JP2007307818A - ダイレクトゲート射出成形金型及びダイレクトゲート射出成形方法 - Google Patents

ダイレクトゲート射出成形金型及びダイレクトゲート射出成形方法 Download PDF

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福人 金山
Teisuke Kanayama
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Abstract

【課題】多数個取りが可能なダイレクトゲート金型を提供し,且つ,管状成形品のウエルドラインの発生位置を制御できると共に,生産コストを抑える。
【解決手段】ダイレクトゲートにおいて,固定側取付板10に設けられたスプルーブッシュ11においてノズルタッチ部13に連通する少なくとも2以上のスプルーを有し,前記スプルーを少なくともその軸線方向で2段形成し,前記ノズルタッチ部13に臨むスプルー2,2をノズルタッチ部方向に小径となる円錐状に形成し,前記各スプルーを前記ノズルタッチ部に鋭角に臨ませて形成する。前記スプルーを第1スプルー12,12とそのキャビティ方向に連通する第2スプルー22,22の2段に形成し,後者の軸線方向を固定側型板20の略型開き方向に形成し,それぞれ,独立形成したキャビティ23,23に直接連通する。前記固定側型板にロック機構40を介して可動側型板30に開閉自在に設けることもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は,射出成形金型及び射出成形方法に関し,より詳細には,スプルーブッシュにおいてスプルーを分岐して少なくとも2以上のスプルーを形成し,当該各スプルーがそれぞれ独立したキャビティに直接連通するように構成したダイレクトゲート金型により,多数個取りが可能で,且つ、ウエルドラインの軽減及び発生位置調整が可能な射出成形金型及び射出成形方法に関するものである。
射出成形に利用される金型としては,代表的なものにサイドゲートやダイレクトゲートがある。
サイドゲートとは,例えば図6(A)に示すように,成形品90,90のキャビティ94,94に対して水平方向に連通するランナー92,92を介して垂直方向にのびるスプルー91が形成されたものをいい,多数個取りを行う金型として一般的に使用されており、また、ゲート径を小さくしてゲートカットを容易にすると共に、ゲートカット部分を外観上目立たなくすることができる。
一方,ダイレクトゲートとは,例えば,図7に示すように,スプルー91を通過した樹脂がランナーを経ることなくゲート93を介して直接キャビティ94に注入充填されるゲート方式のものをいい,1個取りに限定され,圧力損失が小さく、ヒケが発生しにくいという特徴を有する。
福島有一著,「よくわかるプラスチック射出成形金型設計」,初版,日刊工業新聞社,2002年11月18日,P58〜59
しかし、射出成形においては、キャビティ内の樹脂の流路途中に成形のための穴やピン等の樹脂の流動に対して,障害物がある場合には、樹脂の会合部となる流動部先端すなわちフローフロントの表面層にスキン層が生じていて両方から対向して流れてきた材料が具合良く融合しない結果,無垢の例えば板状の成型品にも前記合流部分(前記障害物のゲートと反対方向にウエルドラインが発生し、外観不良や強度低下をもたらすといった本質的不良が生じる。
また,例えば,図6(B)〜(D)に示すように,T字状の管状成形品に対応するキャビティが,水平面で(平面視)T字状に複数の屈曲部を有するキャビティとして形成された場合に,サイドゲートで,前記管状成形品の2辺,すなわち,X軸,Y軸方向の交点に位置する前記両屈曲部の反対側から樹脂を注入する構成とすると,キャビティ94とランナー92の連結部分であるゲート93の反対側の管状成形品中央の両屈曲部にウエルドラインWLが生じてしまう。これは,図6(B)〜(D)に示すように管状成形品をサイドゲートにより樹脂を注入するとキャビティ94の前記ゲート93の反対側両屈曲部へ樹脂が回りにくく,前記ゲート93の反対側に樹脂が達するまでに,樹脂がある程度固化してしまうことも相俟って,前記両屈曲部に空気が残留することによる。このような管状成形品の使用にあたり管内に流体を圧送すると,管状成形品の管中央の両屈曲部に生じたウエルドライン部分に発生する渦状乱流により,前記屈曲部に負荷がかかり,例えば強酸など流体の種類,属性,長期使用により屈曲部にストレスクラック等と呼ばれる破損が生ずる。
