JPH11300273A - 光触媒被覆の形成方法 - Google Patents

光触媒被覆の形成方法

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JPH11300273A
JPH11300273A JP10128307A JP12830798A JPH11300273A JP H11300273 A JPH11300273 A JP H11300273A JP 10128307 A JP10128307 A JP 10128307A JP 12830798 A JP12830798 A JP 12830798A JP H11300273 A JPH11300273 A JP H11300273A
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JP
Japan
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photocatalyst
coating
composition
reaction
photocatalytic
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Application number
JP10128307A
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English (en)
Inventor
Kyoichi Fujimoto
恭一 藤本
Kozo Hayashi
宏三 林
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Tokiwa Electric Co Ltd
Original Assignee
Tokiwa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐クラック性に優れた光触媒被覆を形成す
る。 【解決手段】 オルガノトリアルコキシシランと、これ
を加水分解する水と、反応促進剤としてのアルミニウム
キレートとを含む混合物を予め予備反応させて得たポリ
オルガノシルセスキオキサンのプレポリマを含有する予
備反応生成物と、反応抑制剤としてのリン酸エステル
と、これらの成分を溶解する有機溶剤とを含むバインダ
組成物を用い、これに酸化チタン等の光触媒を混合して
光触媒コーティング組成物とし、基体表面に塗布し、次
いで乾燥硬化する。また、このバインダ組成物をベース
コート層の形成に使用する。ラダー構造のポリマである
ポリオルガノシルセスキオキサンの硬化被膜を形成する
と共に、1液性を有し、しかも常温でも乾燥硬化可能な
このバインダ組成物の使用によって、耐クラック性に優
れた光触媒被覆を、どのような基体の表面に対しても容
易に形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒機能を有する
被覆(被膜、塗膜)、即ち、光の照射を受けて酸化触媒
性の活性表面を形成し、その高い酸化力により抗菌性、
環境浄化性、或いは自己浄化性等の種々の機能を発現す
る光触媒被覆を、金属、ガラス、セラミック、或いはプ
ラスチック等の任意の基体表面に形成する方法に関する
ものであり、より詳細には、光半導体微粒子からなる光
触媒を被膜形成性の特定のバインダ組成物と共に用いる
ことによって、強度、密着性(付着性)等の一般的な諸
性能に合せて、特に優れた耐クラック性(耐衝撃性、耐
屈曲性)を有する光触媒被覆を形成することができ、ま
た、工場内において工業的にだけでなく、現場において
既設構造物等に直接実施することもできる光触媒被覆の
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、酸化チタンTiO2に代表される光
半導体の光触媒作用、特にその強い酸化触媒作用に高い
関心が集められ、環境浄化等の観点から、種々の基体表
面への被覆としてその利用と応用の開発が盛んになされ
ている。
【0003】即ち、光半導体にそのバンドギャップ以上
のエネルギの波長の光(酸化チタンの場合は、波長40
0nm以下の紫外線)が照射されると、荷電帯の電子の伝
導帯への光励起に基づく伝導電子・正孔対の発生とそれ
による水酸基ラジカル、活性酸素種の生成によって、有
機化合物の分解等に触媒として作用する酸化触媒性の、
つまり、酸化力を有する活性表面が形成される。したが
って、この光触媒作用を利用し、酸化チタン等の光半導
体を自然光或いは照明光等の光が照射可能な基体表面に
被覆として適用することによって、抗菌性(殺菌性)、
環境浄化性(脱臭、消臭)、或いは自己浄化性(防汚
性)等の光触媒機能を特別な光エネルギ無しで発現させ
ることができる。そのため、このような光触媒機能を有
する光半導体の被覆、特に酸化チタンの被覆は、既に広
く実用化されたタイル(抗菌性タイル)や窓ガラス(防
汚性ガラス)等を始めとして、幅広い分野で種々の基体
表面への適用が開発され、また検討されている。そし
て、最近では、光触媒作用による窒素酸化物NOxの無
害化を目的した高速道路の防音壁、或いはガードレール
等への適用、汚れの防止または洗浄の容易化を図ったト
ンネル内壁、照明カバー等への適用、更には、自動車の
外板及びウィンドガラス、印刷用プラスチックフィルム
への適用等についてもその実用化が進められている。
【0004】そして、このような光触媒被覆、即ち、光
触媒機能を有する光半導体の被覆は、一般に、比表面積
がより大きく光触媒作用が十分に生じ得る微粒子状の光
半導体の被覆として形成され、具体的には、酸化チタン
からなる光触媒被覆の形成方法としては、その微粒子を
ゾルとして塗布し、次いで焼成(焼結)することによっ
て基体表面に薄膜として被着形成するゾル塗布−焼成法
(特開平5−253544号、等)が代表的であり、そ
の他にも、アルコキシチタン等の有機チタネートを出発
材料として、これを気相で酸化するCVD法、液相で加
水分解するゾルゲル法、或いは、電子ビーム蒸着法、等
の薄膜形成技術に基づく方法が知られている。しかし、
これらの方法は、強固で、活性の高い光触媒被覆を形成
できる特長を有するが、そのために少なくとも400℃
以上の高温度での熱処理、即ち、焼成を必要とする。
【0005】これに対して、被膜形成性のバインダ(結
着剤、ビヒクル)を用い、光半導体微粒子の被覆を、そ
のバインダによって結着された被膜(塗膜)の形態で基
体表面に被着形成する方法、具体的には、一般的な塗装
技術と同様に、酸化チタン等の光半導体の微粒子からな
る光触媒をそのバインダの溶液に混合・分散して光触媒
コーティング組成物(光触媒塗料)とし、これを基体表
面に塗布し、次いで乾燥または焼付して硬化被膜を形成
する方法も知られている。そして、この方法によれば、
バインダの具体的組成にもよるが、比較的低温度の熱処
理により、ないしは熱処理を要することなく、簡易に光
