JPH11302596A - 有害物質分解性被覆組成物及びこれを塗布した基材 - Google Patents

有害物質分解性被覆組成物及びこれを塗布した基材

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JPH11302596A
JPH11302596A JP10109345A JP10934598A JPH11302596A JP H11302596 A JPH11302596 A JP H11302596A JP 10109345 A JP10109345 A JP 10109345A JP 10934598 A JP10934598 A JP 10934598A JP H11302596 A JPH11302596 A JP H11302596A
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JP
Japan
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coating composition
condensate
powder
coating
hydrocarbon group
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JP10109345A
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English (en)
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Yorio Doi
依男 土居
Osamu Isozaki
理 磯崎
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒活性を有する二酸化チタンもしくは酸
化亜鉛粉末を用いて、厚塗りしても塗膜ワレの生じな
い、加工性に優れ、しかも常温硬化が可能な有害物質分
解性被覆組成物を提供する。 【解決手段】 (I)二酸化チタン粉末及び酸化亜鉛粉
末から選ばれる光触媒活性を有する粉末、及び(II)下
記一般式〔A〕で示される有機珪素化合物、及び 【化7】 (ただし、Rは炭素数1〜8の炭化水素基)下記一般式
〔B〕で示される有機珪素化合物 【化8】 (ただし、R′は炭素数1〜12の炭化水素基、Rは上
記に同じ)とからなる混合物を縮合せしめて得られる有
機珪素高縮合物を含有する有害物質分解性被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒活性を有す
る二酸化チタンもしくは酸化亜鉛を含有する有害物質分
解性被覆組成物及びこれを塗布してなる有害物質分解性
機能を付与した基材に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒活性を有する二酸化チタンや酸化
亜鉛は、それ自体が光半導体であり、バンドギャップが
3eV付近にあるため、太陽光や人工照明光(紫外線)で
照射されると伝導帯には電子が集積し、正孔(ホール)
が生じる。この集積電子及び正孔によって生じる電子移
動に基づく酸化還元作用により大気中の有害物質、例え
ば、窒素酸化物を酸化させて最終的に硝酸に変化させる
という光触媒活性が知られており、この活性作用を工業
的に利用することが種々提案されている。
【0003】例えば、生活環境を浄化する一環として、
自動車道路周辺の排ガスによる窒素酸化物を減少させる
ために、上記した二酸化チタンを含有する塗料をガード
レールやトンネル内壁などに塗装することが提案されて
いる(例えば、特開平7−331120号公報参照)。
【0004】また、工業的に発生する悪臭や刺激臭のみ
ならず、家庭における廃棄物や調理時に発生する悪臭や
刺激臭を除去する除去剤として金属アルコキシドを加水
分解して得られる生成物と光触媒活性を有する半導体を
併用した有害物質除去剤が提案されている(例えば、特
許第2618287号公報、特開平8−164334号
公報など参照)。
【0005】従来提案されている有害物質除去剤は、上
記した窒素酸化物や、臭気の主成分である硫化水素、ア
ンモニア、メルカプタン、アミン、アルデヒドなどを分
解して除去する効果は認められるが、このものを被覆組
成物として基材に塗布して使用する場合には、実用上、
