JPH11309754A - 金型装置 - Google Patents

金型装置

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JPH11309754A
JPH11309754A JP11744498A JP11744498A JPH11309754A JP H11309754 A JPH11309754 A JP H11309754A JP 11744498 A JP11744498 A JP 11744498A JP 11744498 A JP11744498 A JP 11744498A JP H11309754 A JPH11309754 A JP H11309754A
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JP
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gate
mold
cavity
space
molding
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JP11744498A
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English (en)
Inventor
Toshio Kaneko
敏雄 金子
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で実施でき、ゲートを設置するキ
ャビティの立ち上がり高さが小さい場合でも、サブマリ
ンゲート構造の採用を可能にして製造工程の簡略化を図
ること。 【解決手段】 金型装置10は、雌板1と雄板2とで構
成され、これらの面合わせ面1a,2aを合わせること
により、キャビティ3を形成する。また雌板1と雄板2
は、高温高圧プラスチック等の成型材料を注入するため
の湯道5と該湯道5からの成型材料をキャビティ3に流
す流動経路としてのゲート4を形成している。この場
合、ゲート4の中心線はキャビティ3の壁面に対して直
角となるように形成される。これにより、ゲートを設置
するキャビティの立ち上がり高さが小さい場合でも、金
型強度を向上させることができ、後仕上げ処理不要なサ
ブマリンゲート構造の採用を可能にして製造工程の簡略
化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック等の
射出成型に用いられる金型装置に係り、特に成型後の後
仕上げが不要なサブマリン形状の金型装置の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック等の材質で構成さ
れる部材を製造する場合には、射出成型という製造方法
が主に採用されている。
【0003】このような射出成型の製造方法では、金型
装置による生成される空間部分に、熱溶解したプラスチ
ック等の成型材料を高圧に注入した後に冷却することに
より、その金型装置に基づく形状に成型するもので、冷
却後には、その金型装置を取り外すことにより、成型品
として形成することになる。
【0004】このような従来の射出成型に用いられる金
型装置の一例を図4に示す。
【0005】図4はプラスチック等の射出成型に用いら
れる従来の金型装置の構成例を示す断面図であり、図4
(a)は一般に使用される再度ゲート構造の金型装置を
示し、図4(b)はサブマリンゲート構造の金型装置を
示し、図4(c)はゲートを設置する面の立ち上がり寸
法を小さくした場合のサブマリンゲート構造の金型装置
を示している。
【0006】図4(a)に示すように、一般に射出成型
に用いられるサイドゲート構造の金型装置は、主に第1
の型板(以下、雌型と称す)1と、第2の型板(以下、
雄型と称す)2とで構成される。
【0007】雌型1と雄型2のそれぞれの面合わせ面1
a,2aは、成型品を作り出すための形状に構成されて
おり、つまり、これらの面合わせ面1a,2aを合わせ
ることにより、成型品を作り出すための空間部(以下、
キャビティと称す)3を形成するようになっている。
【0008】また、図示はしないが雌板1雄板2とは成
型機に取り付けられて固定しており、この成型機を操作
することにより、前記雌板1と雄板2とが圧接して型締
めを行うようになっている。
【0009】雌板1と雄板2には、溶解したプラスチッ
ク等の成型材料を高圧注入するための湯道5と、この湯
道5とキャビティ3とに通じるゲート4とが形成される
ようになっている。
【0010】このような構成の金型装置を用いて射出成
