JPH11309362A - 乳化安定化剤 - Google Patents

乳化安定化剤

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JPH11309362A
JPH11309362A JP10132678A JP13267898A JPH11309362A JP H11309362 A JPH11309362 A JP H11309362A JP 10132678 A JP10132678 A JP 10132678A JP 13267898 A JP13267898 A JP 13267898A JP H11309362 A JPH11309362 A JP H11309362A
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優子 照井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既知の乳化剤に添加して極めて安定な乳化状
態を形成するだけでなく、単独で用いても良好な乳化状
態を作ることが可能であり、安全性も高い、水中油型乳
化組成物の乳化安定化剤を提供する。 【解決手段】 ジペンタエリスリトール、グリセリン縮
合物、炭素数6〜20の脂肪族飽和二塩基酸および炭素
数8〜22の脂肪酸をエステル化反応させたエステル生
成物からなる乳化安定化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水中油型乳化物に配
合して乳化安定化機能を発揮するエステル化生成物に関
する。更に詳しくは、乳化組成物に配合することによっ
て、その乳化安定性を著しく向上させる機能を持ち、か
つ安全性も極めて高いものであり、食品、化粧品、医薬
品、農薬、飼料等の幅広い分野の水中油型乳化組成物に
利用できるエステル化生成物からなる乳化安定化剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、水と油脂、炭化水素あるいは溶剤
などを均一に乳化・安定化する目的で各種の乳化剤や乳
化安定化剤と呼ばれる原材料が用いられてきた。一般に
乳化剤には乳化能として水や油のように大きく異なる物
質間の界面張力を低下させて乳化粒子を微細化しやすく
させ、かつ安定に保つ機能が必要となる。この機能は水
と油あるいは溶剤の種類や配合比率などの条件によって
も要求される機能が異なり、結果として使用する乳化剤
も異なり、一般には乳化剤混合物となる場合が多い。さ
らに特に人体に係わるような分野、例えば食品、化粧
品、医薬品等の製品では安全性も高いことが要求され
る。
【0003】例えば、水中油型の乳化物において乳化能
力が極めて高く広範囲で使用されているものとして、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがあるが、
安全性の点での問題が指摘されている。一方、安全性が
極めて高いポリグリセリン脂肪酸エステルはその乳化力
において完全に満足できるものではない。
【0004】乳化安定化能が不足する処方系において
は、補助的手段として乳化安定化剤が用いられる。この
代表的なものにセタノールやコレステロールがある。セ
タノールは選択的に乳化粒子の界面に配向して液晶を形
成し、界面を固くすることにより乳化系全体の流動性を
失わせしめて乳化状態を安定化する。しかし、セタノー
ルだけでは安定化機能は不十分であるうえ、温度変化に
より分離しやすい。また乳化系が硬くなる結果、乳化組
成物の木目も荒くなりやすい。一方、コレステロールは
界面張力を低下させて乳化粒子を細かくすることに寄与
するが、安定させる乳化系が限定され、さらに乳化物の
粘度は増大しないためにクリーミング現象を生じやす
い。また、これらとは別に乳化系の粘度を上昇させるこ
とにより乳化安定性を増強させるキサンタンガム、カル
ボキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等
の高分子素材がある。これらはいずれも外相(水)を増
粘させて安定化させるものであるが、乳化組成物が糊状
になったり、ぬめり感等の使用感から敬遠されることが
多い。
