JPH07332466A - トルク分配型差動歯車装置 - Google Patents
トルク分配型差動歯車装置Info
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- JPH07332466A JPH07332466A JP7027401A JP2740195A JPH07332466A JP H07332466 A JPH07332466 A JP H07332466A JP 7027401 A JP7027401 A JP 7027401A JP 2740195 A JP2740195 A JP 2740195A JP H07332466 A JPH07332466 A JP H07332466A
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- Japan
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- gear
- washer
- washers
- housing
- sun
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- Pending
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H48/00—Differential gearings
- F16H48/20—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices
- F16H48/28—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices using self-locking gears or self-braking gears
- F16H48/285—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices using self-locking gears or self-braking gears with self-braking intermeshing gears having parallel axes and having worms or helical teeth
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Retarders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 トルクバイアス比を増大させる。
【構成】 太陽歯車4,5間には、5つのワッシャ1
0,11,12,13,14を順次配置する。両端およ
び中央に配置されたワッシャ10,12,14は、ハウ
ジング1に軸線L方向へ移動可能に、かつ回転不能に設
ける。残りのワッシャ11,13は、太陽歯車4,5に
軸線L方向へ移動可能に、かつ回転不能にそれぞれ設け
る。
0,11,12,13,14を順次配置する。両端およ
び中央に配置されたワッシャ10,12,14は、ハウ
ジング1に軸線L方向へ移動可能に、かつ回転不能に設
ける。残りのワッシャ11,13は、太陽歯車4,5に
軸線L方向へ移動可能に、かつ回転不能にそれぞれ設け
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、入力されたトルクを
一対の出力軸に異なる大きさで分配することができるト
ルク分配型差動歯車装置に関する。
一対の出力軸に異なる大きさで分配することができるト
ルク分配型差動歯車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の差動歯車装置は、回転駆
動されるハウジングと、このハウジングの内部に設けら
れた差動歯車機構とを備えており、差動歯車機構は、ハ
ウジング内に軸線をハウジングの軸線と一致させて回転
自在に設けられた一対の太陽歯車と、各太陽歯車と噛み
合うとともに、互いに噛み合う少なくとも一対の遊星歯
車とから構成されている。そして、ハウジングにトルク
が入力されると、そのトルクが遊星歯車を介して各太陽
歯車に伝達されるようになっている。なお、各太陽歯車
に伝達されたトルクは、各太陽歯車に連結された車軸等
の出力軸にそれぞれ伝達される。
動されるハウジングと、このハウジングの内部に設けら
れた差動歯車機構とを備えており、差動歯車機構は、ハ
ウジング内に軸線をハウジングの軸線と一致させて回転
自在に設けられた一対の太陽歯車と、各太陽歯車と噛み
合うとともに、互いに噛み合う少なくとも一対の遊星歯
車とから構成されている。そして、ハウジングにトルク
が入力されると、そのトルクが遊星歯車を介して各太陽
歯車に伝達されるようになっている。なお、各太陽歯車
に伝達されたトルクは、各太陽歯車に連結された車軸等
の出力軸にそれぞれ伝達される。
【0003】上記太陽歯車およびこれと噛み合う遊星歯
車としては、ウオーム歯車またははすば歯車が採用され
ている。したがって、遊星歯車と太陽歯車との間でトル
クが伝達される場合には、遊星歯車および太陽歯車の各
歯車に軸線方向の推力が発生し、この推力によって遊星
歯車機構を構成する歯車のうちの一の歯車、例えば太陽
歯車がハウジングに押し付けられる。この結果、太陽歯
車がハウジングに対して回転するとき(差動回転時)、
または回転しようとするときに、両者の間に摩擦抵抗が
発生する。そして、この摩擦抵抗の大きさに応じて入力
トルクが各太陽歯車に異なる大きさをもって分配される
ようになっている。
車としては、ウオーム歯車またははすば歯車が採用され
ている。したがって、遊星歯車と太陽歯車との間でトル
クが伝達される場合には、遊星歯車および太陽歯車の各
歯車に軸線方向の推力が発生し、この推力によって遊星
歯車機構を構成する歯車のうちの一の歯車、例えば太陽