型する場合には、成型材料(高温高圧プラスチック等)
を湯道5、ゲート4を介してゲート口4aより射出する
ことによって、キャビティ3に高温高圧プラスチックが
充填される。その後、図示しない冷却装置を用いて金型
装置の冷却を行うことにより、キャビティ3に充填され
た成型材料はその充填状態で固まることで成型品を形成
する。
【0011】ところが、このようなサイドゲート構造の
金型装置では、ゲート4がキャビティ3と湯道5との間
を連通した形状で、またこのゲート4の幅が広く、つま
り成型材料の収容体積が大きい形状となっているため、
これにより得られる成型品はゲート4により残存した成
型部材や湯道5に残存した成型部材と繋がってしまい、
成型機による雌板1と雄板2との離脱後、これら不要な
成型部材を分離するために成型後の後仕上げ処理(切断
処理やバリ等を削除するための加工処理等)が必要とな
ってしまうという問題点がある。
【0012】そこで、上記サイドゲート構造の金型装置
における問題点を解決したのが図4(b)に示すサブマ
リンゲート構造の金型装置である。このサブマリンゲー
ト構造の金型装置は、図4(b)に示すように、ゲート
4がサブマリンゲートと呼ばれる形状に形成されてお
り、つまり、キャビティ4との連通開口部が小さく、ま
た湯道5との連通開口部が大きくなるような形状に形成
されたもので、一般にサブマリンゲートと呼ばれるゲー
トを形成している。また、該サブマリンゲートは、湯道
6とキャビティ3との間を所定の角度で傾斜した形状に
形成されている。
【0013】このような構成により、雌板1と雄板2と
を離脱する場合には、これらの雌板1及び雄板2の離脱
動作に伴い、ゲート4と面合わせ面2aとの間に形成す
る三角部6(この場合雄板2に一体成型される部分)の
移動によってサブマリンゲート4と成型品とを自動的に
分離することができるので、上述の成型後の後仕上げ処
理が不要となり、仮に成型品に成型部材が残ったとして
も、サブマリンゲート4の開口面積が小さいので目だつ
ものでなく、外観的にも優れた成型品を得ることが可能
となる。このため、従来では、サブマリンゲート構造の
金型装置が頻繁に使用されるようになっている。
【0014】ところが、上述のサブマリンゲート構造の
金型装置においては、成型品の形状によっては、図3
(4)に示すようにゲート4を設定する立ち上がり寸法
(T)が小さくなる場合も考えられる。このよう成型品
を成型するために立ち上がり寸法(T)を小さくする
と、ゲート4と面合わせ面2aとの間に形成する三角部
6(雄板2または雌板1とに一体成型される部分)が小
さくなってしまい、この三角部6の金型における強度が
弱くなってしまう。さらに、キャビティ3と湯道5との
間の長さが短く、近接しすぎた配置状態となっているの
で、バリ等の成型上好ましくない不都合が発生してしま
い、実用が困難になってしまう。
【0015】このため、従来では、上述の如く、キャビ
ティの立ち上がり部分にサブマリンゲートを設置し該立
ち上がり高さが小さい場合に生じる上記問題点を回避す
るためには、図4(a)に示すサイドゲート構造の金型
装置の採用が余儀なくされてしまい、即ち成型後の後仕
上げ処理が必要となってしまう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来の金
型装置では、後仕上げ処理を不要とするサブマリンゲー
ト構造の金型装置が主に使用されているが、成型品の形
状によってはゲートを設定するキャビティの立ち上がり
高さを小さくしなくてはならず、これに伴い、金型装置
の強度が弱くなってしまうとともに、バリ等の加工処理
が必要となってしまうという不都合が生じる。このた
め、このような不都合を回避するためには、成型後の後
仕上げ処理が必要であるサイドゲート構造の金型装置の
採用が余儀なくされてしまい、つまり製造工程の簡略化
に最適なサブマリンゲート構造の金型装置を採用するこ
とができないという問題点があった。
【0017】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、簡単な構成で実施でき、ゲートを設置する
キャビティの立ち上がり高さが小さい場合でも、サブマ
リンゲート構造の採用を可能にして製造工程の簡略化を
図ることのできる金型装置の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明の
金型装置は、第1の型と第2の型とを接合することによ
り、成型品を成型するための空間部と、該空間部に成型
材料を注入するためのゲートと、該ゲートに成型材料を
導く湯道とを形成する金型装置において、前記ゲートを
