
a2は、外側磁気リング40aに対して接近する向きに
移動する。すると、外側磁気リング40aは、内側磁気
リング38aから生じる磁場の変化を感じて、時計回り
に回転する。
【0082】ここで、回転部材56aの回転角をθと
し、内側磁気リング38aの磁石44aの個数をn1と
し、外側磁気リング40aの磁石48aの個数をn2と
する。すると、外側磁気リング40aの回転角ωは下記
の式(1)により表される。
【0083】 ω=θ×(n2−n1)÷n2 ・・・(1) この例では、n1=10であり、n2=12である。従
って、回転部材56aが45°だけ回転すると、外側磁
気リング40aは7.5°だけ回転する(図3
(C))。
【0084】また、図3(D)は、回転部材56aが反
時計回りに90°の角度だけ回転した状態を示してい
る。このとき、外側磁気リング40aは、時計回りに1
5°の角度だけ回転する(図4(A))。
【0085】さらに、図4(B)は、回転部材56aが
反時計回りに135°の角度だけ回転した状態を示して
いる。このとき、外側磁気リング40aは、時計回りに
22.5°の角度だけ回転する(図4(C))。
【0086】このようにして、回転部材56aが反時計
回りに180°だけ回転すると、外側磁気リング40a
は時計回りに30°だけ回転する。従って、回転部材5
6aが6回転すると、外側磁気リング40aは1回転す
る。このように、このアーム軸12は、減速機の機能も
有している。この例の場合には、回転部材56aが36
0°回転すると、外側磁気リング40aは、始めの位置
より2個分の磁石48aだけずれた位置に来る。
【0087】当然のことながら、回転部材56aが時計
回りに回転すれば、外側磁気リング40aの動きは逆に
なり、反時計回りに回転することになる。
【0088】尚、この例では、動作を理解しやすくする
ために磁石42aの個数を少なくしたが、内側磁気リン
グ38aの運動をスムーズに行わせるには、磁石42a
の個数を20〜30個程度にするのが良い。
【0089】また、この例では、各磁石として形状がほ
ぼ同一な直方体形状のものを用いている。具体的なサイ
ズは、厚さが5mm、幅が9mm、高さが30mmであ
る。また、磁石としては、例えばネオジュウム磁石やサ
マリュウム−コバルト磁石を用いるのが好適である。
【0090】さらに、この例では、回転部材56aの長
軸延長上に位置する磁石44aの表面と、この磁石44
aに対向する外側磁気リング40aの磁石48aの表面
との距離を約2mmにしてある。また、回転部材56a
の短軸延長上に位置する磁石44aの表面と、この磁石
44aに対向する外側磁気リング40aの磁石48aの
表面との距離を約3mmにしてある。このように構成す
ると、約5Kg−cmのトルクを伝達できる剛性が得ら
れる。
【0091】以上説明した構成のアーム軸12によれ
ば、コンパクトかつシンプルであり、高剛性の軸が実現
される。また、このアーム軸12は、比較的長寿命であ
るという利点も具えている。しかも、バックラッシュが
発生しないために、優れた位置決め精度を有している。
このような構成のアーム軸12は、半導体製造装置に適
用されるだけでなく、他の産業分野における動力伝達機
構としても用いて好適である。
【0092】<第2の実施の形態>次に、第2の実施の
形態のアーム軸につき説明する。図6は、第2の実施の
形態のアーム軸を構成する磁気カプラの構成を示す断面
図である。
【0093】第1の実施の形態で説明したように、アー
ム軸12は、大気側に設けられた内側磁気リング38a
(38b)と、減圧側に設けられた外側磁気リング40
a(40b)との間の磁気結合を利用して、外側磁気リ
ング40a(40b)に回転力を与えるものである。従
って、外側磁気リングと内側磁気リングとの間は、それ
ぞれ隔壁32を介した状態でできるだけ近接させるよう
に構成するのが良い。このように構成すると、内側磁気
リングと外側磁気リングとの間の磁気カップリングがよ
り強められる。また、磁気カップリングを強めるには、
磁石44aと第1ヨーク部材42aとの間、磁石44b
と第1ヨーク部材42bとの間、磁石48aと第2ヨー
ク部材46aとの間、および磁石48bと第2ヨーク部
材46bとの間を、それぞれできる限り隙間をつくらな
いように密着させることが必要である。さらに、各磁石
は、それぞれ隣接した磁石同士が互いに密着するように
各ヨークに取り付けられる。その結果、磁石とヨークと
の間、および隣接する磁石間の磁気回路抵抗が小さくな
る。この磁気回路抵抗を小さくするほど、ある磁石から
同じヨーク上にある両隣の磁石への漏れ磁力が小さくな
り、回転力の伝達に必要な対向磁石間の磁気結合力が強
くなる。
【0094】このため、この実施の形態では、第2ヨー
ク部材46aおよび46bは、各外側磁気リング40a
および40bを構成する磁石が複数の群に配分されるよ
うに分解可能になっている。図6には、リング面に対し
て平行な方向、すなわち、回転軸54に対して垂直な方
向の断面が示されている。尚、図6には、一方の磁気カ
プラだけが示されているが、他方の磁気カプラも同じ構
成である。
【0095】図6に示すように、外側磁気リング40a
は、リング状の第2ヨーク部材46aと、この第2ヨー
ク部材46aの内側周縁に沿って取り付けられた複数個
の磁石48aとを具えている。そして、第2ヨーク部材
46aは、外側磁気リング40aを構成する磁石が3つ
の群に配分されるように分解可能である。すなわち、第
2ヨーク部材46aは、第1ヨークピース46a1、第
2ヨークピース46a2および第3ヨークピース46a
3の3つの部品を組み合わせて構成されている。各ヨー
クピース46a1、46a2および46a3間の境界部
分は、位置決めピン(平行ピン)72により結合され、
組み立て再現精度が確保されている。
【0096】上述の各ヨークピース46a1〜46a3
は、それぞれ互いに合同な板体である。図6に示すよう
に、第2ヨーク部材46aのリング中心と回転軸54と
をそろえて配置したとき、各ヨークピース46a1〜4
6a3間の境界位置と回転軸54とを結ぶ直線が120
°置きの角度をなすようにしてある。よって、各ヨーク
ピース46a1〜46a3には、それぞれ等数の磁石4
8aが取り付けられた状態になる。この構成例では、外
側磁気リング40aを構成する磁石48aの総数を12
にしてあるので、各ヨークピース46a1〜46a3に
は4個ずつの磁石48aが取り付けられる。このよう
に、磁石48aの総数を、磁石の磁極数(2磁極)とヨ
ークの分割数との公倍数にしてあるので、矛盾なく、各
ヨークピースに磁石が均等配分される。
【0097】この構成によれば、外側磁気リング40a
は、隔壁32の外壁面に各磁石48aの磁極面を極めて
近接させた状態で組み込まれる。図2に示すように、各
磁石48aの磁極面は、外側磁気リング40aを回転自
在に隔壁32に組み込むための軸受け50aの内径よ
り、小さなリング径を形成するようになる。つまり、各
磁石48aの磁極面が、軸受け50aの内側より、すな
わち回転軸54側に位置するように組み立てられる。こ
の例では、外側磁気リング40aの磁石48aの磁極面
と、内側磁気リング38aの磁石44aの磁極面との間
の距離が非常に小さくなる。この結果、漏れ磁力が少な
くなり、内側磁気リング38aおよび外側磁気リング4
0a間の磁気結合力が強くなる。
【0098】尚、この構成例では、外側磁気リング40
aの分割数を3にしたが、4つ以上に分割しても良い。
但し、これを2分割にした場合は、ヨーク上の磁石の取
り付け面を隙間なく配列させる精度良い加工が困難であ
る。従って、3分割にする方が実用的である。
【0099】<第3の実施の形態>次に、第3の実施の
形態では、アーム14の主要構成につき説明する。図7
は、第3の実施の形態のウエハ搬送用アームリンクの主
要部を示す平面図である。図7では、各腕を実線で示
し、各軸を白抜きの丸記号で示してある。
【0100】この実施の形態のアームリンクは、皿関節
軸16、第1先端腕88、第2先端腕90、ウエハ載せ
皿18、第3関節軸110、第4関節軸112、第1方
向付け腕100、第2方向付け腕102、方向付けアー
ム軸104、ガイド磁石106および方向付け磁石10
8を具えている。
【0101】上述の第1および第2先端腕88および9
0は、皿関節軸16の周りに互いに平行に回転可能であ
る。これら第1および第2先端腕88および90の一端
は、皿関節軸16により回転自在に結合されている。こ
れら第1および第2先端腕88および90の他端は、そ
れぞれ独立の駆動源に結合されているので、図12の紙
面に対して平行に、互いに独立に回転運動させることが
できる。
【0102】上述のウエハ載せ皿18は、ウエハを載せ
て搬送するためのものであり、皿関節軸16上に設けら
れている。
【0103】また、第3関節軸110は第1先端腕88
に設けられており、第4関節軸112は第2先端腕90
に設けられている。第1方向付け腕100は第1先端腕
88に第3関節軸110を介して結合されていて、第2
方向付け腕102は第2先端腕90に第4関節軸112
を介して結合されている。これら第1および第2方向付