歯車がハウジングに押し付けられる。この結果、太陽歯
車がハウジングに対して回転するとき(差動回転時)、
または回転しようとするときに、両者の間に摩擦抵抗が
発生する。そして、この摩擦抵抗の大きさに応じて入力
トルクが各太陽歯車に異なる大きさをもって分配される
ようになっている。
【0004】ところで、各太陽歯車に分配されるトルク
の大きさの比(以下、トルクバイアス比という。)は、
遊星歯車装置が用いられる車両に応じて適宜変えること
ができるようにするのが望ましい。そこで、従来の遊星
歯車装置においては、例えば太陽歯車(一の歯車)とハ
ウジング(他の部材)との間にワッシャを介装し、摩擦
係数の異なる各種のワッシャを車両に応じて適宜変える
ことにより、所望のトルクバイアス比を得ている。
の大きさの比(以下、トルクバイアス比という。)は、
遊星歯車装置が用いられる車両に応じて適宜変えること
ができるようにするのが望ましい。そこで、従来の遊星
歯車装置においては、例えば太陽歯車(一の歯車)とハ
ウジング(他の部材)との間にワッシャを介装し、摩擦
係数の異なる各種のワッシャを車両に応じて適宜変える
ことにより、所望のトルクバイアス比を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
差動歯車装置においては、トルクバイアス比を一定限度
以上に大きすることが困難であるという問題があった。
すなわち、トルクバイアス比を大きくするには、摩擦係
数の大きいワッシャを用いるか、あるいは大径のワッシ
ャを用い、これらによって摩擦抵抗を増大させることが
考えられる。
差動歯車装置においては、トルクバイアス比を一定限度
以上に大きすることが困難であるという問題があった。
すなわち、トルクバイアス比を大きくするには、摩擦係
数の大きいワッシャを用いるか、あるいは大径のワッシ
ャを用い、これらによって摩擦抵抗を増大させることが
考えられる。
【0006】しかるに、前者の方法を採用すると、ワッ
シャとそれに接触する太陽歯車またはハウジングとの間
の単位面積当たりの摩擦抵抗が過度に大きくなり、それ
らの間で焼き付きが発生するおそれがある。一方、後者
の方法では、ワッシャの大径化に伴ってハウジングを大
径にしなければならず、装置が大型化してしまう。この
ような理由により、従来の差動差動歯車装置において
は、トルクバイアス比を一定の限度以上に大きくするこ
とが困難であったのである。
シャとそれに接触する太陽歯車またはハウジングとの間
の単位面積当たりの摩擦抵抗が過度に大きくなり、それ
らの間で焼き付きが発生するおそれがある。一方、後者
の方法では、ワッシャの大径化に伴ってハウジングを大
径にしなければならず、装置が大型化してしまう。この
ような理由により、従来の差動差動歯車装置において
は、トルクバイアス比を一定の限度以上に大きくするこ
とが困難であったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の問題
を解決するためになされたもので、一対の太陽歯車、お
よび各太陽歯車とそれぞれ噛み合うとともに、互いに噛
み合う少なくとも一対の遊星歯車を有する差動歯車機構
がハウジング内に設けられ、上記差動歯車機構を構成す
る歯車のうちの一の歯車とこれに対向する他の部材との
間にワッシャが配置され、このワッシャが上記一の歯車
に発生する軸方向の推力によって当該一の歯車と上記他
の部材との間に挟持されるトルク分配型差動歯車装置に
おいて、上記一の歯車と上記他の部材との間に、一の歯
車の推力によって互いに押圧接触させられる2つ以上の
ワッシャを配置し、この2つ以上のワッシャのうちの一
部のワッシャを上記一の歯車と一体に回転するように設
け、残りのワッシャを上記ハウジングの内面に形成され
た係止部によって回転が阻止されるように設け、上記一
の歯車と一体に回転するワッシャと上記ハウジングの係
止部によって回転が阻止されるワッシャとを、これらの
ワッシャ、上記一の歯車および上記他の部材の間にすべ
り接触する一組の摩擦接触面が二組以上形成されるよう
に配置したことを特徴としている。
を解決するためになされたもので、一対の太陽歯車、お
よび各太陽歯車とそれぞれ噛み合うとともに、互いに噛
み合う少なくとも一対の遊星歯車を有する差動歯車機構
がハウジング内に設けられ、上記差動歯車機構を構成す
る歯車のうちの一の歯車とこれに対向する他の部材との
間にワッシャが配置され、このワッシャが上記一の歯車
に発生する軸方向の推力によって当該一の歯車と上記他
の部材との間に挟持されるトルク分配型差動歯車装置に
おいて、上記一の歯車と上記他の部材との間に、一の歯
車の推力によって互いに押圧接触させられる2つ以上の
ワッシャを配置し、この2つ以上のワッシャのうちの一
部のワッシャを上記一の歯車と一体に回転するように設
け、残りのワッシャを上記ハウジングの内面に形成され
た係止部によって回転が阻止されるように設け、上記一
の歯車と一体に回転するワッシャと上記ハウジングの係
止部によって回転が阻止されるワッシャとを、これらの
ワッシャ、上記一の歯車および上記他の部材の間にすべ
り接触する一組の摩擦接触面が二組以上形成されるよう
に配置したことを特徴としている。
【0008】
【作用】一の歯車と他の部材との間に1つのワッシャを
配置した場合、実質的な摩擦抵抗面は1つだけである。
これに対し、この発明においては、一の歯車と一体に回
転するワッシャと、ハウジングに回転を阻止されたワッ
シャとを、ワッシャ、一の歯車および他の部材の間に摩
擦接触面が二組以上形成されるよう、交互に配置してい
るので、摩擦接触面の数が多くなり、その分だけ摩擦接
触面の面積が大きくなる。したがって、一の歯車とハウ
ジングとの間の摩擦抵抗が大きくなり、大きなトルクバ
イアス比が得られる。
配置した場合、実質的な摩擦抵抗面は1つだけである。
これに対し、この発明においては、一の歯車と一体に回
転するワッシャと、ハウジングに回転を阻止されたワッ
