JPH09324110A - 硬化性エポキシ樹脂組成物及び接着剤 - Google Patents

硬化性エポキシ樹脂組成物及び接着剤

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JPH09324110A
JPH09324110A JP14437596A JP14437596A JPH09324110A JP H09324110 A JPH09324110 A JP H09324110A JP 14437596 A JP14437596 A JP 14437596A JP 14437596 A JP14437596 A JP 14437596A JP H09324110 A JPH09324110 A JP H09324110A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐衝撃特性を有するエポキシ樹脂硬化
体を与え得る硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 硬化性エポキシ樹脂に対して、エチレン
オキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体を添加
せしめることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物を構成
し、該硬化性エポキシ樹脂の硬化によって、該エチレン
オキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体の微小
粒子が均一に分散した、海島構造のエポキシ樹脂硬化体
を与えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、硬化性エポキシ樹脂組成物及び
接着剤に係り、特に高い耐衝撃性を有するエポキシ樹脂
硬化体を与える硬化性エポキシ樹脂組成物及びそれを主
剤とする接着剤に関するものである。
【0002】
【背景技術】一般に、エポキシ樹脂は、曲げ強度や圧縮
強度等の機械的特性や、耐熱性、接着性において優れて
いるのみならず、誘電特性、体積抵抗率、絶縁破壊強度
の如き電気特性等の多くの特性においても優れているこ
とが、知られている。そのため、従来から、エポキシ樹
脂は、塗料、絶縁材料や、各種複合材料はもとより、接
着剤としても、広く用いられている。しかしながら、エ
ポキシ樹脂は、曲げ強度や圧縮強度が大きいのに対し
て、はく離強度や衝撃強度が小さいために、建築分野等
の高い耐衝撃特性を必要とする用途には適用し難いとい
う問題を有していた。従って、エポキシ樹脂を建築分野
において用いるためには、エポキシ樹脂の耐衝撃性を高
めて、脆性を低くすることが必要であったのである。
【0003】そこで、従来から、エポキシ樹脂の耐衝撃
特性を向上させるために、様々な手法が検討されて来て
おり、例えば、硬化性エポキシ樹脂組成物に対して、末
端にアミノ基やカルボニル基を有する反応性の液状ニト
リルゴム(ATBN、CTBN)を添加することによ
り、得られるエポキシ樹脂硬化体の耐衝撃特性を向上せ
しめる方法も、その一つである。しかし、この方法で
は、前記液状ニトリルゴムを硬化性エポキシ樹脂組成物
に均一に分散させて、硬化させることが、困難となる。
【0004】また、所定の相溶化剤を用いて、硬化前の
エポキシ樹脂組成物に対して、シリコーンゴムや末端反
応性シリコーンオリゴマーをミクロ分散させることによ
り、得られるエポキシ樹脂硬化体の耐衝撃特性の向上
や、接着剤に用いられる際の耐はく離強度の向上を図る
方法もあるが、この方法では、得られるエポキシ樹脂硬
化体を均一なものとするために、エポキシ樹脂組成物を
硬化させる前から、相溶化剤によって、シリコーンゴム
や末端反応性シリコーンオリゴマーがミクロ分散せしめ
られている必要があり、またそのために、その添加方法
及び製造方法が困難であるという問題を有している。
【0005】さらに、硬化性エポキシ樹脂組成物に、硬
化可能なシリコーンゴムとカーボンファンクショナルシ
ランを添加して混合し、それらをエポキシ樹脂と同時に
硬化させることによって、得られるエポキシ樹脂硬化物
の耐衝撃特性を向上せしめる方法も明らかにされてい
る。しかしながら、この方法にあっては、前記硬化性エ
ポキシ樹脂組成物とシリコーンゴムとの相溶性が悪いと
ころから、シリコーンゴムが徐々に分離して、浮上する
ために、得られるエポキシ樹脂硬化体の均一性には限界
があったのである。
【0006】このように、エポキシ樹脂硬化体の耐衝撃
特性を向上せしめるために、従来から、様々な手法によ
って、硬化性エポキシ樹脂組成物を改良することが試行
されているものの、何れの方法にしても未だ充分ではな
く、それ故に、高い耐衝撃性が必要とされる分野にも適
用し得るような硬化性エポキシ樹脂組成物の開発が切望
されているのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述したような