け腕100および102は、互いに平行な状態で回転自
在となるように、方向付けアーム軸104により結合さ
れている。
【0104】また、ガイド磁石106は、その一端がウ
エハ載せ皿18に固定され、その他端が方向付けアーム
軸104上に直線的に延在する棒状の磁石である。方向
付けアーム軸104の位置には方向付け磁石108が設
けられており、この方向付け磁石108により、ガイド
磁石106の他端が非接触的に支持される。
【0105】このように構成してあるため、第1先端腕
88および第2先端腕90が駆動されると、それに伴っ
て第1方向付け腕100および第2方向付け腕102が
動き、方向付けアーム軸104の位置が移動する。この
とき、ウエハ載せ皿18の向きは、ガイド磁石106の
延在方向、すなわち、方向付けアーム軸104と皿関節
軸16とを結ぶ直線の延在方向に対して不変となる。従
って、このリンク機構にあっては、リンクの伸縮動作の
過程で、ウエハ載せ皿18の向きを所望の向きに制御す
ることができる。
【0106】例えば、図7に示すアームリンクでは、皿
関節軸16および第3関節軸110間の距離と、皿関節
軸16および第4関節軸112間の距離とが等しい。ま
た、第1方向付け腕100の長さと第2方向付け腕10
2の長さとが等しい。従って、ガイド磁石106の延在
方向は、第1先端腕88と第2先端腕90との間の開き
角δを二等分する直線aの延在方向に一致する。よっ
て、ウエハ載せ皿18の向きは、常に直線aの延在方向
に一致する向きに制御される。
【0107】[アームリンクの構成例]次に、第3の実
施の形態のアームリンクを適用した構成例につき、図8
を参照して説明する。図8は、アームリンクの構成例を
示す平面図である。上述したように、アームリンク10
は、アーム軸12の周りに回転可能なアーム14と、ア
ーム14の先端に設けられた皿関節軸16と、皿関節軸
16上に設けられたウエハ載せ皿18とを具えている。
また、アーム14は、アーム軸12を構成する一方の磁
気カプラに結合された第1腕84と、アーム軸12を構
成する他方の磁気カプラに結合された第2腕86と、皿
関節軸16の周りに互いに平行に回転可能な第1先端腕
88および第2先端腕90とを具えている。さらに、ア
ーム14は、第1関節軸92および第2関節軸94を具
えている。第1関節軸92は、第1腕84の先端と第1
先端腕88の先端とを回転自在に結合するものであり、
第2関節軸94は、第2腕86の先端と第2先端腕90
の先端とを回転自在に結合するものである。これらの軸
92および94が、アーム軸12と同一の方向となるよ
うに構成されている。
【0108】上述の第1腕84および第2腕86は、第
2関節軸94とアーム軸12(回転軸54)との間の軸
間距離と、第1関節軸92とアーム軸12(回転軸5
4)との間の軸間距離とが等しくなるような棒状の板材
で形成されている。その各々の一端は、アーム軸12を
構成する外側回転軸52aおよび52bにそれぞれ固定
されている。従って、第1腕84に磁気カプラの回転運
動が伝達されると、第1腕84は、アーム軸12の回転
軸54に対して垂直な面内で、上述した一端を中心に回
転運動する。同様に、第2腕86に磁気カプラの回転運
動が伝達されると、第2腕86は、アーム軸12の回転
軸54に対して垂直な面内で、上述した一端を中心に回
転運動する。つまり、これら第1腕84および第2腕8
6は互いに平行な状態で回転運動を行うようになってい
る。
【0109】また、第1先端腕88および第2先端腕9
0は、皿関節軸16と第1関節軸92との間の軸間距離
と、皿関節軸16と第2関節軸94との間の軸間距離と
が等しくなるような棒状の板材で形成されている。皿関
節軸16には軸受け(ベアリング)が設けてあり、第1
先端腕88および第2先端腕90はこの皿関節軸16を
中心に互いに平行な面内で回転運動が可能である。これ
らの回転運動を行う面が、第1腕84および第2腕86
の回転運動面と平行になるように、皿関節軸16の軸方
向とアーム軸12の軸方向とを一致させて配置する。
【0110】また、第1腕84および第2腕86のアー
ム軸12と反対側の先端には、上述したように第1関節
軸92および第2関節軸94が設けられている。第1関
節軸92および第2関節軸94は、これらとアーム軸1
2との間の距離が互いに等しくなるような位置に設けら
れている。そして、第1関節軸92にはベアリングを介
して、皿関節軸16とは反対側の第1先端腕88の一端
を結合させてある。同様に、第2関節軸94にベアリン
グを介して、皿関節軸16とは反対側の第2先端腕90
の一端を結合させてある。尚、皿関節軸16と第1関節
軸92および第2関節軸94との間の距離と、アーム軸
12と第1関節軸92および第2関節軸94との間の距
離とは、必ずしも等しくする必要はない。
【0111】このように、アームリンク10を構成する
アーム14のリンク機構は、主として、1個のアーム軸
12と、2個の腕関節軸(第1関節軸92および第2関
節軸94)と、1個の皿関節軸16と、4つのアーム
(第1腕84、第2腕86、第1先端腕88および第2
先端腕90)とで構成されている。よって、ほぼ菱形に
近いリンクが形成され、アーム軸12を基点として直進
伸縮および回転するアームリンクが構成される。しか
も、各腕の動作平面は互いに平行であり、これら動作平
面はアーム軸12に対して正確に直交した状態に組み立
ててある。よって、構造が単純で剛性の高いリンクが構
成され、ウエハの搬送を高速かつ高い位置精度で行うこ
とができる。
【0112】図9は、アームリンクの構成とともにアー
ムの移動軌跡を示す平面図である。図9には、アーム1
4が伸びている状態を実線で示してあり、アーム14が
縮んでいる状態を破線で示してある。尚、各アームは1
本の線分で概略的に示してあり、軸は白抜きの丸記号で
示してある。
【0113】図9に示すように、アーム軸12を構成す
る2つの磁気カプラが互いに等角速度で逆向きに回転す
るとき、アーム14は伸縮する。例えば、図9におい
て、アーム14が伸びている状態のときに、第1腕84
側の磁気カプラを左回転させる。この回転力が第1腕8
4に伝わって、第1腕84は左向きに回転する。同時
に、第2腕86側の磁気カプラを右回転させると、その
回転力が第2腕86に伝わって第2腕86が右向きに回
転する。この場合、第1腕84と第2腕86とが互いに
離間する方向に動くので、第1関節軸92および第2関
節軸94も互いに離間する方向に移動する。それと共
に、第1関節軸92および第2関節軸94は、アーム軸
12の側に引き寄せられる。すると、第1先端腕88お
よび第2先端腕90にもその動きが伝わって動き出し、
皿関節軸16をアーム軸12側に引き寄せる。よって、
アーム14が縮む。
【0114】逆に、アーム14が縮んでいる状態のとき
に、第1腕84側の磁気カプラを右回転させる。この回
転力が第1腕84に伝わって第1腕84は右向きに回転
する。同時に、第2腕86側の磁気カプラを左回転させ
ると、その回転力が第2腕86に伝わって、第2腕86
は左向きに回転する。この場合、第1腕84と第2腕8
6とが互いに近づく方向に動くので、第1関節軸92お
よび第2関節軸94も互いに近づく方向に移動する。そ
れと共に、第1関節軸92および第2関節軸94は、ア
ーム軸12の側から離間してゆく。すると、第1先端腕
88および第2先端腕90にもその動きが伝わって動き
出し、皿関節軸16をアーム軸12側から遠のける。よ
って、アーム14が伸びる。
【0115】尚、アーム14の向きを変えるときには、
両方の磁気カプラを同じ向きに等角速度で回転させる。
例えば、アーム14を右向きに回転させたい場合には、
各磁気カプラを右回転させる。逆に、アーム14を左向
きに回転させたい場合には、各磁気カプラを左回転させ
る。
【0116】[方向維持手段の構成]次に、ウエハ載せ
皿18の方向維持機構につき説明する。この方向維持機
構は、図7を参照して説明した構成により実現されてい
る。図8および図9に示すように、皿関節軸16にはア
ーム軸12と同一軸方向に回転自在な状態で皿止め板9
6が取り付けられている。ウエハ載せ皿18は、この皿
止め板96に固定されている。そして、この構成例のア
ームリンク10は、ウエハ載せ皿18の方向維持手段9
8aを具えている。この方向維持手段98aは、第3関
節軸110、第4関節軸112、第1方向付け腕10
0、第2方向付け腕102、方向付けアーム軸104、
ガイド磁石(ガイドマグネット)106および方向付け
磁石(方向付けマグネット)108により構成されてい
る。
【0117】上述の第3関節軸110は第1先端腕88
に設けられており、第4関節軸112は第2先端腕90
に設けられている。第1方向付け腕100の一端は、第
1先端腕88に第3関節軸110を介して結合されてい
る。また、第2方向付け腕102の一端は、第2先端腕
90に第4関節軸112を介して結合されている。これ
ら第1方向付け腕100および第2方向付け腕102の
他端は、互いに重ねられた状態で上述の方向付けアーム
軸104に結合される。この方向付けアーム軸104に
より、第1方向付け腕100と第2方向付け腕102と
が互いに平行な状態で回転自在に結合される。