また,サイドゲートにおいては,ランナーを有するためその分流路が長くなると共に、一般的にゲートカットの便宜のためゲート93を小径に形成していることから,このゲート93での圧力損失によりキャビティ内での樹脂の充填速度が遅くなり,ウエルドラインがより発生し易くなる。
そこで,本発明は,この不可避的なウエルドラインを小さくし及び発生位置を負荷のかかる前記管中央の前記両屈曲部から外すために,他の代表的な射出成形金型であるダイレクトゲートにより実験を行った。
ダイレクトゲートにより,水平面状に屈曲部を有する管状成形品の図5において,キャビティの同図紙面上方から樹脂を注入充填することができるので,樹脂の回り方がかわり、最終充填位置を渦状乱流が発生する位置(負荷がかかる位置)から変更することができた。これは,ダイレクトゲートのように一般にゲート径が大径のものは圧力損失が少ないため射出圧力が直接キャビティーに伝えられ,樹脂温度が高い状態でキャビティ内のゲート反対側まで樹脂が回り,固化する前に合流するため,ウエルドラインの発生を小さくすることも作用していると考えられる。
斯様に,ウエルドラインの発生位置が管状成形体の同図紙面下方に移動したことで,管状成形品の使用にあたり管内に流体を圧送することによる前記屈曲部での渦状乱流の発生部の負荷を軽減することが可能となった。
しかしながら,既知のダイレクトゲートではゲート径が大径で型開きの際にはゲートカットができず,スプルー樹脂が成形品に一体成形されたまま金型から引き離すことになるため,キャビティとノズル間において,スプルーの軸線方向がノズルに対して型開き方向となっていることが必要であり,製品が1回の射出工程につき1個しか成形できない単品成形となり,生産コストを低減することができない。
本発明は,前述の課題を解決するために開発されたものであって,ウエルドラインの軽減及び発生位置を制御ができると共に,生産コストを低減可能な多数個取りのできるダイレクトゲート金型を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明のダイレクトゲート式射出成形金型1は,ノズルタッチ部13に連通する少なくとも2以上のスプルー2,2を有し,前記各スプルー2,2を前記ノズルタッチ部13に鋭角に臨ませて形成し,前記各スプルー2,2をその軸線方向で,前記ノズルタッチ部方向に小径となる円錐状に形成すると共に,前記各スプルー2,2を,それぞれ,独立形成したキャビティ23,23に,直接連通するよう設けたことを特徴とする(請求項1)。
また, 固定側取付板10と,該固定側取付板10に接離自在の固定側型板20と,前記固定側型板20に接離自在の可動側型板30を有し,前記固定側型板20又は前記固定側型板20及び可動側型板30に形成したキャビティ23と,該キャビティに前記固定側取付板10のスプルーブッシュ11に形成されたノズルタッチ部13に連通するスプルー2を備える射出成形金型1において,前記スプルー2は,少なくとも2以上のスプルー2,2から成り,該各スプルーを前記ノズルタッチ部13に鋭角に臨ませて形成し,前記各スプルー2,2をその軸線方向で,前記ノズルタッチ部方向に小径となる円錐状に形成すると共に,前記各スプルーを,それぞれ,前記独立形成したキャビティ23,23に,直接連通するよう設けたことを特徴とする(請求項2)。
前記各スプルー2,2を,その軸線方向に少なくとも2段12,22に形成し,前記固定側取付板10のスプルーブッシュ11に形成されたノズルタッチ部13に臨む第1スプルー12,12を前記ノズルタッチ部方向に小径となる円錐状に形成し,前記各第1スプルー12,12を前記ノズルタッチ部13に鋭角に臨ませて形成し,前記各第1スプルーのキャビティ23,23方向で前記第1スプルー12,12に連通する第2スプルー22,22を,該第2スプルーの軸線方向を,前記固定側取付板に接離自在に設けた固定側型板20,20の略型開き方向に形成すれば,型開きが容易であり,あるいは,硬質樹脂であっても引き抜き,離型が容易である(請求項3)。