触媒被覆を形成することができる。そのため、広い基体
表面であっても、容易に光触媒被覆を形成することがで
きる。ただし、この方法において、光半導体微粒子を結
着した被膜を形成するバインダは、強度や密着性(付着
性)等の被膜性能が十分であるだけでなく、その光半導
体の光触媒作用(酸化触媒作用)に対して十分な耐性
(耐光触媒作用性)を有し、劣化しないことが重要であ
る。
【0006】特開平7−171408号には、そのよう
な光触媒作用による分解・劣化が極めて少ないバインダ
として、水ガラスやコロイダルシリカ、或いは各種セメ
ント類を含む無機系バインダ、各種のフッ素系ポリマ、
及び、直鎖シリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、
各種シリコン系ゴム等のシリコン系ポリマが挙げられて
いる。そして、具体的には、フッ素系ポリマ/イソシア
ネート系硬化剤からなるバインダ組成物の使用(120
℃×20分焼付)、及びポルトランドセメント、アルミ
ナセメントの使用(室温乾燥)に加えて、それぞれシリ
カゾル及びメチルトリメトキシシランであると考えられ
る日本合成ゴム社製『T2202A』と『T2202
B』の3:1混合物からなるバインダ組成物の使用(1
80℃×10分焼付)について開示されている。また、
ここには、バインダで結着された光半導体微粒子の被膜
(光触媒コート層)の光触媒作用による影響から基体を
保護するために、そのバインダからなる被膜をベースコ
ート層として形成することについても開示されている。
【0007】また、特開平8−67835号では、光触
媒被覆用のバインダとして、テトラアルコキシシランま
たはコロイダルシリカと、オルガノトリアルコキシシラ
ンと、適宜にジオルガノジアルコキシシランとを含むケ
イ素化合物の加水分解生成物(シリカ分散オリゴマ)の
使用が提案されている。そして、特開平8−14150
3号には、そのシリカ分散オリゴマからなるバインダ組
成物を用いた光触媒被覆の形成方法として、このバイン
ダ組成物を基体表面に塗布し、次いで光半導体微粒子か
らなる光触媒を分散した有機溶剤を塗布した後乾燥する
ことによって、表面に光触媒が多く存在する塗膜を形成
することが開示されている。
【0008】更に、特開平8−164334号、特開平
10−85599号では、バインダとして、テトラアル
コキシシランまたはテトラクロロシラン単独の加水分解
生成物(不定形シリカゾル)の使用が開示されている。
なお、これと同様のコロイダルシリカ(シリカゾル)の
使用については、特開平5−309267号、特開平6
−296874号に開示されている。
【0009】なお、この種のバインダに関しては、特開
平9−40872号、特開平9−188850号または
特開平9−227829号、特開平9−234375号
(コロイダルシリカと熱可塑性樹脂エマルジョン)、特
開平9−310039号等においても開示されている
が、いずれも上記と同じ、または同様の組成からなって
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする技術的課題】このように、比
較的低温度の熱処理によって、または熱処理なしで(常
温で)、簡易に光触媒機能を有する被覆を形成する方法
として、光触媒作用(酸化触媒作用)に対して耐性を有
する被膜形成性のバインダを用い、酸化チタン等の光半
導体の微粒子からなる光触媒をそのバインダで結着させ
た被膜として形成する方法が知られている。そして、こ
のバインダとしてはフッ素樹脂系、或いは無機系または
有機−無機複合系等の種々の組成物が提案されている
が、中でも、シリコーンハードコート材と知られたコロ
イダルシリカ(シリカゾル)またはテトラアルコキシシ
ランの加水分解重縮合物とオルガノトリアルコキシシラ
ンとの2液型混合物が実用的な具体例として代表的であ
る。
【0011】ところで、このようなバインダに要求され
る特性としては、高い耐光触媒作用性(耐酸化性)と共
に、被膜強度、密着性(付着性)等の基本的被膜性能が
重要であるが、特に最近では、光触媒被覆の適用分野の
拡大にも伴なって、その低温または常温硬化性もますま
す重要になってきている。特に、プラスチックフィルム
等では、少なくとも100℃以下の低温度で硬化被膜が
形成され得ることが望ましく、また、既設構造物等への
現場での適用においては、常温硬化性が絶対的である。
しかしながら、こうした点に対して、これまでに提案さ
れたバインダ組成物は、実用上必ずしも十分なものでは
なかった。
【0012】更に、高速道路の遮音壁、トンネル内壁等
の形成には一般にプレコートメタルが使用されるが、こ
れに光触媒被覆を適用する場合、その被覆は加工時の耐
クラック性(耐屈曲性)を十分に有することが必要であ
る。また、この耐屈曲性と同種の特性であるが、飛石等
の衝突に対する耐クラック性(耐衝撃性)は、自動車の
外板等に光触媒被覆を適用する場合に重要となる。そし
て、この耐クラック性は、光触媒被覆がベースコート層
を含むものとして形成される場合、そのベースコート層
はバインダの硬化物のみからなる緻密な被膜として形成
されるため、特に問題となるものである。
【0013】なお更に、バインダ組成物自体は、使用直
前に混合して調合する2液型であるよりは、十分な貯蔵
安定性を有する1液型である方が、取扱性及び作業性の
点からも好ましい。
【0014】そこで、本発明は、1液性であって、か
つ、常温または比較的低温度の加熱で乾燥硬化可能であ
り、更に、特に耐クラック性(耐屈曲性、耐衝撃性)に
優れた被膜を形成することができるバインダ組成物を用
いることによって、種々の分野のどのような基体表面に
対しても、光触媒機能を有する被覆を容易に形成するこ
とができる光触媒被覆の形成方法の提供を課題とするも
のである。
【0015】
【解決手段】本発明者等は、光触媒被覆の形成に用いる
バインダとして、無機ポリマであるポリシロキサンの中
でも特に強度が高いラダー(はしご)構造型ポリシロキ
サン(ポリオルガノシルセスキオキサン)に着目し、常
温でも硬化可能で、かつ、1液性の組成物として開発し
た。そして、このバインダ組成物を光触媒被覆の形成、
即ち、光触媒コート層及び/またはベースコート層の形
成に使用することによって、上記の課題を有利に解決で
きることを確認した。
【0016】即ち、本発明は、オルガノトリアルコキシ
シランと、これを加水分解する水と、反応促進剤として
のアルミニウムキレートとを含む混合物を予め予備反応
させて得たポリオルガノシルセスキオキサンのプレポリ
マを含有する予備反応生成物と、反応抑制剤としてのリ
ン酸エステルと、これらの成分を溶解する有機溶剤とを
含むバインダ組成物を用いたものであり、本発明の第一
の光触媒被覆の形成方法は、このバインダ組成物に酸化
チタン等の光半導体の微粒子からなる光触媒を混合し、
分散して光触媒コーティング組成物とし、これを基体表
面に塗布し、次いで乾燥硬化することからなるものであ