下記の問題点がありその改良が強く求められている。 結合剤として使用されている金属アルコキシド、例
えば、シリコンテトラエトキシドは、加水分解及び縮合
反応により架橋硬化するので硬化時の体積収縮が大き
く、非常に大きな収縮応力が発生し、それが緩和されな
いため、乾燥膜厚10μm 以上の厚塗り塗装すると自身
の応力により塗膜にワレが生じる。
【0006】上記の応力ワレを避けるために薄膜塗装が
必要とされる。しかしながら大面積の被塗物に塗膜を均
一に塗装することは非常に困難であり、表面のわずかな
凹凸や歪みにより部分的に厚膜部が生じワレが発生した
り、エッジ部に塗液が溜ることにより厚膜が生じてワレ
を発生することがある。さらに複雑な形状をした表面に
塗装する際にも凹凸部に応じて厚膜部が生じワレが発生
する。
【0007】 薄膜塗装の場合光触媒活性能を有する
半導体の活性能は維持されるが、塗膜の隠蔽性が劣るた
めアンダーコートが必要とされる場合がある。このアン
ダーコートが特に有機質塗膜であると、上塗り塗膜中の
光触媒活性能を有する半導体の作用によって酸化・分解
し、劣化するため変色、剥離などを起こす。
【0008】 硬化塗膜は一般に可撓性が不足してい
るため、薄膜であっても変形追随性が乏しく加工性に劣
る。そして被塗物が絶えず振動を受ける用途、例えば道
路遮音壁、換気扇廻りなどに用いると塗膜が素地から剥
離し、飛散する。
【0009】 硬化には加熱硬化を要し常温乾燥がで
きない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光触
媒活性を有する二酸化チタンもしくは酸化亜鉛を用い
て、上記した問題のない、すなわち10μm 以上の厚塗
り塗装しても塗膜ワレの生じない、塗膜加工性に優れ、
しかも常温硬化が可能な有害物質分解性被覆組成物を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意検討を重ねた結果、結合剤として特
定の有機珪素高縮合物を使用することによって上記した
目的を達成できることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0012】かくして、本発明に従えば、(I)二酸化
チタン粉末及び酸化亜鉛粉末から選ばれる少なくとも1
種の光触媒活性を有する粉末、及び(II)下記一般式
〔A〕で示される有機珪素化合物及び(又は)その低縮
合物(以下、単に〔A〕化合物ということもある)及び
【0013】
【化5】
【0014】(ただし、Rは炭素数1〜8の炭化水素
基) 下記一般式〔B〕で示される有機珪素化合物及び(又
は)その低縮合物(以下、単に〔B〕化合物ということ
もある)
【0015】
【化6】
【0016】(ただし、R′は炭素数1〜12の炭化水
素基、Rは上記に同じ)とからなる混合物を酸触媒の存
在下で加水分解した後、そのpHを7以上として縮合せし
めて得られる有機珪素高縮合物を含有することを特徴と
する有害物質分解性被覆組成物及びこのものを塗布した
基材が提供される。
【0017】本発明によって得られる有害物質分解性被
覆組成物は、常温乾燥が可能で、50〜100μm の厚
塗りを行ってもワレが生じることなく、加工性、耐久性
に優れた塗膜を形成することができるという優れた特徴
を有している。さらに本発明の被覆組成物は艶消し塗装
法により基材表面に1〜100μm の細かい凹凸のある
艶消し状の塗膜を形成しても充分な強度、耐久性を有
し、得られる塗膜は表面積が非常に大きいため有害物質
の光分解能が飛躍的に向上するという特徴を有してい
る。
【0018】
【発明の実施の形態】光触媒活性を有する粉末(I) 本発明において、光触媒活性を有する粉末として使用さ
れる二酸化チタンとしては、光触媒活性を有するもので
あれば特に制限なく使用することができるが、好適なも
のとして、アナターゼ型二酸化チタンを挙げることがで
きる。好適なアナターゼ型二酸化チタンの市販品として
は、例えば、石原テクノ(株)社製のST−01、ST
−21、ST−31、ST−41;堺化学(株)社製の
SSP−25、SSP−20、SSP−M;テイカ
(株)社製のAMT−100、AMT−600、ST−
157、JA−1;チタン工業(株)社製のPC−10
1、PC−102;古河機械金属(株)社製のDN−
1、DN−S1、DN−1−0、DN−10、DN−1
2、DN−22A;富士チタン(株)社製のTPY−2