事情を背景として為されたものであって、その解決課題
とするところは、優れた耐衝撃性を有するエポキシ樹脂
硬化体を与え得る硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する
ことにあり、また、そのような硬化性エポキシ樹脂を主
剤とした接着剤を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明は、硬化性エポキシ樹脂に対して、エチレンオキシ
ド−プロピレンオキシドブロック共重合体を添加せしめ
てなり、該硬化性エポキシ樹脂の硬化によって、該エチ
レンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体の
微小粒子が均一に分散した、海島構造のエポキシ樹脂硬
化体を与える硬化性エポキシ樹脂組成物を、その要旨と
するものである。
【0009】要するに、このような本発明に従う硬化性
エポキシ樹脂組成物にあっては、添加されているエチレ
ンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体が硬
化性エポキシ樹脂に相溶しており、透明で、均一な液体
とされているのである。そして、これを硬化せしめる
と、硬化性エポキシ樹脂と相溶することによって組成物
内に均一に分布せしめられている前記エチレンオキシド
−プロピレンオキシドブロック共重合体が、硬化性エポ
キシ樹脂から分離して、微小粒子となり、硬化性エポキ
シ樹脂に均一に分散することとなる。そして、その状態
で、硬化性エポキシ樹脂が完全に硬化せしめられると、
エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重合
体が微小粒子の状態で均一に分散、分布した、エポキシ
樹脂硬化体が得られることとなる。
【0010】従って、このようなエポキシ樹脂硬化体に
あっては、その内部において、エチレンオキシド−プロ
ピレンオキシドブロック共重合体の微小粒子が均一に分
散されているところから、外部から力が作用しても、か
かる微小粒子がその力を緩衝することによって、耐衝撃
特性が発揮され、以てより大きい力を作用させても、耐
え得ることとなるのであり、その結果、エポキシ樹脂硬
化体の耐衝撃特性が有利に向上せしめられ、そしてその
脆性が効果的に低く為され得るのである。
【0011】なお、本発明に従う硬化性エポキシ樹脂組
成物の好ましい態様によれば、前記エチレンオキシド−
プロピレンオキシドブロック共重合体は、前記硬化性エ
ポキシ樹脂の100重量部に対して5〜40重量部の割
合において添加せしめられ、そのような添加割合とされ
ることによって、硬化して得られるエポキシ樹脂硬化体
において、前記エチレンオキシド−プロピレンオキシド
ブロック共重合体の微小粒子が、より一層効果的に分散
せしめられて、耐衝撃特性の有利な改善が達成され得る
のである。
【0012】また、本発明は、前記硬化性エポキシ樹脂
組成物を主剤とする接着剤をも、その要旨とするもので
ある。即ち、そのような本発明に従う接着剤にあって
は、上記の如き優れた特性を有する硬化性エポキシ樹脂
組成物が主剤として用いられているところから、この接
着剤を硬化させて得られる硬化物には、エチレンオキシ
ド−プロピレンオキシドブロック共重合体の微小粒子が
均一に分散せしめられることとなり、以て優れた耐衝撃
特性が発揮され得ることとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】ところで、本発明に従う硬化性エ
ポキシ樹脂組成物は、前述せる如く、所定の硬化性エポ
キシ樹脂に対してエチレンオキシド−プロピレンオキシ
ドブロック共重合体(以下、EO・POブロック共重合
体という)が添加せしめられてなるものであって、その
うち、硬化性エポキシ樹脂としては、よく知られている
ように硬化剤等で硬化させることが出来るものであれ
ば、従来から公知の如何なるものも採用され得るが、前
記EO・POブロック共重合体と均一に混合させるため
には、液状であるものが、特に望ましい。
【0014】なお、そのような硬化性エポキシ樹脂の具
体例としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
AD型エポキシ樹脂又はその水添加物等のグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂や、ヘキサヒドロ無水フタル酸型
エポキシ樹脂、テトラヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹
脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸型
等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂や、テトラグリ
シジルジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,
N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、ヒダ
ントイン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ
樹脂、アニリン型エポキシ樹脂、トルイジン型エポキシ
樹脂等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂や、脂環型エ
ポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、又はそ
れらのハロゲン化物等を挙げることが出来、それらは単
独で用いられても、複数が組合わされたものが用いられ
ても、何等差支えない。
【0015】また、本発明に従う硬化性エポキシ樹脂組
成物には、それを硬化させて得られるエポキシ樹脂硬化
体の耐衝撃特性を向上させる目的で、EO・POブロッ
ク共重合体が添加されているが、そのようなEO・PO
ブロック共重合体には、従来から公知のものが適宜に選
択使用され得る。より詳細には、かかるEO・POブロ
ック共重合体は、一般に、化学式(EO)n −(PO)
m −(EO)n 〔但し、EOはエチレンオキシドを表わ
し、POはプロピレンオキシドを表わし、m及びnは任
意の正の整数を表わす〕で表わされ、通常、m=10〜
60程度であり、−(PO)m −構造部分の式量は、9
00〜4000程度である。またn=1〜40程度であ
り、−(EO)n 構造部分の式量の和の総分子量に対す
る割合は、重量基準で10%〜80%程度である。な
お、EO・POブロック共重合体は、単独で用いられて
も、複数を組み合わせたものが用いられても、何等差し
支えない。
【0016】そして、前記硬化性エポキシ樹脂に対し
て、上記のEO・POブロック共重合体を添加すると、
それら二つの成分は互いに相溶して、透明で均一な組成
物である本発明に従う硬化性エポキシ樹脂組成物を与え
るのである。なお、このEO・POブロック共重合体の
添加量は、目的に応じて適宜に決定されることとなる
が、一般に、硬化性エポキシ樹脂:100重量部に対し
て5〜40重量部、好ましくは15〜30重量部とされ
る。けだし、かかる添加量が5重量部よりも少ない場合
には、EO・POブロック共重合体を添加することによ
って発揮される作用、即ち耐衝撃特性の向上作用が充分
に得られ難くなるからであり、また、かかる添加量が4
0重量部よりも多い場合には、EO・POブロック共重
合体が硬化性エポキシ樹脂から相分離する際に、微小粒
子を形成し難く、その結果、このEO・POブロック共
重合体が、エポキシ樹脂硬化体において均一に分散し難
くなり、好ましくないからである。
【0017】このように、本発明に従う硬化性エポキシ
樹脂組成物は、前記硬化性エポキシ樹脂に対して、EO
・POブロック共重合体を添加、混合せしめることによ
り、容易に得られるものであるが、それを硬化して、E
O・POブロック共重合体の微小粒子が均一に分散せし
められたエポキシ樹脂硬化体とされることによって、初
めて、その優れた耐衝撃特性を発揮し得るようになる。
【0018】そして、そのような硬化性エポキシ樹脂組
成物の硬化には、通常、従来から公知の各種の硬化剤が
用いられ得、その特性に応じて、硬化性エポキシ樹脂組
成物に、用時に混合されたり、或いは予め混合されたり
して、用いられるのである。そのような硬化剤の具体例
としては、未変性又は変性ポリアミン類、酸無水物、ノ
ボラック型フェノール樹脂の如きポリフェノール類、ポ
リメルカプタン類等の重付加型硬化剤や、三級アミン
類、イミダゾール類、ルイス酸、ブレンステッド酸塩等
の触媒型硬化剤、或いはフェノール樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂等の縮合型硬化剤を挙げることが出来、単独
で用いられても、それらを組合わせたものが用いられて
も、何等差支えないのである。
【0019】なお、本発明に従う硬化性エポキシ樹脂組
成物には、上記各成分の他にも、従来から公知の各種の
添加成分を加えることも可能である。例えば、得られる
硬化体の分子量を調節する成分として、モノエポキシ化
合物を併用しても何等差支えない。このモノエポキシ化
合物は、エポキシ基を一つしか有しておらず、そのた
め、それがエポキシ樹脂と反応することによって、それ
以上、硬化(重合)反応が進行し得なくなるところか
ら、適当な分子量のエポキシ樹脂硬化体が得られるので
ある。そして、そのようなモノエポキシ化合物の具体例
としては、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、シ
クロヘキセンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エ
チルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、オクチレングリシジル
エーテル、ドデセンオキシド等を挙げることが出来、そ
れらは、単独で用いられても、それらを組合わせたもの
が用いられても何等差支えない。
【0020】また、硬化性エポキシ樹脂の硬化反応を促
進する成分として、各種の硬化促進剤が用いられ得、そ
のような硬化促進剤の具体例としては、例えば、三級ア
ミン系誘導体、イミダゾール系誘導体、ホスフィン系誘
導体、シクロアミジン誘導体等を挙げることが出来るの
である。
【0021】さらに、目的とするエポキシ樹脂硬化体の
用途に応じて、充填剤、可撓性付与剤等の機能付与成分
や、粘度希釈剤、離型剤、溶剤等の作業性・成形性付与
成分、或いは顔料、染料等の成分も、適宜に添加される
こととなる。
【0022】そして、かくの如き本発明に従う硬化性エ
ポキシ樹脂組成物は、それを硬化させて得られるエポキ
シ樹脂硬化体が、従来のものに比して優れた耐衝撃性を
発揮するものであるところから、それによって、以前か
ら用いられる用途だけでなく、高い耐衝撃性が必要とさ
れる用途、例えば構造材の接着剤等として、有利に用い
られ得るのである。なお、本発明に従う硬化性エポキシ
樹脂組成物を、接着剤とするには、それを主剤として、
かかる主剤に対して硬化剤、硬化促進剤、その他、通
常、エポキシ樹脂接着剤に添加される各種の添加成分を
適宜に選択して、配合すればよいのである。但し、前記
硬化剤や硬化促進剤は、その特性に応じて、用時に混合
されたり、或いは予め混合されたりする。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の幾つかの実施例を示すこととするが、
本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0024】先ず、硬化性エポキシ樹脂としてのビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(Epikote 828 ;油化シェル
エポキシ株式会社製)と、EO・POブロック共重合体
(EOPO L101;旭電化株式会社製)とを用意し
た。なお、本実施例で用いられるEO・POブロック共
重合体は、そのポリプロピレンオキシド構造部分の分子
量が3250であり、総分子量に対するポリエチレンオ
キシド構造部分の分子量が、重量基準で10%であるも
のである。その後、これら用意された硬化性エポキシ樹
脂とEO・POブロック共重合体とを、該硬化性エポキ
シ樹脂の100重量部に対して、該EO・POブロック
共重合体が5重量部、10重量部、20重量部の割合と
なるように、室温の条件下において混合せしめた。そし
て、かかるEO・POブロック共重合体を硬化性エポキ
シ樹脂に完全に溶解せしめて、無色透明の粘稠な液体か
らなる本発明例の硬化性エポキシ樹脂組成物を調製し
た。
【0025】次いで、上記で得られた各種の硬化性エポ
キシ樹脂組成物に対して、硬化剤として、それぞれ、当
量のビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンを添加せ
しめ、撹拌にて均一な組成物とした。そして、この撹拌
の後、得られた混合物を脱泡してから、鋳型に流し込
み、90℃で、1.5時間、加温、硬化せしめた。そう
すると、加温、硬化する過程において、相分離、即ちE
O・POブロック共重合体の硬化性エポキシ樹脂からの
分離が惹起され、EO・POブロック共重合体が、サブ
ミクロンオーダーの微小粒子として、硬化性エポキシ樹
脂の内部で分散した状態となり、更にその状態で、硬化
反応が進行することにより、目的とする乳白色のエポキ
シ樹脂硬化体が得られた。また、比較例として、硬化性
エポキシ樹脂のみからなる硬化性エポキシ樹脂組成物を
調製し、上記と同様にして、エポキシ樹脂硬化体を得
た。
【0026】そして、上記で得られた各エポキシ樹脂硬
化体について、それぞれ衝撃試験を行ない、耐衝撃特性
を調べた。なお、衝撃試験は、JIS K7110に規
定されるアイゾット衝撃試験法に従って実施した。より
詳細には、各エポキシ樹脂硬化体から、12.7mm×
12.7mm×63.6mmの大きさとなるように、試
験片をそれぞれ切り出し、それを、165℃の温度、1
時間の条件で熱処理することにより後硬化させ、更に研
磨することにより、残留応力の緩和を行なった。そし
て、この得られた試験片の長手方向に延びる一つの面の
中央部分に、深さ2.54mmの幅方向に延びるノッチ
を付けて、衝撃試験を行ない、その結果を、下記表1に
示した。
【0027】
【表1】
【0028】かかる表1に示される結果から明らかなよ
うに、本発明に従う硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化さ
せて得られたエポキシ樹脂硬化体においては、EO・P
Oブロック共重合体が添加されていない比較例の硬化性
エポキシ樹脂のみを硬化させて得られたエポキシ樹脂硬