る(請求項1)。そして、この方法によれば、光触媒機
能を有する被覆を、光半導体微粒子からなる光触媒がそ
のバインダ(ポリオルガノシルセスキオキサン)により
結着された被膜として基体表面に形成することができ
る。
【0017】また、本発明の第二の光触媒被覆の形成方
法は、基体表面を光半導体微粒子の光触媒作用から保護
するためのベースコート層を含む被覆として形成するも
のであって、そのベースコート層の形成に特に上記のバ
インダ組成物を使用したものであり、このバインダ組成
物を基体表面に塗布し、次いで乾燥硬化してベースコー
ト層を形成する工程と、そのベースコート層上に、光半
導体微粒子からなる光触媒を耐光触媒作用性のバインダ
組成物に分散した光触媒コーティング組成物を塗布し、
次いで乾燥硬化して光触媒コート層を形成する工程とか
らなる(請求項2)。そして、この方法の場合、光触媒
被覆は、そのバインダの硬化被膜からなるベースコート
層と、光半導体微粒子が耐光触媒作用性バインダにより
結着された被膜からなる光触媒コート層との二層構造で
形成される。したがって、この方法は、基材がプラスチ
ックや木材、或いは塗装面等の有機質材からなり、光触
媒作用によって劣化され易い場合に適している。
【0018】更に、本発明の第三の光触媒被覆の形成方
法は、上記の第二の方法の変形であって、前記バインダ
組成物を基体表面に塗布し、ベースコート層を形成する
工程と、そのベースコート層の乾燥硬化前に、光半導体
微粒子からなる光触媒を有機溶剤、または、耐光触媒性
バインダ組成物を低濃度で含む有機溶剤に分散した光触
媒コーティング組成物[光触媒分散液]を塗布し、次い
で乾燥硬化する工程とからなるものである(請求項
3)。この方法によれば、ベースコート層の乾燥硬化前
に光触媒コーティング組成物が塗布されることによっ
て、ベースコート層の表面部分は有機溶剤により一旦溶
解され、そしてこれに光半導体微粒子からなる光触媒が
沈着し、その状態で被膜が硬化されるため、光触媒被覆
は、光触媒がバインダの硬化被膜の実質的に表面部分の
みに結着され、保持された単一の被膜として形成される
ことになる。
【0019】なお、上記の第二及び第三の方法におい
て、耐光触媒作用性(耐酸化性)のバインダ組成物とし
ては、この種のバインダとして公知の任意の組成物を使
用することができるが、より好ましくは、ベースコート
層の形成に使用する上記のバインダ組成物を用いること
ができる(請求項4)。
【0020】ここで、ポリオルガノシルセスキオキサン
は次の一般化学構造式で示されるものであり、1個のケ
イ素原子Si 当たり1.5個の酸素原子Oが結合したラ
ダー(はしご)状のポリマ構造を有するポリオルガノシ
ロキサンである。
【化1】 [なお、Rはメチル、エチル、或いはフェニル等のオル
ガノ基である。]そして、このポリマは、化学的に(特
に酸化に対して)安定なシロキサン結合を骨格とするポ
リオルガノシロキサンに一般に共通する耐熱性、耐候
性、耐水性、耐寒性、耐薬品性等を有し、また、耐酸化
性、即ち、耐光触媒作用性を有するだけでなく、そのラ
ダー形のポリマ構造によって、より安定化されたそれら
の化学的特性と共に、特に高い機械的強度(単鎖状ポリ
マの少なくとも2倍の強度)を有している。
【0021】そのため、本発明の光触媒被覆の形成方法
によれば、バインダ組成物として、そのようなポリオル
ガノシルセスキオキサンをプレポリマとして含み、乾燥
によってそのラダー型ポリマから実質的になる硬化被膜
を形成する組成物が使用されているので、密着性、耐候
性等の一般的な被膜性能と共に、特に耐クラック性(耐
屈曲性、或いは耐衝撃性)に優れた光触媒被覆を形成す
ることができる。また特に、このバインダ組成物は反応
促進剤としてのアルミニウムキレートと反応抑制剤とし
てのリン酸エステルの添加によって、常温でも硬化可能
であって、しかも十分な貯蔵安定性を有し、取扱が容易
な1液性の組成物として調製されているので、これを基
体表面に塗布するだけで、加熱処理なしでも容易にその
硬化被膜を形成することができる。即ち、本発明の方法
によれば、焼付或いは加熱処理を行うことが困難な既設
構造物等を含め、あらゆる基体の表面に対して、上記の
被膜性能を有する光触媒被覆を容易に形成することがで
きる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。
【0023】〔バインダ組成物〕上記のように、本発明
の光触媒被覆の形成方法においては、光触媒コート層及
び/またはベースコート層の形成のために被膜形成性の
バインダ組成物を使用する。そして、そのバインダ組成
物は、基本的には、オルガノトリアルコキシシランと水
とを、アルミニウムキレートからなる反応促進剤を添加
して予備反応させて得られたポリオルガノシルセスキオ
キサンのプレポリマを含有する予備反応生成物に、1液
性化のために、リン酸エステルからなる反応抑制剤を添
加して調製した有機溶剤溶液からなっている。
【0024】ここで、一般式RSi(OR')3で示される
オルガノトリアルコキシシランは水との反応により加水
分解されると共に重縮合し、前述の化学構造で示される
ポリオルガノシルセスキオキサン([R2Si23]n )を
生成する。この過程は、次の反応式で示すことができ
る。 nRSi(OR')3 +3/2nH2O→[R2Si23]1/2n+3
nR'OH つまり、オルガノトリアルコキシシランはそのアルコキ
シル基OR' が水によって、加水分解され、該当するア
ルコールR'OH が分離すると共に、生成したシラノー
ル基SiOH が他のオルガノトリアルコキシシランのシ
ラノール基またはアルコキシル基と重縮合し、その結
果、ラダー状構造のポリマであるポリオルガノシルセス
キオキサンが生成する。なお、アルミニウムキレートは
この加水分解重縮合によるポリマ化反応を触媒的に促進
する。
【0025】そして、そのオルガノトリアルコキシシラ
ンRSi(OR')3 としては、この種のポリオルガノシロ
キサンの合成に一般に使用されている任意のものを単独
で、または適宜組合せて用いることができる。具体的に
は、オルガノ基Rとしては、メチル基,エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、更にはデシル基等のアルキル基、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、脂環
式炭化水素基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等のハロ
ゲン化炭化水素基、或いは、ビニル基等が挙げられる。
ただし、これらの中でも、オルガノ基Rとしては、メチ
ル基、エチル基等の炭素数4以下の低級アルキル基とフ
ェニル基とが一般的でもあり特に好ましく、また、光触
媒作用により酸化分解されて水酸基に換る可能性も考慮
した場合、それと分子量がほぼ同じであるメチル基が最
