JPH11293811A - 鉄骨ラーメン構造の制震装置 - Google Patents
鉄骨ラーメン構造の制震装置Info
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- JPH11293811A JPH11293811A JP9769698A JP9769698A JPH11293811A JP H11293811 A JPH11293811 A JP H11293811A JP 9769698 A JP9769698 A JP 9769698A JP 9769698 A JP9769698 A JP 9769698A JP H11293811 A JPH11293811 A JP H11293811A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鉄骨ラーメン構造の弱点である躯体の倒壊や
損傷に至らないような日常の交通震動や風荷重及び小地
震による揺れを、外壁材の面内剛性を有効に利用するこ
とで、パッシブ系の経済的な制震構造を実現する。 【解決手段】 外壁パネル(６)が躯体に対して回転でき
るよう取付けられたロッキング構造のカーテンウォール
において、比較的小さな揺れに対しては前記の回転を阻
止するようなバネ定数を備えた弾性体(22)を設ける。
損傷に至らないような日常の交通震動や風荷重及び小地
震による揺れを、外壁材の面内剛性を有効に利用するこ
とで、パッシブ系の経済的な制震構造を実現する。 【解決手段】 外壁パネル(６)が躯体に対して回転でき
るよう取付けられたロッキング構造のカーテンウォール
において、比較的小さな揺れに対しては前記の回転を阻
止するようなバネ定数を備えた弾性体(22)を設ける。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄骨ラーメン構
造の建築物に用いられる制震構造に関するものである。
造の建築物に用いられる制震構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】鉄骨ラーメン構造は、柔軟性に富んだ構
造であって、地震や交通による震動或いは強風による水
平力に対しては、ラーメン構造の躯体自身が揺れること
でそれらに伴う水平力を吸収し、倒壊を防止する。この
場合、躯体に取り付けられるコンクリート板などの外壁
パネルはそれ自体柔軟性を有していないから、一般的に
は、カーテンウォール構造とし、更に、躯体が揺れたと
きに各外壁パネルがそれに伴って回転するいわゆるロッ
キング機能を持たせることで、それら外壁パネルが揺れ
に抵抗することがないようにしている。
造であって、地震や交通による震動或いは強風による水
平力に対しては、ラーメン構造の躯体自身が揺れること
でそれらに伴う水平力を吸収し、倒壊を防止する。この
場合、躯体に取り付けられるコンクリート板などの外壁
パネルはそれ自体柔軟性を有していないから、一般的に
は、カーテンウォール構造とし、更に、躯体が揺れたと
きに各外壁パネルがそれに伴って回転するいわゆるロッ
キング機能を持たせることで、それら外壁パネルが揺れ
に抵抗することがないようにしている。
【０００３】しかしながら、上記のような構造において
は、躯体の倒壊或いは損傷に至らない比較的軽微な震動
に対しても躯体が揺れることになるから、相対的に鉄筋
コンクリート構造などに比較して、日常の交通震動や風
荷重及び小地震による揺れが大きく、このために中で生
活する者の不快感が大きいという欠点がある。
は、躯体の倒壊或いは損傷に至らない比較的軽微な震動
に対しても躯体が揺れることになるから、相対的に鉄筋
コンクリート構造などに比較して、日常の交通震動や風
荷重及び小地震による揺れが大きく、このために中で生
活する者の不快感が大きいという欠点がある。
【０００４】このような躯体の揺れを軽減する制震方法
としては、従来から、地震や交通震動が躯体に伝わらな
いように遮断する方法、躯体の基礎の部分に減衰ダンパ
ーを設ける方法、コンピュータ制御によって震動をアク
ティブに抑制する方法、等が考えられている。