Y;Degussa 社製のP−25;などを挙げることができ
る。
【0019】また、光触媒活性を有する粉末として使用
される酸化亜鉛としては、光触媒活性を有するものであ
れば特に制限なく使用することができ、好適な市販品と
して、例えば、堺化学(株)製の亜鉛華1号特製を挙げ
ることができる。
【0020】上記光触媒活性を有する粉末は、太陽光や
人工照明光などの紫外線、例えば、波長400nm以下の
紫外線、好ましくは波長285nm〜380nmの光を吸収
することによって励起して正孔(ホール)やOHラジカ
ルを発生し、これらが強い酸化性能を示し、有害物質を
酸化・分解する。
【0021】有機珪素高縮合物(II) 本発明で用いる上記高縮合物は、貯蔵安定性がよく、例
えば、光活性触媒粉末を加えても長期間ゲル化すること
がない。また該高縮合物はテトラアルコキシシランとト
リアルコキシシランとの併用によって形成されているの
で配合割合を変えることによって架橋密度を適当に調節
することができ、その結果、硬化性と厚塗り性のバラン
スの優れた、すなわち硬化時にワレや剥離のない優れた
無機質塗膜を50μm 以上の高厚膜で形成することがで
きる。さらに硬化塗膜は主骨格が−Si−O−Si−結
合であるので耐熱性、耐食性、耐薬品性、耐候性などの
性能にも優れたものである。
【0022】本発明において原料として使用する上記一
般式〔A〕で表される有機珪素化合物におけるRは同一
又は相異なる炭素数1〜8の炭化水素基であり、この際
の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ヘ
キシルなどのアルキル基、フェニル、トリル、キシリル
などのアリール基、シクロヘキシル、シクロブチル、シ
クロペンチルなどのシクロアルキル基などである。具体
的な化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テ
トラブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどを例
示できる。またその低縮合物とは重合度10以下のオリ
ゴマーを意味する。
【0023】また、上記一般式〔B〕で表される有機珪
素化合物におけるRは上記一般式〔A〕の場合と同様で
ある。一方、R′は炭素−珪素結合により珪素に結合す
る炭素数1〜12の炭化水素基であり、炭化水素基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、オクチル
などのアルキル基、フェニル、トリル、キシリル、ナフ
チルなどのアリール基、シクロヘキシル、シクロブチ
ル、シクロペンチルなどのシクロアルキル基などであ
る。
【0024】具体的な化合物としては、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどを挙
げることができる。
【0025】本発明の方法において、前記一般式〔A〕
及び〔B〕を用いて高縮合物を得るに際し、両成分の配
合割合は、重量を基準にして下記の割合で配合するのが
適当である。
【0026】一般式〔A〕化合物:5〜95重量% 好ましくは20〜80重量% 一般式〔B〕化合物:5〜95重量% 好ましくは20〜80重量% 上記配合において、〔A〕化合物の量が5重量%未満の
場合、すなわち〔B〕化合物が95重量%を超える場合
には、この縮合物を用いて形成される無機質塗膜の硬化
性が劣る。また、〔B〕化合物の量が5重量%未満の場
合、すなわち〔A〕化合物の量が95重量%を超える場
合、この縮合物を用いて厚塗り塗装すると塗膜がワレや
剥離を起こしやすくなる欠点がある。
【0027】上記縮合物を得る際に、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメ
トキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン等の二官
能の有機珪素化合物やトリメチルメトキシシラン、トリ
メチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、
ジメチルエチルエトキシシラン等の一官能の有機珪素化
合物を20重量%以下の範囲で併用することができる。
【0028】上記一般式〔A〕及び〔B〕で表される有
機珪素化合物及び(又は)その低縮合物の混合物を縮合
せしめるに際しては、該化合物及び(又は)低縮合物の