も好ましい。
【0026】他方、アルコキシル基OR' は、脂環式ア
ルコシシル基、芳香族アルコキシル基等を含めた任意の
アルコキシル基であることができる。しかし、加水分解
によりアルコールR'OH として分離し、本バインダ組
成物の溶剤の一部ともなるこのアルコキシル基OR' と
しては、炭素数4までの低級アルコキシル基が加水分解
性の点からも好ましく、一般にはメトキシル基、または
エトキシル基が最も好ましい。したがって、本バインダ
組成物の出発原料物質として使用されるそのオルガノト
リアルコキシシランとしては、代表的には、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、或
いはこれらの混合物が挙げられる。
【0027】水H2O は、上記のオルガノトリアルコキ
シシランと反応してこれを加水分解し、ポリオルガノシ
ルセスキオキサンを生成するために重要な反応剤であ
る。そして、この反応剤としての水は、オルガノトリア
ルコキシシランの1モルに対して、理論的には1.5モ
ルの割合で反応する。しかしながら、反応は具体的には
有機溶剤中でなされること等の点から、加水分解重縮合
を良好に遂行させるためには、水の配合量は、その理論
量である1.5モルよりも過剰であることが好ましい。
ただし、余り多い水の量は、ラダー型ポリマの形成を損
なう恐れがある。そのため、水の配合量は、理論量の
1.2〜2.0倍程度、即ち、オルガノトリアルコキシ
シラン1モルに対して1.8〜3.0モル程度の割合が
好ましい。
【0028】なお、この水には、その加水分解作用を促
進するために、酸触媒を加えることができ、特に、用い
るオルガノトリアルコキシシランのアルコキシル基がエ
トキシル基或いはそれ以上の炭素数のアルコキシル基で
ある場合には、好ましいことである。そして、この酸触
媒は、塩酸等、通常の無機酸或いは有機酸であることが
できる。
【0029】アルミニウムキレートからなる反応促進剤
は、これらのオルガノトリアルコキシシランと水との混
合物に添加され、それらの加水分解重縮合反応によるポ
リオルガノシルセスキオキサンの生成を触媒的に促進す
る。そのため、このアルミニウムキレートは、本バイン
ダ組成物の常温での硬化を可能とするためにも重要であ
る。なお、この種の反応促進剤または触媒としてはジブ
チル錫ジラウリレート等の有機錫系化合物がよく知られ
ているが、本バインダ組成物においては、反応促進性が
優れている等の点で、特にアルミニウムキレートが使用
される。
【0030】そして、このアルミニウムキレートとして
は任意のものを使用することができるが、アルミニウム
トリアルコキドを、キレート剤としてアセチルアセトン
等のβ−ジケトンまたはアセト酢酸エステル等のβ−ケ
トン酸エステルを用いてキレート化したものが最も代表
的なものでもあり、特に好ましい。即ち、より具体的に
は、例えば、アルミニウム・ジセカンダリ(sec-)ブトキ
シド・エチルアセトアセテート(キレート)、或いはア
ルミニウム・ジイソプロキシド・エチルアセトアセテー
ト(キレート)を挙げることができる。
【0031】なお、このアルミニウムキレートの添加量
は通常の触媒量であればよく、一般に、オルガノトリア
ルコキシシランの1モルに対して0.005〜0.01
モル程度の割合で添加することができる。
【0032】これに対して、リン酸エステルは、そのア
ルミニウムキレートの反応促進作用を阻害し、或いは、
ポリオルガノシルセスキオキサンのプレポリマの末端の
シラノール基をブロックし、それによって、予備反応生
成物の硬化(引続き進行する加水分解重縮合反応による
組成物のゲル化)を抑制する反応抑制剤として働き、本
バインダ組成物を1液性化して、それの十分な貯蔵安定
性を確保するために使用される。なお、このリン酸エス
テルは本バインダ組成物の塗布後、乾燥により有機溶剤
と共に揮発し、それによって、その硬化反応が再び進行
する。
【0033】そして、このリン酸エステルは各種リン酸
の任意のエステル化合物であることができるが、実用
上、分子量が比較的低く、また水にも溶解する低級アル
キルエステルが好ましい。具体的には、例えば、酸性リ
ン酸メチルエステル、酸性リン酸エチルエステル、酸性
リン酸イソプロピルエステル、リン酸ジブチルエステ
ル、酸性リン酸ブチルエステル、酸性リン酸2−エチル
ヘキシルエステル等、炭素数が1〜8の脂肪族アルコー
ルとリン酸とのモノまたはジエステル(酸性エステル)
が好ましい。そして、これらの中でも最も好ましいの
は、酸性リン酸メチルエステルである。
【0034】なお、このリン酸エステルの添加量も触媒
量であり、また、上記のアルミニウムキレートとほぼ等
モルの割合が好ましい。
【0035】有機溶剤は、オルガノトリアルコキシシラ
ンを加水分解重縮合する際の溶媒として用いられ、ま
た、それによって生成したポリオルガノシルセスキオキ
サンのプレポリマを含有する予備反応生成物を適度に希
釈するために用いられる。
【0036】そして、このような有機溶剤としては、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類、アセ
トン等のケトン類、エチレングリコール等のエーテル
類、酢酸エチル等のエステル類、或いはベンゼン等の芳
香族系溶剤類等をそれぞれ単独で、または2種以上を組
合せて使用することができる。しかし、オルガノトリア
ルコキシシランの加水分解によってアルコールが副生成
物として生成されることから、有機溶剤としてはアルコ
ール類が好ましく、また、毒性がなく、水の溶解性も良
いことから、メタノール以外の低級アルコール、即ち、
炭素数が2〜5の脂肪族アルコールがより好ましい。更
に、それらの中でも、エチルアルコールとイソプロピル
アルコールが一般に最も好ましい。
【0037】本バインダ組成物の調製に際し、アルミニ
ウムキレートは、予め有機溶剤に溶解させた後、オルガ
ノトリアルコキシシランと混合することが好ましく、そ
れによって、アルミニウムキレートをより均一に分散さ
せることができる。また、反応剤としての水、または、
例えば、0.4%の塩酸を含む1Nの塩酸水は、予め混
合したオルガノトリアルコキシシランとアルミニウムキ
レートとの溶剤溶液中に、少しずつ加えながら混合する
ことが好ましい。急激に混合すると、ゲル化したり、ま
たはラダー型のポリマ構造が良好に得られない可能性が
あるからである。また、この混合時、または混合後、反
応液を例えば40℃程度に加温して加水分解重縮合反応
を促進させることもできるが、その反応は発熱を伴なう
反応であるため、そのような加温は通常一般的には必要
でない。むしろ、この予備反応時に反応混合液が過度に
昇温する場合には、有機溶剤の添加等によって、それを
冷却することが好ましい。
【0038】また、反応抑制剤としてのリン酸エステル
またはその有機溶剤溶液は、予備反応生成物(反応混合
液)のゲル化が生じる以前であれば、任意の適当な時点