【0118】尚、方向付けアーム軸104が皿関節軸1
6とアーム軸12とを結ぶ直線上に位置するようにする
ため、第1方向付け腕100および第2方向付け腕10
2の両者は、第3関節軸110と方向付けアーム軸10
4との軸間距離と、第4関節軸112と方向付けアーム
軸104との軸間距離とが等しくなるような長さにして
ある。また、第3関節軸110および第4関節軸112
は、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ直線に関して
対称となる位置にそれぞれ設けられている。さらに、方
向付けアーム軸104と第3関節軸110との軸間距
離、および方向付けアーム軸104と第4関節軸112
との軸間距離は、アーム14が最も短く縮んだときに距
離不足を起こさないで、アーム室20にアーム14全体
が収まるように定める。このため、これら軸間距離は、
皿関節軸16と第3関節軸110との軸間距離および皿
関節軸16と第4関節軸112との軸間距離にほぼ等し
い距離から、この距離の2の平方根倍の距離までの範囲
にしてある。このように構成してあるので、第1方向付
け腕100および第2方向付け腕102は、それぞれ第
1腕84および第2腕86と同じように動作する。
【0119】また、上述のガイドマグネット106は、
ウエハ載せ皿18の向きを変えないように当該ウエハ載
せ皿18をアーム軸12の側に導くためのものである。
このガイドマグネット106は、平行度の良好な棒状の
永久磁石であって、その一端が皿止め板96に固定され
ている。但し、ガイドマグネット106と皿止め板96
との結合部分が、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ
直線上に位置するようにしてある。そして、棒状のガイ
ドマグネット106が、アーム14および方向維持手段
98aを構成する各腕と平行になるようにしてある。さ
らに、このガイドマグネット106の他端は、方向付け
アーム軸104上に直線的に延在する。その延在する方
向は、静止状態でアーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ
直線の方向に一致するようにしてある。
【0120】また、上述の方向付けマグネット108
は、方向付けアーム軸104の位置にガイドマグネット
106を囲むように設けられた磁石である。この方向付
けマグネット108は、アーム軸12と同一な軸方向に
関して回転自在となるように設けられている。この例の
方向付けマグネット108は、ほぼ磁力が等しい2個の
磁石をホルダ上に設置したものである。これら磁石は、
各々の間が所定の間隔だけ離間した状態で、かつ、各々
のN極およびS極が互いに対向した状態でホルダ上に設
置されている。このホルダの表面にニッケルなどの磁性
体材料をコートしておけば、設置された磁石との間に閉
じた磁路が形成され、周囲の磁気状態に影響されない強
力で安定した磁場が得られる。このホルダは、ベアリン
グを介して方向付けアーム軸104の位置に取り付けら
れている。尚、方向付けマグネット108の磁石間のギ
ャップの中心位置が、皿関節軸16とアーム軸12とを
結ぶ直線上に位置するように構成する。
【0121】そして、上述のガイドマグネット106が
方向付けマグネット108を構成する2つの磁石の間を
通過するように構成する。ガイドマグネット106の磁
極は、対向する方向付けマグネット108の磁石の磁極
と同一となるようにしてある。従って、ガイドマグネッ
ト106は、方向付けマグネット108を構成する2つ
の磁石からほぼ等しい大きさの反発力を対向する両方の
面から受けるため、これらの力がバランスする点に安定
して止まる。つまり、反発磁力により、棒磁石(ガイド
マグネット106)の中心が方向付けマグネット108
の磁石間のギャプのほぼ中心に位置するように、非接触
的に保持される。よって、アーム14の伸縮動作に伴っ
て、方向付けアーム軸104は皿関節軸16とアーム軸
12とを結ぶ直線上を移動することになる。その結果、
アーム14の伸縮動作によらずに、常にウエハ載せ皿1
8を一定方向すなわち皿関節軸16およびアーム軸12
の位置関係によって決まる方向に向かせた状態に保つこ
とができる。
【0122】尚、ガイドマグネット106の磁極面と方
向付けマグネット108の磁極面との間の距離は0.1
〜0.5mm程度にしておくのが、ウエハ設置位置精度
の観点から望ましい。さらに、ウエハ設置位置精度の要
請から、ガイドマグネット106の磁極面の平行度は
0.02mm以下に作ることが望ましい。このようにす
れば、棒磁石に磁力の不均一さが多少あったとしても棒
磁石の磁極面が平行なので、棒磁石の安定点はほぼ上述
のギャップの中心を通る。
【0123】[方向維持手段の変形例(その1)]次
に、方向維持手段の第1の変形例について、図10を参
照して説明する。図10は、方向維持手段の第1変形例
(アームリンクの第1変形例)をアームの移動軌跡とと
もに示す平面図である。この例の方向維持手段98b
も、第1方向付け腕100、第2方向付け腕102、方
向付けアーム軸104、ガイドマグネット106および
方向付けマグネット108により構成されている。
【0124】この構成例では、第1先端腕88および第
2先端腕90の皿関節軸16による結合位置をアーム軸
12に近い側に配置させ、第1先端腕88および第2先
端腕90の各先端部分が皿関節軸16を越えてウエハ載
せ皿18側に達するように、余分に延長させた状態にし
てある。そして、この第1先端腕88の延長部分の先端
に、第1方向付け腕100の一端が第3関節軸110を
介して結合される。第2先端腕90の延長部分の先端に
は、第2方向付け腕102の一端が第4関節軸112を
介して結合される。また、方向付けアーム軸104はウ
エハ載せ皿18上であって、皿関節軸16とアーム軸1
2とを結ぶ直線上に位置するようにしてある。よって、
第1方向付け腕100および第2方向付け腕102は、
ウエハ載せ皿18上の方向付けアーム軸104の位置に
おいて結合される。従って、方向付けマグネット108
もウエハ載せ皿18上に位置している。ガイドマグネッ
ト106は、この方向付けアーム軸104と皿関節軸1
6との間に延在するように、皿止め板96上に固定され
る。
【0125】このように構成してあるので、第1方向付
け腕100および第2方向付け腕102は、それぞれ第
2先端腕90および第1先端腕88と同じように動作す
る。よって、アーム14の伸縮に伴って、方向付けアー
ム軸104は皿関節軸16とアーム軸12とを結ぶ直線
上を移動する。その結果、アーム14の伸縮動作によら
ずに、常にウエハ載せ皿18を一定方向すなわち皿関節
軸16およびアーム軸12の位置関係によって決まる方
向に向かせた状態に保つことができる。
【0126】[方向維持手段の変形例(その2)]次
に、方向維持手段の第2の変形例について、図11を参
照して説明する。図11は、方向維持手段の第2変形例
(アームリンクの第2変形例)をアームの移動軌跡とと
もに示す平面図である。この例の方向維持手段98c
も、第1方向付け腕100、第2方向付け腕102、方
向付けアーム軸104、ガイドマグネット106および
方向付けマグネット108により構成されている。
【0127】この構成例では、第1先端腕88の長さを
第2先端腕90よりも長くしてある。そして、第1先端
腕88の途中と第2先端腕90の先端とを皿関節軸16
において結合する。このため、第1先端腕88の先端部
分が皿関節軸16を越えてウエハ載せ皿18側に達して
いる。そして、この第1先端腕88の延長部分の先端
に、第1方向付け腕100の一端が第3関節軸110を
介して結合される。また、第2先端腕90の途中部分
に、第2方向付け腕102の一端が第4関節軸112を
介して結合される。このとき、第3関節軸110および
第4関節軸112を結ぶ直線が、アーム軸12と皿関節
軸16とを結ぶ直線に対して平行となるようにしてあ
る。
【0128】また、方向付けアーム軸104は皿止め板
96上であって、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ
直線よりも図中の上側の位置に配置される。この位置に
は、方向付けマグネット108も設置される。そして、
この方向付けアーム軸104と皿関節軸16とを結ぶ直
線が、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ直線に対し
て直交するように構成する。よって、ガイドマグネット
106は、アーム軸12と皿関節軸16とを結ぶ直線に
対して直交する方向に延在するように、皿止め板96上
に固定される。
【0129】このように構成してあるので、アーム14
の伸縮に伴って、方向付けアーム軸104は皿関節軸1
6とアーム軸12とを結ぶ直線に対して直交する直線上
を移動する。その結果、アーム14の伸縮動作によらず
に、常にウエハ載せ皿18を一定方向すなわち皿関節軸
16およびアーム軸12の位置関係によって決まる方向
に向かせた状態に保つことができる。
【0130】[方向維持手段の変形例(その3)]次
