JPH11294559A - 差動制限装置 - Google Patents
差動制限装置Info
- Publication number
- JPH11294559A JPH11294559A JP9904398A JP9904398A JPH11294559A JP H11294559 A JPH11294559 A JP H11294559A JP 9904398 A JP9904398 A JP 9904398A JP 9904398 A JP9904398 A JP 9904398A JP H11294559 A JPH11294559 A JP H11294559A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- differential
- differential limiting
- force
- elastic washer
- limiting device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000000670 limiting effect Effects 0.000 title claims abstract description 57
- 238000013016 damping Methods 0.000 abstract 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 9
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 5
- 235000000621 Bidens tripartita Nutrition 0.000 description 1
- 240000004082 Bidens tripartita Species 0.000 description 1
- 239000002783 friction material Substances 0.000 description 1
- 208000006637 fused teeth Diseases 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Retarders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 異音の発生がなく、常に安定した差動制限ト
ルクが得られるイニシャルトルク発生部材が採用された
差動制限装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 デフケース1の回転駆動力を該デフケー
ス1内に収納されたピニオンギヤ2、3を介して前記デ
フケース1の回転軸上に配置された左右のサイドギヤ
4、5にトルク配分して伝達する差動装置の相対回転部
分(5、1B)間を制動して差動制限力を得る差動制限
装置において、前記相対回転部分5、1B間のいずれか
一方例えば1Bにテーパ部1Dを形成するとともに、該
テーパ部1Dに対応するテーパ部6Bを有する弾性ワッ
シャ6を介在させてイニシャルトルクを発生させるよう
に構成したもので、弾性ワッシャ6が自ら有する弾性復
元力により、前記相対回転部分5、1B間に制動力を発
生させて、所定の差動制限力を得る。
ルクが得られるイニシャルトルク発生部材が採用された
差動制限装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 デフケース1の回転駆動力を該デフケー
ス1内に収納されたピニオンギヤ2、3を介して前記デ
フケース1の回転軸上に配置された左右のサイドギヤ
4、5にトルク配分して伝達する差動装置の相対回転部
分(5、1B)間を制動して差動制限力を得る差動制限
装置において、前記相対回転部分5、1B間のいずれか
一方例えば1Bにテーパ部1Dを形成するとともに、該
テーパ部1Dに対応するテーパ部6Bを有する弾性ワッ
シャ6を介在させてイニシャルトルクを発生させるよう
に構成したもので、弾性ワッシャ6が自ら有する弾性復
元力により、前記相対回転部分5、1B間に制動力を発
生させて、所定の差動制限力を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デフケースの回転
駆動力を該デフケース内のピニオンギヤ等を介して前記
デフケースの回転軸上に配置された左右のサイドギヤに
トルク配分して伝達する差動制限装置の特にイニシャル
トルク発生部材に関するものである。
駆動力を該デフケース内のピニオンギヤ等を介して前記
デフケースの回転軸上に配置された左右のサイドギヤに
トルク配分して伝達する差動制限装置の特にイニシャル