シャとを、ワッシャ、一の歯車および他の部材の間に摩
擦接触面が二組以上形成されるよう、交互に配置してい
るので、摩擦接触面の数が多くなり、その分だけ摩擦接
触面の面積が大きくなる。したがって、一の歯車とハウ
ジングとの間の摩擦抵抗が大きくなり、大きなトルクバ
イアス比が得られる。
【0009】
【実施例】以下、この発明の一実施例について、図1〜
図6を参照して説明する。図1〜図4はこの発明に係る
差動歯車装置Aを示すものであり、図1は図2のX−X
断面図、図2は図1のY−Y断面図である。
図6を参照して説明する。図1〜図4はこの発明に係る
差動歯車装置Aを示すものであり、図1は図2のX−X
断面図、図2は図1のY−Y断面図である。
【0010】図1および図2に示すように、差動歯車装
置Aは、軸線Lを中心として回転駆動されるハウジング
1を有している。このハウジング1は、有底円筒状をな
すハウジング本体2と蓋体3とから構成されている。ハ
ウジング本体2の開口側端部には、フランジ部2aが形
成されており、底部中央にはジャーナル部2bが形成さ
れている。一方、蓋体3は、円盤状をなすものであり、
フランジ部2aの外側を向く面に固定され、ハウジング
本体の開口部を閉じている。蓋体3の中央部には、ジャ
ーナル部3aが形成されている。
置Aは、軸線Lを中心として回転駆動されるハウジング
1を有している。このハウジング1は、有底円筒状をな
すハウジング本体2と蓋体3とから構成されている。ハ
ウジング本体2の開口側端部には、フランジ部2aが形
成されており、底部中央にはジャーナル部2bが形成さ
れている。一方、蓋体3は、円盤状をなすものであり、
フランジ部2aの外側を向く面に固定され、ハウジング
本体の開口部を閉じている。蓋体3の中央部には、ジャ
ーナル部3aが形成されている。
【0011】上記ジャーナル2b,3aには、車軸等の
駆動軸(図示せず)が回転自在に挿通支持されている。
各駆動軸のハウジング1内の端部には、一対の太陽歯車
4,5がスプライン結合等により回転不能に、かつ軸線
L方向へ移動可能にそれぞれ支持されている。太陽歯車
4,5は、捩れ方向が逆方向である点を除き、互いに同
一のはすば歯車が用いられている。太陽歯車4の外側の
端面には、ハウジング本体2の底部に形成された凹部2
cに回転自在に嵌合する断面円形の突出部4aが形成さ
れ、内側の端面には断面円形の支持突出部4bが形成さ
れている。一方、太陽歯車5の外側の端面には、蓋体3
に形成された凹部3bに回転自在に嵌合する断面円形の
突出部5aが形成され、内側の端面には断面円形の支持
突出部5bが形成されている。
駆動軸(図示せず)が回転自在に挿通支持されている。
各駆動軸のハウジング1内の端部には、一対の太陽歯車
4,5がスプライン結合等により回転不能に、かつ軸線
L方向へ移動可能にそれぞれ支持されている。太陽歯車
4,5は、捩れ方向が逆方向である点を除き、互いに同
一のはすば歯車が用いられている。太陽歯車4の外側の
端面には、ハウジング本体2の底部に形成された凹部2
cに回転自在に嵌合する断面円形の突出部4aが形成さ
れ、内側の端面には断面円形の支持突出部4bが形成さ
れている。一方、太陽歯車5の外側の端面には、蓋体3
に形成された凹部3bに回転自在に嵌合する断面円形の
突出部5aが形成され、内側の端面には断面円形の支持
突出部5bが形成されている。
【0012】上記ハウジング1の筒体2の内周面には、
2個一対とする収容凹部6,7が3対周方向に等間隔を
もって配置形成されている。各収容凹部6,7は、断面
略半円状をなすものであり、軸線Lと平行にハウジング
本体2の一端から他端まで延びている。収容凹部6,7
は、隣接する側部において交差し、互いに連通してい
る。
2個一対とする収容凹部6,7が3対周方向に等間隔を
もって配置形成されている。各収容凹部6,7は、断面
略半円状をなすものであり、軸線Lと平行にハウジング
本体2の一端から他端まで延びている。収容凹部6,7
は、隣接する側部において交差し、互いに連通してい
る。
【0013】各収容凹部6,7には、軸線Lと平行な軸
線を有する一対の遊星歯車8,9がそれぞれ回転自在に
収容されている。遊星歯車8(9)は、一端部に形成さ
れた長歯車部8a(9a)と、他端部に形成された短歯
車部8b(9b)と、これらの間に形成された小径の逃
げ部8c(9c)とを有している。遊星歯車8の歯車部
8a,8bは長さが異なる点を除き同一のはすば歯車に
形成されている。この点は、遊星歯車9の歯車部9a,
9bも同様である。ただし、遊星歯車8の歯車部8a,
8bと遊星歯車9の歯車部9a,9bとはねじれ方向が
互いに逆方向になっている。
線を有する一対の遊星歯車8,9がそれぞれ回転自在に
収容されている。遊星歯車8(9)は、一端部に形成さ
れた長歯車部8a(9a)と、他端部に形成された短歯
車部8b(9b)と、これらの間に形成された小径の逃
げ部8c(9c)とを有している。遊星歯車8の歯車部
8a,8bは長さが異なる点を除き同一のはすば歯車に
形成されている。この点は、遊星歯車9の歯車部9a,
9bも同様である。ただし、遊星歯車8の歯車部8a,
8bと遊星歯車9の歯車部9a,9bとはねじれ方向が
互いに逆方向になっている。
【0014】遊星歯車8の長歯車部8aは、一方の太陽
歯車4と噛み合っている。遊星歯車9は、遊星歯車8と
逆向きに配置されており、長歯車部9aが他方の太陽歯
車5と噛み合っている。また、遊星歯車8の短歯車部8
bは遊星歯車9の長歯車部9aと噛み合い、遊星歯車9
の短歯車9bは遊星歯車8の長歯車部8aと噛み合っ
て。これによって、太陽歯車4,5が相互に連結される
とともに、ハウジング1に入力されたトルクが遊星歯車
8,9を介して太陽歯車4,5に伝達され、ひいては出
力軸に伝達されるようになっている。また、太陽歯車
4,5および遊星歯車8,9は、はすば歯車になってい
るので、それらの噛み合いにより、太陽歯車4,5およ
