JPH11310639A - 熱硬化性樹脂の水性分散液の製造方法 - Google Patents
熱硬化性樹脂の水性分散液の製造方法Info
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- JPH11310639A JPH11310639A JP11870098A JP11870098A JPH11310639A JP H11310639 A JPH11310639 A JP H11310639A JP 11870098 A JP11870098 A JP 11870098A JP 11870098 A JP11870098 A JP 11870098A JP H11310639 A JPH11310639 A JP H11310639A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 最小限の有機溶剤使用量で、効率的に熱硬化
性樹脂の水性分散液を製造する。 【解決手段】 酸基と反応する官能基を1分子中に1個
以上有する熱硬化性樹脂と、酸基を1分子中に2個以上
有する酸基含有樹脂とを溶融混練することにより、ゲル
化しない程度に熱硬化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の
酸基を反応させ、溶融混練の際及び/または溶融混練後
に塩基を添加して混合樹脂中の残りの酸基の少なくとも
一部を中和した後、該混合液を水に分散させることを特
徴としている。
性樹脂の水性分散液を製造する。 【解決手段】 酸基と反応する官能基を1分子中に1個
以上有する熱硬化性樹脂と、酸基を1分子中に2個以上
有する酸基含有樹脂とを溶融混練することにより、ゲル
化しない程度に熱硬化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の
酸基を反応させ、溶融混練の際及び/または溶融混練後
に塩基を添加して混合樹脂中の残りの酸基の少なくとも
一部を中和した後、該混合液を水に分散させることを特
徴としている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂を水
中に分散して熱硬化性樹脂の水性分散液を製造する方法
に関するものである。
中に分散して熱硬化性樹脂の水性分散液を製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の水性分散液を製造する方
法としては、ラジカル重合性のモノマーを水中に分散さ
せて重合させることにより得られる、懸濁重合もしくは
乳化重合による水性分散液の製造方法や、重合によって
生成した重合体を重合後に水中に分散させて水性分散液
を得る方法などが知られている。重合後に重合体を水中
に分散させる方法としては、ポリマーを多量の有機溶剤
で溶解した後、保護コロイド剤を含有する熱水中に、こ
の溶解液を添加混合した後、有機溶剤を除去する方法な
どが知られている。
法としては、ラジカル重合性のモノマーを水中に分散さ
せて重合させることにより得られる、懸濁重合もしくは
乳化重合による水性分散液の製造方法や、重合によって
生成した重合体を重合後に水中に分散させて水性分散液
を得る方法などが知られている。重合後に重合体を水中
に分散させる方法としては、ポリマーを多量の有機溶剤
で溶解した後、保護コロイド剤を含有する熱水中に、こ
の溶解液を添加混合した後、有機溶剤を除去する方法な
どが知られている。
【0003】熱硬化性樹脂は、一般にラジカル重合によ
り製造することができないため、上記のような懸濁重合
や乳化重合により製造することができず、また一般に固
体状または粘稠な液状であるため、従来は、熱硬化性樹
脂に有機溶剤を添加して粘度を低下させ、これにPVA
等の水溶性樹脂や界面活性剤を加えて水を添加し水性分
散液を製造する方法が一般的であった。また、熱硬化性
樹脂に有機溶剤を加えて粘度を低下させ、これに無水マ
レイン酸等を反応させてカルボン酸基を付加し、これを
塩基で中和した後水を添加して水性分散液を製造する方
法も行われている。
り製造することができないため、上記のような懸濁重合
や乳化重合により製造することができず、また一般に固
体状または粘稠な液状であるため、従来は、熱硬化性樹
脂に有機溶剤を添加して粘度を低下させ、これにPVA
等の水溶性樹脂や界面活性剤を加えて水を添加し水性分
散液を製造する方法が一般的であった。また、熱硬化性
樹脂に有機溶剤を加えて粘度を低下させ、これに無水マ
レイン酸等を反応させてカルボン酸基を付加し、これを
塩基で中和した後水を添加して水性分散液を製造する方
法も行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱硬化性樹脂の水性分
散液の製造においては、上述のように、粘性を低下させ
るため、有機溶剤が添加されており、この有機溶剤を除
去する工程が必要であった。従って、多大な時間を要す
ると共に、有機溶剤を除去するためのエネルギーと設備
が必要であった。
散液の製造においては、上述のように、粘性を低下させ
るため、有機溶剤が添加されており、この有機溶剤を除
去する工程が必要であった。従って、多大な時間を要す
ると共に、有機溶剤を除去するためのエネルギーと設備
が必要であった。
【0005】本発明の目的は、最小限の溶剤使用量で、
効率的に熱硬化性樹脂の水性分散液を製造することがで