としては、従来から、地震や交通震動が躯体に伝わらな
いように遮断する方法、躯体の基礎の部分に減衰ダンパ
ーを設ける方法、コンピュータ制御によって震動をアク
ティブに抑制する方法、等が考えられている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の制震方法は、何れも構造が複雑でまた大がかりなも
のとなり、コスト上の負担が大きく、小規模建築物には
適さないものであった。この発明は、このような従来の
制震構造と異なり、鉄骨ラーメン構造の弱点である躯体
の倒壊や損傷に至らないような日常の交通震動や風荷重
及び小地震による揺れを、外壁材の面内剛性を有効に利
用することで、パッシブ系の経済的な制震構造を実現す
るようにしたものである。
来の制震方法は、何れも構造が複雑でまた大がかりなも
のとなり、コスト上の負担が大きく、小規模建築物には
適さないものであった。この発明は、このような従来の
制震構造と異なり、鉄骨ラーメン構造の弱点である躯体
の倒壊や損傷に至らないような日常の交通震動や風荷重
及び小地震による揺れを、外壁材の面内剛性を有効に利
用することで、パッシブ系の経済的な制震構造を実現す
るようにしたものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明では、ラーメン構造の躯体に対して外壁パ
ネルが上下に移動可能な状態で取り付けられたカーテン
ウォールであって、それら外壁パネルと躯体側との間
に、水平力に伴う躯体の小さな揺れに対しては前記の外
壁パネルの回転を防止するが、それ以上の揺れに対して
は伸長するか又は収縮して外壁パネルの回転を許容する
弾性体を設けてあることを特徴とするものである。
め、この発明では、ラーメン構造の躯体に対して外壁パ
ネルが上下に移動可能な状態で取り付けられたカーテン
ウォールであって、それら外壁パネルと躯体側との間
に、水平力に伴う躯体の小さな揺れに対しては前記の外
壁パネルの回転を防止するが、それ以上の揺れに対して
は伸長するか又は収縮して外壁パネルの回転を許容する
弾性体を設けてあることを特徴とするものである。
【０００７】上記において、請求項２の発明では、前記
弾性体として、コイルバネその他のバネを用いるもので
ある。
弾性体として、コイルバネその他のバネを用いるもので
ある。
【０００８】同じく請求項３の発明では、前記弾性体と
して、伸縮可能なゴムを用いるものである。
して、伸縮可能なゴムを用いるものである。
【０００９】また、請求項４の発明では、上記におい
て、構造躯体の梁若しくはその梁へ取り付けた支持金具
より上方若しくは下方に突出する垂直部材が、外壁パネ
ル側の水平部材の穴へ挿入されて、この穴内での垂直部
材の相対的な上下動によって、前記外壁パネルの回転を
許容するようにしたものにおいて、その垂直部材の相対
的な移動を規制するようにして前記の弾性体を取り付け
てあるものが提供される。
て、構造躯体の梁若しくはその梁へ取り付けた支持金具
より上方若しくは下方に突出する垂直部材が、外壁パネ
ル側の水平部材の穴へ挿入されて、この穴内での垂直部
材の相対的な上下動によって、前記外壁パネルの回転を
許容するようにしたものにおいて、その垂直部材の相対
的な移動を規制するようにして前記の弾性体を取り付け
てあるものが提供される。
【００１０】その際、前記垂直部材は梁若しくは前記の
支持金具へ固定されており、この垂直部材に設けた水平
面と前記水平部材との間に弾性体を設けてあるものが提
供される。
支持金具へ固定されており、この垂直部材に設けた水平
面と前記水平部材との間に弾性体を設けてあるものが提
供される。
【００１１】他方、請求項６の発明においては、前記垂
直部材が、梁若しくは前記の支持金具より上方に突出し
ており、水平部材が外壁パネル下端にあって、その水平
部材の上面と前記の水平面との間に弾性体を設けたもの
が考えられる。
直部材が、梁若しくは前記の支持金具より上方に突出し
ており、水平部材が外壁パネル下端にあって、その水平
部材の上面と前記の水平面との間に弾性体を設けたもの