び遊星歯車8,9には軸線方向への推力が発生する。な
お、遊星歯車8,9は、少なくとも一対設ければよい。
歯車4と噛み合っている。遊星歯車9は、遊星歯車8と
逆向きに配置されており、長歯車部9aが他方の太陽歯
車5と噛み合っている。また、遊星歯車8の短歯車部8
bは遊星歯車9の長歯車部9aと噛み合い、遊星歯車9
の短歯車9bは遊星歯車8の長歯車部8aと噛み合っ
て。これによって、太陽歯車4,5が相互に連結される
とともに、ハウジング1に入力されたトルクが遊星歯車
8,9を介して太陽歯車4,5に伝達され、ひいては出
力軸に伝達されるようになっている。また、太陽歯車
4,5および遊星歯車8,9は、はすば歯車になってい
るので、それらの噛み合いにより、太陽歯車4,5およ
び遊星歯車8,9には軸線方向への推力が発生する。な
お、遊星歯車8,9は、少なくとも一対設ければよい。
【0015】上記一対の太陽歯車4,5の互いに対向す
る内側の端部間には、5個のワッシャ10,11,1
2,13,14が太陽歯車4側から太陽歯車5側へ向か
って順次配置されている。各ワッシャ10〜14は、厚
さの薄い円環状をなすものであり、両端部および中央部
に配置されたワッシャ10,12,14の外周面には、
図3に示すように、略半円状をなす突起10a,12
a,14aが3個ずつ周方向に等間隔をもって配置形成
されている。残りのワッシャ11,13の内周面には、
図4に示すように、略半円状をなす突起11a,13a
が3個ずつ周方向に等間隔をもって配置形成されてい
る。
る内側の端部間には、5個のワッシャ10,11,1
2,13,14が太陽歯車4側から太陽歯車5側へ向か
って順次配置されている。各ワッシャ10〜14は、厚
さの薄い円環状をなすものであり、両端部および中央部
に配置されたワッシャ10,12,14の外周面には、
図3に示すように、略半円状をなす突起10a,12
a,14aが3個ずつ周方向に等間隔をもって配置形成
されている。残りのワッシャ11,13の内周面には、
図4に示すように、略半円状をなす突起11a,13a
が3個ずつ周方向に等間隔をもって配置形成されてい
る。
【0016】図2および図3に示すように、ハウジング
本体2の内周面には、それぞれ内側へ向かって突出する
3個の支持台座15が周方向に等間隔をもって配置形成
されている。これら3つの支持台座15の各内周面は、
軸線Lを中心とする円弧面になっており、各支持台座1
5の内周面によって上記3つのワッシャ10,12,1
4が軸線L方向へ移動可能に支持されている。しかも、
支持台座15の内周面には、軸線Lと平行に延びる溝
(係止部)15aが形成されており、この溝15aに各
ワッシャ10,12,14の突起10a,12a,14
aが嵌まり込むことにより、ワッシャ10,12,14
がハウジング1に対して回転不能に支持されている。な
お、図3から明らかなように、ワッシャ10,12,1
4の内径は、太陽歯車4,5の支持突出部4b,5bの
外径と同等以上になっており、各ワッシャ10,12,
14は、太陽歯車4,5に対して相対移動可能、かつ相
対回動可能である。
本体2の内周面には、それぞれ内側へ向かって突出する
3個の支持台座15が周方向に等間隔をもって配置形成
されている。これら3つの支持台座15の各内周面は、
軸線Lを中心とする円弧面になっており、各支持台座1
5の内周面によって上記3つのワッシャ10,12,1
4が軸線L方向へ移動可能に支持されている。しかも、
支持台座15の内周面には、軸線Lと平行に延びる溝
(係止部)15aが形成されており、この溝15aに各
ワッシャ10,12,14の突起10a,12a,14
aが嵌まり込むことにより、ワッシャ10,12,14
がハウジング1に対して回転不能に支持されている。な
お、図3から明らかなように、ワッシャ10,12,1
4の内径は、太陽歯車4,5の支持突出部4b,5bの
外径と同等以上になっており、各ワッシャ10,12,
14は、太陽歯車4,5に対して相対移動可能、かつ相
対回動可能である。
【0017】図1および図4に示すように、太陽歯車
4,5の支持突出部4b,5bには、ワッシャ11,1
3がそれぞれ軸線L方向へ移動可能に嵌合されている。
しかも、各支持突出部4b,5bには、軸線L方向へ延
びる溝4c,5cが3個ずつ周方向に等間隔をもって配
置形成されている。そして、各溝4c,5cにワッシャ
11,13の突起11a,13aがそれぞれ嵌まり込む
ことにより、ワッシャ11,13が太陽歯車4,5と一
体に回転するようになっている。なお、ワッシャ11,
13の外径は、3つの支持台座15の各内周面によって
形成される円の直径より小さくなっており、各ワッシャ
11,13は、ハウジング1に対して相対移動可能、か
つ相対回転可能である。
4,5の支持突出部4b,5bには、ワッシャ11,1
3がそれぞれ軸線L方向へ移動可能に嵌合されている。
しかも、各支持突出部4b,5bには、軸線L方向へ延
びる溝4c,5cが3個ずつ周方向に等間隔をもって配
置形成されている。そして、各溝4c,5cにワッシャ
11,13の突起11a,13aがそれぞれ嵌まり込む
ことにより、ワッシャ11,13が太陽歯車4,5と一
体に回転するようになっている。なお、ワッシャ11,
13の外径は、3つの支持台座15の各内周面によって
形成される円の直径より小さくなっており、各ワッシャ
11,13は、ハウジング1に対して相対移動可能、か
つ相対回転可能である。
【0018】上記構成の差動歯車装置Aにおいては、ハ
ウジング1にトルクが入力すると、太陽歯車4,5に発
生する推力によりワッシャ10〜14が一方の太陽歯車
(一の歯車)4と他方の太陽歯車(他の部材)5との間
に挟持され、互いに押圧接触させられる。しかも、ワッ
シャ10,12,14がハウジング1に回転不能に支持
され、ワッシャ11,13が太陽歯車4,5と一体に回
転するので、両太陽歯車4,5がハウジング1に対して
相対回転する時(差動回転時)には、隣接するワッシャ