において添加することができる。ただし一般的には、そ
のような反応抑制剤の添加時期は、予備反応混合物の加
水分解重縮合反応が緩慢になり、その反応液の液温が低
下し始めた、またはやや低下した時点が好ましい。即
ち、予備反応混合物は反応時の発熱によって昇温し、や
がてピーク温度(例えば、40℃)に達するが、その後
は、反応物質である水とオルガノトリアルコキシシラン
(または、その反応性基)の濃度が減少することによっ
て、反応が緩慢になって液温が低下する。リン酸エステ
ルの添加はそのような時点であることが好ましく、それ
によって、十分に成長したポリオルガノシルセスキオキ
サンのプレポリマを得ることができると共に、ゆとりを
持ってそのゲル化を避けることができる。
【0039】こうして調製された本バインダ組成物は、
反応抑制剤としてのリン酸エステルの添加によって1液
性化され、貯蔵に対して十分な安定性を有している。即
ち、通常の保管温度である15℃以内であれば、一般
に、少なくとも3ヶ月程度は安定であり、更に、5℃以
下であるとほぼ完全な安定性が得られる。その一方、反
応促進剤としてのアルミニウムキレートが添加されてい
ることにもよって、本バインダ組成物は常温硬化性を有
し、これを基体表面に塗布した後、常温下で放置して乾
燥させるだけで、硬化したポリオルガノシルセスキオキ
サンの被膜を容易に形成することができる。即ち、本バ
インダ組成物を基体表面に塗布すると、それに含まれる
有機溶剤が揮発すると共に、反応抑制剤であるリン酸エ
ステルも合せて揮散するので、それまでそれによって抑
制されていた加水分解重縮合反応が再び進行し、ポリオ
ルガノシルセスキオキサンのプレポリマが相互に結合し
て、それの硬化物からなる被膜が形成される。また、こ
の硬化の際、そのプレポリマに残存するシラノール基ま
たはアルコキシル基は、基材表面との密着性にも寄与す
る。
【0040】このように、本バインダ組成物は1液性を
有すると共に常温硬化性を有し、これを基体表面に塗布
するだけで、耐候性、密着性等の一般的被膜性能に優れ
るだけでなく、特に、適度な柔軟性と高い機械的強度に
よる優れた耐クラック性(耐屈曲性、耐衝撃性)を有す
る硬化被膜を形成することができる。ただし、本組成物
を加熱によって乾燥硬化させることは何等妨げられるこ
とではなく、むしろ、工業的には好ましいことである。
ただ、高温での急激な加熱は好ましくはなく、一般には
80℃以下の比較的低温度での加熱乾燥が好ましい。
【0041】〔光触媒〕本発明において、光触媒被覆の
形成に使用する光触媒は光半導体の微粒子からなる。そ
して、その光半導体としては、酸化チタン(チタニア)
TiO2の他に、酸化亜鉛ZnO 、酸化ジルコニウムZr
2、チタン酸ストロンチウムSrTiO3、タンタル酸カ
リウムKTaO3、ニオブ酸カリウムタンタルKTaNbO
3 、酸化ニオブNb25 、硫化カドニウムCdS 、リン
化ガリウムGaP 、リン化インジウムInP 、ヒ化ガリ
ウムGaAs、チタン酸バリウムBaTiO3 、酸化タング
ステンWO3 、酸化ビスマスBi23 、酸化鉄Fe2
3 、酸化ニオブNb25 等が挙げられる。しかし、これ
らの光半導体の中でも特に酸化チタンは、化学的に安定
であり、無害であること、また、自然光或いは照明光に
含まれる紫外線によって容易に活性化されること等の点
で、実用的にも最も代表的であり、また最も好ましいも
のである。また、この酸化チタンとしてはルチル型また
はアナターゼ型のいずれの結晶構造のものも使用するこ
とができるが、バンドギャップがより小さく、光活性が
より高いことから、アナターゼ型がより好ましい。
【0042】そして、既によく知られているように、こ
れらの酸化チタン等の光半導体は、光触媒作用はそれの
表面反応として生じるものであることからも、比表面積
が可能な限り大きな微細な粒子の形態で用いられ、一般
に、20nmよりも小さい粒子径を有するものが好ましく
使用される。ただし、酸化チタンでは、200nm程度の
顔料級サイズでありながら高活性を有するものも知られ
ており、このようなものも好適に使用することができ
る。
【0043】なお、このような光半導体微粒子からなる
光触媒には、電荷分離効率を高めて(電子と正孔との再
結合を減少する)光触媒作用を増強するために、白金P
t、銀Ag 等の金属またはそのイオン、または酸化ルビ
ジウムRuO2等の金属酸化物を添加することができる。
また、このような光触媒は、種々の表面処理、例えば、
吸着性を高めるための塩基処理等の表面処理が施された
ものであることもできる。更に、このような光触媒は、
微粒状のスメクタイト等の粘土鉱物、ゼオライト、セピ
オライト等の吸着性を有する材料に担持された形態のも
のであることもできる。
【0044】もっとも、こうした光触媒については、例
えば、アナターゼ型酸化チタンの超微細粉末またはゾル
等として既に一般に市販されており、本発明を具体的に
実施するに際しては、それらの市販の光触媒を好適に使
用することができる。
【0045】〔光触媒被覆の形成〕上記のバインダ組成
物と光触媒とを用いて、光触媒作用により自己浄化性或
いは環境浄化性等の諸機能を発現する光触媒被覆は、本
発明の次のいずれかの方法によって形成することができ
る。
【0046】〈第一の方法〉本発明の第一の光触媒被覆
の形成方法は、上記のバインダ組成物に光触媒を分散し
て調製した光触媒コーティング組成物(光触媒塗料)、
即ち、光半導体微粒子からなる光触媒と、オルガノトリ
アルコキシシランと、これを加水分解する水と、反応促
進剤としてのアルミニウムキレートとを含む混合物を予
め予備反応させて得たポリオルガノシルセスキオキサン
のプレポリマを含有する予備反応生成物と、反応抑制剤
としてのリン酸エステルと、これらの成分を分散し、ま
たは溶解する有機溶剤とからなる光触媒コーティング組
成物、を用い、これを基体表面に塗布し、乾燥硬化する
ことからなる。これによって、光触媒被覆は、光半導体
の微粒子からなる光触媒がバインダ(ポリオルガノシル
セスキオキサン)によって結着され、保持、結合された
硬化被膜として基体表面に形成される。したがって、こ
の第一の方法は、金属、ガラス、或いはセラミック等、
基体の表面が光触媒作用(酸化触媒作用)に対して十分
に抵抗性がある場合に適している。
【0047】ここで、光触媒被覆は、光触媒作用が光半
導体微粒子の表面作用であることから、その微粒子がで
きるだけ多く被膜表面に露出したものとして形成される
ことが好ましい。そのため、この第一の方法で使用する
上記の光触媒コーティング組成物において、そのバイン
ダ組成物(予備反応生成物)の固形分割合は比較的少な
いことが好ましく、一般に、光触媒100重量部に対し
て50重量部よりも少ない割合であることが好ましい。
ただし、このバインダ組成物が余り少ないと十分に強度
のある被膜を形成することが困難になるため、少なくと
も5重量部程度は必要である。したがって、必ずしも限