トルク発生部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のピニオンギヤ等からなる差動装
置の相対回転部分間を制動して差動制限力を得る差動制
限装置としては、例えば図4に示した欧州特許第130
806号に開示されたような差動制限装置がある。この
従来例のものはヘリカルピニオン型差動制限装置と称さ
れ、デフケース303の回転駆動力を該デフケース30
3の筒状凹部325、327内にそれぞれ収納された一
対のはすば歯車型ピニオンギヤ331、333の複数組
を介して前記デフケース303の回転軸上に配置された
左右のサイドギヤ311、313に差動噛合することに
よりトルク配分されて伝達され、差動時の不均衡な比較
的大きな駆動抵抗によって生じる前記はすば歯車型ピニ
オンギヤ331、333からの噛合スラスト力で該はす
ば歯車型ピニオンギヤ端面とデフケース側壁内面との間
の摩擦抵抗にて差動制限作用を行う差動制限装置であ
る。差動制限時には、前記はすば歯車型ピニオンギヤ3
31、333と左右のサイドギヤ311、313との噛
合反力によるスラスト力に加えて、前記左右のサイドギ
ヤ311、313間にはスプリング座を介して幾つかの
皿ばね321による一定の大きさのスラスト力すなわち
イニシャルトルクが発生されるように構成され、所定の
差動制限力の発生の確保がなされる、これによって、小
さな差動時の不均衡な駆動抵抗によっても悪路脱出等が
可能なように構成されている。
置の相対回転部分間を制動して差動制限力を得る差動制
限装置としては、例えば図4に示した欧州特許第130
806号に開示されたような差動制限装置がある。この
従来例のものはヘリカルピニオン型差動制限装置と称さ
れ、デフケース303の回転駆動力を該デフケース30
3の筒状凹部325、327内にそれぞれ収納された一
対のはすば歯車型ピニオンギヤ331、333の複数組
を介して前記デフケース303の回転軸上に配置された
左右のサイドギヤ311、313に差動噛合することに
よりトルク配分されて伝達され、差動時の不均衡な比較
的大きな駆動抵抗によって生じる前記はすば歯車型ピニ
オンギヤ331、333からの噛合スラスト力で該はす
ば歯車型ピニオンギヤ端面とデフケース側壁内面との間
の摩擦抵抗にて差動制限作用を行う差動制限装置であ
る。差動制限時には、前記はすば歯車型ピニオンギヤ3
31、333と左右のサイドギヤ311、313との噛
合反力によるスラスト力に加えて、前記左右のサイドギ
ヤ311、313間にはスプリング座を介して幾つかの
皿ばね321による一定の大きさのスラスト力すなわち
イニシャルトルクが発生されるように構成され、所定の
差動制限力の発生の確保がなされる、これによって、小
さな差動時の不均衡な駆動抵抗によっても悪路脱出等が
可能なように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来例
に見られるような相対回転部分である左右のサイドギヤ
311、313間に皿ばねを介設するものでは、皿ばね
の摺接面が線接触されることからイニシャルトルクとし
て発生する差動制限トルクが不安定であったり、異音を
発生することがあった。
に見られるような相対回転部分である左右のサイドギヤ
311、313間に皿ばねを介設するものでは、皿ばね
の摺接面が線接触されることからイニシャルトルクとし
て発生する差動制限トルクが不安定であったり、異音を
発生することがあった。
【0004】このため本発明では、上記従来差動制限装
置における諸課題を解決して、異音の発生がなく、常に
安定した差動制限トルクが得られるイニシャルトルク発
生部材が採用された差動制限装置を提供することを目的
とする。
置における諸課題を解決して、異音の発生がなく、常に
安定した差動制限トルクが得られるイニシャルトルク発
生部材が採用された差動制限装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、デフケ
ースの回転駆動力を該デフケース内に形成された筒状凹
部内にそれぞれ収納され、互いに噛合する少なくとも一
対のピニオンギヤを介して前記デフケースの回転軸上に
配置された左右のサイドギヤにトルク配分して伝達する
差動装置の相対回転部分間を制動して差動制限力を得る
差動制限装置において、前記相対回転部分間のいずれか
一方にテーパ部を形成するとともに、該テーパ部に対応
するテーパ部を有する弾性ワッシャを介在させてイニシ
ャルトルクを発生させるように構成したことを特徴とす
るものである。また本発明は、前記弾性ワッシャを前記
相対回転部分間のいずれか一方の部材に係止させたこと
を特徴とするものである。また本発明は、前記弾性ワッ
シャをサイドギヤとデフケースとの間に介在させたこと