化体に比して、高い耐衝撃性が発揮され、このことよ
り、本発明に従う硬化性エポキシ樹脂組成物の有効性を
確認することが出来る。
【0029】また、硬化性エポキシ樹脂の100重量部
に対するEO・POブロック共重合体の添加量が20重
量部及び30重量部である硬化性エポキシ樹脂組成物
を、75℃、100℃、110℃、120℃の各温度で
硬化させて得られたエポキシ樹脂硬化体ついて、上記と
同様に衝撃試験を行なった。なお、比較例として、EO
・POブロック共重合体を添加しない硬化性エポキシ樹
脂についても、同様にして衝撃試験を行なった。そし
て、その結果を、下記表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】かかる表2に示される結果から明らかなよ
うに、本発明に従う硬化性エポキシ樹脂組成物は、その
硬化温度を変化させても、高い耐衝撃性を発揮するエポ
キシ樹脂硬化体を与えることが認められ、これより、様
々な温度で硬化せしめられても、本発明に従う硬化性エ
ポキシ樹脂組成物の有効性が変わらないことが確認され
た。
【0032】さらに、前記衝撃試験によって破壊された
各試験片の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察し
て、エポキシ樹脂硬化体に対するEO・POブロック共
重合体の分散状態を調べたところ、本発明に従う硬化性
エポキシ樹脂組成物を硬化せしめて得られたエポキシ樹
脂硬化体の破壊断面においては、相分離したEO・PO
ブロック共重合体がエポキシ樹脂硬化体内において均一
に分散していることが確認された。また、かかる破壊断
面で観察されるEO・POブロック共重合体の微小粒子
の直径を測定し、その平均値及び分散値を求めて、その
結果をグラフにして、図1に示した。即ち、このグラフ
では、横軸にはEO・POブロック共重合体の添加量を
取り、左側の縦軸にはEO・POブロック共重合体粒子
の平均直径を、右側の縦軸にはEO・POブロック共重
合体粒子の直径の分散値を、それぞれ取った。そして、
各試験片について、平均直径は棒グラフで、直径の分散
値は折れ線グラフで示した。この図1に示されるよう
に、本発明に従う硬化性エポキシ樹脂組成物が硬化せし
められる際に、エポキシ樹脂硬化体内に分散せしめられ
るEO・POブロック共重合体の微小粒子の平均直径
は、非常に小さなものであり、しかもその直径の分散値
は小さく、従って微小粒子の直径が略一定の大きさとな
っていることは明らかである。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う硬化性エポキシ樹脂組成物によれば、得られる硬
化体の耐衝撃性が効果的に向上せしめられ得るのであ
り、従来では、その適用が困難とされていた分野、例え
ば建築材料の接着等の用途に対しても、有利に適用され
得るのである。
【0034】また、接着剤の主剤として、前記の如き優
れた特徴を有する硬化性エポキシ樹脂組成物を採用する
ことによって、得られる接着剤の硬化体が優れた耐衝撃
特性を発揮し得、以てそのような接着剤を、構造材の接
着等の高い耐衝撃性を必要とする用途に、有利に用いる
ことが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】衝撃試験によって破壊された試験片の断面で観
察される、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロ
ック共重合体の微小粒子の平均直径及びその直径の分散
値を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 171:02)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性エポキシ樹脂に対して、エチレン
    オキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体を添加
    せしめてなり、該硬化性エポキシ樹脂の硬化によって、
    該エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重
    合体の微小粒子が均一に分散した、海島構造のエポキシ
    樹脂硬化体を与える硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記エチレンオキシド−プロピレンオキ
    シドブロック共重合体が、前記硬化性エポキシ樹脂の1
    00重量部に対して5〜40重量部の割合において添加
    せしめられている請求項1に記載の硬化性エポキシ樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載の硬化
    性エポキシ樹脂組成物を主剤とする接着剤。
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