が考えられる。
【００１２】また、請求項７の発明においては、前記垂
直部材が梁若しくは前記の支持金具へ上下方向移動可能
に取り付けられており、外壁パネル側の水平部材とこの
梁若しくは支持金具との間に弾性体を設けてあることを
特徴とする。
直部材が梁若しくは前記の支持金具へ上下方向移動可能
に取り付けられており、外壁パネル側の水平部材とこの
梁若しくは支持金具との間に弾性体を設けてあることを
特徴とする。
【００１３】更に、この発明の別の構成では、請求項８
の発明のように、前記垂直部材は梁若しくは前記の支持
金具に対して上下移動可能であって、且つ、それら梁若
しくは支持金具より下向きに突出して、前記外壁パネル
の水平部材を吊り下げ支持しており、この水平部材と梁
若しくは支持金具との間に弾性体を設けるものである。
の発明のように、前記垂直部材は梁若しくは前記の支持
金具に対して上下移動可能であって、且つ、それら梁若
しくは支持金具より下向きに突出して、前記外壁パネル
の水平部材を吊り下げ支持しており、この水平部材と梁
若しくは支持金具との間に弾性体を設けるものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】図１において、(１)は、鉄骨ラー
メンを構成するＨ型鋼製の梁である。(２)は、板状の外
壁パネル支持プレートであって、支持プレート(２)の一
方の端部が、前記梁(１)の上部フランジ(３)上面に設置
されて、ボルト(４)によって固定されている。梁(１)よ
りも外方に突出する支持プレート(２)の先端には、一つ
のボルト穴(５)が形成してある。
メンを構成するＨ型鋼製の梁である。(２)は、板状の外
壁パネル支持プレートであって、支持プレート(２)の一
方の端部が、前記梁(１)の上部フランジ(３)上面に設置
されて、ボルト(４)によって固定されている。梁(１)よ
りも外方に突出する支持プレート(２)の先端には、一つ
のボルト穴(５)が形成してある。
【００１５】(６)(６)は、前記梁(１)の外側に取り付け
られる外壁パネルであって、軽量コンクリート板その他
のコンクリート板からなるものである。これらの外壁パ
ネル(６)(６)の裏面には、その上端部近傍位置におい
て、垂直片(７)と、その垂直片(７)の上端より突出する
水平片(８)とからなるＬ字型の上部取り付け金具(９)
が、その外壁パネル(６)の裏面に突出するボルト(10)と
ナット(11)とで、垂直片(７)部分において固定されてい
る。水平片(８)は、外壁パネル(６)裏面より更に裏面方
向に突出している。水平片(８)には、一つのボルト穴(1
2)が形成されている。
られる外壁パネルであって、軽量コンクリート板その他
のコンクリート板からなるものである。これらの外壁パ
ネル(６)(６)の裏面には、その上端部近傍位置におい
て、垂直片(７)と、その垂直片(７)の上端より突出する
水平片(８)とからなるＬ字型の上部取り付け金具(９)
が、その外壁パネル(６)の裏面に突出するボルト(10)と
ナット(11)とで、垂直片(７)部分において固定されてい
る。水平片(８)は、外壁パネル(６)裏面より更に裏面方
向に突出している。水平片(８)には、一つのボルト穴(1
2)が形成されている。
【００１６】他方、外壁パネル(６)の下端部分において
は、その裏面側に、垂直片(13)と、その垂直片(13)の下
端より突出する水平片(14)とからなるＬ字型の下部取り
付け金具(15)が、同じく外壁パネル(６)の下端近傍にお
いて、その裏面より突出したボルト(16)とナット(17)と
によって固定され、水平片(14)が裏面方向に突出してい
る。また、この水平片(14)に、一つの連結穴(18)が形成
されている。
は、その裏面側に、垂直片(13)と、その垂直片(13)の下
端より突出する水平片(14)とからなるＬ字型の下部取り
付け金具(15)が、同じく外壁パネル(６)の下端近傍にお
いて、その裏面より突出したボルト(16)とナット(17)と
によって固定され、水平片(14)が裏面方向に突出してい
る。また、この水平片(14)に、一つの連結穴(18)が形成
されている。