どうしが滑り接触することになり、摩擦接触面が四組得
られる。しかも、この実施例においては、軸線L方向の
両端部に配置されたワッシャ10,14がハウジング1
に回転不能に支持されているので、ワッシャ10と太陽
歯車4、およびワッシャ14と太陽歯車5とがそれぞれ
滑り接触し、それらの各間にも摩擦接触面が形成され
る。したがって、この実施例では、六組の摩擦抵抗面が
得られる。このように、摩擦接触面が六組得られるの
で、摩擦接触面全体の面積が、1つのワッシャを用いた
従来の差動歯車装置に比して6倍になる。したがって、
発生する摩擦抵抗の大きさも6倍になる。よって、トル
クバイアス比を大幅に増大させることができる。
ウジング1にトルクが入力すると、太陽歯車4,5に発
生する推力によりワッシャ10〜14が一方の太陽歯車
(一の歯車)4と他方の太陽歯車(他の部材)5との間
に挟持され、互いに押圧接触させられる。しかも、ワッ
シャ10,12,14がハウジング1に回転不能に支持
され、ワッシャ11,13が太陽歯車4,5と一体に回
転するので、両太陽歯車4,5がハウジング1に対して
相対回転する時(差動回転時)には、隣接するワッシャ
どうしが滑り接触することになり、摩擦接触面が四組得
られる。しかも、この実施例においては、軸線L方向の
両端部に配置されたワッシャ10,14がハウジング1
に回転不能に支持されているので、ワッシャ10と太陽
歯車4、およびワッシャ14と太陽歯車5とがそれぞれ
滑り接触し、それらの各間にも摩擦接触面が形成され
る。したがって、この実施例では、六組の摩擦抵抗面が
得られる。このように、摩擦接触面が六組得られるの
で、摩擦接触面全体の面積が、1つのワッシャを用いた
従来の差動歯車装置に比して6倍になる。したがって、
発生する摩擦抵抗の大きさも6倍になる。よって、トル
クバイアス比を大幅に増大させることができる。
【0019】また、5個のワッシャ10〜14を用いる
ことにより、摩擦接触面の面積を増大させ、それによっ
て摩擦抵抗を増大させるものであるから、各ワッシャ1
0〜14の外径については大きくする必要がなく、従来
のものと同じ大きさのものを用いることができる。した
がって、ハウジング1が大型化することがない。勿論、
5個のワッシャ10〜14を用いているので、1個のワ
ッシャを用いた場合に比して軸線L方向の長さが長くな
るが、ワッシャ10〜14はいずれも薄いものであるの
で、そのような点が問題となることはほとんどない。
ことにより、摩擦接触面の面積を増大させ、それによっ
て摩擦抵抗を増大させるものであるから、各ワッシャ1
0〜14の外径については大きくする必要がなく、従来
のものと同じ大きさのものを用いることができる。した
がって、ハウジング1が大型化することがない。勿論、
5個のワッシャ10〜14を用いているので、1個のワ
ッシャを用いた場合に比して軸線L方向の長さが長くな
るが、ワッシャ10〜14はいずれも薄いものであるの
で、そのような点が問題となることはほとんどない。
【0020】次に、この発明の他の実施例について説明
する。図5に示す実施例は、ハウジング1の蓋体3と太
陽歯車5との間に4個のワッシャ16〜19を配置した
ものであり、ハウジング1の蓋体3の凹部3bにはワッ
シャ16,18が軸線L方向へ移動可能に嵌合させられ
ている。しかも、凹部3bには溝(係止部)3cが形成
されており、この溝3cにワッシャ16,18の突起1
6a,18aが嵌め込まれることにより、ワッシャ1
6,18がハウジング1に回転不能に支持されている。
する。図5に示す実施例は、ハウジング1の蓋体3と太
陽歯車5との間に4個のワッシャ16〜19を配置した
ものであり、ハウジング1の蓋体3の凹部3bにはワッ
シャ16,18が軸線L方向へ移動可能に嵌合させられ
ている。しかも、凹部3bには溝(係止部)3cが形成
されており、この溝3cにワッシャ16,18の突起1
6a,18aが嵌め込まれることにより、ワッシャ1
6,18がハウジング1に回転不能に支持されている。
【0021】一方、太陽歯車5の突出部5aには、2つ
のワッシャ17,19が軸線L方向へ移動自在に嵌合さ
せられている。しかも、突出部5aには溝5dが形成さ
れており、この溝5dに各ワッシャ17,19の突起1
7a,19aが嵌め込まれることにより、ワッシャ1
7,19が太陽歯車5に回転不能に支持され、両者が一
体に回転するようになっている。なお、太陽歯車4,5
間には、上記5個のワッシャ10〜14に代えて1つの
ワッシャ20が配置されている。
のワッシャ17,19が軸線L方向へ移動自在に嵌合さ
せられている。しかも、突出部5aには溝5dが形成さ
れており、この溝5dに各ワッシャ17,19の突起1
7a,19aが嵌め込まれることにより、ワッシャ1
7,19が太陽歯車5に回転不能に支持され、両者が一
体に回転するようになっている。なお、太陽歯車4,5
間には、上記5個のワッシャ10〜14に代えて1つの
ワッシャ20が配置されている。
【0022】ワッシャ16〜19が上記のように配置さ
れているので、ワッシャ16とワッシャ17、ワッシャ
17とワッシャ18、およびワッシャ18とワッシャ1
9とがそれぞれ滑り接触する。つまり、摩擦接触面が3
組成形される。したがって、従来の差動歯車装置に比し
て3倍の摩擦抵抗が得られ、それに応じてトルクバイア
ス比を増大させることができる。
れているので、ワッシャ16とワッシャ17、ワッシャ
17とワッシャ18、およびワッシャ18とワッシャ1
9とがそれぞれ滑り接触する。つまり、摩擦接触面が3
組成形される。したがって、従来の差動歯車装置に比し
て3倍の摩擦抵抗が得られ、それに応じてトルクバイア
ス比を増大させることができる。
【0023】なお、ワッシャ16〜19については、他
方の太陽歯車(一の歯車)4とハウジング本体(他の部
材)2の底部との間に配置してもよく、あるいは両太陽
歯車4,5とハウジング1との各間に配置してもよい。