を特徴とするものである。また本発明は、前記弾性ワッ
シャを左右のサイドギヤ間に介在させたことを特徴とす
るもので、これらを課題解決のための手段とするもので
ある。
ースの回転駆動力を該デフケース内に形成された筒状凹
部内にそれぞれ収納され、互いに噛合する少なくとも一
対のピニオンギヤを介して前記デフケースの回転軸上に
配置された左右のサイドギヤにトルク配分して伝達する
差動装置の相対回転部分間を制動して差動制限力を得る
差動制限装置において、前記相対回転部分間のいずれか
一方にテーパ部を形成するとともに、該テーパ部に対応
するテーパ部を有する弾性ワッシャを介在させてイニシ
ャルトルクを発生させるように構成したことを特徴とす
るものである。また本発明は、前記弾性ワッシャを前記
相対回転部分間のいずれか一方の部材に係止させたこと
を特徴とするものである。また本発明は、前記弾性ワッ
シャをサイドギヤとデフケースとの間に介在させたこと
を特徴とするものである。また本発明は、前記弾性ワッ
シャを左右のサイドギヤ間に介在させたことを特徴とす
るもので、これらを課題解決のための手段とするもので
ある。
【0006】
【実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1および図2は本発明の差動制限装置の第1
実施の形態を示すもので、図1はへリカルピニオン型差
動制限装置の全体断面図、図2は図1のA部拡大図およ
びその変形例である。本発明のイニシャルトルク発生装
置が採用されるのは、デフケース1の回転駆動力を該デ
フケース1内に形成された筒状凹部1E内にそれぞれ収
納され、互いに噛合する少なくとも一対のピニオンギヤ
2、3を介して前記デフケース1の回転軸上に配置され
た左右のサイドギヤ4、5にトルク配分して伝達する差
動装置の相対回転部分間を制動して差動制限力を得る差
動制限装置であって、本実施の形態では、差動装置とし
てへリカルピニオン型差動制限装置つまりはすば歯車型
ピニオンギヤを採用した差動制限装置の例であるが、平
歯歯車型ピニオンギヤを採用した差動制限装置にも適用
できることは言うまでもない。本実施の形態では、はす
ば歯車型ピニオンギヤ2、3および左右のサイドギヤ
4、5等を収納する右デフケース1Bと、その開放側部
に蓋状の左デフケース1Aが固定ボルト等により嵌合締
結されている。前記一対のはすば歯車型ピニオンギヤ
2、3は、一方が軸方向に分離した2つの左歯2A、右
歯2Bを有する複歯ピニオンギヤ2と、他方が歯3Aを
有する単歯ピニオンギヤ3により構成されており、前記
複歯ピニオンギヤ2の一方の歯2Bが前記右サイドギヤ
5の歯5Aと噛合し、他方の歯2Aが前記単歯ピニオン
ギヤ3の歯3Aとの噛合を介して前記左サイドギヤ4の
歯4Aと噛合する形式の差動装置を構成する。
明する。図1および図2は本発明の差動制限装置の第1
実施の形態を示すもので、図1はへリカルピニオン型差
動制限装置の全体断面図、図2は図1のA部拡大図およ
びその変形例である。本発明のイニシャルトルク発生装
置が採用されるのは、デフケース1の回転駆動力を該デ
フケース1内に形成された筒状凹部1E内にそれぞれ収
納され、互いに噛合する少なくとも一対のピニオンギヤ
2、3を介して前記デフケース1の回転軸上に配置され
た左右のサイドギヤ4、5にトルク配分して伝達する差
動装置の相対回転部分間を制動して差動制限力を得る差
動制限装置であって、本実施の形態では、差動装置とし
てへリカルピニオン型差動制限装置つまりはすば歯車型
ピニオンギヤを採用した差動制限装置の例であるが、平
歯歯車型ピニオンギヤを採用した差動制限装置にも適用
できることは言うまでもない。本実施の形態では、はす
ば歯車型ピニオンギヤ2、3および左右のサイドギヤ
4、5等を収納する右デフケース1Bと、その開放側部
に蓋状の左デフケース1Aが固定ボルト等により嵌合締
結されている。前記一対のはすば歯車型ピニオンギヤ
2、3は、一方が軸方向に分離した2つの左歯2A、右
歯2Bを有する複歯ピニオンギヤ2と、他方が歯3Aを
有する単歯ピニオンギヤ3により構成されており、前記
複歯ピニオンギヤ2の一方の歯2Bが前記右サイドギヤ
5の歯5Aと噛合し、他方の歯2Aが前記単歯ピニオン
ギヤ3の歯3Aとの噛合を介して前記左サイドギヤ4の
歯4Aと噛合する形式の差動装置を構成する。
【0007】本発明は、このような差動装置において、
相対回転部分間のいずれか一方にテーパ部を形成すると
ともに、該テーパ部に対応するテーパ部を有する弾性ワ
ッシャを介在させてイニシャルトルクを発生させるよう
に構成したことを特徴とするものである。本実施の形態
では、相対回転部分である前記左右のデフケース1A、
1Bと左右のサイドギヤ4、5間において、左右のデフ