きる製造方法を提供することにある。
効率的に熱硬化性樹脂の水性分散液を製造することがで
きる製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸基と反応す
る官能基を1分子中に1個以上有する熱硬化性樹脂と、
酸基を1分子中に2個以上有する酸基含有樹脂とを溶融
混練することにより、ゲル化しない程度に熱硬化性樹脂
の官能基と酸基含有樹脂の酸基を反応させ、溶融混練の
際及び/または溶融混練後に塩基を添加して混合樹脂中
の残りの酸基の少なくとも一部を中和した後、該混合樹
脂を水に分散させることを特徴とする熱硬化性樹脂の水
性分散液の製造方法である。
る官能基を1分子中に1個以上有する熱硬化性樹脂と、
酸基を1分子中に2個以上有する酸基含有樹脂とを溶融
混練することにより、ゲル化しない程度に熱硬化性樹脂
の官能基と酸基含有樹脂の酸基を反応させ、溶融混練の
際及び/または溶融混練後に塩基を添加して混合樹脂中
の残りの酸基の少なくとも一部を中和した後、該混合樹
脂を水に分散させることを特徴とする熱硬化性樹脂の水
性分散液の製造方法である。
【0007】本発明に従う第1の局面においては、溶融
混練した混合樹脂に、塩基を含む水溶液を添加して該混
合樹脂中の残りの酸基の少なくとも一部を中和し、その
後に水を添加して水中油型に分散することを特徴として
いる。
混練した混合樹脂に、塩基を含む水溶液を添加して該混
合樹脂中の残りの酸基の少なくとも一部を中和し、その
後に水を添加して水中油型に分散することを特徴として
いる。
【0008】本発明に従う第2の局面においては、熱硬
化性樹脂と、塩基を含む水溶液で少なくとも一部を中和
した酸基含有樹脂とを溶融混練することにより、熱硬化
性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基とをゲル化しない
程度に反応させ、水を添加して水中油型に分散すること
を特徴としている。
化性樹脂と、塩基を含む水溶液で少なくとも一部を中和
した酸基含有樹脂とを溶融混練することにより、熱硬化
性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基とをゲル化しない
程度に反応させ、水を添加して水中油型に分散すること
を特徴としている。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。熱硬化性樹脂 本発明において、「熱硬化性樹脂」は、硬化剤を添加し
加熱することにより硬化させることができる樹脂を意味
する。従って、硬化剤の官能基と反応し得る官能基を有
する樹脂であり、硬化剤を添加しない場合には加熱する
ことにより溶融させることができる樹脂である。また、
本発明で得られる熱硬化性樹脂の水性分散液を用いる場
合には、一般にこの水性分散液に硬化剤を添加して用い
る。しかしながら、用途によっては、硬化剤を添加せず
にそのまま用いてもよい。また、本発明において熱硬化
性樹脂に添加される酸基含有樹脂を硬化剤として用いて
もよい。すなわち、本発明における溶融混練による熱硬
化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基との反応を適度
な状態にとどめておき、水性分散液を調製した後にこの
反応をさらに進行させて熱硬化させてもよい。
加熱することにより硬化させることができる樹脂を意味
する。従って、硬化剤の官能基と反応し得る官能基を有
する樹脂であり、硬化剤を添加しない場合には加熱する
ことにより溶融させることができる樹脂である。また、
本発明で得られる熱硬化性樹脂の水性分散液を用いる場
合には、一般にこの水性分散液に硬化剤を添加して用い
る。しかしながら、用途によっては、硬化剤を添加せず
にそのまま用いてもよい。また、本発明において熱硬化
性樹脂に添加される酸基含有樹脂を硬化剤として用いて
もよい。すなわち、本発明における溶融混練による熱硬
化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基との反応を適度
な状態にとどめておき、水性分散液を調製した後にこの
反応をさらに進行させて熱硬化させてもよい。
【0010】本発明において用いられる熱硬化性樹脂
は、酸基と反応する官能基を1分子中に1個以上有する
熱硬化性樹脂であれば、特に限定されるものではない。
熱硬化性樹脂の種類としては、例えば、ポリオールアク
リル樹脂やポリエポキシアクリル樹脂などのアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタ
ンポリオール樹脂、ポリカーボネートポリオール樹脂、
ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂
などが挙げられる。
は、酸基と反応する官能基を1分子中に1個以上有する
熱硬化性樹脂であれば、特に限定されるものではない。
熱硬化性樹脂の種類としては、例えば、ポリオールアク
リル樹脂やポリエポキシアクリル樹脂などのアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタ
ンポリオール樹脂、ポリカーボネートポリオール樹脂、
ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂
などが挙げられる。
【0011】熱硬化性樹脂がアクリル樹脂やポリエステ