また、遊星歯車8,9の一方の端部または両方の端部と
ハウジング1との間にワッシャを配置するようにしても
よい。この点は、以下に述べる実施例においても同様で
ある。さらに、ワッシャ16,18を太陽歯車5に回動
不能に設け、ワッシャ17,19をハウジング1に回動
不能に設けるようにしてもよい。このようにすれば、上
記の摩擦抵抗面に加え、ワッシャ17とハウジング1と
の間、ワッシャ19と太陽歯車5との間に新たな摩擦抵
抗面が得られ、全部で5つの摩擦抵抗面が得られる。
方の太陽歯車(一の歯車)4とハウジング本体(他の部
材)2の底部との間に配置してもよく、あるいは両太陽
歯車4,5とハウジング1との各間に配置してもよい。
また、遊星歯車8,9の一方の端部または両方の端部と
ハウジング1との間にワッシャを配置するようにしても
よい。この点は、以下に述べる実施例においても同様で
ある。さらに、ワッシャ16,18を太陽歯車5に回動
不能に設け、ワッシャ17,19をハウジング1に回動
不能に設けるようにしてもよい。このようにすれば、上
記の摩擦抵抗面に加え、ワッシャ17とハウジング1と
の間、ワッシャ19と太陽歯車5との間に新たな摩擦抵
抗面が得られ、全部で5つの摩擦抵抗面が得られる。
【0024】図8に示す実施例は、太陽歯車4,5間に
4個のワッシャ25,26,27,28を配置したもの
であり、左右のワッシャ25,28は、ハウジング1の
支持台座15に回転不能にかつ移動可能に支持され、中
央のワッシャ26,27は、太陽歯車4,5の支持突出
部4b,5bにそれぞれ回転不能にかつ移動可能に支持
されている。したがって、この実施例では、摩擦接触面
が五組得られる。
4個のワッシャ25,26,27,28を配置したもの
であり、左右のワッシャ25,28は、ハウジング1の
支持台座15に回転不能にかつ移動可能に支持され、中
央のワッシャ26,27は、太陽歯車4,5の支持突出
部4b,5bにそれぞれ回転不能にかつ移動可能に支持
されている。したがって、この実施例では、摩擦接触面
が五組得られる。
【0025】図9に示す実施例は、太陽歯車4,5間に
3個のワッシャ29,30,31を配置したものであ
り、左右のワッシャ29,31はハウジング1の支持台
座15に回転不能にかつ移動可能に設けられ、中央のワ
ッシャ30は太陽歯車4の支持突出部4bに回転不能に
かつ移動可能に設けられている。中央のワッシャ30に
ついては、太陽歯車5に設けてもよい。この実施例にお
いては、摩擦抵抗面が四組得られる。
3個のワッシャ29,30,31を配置したものであ
り、左右のワッシャ29,31はハウジング1の支持台
座15に回転不能にかつ移動可能に設けられ、中央のワ
ッシャ30は太陽歯車4の支持突出部4bに回転不能に
かつ移動可能に設けられている。中央のワッシャ30に
ついては、太陽歯車5に設けてもよい。この実施例にお
いては、摩擦抵抗面が四組得られる。
【0026】上記の実施例から明らかなように、トルク
バイアス比率を増大させるというこの発明の目的を達成
するには、摩擦抵抗面を二組以上得られるようにすれば
よく、そのためにはワッシャを2個以上用いればよい。
ただし、2個のワッシャ用いる場合において、それらを
太陽歯車4,5間に配置する場合には、次に述べるよう
に摩擦接触面が必ず二組以上になるので問題ないが、ハ
ウジング1と太陽歯車4,5との間、またはハウジング
1と遊星歯車8,9の間に配置する場合には、摩擦接触
面が二組以上得られよう、それらの配置関係を工夫する
必要がある。
バイアス比率を増大させるというこの発明の目的を達成
するには、摩擦抵抗面を二組以上得られるようにすれば
よく、そのためにはワッシャを2個以上用いればよい。
ただし、2個のワッシャ用いる場合において、それらを
太陽歯車4,5間に配置する場合には、次に述べるよう
に摩擦接触面が必ず二組以上になるので問題ないが、ハ
ウジング1と太陽歯車4,5との間、またはハウジング
1と遊星歯車8,9の間に配置する場合には、摩擦接触
面が二組以上得られよう、それらの配置関係を工夫する
必要がある。
【0027】すなわち、図10に示す実施例は、太陽歯
車4,5間に2個のワッシャ32,33を配置した実施
例を示すものであり、右側のワッシャ32は、ハウジン
グ1の支持台座15に回転不能にかつ移動可能に支持さ
れ、左側のワッシャ33は、太陽歯車5に回転不能にか
つ移動可能に支持されている。したがって、この実施例
では、太陽歯車4とワッシャ32との間、およびワッシ
ャ32,33間の二組の摩擦接触面が得られる。
車4,5間に2個のワッシャ32,33を配置した実施
例を示すものであり、右側のワッシャ32は、ハウジン
グ1の支持台座15に回転不能にかつ移動可能に支持さ
れ、左側のワッシャ33は、太陽歯車5に回転不能にか
つ移動可能に支持されている。したがって、この実施例
では、太陽歯車4とワッシャ32との間、およびワッシ
ャ32,33間の二組の摩擦接触面が得られる。
【0028】図11に示す実施例は、図10に示す実施
例を改良したものであり、左側に配置されたワッシャ3
3が、太陽歯車4の支持突出部4bに回転不能にかつ移
動可能に支持されている。この実施例では、ワッシャ3
3と太陽歯車5との間にも摩擦接触面が得られ、全部で
三組の摩擦接触面が得られる。
例を改良したものであり、左側に配置されたワッシャ3
3が、太陽歯車4の支持突出部4bに回転不能にかつ移
動可能に支持されている。この実施例では、ワッシャ3
3と太陽歯車5との間にも摩擦接触面が得られ、全部で
三組の摩擦接触面が得られる。
【0029】このように、太陽歯車4,5間に2個のワ
ッシャを配置する場合には、摩擦接触面が少なくとも二
組以上得られる。しかし、2個のワッシャをハウジング
1と太陽歯車4,5との間、またはハウジング1と遊星
歯車8,9との間に配置する場合には、その配置によっ
ては一組の摩擦抵抗面しか得られないことがある。した