ケース1A、1Bにおける各左右のサイドギヤ4、5の
背面側に位置する部分にそれぞれテーパ部1C、1Dを
形成し、これらのテーパ部1C、1Dに対応するテーパ
部(後述する図2の6B)を形成した弾性ワッシャ(コ
ーンワッシャ)6を、各左右のサイドギヤ4、5の背面
側で小径部4S、5Sの外周上に摺接介在させたもので
ある。前記弾性ワッシャ6は、円周上の1か所に切断面
を有する金属リングから構成されてもよいし、やや弾性
を有する高摩擦材質から構成さててもよい。また該弾性
ワッシャ6の相対回転部分間に接触する面、すなわちテ
ーパ部6Bあるいは内周部(図2の6A)に摩擦力を高
める微細な凹凸を形成してもよいものである。
相対回転部分間のいずれか一方にテーパ部を形成すると
ともに、該テーパ部に対応するテーパ部を有する弾性ワ
ッシャを介在させてイニシャルトルクを発生させるよう
に構成したことを特徴とするものである。本実施の形態
では、相対回転部分である前記左右のデフケース1A、
1Bと左右のサイドギヤ4、5間において、左右のデフ
ケース1A、1Bにおける各左右のサイドギヤ4、5の
背面側に位置する部分にそれぞれテーパ部1C、1Dを
形成し、これらのテーパ部1C、1Dに対応するテーパ
部(後述する図2の6B)を形成した弾性ワッシャ(コ
ーンワッシャ)6を、各左右のサイドギヤ4、5の背面
側で小径部4S、5Sの外周上に摺接介在させたもので
ある。前記弾性ワッシャ6は、円周上の1か所に切断面
を有する金属リングから構成されてもよいし、やや弾性
を有する高摩擦材質から構成さててもよい。また該弾性
ワッシャ6の相対回転部分間に接触する面、すなわちテ
ーパ部6Bあるいは内周部(図2の6A)に摩擦力を高
める微細な凹凸を形成してもよいものである。
【0008】また、図1のA部の拡大図である図2に示
すように、本実施の形態では、前記弾性ワッシャ6は、
右サイドギヤ5側の例で説明すると(左サイドギヤ4側
も同様)、自らの弾性力によって面接触により右デフケ
ース1Bのケース筒部のテーパ部1Dと右サイドギヤ5
の小径部5Sの外周のいずれか一方に圧接されて構成さ
れている。前記自らの弾性力は、所定寸法の弾性ワッシ
ャ6をデフケース1とサイドギヤ5との間に押し込めて
発生される。図2(A)の例では、弾性ワッシャ6は、
右サイドギヤ5の小径部5Sの外周部に内周部6Aが圧
接されるように組み付けられ、右デフケース1Bのテー
パ部1Dに接触するテーパ部6Bおよび側部6Cからな
る直角三角形断面を呈しており、前記テーパ部1Dと6
B間を係止ピン7によって相対回転不能に構成したもの
である。
すように、本実施の形態では、前記弾性ワッシャ6は、
右サイドギヤ5側の例で説明すると(左サイドギヤ4側
も同様)、自らの弾性力によって面接触により右デフケ
ース1Bのケース筒部のテーパ部1Dと右サイドギヤ5
の小径部5Sの外周のいずれか一方に圧接されて構成さ
れている。前記自らの弾性力は、所定寸法の弾性ワッシ
ャ6をデフケース1とサイドギヤ5との間に押し込めて
発生される。図2(A)の例では、弾性ワッシャ6は、
右サイドギヤ5の小径部5Sの外周部に内周部6Aが圧
接されるように組み付けられ、右デフケース1Bのテー
パ部1Dに接触するテーパ部6Bおよび側部6Cからな
る直角三角形断面を呈しており、前記テーパ部1Dと6
B間を係止ピン7によって相対回転不能に構成したもの
である。
【0009】また図2(B)の例では、弾性ワッシャ6
は、右サイドギヤ5の小径部5Sの外周部に摺接する内
周部6Aと、右デフケース1Bのテーパ部1Dにテーパ
部6Bが圧接されるように組み付けられ、側部6Cから
なる直角三角形断面を呈しており、前記右サイドギヤ5
の小径部5Sの外周部と弾性ワッシャ6の内周部6A間
を係止ピン7によって相対回転不能に構成したものであ
る。なお、弾性ワッシャ6におけるテーパ部6Bをサイ
ドギヤ4および5の背面との間に形成してもよいことは
言うまでもない。これらの構成によって、相対回転部分
間において、係止ピン7の存在によりいずれか一方の部
材の少なくとも1か所にて係止された弾性ワッシャ6
は、前記いずれか一方の部材と回転をともにしつつ、自
らの弾性によって前記相対回転部分間に面接触による安
定した所定の制動力を確実に付与し、常に一定の差動制
限力を付与することができる。
は、右サイドギヤ5の小径部5Sの外周部に摺接する内
周部6Aと、右デフケース1Bのテーパ部1Dにテーパ
部6Bが圧接されるように組み付けられ、側部6Cから
なる直角三角形断面を呈しており、前記右サイドギヤ5
の小径部5Sの外周部と弾性ワッシャ6の内周部6A間
を係止ピン7によって相対回転不能に構成したものであ
る。なお、弾性ワッシャ6におけるテーパ部6Bをサイ