【0005】このように、これまではある目的のために
乳化系が設計される場合、処方調整によりこれらの欠点
を補いながら全体をまとめ上げて、要求する物性、感触
へ仕上げていく過程を経ていた。しかしながら従来の乳
化関連資材を用いる範囲では、柔らかく木目が細かい上
に、乳化安定性が優れている、さらに安全性も高いとい
うような処方を作り出すことは非常に困難を伴う作業で
あった。
【0006】本発明者らは、かかる実状に鑑み、水中油
型を主体とする乳化系において乳化安定性を向上させる
ために、従来とは異なる位置づけで使用できる原料の開
発に取り組んだ。すなわち、幅広い乳化系において少量
添加することで乳化安定化の機能を発揮し、かつ乳化系
の物性をあまり変化させないような機能を有する材料の
開発を目指して、種々の物質のスクリーニングを行っ
た。その結果、特定のオリゴエステル乳化助剤と乳化安
定化剤の両方の機能を満たし、乳化物の粘度の増加を伴
わないにも係わらず乳化状態を非常に安定化させること
を見いだした。本発明はかかる知見に基づいて完成した
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、乳化処方系に添加することによって、あるいは
他の乳化剤を用いずに水中油型乳化系を極めて安定なも
のとする機能を有する乳化安定化剤を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、ジペンタエリ
スリトール、グリセリン縮合物、二塩基酸および脂肪酸
をエステル化して得られるオリゴエステル生成物に高い
乳化安定効果があることを発見した。さらに詳細に検討
を行った結果、他の脂肪酸の部分については何を使用し
ても大きな効果が見られるが、母核となるジペンタエリ
スリトール、二塩基酸、グリセリン縮合物を特定範囲の
比率でエステル化させることにより、従来にない非常に
優れた乳化安定化機能が発現することを見いだし、ま
た、この比率を外れる領域でも他の乳化剤と併用するこ
とで相乗効果を有することを見いだし、本発明を完成す
るに至った。すなわち本発明は、ジペンタエリスリトー
ル、グリセリン縮合物、炭素数6〜20の脂肪族飽和二
塩基酸および炭素数8〜22の直鎖飽和脂肪酸、直鎖不
飽和脂肪酸、分枝脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸からなる群
から選ばれる1種または2種以上の脂肪酸をエステル化
反応させたエステル化生成物からなる乳化安定化機能を
有する油剤である。なお、本発明による油剤は乳化安定
化機能を発揮するが、通常の乳化剤に比較するとはるか
に大きな分子量を有するため、安全性も極めて高い。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のエステル化生成物を製造
するための必須原料成分としては、まずジペンタエリス
リトールとグリセリン縮合物がある。本発明において、
グリセリン縮合物の適正な縮合度は平均縮合度として5
以上のものを指すが、とりわけ平均縮合度が6以上のも
のが好ましく、さらに好ましくは10程度のグリセリン
縮合物であり、具体的にはペンタグリセリン、ヘキサグ
リセリン、デカグリセリン等を例示でき、これらは単独
もしくは混合物として使用できる。
【0010】次に二塩基酸としては、炭素数が6〜20
の脂肪族飽和二塩基酸であることを必要とする。不飽和
を含むものは乳化安定化機能が低下し、また炭素数が6
未満の二塩基酸ではエステル化物の安定性及び安全性が
低下する。また炭素数が21を越える二塩基酸は工業的
原料として入手しにくい。したがって本発明では、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、オ
クタデカン二酸、エイコサン二酸等の二塩基酸を単独も
しくは混合して使用すれば良い。これらのうち、望まし
いものはエイコサン二酸である。
【0011】さらに、脂肪酸としては炭素数が8〜22
の直鎖飽和脂肪酸、直鎖不飽和脂肪酸、分枝脂肪酸、ヒ
ドロキシ脂肪酸であることを必須とする。具体的な脂肪