なお,前記第2スプルーには,後述ロック機構を設けないときは,他のピンもしくは,抜きテーパ(アンダーカット)を設け,あるいは,形成されていることが好ましい。
前記可動側型板に対して前記固定側型板をロック機構を介して開閉自在に設ければ,型開き,あるいは,硬質樹脂であっても引き抜き,離型が容易である(請求項4)。
前記スプルーの傾斜角は,前記ロック機構の有無,及び使用する樹脂原料の曲げ弾性率により,異なるが,第1スプルーの交点から垂直線に対して,それぞれ,5〜55°の傾斜角とすることができる(請求項5)。
前記キャビティは,固定側型板及び可動側型板に嵌装された入れ子70に形成すれば,成形品毎の型交換に便宜である(請求項6)。
前記第2スプルー22,22に連通するキャビティスプルー24,24を,前記入れ子70に形成し,前記第2スプルー22,22又は前記キャビティスプルー24,24の軸線方向を,前記固定側型板20の略型開き方向に形成すれば,型開きに際して好適である(請求項7)。
また,本発明に係るダイレクトゲート射出成形方法は,注入された樹脂を,スプルーブッシュのノズルタッチ部を介して,該ノズルタッチ部に対し鋭角に臨む少なくとも2以上の第1スプルーへ分岐供給し,ついで,前記第1スプルーに連通する第2スプルーを介して,直接ゲートからキャビティに注入充填する工程と,充填された樹脂をキャビティ内で冷却固化する工程と,可動側取付板を移動して型開きを行うにあたり,ロック機構により固定側型板と可動側型板間のパーティング面をロックし,固定側取付板と固定側型板間のパーティング面の型開きを行い,ノズルからスプルー樹脂先端を分離し,前記第1スプルーからスプルー樹脂を引き抜いた後,ロックを解除して固定側型板と可動側型板間のパーティング面の型開きを行い,第2スプルーからスプルー樹脂を引き抜く工程と,エジェクタプレートを移動し,該エジェクタプレートに固定されたエジェクタピンによって,独立形成した2以上のキャビティで多数個成形された成形品を取り出す工程とから成ることを特徴とする(請求項8)。
なお,前記第2スプルーに連通するキャビティスプルーを介して,直接ゲートからキャビティに注入充填する工程と,前記第1スプルーからスプルー樹脂を引き抜いた後,ロックを解除して固定側型板と可動側型板間のパーティング面の型開きを行い,キャビティスプルーからスプルー樹脂を引き抜く工程を含むことにより,硬質樹脂材料の本発明方法による成形が可能である。(請求項9)。
前記注入される樹脂は,曲げ弾性率が560〜22000kgf/cm2が好適である(請求項10)。上限値を超えると,スプルー樹脂の引き抜きが困難となる。下限値は,560kgf/cm2である必要はなく,実用的な樹脂として選択される。また,前記キャビティが,水平面で十字状、T字状又はL字状の一又は複数の屈曲部を有する管状である場合に,ウエルドラインの位置移動の観点で,本発明が有効である(請求項11)。
本発明によれば,ダイレクトゲートによって,例えば,管状成形品のウエルドラインの発生位置を,使用に際して流体物の負荷のかかる屈曲部から移動し,例えば,ゲートの反対側の管状キャビティの図5下方に移動することにより,ウエルドラインでの前記負荷による破損(ストレスクラック)を防止することができ,また,ダイレクトゲートにより射出圧力を高くすることができるためにキャビティ内の樹脂回りがよく,ウエルドラインの発生を小さくすることができた。
また,これまで,行われていなかったダイレクトゲート金型による多数個取りを本願発明により初めて可能とし,生産コストをも抑えることができた。
本発明の実施形態につき添付図面を参照しながら以下説明する。