その中心線が該ゲートが連通する前記空間部の壁面に対
して略直角となるように形成したことを特徴とするもの
である。
【0019】請求項1記載の発明においては、第1の型
と第2の型とを接合することにより、成型品を成型する
ための空間部と、該空間部に成型材料を注入するための
ゲートと、該ゲートに成型材料を導く湯道とを形成する
金型装置において、前記ゲートをその中心線が該ゲート
が連通する前記空間部の壁面に対して略直角となるよう
に形成している。これにより、成型品の形状によりゲー
トを設置するキャビティの立ち上がり高さが小さい場合
でも、金型強度を向上させることができ、成型後の後仕
上げ処理を不要とするサブマリンゲート構造の採用を可
能にする。よって、射出成型に伴う製造工程の簡略化を
図ることができる。
【0020】請求項2に記載の金型装置は、第1の型と
第2の型とを接合することにより、成型品を成型するた
めの空間部と、該空間部に成型材料を注入するためのゲ
ートと、該ゲートに成型材料を導く湯道とを形成する金
型装置において、前記ゲートと前記空間部との連通部分
であるゲート口の開口角度を該ゲート口が設けられる前
記空間部の壁面に対して鋭角となるように形成し、かつ
前記ゲートの中間部においてゲート幅が縮小する括れ部
を形成するように構成されていることを特徴とするもの
である。
【0021】請求項2記載の発明においては、第1の型
と第2の型とを接合することにより、成型品を成型する
ための空間部と、該空間部に成型材料を注入するための
ゲートと、該ゲートに成型材料を導く湯道とを形成する
金型装置において、前記ゲートと前記空間部との連通部
分であるゲート口の開口角度を該ゲート口が設けられる
前記空間部の壁面に対して鋭角となるように形成し、か
つ前記ゲートの中間部においてゲート幅が縮小する括れ
部を形成するように構成されている。これにより、成型
品とゲート内に残存する成型部材との自動分離を容易に
行うことが可能となり、しかもゲート跡も残らず後仕上
げ処理も不要にする。また、括れ部を形成するように構
成されていることにより、成型材料の高圧注入によって
部分的に烈断熱が発生するため、成型材料の流動作用を
向上させることができる。
【0022】請求項3に記載の金型装置は、請求項1に
記載の金型装置において、前記第1の型は、前記ゲート
を該ゲートと前記空間部との連通部分であるゲート口の
開口角度を該ゲート口が設けられる前記空間部の壁面に
対して鋭角となるように形成し、前記第2の型は、前記
ゲートの中間部においてゲート内方向突出する突出部を
有し、該突出部によって前記ゲートにそのゲート幅が縮
小する括れ部を形成することを特徴とするものである。
【0023】請求項3記載の発明においては、前記第1
の型は、前記ゲートを該ゲートと前記空間部との連通部
分であるゲート口の開口角度を該ゲート口が設けられる
前記空間部の壁面に対して鋭角となるように形成する。
これにより、上記請求項1の発明の作用、効果の他に、
成型品とゲート内に残存する成型部材との自動分離を容
易に行うことが可能となり、しかもゲート跡も残らず後
仕上げ処理も不要にする。また、前記第2の型は、前記
ゲートの中間部においてゲート内方向突出する突出部を
有し、該突出部によって前記ゲートにそのゲート幅が縮
小する括れ部を形成する。これにより、成型材料の高圧
注入によって部分的に烈断熱が発生するため、成型材料
の流動作用を向上させることができる。
【0024】請求項4に記載の金型装置は、請求項2に
記載の金型装置において、前記第1の型によって前記ゲ
ートが形成され、前記第2の型に前記ゲートの中間部に
おいてゲート内方向突出する突出部を設け、該突出部に
よって前記ゲートにそのゲート幅が縮小する括れ部が形
成されるように構成したことを特徴とするものである。
【0025】請求項4記載の発明においては、上記請求
項2の発明において、前記第1の型によって前記ゲート
が形成され、前記第2の型に前記ゲートの中間部におい
てゲート内方向突出する突出部を設け、該突出部によっ
て前記ゲートにそのゲート幅が縮小する括れ部が形成さ
れるように構成している。これにより、その作用は上記
請求項2の発明と同様であり、同様の効果が得られる。
勿論、第1の型と第2の型とをそれぞれ逆に変更して構
成した場合でも、同様の効果が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0027】図1は本発明に係る金型装置の第1の実施
の形態の構成を示す断面図である。尚、図1は図4に示
す装置と同様な構成要素については同一の符号を付して
いる。