【００１７】(19)は、この発明の垂直部材としての支持
ボルトであって、その先端には、雄ネジを有しない棒状
のピン部(20)が形成してある。そして、この支持ボルト
(19)は、前記下部取り付け金具(９)におけるボルト穴(1
2)へ下側から挿入され、更にその先端が、支持プレート
(２)のボルト穴(５)へ挿入されるとともに、雄ネジ部に
螺合したナット(21)で、下方に落下しないように支持し
ている。この時、この発明の弾性体としてのコイルバネ
(22)が、支持プレート(２)の下面と、上部取り付け金具
(９)における水平片(８)の上面との間に介装されてい
る。
ボルトであって、その先端には、雄ネジを有しない棒状
のピン部(20)が形成してある。そして、この支持ボルト
(19)は、前記下部取り付け金具(９)におけるボルト穴(1
2)へ下側から挿入され、更にその先端が、支持プレート
(２)のボルト穴(５)へ挿入されるとともに、雄ネジ部に
螺合したナット(21)で、下方に落下しないように支持し
ている。この時、この発明の弾性体としてのコイルバネ
(22)が、支持プレート(２)の下面と、上部取り付け金具
(９)における水平片(８)の上面との間に介装されてい
る。
【００１８】更に、支持プレート(２)よりも上方に突出
する前記のピン部(20)の先端は、上方に設置された別の
外壁パネル(６)下端における下部取り付け金具(15)にお
いて、その水平片(14)の連結穴(18)へ挿入されている。
この水平片(14)は、このピン部(20)に沿って上下に移動
自在である。また支持ボルト(19)は、支持プレート(２)
のボルト穴(５)内を摺動して上下に移動自在であるが、
通常は、前記のバネ(22)が、上部取り付け金具(９)を下
側に押して上方に移動しないように保持している。
する前記のピン部(20)の先端は、上方に設置された別の
外壁パネル(６)下端における下部取り付け金具(15)にお
いて、その水平片(14)の連結穴(18)へ挿入されている。
この水平片(14)は、このピン部(20)に沿って上下に移動
自在である。また支持ボルト(19)は、支持プレート(２)
のボルト穴(５)内を摺動して上下に移動自在であるが、
通常は、前記のバネ(22)が、上部取り付け金具(９)を下
側に押して上方に移動しないように保持している。
【００１９】上記の構成に基づく作用を説明すると、ま
ず地震等の際に水平力が作用して、構造躯体すなわち梁
(１)が水平方向に移動しようとすると、図２の模式図で
示すように、外壁パネル(６)は、左右方向の片側すなわ
ち図の左側が持ち上がって、図の矢印方向に回転するよ
うな回転力が作用する。この回転力は、図１において、
前記上部取り付け金具(９)の水平片(８)が、バネ(22)を
圧縮して上方に持ち上がろうとする力となって現れる。
ず地震等の際に水平力が作用して、構造躯体すなわち梁
(１)が水平方向に移動しようとすると、図２の模式図で
示すように、外壁パネル(６)は、左右方向の片側すなわ
ち図の左側が持ち上がって、図の矢印方向に回転するよ
うな回転力が作用する。この回転力は、図１において、
前記上部取り付け金具(９)の水平片(８)が、バネ(22)を
圧縮して上方に持ち上がろうとする力となって現れる。
【００２０】このとき、バネ(22)が、通常の日常の振動
の程度では圧縮されることのない充分強いものであれ
ば、外壁パネル(６)はそのような回転すなわちロッキン
グ動作を行うことなく、前記水平方向の揺れに対する抵
抗体となる。そして、この外壁パネル(６)の面内剛性
で、かかる日常の震動に伴う構造躯体の揺れを防止する
ものである。
の程度では圧縮されることのない充分強いものであれ
ば、外壁パネル(６)はそのような回転すなわちロッキン
グ動作を行うことなく、前記水平方向の揺れに対する抵
抗体となる。そして、この外壁パネル(６)の面内剛性
で、かかる日常の震動に伴う構造躯体の揺れを防止する
ものである。
【００２１】他方、日常震動を越えた大地震などの大き
な水平力が作用すると、上記バネ(22)は、そのような大
きな水平力に対しては圧縮されるようなバネ定数とされ