図1に示すように,固定側取付板10にはスプルーブッシュ11が設けられ,該スプルーブッシュ11にはノズルとの接触部分であるノズルタッチ部13から,ノズルタッチ部13方向に小径となる円錐状に形成された第1スプルー12,12が傾斜して複数に分岐して設けられている。ノズルから射出された樹脂はノズルタッチ部13に分岐して形成された前記第1スプルー12,12へ注入される。前記第1スプルー12,12は,それぞれ,ノズルタッチ部13の垂直線に対して型開き方向に5〜55°の傾斜角で,前記ノズルタッチ部13に両スプルー12,12を鋭角に臨ませて形成する。
図3において,前記第1スプルー12,12は,前述のようにノズルタッチ部13から型開き方向に対して鋭角の傾斜角を有して分岐形成されているが,これら複数の第1スプルー12,12は,図3(A)に示すように,ノズルタッチ部13において交点を有するように形成することもでき,又,型開き時に前記第1スプルー12,12先端が分離されるように構成されれば良く,ノズルタッチ部13の同図紙面下方で交叉ないし合流し(同図(B)),あるいはノズルタッチ部13に対して両スプルー先端が間隙を介してノズルタッチ部に臨み該部で合流するよう形成しても良い(同図(C))。
図1において,前記固定側取付板10の同図紙面下方には固定側型板20が設けられ,前記固定側型板20には,前記第1スプルー12,12のキャビティ方向に連通する軸線方向が型開き方向からなる第2スプルー22,22が設けられており,第1スプルーと合わせてスプルー2が2段形成されてなる。
第1スプルー12,12と第2スプルー22,22の連結点におけるスプルー径を基準とした第1スプルーの傾斜角度は,樹脂の種類と共に,一例として下表1のとおりである。軟質材(曲げ弾性率670Kgf/cm2)を利用した際のスプルー径2mmのとき,最大55°が可能である。
Figure 2007307818
本実施形態では,PFAを用いたとき,傾斜角度は,30°としている。
前記固定側型板20の図1において紙面下方には,可動側型板30が設けられ,本実施形態においては,例えば,平面視T字状又はL字状等の管状成形品のキャビティ23,23がそれぞれ同図紙面上下方向に位置する前記固定側型板20と前記可動側型板30に,分割形成された既知の入れ子70が設けられている。T字状又はL字状の管状成形品に対応するキャビティは,ここでは水平面でT字状等複数の略直角の屈曲部を有するキャビティとして形成されている。
入れ子70には,前記第1スプルー12,12に連通する,軸線方向が型開き方向からなる前記第2スプルー22,22が,前記固定側型板20から入れ子70内にそれぞれ独立形成された二のキャビティ23,23にランナーを経ることなく大径のゲートを介して直接,連通して形成されている。
前記可動側型板30の同図紙面下方には,型開き時に前記下方に移動する可動側取付板50がスペーサブロック51を介して設けられている。型開き時には,前記可動側取付板50が同方向へ移動することにより前記スペーサブロック51を介して連結された前記可動側型板30が同期して,同図紙面下方に移動することで型開きが行われる。
前記固定側型板20と前記固定側取付板10間にはエジェクタプレート32が設けられており,前記固定側型板30内を貫通してキャビティ23,23に先端が臨むエジェクタピン33が前記エジェクタプレート32に固定されている。前記エジェクタプレート32が相対的に同図紙面上方に移動することで成形品を取り出すことができる(図1及び図2においては図示省略,図4(A)参照)。
さらに,固定側型板20と可動側型板30とのパーティング面PL1をロックするロック機構40が設けることができ,この場合には,ロック機構40には既知のパーティングロック等を採用することができる。前記ロック機構40を設けて固定側型板20と可動側型板30間のパーティング面PL1をロックすることで,固定側取付板10と固定側型板20とのパーティング面PL2を先に型開きし,ノズルからスプルー樹脂を分離でき,固定側型板20と可動側型板30とのパーティング面PL1を型開きする際にかかるゲート部分21への負荷を低減して白化等の発生の可能性を無くすことができる。
なお,使用する原料樹脂の制限はないが,軟質性のものが好ましく,スプルー樹脂のノズルからの分離やスプルーからの引き抜きを円滑に行える。樹脂としては,熱可塑性樹脂の種類を問わないが,実施形態における管状成形品としては,PFAが用いられ,例えば,曲げ弾性率は,670Kgf/cmであった。