定的ではないが、バインダ組成物(予備反応生成物)の
固形分割合は、光触媒100重量部に対して5〜50重
量部程度が好ましく、10〜30重量部程度がより好ま
しい。
【0048】また、この光触媒コーティング組成物は、
より具体的には、予め調製したバインダ組成物に酸化チ
タンの微粉末またはゾル等からなる光触媒を混合し、分
散すると共に、有機溶剤により適度な濃度または粘度に
希釈することによって調製することができるが、この調
製に際して、光触媒の分散のための界面活性剤、或いは
ポリアミドポリアミン等の顔料分散剤または沈降防止
剤、また、好ましくはシリコーン系の消泡剤、等の添加
剤を必要に応じて使用することができる。なお、このコ
ーティング組成物において、通常の着色顔料の使用は、
これらが比較的大きな粒子からなり、光触媒への光の照
射の妨げとなるため適切ではない。そのため、着色され
た光触媒被覆が特に望まれる場合には、染料を着色顔料
として使用することが適切である。ただし、この染料
は、光触媒作用によっていずれその着色効果を喪失する
ことになる。
【0049】なお、調製した光触媒コーティング組成物
は、スプレー塗装、ディップ塗装、ロール塗装、刷毛塗
り、或いは、印刷による方法等、任意の塗布手段で基体
表面に塗布することができる。また、その塗膜の乾燥硬
化は、そのまま常温下で放置する自然乾燥によって行う
ことができる。しかし、より効率的な乾燥硬化は加熱乾
燥によって行うことができる。ただし、その加熱乾燥
は、一般に80℃以下の比較的低温度で行うことが好ま
しい。
【0050】そして、この第一の方法において、光触媒
被覆は、一般に1〜5μm程度の比較的薄い被膜として
形成することができる。光触媒作用の強さは被膜の膜厚
と関係がなく、また、本バインダ組成物の使用によれ
ば、この程度の膜厚でも十分な被膜強度が得られるから
である。更に、このような比較的薄い膜厚は、被膜の透
明性を良好に維持する上でも好ましい。
【0051】〈第二の方法〉また、本発明の第二の光触
媒被覆の形成方法は、上記のバインダ組成物を予め基体
表面に塗布し、乾燥硬化して、光触媒作用に対して耐性
のあるポリオルガノシルセスキオキサンから実質的にな
るベースコート層を形成した後、第一の方法と同様に、
光触媒コーティング組成物を塗布し、乾燥硬化して光触
媒コート層を形成することからなる。したがって、光触
媒被覆をベースコート層と光触媒コート層との2層構造
として形成するこの第二の方法は、基材表面が木材、合
成樹脂、或いは塗装面等、光触媒作用によって劣化され
易い有機質からなる場合に特に適している。そして、ベ
ースコート層は、光触媒コート層の光触媒作用から基体
表面を保護するバリア層として機能する。
【0052】ここで、ベースコート層の形成に際して、
上記のバインダ組成物は、有機溶剤によって適度な濃度
または粘度に希釈し、またレベリング剤等の添加剤を必
要に応じて添加して、そのまま使用することができる。
しかし、光触媒コーティング組成物とは異なり、このベ
ースコート層形成用の組成物には、特に望まれるのであ
れば、顔料を配合することもできる。ただし、その顔料
としては、光触媒作用によって劣化されない無機顔料が
適切である。そして、この組成物は、光触媒コーティン
グ組成物の場合と同様に、スプレー等の任意の塗布手段
によって基体表面に塗布することができ、また、塗布後
の乾燥硬化は、自然乾燥、または、好ましくは80℃以
下の比較的低温度での加熱乾燥によって行うことができ
る。
【0053】なお、このベースコート層は、透明なまた
は着色された被膜として任意の膜厚で形成することがで
きる。しかし、一般的には、特に、プレコートメタルや
自動車等の塗装面に適用する場合には、バリア層として
有効な最小の膜厚で、即ち、1〜5μm程度の透明性の
良い被膜として形成することが好ましい。
【0054】また、光触媒コート層は、光半導体微粒子
からなる光触媒がバインダによって結着された被膜とし
て、第一の方法における上記の光触媒コーティング組成
物を用いて同様に形成することができる。ただし、光触
媒被覆をベースコート層を備えたものとして形成する本
第二の方法においては、そのベースコート層によって被
膜としての強度は十分に確保されるため、この光触媒コ
ート層は最小の膜厚で、即ち、一般に3μm程度以下の
膜厚の被膜として形成することができる。したがって、
このような光触媒コート層の形成に使用する光触媒コー
ティング組成物のバインダとしては、ベースコート層と
の密着性等の点からも、ポリオルガノシルセスキオキサ
ンの硬化被膜を形成する上記のバインダ組成物が最も好
ましいが、光触媒作用(酸化作用)に対する耐性を有
し、劣化を受け難いものであれば、その他の被膜形成性
のバインダ組成物も使用することができる。
【0055】具体的には、既にこの種のバインダとして
知られたものであるが、コロイダルシリカ、またはテト
ラアルコキシルシランの加水分解重縮合物(網状シリ
カ)を主成分とする組成物、或いは、これらにオルガノ
テトラアルコキシルシラン及び/またはオルガノジアル
コキシルシランを加えて加水分解重縮合させた組成物、
等を使用することができる。これらの無機系組成物によ
る被膜はそれ自体耐クラック性には乏しいが、光触媒コ
ート層が十分に薄い被膜として形成され、また光触媒が
高い割合で含有されることから、これらをバインダとす
る光触媒コート層であっても、屈曲変形または衝撃に対
してクラックの発生はある程度十分に防止されるからで
ある。また、有機系のバインダとして、比較的高い温度
での焼付が必要とされるが、フッ素系ポリマ/イソシア
ネート系硬化剤からなる組成物も挙げることができる。
【0056】〈第三の方法〉更に、本発明の第三の光触
媒被覆の形成方法は、第二の方法の変形であって、上記
のバインダ組成物、即ち、オルガノトリアルコキシシラ
ンと、これを加水分解する水と、反応促進剤としてのア
ルミニウムキレートとを含む混合物を予め予備反応させ
て得たポリオルガノシルセスキオキサンのプレポリマを
含有する予備反応生成物と、反応抑制剤としてのリン酸
エステルと、これらの成分を溶解する有機溶剤とから基
本的になる組成物、を基体表面に塗布して、ベースコー
ト層を形成した後、そのベースコート層が少なくとも完
全には乾燥硬化する前に、光触媒を有機溶剤に分散した
光触媒コーティング組成物を塗布し、次いで乾燥硬化す
ることからなる。つまり、ベースコート層の表面部分を
有機溶剤により溶解させ、光半導体の微粒子からなる光
触媒をその表面に沈着させて、結着させるものである。
したがって、この第三の方法によれば、光触媒被覆は光
触媒がポリオルガノシルセスキオキサンからなるベース
コート層の実質的に表面にのみ被着した形態で形成され
ることになり、第二の方法の場合と同様に、光触媒作用
から基体表面を良好に保護することができると共に、光
触媒のより多くの表面がベースコート層の表面上に露出
されることによって、より活性の高い光触媒機能表面を