ドギヤ4および5の背面との間に形成してもよいことは
言うまでもない。これらの構成によって、相対回転部分
間において、係止ピン7の存在によりいずれか一方の部
材の少なくとも1か所にて係止された弾性ワッシャ6
は、前記いずれか一方の部材と回転をともにしつつ、自
らの弾性によって前記相対回転部分間に面接触による安
定した所定の制動力を確実に付与し、常に一定の差動制
限力を付与することができる。
【0010】以上の第1実施の形態のイニシャルトルク
発生部材がヘリカルピニオン型差動制限装置に採用され
た場合、前記左右のデフケース1A、1B間と左右のサ
イドギヤ4、5の間の相対回転部分間に所定の弾性復元
力をもって介在された前記弾性ワッシャ6の制動力によ
って差動制限力が発生する。これらの所定の弾性復元力
をもって介在された弾性ワッシャ6は、そのテーパ部6
Bおよび内周面6Aの面接触によって相対回転部分間を
制動するように構成することができるので、異音を発生
させることもなく常に安定したイニシャルトルクを得る
ことができる。これに加えて、デフケース1の回転駆動
力は該デフケース1の筒状凹部内にそれぞれ収納された
一対のはすば歯車型ピニオンギヤ2、3の複数組を介し
て前記デフケース1の回転軸上に配置された左右のサイ
ドギヤ4、5に差動噛合することによりトルク配分され
て伝達され、差動時の不均衡な比較的大きな駆動抵抗に
よって生じる前記はすば歯車型ピニオンギヤ2、3から
の噛合スラスト力で該はすば歯車型ピニオンギヤ3端面
とデフケース側壁内面との間の摩擦抵抗にて差動制限作
用が行われると同時に、前記はすば歯車型ピニオンギヤ
2、3と左右のサイドギヤ4、5との噛合反力によるス
ラスト力によって、前記イニシャルトルク発生部材であ
る弾性ワッシャ6を軸方向外側へ移動させると、該弾性
ワッシャ6の楔作用により強力な差動制限力が得られる
ことになる。
発生部材がヘリカルピニオン型差動制限装置に採用され
た場合、前記左右のデフケース1A、1B間と左右のサ
イドギヤ4、5の間の相対回転部分間に所定の弾性復元
力をもって介在された前記弾性ワッシャ6の制動力によ
って差動制限力が発生する。これらの所定の弾性復元力
をもって介在された弾性ワッシャ6は、そのテーパ部6
Bおよび内周面6Aの面接触によって相対回転部分間を
制動するように構成することができるので、異音を発生
させることもなく常に安定したイニシャルトルクを得る
ことができる。これに加えて、デフケース1の回転駆動
力は該デフケース1の筒状凹部内にそれぞれ収納された
一対のはすば歯車型ピニオンギヤ2、3の複数組を介し
て前記デフケース1の回転軸上に配置された左右のサイ
ドギヤ4、5に差動噛合することによりトルク配分され
て伝達され、差動時の不均衡な比較的大きな駆動抵抗に
よって生じる前記はすば歯車型ピニオンギヤ2、3から
の噛合スラスト力で該はすば歯車型ピニオンギヤ3端面
とデフケース側壁内面との間の摩擦抵抗にて差動制限作
用が行われると同時に、前記はすば歯車型ピニオンギヤ
2、3と左右のサイドギヤ4、5との噛合反力によるス
ラスト力によって、前記イニシャルトルク発生部材であ
る弾性ワッシャ6を軸方向外側へ移動させると、該弾性
ワッシャ6の楔作用により強力な差動制限力が得られる
ことになる。
【0011】図3は、本発明の差動制限装置の第2実施
の形態を示すもので、へリカルピニオン型差動制限装置
の全体断面図である。本実施の形態では、差動制限力を
発生させる相対回転部分間として左右のサイドギヤ間を
選定したもので、これらの左右のサイドギヤ4、5の対
向面のいずれか一方、図示の例では右サイドギヤ5の端
面にテーパ部5Bを形成し、他方の左サイドギヤ4の端
面に凹部4Bを形成する。そして、これらテーパ部5B
と凹部4Bとの間に自らの弾性力によって弾性ワッシャ
6が介在され、該弾性ワッシャ6の側部6C、外周部6
Aおよびテーパ部6Bが面接触により左右のサイドギヤ
4、5の凹部4Bおよびテーパ部5Bに圧接されて構成
されている。このように構成されているので、本実施の
形態では、前記第1実施の形態のものと同様に、弾性ワ
ッシャ6によるイニシャルトルクの発生に加えて、差動
時の不均衡な比較的大きな駆動抵抗によって生じるはす
ば歯車型ピニオンギヤ2、3からの噛合スラスト力で該
はすば歯車型ピニオンギヤ3端面とデフケース側壁内面
との間の摩擦抵抗にて差動制限作用が行われることにな
る。なお、本実施の形態では、前記はすば歯車型ピニオ
ンギヤ2、3とサイドギヤとの噛合反力により、左右の
サイドギヤ4、5が互いに近接するような歯の傾斜に形
成される。これによって、前記はすば歯車型ピニオンギ
ヤ2、3と左右のサイドギヤ4、5との噛合反力によ
り、左右のサイドギヤ4、5が近接して、前記弾性ワッ