に、方向維持手段の第3の変形例について、図12を参
照して説明する。図12は、方向維持手段の第3変形例
(アームリンクの第3変形例)をアームの移動軌跡とと
もに示す平面図である。この例の方向維持手段98d
も、第1方向付け腕100、第2方向付け腕102、方
向付けアーム軸104、ガイドマグネット106および
方向付けマグネット108により構成されている。
【0131】この構成例では、方向付けアーム軸104
が皿止め板96上に位置している。第1方向付け腕10
0および第2方向付け腕102の各一端は、この方向付
けアーム軸104により結合されている。また、第1方
向付け腕100および第2方向付け腕102の各他端
は、それぞれ第3関節軸110および第4関節軸112
を介して第1先端腕88および第2先端腕90に結合さ
れている。
【0132】また、方向付けマグネット108は、方向
付けアーム軸104と同じ位置に設けられている。そし
て、ガイドマグネット106は、その延在方向がアーム
軸12と皿関節軸16とを結ぶ直線に対して平行となる
ように、かつ、ガイドマグネット106の中心がこの直
線上に位置するように構成する。
【0133】このように構成してあるので、アーム14
の伸縮に伴って、方向付けアーム軸104は皿関節軸1
6とアーム軸12とを結ぶ直線上を移動する。その結
果、アーム14の伸縮動作によらずに、常にウエハ載せ
皿18を一定方向すなわち皿関節軸16およびアーム軸
12の位置関係によって決まる方向に向かせた状態に保
つことができる。
【0134】以上説明したウエハ搬送用アームリンクで
は、ウエハ載せ皿18の方向維持機構に磁石を用いてい
る。しかし、次の第4の実施の形態で説明するように、
方向維持機構は磁石を用いなくても構成することができ
る。
【0135】<第4の実施の形態>次に、第4の実施の
形態では、ウエハ搬送用アームリンクの別例につき説明
する。図13は、第4の実施の形態のウエハ搬送用アー
ムリンクの主要部を示す平面図である。図13では、各
腕を実線で示し、各軸を白抜きの丸記号で示してある。
この実施の形態のウエハ搬送用アームリンクは、皿関節
軸16、第1先端腕88、第2先端腕90、ウエハ載せ
皿18、第3関節軸110、第4関節軸112、第1方
向付け腕100、第2方向付け腕102、方向付けアー
ム軸104、シャフト170および軸受け172を具え
ている。すなわち、この実施の形態のアームリンクは、
第3の実施の形態で説明したガイド磁石106および方
向付け磁石108の代わりに、シャフト170および軸
受け172を具えている。これ以外の構成については、
第3の実施の形態の構成と同様であるので説明を省略す
る。
【0136】上述のシャフト170は、その一端がウエ
ハ載せ皿18に固定され、その他端が方向付けアーム軸
104上に直線的に延在する棒状部材である。また、上
述の軸受け172は方向付けアーム軸104の位置に設
けられていて、シャフト170をスライド自在となるよ
うに支持するものである。軸受け172は、ボールスプ
ライン式のものを用いるのが好適である。
【0137】このように構成してあるため、第1先端腕
88および第2先端腕90が駆動されると、それに伴っ
て第1方向付け腕100および第2方向付け腕102が
動き出し、方向付けアーム軸104の位置が移動する。
このとき、ウエハ載せ皿18の向きは、シャフト170
の延在方向、すなわち、方向付けアーム軸104と皿関
節軸16とを結ぶ直線の延在方向に対して不変である。
従って、このリンク機構にあっても、リンクの伸縮動作
の過程で、ウエハ載せ皿18の向きを所望の向きに制御
することができる。
【0138】図13に示すアームリンクでは、皿関節軸
16および第3関節軸110間の距離と、皿関節軸16
および第4関節軸112間の距離とが等しい。また、第
1方向付け腕100の長さと第2方向付け腕102の長
さとが等しい。従って、シャフト170の延在方向は、
第1先端腕88と第2先端腕90との間の開き角δを二
等分する直線aの延在方向に一致する。よって、ウエハ
載せ皿18の向きは、常に直線aの延在方向に一致する
向きに制御される。
【0139】尚、図10、図11および図12を参照し
て説明したように、方向維持機構の設け方については、
図13に示す例に限定されない。
【0140】<第5の実施の形態>次に、第5の実施の
形態では、他のウエハ搬送用アームリンクの構成につ
き、図14、図15および図16を参照して説明する。
図14は、第5の実施の形態のウエハ搬送用アームリン
クの主要部を示す平面図である。図14には、皿関節軸
16近傍に設けられた方向維持手段122の部分が拡大
されて示されている。また、図15は、第5の実施の形
態のウエハ搬送用アームリンクの主要部(I−I断面)
を示す断面図である。図15には、図14のI−I線に
沿う位置の切り口の断面が示されている。図16は、第
5の実施の形態のウエハ搬送用アームリンクの主要部
(J−J断面)を示す断面図である。図16には、図1
4のJ−J線に沿う位置の切り口の断面が示されてい
る。
【0141】この例の方向維持手段122は、複数個の
磁石がリング状に配列した状態で保持された第1磁気リ
ング124、第2磁気リング126、第3磁気リング1
28および第4磁気リング130を具えている。これら
各磁気リング124〜130は、主として、リング状の
部材と複数個の磁石とで構成されている。各磁石は、リ
ング状部材の表面において、リング状、この例では円形
状となるように配置されて取り付けられる。しかし、そ
の半径は、図15および図16で示すごとく、軸間距離
を等しく保ち、かつ、それぞれの磁気リングの磁石の磁
極面がほぼオーバーラップするように配列されるのであ
れば必ずしも同一にする必要はない。これら磁気リング
を構成する磁石は、腕接合部材138および146の回
転範囲をカバーする領域にそれぞれ配置されている。各
磁石の磁極面は皿関節軸16と同一方向で、磁極の配列
は、実用上、隣り合う磁石の極が異なるように並べると
良い。各磁気リングは、リング状に配置された各磁石か
ら等距離の位置を回転中心軸として、回転自在である。
各磁気リング124〜130は、ベアリングを介して皿
止め板96に取り付けられている。
【0142】そして、第1磁気リング124および第2
磁気リング126の各々は、皿関節軸16を回転軸とし
て回転自在に設けられている。また、これら第1磁気リ
ング124および第2磁気リング126に、それぞれ第
1先端腕88および第2先端腕90が結合している。
【0143】第1磁気リング124は、リング状部材1
32と、このリング状部材132に取り付けられた所定
数の磁石134とをもって構成されている。このリング
状部材132は、ベアリング136を介して皿止め板9
6に取り付けられている。このベアリング136は、皿
止め板96の一部分であって、皿関節軸16の延在する
方向に突出した、円柱形状の皿止め板部分96aに嵌め
込まれている。そして、ベアリング136は、軸受止め
137および137aによって皿止め板部分96aに固
定されている。各磁石134は、皿関節軸16に対して
直交する平面内であって、皿関節軸16から互いに等距
離だけ離間したリング状部材132上の位置に配置され
ている。
【0144】また、腕接合部材138は、リング状部材
132の一端となっている。この腕接合部材138は、
皿関節軸16に対して直交する方向に延在する板体であ
って、その他端に第1先端腕88の先端が接続されてい
る。よって、第1先端腕88が皿関節軸16の周りに回
転運動すると、第1磁気リング124は皿関節軸16を
回転軸として回転運動する。
【0145】また、第2磁気リング126は、リング状
部材140と、このリング状部材140に取り付けられ
た所定数の磁石142とをもって構成されている。この
リング状部材140は、ベアリング144を介して、第
1磁気リング124を構成するリング状部材132に取
り付けられている。このベアリング144は、リング状
部材132の一部分であって、皿関節軸16と同一の方
向に延在する円筒形状の部分に嵌め込まれている。ベア
リング144は、リング状部材132により皿止め板9
6の側に押圧されて固定されている。各磁石142は、
皿関節軸16に対して直交する平面内であって、皿関節
軸16から互いに等距離だけ離間したリング状部材14
0上の位置に配置されている。
【0146】また、腕接合部材146は、リング状部材
140の一端となっている。この腕接合部材146は、
皿関節軸16に対して直交する方向に延在する板体であ
って、その他端に第2先端腕90の先端が接続されてい
る。よって、第2先端腕90が皿関節軸16の周りに回
転運動すると、第2磁気リング126は皿関節軸16を
回転軸として回転運動する。
【0147】以上説明したように、第1磁気リング12
4および第2磁気リング126は、同一の軸(皿関節軸
16)の周りに設けられていて、二重同軸構造を構成し
ている。図15および図16に示す例では、各磁気リン
グ124および126の径(皿関節軸16から各磁石1
34あるいは142までの距離)を同一にしてある。ま
た、各磁気リング124および126は、皿関節軸16