得ることができる。
【0057】なおここで、有機溶剤に光触媒を分散した
光触媒コーティング組成物をベースコート層上に塗布す
る時点は、そのベースコート層が少なくとも完全には乾
燥硬化する前であって、その有機溶剤によって溶解され
得る時点である必要があるが、余り早い時点であるとベ
ースコート層が過度に溶解され、光触媒がその全体に分
散されることになる。そのため、その時点としては、加
水分解重縮合によるバインダ組成物の硬化(ゲル化)が
ある程度進行し、ベースコート層が指触乾燥程度に固化
した時点またはその直前が一般に最も好ましい。
【0058】また、この第三の方法で使用する光触媒コ
ーティング組成物は、基本的には、光触媒を適当な濃度
で分散した有機溶剤溶液からなるが、これには、ベース
コート層の表面上への光触媒の被着をより確実にするた
めに、耐光触媒作用性のバインダ組成物を配合すること
もできる。ただしこの場合、本方法による光触媒被覆の
利点を損ねないためにも、そのバインダ組成物は十分に
低い濃度で、即ち、固形分において光触媒に対して十分
に少ない割合で使用されるべきである。具体的には、光
触媒100重量部に対して少なくとも10重量部以下の
割合で使用することが好ましく、また、より好ましいの
は5重量部以下の割合である。そして、このバインダ組
成物としては、ベースコート層の形成に使用する上記の
組成物が最も好ましいが、第二の方法に関して述べたそ
の他の耐光触媒作用性のバインダ組成物も適宜使用する
ことができる。なおまた、その有機溶剤としては、通常
の任意の有機溶剤またはその混合物を使用することがで
きる。しかし、一般には、ベースコート層の形成に使用
したバインダ組成物の有機溶剤と同じまたは同種の有機
溶剤が好ましい。
【0059】なお、この光触媒コーティング組成物(光
触媒分散液)については、上記と同様に、スプレー等の
任意の塗布手段によって塗布することができる。また、
本第三の方法のその他の技術的詳細についても、第一及
び第二の方法の場合と同様である。ただし、ベースコー
ト層の膜厚については、有機溶剤による溶解を考慮し
て、第二の方法の場合よりもやや厚目の被膜として形成
することが好ましい。そして、この第三の方法によれ
ば、上述のように、より活性が高い光触媒被覆を形成す
ることができる。しかし、当然のことながら、光触媒の
被着強度はその分どうしても弱くなり、また、その被覆
はやや艶消し状となる傾向にある。そのため、この第三
の方法は、清掃等による摺擦を常時受けるような基体表
面に対しては余り適切ではなく、また、光触媒被覆の透
明性が特に要求される場合にも適当ではない。
【0060】このように、本発明によれば、上記の第一
乃至第三のいずれかの方法によって、種々の基体表面に
対して光触媒被覆を形成することができる。そして、こ
れらのいずれの方法によっても、強度、密着性等の一般
的被膜性能だけでなく、特に耐クラック性に優れた光触
媒被覆を、比較的低温度の加熱乾燥によって、または加
熱処理なしで容易に形成することができる。なお、これ
らの方法を具体的に実施するに際しては、基体表面の適
切な前処理、場合によればプライマ処理、及び、洗浄等
の被覆表面の後処理、等の工程を含めて行うことができ
る。
【0061】
【実施例】以下、試験的に行った実施例によって、本発
明をより具体的に説明する。
【0062】〔バインダ組成物の調製〕次の組成から、
光触媒被覆の形成に使用するバインダ組成物を調製し
た。 なお、アルミニウムキレートはアルミニウム・ジイソプ
ロキシド・エチルアセトアセテートからなる。
【0063】上記A)の配合組成により、密閉容器中
で、主剤としてのメチルトリメトキシシランを、反応促
進剤としてのアルミニウムキレートと共に有機溶剤であ
るエタノールに溶解して希釈し、次いで、この溶液を緩
やかに撹拌しながら反応剤である水を少量ずつ滴下し、
更に、その滴下終了後も緩やかな撹拌を続けた。そし
て、水の滴下開始から約1時間30分後、この予備反応
混合液に、上記B)の組成からなる反応抑制剤としての
酸性リン酸メチルエステルのエタノール溶液を添加し、
撹拌した。なお、その予備反応中、混合液の温度は最大
約40℃まで昇温した。
【0064】こうして得られたこのバインダ組成物は、
メチルトリメトキシシランと水との加水分解重縮合によ
る予備反応生成物であるポリメチルシルセスキオキサン
のプレポリマを含むものであり、その固形分濃度は約2
5重量%である。なお、このバインダ組成物は1液性を
有し、約15℃で保存したところ、少なくとも約1ヶ月
後においてもほとんど変化のないものであった。
【0065】〔実施例1〕上記のバインダ組成物を用
い、次の配合により光触媒コーティング組成物を調製し
た。 〈光触媒コーティング組成物配合〉 バインダ組成物・・・・・・10(重量部) 光触媒(酸化チタン)・・・10 イソプロピルアルコール・・80 即ち、上記のバインダ組成物100重量部(固形分約2
5重量部)と光触媒100重量部、及び有機溶剤である
イソプロピルアルコール100重量部とを混合し、十分
に撹拌して光触媒コーティング組成物を調製した。な
お、光触媒としては、粒径約7nmの微粉末からなるアナ
ターゼ型の酸化チタン(『ST−01』石原産業株式会
社製)を使用した。
【0066】そして、この光触媒コーティング組成物
を、予め脱脂洗浄処理を施した鋼板にスプレーによって
塗布し、約5分間のセッティング後、60℃の乾燥機で
20分間加熱乾燥した。次いで、これを常温下(約20
℃)に一晩放置し、上記組成物の硬化被膜(塗膜)から
なる膜厚約5μmの光触媒被覆を形成した。
【0067】この光触媒被覆は透明であり、また、鉛筆
硬度において2Hであった。なお、その被膜硬さはその
後も更に増加することが確認されている。また、この被
覆についてゴバン目試験を実施したところ、剥がれはな
く、完全な密着性(付着性)を示した。更に、耐クラッ
ク性について、この光触媒被覆が形成された鋼板を18
0度折り曲げて、その折り曲げ部分の被覆を虫メガネで
観察したが、クラックは全く見当たらなかった。
【0068】〔実施例2〕上記のバインダ組成物に2倍
量のイソプロピルアルコールを加えて、固形分濃度が約
8%のベースコート用コーティング組成物を調製した。
そして、このコーティング組成物(バインダ組成物)
を、実施例1と同様に、予め脱脂洗浄処理を施した鋼板
にスプレーによって塗布し、約5分間のセッティング
後、60℃の乾燥機で10分間乾燥して、その組成物の
乾燥硬化被膜からなるベースコート層を形成した。
【0069】次いで、このベースコート層上に、実施例
1で用いた光触媒コーティング組成物(ただし、イソプ
ロピルアルコールを更に50重量部追加して希釈した)
を、同様にスプレーによって塗布し、約5分間のセッテ
ィング後、60℃の乾燥機で20分間乾燥して光触媒コ
ート層を形成した。なお、このベースコート層と光触媒
コート層とからなる光触媒被覆は、全膜厚において約6