シャ6を圧縮する制動作用をなし、弾性ワッシャ6の楔
作用により強力な差動制限力が得られる。
の形態を示すもので、へリカルピニオン型差動制限装置
の全体断面図である。本実施の形態では、差動制限力を
発生させる相対回転部分間として左右のサイドギヤ間を
選定したもので、これらの左右のサイドギヤ4、5の対
向面のいずれか一方、図示の例では右サイドギヤ5の端
面にテーパ部5Bを形成し、他方の左サイドギヤ4の端
面に凹部4Bを形成する。そして、これらテーパ部5B
と凹部4Bとの間に自らの弾性力によって弾性ワッシャ
6が介在され、該弾性ワッシャ6の側部6C、外周部6
Aおよびテーパ部6Bが面接触により左右のサイドギヤ
4、5の凹部4Bおよびテーパ部5Bに圧接されて構成
されている。このように構成されているので、本実施の
形態では、前記第1実施の形態のものと同様に、弾性ワ
ッシャ6によるイニシャルトルクの発生に加えて、差動
時の不均衡な比較的大きな駆動抵抗によって生じるはす
ば歯車型ピニオンギヤ2、3からの噛合スラスト力で該
はすば歯車型ピニオンギヤ3端面とデフケース側壁内面
との間の摩擦抵抗にて差動制限作用が行われることにな
る。なお、本実施の形態では、前記はすば歯車型ピニオ
ンギヤ2、3とサイドギヤとの噛合反力により、左右の
サイドギヤ4、5が互いに近接するような歯の傾斜に形
成される。これによって、前記はすば歯車型ピニオンギ
ヤ2、3と左右のサイドギヤ4、5との噛合反力によ
り、左右のサイドギヤ4、5が近接して、前記弾性ワッ
シャ6を圧縮する制動作用をなし、弾性ワッシャ6の楔
作用により強力な差動制限力が得られる。
【0012】以上本発明の実施の形態を述べてきたが、
本発明は前述した実施の形態のはすば歯車型ピニオンギ
ヤを用いた差動装置に限定されることなく、その他の形
式の差動制限装置にも採用できる。また、差動制限力を
得る相対回転部分における弾性ワッシャに摺接するテー
パ部および凹部の形状およびその位置、弾性ワッシャの
形状、材質、係止ピンの形状、係止形態等については適
宜採用できる。さらに、本発明の趣旨の範囲内で、デフ
ケースの形状、ピニオンギヤおよびサイドギヤの形状、
これらの間の噛合関連形態等は適宜選択することができ
る。
本発明は前述した実施の形態のはすば歯車型ピニオンギ
ヤを用いた差動装置に限定されることなく、その他の形
式の差動制限装置にも採用できる。また、差動制限力を
得る相対回転部分における弾性ワッシャに摺接するテー
パ部および凹部の形状およびその位置、弾性ワッシャの
形状、材質、係止ピンの形状、係止形態等については適
宜採用できる。さらに、本発明の趣旨の範囲内で、デフ
ケースの形状、ピニオンギヤおよびサイドギヤの形状、
これらの間の噛合関連形態等は適宜選択することができ
る。
【0013】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
デフケースの回転駆動力を該デフケースに内形成された
筒状凹部内にそれぞれ収納され、互いに噛合する少なく
とも一対のピニオンギヤを介して前記デフケースの回転
軸上に配置された左右のサイドギヤにトルク配分して伝
達する差動装置の相対回転部分間を制動して差動制限力
を得る差動制限装置において、前記相対回転部分間のい
ずれか一方にテーパ部を形成するとともに、該テーパ部
に対応するテーパ部を有する弾性ワッシャを介在させて
イニシャルトルクを発生させるように構成したので、相
対回転部分を弾性ワッシャの弾性復元力による面接触に
よって制動させることが可能となり、異音が発生するこ
ともなく安定したイニシャルトルクすなわち差動制限力
を発生させることができる。また、前記弾性ワッシャを
前記相対回転部分間のいずれか一方の部材に係止させた
場合には、相対回転部分間において、いずれか一方の部
材の少なくとも1か所にて係止された弾性ワッシャは、
前記いずれか一方の部材と回転をともにしつつ、自らの
弾性によって前記相対回転部分間に面接触による安定し
た所定の制動力を確実に付与し、常に一定の差動制限力
を付与することができる。
デフケースの回転駆動力を該デフケースに内形成された
筒状凹部内にそれぞれ収納され、互いに噛合する少なく
とも一対のピニオンギヤを介して前記デフケースの回転
軸上に配置された左右のサイドギヤにトルク配分して伝
達する差動装置の相対回転部分間を制動して差動制限力
を得る差動制限装置において、前記相対回転部分間のい
ずれか一方にテーパ部を形成するとともに、該テーパ部
に対応するテーパ部を有する弾性ワッシャを介在させて
イニシャルトルクを発生させるように構成したので、相
対回転部分を弾性ワッシャの弾性復元力による面接触に
よって制動させることが可能となり、異音が発生するこ
ともなく安定したイニシャルトルクすなわち差動制限力