の軸延在方向に沿って上下に亘り重なった状態に設けら
れている。この構成例では、第1磁気リング124は、
皿止め板96から比較的離間した側(図15および図1
6中の下側)の位置に設けられており、第2磁気リング
126は、皿止め板96に近接した側(図15および図
16中の上側)の位置に設けられている。尚、第1磁気
リング124を構成する磁石134と、第2磁気リング
126を構成する磁石142とは、これらの間に第3磁
気リング128および第4磁気リング130が挟まれて
互いに遠のくため、両者間の相互作用が無視できる程度
となる距離だけ互いに離間した状態となる。
【0148】次に、第3磁気リング128および第4磁
気リング130につき説明する。先ず、第3磁気リング
128は、第1磁気リング124と磁気結合して当該第
1磁気リング124の回転運動に伴い回転するものであ
る。第3磁気リング128は、リング状部材148と、
このリング状部材148に取り付けられた所定数の磁石
150とをもって構成されている。このリング状部材1
48は、4点接触型のベアリング152を介して皿止め
板96に取り付けられている。このベアリング152
は、皿止め板96の一部分であって、皿関節軸16が延
在する方向と同一の方向に突出した、円筒形状の皿止め
板部分96bに嵌め込まれている。そして、ベアリング
152は、軸受止め153によって皿止め板部分96b
に固定されている。各磁石150は、皿関節軸16と同
一の方向に延在する回転軸154に対して直交する平面
内であって、この回転軸154から互いに等距離だけ離
間したリング状部材148上の位置に配置されている。
磁石150の大きさは、必ずしも同一でなくて良く、各
磁気リングのカップリング力が常に回転方向成分に対し
て打ち消し合うようにバランスよく配置されていること
が重要である。むしろ、交互に大きさが異なるほうがこ
の力の不感領域を狭める点で好ましい。尚、この回転軸
154は、皿関節軸16とアーム軸12の回転軸52と
を結ぶ直線(図14中の直線a。この直線aの延在する
方向がアームリンクの伸縮方向に相当する。)上から外
れた位置に配置されている。
【0149】また、第3磁気リング128と第1磁気リ
ング124とが一部で重なった状態になっている。この
重なり部分では、図15に示すように、第3磁気リング
128を構成する磁石150の下面側と、第1磁気リン
グ124を構成する磁石134の上面側とが対向してい
る。そして、第3磁気リング128を構成する磁石15
0と、第1磁気リング124を構成する磁石134とは
非常に近接している。そのため、第3磁気リング128
と第1磁気リング124とは互いに磁気結合する。この
第3磁気リング128は、皿止め板96から比較的離間
した位置(図15中の下方)に設けられるので、第2磁
気リング126の磁石142とは磁気結合しない。
【0150】一方、第4磁気リング130は、第2磁気
リング126と磁気結合して当該第2磁気リング126
の回転運動に伴い回転するものである。この第4磁気リ
ング130は、リング状部材156と、このリング状部
材156に取り付けられた所定数の磁石158とをもっ
て構成されている。このリング状部材156は、4点接
触型のベアリング160を介して皿止め板96に取り付
けられている。このベアリング160は、皿止め板96
の一部分であって、皿関節軸16が延在する方向と同一
の方向に突出した、円筒形状の皿止め板部分96cに嵌
め込まれている。そして、ベアリング160は、軸受止
め161によって皿止め板部分96cに固定されてい
る。各磁石158は、皿関節軸16と同一の方向に延在
する回転軸162に対して直交する平面内であって、こ
の回転軸162から互いに等距離だけ離間したリング状
部材156上の位置に配置されている。尚、この回転軸
162は、皿関節軸16とアーム軸12の回転軸52と
を結ぶ直線(図14中の直線a)上であって、皿関節軸
16に対してウエハ載せ皿18に近い側に位置してい
る。
【0151】また、第4磁気リング130と第2磁気リ
ング126とが一部で重なった状態になっている。この
重なり部分では、図16に示すように、第4磁気リング
130を構成する磁石158の上面側と、第2磁気リン
グ126を構成する磁石142の下面側とが対向してい
る。そして、第4磁気リング130を構成する磁石15
8と、第2磁気リング126を構成する磁石142とは
非常に近接している。そのため、第4磁気リング130
と第2磁気リング126とは互いに磁気結合する。この
第4磁気リング130は、皿止め板96に比較的近接し
た位置(図16中の上方)に設けられるので、第1磁気
リング124の磁石134とは磁気結合しない。
【0152】また、第3磁気リング128および第4磁
気リング130間には磁気結合が生じるように各々の設
置位置を決めてある。ここで、図14を参照して、各磁
気リングの配置関係について説明する。上述したよう
に、第4磁気リング130の回転軸162は、皿関節軸
16とアーム軸12の回転軸52とを結ぶ直線a上に位
置している。一方、第3磁気リング128の回転軸15
4は、この直線a上から外れた位置に配置されている。
回転軸52は、皿関節軸16よりもウエハ載せ皿18に
近い側に位置しており、回転軸162と皿関節軸16と
の間に回転軸154が位置している。これら回転軸16
2、皿関節軸16および回転軸154は、ほぼ正三角形
の各頂点に位置するようにそれぞれ配置される。図14
において、第1磁気リング124と第2磁気リング12
6とは、互いに重なり合う位置に設けられている。ま
た、第3磁気リング128と第4磁気リング130とは
一部で重なるように構成されており、この重なり部分に
おいて第3磁気リング128と第4磁気リング130と
が磁気結合する。図15および図16に示すように、こ
の重なり部分では、第3磁気リング128を構成する磁
石150の上面と、第4磁気リング130を構成する磁
石158の下面とが非常に近接した位置で対向してい
る。
【0153】そして、これら第3磁気リング128およ
び第4磁気リング130間に生じる磁気結合により、第
1磁気リング124および第2磁気リング126の回転
運動が制御される。上述したように、第1磁気リング1
24と第3磁気リング128とは磁気結合により回転運
動が連動して行われる。また、第2磁気リング126と
第4磁気リング130とも同様であって、これらの磁気
結合により各々の回転運動が連動して行われる。つま
り、第1磁気リング124と共に第3磁気リング128
が回転し、第2磁気リング126と共に第4磁気リング
130が回転するように構成されている。
【0154】また、第3磁気リング128と第4磁気リ
ング130との間で磁気結合を生じさせているので、こ
れらの回転運動も連動して行われる。従って、第1磁気
リング124と第2磁気リング126との回転運動が連
動して行われる。
【0155】このように、第3磁気リング128および
第4磁気リング130間に生じる磁気結合により、第1
磁気リング124および第2磁気リング126の回転運
動が制御される。そして、上述した直線a、すなわち、
第1先端腕88と第2先端腕90との間の開き角δを二
等分する直線aに対する、第3磁気リング128および
第4磁気リング130の各回転軸の相対位置が一定に保
たれるように制御される。従って、ウエハ載せ皿18の
向きが直線aに対して常に一定となる。この構成例で
は、アームリンクの動作時において、第4磁気リング1
30の回転軸162が常に直線a上に位置するように、
第1先端腕88および第2先端腕90の回転により生じ
るウエハ載せ皿18の向きのずれが補償される。このよ
うな構成を得るためには、各磁気リングのリング径や磁
石の数や磁気リングの回転軸の位置を適切に設計すれば
良い。
【0156】次に、図17を参照して、方向維持手段1
22の動作につき説明する。図17は、方向維持手段1
22の動作説明に供する平面図である。図17(A)に
はアームリンクが伸びる場合が示され、図17(B)に
はアームリンクが縮む場合が示されている。但し、図1
7において、第1先端腕88および第2先端腕90は太
線で示してある。また、腕接合部材138および146
や皿止め板96の図示は省略してある。
【0157】先ず、図17(A)に示すように、アーム
リンクが伸びる場合は、第1先端腕88と第2先端腕9
0とが互いに接近する向きへ回転運動する。従って、図
17において、第1先端腕88は図中の上方へ回転し、
第2先端腕90は図中の下方へ回転する。このとき、第
1先端腕88に結合されている第1磁気リング124
は、図中の左向き(矢印pで示す方向)に回転する。す
ると、第1磁気リング124に磁気結合された第3磁気
リング128は、第1磁気リング124の回転運動に伴
い、図中の右向き(矢印rで示す方向)に回転する。
【0158】一方、第2先端腕90に結合されている第
2磁気リング126は、図中の右向き(矢印qで示す方
向)に回転する。この第2磁気リング126に磁気結合
された第4磁気リング130は、第2磁気リング126
の回転運動に伴い、図中の左向き(矢印sで示す方向)
に回転する。
【0159】このように、第3磁気リング128は右向