μmであった(ベースコート層は約4μm、光触媒コー
ト層は約2μmであると思われる)。
【0070】この光触媒被覆は透明であり、また、一晩
放置後のその被膜硬さは、鉛筆硬度で2Hであった。ま
た、この光触媒被覆についてゴバン目試験と耐屈曲試験
とを行った結果、実施例1と同様に、優れた密着性と耐
クラック性を示した。
【0071】〔実施例3〕実施例2で用いたベースコー
ト用コーティング組成物(上記バインダ組成物の希釈調
製物)を、同様に、予め脱脂洗浄処理を施した鋼板にス
プレーによって塗布し、そして常温下に約30分間その
まま放置して、指触乾燥程度(湿潤性が若干残る程度)
に乾燥固化されたベースコート層を形成した。
【0072】そして、この未硬化のベースコート層上
に、次の配合からなる光触媒コーティング組成物(光触
媒分散有機溶剤溶液)を薄目にスプレーにより塗布し
た。 〈光触媒コーティング組成物配合〉 光触媒(酸化チタン)・・・・・3(重量部) イソプロピルアルコール・・100 バインダ組成物・・・・・・0.5 なお、光触媒は上記実施例1,2で使用した酸化チタン
の微粒子からなる。また、ここでは、上記のバインダ組
成物を少量添加した(固形分において、光触媒100重
量部に対して約4重量部の割合)。
【0073】次いで、約5分間セッティングした後、6
0℃の乾燥機で20分間加熱乾燥し、更に常温下に一晩
放置した。これによって、表面に光触媒が被着した上記
バインダ組成物の硬化被膜からなる膜厚約5μmの光触
媒被覆が形成された。ただし、その表面はやや艶消し状
であった。
【0074】しかし、本実施例によるこの光触媒被覆
は、2Hの鉛筆硬度を有し、また、表面の外観性状の他
は実施例1及び実施例2と同様に、優れた密着性と耐ク
ラック性とを示した。
【0075】なお、これらの実施例1乃至実施例3によ
る光触媒被覆の光触媒作用を確認するために、タバコの
ヤニの分解試験を行った。即ち、実施例1乃至実施例3
においてそれぞれ形成した光触媒被覆の表面に、タバコ
から抽出したヤニ(褐色)を塗布し、そして、これを日
中はできるだけ太陽光に晒し、また夜間は蛍光灯の照明
下に置いて、そのヤニの色の変化を観察した。なお、上
記バインダ組成物のみによる被覆を形成し、その表面に
も同様にヤニを塗布して、対照とした。
【0076】その結果、実施例1乃至実施例3の各光触
媒被覆では、1週間後にもヤニの色は消えずに残った
が、対照との間には有意な退色の差異が見られ、いずれ
も良好に光触媒作用を示した。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明は、ラダー構造型
のポリシロキサンであるポリオルガノシルセスキオキサ
ンから実質的になる硬化被膜を形成すると共に、1液性
を有し、しかも、常温でも乾燥硬化可能なバインダ組成
物、即ち、オルガノトリアルコキシシランと、これを加
水分解する水と、反応促進剤としてのアルミニウムキレ
ートとを含む混合物を予め予備反応させて得たポリオル
ガノシルセスキオキサンのプレポリマを含有する予備反
応生成物と、反応抑制剤としてのリン酸エステルと、こ
れらの成分を溶解する有機溶剤とを含むバインダ組成物
を、光触媒被覆(光触媒コート層及び/またはベースコ
ート層)の形成に用いたものである。
【0078】したがって、本発明によれば、そのような
ポリオルガノシルセスキオキサンの硬化被膜を形成する
バインダ組成物を使用するため、強度、密着性、及び耐
候性等の一般的被膜性能に優れるだけでなく、特に、折
り曲げ加工時の変形、或いは飛石等による衝撃に対して
優れた耐クラック性を有する光触媒被覆を形成すること
ができる。また、このバインダ組成物は取扱が簡便な1
液性であって、しかも常温でも硬化可能であるため、既
設構造物等を含めたどのような基体の表面に対しても、
容易に光触媒被覆を形成することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光半導体微粒子からなる光触媒と、オル
    ガノトリアルコキシシランと、これを加水分解する水
    と、反応促進剤としてのアルミニウムキレートとを含む
    混合物を予め予備反応させて得たポリオルガノシルセス
    キオキサンのプレポリマを含有する予備反応生成物と、
    反応抑制剤としてのリン酸エステルと、これらの成分を
    分散し、または溶解する有機溶剤とを含む光触媒コーテ
    ィング組成物を基体表面に塗布し、次いで乾燥硬化する
    ことを特徴とする光触媒被覆の形成方法。
  2. 【請求項2】 オルガノトリアルコキシシランと、これ
    を加水分解する水と、反応促進剤としてのアルミニウム
    キレートとを含む混合物を予め予備反応させて得たポリ
    オルガノシルセスキオキサンのプレポリマを含有する予
    備反応生成物と、反応抑制剤としてのリン酸エステル
    と、これらの成分を溶解する有機溶剤とを含む組成物を
    基体表面に塗布し、次いで乾燥硬化してベースコート層
    を形成する工程と、 前記ベースコート層上に、光半導体微粒子からなる光触
    媒を耐光触媒作用性のバインダ組成物に分散した光触媒
    コーティング組成物を塗布し、次いで乾燥硬化して光触
    媒コート層を形成する工程とからなることを特徴とする
    光触媒被覆の形成方法。
  3. 【請求項3】 オルガノトリアルコキシシランと、これ
    を加水分解する水と、反応促進剤としてのアルミニウム
    キレートとを含む混合物を予め予備反応させて得たポリ
    オルガノシルセスキオキサンのプレポリマを含有する予
    備反応生成物と、反応抑制剤としてのリン酸エステル
    と、これらの成分を溶解する有機溶剤とを含む組成物を
    基体表面に塗布し、ベースコート層を形成する工程と、 前記ベースコート層の乾燥硬化前に、光半導体微粒子か
    らなる光触媒を有機溶剤に分散した、または、耐光触媒
    作用性バインダ組成物を低濃度で含む有機溶剤に分散し
    た光触媒コーティング組成物を塗布し、次いで乾燥硬化
    する工程とからなることを特徴とする光触媒被覆の形成
    方法。
  4. 【請求項4】 前記耐光触媒作用性バインダ組成物は、
    オルガノトリアルコキシシランと、これを加水分解する
    水と、アルミニウムキレートからなる反応促進剤とを含
    む混合物を予め予備反応させて得たポリオルガノシルセ
    スキオキサンのプレポリマを含有する予備反応生成物
    と、反応抑制剤としてのりん酸エステルと、これらの成
    分を溶解する有機溶剤とを含む組成物からなることを特
    徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の光
    触媒被覆の形成方法。
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