ル樹脂である場合、その数平均分子量は、特に限定され
るものではないが、一般には、1000〜50000が
例示できる。
ル樹脂である場合、その数平均分子量は、特に限定され
るものではないが、一般には、1000〜50000が
例示できる。
【0012】本発明において用いられる熱硬化性樹脂に
おける酸基と反応する官能基としては、例えば、水酸
基、エポキシ基等が挙げられる。水酸基を含有する樹脂
としては、例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂が挙げ
られる。このような水酸基含有ポリエステル樹脂には、
多価アルコールと2塩基酸を反応させたポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂に酸を反応させたポリエステル樹脂、
熱可塑性の高分子ポリエステル樹脂を多価アルコールと
エステル交換することにより水酸基を含有させたポリエ
ステル樹脂などが含まれる。また、エポキシ基を含有す
る熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げ
られ、具体的にはエピクロルヒドリン/BPA型エポキ
シ樹脂、エポキシフェノールノボラック樹脂、エポキシ
クレゾールノボラック樹脂、BPF型エポキシ樹脂、水
添BPA型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテ
ル、環状脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
おける酸基と反応する官能基としては、例えば、水酸
基、エポキシ基等が挙げられる。水酸基を含有する樹脂
としては、例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂が挙げ
られる。このような水酸基含有ポリエステル樹脂には、
多価アルコールと2塩基酸を反応させたポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂に酸を反応させたポリエステル樹脂、
熱可塑性の高分子ポリエステル樹脂を多価アルコールと
エステル交換することにより水酸基を含有させたポリエ
ステル樹脂などが含まれる。また、エポキシ基を含有す
る熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げ
られ、具体的にはエピクロルヒドリン/BPA型エポキ
シ樹脂、エポキシフェノールノボラック樹脂、エポキシ
クレゾールノボラック樹脂、BPF型エポキシ樹脂、水
添BPA型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテ
ル、環状脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0013】本発明において用いられる熱硬化性樹脂が
水酸基を有する場合の熱硬化性樹脂の水酸基価は、5〜
150KOHmg/gであることが好ましい。水酸基価
が低すぎると、酸基との反応性が低下するため良好な水
分散液が得られない。逆に水酸基価が高すぎると、酸基
との三次元架橋が起こりやすくなってトルクが上昇し、
良好な水分散液が得られない。
水酸基を有する場合の熱硬化性樹脂の水酸基価は、5〜
150KOHmg/gであることが好ましい。水酸基価
が低すぎると、酸基との反応性が低下するため良好な水
分散液が得られない。逆に水酸基価が高すぎると、酸基
との三次元架橋が起こりやすくなってトルクが上昇し、
良好な水分散液が得られない。
【0014】本発明において用いられる熱硬化性樹脂が
エポキシ基を有する場合の熱硬化性樹脂のエポキシ当量
(g/eq)は、140〜6000であることが好まし
い。エポキシ当量が低すぎると、酸基との三次元架橋が
起こりやすくなってトルクが上昇し、良好な水分散液が
得られない。逆に、エポキシ当量が高すぎると、酸基と
の反応性が低下するため良好な水分散液が得られない。
本発明において用いられる熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹
脂1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合し
て用いてもよい。
エポキシ基を有する場合の熱硬化性樹脂のエポキシ当量
(g/eq)は、140〜6000であることが好まし
い。エポキシ当量が低すぎると、酸基との三次元架橋が
起こりやすくなってトルクが上昇し、良好な水分散液が
得られない。逆に、エポキシ当量が高すぎると、酸基と
の反応性が低下するため良好な水分散液が得られない。
本発明において用いられる熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹
脂1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合し
て用いてもよい。
【0015】酸基含有樹脂 本発明において用いる酸基含有樹脂は、酸基を1分子中
に2個以上有する樹脂である。これは、酸基含有樹脂中
の酸基は、上記熱硬化性樹脂の官能基とゲル化しない程
度に反応し、また反応しなかった酸基の少なくとも一部
は、後述する塩基により中和され、親水性イオン基を形
成するために用いられるからである。しかしながら、酸
基を1分子中に1個有する酸基含有樹脂が、本発明の酸