混合物を水溶性溶媒、例えば、アルコール系溶媒、セロ
ソルブ系溶媒、セロソルブアセテート系溶媒、グライム
系溶媒などに添加し、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸あ
るいはギ酸、酢酸などの有機酸の存在下に、Siに結合
しているRO基1モルに対し0.2〜2mol の割合で水
を加え、20〜100℃程度で30分〜10時間程度撹
拌下に反応せしめ、次いで水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどの無機塩基類、モノエチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミンなどの脂肪族アミン類、アン
モニアなどを添加して系のpHを7以上にして縮合反応を
進行せしめる。反応終了後、蒸留、共沸などにより残存
する水を除去することによって容易に目的物高縮合物を
得ることができる。
【0029】かくして得られる高縮合物は三次元縮合物
であって少なくとも縮合度は20以上で分子量約3,0
00以上のものであり、塗料のバインダーとして充分な
機能を有し、塗布後10分〜10時間程度で硬化する。
この際テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、
トリブチルアミン等の強塩基触媒やチタン、アルミニウ
ムなどの金属アルコキシド、金属アセチルアセトネー
ト、金属カルボキシレートを添加することによりさらに
硬化性を向上させることができる。
【0030】本発明の被覆組成物において、上記した光
触媒活性を有する粉末(I)の配合量は、被覆組成物の
全固形分100重量部中、5〜65重量部であることが
好ましく、10〜50重量部の範囲であることがさらに
好ましい。
【0031】本発明の被覆組成物は、光触媒活性を有す
る粉末及び有機珪素高縮合物を必須成分とし、必要に応
じて、通常、塗料工業において使用されている顔料、充
填剤、流動性調整剤などの添加剤などを配合することが
できる。
【0032】本発明の被覆組成物は、被塗物基材にスプ
レー塗装、艶消し塗装、刷毛塗り、ローラーコート塗装
などによって塗装することができる。塗装膜厚は特に限
定されるものではないが、通常、10〜100ミクロ
ン、さらに好ましくは20〜50ミクロンの範囲である
ことが好適である。また塗膜は、常温で乾燥するが、1
00〜200℃で約15〜60分間程度焼付けることに
より硬化させてもよい。本発明の被覆組成物を塗装する
被塗物基材としては、アスベストセメント、コンクリー
ト、モルタル、珪酸カルシウム板、石膏ボード、その他
の無機質建材;プラスチック基材;金属などの素材面や
その表面処理面、プライマー塗装面などが挙げられ、そ
の構造物としては、例えば、ガードレール、トンネル内
壁表示物などの自動車道路周辺、ビルなどの建築構造
物、橋梁、タンクなどの土木構造物などの屋外構造物が
挙げられる。また、臭気防止として冷蔵庫内殺菌灯の周
辺に塗装したり、蛍光灯のカサ部位に塗装したり、さら
に病院内に塗装して院内感染の防止を図ることができ
る。
【0033】本発明の被覆組成物を塗装した被塗物基材
は、塗膜中の二酸化チタン及び酸化亜鉛粉末から選ばれ
る少なくとも1種の光触媒活性を有する粉末の酸化作用
によって、自動車の排気ガスなどに高濃度で含有される
窒素酸化物を酸化、分解することができ、窒素酸化物濃
度を低下させることができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、「部」及び「%」は、それぞれ重量基
準によるものとする。
【0035】有機珪素高縮合物の製造例 製造例1 反応容器に、テトラエトキシシラン62g、メチルトリ
エトキシシラン125g及びエチルアルコール187g
を加え、内容物を撹拌しながら加熱して80℃になった
後0.2N −塩酸30gを添加し80℃で10時間反応
させた。次いで、この反応生成物にトリエチルアミン3
0gを添加してpHを7以上に上げて80℃で2時間縮合
反応を行い、その後ベンゼン100gを添加して不揮発
分が40%(重量%、以下も同様)になるまで脱溶剤を
行い高縮合物−1を得た。
【0036】かくして得られた高縮合物(ワニス)は透
明で、粘度5.8センチポイズで、かつ30℃で2ケ月
貯蔵後も増粘及びゲル化することもなく、優れた貯蔵安