酸としてn−オクタン酸、n−オクチル酸、n−デカン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸などの直鎖飽和脂肪酸、パルミトオレイン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸等の直鎖不飽和脂肪
酸、イソオクチル酸(2−エチルヘキサン酸)、イソパ
ルミチン酸(2−ヘキシルデカン酸)、イソステアリン
酸(エメリー社製、商品名「Emersol 875 Isostearic A
cid 」、ユニケマ社製、商品名「PRISORINE ISAC 3505
」等)等の分枝脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン
酸、リシノール酸等のヒドロキシス脂肪酸を例としてあ
げることができ、本発明ではこれらを単独あるいは混合
物で使用しても差し支えない。これらのうち望ましい脂
肪酸は、炭素数が16ないし18のもので、具体的には
ステアリン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、オレ
イン酸および12−ヒドロキシステアリン酸からなる群
から選ばれる1種または2種以上である。なお本発明に
おいては、不飽和度の高い脂肪酸を多く使用すると、本
発明のエステル化生成物の保存安定性が低下する場合が
あるために注意が必要である。かかる脂肪酸の炭素数が
7未満あるいは20以上であると、その場合のエステル
化生成物は本発明で言う乳化安定化機能を発揮しにくく
なる。最大の安定化機能を実現するのは、脂肪酸として
炭素数が16〜18のものを用いたときである。
【0012】前記原料は適宜組み合わせて用いることが
でき、本発明のエステル化生成物を得るには次に述べる
方法のいずれかを採用すれば良い。すなわちジペンタエ
リスリトール、グリセリン縮合物、二塩基酸及び脂肪酸
を同時にオリゴエステル化反応するか、ジペンタエリス
リトールと二塩基酸とグリセリン縮合物をまずエステル
化せしめ、さらに脂肪酸を加えてオリゴエステルとする
か、グリセリン縮合物と脂肪酸とをエステル化せしめ、
これをさらに二塩基酸とジペンタエリスリトールを加え
てオリゴエステル化反応あるいはエステル交換反応をす
る。これらの方法のうち、好ましくはジペンタエリスリ
トールと二塩基酸とグリセリン縮合物をまずエステル化
せしめ、さらに脂肪酸を加えてオリゴエステルとする方
法が、同じ比率で合成を試みた場合に、最も好ましい結
果が得られる。
【0013】ジペンタエリスリトールとグリセリン縮合
物、二塩基酸の配合比率は特に限定されるものではない
が、ジペンタエリスリトールとグリセリン縮合物を合わ
せたモル数が二塩基酸のモル数を越えるものが特に好ま
しい。二塩基酸のモル数が同数あるいはこれ以上の値と
なる場合には、油への溶解性が落ちるために、配合する
脂肪酸の種類と量で調整する必要がある。またジペンタ
エリスリトールのモル比率がグリセリン縮合物の1モル
に対して0.7〜0.1モルであることが好ましい。ジ
ペンタエリスリトールのモル比率が0.7モル以上とな
る場合には、融点の上昇が認められ、相溶性が低下す
る。また0.1モル以下となる場合は、乳化物からの離
水が増大し安定性が低下する。このような場合には、二
塩基酸の種類や量で調整することも可能である。従っ
て、ジペンタエルスリトールとグリセリン重合物のモル
数の総和が、二塩基酸のモル数より大きく、且つ、ジペ
ンタエリスリトールとグリセリンのモル比率が0.1〜
0.7:1である組成が最も乳化安定化剤として優れて
いる。また、この母核に対する脂肪酸の添加量は反応可
能な水酸基の数以下であれば構わないが、乳化剤として
の機能を持たせるためにはジペンタエリスリトールとグ
リセリン縮合物の有するすべての水酸基の中で、最低1
個は未反応の水酸基として残しておかなければならな
い。なお、脂肪酸としてヒドロキシ脂肪酸を使用する場
合にはこの限りではない。
【0014】エステル化反応は、酸、アルカリ又は金属
触媒の存在下もしくは非存在下、好ましくは該反応に不
活性な有機溶剤又は/及び気体中で、100〜240℃
にて数時間〜20時間程度まで、副生する水を除去しな
がら行う。またエステル交換反応は、金属アルコラート