【0028】図1に示すように、本実施の形態の金型装
置10は、主に雌型1と、雄型2とで構成される。
【0029】雌型1と雄型2のそれぞれの面合わせ面1
a,2aは、成型品を作り出すための形状に構成されて
おり、つまり、これらの面合わせ面1a,2aを合わせ
ることにより、成型品を作り出すためのキャビティ(空
間部ともいう)3を形成するようになっている。
【0030】また、図示はしないが雌板1雄板2とは成
型機に取り付けられて固定しており、この成型機を操作
することにより、前記雌板1と雄板2とが圧接して型締
めを行うようになっている。
【0031】雌板1と雄板2には、溶解したプラスチッ
ク等の成型材料を高圧注入するための湯道5と、この湯
道5とキャビティ3とに通じるゲート4(サブマリンゲ
ートともいう)とが形成されるようになっている。
【0032】このような構成の金型装置を用いて射出成
型する場合には、成型材料(高温高圧プラスチック等)
を湯道5、ゲート4を介してゲート口4aより射出する
ことによって、キャビティ3に高温高圧プラスチックが
充填される。その後、図示しない冷却装置を用いて金型
装置の冷却を行うことにより、キャビティ3に充填され
た成型材料はその充填状態で固まることで成型品を形成
する。
【0033】本実施の形態の金型装置10においては、
成型品の形状に基づきゲートを設定するキャビティの立
ち上がり高さが小さい場合でも、成型後の後仕上げ処理
が不要であるサブマリンゲート構造の採用を可能にする
ための改良がなされている。
【0034】具体的には、図1に示すように、キャビテ
ィ3と湯道5とを連通するゲート4の角度を変えるよう
に構成している。つまり、従来のサブマリンゲート構造
の金型装置では、図4(b)に示すようにゲート4の離
型性を向上させるために垂直方向(あるいはキャビティ
3の壁面)に対するゲート4の中心線の角度X°を45
°以下の角度の範囲内で設定し、この角度にて斜め形状
となるようにゲート4を形成している。
【0035】これに対し、本実施の形態では、ゲート4
の中心線が雌板1及び雄板2のそれぞれの面合わせ面1
a,2aに対して水平となるようにゲート4を形成して
いる。すなわち、ゲート4の中心線が垂直方向(キャビ
ティ3の壁面)に対して直角となる。
【0036】また、ゲート4は、キャビティ3との連通
開口部が小さく、また湯道5との連通開口部が大きくな
るような形状に形成しているとともに、キャビティ3と
湯道5との間の長さが長くなるように形成している。
【0037】したがって、このような形状にすることに
より、成型品の形状に基づきゲートを設置するキャビテ
ィの立ち上がり高さが小さい場合でも、成型機により型
締めする際の金型装置の強度を向上させることができ、
また、高温高圧プラスチック等の成型材料を効果的にキ
ャビティ3内に充填させて成型品を成型することができ
る。これにより、サブマリンゲート構造の金型装置とし
て構成することが可能となる。
【0038】ところで、サブマリンゲート構造におい
て、雌板1と雄板2の離脱に伴う成型品の分離効果を考
慮すると、後仕上げ処理を完全に不要にするためには、
図4(b)に示すX°が小さい方が望ましい。つまり、
該X°を小さくすることにより、垂直方向(あるいはキ
ャビティ3の壁面)に対するゲート4の角度も鋭角とな
り、その結果成型品の分離効果を向上させることが可能
である。
【0039】ところが、上述した実施の形態では、図1
に示すように垂直方向に対するゲート4の角度Y°が従
来よりも鋭角でない角度になっていることから、ゲート
4に残存する成型部材と成型品との分離を雌板1と雄板
2の離脱に伴って自動的に切断することが容易でなく、
またこのときの雌板1と雄板2との離脱動作も容易では
ない。
【0040】そこで、本発明ではこのような不都合を解
消し、容易にゲートと成型品との自動分離を行うことも
可能である。このような実施の形態を図2に示す。
【0041】図2は本発明に係る金型装置の第2の実施
の形態の構成を示す断面図である。尚、図2は図1に示
す装置と同様の構成要素については同一の符号を付して
説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0042】本実施の形態では、ゲート4と成型品との
自動分離を確実に且つ容易に行うために、ゲート4とキ
ャビティ3との連通部分(ゲート口4a)を改良すると
ともに、そのゲート自体の形状を変えたことが前記第1
の実施の形態と異なる点である。
【0043】具体的には、図2に示すように、垂直方向
(キャビティ3の壁面)に対するゲート4のゲート口4
aの角度Z°をさらに鋭角となるようにゲート4のキャ