きに回転し、第4磁気リング130は左向きに回転す
る。これら第3磁気リング128および第4磁気リング
130は互いに磁気結合しているので、各々の回転運動
が連動して行われる。
【0160】この回転運動の連動の効果は、第1先端腕
88および第2先端腕90がアーム軸12と独立して運
動する場合を考えると理解しやすい。このとき、第1先
端腕88が回転運動して、直線a(この場合、この直線
aは皿関節軸16と回転軸162とを結ぶ直線と考え
る。)に近接し始めると、その動きにつれて第1磁気リ
ング124が回転する。すると、第1磁気リング124
に磁気結合された第3磁気リング128が回転し、さら
に、第3磁気リング128に磁気結合された第4磁気リ
ング130が回転する。そして、第4磁気リング130
には第2磁気リング126が磁気結合されているので、
この第4磁気リング130の回転に伴い第2磁気リング
126が回転して、第2先端腕90を直線aの側に向け
て回転させる。第1先端腕88が直線aに向かって回転
する速さと、第2先端腕90が直線aに向かって回転す
る速さとは、磁気リングの径や磁石の数などの設計によ
り、互いに等しくなるように構成されている。よって、
第1先端腕88および第2先端腕90の回転運動は直線
aに関して対称的に行われるので、ウエハ載せ皿18の
向きは直線aに対して変化しない。このように構成して
あるので、今度は第1先端腕88および第2先端腕90
がアーム軸12により駆動される場合を考えると、ウエ
ハ載せ皿18は直線aに対して一定の向きを保ったまま
直線aに沿って移動し、アーム軸12側から遠ざけられ
る。
【0161】アームリンクが縮む場合も同様である。図
17(B)に示すように、アームリンクが縮み場合は、
第1先端腕88と第2先端腕90とが互いに離れる向き
へ回転運動する。従って、図17において、第1先端腕
88は図中の下方へ回転し、第2先端腕90は図中の上
方へ回転する。このとき、第1先端腕88に結合されて
いる第1磁気リング124は、図中の右向き(矢印pで
示す方向)に回転する。すると、第1磁気リング124
に磁気結合された第3磁気リング128は、第1磁気リ
ング124の回転運動に伴い、図中の左向き(矢印rで
示す方向)に回転する。
【0162】一方、第2先端腕90に結合されている第
2磁気リング126は、図中の左向き(矢印qで示す方
向)に回転する。この第2磁気リング126に磁気結合
された第4磁気リング130は、第2磁気リング126
の回転運動に伴い、図中の右向き(矢印sで示す方向)
に回転する。
【0163】このように、第3磁気リング128は左向
きに回転し、第4磁気リング130は右向きに回転す
る。これら第3磁気リング128および第4磁気リング
130は互いに磁気結合しているので、各々の回転運動
が連動して行われる。上述した説明の通り、アームリン
クが縮むときは、ウエハ載せ皿18は直線aに対して一
定の向きを保ったまま直線aに沿って移動し、アーム軸
12の側に引き寄せられる。
【0164】以上説明したように、この例の方向維持手
段122は、非接触的に作用する磁気結合を利用してい
るので、脈動が起こらず低発塵である。しかも、単純な
構造であることから部品点数が少なくて済み、組み立て
精度の再現性が良く、取扱いが容易である。
【0165】尚、各磁気リング124〜130を構成す
る磁石としては、例えば、サマリュウムコバルトやネオ
ジュウム磁石などを用いるのが好適である。また、磁石
の配列は、アーム軸12を構成する磁気カプラのよう
に、交互に異なる磁極が配列するように構成すると良
い。
【0166】さらに、各磁気リング間の磁気結合が発生
する重なり部分には、3個の磁石が収まるように構成す
るのが好適である。このように構成するには、例えば、
各磁気リングを構成する磁石の個数を26個にするのが
望ましい。しかし、これに限られることはなく、磁石の
材料や、磁石の個数やサイズや、リング径などは設計に
応じて、この発明の効果が得られる範囲で変更すること
が可能である。
【0167】また、この構成例の方向維持手段122
は、文献2および文献3に開示されている従来タイプの
アームリンクにも用いることができ、低発塵性能に優れ
たアームが実現できる。
【0168】ここでは、磁気リングの並びは単列として
説明したが、複列のリングであっても良い。また、磁気
リング124および128と磁気リング126および1
30とに用いる磁石の数を、それぞれ異ならせることで
回転精度を上げることができる。実用的には、磁石の個
数の差が2個であると良い。
【0169】<第6の実施の形態>次に、第6の実施の
形態では、ジャックナイフ脱出器の構成につき、図8を
参照して説明する。アーム14が最も縮んだ状態で停止
しているとき、このアーム14を伸ばすためには、第1
腕84および第2腕86をお互いに近づける方向に回転
させなければならない。このようなとき、菱形リンクで
は、回転のモーメントがほとんど相殺してしまい、ほん
のわずかなモーメントだけがアームを開く働きに寄与す
る。アーム14全体に生じる摩擦力が、この回転モーメ
ントの生ずる力よりも大きいと、アーム14は動作でき
ない。この現象は、ジャックナイフ効果と呼ばれる(例
えば、文献2参照)。
【0170】従って、この構成例のアーム14には、図
8に示すような構成のジャックナイフ脱出器114を設
けてある。ジャックナイフ脱出器114は、4つの磁石
114a、114b、114cおよび114dを具えて
いる。磁石114aは、第1腕84に取り付けてある。
磁石114bは、第1先端腕88に取り付けてある。磁
石114cは、第2腕86に取り付けてある。磁石11
4dは、第2先端腕90に取り付けてある。尚、第1腕
84と第1先端腕88とに設けた磁石114aおよび1
14bは、それぞれ互いに磁極の異なる磁石である。同
様に、第2腕86と第2先端腕90とに設けた磁石11
4cおよび114dは、それぞれ互いに磁極の異なる磁
石である。そして、これら磁石114a〜114dは、
皿関節軸16とアーム軸12との接近に当たって、第1
腕84および第1先端腕88の間と第2腕86および第
2先端腕90の間とに反発力を発生させるように設けて
ある。
【0171】よって、アーム14が縮むとき、第1腕8
4と第1先端腕88との間が接近し、これら結合部分で
ある第1関節軸92の近傍に設けられた磁石114aお
よび114bの間で反発力が発生する。また、アーム1
4が縮むとき、第2腕86と第2先端腕90との間が接
近し、これら結合部分である第2関節軸94の近傍に設
けられた磁石114cおよび114dの間で反発力が発
生する。このように、反発力を発生させることによりア
ーム14で生じる静止摩擦力を相殺させることができ
る。従って、起動時のわずかなモーメントでアーム14
は動作するようになる。しかも、この反発力は、アーム
14が伸びると急激に小さくなるので、このような用途
には最適である。
【0172】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複数軸動
力伝達装置によれば、コンパクトで高剛性の回転軸が実
現される。しかも、減速機能も有しており、優れた位置
決め精度が得られる。
【0173】また、本発明のウエハ搬送用アームリンク
によれば、ウエハを載せる皿の方向を一定に保つ手段が
磁力を利用した非接触機構により実現されるので、驚異
的な低発塵ウエハ搬送アームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のアーム軸を構成する磁気カ
プラの構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態のアーム軸の構成を示す図で
ある。
【図3】第1の実施の形態のアーム軸の動作説明に供す
る図である。
【図4】図3に続く、第1の実施の形態のアーム軸の動
作説明に供する図である。
【図5】アームリンクの配置例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態のアーム軸を構成する磁気カ
プラの構成を示す図である。
【図7】第3の実施の形態のウエハ搬送用アームリンク
の構成を示す図である。
【図8】アームリンクの構成を示す図である。
【図9】アームリンクの構成およびアームの移動軌跡を
示す図である。
【図10】アームリンクの第1変形例およびアームの移
動軌跡を示す図である。
【図11】アームリンクの第2変形例およびアームの移
動軌跡を示す図である。
【図12】アームリンクの第3変形例およびアームの移
動軌跡を示す図である。
【図13】第4の実施の形態のウエハ搬送用アームリン
クの構成を示す図である。
【図14】方向維持手段の別構成を示す図である。
【図15】方向維持手段の別構成(I−I断面)を示す
図である。
【図16】方向維持手段の別構成(J−J断面)を示す
図である。
【図17】方向維持手段の動作説明に供する図である。
【符号の説明】