定性を示した。
【0037】製造例2 反応容器に、ES−40(日本コルコート社製テトラエ
トキシシラン低縮合物)427g、エチルトリエトキシ
シラン58g及びエチルアルコール300gを加え、内
容物を撹拌しながら加熱して80℃になった後0.2N
−塩酸142gを添加し80℃で30分間反応させた。
次いで、この反応生成物に水酸化カリウム5gを添加し
てpHを7以上に上げて80℃で2時間縮合反応を行い、
その後ベンゼン200gを添加し不揮発分が30%にな
るまで脱溶剤を行い高縮合物−2を得た。
【0038】かくして得られた高縮合物(ワニス)は透
明で、粘度11.2センチポイズで、かつ30℃で2ケ
月貯蔵後も増粘及びゲル化することもなく、優れた貯蔵
安定性を示した。
【0039】製造例3(比較用) 反応容器に、テトラエチルシリケート208g、エチル
アルコール208g及び0.2N −塩酸72gを加え、
次いで内容物を撹拌しながら40℃で2時間反応させ
た。次に、トリエチルアミン50gを添加してpHを7以
上に上げて縮合反応を行い、次いでベンゼン50gを添
加し不揮発分が22%になるまで脱溶剤を行い高縮合物
−3を得た。
【0040】実施例1 製造例1で得た高縮合物−1に、アナターゼ型二酸化チ
タン粉末(テイカ(株社)製、AMT−100、商品
名)100PHR及びトリス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウム1PHRを混合分散し本発明の被覆組
成物を得た。
【0041】実施例2 製造例2で得た高縮合物−2に、アナターゼ型二酸化チ
タン粉末(石原テクノ(株)社製、ST−01、商品
名)150PHR及びトリス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウム1PHRを混合分散し本発明の被覆組
成物を得た。
【0042】実施例3 製造例2で得た高縮合物−2に、実施例2で用いた二酸
化チタン100PHR、酸化亜鉛粉末(堺化学(株)社
製、亜鉛華1号特製、商品名)50PHR及びテトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド2PHRを混合分
散し本発明の被覆組成物を得た。
【0043】比較例1 実施例1において、高縮合物−1を製造例3で得た高縮
合物−3に代える以外同様にして被覆組成物を得た。
【0044】比較例2 実施例1において、高縮合物−1をシリコンテトラエト
キシド(和光紙薬社製)に代える以外同様にして被覆組
成物を得た。
【0045】比較例3 製造例3で得た高縮合物−3に、テイカ(株)社製チタ
ニアゾルを100PHR混合、分散し、イソプロパノー
ルで希釈し固形分10%の被覆組成物を得た。 塗装板の作成 上記実施例1〜3及び比較例1〜2で得た各被覆組成物
をガラス板に塗布し、それぞれ50μm (エアスプレ
ー)、0.5μm (スピンコート)及び50μm(艶消
し塗装)の乾燥膜厚からなる塗板を得た。
【0046】艶消し塗装法は、岩田塗装機社製スプレー
ガンW−71を用い、通常のエアースプレー塗装(エア
ー圧3kg)により乾燥膜厚40μm 程度に塗装した後、
エアー圧を4kgに上げ吐出量調整ダイヤルをしぼり、塗
着した塗料粒子が融着を起こしにくい条件でスプレー塗
装する、いわゆる「ダスト吹き」と呼ばれる塗装を行っ
て最終的に50μm の膜厚の塗膜を得た。
【0047】この塗膜は完全な艶消し状態であり、指触
評価により表面がスエード状の凹凸構造になっている。
【0048】乾燥条件は、実施例1は120℃、30分
間、実施例2は温度20℃、湿度75%の部屋に7日間
セッティング、実施例3は120℃、30分間、比較例
1及び3は120℃、30分間及び比較例2は300
℃、30分間とした。
【0049】得られた塗装板について、下記試験方法に
従って試験を行った。試験結果を後記表1に示す。
【0050】試験方法 塗膜外観:肉眼で観察した。
【0051】加工性 :JIS K 5400エリクセ
ン試験による。
【0052】表面硬度:鉛筆硬度 表面状態:サンシャインウエザオメータ1,000時間
照射後の塗面状態を肉眼で観察した。
【0053】窒素酸化物分解性:塗装板を縦30mm、横
50mmの大きさに切断し、この塗板を、高さ400mm、
横400mm、奥行500mmの反応容器内に設置した。反
応容器内には雰囲気ガスとして窒素酸化物(NO)1.