ている。このため、前記の回転力によって、上部取り付
け金具(９)の水平片(８)が、支持プレート(２)との間で
バネ(22)を圧縮して持ち上がり、これに伴って、梁(１)
の横方向の移動に対してこの外壁パネル(６)が追従して
回転するいわゆるロッキング作用が起こることとなっ
て、構造躯体の揺れを許容し、その躯体の倒壊や各部の
破損などを防止するものである。
な水平力が作用すると、上記バネ(22)は、そのような大
きな水平力に対しては圧縮されるようなバネ定数とされ
ている。このため、前記の回転力によって、上部取り付
け金具(９)の水平片(８)が、支持プレート(２)との間で
バネ(22)を圧縮して持ち上がり、これに伴って、梁(１)
の横方向の移動に対してこの外壁パネル(６)が追従して
回転するいわゆるロッキング作用が起こることとなっ
て、構造躯体の揺れを許容し、その躯体の倒壊や各部の
破損などを防止するものである。
【００２２】このように、バネ(22)等の弾性体のバネ定
数を適切に設定することによって、日常の交通震動や小
地震あるいは強風など、躯体の倒壊や破損に至らないよ
うな小さな震動に対しては、建物全体を一つの剛体とし
て、生活者にとって不快な揺れを防止し、他方、建物の
倒壊や破壊を生ずる大地震のような場合には、前記のよ
うに一般的なロッキング作用を行わしめることによっ
て、建物に致命的な損壊が発生するのを防止するもので
ある。
数を適切に設定することによって、日常の交通震動や小
地震あるいは強風など、躯体の倒壊や破損に至らないよ
うな小さな震動に対しては、建物全体を一つの剛体とし
て、生活者にとって不快な揺れを防止し、他方、建物の
倒壊や破壊を生ずる大地震のような場合には、前記のよ
うに一般的なロッキング作用を行わしめることによっ
て、建物に致命的な損壊が発生するのを防止するもので
ある。
【００２３】上記においては、この発明の弾性体として
コイルバネ(22)を用いているが、このようなものに限ら
ず、板バネ、あるいは伸縮するゴム体を用いてもよいも
のである。
コイルバネ(22)を用いているが、このようなものに限ら
ず、板バネ、あるいは伸縮するゴム体を用いてもよいも
のである。
【００２４】図３及び図４は、この発明の別の実施形態
を示している。この実施形態においては、前記と同じく
梁(１)へ固定された支持プレート(２)には、前記のボル
ト穴(５)に代えてネジ孔(31)を形成し、このネジ孔(31)
へ前記の支持ボルト(19)をねじ込むことによって、この
支持ボルト(19)が相対的に上下に移動しないよう保持し
ている。
を示している。この実施形態においては、前記と同じく
梁(１)へ固定された支持プレート(２)には、前記のボル
ト穴(５)に代えてネジ孔(31)を形成し、このネジ孔(31)
へ前記の支持ボルト(19)をねじ込むことによって、この
支持ボルト(19)が相対的に上下に移動しないよう保持し
ている。
【００２５】また、図の２点鎖線で示したナット(30)
は、ネジ孔(31)をネジを有しない通常のボルト穴に変更
する場合であって、支持プレート(2)の下側のこのナッ
ト(30)と同じく上部側のナット(21)とで、支持ボルト(1
9)の上下方向の移動を防止する。
は、ネジ孔(31)をネジを有しない通常のボルト穴に変更
する場合であって、支持プレート(2)の下側のこのナッ
ト(30)と同じく上部側のナット(21)とで、支持ボルト(1
9)の上下方向の移動を防止する。
【００２６】そして、ピン部(20)に代えてこの支持ボル
ト(19)の雄ネジ部分を延長して、下部取り付け金具(15)
における連結穴(18)へ下側から挿入するとともに、この
雄ネジ部に取り付けたナット(32)の下側の座金(33)と、
前記水平片(14)との間に、前記と同様の機能を有するコ
イルバネ(22)を設けている。
ト(19)の雄ネジ部分を延長して、下部取り付け金具(15)
における連結穴(18)へ下側から挿入するとともに、この
雄ネジ部に取り付けたナット(32)の下側の座金(33)と、
前記水平片(14)との間に、前記と同様の機能を有するコ
イルバネ(22)を設けている。