がって、そのようなことがないように工夫する必要があ
る。
ッシャを配置する場合には、摩擦接触面が少なくとも二
組以上得られる。しかし、2個のワッシャをハウジング
1と太陽歯車4,5との間、またはハウジング1と遊星
歯車8,9との間に配置する場合には、その配置によっ
ては一組の摩擦抵抗面しか得られないことがある。した
がって、そのようなことがないように工夫する必要があ
る。
【0030】図7はこの発明に必要な条件を満足せず、
実施例たり得ない差動歯車装置を示すものであり、この
ものにおいては、蓋体3と太陽歯車5との間に2つのワ
ッシャ21,22が配置されている。蓋体3に接触する
ワッシャ21は、その突出部21aが溝3cに嵌まり込
むことにより、ハウジング1に回転不能に支持されてい
る。一方、太陽歯車5に接触するワッシャ22は、その
突出部22aが溝5dに嵌まり込むことにより、太陽歯
車5に回転不能に支持されている。
実施例たり得ない差動歯車装置を示すものであり、この
ものにおいては、蓋体3と太陽歯車5との間に2つのワ
ッシャ21,22が配置されている。蓋体3に接触する
ワッシャ21は、その突出部21aが溝3cに嵌まり込
むことにより、ハウジング1に回転不能に支持されてい
る。一方、太陽歯車5に接触するワッシャ22は、その
突出部22aが溝5dに嵌まり込むことにより、太陽歯
車5に回転不能に支持されている。
【0031】上記のように配置した場合には、ワッシャ
21,22が滑り接触するだけであり、従来のものと同
様に摩擦接触面が1つしか得られない。このため、トル
クバイアス比を大きくすることができない。
21,22が滑り接触するだけであり、従来のものと同
様に摩擦接触面が1つしか得られない。このため、トル
クバイアス比を大きくすることができない。
【0032】これに対し、図6はこの発明の条件を満た
し、実施例たり得る差動歯車装置を示すものであり、蓋
体(他の部材)3に接触するワッシャ23は、その突出
部23aが溝5dに嵌まり込むことにより、太陽歯車5
(一の歯車)と一体に回転するようになっている。一
方、太陽歯車5と接触するワッシャ24は、その突出部
24aが溝3cに嵌まり込むことにより、ハウジング1
に回転不能に支持されている。したがって、ハウジング
1とワッシャ23、ワッシャ23,24、およびワッシ
ャ24と太陽歯車5とがすべり接触し、摩擦接触面が三
組得られる。
し、実施例たり得る差動歯車装置を示すものであり、蓋
体(他の部材)3に接触するワッシャ23は、その突出
部23aが溝5dに嵌まり込むことにより、太陽歯車5
(一の歯車)と一体に回転するようになっている。一
方、太陽歯車5と接触するワッシャ24は、その突出部
24aが溝3cに嵌まり込むことにより、ハウジング1
に回転不能に支持されている。したがって、ハウジング
1とワッシャ23、ワッシャ23,24、およびワッシ
ャ24と太陽歯車5とがすべり接触し、摩擦接触面が三
組得られる。
【0033】なお、この発明は、上記の実施例に限定さ
れるものでなく、適宜変更可能である。例えば、上記の
差動歯車装置Aにおいては、軸線が太陽歯車4,5の軸
線(軸線L)と平行である遊星歯車8,9を用いている
が、軸線が太陽歯車4,5の軸線と直交する(実際には
ねじれの関係)遊星歯車を用いてもよい。
れるものでなく、適宜変更可能である。例えば、上記の
差動歯車装置Aにおいては、軸線が太陽歯車4,5の軸
線(軸線L)と平行である遊星歯車8,9を用いている
が、軸線が太陽歯車4,5の軸線と直交する(実際には
ねじれの関係)遊星歯車を用いてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のトルク
分配型差動歯車装置によれば、遊星歯車機構を構成する
歯車のうちの一の歯車と一体に回転するワッシャと、ハ
ウジングによって回転を阻止されたワッシャとを、二組
以上の摩擦抵抗面が得られるように配置しているから、
大径のワッシャを用いることなく摩擦抵抗面を増大させ
ることができ、したがって、差動歯車装置のハウジング
が大型化することなく、トルクバイアス比を増大させる
ことができるという効果が得られる。
分配型差動歯車装置によれば、遊星歯車機構を構成する
歯車のうちの一の歯車と一体に回転するワッシャと、ハ
ウジングによって回転を阻止されたワッシャとを、二組
以上の摩擦抵抗面が得られるように配置しているから、
大径のワッシャを用いることなく摩擦抵抗面を増大させ
ることができ、したがって、差動歯車装置のハウジング
が大型化することなく、トルクバイアス比を増大させる
ことができるという効果が得られる。
【図1】この発明の一実施例を示す図であって、図2の
X−X線に沿う断面図である。
X−X線に沿う断面図である。
【図2】図1のY−Y線に沿う断面図である。
【図3】図1に示す実施例の要部のYーY線と平行に切
断した断面図であって、特にハウジングに回転不能に支
持されたワッシャを示すものである。
断した断面図であって、特にハウジングに回転不能に支
持されたワッシャを示すものである。
【図4】図1に示す実施例の要部をY−Y線と平行に切
断した断面図であって、特に太陽歯車と一体に回転する
ワッシャを示すものである。
断した断面図であって、特に太陽歯車と一体に回転する
ワッシャを示すものである。
【図5】5個のワッシャをハウジングと太陽歯車との間
に配置したの発明の実施例の要部を示す図1と同様の断
面図である。
に配置したの発明の実施例の要部を示す図1と同様の断
面図である。
【図6】2個のワッシャをハウジングと太陽歯車との間
に配置したこの発明の実施例の要部を示す図1と同様の
断面図である。
に配置したこの発明の実施例の要部を示す図1と同様の
断面図である。
【図7】この発明の条件を満たさない差動歯車装置の要
部を示す図6と同様の断面図である。
部を示す図6と同様の断面図である。
【図8】4個ワッシャを一対の太陽歯車間に配置したこ
の発明の実施例の要部を示す半断面図である。