又はリパーゼ等の触媒を用い、20〜140℃にて数十
分〜数時間行う。前記反応経過は、系中の酸価あるいは
遊離状態の酸成分の組成を測定することにより評価で
き、これにより反応の終了時点を決定すれば良い。
【0015】なお、エステル化反応を完全に終結させず
に遊離のカルボキシル基をオリゴエステル構造中に残す
ことも可能だが、本発明ではほぼ完全にエステル基とす
ることが望ましい。エステル化反応物またはエステル交
換反応物は、未反応のジペンタエリスリトール、グリセ
リン重合物、脂肪酸及び/または二塩基酸を含むことが
あり、このほかに副生する脂肪酸、比較的低分子量の部
分エステル化物等が混在することがあるため、水洗、ア
ルカリ脱酸、シリカゲル等の吸着剤処理等の公知の方法
で分離除去し、さらに脱色、脱臭処理を施して精製す
る。
【0016】かくして得られる本発明のエステル化生成
物は、ジペンタエリスリトール、グリセリン縮合物、脂
肪酸および二塩基酸が直鎖状または/及び分枝状にオリ
ゴエステル化された混合物であり、常温において高粘性
液体からワックス状となる。なお、エステル化生成物の
残存水酸基の数は、原料であるジペンタエリスリトール
とグリセリン縮合物の有する水酸基のうちの最低1個を
必須とする。ただし、ヒドロキシ脂肪酸の場合にはこの
限りではない。ヒドロキシ脂肪酸以外において、残存水
酸基が1個も存在しない場合、本発明で対象とする水中
油型乳化組成物において乳化性がほとんど発現されず、
あるいは溶解性や分散性が著しく劣り、乳化物は容易に
分離する。本発明のエステル化生成物の水酸基価は、原
料の配合割合すなわちジペンタエリスリトール及びグリ
セリン縮合物の反応モル当量と脂肪酸及び二塩基酸の各
反応モル当量とから容易に算出でき調節できる。また反
応温度、反応時間、反応の進行に伴う生成水の量によっ
ても調整可能である。
【0017】本発明のエステル化生成物は、これを単独
あるいは任意に混合して、親油性物質及び水、必要に応
じて親水性物質(多価アルコール、糖類等)を主体とす
る混合物に添加して極めて安定な水中油型乳化組成物を
形成することができる。ここに、親油性物質として特に
限定するものではないが、流動パラフィン、スクワラ
ン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、大豆
油、ゴマ油、米胚芽油、サフラワー油、パーム油、オリ
ーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、
月見草油、ヒマシ油、ミンク油、牛脂等の動物性油脂や
その硬化油や分別油、カルナウバワックス、キャンデリ
ラワックス、ミツロウ、ライスワックスなどのワックス
類、イソプロピルミリステート、トリオクタン酸グリセ
リド、ジオクタン酸ネオペンチルグリコールエステル、
イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソオクチルな
どの合成エステルやシリコーンオイルなどを例示するこ
とができる。
【0018】前記親油性物質に対して本発明のエステル
化生成物を0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量
%添加し、約80℃程度に加温して攪拌、溶解した油相
を、常温あるいは加温した状態で攪拌下の水相に添加し
乳化させる。あるいは、本発明のエステル化生成物を水
相に添加する。さらには本発明のエステル化生成物を油
相及び水相の両方にともに添加する方法も可能である。
乳化方法としては上記のような乳化法のほか、ショ糖、
グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−
ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ソル
ビトール等のアルコール類に本発明のエステル化生成物
を添加したのち、油相を加えるD相乳化法や転相乳化法
を用いることもできる。このようにして得られた水中油
型乳化組成物は常温において油分や水分の分離を起こし
にくく極めて安定な処方物であり、系全体が均一状態を
保持する。
【0019】なお、本発明の乳化安定化機能を有する油