10:アームリンク 12:アーム軸 14:アーム 16:皿関節軸 18:ウエハ載せ皿 20:アーム室 22a,22b:ロードロック室 24a,24b:プロセス処理室 26a〜26d:ゲート弁 28:ウエハ 30a〜30d:ウエハ設置台 32:隔壁 34:アーム軸取付台 36:真空封止リング 38a,38b:内側磁気リング 40a,40b:外側磁気リング 42a,42b:第1ヨーク部材 44a,44b,48a,48b:磁石 46a,46b:第2ヨーク部材 46a1:第1ヨークピース 46a2:第2ヨークピース 46a3:第3ヨークピース 50a,50b:軸受け 52a,52b:外側回転軸 54,154,162:回転軸 56a,56b:回転部材 58,60:固定台 62:ベアリング 64:中空モータ 66:ゴム材 68,70:板ばね材 72:位置決めピン 84:第1腕 86:第2腕 88:第1先端腕 90:第2先端腕 92:第1関節軸 94:第2関節軸 96:皿止め板 96a,96b,96c:皿止め板部分 98a〜98d,122:方向維持手段 100:第1方向付け腕 102:第2方向付け腕 104:方向付けアーム軸 106:ガイドマグネット 108:方向付けマグネット 110:第3関節軸 112:第4関節軸 114:ジャックナイフ脱出器 114a〜114d:磁石 124:第1磁気リング 126:第2磁気リング 128:第3磁気リング 130:第4磁気リング 138,146:腕接合部材 132,140,148,156:リング状部材 134,142,150,158:磁石 136,144,152,160:ベアリング 137,137a,153,161:軸受止め 170:シャフト 172:軸受け
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 49/10 H02K 49/10 A

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気側雰囲気と異なる雰囲気の空間を画
    成するための隔壁と、大気側雰囲気内に設置された複数
    個の内側磁気リングと、前記隔壁により画成される空間
    内に設置され、前記内側磁気リングに前記隔壁を介して
    磁気的に結合する複数個の外側磁気リングとを具えてお
    り、 前記内側磁気リングは、リング状の第1ヨーク部材の外
    側周縁に複数個の磁石を相隣り合う磁極面が相互に異な
    るように配列させたものであり、 前記外側磁気リングは、リング状の第2ヨーク部材の内
    側周縁に、前記内側磁気リングの磁石の個数と異なる個
    数の磁石を相隣り合う磁極面が相互に異なるように配列
    させたものであり、 前記外側磁気リングは、前記隔壁に関して回転自在とな
    るように、当該隔壁に軸受けを介して支持されていて、 前記内側磁気リングを構成する各磁石が、その配列順
    に、前記外側磁気リングに接近する向き、あるいは前記
    外側磁気リングから離間する向きに変位して、前記外側
    磁気リングに回転力を与える構成としてあることを特徴
    とする複数軸動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記第2ヨーク部材は、前記外側磁気リングを構成する
    磁石が複数の群に配分されるように分解可能であること
    を特徴とする複数軸動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記外側磁気リングの回転軸に関して回転自在であっ
    て、該回転軸に直交する方向の断面が楕円形状となって
    いる回転部材を具えており、 前記第1ヨーク部材は可撓性を有していて、その一部が
    前記隔壁に対して固定されており、該第1ヨーク部材が
    前記回転部材の側面に沿って摺動自在に設けられている
    ことを特徴とする複数軸動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記内側磁気リングを構成する磁石の個数が、前記外側
    磁気リングを構成する磁石の個数よりも少ないことを特
    徴とする複数軸動力伝達装置。
  5. 【請求項5】 複数個の内側磁気リングと、該内側磁気
    リングに磁気的に結合する複数個の外側磁気リングとを
    具えており、 前記内側磁気リングは、リング状の第1ヨーク部材の外
    側周縁に複数個の磁石を相隣り合う磁極面が相互に異な
    るように配列させたものであり、 前記外側磁気リングは、リング状の第2ヨーク部材の内
    側周縁に、前記内側磁気リングの磁石の個数と異なる個
    数の磁石を相隣り合う磁極面が相互に異なるように配列
    させたものであって、回転自在となるように支持されて
    おり、 前記内側磁気リングを構成する各磁石が、その配列順
    に、前記外側磁気リングに接近する向き、あるいは前記
    外側磁気リングから離間する向きに変位して、前記外側
    磁気リングに回転力を与える構成としてあることを特徴
    とする複数軸動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記第2ヨーク部材は、前記外側磁気リングを構成する
    磁石が複数の群に配分されるように分解可能であること
    を特徴とする複数軸動力伝達装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記外側磁気リングの回転軸に関して回転自在であっ
    て、該回転軸に直交する方向の断面が楕円形状となって
    いる回転部材を具えており、 前記第1ヨーク部材は可撓性を有していて、該第1ヨー
    ク部材が前記回転部材の側面に沿って摺動自在に設けら
    れていることを特徴とする複数軸動力伝達装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の複数軸動力伝達装置に
    おいて、 前記内側磁気リングを構成する磁石の個数が、前記外側
    磁気リングを構成する磁石の個数よりも少ないことを特
    徴とする複数軸動力伝達装置。
  9. 【請求項9】 皿関節軸と、 該皿関節軸の周りに互いに平行に回転可能な第1および
    第2先端腕と、 前記皿関節軸上に設けられたウエハ載せ皿と、 前記第1先端腕に設けられた第3関節軸と、 前記第2先端腕に設けられた第4関節軸と、 前記第1先端腕に前記第3関節軸を介して結合された第
    1方向付け腕と、 前記第2先端腕に前記第4関節軸を介して結合された第
    2方向付け腕と、 前記第1方向付け腕と前記第2方向付け腕とを互いに平
    行な状態で回転自在に結合する方向付けアーム軸と、 前記ウエハ載せ皿に一端が固定され、前記方向付けアー
    ム軸上に直線的に他端が延在した棒状のガイド磁石と、 前記方向付けアーム軸の位置に設けられ、前記ガイド磁
    石を非接触的に支持する方向付け磁石とを具えることを
    特徴とするウエハ搬送用アームリンク。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のウエハ搬送用アーム
    リンクにおいて、 前記皿関節軸および第3関節軸間の距離と、前記皿関節
    軸および第4関節軸間の距離とが等しく、前記第1方向
    付け腕の長さと前記第2方向付け腕の長さとが等しいこ
    とを特徴とするウエハ搬送用アームリンク。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のウエハ搬送用アーム
    リンクにおいて、 前記方向付けアーム軸と前記第3および第4関節軸との
    間の第1軸間距離は、前記皿関節軸と前記第3および第
    4関節軸との間の第2軸間距離よりも比較的大きいが実
    質的に等しい距離から該第2軸間距離の2の平方根倍の
    距離の範囲にしてあることを特徴とするウエハ搬送用ア
    ームリンク。
  12. 【請求項12】 皿関節軸と、 該皿関節軸の周りに互いに平行に回転可能な第1および
    第2先端腕と、 前記皿関節軸上に設けられたウエハ載せ皿と、 前記第1先端腕に設けられた第3関節軸と、 前記第2先端腕に設けられた第4関節軸と、 前記第1先端腕に前記第3関節軸を介して結合された第
    1方向付け腕と、 前記第2先端腕に前記第4関節軸を介して結合された第
    2方向付け腕と、 前記第1方向付け腕と前記第2方向付け腕とを互いに平
    行な状態で回転自在に結合する方向付けアーム軸と、 前記ウエハ載せ皿に一端が固定され、前記方向付けアー
    ム軸上に直線的に他端が延在した棒状のシャフトと、 前記方向付けアーム軸の位置に設けられ、前記シャフト
    をスライド自在となるように支持する軸受けとを具える
    ことを特徴とするウエハ搬送用アームリンク。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のウエハ搬送用アー
    ムリンクにおいて、前記皿関節軸および第3関節軸間の
    距離と、前記皿関節軸および第4関節軸間の距離とが等
    しく、前記第1方向付け腕の長さと前記第2方向付け腕
    の長さとが等しいことを特徴とするウエハ搬送用アーム