の発明の実施例の要部を示す半断面図である。
【図9】3個のワッシャを一対の太陽歯車間に配置した
この発明の実施例の要部を示す半断面図である。
この発明の実施例の要部を示す半断面図である。
【図10】2個のワッシャを一対の太陽歯車間に配置し
たこの発明の実施例の要部を示す半断面図である。
たこの発明の実施例の要部を示す半断面図である。
【図11】2個のワッシャを一対の太陽歯車間に配置し
たこの発明の他の実施例の要部を示す半断面図である。
たこの発明の他の実施例の要部を示す半断面図である。
1 ハウジング 3c 溝(係止部) 4 太陽歯車 5 太陽歯車 8 遊星歯車 9 遊星歯車 10 ワッシャ 11 ワッシャ 12 ワッシャ 13 ワッシャ 14 ワッシャ 15a 溝(係止部) 16 ワッシャ 17 ワッシャ 18 ワッシャ 19 ワッシャ 23 ワッシャ 24 ワッシャ 25 ワッシャ 26 ワッシャ 27 ワッシャ 28 ワッシャ 29 ワッシャ 30 ワッシャ 31 ワッシャ 32 ワッシャ 33 ワッシャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西地 誠 ベルギー国 ラルビエ パークインダスト リエル ドゥ ストリッピーブラックニー ズ ルー ドゥ グラン ププリエ 11 ゼクセル トルセン エス.エー.内 (72)発明者 パオロ サケッティーニ ベルギー国 ラルビエ パークインダスト リエル ドゥ ストリッピーブラックニー ズ ルー ドゥ グラン ププリエ 11 ゼクセル トルセン エス.エー.内
Claims (2)
- 【請求項1】 一対の太陽歯車、および各太陽歯車とそ
れぞれ噛み合うとともに、互いに噛み合う少なくとも一
対の遊星歯車を有する差動歯車機構がハウジング内に設
けられ、上記差動歯車機構を構成する歯車のうちの一の
歯車とこれに対向する他の部材との間にワッシャが配置
され、このワッシャが上記一の歯車に発生する軸方向の
推力によって当該一の歯車と上記他の部材との間に挟持
されるトルク分配型差動歯車装置において、上記一の歯
車と上記他の部材との間に、一の歯車の推力によって互
いに押圧接触させられる2つ以上のワッシャを配置し、
この2つ以上のワッシャのうちの一部のワッシャを上記
一の歯車と一体に回転するように設け、残りのワッシャ
を上記ハウジングの内面に形成された係止部によって回
転が阻止されるように設け、上記一の歯車と一体に回転
するワッシャと上記ハウジングの係止部によって回転が
阻止されるワッシャとを、これらのワッシャ、上記一の
歯車および上記他の部材の間にすべり接触する一組の摩
擦接触面が二組以上形成されるように配置したことを特
徴とするトルク分配型差動歯車装置。 - 【請求項2】 上記係止部が上記ハウジングの内面に形
成された溝であることを特徴とする請求項1に記載のト
ルク分配型差動歯車装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7027401A JPH07332466A (ja) | 1994-04-06 | 1995-01-23 | トルク分配型差動歯車装置 |
US08/404,633 US5599250A (en) | 1994-04-06 | 1995-03-15 | Torque distribution type differential gear system |
DE19512807A DE19512807A1 (de) | 1994-04-06 | 1995-04-05 | Differentialgetriebesystem mit Drehmomentverteilung |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9069894 | 1994-04-06 | ||
JP6-90698 | 1994-04-06 | ||
JP7027401A JPH07332466A (ja) | 1994-04-06 | 1995-01-23 | トルク分配型差動歯車装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07332466A true JPH07332466A (ja) | 1995-12-22 |
Family
ID=26365316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7027401A Pending JPH07332466A (ja) | 1994-04-06 | 1995-01-23 | トルク分配型差動歯車装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5599250A (ja) |
JP (1) | JPH07332466A (ja) |
DE (1) | DE19512807A1 (ja) |
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CN111322372B (zh) * | 2018-11-29 | 2024-10-22 | 株式会社捷太格特 | 车辆差动装置 |
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1995
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- 1995-03-15 US US08/404,633 patent/US5599250A/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-04-05 DE DE19512807A patent/DE19512807A1/de not_active Ceased
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