基含有樹脂中に含有され併用されていてもよい。酸基含
有樹脂中の酸基の量は、熱硬化性樹脂と反応し、かつ中
和により水中で安定に分散できれば、特に限定されるも
のではないが、酸価として50KOHmg/g以上が好
ましく、さらに好ましくは、200〜600KOHmg
/gである。
に2個以上有する樹脂である。これは、酸基含有樹脂中
の酸基は、上記熱硬化性樹脂の官能基とゲル化しない程
度に反応し、また反応しなかった酸基の少なくとも一部
は、後述する塩基により中和され、親水性イオン基を形
成するために用いられるからである。しかしながら、酸
基を1分子中に1個有する酸基含有樹脂が、本発明の酸
基含有樹脂中に含有され併用されていてもよい。酸基含
有樹脂中の酸基の量は、熱硬化性樹脂と反応し、かつ中
和により水中で安定に分散できれば、特に限定されるも
のではないが、酸価として50KOHmg/g以上が好
ましく、さらに好ましくは、200〜600KOHmg
/gである。
【0016】本発明において酸基含有樹脂に含まれる酸
基は、ブレンシュテッド酸であれば特に限定されるもの
ではないが、例えば、カルボン酸基、ジカルボン酸の無
水物基、リン酸基、及びスルホン酸基等が挙げられる。
基は、ブレンシュテッド酸であれば特に限定されるもの
ではないが、例えば、カルボン酸基、ジカルボン酸の無
水物基、リン酸基、及びスルホン酸基等が挙げられる。
【0017】本発明において好ましい具体的な酸基含有
樹脂としては、アクリル酸やメタクリル酸を主成分とし
た(メタ)アクリル樹脂が挙げられ、特に、キシレン等
の溶剤中でメタクリル酸を主成分として分散重合で製造
したメタクリル樹脂が好ましく用いられる。酸基含有樹
脂が(メタ)アクリル樹脂である場合には、数平均分子
量として、一般には、1000〜50000が例示でき
る。
樹脂としては、アクリル酸やメタクリル酸を主成分とし
た(メタ)アクリル樹脂が挙げられ、特に、キシレン等
の溶剤中でメタクリル酸を主成分として分散重合で製造
したメタクリル樹脂が好ましく用いられる。酸基含有樹
脂が(メタ)アクリル樹脂である場合には、数平均分子
量として、一般には、1000〜50000が例示でき
る。
【0018】熱硬化性樹脂と酸基含有樹脂の溶融混練 本発明においては、上記のような熱硬化性樹脂と酸基含
有樹脂を溶融混練することにより、該熱硬化性樹脂の官
能基と酸基含有樹脂の酸基とを反応させる。この反応が
進みすぎると、ゲル化し、溶融混練が困難になる場合が
あるので、ゲル化しない程度に反応させることが必要で
ある。なお、このゲル化の程度は、使用する混練機のト
ルク能力等により異なるものであるので、本発明におけ
る「ゲル化しない程度」は、使用する混練機において混
練可能な程度にという意味である。また、トルクが上が
り混練機による混練が不可能になった場合でも、少量の
溶剤を添加することで混練を可能にすることができる。
この場合に加える溶剤の量はできるだけ少ないことが好
ましい。
有樹脂を溶融混練することにより、該熱硬化性樹脂の官
能基と酸基含有樹脂の酸基とを反応させる。この反応が
進みすぎると、ゲル化し、溶融混練が困難になる場合が
あるので、ゲル化しない程度に反応させることが必要で
ある。なお、このゲル化の程度は、使用する混練機のト
ルク能力等により異なるものであるので、本発明におけ
る「ゲル化しない程度」は、使用する混練機において混
練可能な程度にという意味である。また、トルクが上が
り混練機による混練が不可能になった場合でも、少量の
溶剤を添加することで混練を可能にすることができる。
この場合に加える溶剤の量はできるだけ少ないことが好
ましい。
【0019】本発明においては、このような溶融混練に
より、酸基含有樹脂の酸基と熱硬化性樹脂の官能基との
反応はゲル化しない程度に行われるので、酸基は残存し
ており、熱硬化性樹脂に酸基含有樹脂を介して酸基が導
入される。この酸基は、塩基により中和され、熱硬化性
樹脂を水中に安定に分散させるための親水性イオン基と
なる。
より、酸基含有樹脂の酸基と熱硬化性樹脂の官能基との
反応はゲル化しない程度に行われるので、酸基は残存し
ており、熱硬化性樹脂に酸基含有樹脂を介して酸基が導
入される。この酸基は、塩基により中和され、熱硬化性
樹脂を水中に安定に分散させるための親水性イオン基と
なる。
【0020】溶融混練のための混練機は、特に限定され
るものではなく、通常の樹脂の溶融混練に用いることが
できる、ニーダー等のバッチ式混練機や、単軸または二
軸押出機等の連続式混練機などを用いることができる。
るものではなく、通常の樹脂の溶融混練に用いることが
できる、ニーダー等のバッチ式混練機や、単軸または二
軸押出機等の連続式混練機などを用いることができる。
【0021】溶融混練の温度は、使用する熱硬化性樹脂
及び酸基含有樹脂を溶融混練し、熱硬化性樹脂の官能基
と酸基含有樹脂の酸基を反応させることができる温度で
あればよく、一般には、熱硬化性樹脂及び酸基含有樹脂
の軟化点または溶融温度以上の温度で溶融混練が行われ
る。
及び酸基含有樹脂を溶融混練し、熱硬化性樹脂の官能基
と酸基含有樹脂の酸基を反応させることができる温度で
あればよく、一般には、熱硬化性樹脂及び酸基含有樹脂
の軟化点または溶融温度以上の温度で溶融混練が行われ
る。
【0022】また、溶融混練の温度及び時間は、上述の
ように、熱硬化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基が