剤を含む乳化組成物は、油分と水分と前記エステル化生
成物の単独または混合物とのみを配合してなるものが基
本であるが、本発明の目的を逸脱しない範囲で、これに
さらに適量の従来既知の乳化剤を配合することができ
る。乳化剤として特に限定するものではないが、例えば
ポリオキシエチレン及び/またはポリオキシプロピレン
付加アルキルエーテル、ポリオキシエチレン及び/また
はポリオキシプロピレン付加アルキルアリルエーテル、
ポリオキシエチレン及び/またはポリオキシプロピレン
付加アルキルエステル、ポリオキシエチレン及び/また
はポリオキシプロピレン付加ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン界
面活性剤、脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、
脂肪族アルコールリン酸エステル塩、脂肪酸アミドスル
ホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩等の陰イオン界
面活性剤、脂肪族アミン塩、第四級アンモニウム塩等の
陽イオン界面活性剤や両性界面活性剤等を例示すること
ができる。その他、必要に応じて脂肪酸、アルコール
類、無機塩類、ワックス類、高分子化合物、顔料、色
素、香料等の成分を配合することも可能である。
【0020】
【実施例】以下の合成例及び実施例において、%は重量
基準である。 合成例1 攪拌機、温度計、ガス吹き込み管および水分離器を付け
た四つ口フラスコに、ジペンタエリスリトール17.7
g(0.07モル)、デカグリセリン116g(0.1
5モル、但し固形分換算)、及びエイコサン二酸47.
6g(0.14モル)を仕込み、触媒としてp−トルエ
ンスルホン酸を対仕込み量0.1%、還流溶媒としてキ
シレンを対仕込量5%を加え、窒素ガス気流中、180
〜200℃で、酸価の低下が見られなくなるまで6時
間、エステル化反応を行わせた。さらに室温まで冷却
後、ステアリン酸118.6g(0.42モル)を加
え、再度該反応を行い、反応終了後に白土および活性炭
を各1%加え、減圧下にて脱色処理してろ過、さらに水
蒸気吹き込みによる脱臭処理を施して、本発明のエステ
ル化生成物(試料No.1とする)280gを得た。
【0021】比較合成例1 原料としてジペンタエリスリトール25.7g(0.1
0モル)、ジグリセリン33.5g(0.20モル)、
エイコサン二酸68.4g(0.19モル)、ステアリ
ン酸170.4g(0.60モル)を用いる他は同様に
操作、処理し、エステル化生成物(試料No.11)2
86gを得た。
【0022】合成例2〜9、比較合成例2〜5 前記同様の方法により各種ポリグリセリン、脂肪酸及び
二塩基酸を組み合わせて合成例(試料No.2〜9)、
比較合成例(試料No.11〜15)のエステル化生成
物を得た。
【0023】合成例10 攪拌機、温度計、ガス吹き込み管および水分離器を付け
た四つ口フラスコに、ジペンタエリスリトール17.7
g(0.07モル)、デカグリセリン116g(0.1
5モル、但し固形分換算)、エイコサン二酸47.6g
(0.14モル)およびステアリン酸118.6g
(0.42モル)を仕込み、触媒としてp−トルエンス
ルホン酸を対仕込み量0.1%、還流溶媒としてキシレ
ンを対仕込量5%を加え、窒素ガス気流中、180〜2
00℃で、酸価の低下が見られなくなるまで7時間、エ
ステル化反応を行わせた。室温まで冷却後、白土および
活性炭を各1%加え、減圧下にて脱色処理してろ過、さ
らに水蒸気吹き込みによる脱臭処理を施して、本発明の
エステル化生成物(試料No.10)295gを得た。
【0024】エステル化反応の原料配合およびエステル
化生成物の性状、分析値をまとめて表1、表2に示す。
なお、表中の原料は次のものを用いた。また、原料配合
における数値はモル数を示す。 ジペンタエリスリトール:広栄化学工業(株)製、商品
名「ジペンタエリトリット」 デカグリセリン:阪本薬品工業(株)製、商品名「ポリ
グリセリン#750」 ヘキサグリセリン:阪本薬品工業(株)製、商品名「ポ
リグリセリン#500」 ジグリセリン:阪本薬品工業(株)製、商品名「ジグリ