【００２７】この実施形態においては、図４で示すよう
に、支持ボルト(19)は支持プレート(２)に対して上下方
向に移動できないが、代わりに、上部取り付け金具(９)
の水平片(８)が、支持ボルト(19)に対して上方に移動す
ることで、前記のロッキングを行うことができるように
している。
に、支持ボルト(19)は支持プレート(２)に対して上下方
向に移動できないが、代わりに、上部取り付け金具(９)
の水平片(８)が、支持ボルト(19)に対して上方に移動す
ることで、前記のロッキングを行うことができるように
している。
【００２８】そして、このような上方への移動に対し
て、下部取り付け金具(15)の水平片(14)は、バネ(22)に
よって下向きに押されているので、前記と同様に、その
バネ定数を適切に設定することによって、日常の振動程
度ではほとんど圧縮されず、他方、建物が倒壊しあるい
は破損するような水平力の場合には圧縮されて、前記と
同様のロッキングを許容させるようにしている。
て、下部取り付け金具(15)の水平片(14)は、バネ(22)に
よって下向きに押されているので、前記と同様に、その
バネ定数を適切に設定することによって、日常の振動程
度ではほとんど圧縮されず、他方、建物が倒壊しあるい
は破損するような水平力の場合には圧縮されて、前記と
同様のロッキングを許容させるようにしている。
【００２９】なお、この場合、水平片(14)と支持プレー
ト(２)との間に引張りバネを設けて同様に機能させるこ
ともできる。
ト(２)との間に引張りバネを設けて同様に機能させるこ
ともできる。
【００３０】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、水平
力に伴う揺れに追従して外壁パネルが回転するロッキン
グ機能を備えたものにおいて、その回転方向に対する抵
抗となるバネを設けて、日常の交通震動や風あるいは小
地震などの、建物の倒壊や破損に至らないような小さな
震動の場合には、外壁材自身の面内剛性を利用した復元
力を持たせることで、鉄骨ラーメン構造の弱点であった
生活者にとって不快な揺れを低減できたものであり、一
方、建物全体が倒壊し或いは一部が破壊されるような大
地震などの場合には、前記のバネが圧縮若しくは伸張す
ることによって、従来と同様のロッキングを許容するか
ら、そのような建物の破壊や倒壊等を防止することがで
きるものである。
力に伴う揺れに追従して外壁パネルが回転するロッキン
グ機能を備えたものにおいて、その回転方向に対する抵
抗となるバネを設けて、日常の交通震動や風あるいは小
地震などの、建物の倒壊や破損に至らないような小さな
震動の場合には、外壁材自身の面内剛性を利用した復元
力を持たせることで、鉄骨ラーメン構造の弱点であった
生活者にとって不快な揺れを低減できたものであり、一
方、建物全体が倒壊し或いは一部が破壊されるような大
地震などの場合には、前記のバネが圧縮若しくは伸張す
ることによって、従来と同様のロッキングを許容するか
ら、そのような建物の破壊や倒壊等を防止することがで
きるものである。
【００３１】特に、この発明では、弾性体を外壁パネル
の取付け部分に介在させるのみでよいから、しかもこの
弾性体は元々あるロッキングのための回転隙間に配置す
れば良いから、従来の制震装置に比較してはるかに低コ
ストで実現できる。
の取付け部分に介在させるのみでよいから、しかもこの
弾性体は元々あるロッキングのための回転隙間に配置す
れば良いから、従来の制震装置に比較してはるかに低コ
ストで実現できる。
【図１】この発明の実施形態において、外壁パネルと梁
との連結部分の縦断面図である。
との連結部分の縦断面図である。
【図２】外壁パネルのロッキング時の動作を説明するた
めの模式図である。
めの模式図である。
【図３】この発明の別の実施形態を示す外壁パネル取り
付け部の縦断面図である。
付け部の縦断面図である。
【図４】図３の実施形態におけるロッキング時の動作説
明のための模式図である。
明のための模式図である。
(１) 梁 (２) 支持プレート (５) ボルト穴 (６) 外壁パネル (９) 上部取り付け金具 (15) 下部取り付け金具 (19) 支持ボルト (22) バネ