また,図1において,スプルーを2本としたものが例示されているが,スプルーは2本に限定されず,成形品や金型の大きさに合わせて可能な限り複数個設けることもできる。
次に,上記構成の射出成形金型の動作について説明する。
まず,前述の構成からなる本発明の実施形態における射出成形金型1が,型締めされた状態において,注入された樹脂はスプルーブッシュ11のノズルタッチ部13に対して鋭角に臨んでいる少なくとも2以上の第1スプルー12,12を経て分岐し,軸線方向を固定側型板20の型開き方向に形成した第2スプルー22,22を介し,大径に形成されたゲート21,21からスプルー毎に独立して形成されたキャビティ23,23に注入充填される(図1)。そして,樹脂がキャビティ内に充填された後,冷却・固化される。
次いで,固定側取付板10が固定された状態で可動側取付板50が同図紙面下方に移動し,型開きが開始する。このとき,固定側型板20と可動側型板30間のパーティング面PL1はロック機構40によりロックされており,型開きが開始され前記可動側取付板50が同図紙面下方に移動すると,可動側取付板50とスペーサブロック51を介して連結した可動側型板30が,前記ロック機構40によりロックされた固定側型板20と共に前記パーティング面PL1を閉じたまま同図紙面下方に移動し,固定側取付板10と固定板型板20間のパーティング面PL2が先行して型開きする。ダイレクトゲートのため,前記パーティング面PL1の型開きによりゲートカットされることはなく,成形品80と一体成形されたスプルー樹脂先端がノズルから分離される。
さらに,可動側取付板50が同図紙面下方に移動し,型開きが継続すると,前記スプルー樹脂は固定側取付板10に設けられたスプルーブッシュ11にて形成された前記第1スプルー12,12内をその弾性により変形しながら引き抜かれる(図2(A))。2のスプルー樹脂はノズルタッチ部方向に鋭角に傾斜しているので,型開き方向に引っ張るだけで引き抜くことができる。同図2(C)に示す,スプルーにおいても,両スプルー12,12の先端は,先細が円錐状であり,傾斜したスプルー樹脂を前記第1スプルー12,12から完全に引き抜くことができる。
次に,固定側型板20と可動側型板30間に設けられた前記ロック機構40のロックが解除され,可動側取付板50の同図紙面下方に移動すると共にスペーサブロック51を介して連結された可動側型板30も同方向へ移動し,固定側型板20と可動側型板30間のパーティング面PL1が型開きされる(図2(B))。可動側取付板50がさらに同方向へ移動すると,前述したところと同様に傾斜したスプルー樹脂が前記第2スプルー22,22を変形しながら通過し,管状成形品と一体成形された状態で完全に引き抜かれ,型開きが完了する(図2(C))。
そして,型開きの完了と共に,エジェクタプレート32が同図紙面上方に移動し,エジェクタプレート32に固定されたエジェクタピン33によって多数個形成された管状成形品が取り出される(図4(A))。なお,同図4(A)において,31は,リターンピンで,エジェクタピン33を強制復帰させる。図4(B)においては,リターンピン31,エジェクタピン33は,図示省略。また,固定側型板20内の第2スプルー22には,第2スプルー22,22の交換の便宜のため,第2スプルーブッシュ14,14が組み込まれている。
図5に示すように,本実施形態によって成形された管状成形品は,ダイレクトゲートであるためウエルドラインWLの発生が管状成形品のゲートの反対側となり,管状成形体の中央屈曲部に生じることはなく,また,ウエルドラインの発生も抑制することができる。
さらに,複数設けられたスプルーごとに,独立形成されたキャビティによって成形された管状成形品を,1回の射出工程で多数個成形することが可能となる。
上記実施形態においては,前記各スプルー2,2をその軸線方向に少なくとも2段にすなわち,第1スプルー12,12及び第2スプルー22,22に形成した構成について開示しているが,本願発明は,これに限定されず,図示は省略するが,前記各スプルー2,2は,段差を設けず,これを軸線方向を直線状とし,一端を前記ノズルタッチ部方向に小径となる円錐状に一連のスプルーとし,両スプルー2,2の前記一端をノズルタッチ部13に鋭角に臨ませ,他端をそれぞれ,前記独立形成したキャビティ23,23に直接連通するよう形成することができる。