    リンク。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載のウエハ搬送用アー
    ムリンクにおいて、前記軸受けとしてボールスプライン
    式のものを用いることを特徴とするウエハ搬送用アーム
    リンク。
  15. 【請求項15】 皿関節軸と、 該皿関節軸の周りに互いに平行に回転可能な第1および
    第2先端腕と、 前記皿関節軸上に設けられたウエハ載せ皿と、 それぞれの軸に関してほぼ等しい角度ピッチで複数個の
    磁石がリング状に単列あるいは複列に配列した状態で保
    持された第1、第2、第3および第4磁気リングとを具
    えており、 前記第1および第2磁気リングの各々は前記皿関節軸を
    回転軸として回転自在に設けられ、これら第1および第
    2磁気リングにそれぞれ前記第1および第2先端腕が結
    合しており、 前記第3磁気リングは、前記第1磁気リングと磁気結合
    して当該第1磁気リングの回転運動に伴い回転するもの
    であり、 前記第4磁気リングは、前記第2磁気リングと磁気結合
    して当該第2磁気リングの回転運動に伴い回転するもの
    であり、 これら第3および第4磁気リング間に生じる磁気結合に
    より前記第1および第2磁気リングの回転運動が制御さ
    れ、前記第1先端腕と前記第2先端腕との間の開き角を
    二等分する直線に対する、前記第3および第4磁気リン
    グの各回転軸の相対位置が一定に保たれるように、か
    つ、各回転軸間の距離が等しくなるように構成してある
    ことを特徴とするウエハ搬送用アームリンク。
JP13696099A 1998-07-31 1999-05-18 複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク Withdrawn JP2000332081A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13696099A JP2000332081A (ja) 1999-05-18 1999-05-18 複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク
US09/325,552 US6247889B1 (en) 1998-07-31 1999-06-04 Multiple-shaft power transmission apparatus and wafer transport arm link
US09/772,866 US20010012483A1 (en) 1998-07-31 2001-01-31 Multiple-shaft power transmission apparatus and wafer transport arm link

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13696099A JP2000332081A (ja) 1999-05-18 1999-05-18 複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000332081A true JP2000332081A (ja) 2000-11-30

Family

ID=15187528

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13696099A Withdrawn JP2000332081A (ja) 1998-07-31 1999-05-18 複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000332081A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006109655A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Nsk Ltd ダイレクトドライブモータ
KR100798145B1 (ko) 2006-08-01 2008-01-28 세메스 주식회사 회전 유닛 및 기판 세정 장치
WO2012036189A1 (ja) * 2010-09-16 2012-03-22 東京エレクトロン株式会社 搬送装置、基板処理システム及び姿勢制御機構
JP2012249519A (ja) * 2012-09-05 2012-12-13 Nsk Ltd ダイレクトドライブモータ、搬送装置および半導体製造装置
KR101511258B1 (ko) * 2014-07-08 2015-04-14 (주)해피글로벌솔루션 밸런스 개선형의 로봇 암 커플러 장치
CN113811818A (zh) * 2019-05-08 2021-12-17 Asml控股股份有限公司 带有形状记忆合金和磁耦合机构的掩模版笼式致动器

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006109655A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Nsk Ltd ダイレクトドライブモータ
JP4656381B2 (ja) * 2004-10-07 2011-03-23 日本精工株式会社 ダイレクトドライブモータ
KR100798145B1 (ko) 2006-08-01 2008-01-28 세메스 주식회사 회전 유닛 및 기판 세정 장치
WO2012036189A1 (ja) * 2010-09-16 2012-03-22 東京エレクトロン株式会社 搬送装置、基板処理システム及び姿勢制御機構
JP2012061568A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Tokyo Electron Ltd 搬送装置、基板処理システム及び姿勢制御機構
US9138901B2 (en) 2010-09-16 2015-09-22 Tokyo Electron Limited Transfer device, substrate processing system and posture control unit
JP2012249519A (ja) * 2012-09-05 2012-12-13 Nsk Ltd ダイレクトドライブモータ、搬送装置および半導体製造装置
KR101511258B1 (ko) * 2014-07-08 2015-04-14 (주)해피글로벌솔루션 밸런스 개선형의 로봇 암 커플러 장치
CN113811818A (zh) * 2019-05-08 2021-12-17 Asml控股股份有限公司 带有形状记忆合金和磁耦合机构的掩模版笼式致动器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6581072B2 (ja) 双腕ロボット
JP6382213B2 (ja) モータモジュール、多軸モータ駆動アセンブリ、多軸ロボット装置、並びに、電子デバイス製造のシステム及び方法
JP2012039125A (ja) 半導体ウェハを操作するための改善されたロボット
JP2948216B1 (ja) 複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク
US6247889B1 (en) Multiple-shaft power transmission apparatus and wafer transport arm link
KR20110013345A (ko) 자성 스핀들 베어링들을 포함하는 로봇 드라이브
WO2019062911A1 (zh) 真空吸附手、基底交接装置及光刻机
JP2000332081A (ja) 複数軸動力伝達装置およびウエハ搬送用アームリンク
JP2001112223A (ja) 真空モータ及び搬送装置
US6279490B1 (en) Epicyclic stage
JP2002303323A (ja) 駆動装置
CN214269374U (zh) 真空样品驱动装置
JP6098187B2 (ja) 回転機構および搬送装置
JPH11307609A (ja) 搬送用アームロボットのアーム駆動装置
JP2019092295A (ja) 圧電駆動装置、電子部品搬送装置およびロボット
WO2022198588A1 (zh) 六自由度运动机构
JP2001156149A (ja) 基板処理装置
CN112758696A (zh) 真空样品驱动装置
KR100239370B1 (ko) 초음파 모터를 이용한 로봇 아암의 관절
JPH04267355A (ja) ウエハ移送ロボット
JP4233520B2 (ja) ハンドリング用ロボット
Wu et al. Design and analysis of vacuum robot for cluster tools

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060801