ビティ側の先端部分を形成する。これにより、雌板1と
雄板2とを離脱する場合には、自動的にゲート4と成型
品との分離を行うことが可能となり、またこの分離動作
も容易に行うことが可能となる。
【0044】さらに、ゲート4自体の形状については、
湯道5近傍のゲート4の一部に括れ部が形成されるよう
に、対応する雌板1に突出部7を設けることでゲート4
内部の形状を変えるとともに、このゲート4自体の管径
を上記第1の実施の形態よりも太くするように形成す
る。
【0045】この場合、突出部7は、雌板2に一体成型
されたものであり、雌板1と雄板2とが接合すること
で、図2に示すようにゲート4の注入口側の管径が狭く
なる括れ形状のゲート4となる。
【0046】これにより、ゲート4自体が太い形状であ
るため、高温高圧プラスチック等の成型材料を効率よく
湯道5を介して注入することが可能となり、また、上記
突出部7によって、高温高圧プラスチックの流動経路で
あるゲート4の断面積が部分的に絞られていることか
ら、該プラスチック等の圧入に伴いその突出部7に烈断
熱を発生させることができ、即ち、この烈断熱の発生に
より、高温高圧プラスチックの流動作用を効率よく行わ
せることも可能である。
【0047】いま、上記構成の金型装置を用いて射出成
型を行うものとする。すると、成型材料(高温高圧プラ
スチック等)は、湯道5、ゲート4を介してゲート口4
aより射出される。
【0048】このとき、高温高圧プラスチックの流動経
路であるゲート4が太く、またゲート4の中心線が雌板
1及び雄板2の面合わせ面1a,2aと対して水平とな
る形状になっているため、高温高圧プラスチックの注入
動作は効率良く行われる。
【0049】また、ゲート4の注入口近傍の突出部7は
該高温高圧プラスチックの圧入によって烈断熱を発生さ
せることができるため、この烈断熱の発生により、さら
に高温高圧プラスチックの流動作用を向上させている。
【0050】このように高温高圧プラスチックの射出に
よって、キャビティ3内に高温高圧プラスチックを充填
する。
【0051】その後、図示しない冷却装置を用いて金型
装置の冷却を行うことにより、キャビティ3に充填され
た成型材料はその充填状態で固まることで成型品を形成
する。
【0052】次に、成型機の操作によって、雌板1と雄
板2とを離脱する。このとき、仮に雄板2を雌板1から
外すものとすると、該雄板2の移動によって、キャビテ
ィ3内の成型品とゲート4の残存する成型部材とを自動
的に切断する。つまり、雄板2のゲート4と面合わせ面
2aとの間に形成される部分によって、成型品とこれに
繋がるゲート4の成型部材とを切断する。この場合、ゲ
ート4のキャビティ側の先端部分(ゲート口4a)の角
度Z°(図2参照)が、キャビティ3の壁面に対して鋭
角となるように形成されているため、容易に切断可能で
ある。
【0053】また、切断後の成型品は、ゲート跡も目立
つこともなく外観的にも良好なものとなる。これによ
り、跡仕上げ処理をする必要もなく、サブマリンゲート
本来の機能を生かして成型品を成型することが可能とな
る。
【0054】尚、本実施の形態においても、成型品の形
状に基づきゲートを設定するキャビティの立ち上がり高
さが小さい場合でも、有効であり、前記実施の形態と同
様の効果を得る。
【0055】したがって、本実施形態例によれば、前記
実施形態例と同様に効果が得られる他、成型品とゲート
との自動分離を可能にし、さらにゲート4内の形状が突
出部7によって括れ形状となっており、ゲート4内の残
存する成型部材の肉厚を変えることができるため、より
容易に自動分離を行うことができる。さらに、ゲート4
の長さが短く且つ太くなる形状であり、また突出部7が
設けられることによって、高温高圧プラスチック等の流
動作用を向上させることも可能となる。
【0056】これにより、跡仕上げ処理不要であり、し
かも機能的にも最適なサブマリンゲート構造の金型装置
を用いることにより、射出成型に伴う製造工程の簡略化
を図ることができる。
【0057】図3は本発明に係る金型装置の第3の実施
の形態の構成を示す断面図である。尚、図3は図2に示
す装置と同様の構成要素については同一の符号を付して
説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0058】本実施の形態では、前記第2の実施の形態
とほぼ同様の形状に形成されたものであるが、同一形状
のゲート4を雄板2に設定せず、雌板1内に形成するよ
うに設定し、さらにこのゲート4の配置設定に伴い、突
出部7も雄板2に形成するように設定したことが前記第