また,図4は,本願発明のさらに他の実施形態を示すもので,ここでは,スプルー2,2は,3段に形成され,それらの形成位置において,軸線方向及び径が僅かに変化している。
すなわち,スプルーブッシュ11にはノズルとの接触部分であるノズルタッチ部13から,ノズルタッチ部13方向に小径となる円錐状に形成された第1スプルー12,12が傾斜して分岐して設けられ,これに連通する第2スプルー22,22が前記固定側型板20に形成され,さらに,この第2スプルー22,22に連通するキャビティスプルー24,24が前記固定側型板20側に位置する入れ子70に形成されている。
入れ子70内に形成されたキャビティの形状及び位置に対応して,第3スプルー24,24の傾斜角度が決定される。同図の実施形態においては,同図右方のキャビティスプルー24は,微少な傾斜角をもって,第2スプルー22の他端に連通している。
なお,3段のスプルーにおいて,第1,第2を直線状で傾斜角度をもって対峙させ,第3スプルーを型開き方向と同方向へ延ばすことも可能である。また,前記第2スプルー22,22及び第3スプルー24,24には,抜きテーパを形成してもよいことは言うまでもない。
本発明の一実施形態おける射出成形金型を示す要部断面図, 本発明の一実施形態おける射出成形金型の樹脂充填時の状態を示す要部断面図,同図(A)は,樹脂充填時の状態を示す要部断面図,同図(B)は,同上,パーティング面PL1の型開き開始時の状態を示す要部断面図,同図(C)は,同上,パーティング面PL1の型開き完了時の状態を示す要部断面図, 本発明の一実施形態にかかる射出成形金型のスプルーブッシュ部分の拡大断面図,同図(A)はノズルタッチ部でスプルーが交わる場合の拡大断面図,同図(B)はノズルタッチ部の下方でスプルーが交わる場合の拡大断面図,同図(C)はスプルー先端が間隙を介してノズルタッチ部に臨む場合の拡大断面図, 本発明の一実施形態おける3段形成のスプルーを有する射出成形金型を示す断面図で,同図(A)は,全体の断面図,同図(B)は,さらに他の実施形態の詳細を示す要部断面図, 本発明の実施形態おける射出成形金型により成形された管状成形品の斜視図, 従来のサイドゲート構造を示し,同図(A)は従来のサイドゲートの構造を示す断面図,同図(B)はサイドゲートの射出成形金型による管状成形品のキャビティ内の樹脂充填状況を示す平面図,同図(C)はサイドゲートの射出成形金型による管状成形品のキャビティ内の樹脂充填状況を示す側面図,同図(D)はサイドゲートによる射出成形金型によって成形された管状成形品の斜視図, 従来のダイレクトゲートの構造を示す断面図である。
符号の説明
1 射出成形金型
2 スプルー
10 固定側取付板
11 スプルーブッシュ
12 第1スプルー
13 ノズルタッチ部
14 第2スプルーブッシュ
20 固定側型板
21 ゲート
22 第2スプルー
23 キャビティ
24 キャビティスプルー
25 ガイドピン
30 可動側型板
31 リターンピン
32 エジェクタプレート
33 エジェクタピン
40 ロック機構
50 可動側取付板
51 スペーサブロック
70 入れ子
80 (管状)成形品
PL1 パーティング面(固定側型板と可動側型板の面)
PL2 パーティング面(固定側取付板と固定側型板の面)
90 (管状)成形品
91 スプルー
92 ランナー
93 ゲート
94 キャビティ
WL ウエルドライン

Claims (11)

  1. ノズルタッチ部に連通する少なくとも2以上のスプルーを有し,前記各スプルーを前記ノズルタッチ部に鋭角に臨ませて形成し,前記各スプルーをその軸線方向で,前記ノズルタッチ部方向に小径となる円錐状に形成すると共に,前記各スプルーを,それぞれ,独立形成したキャビティに,直接連通するよう設けたことを特徴とするダイレクトゲート射出成形金型。