適度に反応し得る温度及び時間が選択される。また溶融
混練の際の雰囲気は、一般には大気中で行うことができ
るが、必要に応じて不活性ガスの存在下や加圧状態など
の特定の雰囲気中で行ってもよい。
ように、熱硬化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基が
適度に反応し得る温度及び時間が選択される。また溶融
混練の際の雰囲気は、一般には大気中で行うことができ
るが、必要に応じて不活性ガスの存在下や加圧状態など
の特定の雰囲気中で行ってもよい。
【0023】塩基の添加及び水の添加 本発明においては、熱硬化性樹脂と酸基含有樹脂を溶融
混練した混合樹脂中のあるいは溶融混練前の酸基含有樹
脂中の酸基の少なくとも一部を中和するため、塩基が添
加される。添加された塩基により、酸基が中和され、水
性分散液中において熱硬化性樹脂を安定に分散させるた
めの親水性イオン基が形成される。
混練した混合樹脂中のあるいは溶融混練前の酸基含有樹
脂中の酸基の少なくとも一部を中和するため、塩基が添
加される。添加された塩基により、酸基が中和され、水
性分散液中において熱硬化性樹脂を安定に分散させるた
めの親水性イオン基が形成される。
【0024】添加する塩基としては、酸基を中和するも
のであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属
などの無機塩基や、有機アミンなどの有機塩基を用いる
ことができるが、好ましくは有機アミン類が用いられ
る。有機アミン類としては、アンモニア、メチルアミ
ン、エチルアミンなどの1級アミン、ジメチルアミン、
ジエチルアミン、ジエタノールアミン、モノメチルエタ
ノールアミン、モルホリンなどの2級アミン、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、
ジメチルエタノールアミン等の3級アミンを挙げること
ができる。
のであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属
などの無機塩基や、有機アミンなどの有機塩基を用いる
ことができるが、好ましくは有機アミン類が用いられ
る。有機アミン類としては、アンモニア、メチルアミ
ン、エチルアミンなどの1級アミン、ジメチルアミン、
ジエチルアミン、ジエタノールアミン、モノメチルエタ
ノールアミン、モルホリンなどの2級アミン、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、
ジメチルエタノールアミン等の3級アミンを挙げること
ができる。
【0025】塩基の添加は、熱硬化性樹脂と酸基含有樹
脂の溶融混練の際に添加してもよいし、溶融混練後に添
加してもよい。しかしながら、塩基は、一般に水溶液の
形態で添加されるので、溶融混練の温度が例えば常圧で
100℃以上の場合には、溶融混練の際に塩基を添加す
ることが好ましくない場合がある。従って、このような
場合、溶融混練後の混合樹脂を冷却した後添加される。
脂の溶融混練の際に添加してもよいし、溶融混練後に添
加してもよい。しかしながら、塩基は、一般に水溶液の
形態で添加されるので、溶融混練の温度が例えば常圧で
100℃以上の場合には、溶融混練の際に塩基を添加す
ることが好ましくない場合がある。従って、このような
場合、溶融混練後の混合樹脂を冷却した後添加される。
【0026】本発明に従う第1の局面においては、溶融
混練後に塩基が添加される。すなわち、溶融混練した混
合樹脂を冷却した後、塩基を含む水溶液を添加して該混
合樹脂中の残りの酸基の少なくとも一部を中和し、その
後に水を添加して水中油型に分散する。
混練後に塩基が添加される。すなわち、溶融混練した混
合樹脂を冷却した後、塩基を含む水溶液を添加して該混
合樹脂中の残りの酸基の少なくとも一部を中和し、その
後に水を添加して水中油型に分散する。
【0027】上記の溶融混練を押出混練機で行う場合、
押出混練機に塩基を含む水溶液の導入口を設け、押出混
練機内で塩基を含む水溶液を添加してもよい。さらに
は、水を添加する導入口を設け、塩基を含む水溶液を添
加した後に水を添加し、押出機内で水中油型に分散さ
せ、押出機の先端からエマルジョンの形で取り出すこと
ができるようにしてもよい。
押出混練機に塩基を含む水溶液の導入口を設け、押出混
練機内で塩基を含む水溶液を添加してもよい。さらに
は、水を添加する導入口を設け、塩基を含む水溶液を添
加した後に水を添加し、押出機内で水中油型に分散さ
せ、押出機の先端からエマルジョンの形で取り出すこと
ができるようにしてもよい。
【0028】また、上述のように、溶融混練の際に塩基
を添加してもよい。このような場合、溶融混練の途中で
塩基を添加してもよいし、溶融混練前に予め熱硬化性樹
脂及び酸基含有樹脂の少なくともいずれか一方に(好ま
しくは酸基含有樹脂に)塩基を添加しておいてもよい。
溶融混練の際に塩基が存在しているので、塩基の触媒効
果により、熱硬化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基
との反応を促進させることが可能である。
を添加してもよい。このような場合、溶融混練の途中で
塩基を添加してもよいし、溶融混練前に予め熱硬化性樹
脂及び酸基含有樹脂の少なくともいずれか一方に(好ま
しくは酸基含有樹脂に)塩基を添加しておいてもよい。