セリン」 エイコサン二酸:岡村製油(株)製、商品名「SL−2
0」 アジピン酸:旭化成工業(株)製、商品名「アジピン
酸」 ステアリン酸:花王(株)製、商品名「ルナックS−9
8」 イソステアリン酸:日産化学工業(株)製、商品名「イ
ソステアリン酸N」 オレイン酸:日本精化(株)製、商品名「パモリン#1
00」 n−オクタン酸:新日本理化(株)製、商品名「カプリ
ル酸」 12−ヒドロキシステアリン酸:川研ファインケミカル
(株)製、商品名「ヒドロキシステアリン」
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】実施例1〜10、比較例1〜9(通常の水
中油型乳化機能の評価) 合成例1〜10および比較合成例1〜5で得られたエス
テル化生成物について水中油型乳化組成物における能力
を以下の方法により評価した。すなわち、合成例1〜1
0で得たエステル化生成物(試料No.1〜10)のい
ずれか1gを80℃の水59gに添加、攪拌して均一に
溶解または分散させ、さらにホモミキサー(特殊機化工
業(株)製、TKホモミキサー)を用いて3000rp
mの攪拌下で、80℃に加温したトリオクタン酸グリセ
リル(日清製油(株)製、商品名「TIO」)40gを
徐々に添加した。添加終了後さらに5分間攪拌を行った
後、攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化
物を調整した。得られた乳化物を目盛りつきシリンダー
に入れ、調整直後、および20℃にて24時間保存時の
状態を観察した(実施例1〜10)。この結果を表−3
に示す。また、比較合成例1〜5で得たエステル化生成
物(試料No.11〜15)および既存の乳化剤各種に
ついても同様にして乳化物を調整し乳化能評価を行った
(比較例1〜5および比較例6〜8)。この結果を表4
及び表5に示す。さらに、前記既存乳化剤と本発明のエ
ステル化生成物(試料No.1)とを併用した場合につ
いても同様にして乳化物を調整し、乳化能評価を行った
(実施例11〜13)。この結果を表6に示す。
【0028】なお、表3〜5において評価指標は次の基
準および計算方法によるものである。 (乳化状態) ◎:全体に均一な乳化物 ○:表面に若干油滴が認められる乳化物 △:表面にかなり油滴が認められる乳化物 ×:ほとんど乳化せず (離水率) 離水率(%)=(離水相の重量 ÷ 乳化物中の水分重
量) × 100
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】 [使用原料] ポリオキシエチレンソルビタンステアラート(PO
E):花王(株)製、商品名「レオドールTW−S12
0」 ソルビタンモノオレアート:日清製油(株)製、商品名
「コスモール82」 脂肪酸:花王(株)製、商品名「ルナックS−98」 グリセリン脂肪酸エステル(MG):理研ビタミン
(株)製、商品名「ポエムS100」 セタノール:花王(株)製、商品名「カルコール68」
【0032】
【表6】
【0033】表3〜表6に示したデータから、本発明の
エステル化生成物(試料No.1〜10)は、従来の乳
化剤を使用して得た乳化状態をさらに安定化させ、該乳
化状態を長期に維持できることが明らかとなった。これ
は、比較合成例で調整したエステル化生成物(試料N
o.11〜15)や従来既知の乳化剤を使用して作成し
た水中油型乳化物に比べて顕著な効果があり、また従来
既知の乳化剤を使用して作成した水中油型乳化物の乳化
状態を安定化させる乳化安定化剤として本発明の生成物
が有用であることを意味する。
【0034】実施例14〜19(ゲル乳化法による水中
油型乳化機能の評価) 合成例1、3、5および7で得たエステル化生成物(試
料No.1、3、5および7)のいずれか1gをグリセ
リン10g、水2gと80℃で混合し、さらにディスパ
ーミキサー(特殊機化工業(株)製)2000rpmの
攪拌下で、80℃に加温したトリオクタン酸グリセリル
(日清製油(株)製、商品名「TIO」)30gを徐々
に添加した。添加終了後5分間攪拌を行いゲル状とした
後、さらに80℃に加温したイオン交換水57gを徐々
に攪拌下で添加した。その後攪拌しながら30℃まで冷