  2. 固定側取付板と,該固定側取付板に接離自在の固定側型板と,前記固定側型板に接離自在の可動側型板を有し,前記固定側型板又は前記固定側型板及び可動側型板に形成したキャビティと,該キャビティに前記固定側取付板のスプルーブッシュに形成されたノズルタッチ部に連通するスプルーを備える射出成形金型において,
    前記スプルーは,少なくとも2以上のスプルーから成り,該各スプルーを前記ノズルタッチ部に鋭角に臨ませて形成し,前記各スプルーをその軸線方向で,前記ノズルタッチ部方向に小径となる円錐状に形成すると共に,前記各スプルーを,それぞれ,前記独立形成したキャビティに,直接連通するよう設けたことを特徴とするダイレクトゲート射出成形金型。
  3. 前記各スプルーをその軸線方向に少なくとも2段に形成し,前記固定側取付板のスプルーブッシュに形成されたノズルタッチ部に臨む第1スプルーを前記ノズルタッチ部方向に小径となる円錐状に形成し,前記各第1スプルーを前記ノズルタッチ部に鋭角に臨ませて形成すると共に,前記各第1スプルーのキャビティ方向で前記第1スプルーに連通する第2スプルーを,該第2スプルーの軸線方向を,前記固定側取付板に接離自在に設けた固定側型板の略型開き方向に形成したことを特徴とする請求項2記載のダイレクトゲート射出成形金型。
  4. 前記可動側型板に対して前記固定側型板をロック機構を介して開閉自在に設けたことを特徴とする請求項2又は3記載のダイレクトゲート射出成形金型。
  5. 前記スプルーの傾斜角は,第1スプルーの交点から垂直線に対して,それぞれ,5〜55°であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のダイレクトゲート射出成形金型。
  6. 前記キャビティは,固定側型板及び可動側型板に嵌装された入れ子に形成されていることを特徴とする請求項2〜4いずれか1項記載のダイレクトゲート射出成形金型。
  7. 前記第2スプルーに連通するキャビティスプルーを,前記入れ子に形成し,前記第2スプルー又は前記キャビティスプルーの軸線方向を,前記固定側型板の略型開き方向に形成したことを特徴とする請求項2〜6いずれか1項記載のダイレクトゲート射出成形金型。
  8. 注入された樹脂を,スプルーブッシュのノズルタッチ部を介して,該ノズルタッチ部に対し鋭角に臨む少なくとも2以上の第1スプルーへ分岐供給し,ついで,前記第1スプルーに連通する第2スプルーを介して,直接ゲートから独立形成した2以上のキャビティに注入充填する工程と,充填された樹脂をキャビティ内で冷却固化する工程と,可動側取付板を移動して型開きを行うにあたり,ロック機構により固定側型板と可動側型板間のパーティング面をロックし,固定側取付板と固定側型板間のパーティング面の型開きを行い,ノズルからスプルー樹脂先端を分離し,前記第1スプルーからスプルー樹脂を引き抜いた後,ロックを解除して固定側型板と可動側型板間のパーティング面の型開きを行い,第2スプルーからスプルー樹脂を引き抜く工程と,エジェクタプレートを移動し,該エジェクタプレートに固定されたエジェクタピンによって,前記独立形成した2以上のキャビティで多数個成形された成形品を取り出す工程とから成ることを特徴とするダイレクトゲート射出成形方法。
  9. 前記第2スプルーに連通するキャビティスプルーを介して,直接ゲートからキャビティに注入充填する工程と,前記第1スプルーからスプルー樹脂を引き抜いた後,ロックを解除して固定側型板と可動側型板間のパーティング面の型開きを行い,キャビティスプルーからスプルー樹脂を引き抜く工程を含む請求項8記載のダイレクトゲート射出成形方法。
  10. 前記注入される樹脂は,曲げ弾性率が560〜22000kgf/cm2であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載のダイレクトゲート射出成形金型。
  11. 前記キャビティが,水平面で十字状、T字状又はL字状の一又は複数の屈曲部を有する管状であることを特徴とする1〜7いずれか1項記載のダイレクトゲート射出成形金型。
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