0ppm と空気からなっている。反応容器上部からブラッ
クライトを照射強度0.1mW/cm2にて5分間、30分間
及び1時間照射した後、反応容器内の窒素酸化物濃度を
「ポータブルNOXアナライザーNOA305」(島津
製作所製、窒素酸化物分析計、商品名)を用いて測定し
た。窒素酸化物濃度(ppm)を表示する。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の有害物質分解性被覆組成物は、
常温乾燥及び焼付乾燥が可能で、50〜100以上の厚
塗りを行ってもワレが生じることなく、加工性、耐久性
に優れた塗膜を形成することができ、ミストコート塗装
を行った場合、表面積の大きな塗膜が得られ光分解能が
飛躍的に向上する。そして本発明の被覆組成物を自動車
道路周辺部に使用することによって自動車の排気ガス中
の窒素酸化物などの有害物質を効率よく酸化・分解する
ことができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 5/00 C09D 7/12 Z 7/12 B05D 7/24 302Y // B05D 7/24 302 303B 303 B01D 53/36 J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)二酸化チタン粉末及び酸化亜鉛粉
    末から選ばれる少なくとも1種の光触媒活性を有する粉
    末、及び(II)下記一般式〔A〕で示される有機珪素化
    合物及び(又は)その低縮合物及び 【化1】 (ただし、Rは炭素数1〜8の炭化水素基) 下記一般式〔B〕で示される有機珪素化合物及び(又
    は)その低縮合物 【化2】 (ただし、R′は炭素数1〜12の炭化水素基、Rは上
    記に同じ)とからなる混合物を酸触媒の存在下で加水分
    解した後、そのpHを7以上として縮合せしめて得られる
    有機珪素高縮合物を含有することを特徴とする有害物質
    分解性被覆組成物。
  2. 【請求項2】 被覆組成物の全固形分100重量部中に
    光触媒活性を有する粉末を5〜65重量部含有する請求
    項1記載の被覆組成物。
  3. 【請求項3】 有機珪素高縮合物(II)は、一般式
    〔A〕化合物及び(又は)その低縮合物5〜95重量%
    及び一般式〔B〕化合物及び(又は)その低縮合物5〜
    95重量%の配合割合から合成される請求項1又は2記
    載の被覆組成物。
  4. 【請求項4】 (I)二酸化チタン粉末及び酸化亜鉛粉
    末から選ばれる少なくとも1種の光触媒活性を有する粉
    末、及び(II)下記一般式〔A〕で示される有機珪素化
    合物及び(又は)その低縮合物及び 【化3】 (ただし、Rは炭素数1〜8の炭化水素基) 下記一般式〔B〕で示される有機珪素化合物及び(又
    は)その低縮合物 【化4】 (ただし、R′は炭素数1〜12の炭化水素基、Rは上
    記に同じ)とからなる混合物を酸触媒の存在下で加水分
    解した後、そのpHを7以上として縮合せしめて得られる
    有機珪素高縮合物を含有する有害物質分解性被覆組成物
    を被塗物基材に塗布し、常温もしくは加熱乾燥してなる
    光触媒活性を有する塗膜を表面に形成した基材。
  5. 【請求項5】 有害物質分解性被覆組成物の塗布が艶消
    し塗装法によって行われる請求項4記載の基板。
JP10109345A 1998-04-20 1998-04-20 有害物質分解性被覆組成物及びこれを塗布した基材 Pending JPH11302596A (ja)

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