JPH0335807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、建築物や橋梁などの構造体を基礎床
に免震的に設置する構造体の免震支持装置に関す
る。

従来の技術 従来かかる構造体の免震支持装置は、一般に、
第２図に示すように、基礎床ａ上に、滑り板ｂ、
弾性体ｃなどを介在させて構造体ｄを支承し、地
震が生じ基礎床ａに地震加重が加わつた時、滑り
板ｂの滑りあるいは弾性体ｃの変形により構造体
ｄにかかる地加重を吸収するようにしている。

しかしながら、前述の如き構造体の免震支持装
置によれば、構造体ｄにかかる縦方向の地震加重
に対しては滑り板ｂ、弾性体ｃにより充分緩衝吸
収機能を発揮するけれども、構造体ｄの横移動を
避け得ないものであり、横移動が大きくなると構
造体ｄの破損、倒壊等が生じる問題点がある。

かかる問題点を解消するために実公昭55−3202
号公報に示された如きものが提案されている。す
なわち、第３図に示すように、基礎床ａに植設さ
れた支柱ｅと構造ｄに設けられた支承孔ｆとの間
に、緩衝体ｇを介在させ、該緩衝体ｇにより構造
体ｄの横移動を緩衝制止するようにしたものがあ
る。

考案が解決しようとする問題点 前記実公昭55−3202号公報に示された構造体の
免震支持装置においては、前記緩衝体ｇが単一の
材料より成るから、その材料を軟質材で形成すれ
ば、微震、軽震等に対しては緩衝機能を有するけ
れども、強震、烈震等に対しては何ら緩衝の役目
を果たさず、亦逆に、緩衝体ｇを硬質材で形成す
れば、強震、烈震等に対しては緩衝機能を有する
けれども、微震、軽震等に対しては何ら緩衝の役
目を果たさないものであつて、このように前記緩
衝体ｇが緩衝機能を発揮しない場合は、前記滑り
板ｂ、弾性体ｃによる緩衝機能を損ずる欠点があ
つた。

問題点を解決するための手段 本考案は、前述の欠点を解消するために鋭意研
究の結果案出されたものであつて、基礎床ａ上
に、滑り板ｂ、弾性体ｃを介在させて構造体ｄを
支承する構造体の免震支持装置において、前記基
礎床ａに植設された支柱ｅと前記構造体ｄに設け
られた支承孔ｆとの間に、軟質弾性材２、半硬質
弾性材３及び硬質弾性材４を積層した弾性体１を
介装したものである。

実施例 第１図に示すように、基礎床ａ上に、滑り板
ｂ、弾性体ｃを介して構造体ｄを支承する。そし
て、基礎床ａ上に植設された支柱ｅの上部と、構
造体ｄに設けられた支承孔ｆとの間に、軟質、例
えばシヨアー（ゴム）硬さ10〜40のゴム材より成
る軟質弾性材２、半硬質、例えばシヨアー（ゴ
ム）硬さ45〜60のゴム材より成る半硬質弾性材３
及び硬質、例えばシヨアー（ゴム）硬さ90以上の
ゴム材より成る硬質弾性材４を積層した弾性体１
を介在させたものである。

かくすることにより、微震、軽震等に対しては
軟質弾性材２が、弱震、中震等に対しては半硬質
弾性材３が、強震、激震等に対しては硬質弾性材
４がそれぞれ緩衝機能を発揮するものである。

効 果 本考案は、前述のように、基礎床ａに植設され
た支柱ｅと構造体ｄに設けられた支承孔ｆとの間
に、軟質弾性材２、半硬質弾性材３及び硬質弾性
材４を積層した弾性体１を介装したから、各弾性
材２，３，４がそれぞれ微震、軽震、弱震、中
震、強震、激震等に対応して緩衝機能を発揮する
ものであつて、滑り板ｂ、弾性体ｃの存在と相俟
つて極めて有効な免震効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す部分断面図、第
２図及び第３図は従来例を示す説明図である。 １は弾性体、２は軟質弾性材、３は半硬質弾性
材、４は硬質弾性材、ａは基礎床、ｂは滑り板、
ｃは弾性体、ｄは構造体、ｅは支柱、ｆは支承
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基礎床ａ上に、滑り板ｂ、弾性体ｃを介在させ
   て構造体ｄを支承する構造体の免震支持装置にお
   いて、前記基礎床ａに植設された支柱ｅと前記構
   造体ｄに設けられた支承孔ｆとの間に、軟質弾性
   材２、半硬質弾性材３及び硬質弾性材４を積層し
   た弾性体１を介装したことを特徴とする構造体の
   免震支持装置。