を発生させることができる。また、前記弾性ワッシャを
前記相対回転部分間のいずれか一方の部材に係止させた
場合には、相対回転部分間において、いずれか一方の部
材の少なくとも1か所にて係止された弾性ワッシャは、
前記いずれか一方の部材と回転をともにしつつ、自らの
弾性によって前記相対回転部分間に面接触による安定し
た所定の制動力を確実に付与し、常に一定の差動制限力
を付与することができる。
【0014】さらに、本発明のイニシャルトルク発生部
材の弾性ワッシャを、へリカルピニオン型ギヤからなる
差動歯車の噛合反力により差動制限力をえる差動制限装
置に採用すれば、より高い差動制限力が得られる。この
ように、本発明によれば、異音の発生がなく、高い差動
制限作用のもとに常に安定した差動制限トルクが得られ
るイニシャルトルク発生部材が採用された差動制限装置
が提供される。
材の弾性ワッシャを、へリカルピニオン型ギヤからなる
差動歯車の噛合反力により差動制限力をえる差動制限装
置に採用すれば、より高い差動制限力が得られる。この
ように、本発明によれば、異音の発生がなく、高い差動
制限作用のもとに常に安定した差動制限トルクが得られ
るイニシャルトルク発生部材が採用された差動制限装置
が提供される。
【図1】本発明の差動制限装置の第1実施の形態を示
し、へリカルピニオン型差動制限装置の全体断面図であ
る。
し、へリカルピニオン型差動制限装置の全体断面図であ
る。
【図2】本発明の差動制限装置の第1実施の形態を示す
もので、図1のA部拡大図およびその変形例である。
もので、図1のA部拡大図およびその変形例である。
【図3】本発明の差動制限装置の第2実施の形態を示す
もので、へリカルピニオン型差動制限装置の全体断面図
である。
もので、へリカルピニオン型差動制限装置の全体断面図
である。
【図4】従来の差動制限装置の全体断面図である。
1 デフケース 1A 左デフケース 1B 右デフケース 1C テーパ部 1D テーパ部 1E 筒状凹部 2 はすば歯車型ピニオンギヤ(複歯) 3 はすば歯車型ピニオンギヤ(単歯) 4 左サイドギヤ 4B 凹部 4S 小径部 5 右サイドギヤ 5B テーパ部 5S 小径部 6 弾性ワッシャ 6A 周部 6B テーパ部 6C 側部 7 係止ピン
Claims (4)
- 【請求項1】 デフケースの回転駆動力を該デフケース
内に形成された筒状凹部内にそれぞれ収納され、互いに
噛合する少なくとも一対のピニオンギヤを介して前記デ
フケースの回転軸上に配置された左右のサイドギヤにト
ルク配分して伝達する差動装置の相対回転部分間を制動
して差動制限力を得る差動制限装置において、前記相対
回転部分間のいずれか一方にテーパ部を形成するととも
に、該テーパ部に対応するテーパ部を有する弾性ワッシ
ャを介在させてイニシャルトルクを発生させるように構
成したことを特徴とする差動制限装置。 - 【請求項2】 前記弾性ワッシャを前記相対回転部分間
のいずれか一方の部材に係止させたことを特徴とする請
求項1に記載の差動制限装置。 - 【請求項3】 前記弾性ワッシャをサイドギヤとデフケ
ースとの間に介在させたことを特徴とする請求項1また
は2に記載の差動制限装置。 - 【請求項4】 前記弾性ワッシャを左右のサイドギヤ間
に介在させたことを特徴とする請求項1または2に記載
の差動制限装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9904398A JPH11294559A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 差動制限装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9904398A JPH11294559A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 差動制限装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11294559A true JPH11294559A (ja) | 1999-10-29 |
Family
ID=14236472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9904398A Pending JPH11294559A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 差動制限装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11294559A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009150498A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Jtekt Corp | 差動歯車装置 |