Claims (8)
- 【請求項１】 ラーメン構造の躯体に対して外壁パネル
が回転可能な状態で取り付けられたカーテンウォールで
あって、それら外壁パネルと躯体側との間に、水平力に
伴う躯体の小さな揺れに対しては前記の外壁パネルの回
転を防止するが、それ以上の揺れに対しては伸長するか
又は収縮して外壁パネルの回転を許容する弾性体を設け
てあることを特徴とする鉄骨ラーメン構造の制震装置。 - 【請求項２】 前記弾性体がコイルバネその他のバネで
ある請求項１記載の鉄骨ラーメン構造の制震装置。 - 【請求項３】 前記弾性体が伸縮可能なゴムである請求
項１記載の鉄骨ラーメン構造の制震装置。 - 【請求項４】 構造躯体の梁若しくはその梁へ取り付け
た支持金具より上方若しくは下方に突出する垂直部材
が、外壁パネル側の水平部材の穴へ挿入されて、この穴
内での垂直部材の相対的な上下動によって、前記外壁パ
ネルの回転を許容するようにしたものにおいて、その垂
直部材の相対的な移動を規制するようにして前記の弾性
体を取り付けてある請求項１から３のいずれかに記載し
た鉄骨ラーメン構造の制震装置。 - 【請求項５】 前記垂直部材は梁若しくは前記の支持金
具へ固定されており、この垂直部材に設けた水平面と前
記水平部材との間に弾性体を設けてある請求項４記載の
鉄骨ラーメン構造の制震構造。 - 【請求項６】 前記垂直部材が、梁若しくは前記の支持
金具より上方に突出しており、水平部材が外壁パネル下
端にあって、その水平部材の上面と前記の水平面との間
に弾性体を設けた請求項５記載の鉄骨ラーメン構造の制
震構造。 - 【請求項７】 前記垂直部材が梁若しくは前記の支持金
具へ上下方向移動可能に取り付けられており、外壁パネ
ル側の水平部材とこの梁若しくは支持金具との間に弾性
体を設けてある請求項４記載の鉄骨ラーメン構造の制震
構造。 - 【請求項８】 前記垂直部材は梁若しくは前記の支持金
具に対して上下移動可能であって、且つ、それら梁若し
くは支持金具より下向きに突出して、前記外壁パネルの
水平部材を吊り下げ支持しており、この水平部材と梁若
しくは支持金具との間に弾性体を設けた請求項７記載の
鉄骨ラーメン構造の制震構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9769698A JPH11293811A (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 鉄骨ラーメン構造の制震装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9769698A JPH11293811A (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 鉄骨ラーメン構造の制震装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11293811A true JPH11293811A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14199112
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9769698A Pending JPH11293811A (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 鉄骨ラーメン構造の制震装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11293811A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1998
- 1998-04-09 JP JP9769698A patent/JPH11293811A/ja active Pending
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