溶融混練の際に塩基が存在しているので、塩基の触媒効
果により、熱硬化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基
との反応を促進させることが可能である。
【0029】本発明に従う第2の局面においては、塩基
を含む水溶液で酸基含有樹脂中の少なくとも一部の酸基
を中和し、熱硬化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基
とを反応させると共に溶融混練し、水を添加して水中油
型に分散する。このような溶融混練を押出混練機で行う
場合、押出混練機の先端部近傍に水を添加する導入口を
設け、押出機内で水中油型の水性分散液に分散させ、押
出機の先端からエマルジョンの形で取り出すことができ
るようにしてもよい。
を含む水溶液で酸基含有樹脂中の少なくとも一部の酸基
を中和し、熱硬化性樹脂の官能基と酸基含有樹脂の酸基
とを反応させると共に溶融混練し、水を添加して水中油
型に分散する。このような溶融混練を押出混練機で行う
場合、押出混練機の先端部近傍に水を添加する導入口を
設け、押出機内で水中油型の水性分散液に分散させ、押
出機の先端からエマルジョンの形で取り出すことができ
るようにしてもよい。
【0030】また、上述のように、溶融混練の途中で塩
基を添加してもよい。このような溶融混練を押出混練機
で行う場合、押出混練機の押出混練の部分に塩基を含む
水溶液の導入口を設け、押出混練機内で塩基を含む水溶
液を添加してもよい。さらには、上記と同様に押出機の
先端部近傍に水を添加する導入口を設け、押出機の先端
からエマルジョンの形で取り出すことができるようにし
てもよい。
基を添加してもよい。このような溶融混練を押出混練機
で行う場合、押出混練機の押出混練の部分に塩基を含む
水溶液の導入口を設け、押出混練機内で塩基を含む水溶
液を添加してもよい。さらには、上記と同様に押出機の
先端部近傍に水を添加する導入口を設け、押出機の先端
からエマルジョンの形で取り出すことができるようにし
てもよい。
【0031】水性分散液 本発明の熱硬化性樹脂の水性分散液は、上記本発明の製
造方法により得られる熱硬化性樹脂の水性分散液であ
る。本発明の熱硬化性樹脂の水性分散液は、上述のよう
に、硬化剤を添加することにより、熱硬化性を発揮する
ものであるので、使用に際しては、必要に応じて硬化剤
を添加して用いる。このような硬化剤としては、例え
ば、水溶性のメラミン樹脂やエポキシ樹脂等を用いるこ
とができる。また、用途によっては、硬化剤を添加せず
にそのまま用いることもできる。
造方法により得られる熱硬化性樹脂の水性分散液であ
る。本発明の熱硬化性樹脂の水性分散液は、上述のよう
に、硬化剤を添加することにより、熱硬化性を発揮する
ものであるので、使用に際しては、必要に応じて硬化剤
を添加して用いる。このような硬化剤としては、例え
ば、水溶性のメラミン樹脂やエポキシ樹脂等を用いるこ
とができる。また、用途によっては、硬化剤を添加せず
にそのまま用いることもできる。
【0032】本発明の水性分散液における熱硬化性樹脂
は、上述のように、熱硬化性樹脂に酸基含有樹脂を添加
し溶融混練して得られるものである。熱硬化性樹脂に対
する酸基含有樹脂の添加量は、それぞれの樹脂における
官能基及び酸基の種類や含有量あるいは水性分散液の用
途等により適宜定められるものであるが、一般的には、
熱硬化性樹脂100重量部に対し酸基含有樹脂1〜20
0重量部程度が添加され、より限定的には、熱硬化性樹
脂100重量部に対し、酸基含有樹脂5〜50重量部程
度が添加される。
は、上述のように、熱硬化性樹脂に酸基含有樹脂を添加
し溶融混練して得られるものである。熱硬化性樹脂に対
する酸基含有樹脂の添加量は、それぞれの樹脂における
官能基及び酸基の種類や含有量あるいは水性分散液の用
途等により適宜定められるものであるが、一般的には、
熱硬化性樹脂100重量部に対し酸基含有樹脂1〜20
0重量部程度が添加され、より限定的には、熱硬化性樹
脂100重量部に対し、酸基含有樹脂5〜50重量部程
度が添加される。
【0033】
【発明の実施の形態】製造例1(酸基含有樹脂の調製) 攪拌機、温度計、滴下ロート付きの1リットルの4口フ
ラスコに、キシレン525gを仕込み、温度を130℃
に昇温させた後、窒素雰囲気下でメタクリル酸200
g、スチレン50g、t−ブチルパーオキシ2−エチル
ヘキサノエート7.5gの混合液を2時間で滴下し、メ
タクリル酸を主成分とする樹脂を分散重合で得た。得ら
れた粉体樹脂を沈降させ、沈降物を取り出し、キシレン
を蒸発させ、酸基含有樹脂を粉体として取り出した。
ラスコに、キシレン525gを仕込み、温度を130℃
に昇温させた後、窒素雰囲気下でメタクリル酸200
g、スチレン50g、t−ブチルパーオキシ2−エチル
ヘキサノエート7.5gの混合液を2時間で滴下し、メ
タクリル酸を主成分とする樹脂を分散重合で得た。得ら
れた粉体樹脂を沈降させ、沈降物を取り出し、キシレン
を蒸発させ、酸基含有樹脂を粉体として取り出した。
【0034】製造例2(酸基含有樹脂の調製) 上記製造例1における混合液を、メタクリル酸185
g、スチレン50g、無水マレイン酸15g、t−ブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサノエート7.5gの混合
液に変更した以外は、上記製造例1と同様にして分散重