WO2010112366A1 (de) * | 2009-03-28 | 2010-10-07 | Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg | Stirnraddifferenzialgetriebe |
JP2010537126A (ja) * | 2007-08-14 | 2010-12-02 | オートテック スポート チューニング コーポレイション | ディファレンシャルギアアセンブリ |
CN108351012A (zh) * | 2015-09-23 | 2018-07-31 | 吉凯恩传动系统雪平公司 | 连接组件和用于制造连接组件的方法 |
-
1998
- 1998-04-10 JP JP9904398A patent/JPH11294559A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010537126A (ja) * | 2007-08-14 | 2010-12-02 | オートテック スポート チューニング コーポレイション | ディファレンシャルギアアセンブリ |
JP2009150498A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Jtekt Corp | 差動歯車装置 |
WO2010112366A1 (de) * | 2009-03-28 | 2010-10-07 | Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg | Stirnraddifferenzialgetriebe |
CN108351012A (zh) * | 2015-09-23 | 2018-07-31 | 吉凯恩传动系统雪平公司 | 连接组件和用于制造连接组件的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5018505B2 (ja) | 車両用差動歯車装置 | |
US4978329A (en) | Limited slip differential | |
JP2002337062A (ja) | 回転出力装置 | |
JPH03204409A (ja) | 軸ロック装置 | |
JP2778837B2 (ja) | ベルト引込み装置のベルトドラムおよびベルトプリテンショナーの回転駆動装置の間の連結装置 | |
JP2000240759A (ja) | ブレーキシューを取り付けたピニオンを有する平行軸ギア差動装置 | |
JP2009068705A (ja) | 端面歯列を備えたロッキングディファレンシャル | |
US4986602A (en) | Irreversible continuous pivotal connection | |
JPH0478350A (ja) | 遊星歯車式差動装置 | |
JPH11294559A (ja) | 差動制限装置 | |
US6290624B1 (en) | Center differential for 4-wheel drive vehicle | |
EP1491796A2 (en) | Differential gearing for vehicle | |
JP2001355707A (ja) | リミティッドスリップディファレンシャル | |
JP2008511799A (ja) | 冠歯車を備えたロッキングディファレンシャル | |
JPH11294561A (ja) | 差動制限装置 | |
TW454071B (en) | Differential gear | |
JPH10141476A (ja) | 差動制限装置 | |
EP0859169A2 (en) | Parallel-axis gear differential | |
JPH07332466A (ja) | トルク分配型差動歯車装置 | |
JPH11294560A (ja) | 差動制限装置 | |
JP2622908B2 (ja) | 遊星歯車装置 | |
JP2558211Y2 (ja) | スプリングブレーキ装置 | |
FR2797666A1 (fr) | Dispositif de transmission, en particulier pour vehicule terrestre | |
JPH08219238A (ja) | ギヤ装置 | |
JPS6030862B2 (ja) | 摩擦無段変速機における乗上げカム型圧接力発生装置 |