2の実施の形態とは異なる点である。
【0059】したがって、本実施の形態においては、構
成的には、前記第2の実施の形態とは逆の構成となる
が、作用、及び効果については同様である。つまり、ゲ
ート4が太く且つ長い形状であり、しかも突出部7を設
けた構成となっているので、高温高圧プラスチックの流
動作用をより向上させることができ、さらに成型品とゲ
ート内に残存する成型部品との自動分離を可能にし、ゲ
ート跡も目立つことなく、跡仕上げ処理の不要な成型品
を得ることができる。
【0060】さらに、成型品の形状に基づきゲートを設
置するキャビティの立ち上がり高さが小さい場合でも、
成型機により型締めする際の金型装置の強度を向上させ
ることができるため、結果として理想的なサブマリーン
ゲート構造の金型装置を提供することが可能となる。
【0061】尚、本発明に係る第1乃至第3の実施の形
態においては、特にゲートを設置するキャビティの立ち
上がり高さが小さい形状のサブマリーンゲート構造の金
型装置について説明したが、これに限定されるものでは
なく、ゲートを設置するキャビティの立ち上がり高さが
大きい場合でも実施可能であり、同様の効果を得ること
ができる。
【0062】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
簡単な構成で実施でき、ゲートを設置するキャビティの
立ち上がり高さが小さい場合でも、サブマリンゲート構
造の採用を可能にして製造工程の簡略化を図ることがで
きるという効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金型装置の第1の実施の形態の構成を
示す断面図。
【図2】本発明の金型装置の第2の実施の形態の構成を
示す断面図。
【図3】本発明の金型装置の第3の実施の形態の構成を
示す断面図。
【図4】従来の金型装置の一例を示す断面図。
【符号の説明】
10,10A,10B…金型装置、 1…雌型、 2…雄型、 3…キャビティ、 4…ゲート(サブマリンゲート)、 4a…ゲート口、 5…湯道。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の型と第2の型とを接合することに
    より、成型品を成型するための空間部と、該空間部に成
    型材料を注入するためのゲートと、該ゲートに成型材料
    を導く湯道とを形成する金型装置において、 前記ゲートをその中心線が該ゲートが連通する前記空間
    部の壁面に対して略直角となるように形成したことを特
    徴とする金型装置。
  2. 【請求項2】 第1の型と第2の型とを接合することに
    より、成型品を成型するための空間部と、該空間部に成
    型材料を注入するためのゲートと、該ゲートに成型材料
    を導く湯道とを形成する金型装置において、 前記ゲートと前記空間部との連通部分であるゲート口の
    開口角度を該ゲート口が設けられる前記空間部の壁面に
    対して鋭角となるように形成し、かつ前記ゲートの中間
    部においてゲート幅が縮小する括れ部を形成するように
    構成されていることを特徴とする金型装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の型は、前記ゲートを該ゲート
    と前記空間部との連通部分であるゲート口の開口角度を
    該ゲート口が設けられる前記空間部の壁面に対して鋭角
    となるように形成し、前記第2の型は、前記ゲートの中
    間部においてゲート内方向突出する突出部を有し、該突
    出部によって前記ゲートにそのゲート幅が縮小する括れ
    部を形成することを特徴とする請求項1に記載の金型装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の型によって前記ゲートが形成
    され、前記第2の型に前記ゲートの中間部においてゲー
    ト内方向突出する突出部を設け、該突出部によって前記
    ゲートにそのゲート幅が縮小する括れ部が形成されるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項2に記載の金型装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113246398B (zh) * 2020-02-08 2023-05-16 株式会社小糸制作所 注射成形件及其成形方法和成形装置

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