合によりメタクリル酸を主成分とする樹脂を製造し、酸
基含有樹脂を粉体として取り出した。
g、スチレン50g、無水マレイン酸15g、t−ブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサノエート7.5gの混合
液に変更した以外は、上記製造例1と同様にして分散重
合によりメタクリル酸を主成分とする樹脂を製造し、酸
基含有樹脂を粉体として取り出した。
【0035】実施例1 東洋精機製作所製の混練機(ラボプラストミルR60ミ
キサ)に、水酸基価30KOHmg/g、酸価9KOH
mg/g、軟化点110℃のポリエステル樹脂32g
と、上記製造例1の酸基含有樹脂の粉体8gを加え、2
20℃で15分間溶融混練し反応させた。100℃に冷
却後、ジメチルエタノールアミン6.6g、水13gの
混合液を徐々に添加し、さらに水40gを加えて、水性
分散液(エマルジョン)を調製した。得られたエマルジ
ョンの加熱残分は39.4重量%であった。また累積平
均径(50%径)は、0.42μmであり、安定した水
性分散液であった。
キサ)に、水酸基価30KOHmg/g、酸価9KOH
mg/g、軟化点110℃のポリエステル樹脂32g
と、上記製造例1の酸基含有樹脂の粉体8gを加え、2
20℃で15分間溶融混練し反応させた。100℃に冷
却後、ジメチルエタノールアミン6.6g、水13gの
混合液を徐々に添加し、さらに水40gを加えて、水性
分散液(エマルジョン)を調製した。得られたエマルジ
ョンの加熱残分は39.4重量%であった。また累積平
均径(50%径)は、0.42μmであり、安定した水
性分散液であった。
【0036】実施例2 実施例1において、酸基含有樹脂を製造例1のものから
製造例2のものに変更した以外は、実施例1と同様にし
てエマルジョンを調製した。得られたエマルジョンの加
熱残分は、39.8重量%であった。また、累積平均径
(50%径)は0.4μmであり、安定した水性分散液
であった。
製造例2のものに変更した以外は、実施例1と同様にし
てエマルジョンを調製した。得られたエマルジョンの加
熱残分は、39.8重量%であった。また、累積平均径
(50%径)は0.4μmであり、安定した水性分散液
であった。
【0037】実施例3 東洋精機製作所製の混練機(ラボプラストミルR60ミ
キサ)に、熱可塑性ポリエステルポリマー(PET:ポ
リエチレンテレフタレート)20gとトリメチロールプ
ロパン7gを加えて250℃で90分間混練反応させ、
エステル交換反応により水酸基を含有した熱可塑性ポリ
エステルポリマーを調製した。これに上記製造例2の酸
基含有樹脂の粉体を6.75g加え、さらに220℃で
15分間溶融混練して反応させた。100℃に冷却後、
ジメチルエタノールアミン3gと水7gの混合液を徐々
に添加し、さらに水を125g加えてエマルジョンを調
製した。得られたエマルジョンの加熱残分は19.6重
量%であった。また累計平均径(50%径)は1.4μ
mであり、安定した水性分散液であった。
キサ)に、熱可塑性ポリエステルポリマー(PET:ポ
リエチレンテレフタレート)20gとトリメチロールプ
ロパン7gを加えて250℃で90分間混練反応させ、
エステル交換反応により水酸基を含有した熱可塑性ポリ
エステルポリマーを調製した。これに上記製造例2の酸
基含有樹脂の粉体を6.75g加え、さらに220℃で
15分間溶融混練して反応させた。100℃に冷却後、
ジメチルエタノールアミン3gと水7gの混合液を徐々
に添加し、さらに水を125g加えてエマルジョンを調
製した。得られたエマルジョンの加熱残分は19.6重
量%であった。また累計平均径(50%径)は1.4μ
mであり、安定した水性分散液であった。
【0038】実施例4 東洋精機製作所製の混練機(ラボプラストミルR60ミ
キサ)に、エポキシ樹脂(商品名「エピコート100
7」、油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量2000
g/eq、軟化点128℃)24gと、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル3gを加えて150℃に昇温
し5分間溶融混合した。これを100℃に冷却した後、
水10gとジメチルエタノールアミン2gに製造例1の
酸基含有樹脂の粉体6gを溶解した液を加えて、90℃
から100℃で30分間混練した。さらに水55gを加
えて、エマルジョンを調製した。得られたエマルジョン
の加熱残分は30.6重量%であった。また、累計平均
径(50%径)は、0.9μmであり、安定した水性分
散液であった。
キサ)に、エポキシ樹脂(商品名「エピコート100
7」、油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量2000
g/eq、軟化点128℃)24gと、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル3gを加えて150℃に昇温
し5分間溶融混合した。これを100℃に冷却した後、
水10gとジメチルエタノールアミン2gに製造例1の
酸基含有樹脂の粉体6gを溶解した液を加えて、90℃
から100℃で30分間混練した。さらに水55gを加
えて、エマルジョンを調製した。得られたエマルジョン
の加熱残分は30.6重量%であった。また、累計平均
径(50%径)は、0.9μmであり、安定した水性分