却し、水中油型乳化物を得た。得られた乳化物を目盛り
つきシリンダーに入れ、調整直後、および20℃にて1
0日後の状態を観察した。この結果を表7に示す。
【0035】
【表7】 注)乳化状態を表す記号、離水率:表3と同じ 乳化粒子径:平均粒子径を表示。COULTER 社製、N4型 サブミクロン粒子分析装置で測定。 表7のデータから、本発明のエステル化生成物は、ゲル
乳化法による乳化が可能であり、非常に均一で安定な水
中油型乳化物を形成することが確認された。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ジペンタエリスリトー
ル、グリセリン縮合物、炭素数6〜20の脂肪族飽和二
塩基酸および炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化生
成物からなる水中油型乳化組成物の乳化安定剤を提供で
きる。この乳化安定剤を水中油型乳化系の処方中に少量
添加することで、均一かつ非常に安定性の高い水中油型
乳化組成物を得ることができる。また本発明のエステル
化生成物は、既知の乳化剤に添加して非常に安定な乳化
状態を形成するだけではなく、単独で用いても良好な乳
化状態を作ることが可能であり、安全性も極めて高い。
かかる乳化安定化機能を有する本発明のエステル化生成
物は、化粧品、医薬品等の身体に関わる分野の他、一般
工業用としても広範囲の産業の乳化製品に応用すること
ができ、極めて有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジペンタエリスリトール、グリセリン縮
    合物、炭素数6〜20の脂肪族飽和二塩基酸および炭素
    数8〜22の脂肪酸をエステル化反応させたエステル生
    成物からなる乳化安定化剤。
  2. 【請求項2】 炭素数8〜22の脂肪酸が直鎖飽和脂肪
    酸、直鎖不飽和脂肪酸、分枝脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸
    からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求
    項1に記載の乳化安定化剤。
  3. 【請求項3】 グリセリン縮合物が平均重合度5〜10
    である請求項1または2に記載の乳化安定化剤。
  4. 【請求項4】 ジペンタエリスリトールとグリセリン重
    合物のモル数の総和が脂肪族飽和二塩基酸のモル数より
    大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳化安定化
    剤。
  5. 【請求項5】 ジペンタエリスリトールのモル数が、グ
    リセリン縮合物の1モルに対して0.1〜0.7モルで
    ある請求項1〜4のいずれか1項に記載の乳化安定化
    剤。
  6. 【請求項6】 直鎖飽和脂肪酸がステアリン酸および/
    またはパルミチン酸である請求項2に記載の乳化安定化
    剤。
  7. 【請求項7】 直鎖不飽和脂肪酸がオレイン酸である請
    求項2に記載の乳化安定化剤。
  8. 【請求項8】 分枝脂肪酸がイソステアリン酸である請
    求項2に記載の乳化安定化剤。
  9. 【請求項9】 ヒドロキシ脂肪酸が12−ヒドロキシス
    テアリン酸である請求項2に記載の乳化安定化剤。
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JP2013194032A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Riken Vitamin Co Ltd ポリグリセリン脂肪酸エステル混合物の製造方法
JP5395325B2 (ja) * 2005-01-28 2014-01-22 日清オイリオグループ株式会社 エステル化反応生成物及び化粧料
CN114621803A (zh) * 2020-12-10 2022-06-14 中国石油天然气股份有限公司 一种自乳化酯及其制备方法

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