散液であった。
【0039】比較例1 実施例1において、ポリエステル樹脂と製造例1の酸基
含有樹脂の溶融混練を120℃で15分間行う以外は、
上記実施例1と同様にしてジメチルエタノールアミンと
水の混合液を添加し、さらに水を40g加えた。しかし
ながら、水が分離し、エマルジョンとして調製すること
はできなかった。
含有樹脂の溶融混練を120℃で15分間行う以外は、
上記実施例1と同様にしてジメチルエタノールアミンと
水の混合液を添加し、さらに水を40g加えた。しかし
ながら、水が分離し、エマルジョンとして調製すること
はできなかった。
【0040】以上のように、本発明に従う実施例1〜3
においては、有機溶剤を用いることなく、また、実施例
4においても、ごく少量の有機溶剤の添加で、安定した
水性分散液を調製することができた。
においては、有機溶剤を用いることなく、また、実施例
4においても、ごく少量の有機溶剤の添加で、安定した
水性分散液を調製することができた。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、最小限の有機溶剤使用
量で、効率的に熱硬化性樹脂の水性分散液を製造するこ
とができる。
量で、効率的に熱硬化性樹脂の水性分散液を製造するこ
とができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 酸基と反応する官能基を1分子中に1個
以上有する熱硬化性樹脂と、酸基を1分子中に2個以上
有する酸基含有樹脂とを溶融混練することにより、ゲル
化しない程度に前記熱硬化性樹脂の官能基と前記酸基含
有樹脂の酸基とを反応させ、溶融混練の際及び/または
溶融混練後に塩基を添加して混合樹脂中の残りの酸基の
少なくとも一部を中和した後、該混合樹脂を水に分散さ
せることを特徴とする熱硬化性樹脂の水性分散液の製造
方法。 - 【請求項2】 前記溶融混練した混合樹脂に、塩基を含
む水溶液を添加して該混合樹脂中の残りの酸基の少なく
とも一部を中和し、その後に水を添加して水中油型に分
散することを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂
の水性分散液の製造方法。 - 【請求項3】 前記熱硬化性樹脂と、塩基を含む水溶液
で少なくとも一部を中和した前記酸基含有樹脂とを溶融
混練することにより、前記熱硬化性樹脂の官能基と前記
酸基含有樹脂の酸基とをゲル化しない程度に反応させ、
水を添加して水中油型に分散することを特徴とする請求
項1に記載の熱硬化性樹脂の水性分散液の製造方法。 - 【請求項4】 前記熱硬化性樹脂の官能基が、水酸基ま
たはエポキシ基であることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂の水性分散液の製造
方法。 - 【請求項5】 前記熱硬化性樹脂の水酸基価が5〜15
0KOHmg/g、またはエポキシ当量(g/eq)が
140〜6000であることを特徴とする請求項4に記
載の熱硬化性樹脂の水性分散液の製造方法。 - 【請求項6】 前記酸基含有樹脂の酸価が50KOHm
g/g以上であることを特徴とする請求項1〜5のいず
れか1項に記載の熱硬化性樹脂の水性分散液の製造方
法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製
造方法により得られる熱硬化性樹脂の水性分散液。 - 【請求項8】 前記熱硬化性樹脂100重量部に対し、
前記酸基含有樹脂1〜200重量部を溶融混練させたこ
とを特徴とする請求項7に記載の熱硬化性樹脂の水性分
散液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11870098A JPH11310639A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 熱硬化性樹脂の水性分散液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11870098A JPH11310639A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 熱硬化性樹脂の水性分散液の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11310639A true JPH11310639A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=14742989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11870098A Pending JPH11310639A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 熱硬化性樹脂の水性分散液の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11310639A (ja) |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP11870098A patent/JPH11310639A/ja active Pending
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