JP3215903B2 - 吊り免震構造 - Google Patents

吊り免震構造

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JP3215903B2 JP18834093A JP18834093A JP3215903B2 JP 3215903 B2 JP3215903 B2 JP 3215903B2 JP 18834093 A JP18834093 A JP 18834093A JP 18834093 A JP18834093 A JP 18834093A JP 3215903 B2 JP3215903 B2 JP 3215903B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、本体架構に被支持構
造物が吊り支持された吊り構造において、地震等によっ
て本体架構に入る地震力が被支持構造物に伝達されない
ように減衰させる吊り免震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吊り構造の免震装置としては、柔
構造の考え方を利用したものが例えば特開昭54−84
330号及び特開平1−247667号公報に開示され
ている。一般的に、吊り構造は、本体架構に対して床版
等の構造物の一部を吊り、前記本体架構との間に地震力
の減衰機構(免震装置)を設けた構成であり、地震力又
は風力による床及び本体架構の揺れを小さく抑制する利
点がある。
【0003】それを具体的に説明すると、前記特開昭5
4−84330号公報に開示された吊り構造は、門形又
はT字形などの剛体における支持用架構の横杆から吊り
材を吊り下げ、吊り材の下端に被支持架構を吊り下げ、
前記支持用架構と被支持架構との間にバッファー等を設
けた構成である。また、前記特開平1−247667号
公報に開示された吊り構造は、柱及び梁からなる建物主
架構の内部空間に床版又は梁床から成る小架構群を主架
構の梁からサスペンション材を介して懸吊支持し、前記
小架構の床等と主架構との間に振動の減衰装置を介装し
た構成である。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】吊り構造において、
免震効果は、吊り機構(上記の吊り材又はサスペンショ
ン材)の周期によって異なり、建物が揺れる周期を長く
することで建物に入る地震力等を低減できる。本体架構
の周期によっては、大きな免震効果を得るために吊り周
期を非常に長くする必要がある。このため上記の従来技
術では吊り長さが長くなりすぎて実施が困難であり、省
スペース効果も妨げられている。また、従来技術は、被
支持構造物が本体架搆と直接連結されているために、主
体架構からの固体音の伝播を有効的に低減できなかっ
た。
【0005】従って、本発明の目的は、吊り構造を採用
する際に、吊り構造の周期を変えずに吊り長さを抑えて
省スペース効果を可能にし、また本体架構からの固体音
の伝播を低減できる吊り免震構造を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、本発明に係る吊り免震構造は、本体架
構1から吊り材4を吊り下げ、前記吊り材4によって被
支持構造物7が吊り支持される吊り免震構造において、
本体架構の上に積層ゴムが設置され、前記吊り材4の上
端は前記積層ゴム5の上面に回転自在なピン構造で支持
され、下端は被支持構造物7の最上位の梁部分と回転自
在なピン構造で連結され、前記吊り材4で吊り支持され
た被支持構造物7は水平方向の振動を吸収するダンパー
8を介して本体架構1と連結されていることを特徴とす
る。
【0007】
【0008】
【作用】地震力等が本体架構1に入り振動しても、被支
持構造物7は吊り材4及び積層ゴム5から成る免震装置
で長周期化されているため、揺れが小さくなる。また、
ダンパー8によって振動エネルギーが吸収されるので、
本体架搆1の揺れも同時に小さくなる。積層ゴム5は水
平方向の揺れ(振動)だけでなく、固体音の伝播も低減
する。積層ゴム5の周期が加えられる結果、吊り機構の
周期を変えることなく吊り材4の長さを短くでき、その
分だけ省スペース効果も得られる。
【0009】前記の作用効果を具体的に説明すると、吊
りロッド4の長さLと吊り機構の周期Tとの関係を見る
と、重力加速度をgとすれば、数1となる。 [数1] T=2π(L/g)1/2 また、周期Trの積層ゴム5を用いると、全体の周期T
tは数2となる。
【0010】[数2] Tt2 =T2 +Tr2 いま、同じ周期Toに設定すると、積層ゴムなしの場合
は、吊りロッドの周期をT2 ,長さをL2 とすると、T
2 =Toで、数3となる。
【0011】[数3] T=2π(L /g)1/2 積層ゴムありの場合は、吊りロッドの周期をT,長さ
をLとすると、数4となる。 [数4] To=T +Tr,T=2π(L/g)1/2 数3と数4より、数5となり、L−Lの長さの差が
求められる。
【0012】 [数5] T2 2=T1 2+Tr2 ,4π2 (L2 /g)=4π2 (L1 /g)+Tr2 ∴ L2 −L1 =(Tr2 ・g)/(2π)2
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の吊り免震構造の立面図である。
本体架構1は大型の柱2と梁3とでいわゆるスーパーフ
レームに構成され、梁3から吊りロッド4が吊り下げら
れている。前記吊りロッド4は複数層の被支持構造物7
を本体架構1内に吊り下げ状態に支持している。吊りロ
ッド4の上端は、図2に示したように、梁3の上に設置
した積層ゴム5の上面に球形構造6で回転自在なピン状
態に支持されている。前記積層ゴム5は、図2のように
薄い鉄板とゴムシートを何層も重ねて貼り合わせたもの
であり、大きな鉛直荷重を支えるとともに、水平方向に
は柔らかい変形性を発揮する特長がある。吊りロッド4
の下端は被支持構造物7の最上位の梁部分7aとピン状
態で回転自在に連結されている。図1の実施例の場合、
被支持構造物7は6層になっており、各階の梁(床)7
aは吊り柱7cで支持されている。また、各階の梁7a
はダンパー8を介して本体架構1の柱2と連結されてい
る。ダンパー8は油等の液体をシリンダに封入した直動
形であり、シリンダ内のピストンのオリフィスを流れる
際のピストン両面の圧力差による抵抗によって減衰力が
発揮される。
【0014】なお、上記実施例では1個の積層ゴム5で
1本の吊りロッド4を支持しているが、図3のように複
数個の積層ゴム5で1本の吊りロッド4を支持する構成
も実施できる。図3に示したものは、4個の積層ゴム5
が吊りロッド支持板9と梁3とで挟持され、梁3の孔を
貫通した吊りロッド4が吊りロッド支持板9の上面にお
いてピン構造6で回転自在に支持されている。
【0015】次に、上述した吊り構造における免震装置
の動作について説明する。地震力等によって本体架構1
が揺れた場合、図2の点線で示したように、積層ゴム5
の変形と吊りロッド4の回転によって、本体架搆1の梁
3の揺れとは逆方向に被支持構造物7が揺れる。そし
て、水平方向の揺れはダンパー8によって吸収され、十
分な免震作用が奏される。
【0016】ちなみに、上記の数5に積層ゴムの周期T
r=2秒を代入すると、L −L =99cmとなり、
「積層ゴムあり」の吊りロッドは約1m短くなる。従っ
て、吊り機構の周期を変えずに吊り材の長さを短くでき
省スペース効果を達成できる。他方、本体架構1からの
固体音の伝播も、積層ゴム5によって低減されて十分な
防音効果が達成される。
【0017】
【本発明が奏する効果】本発明に係る吊り免震構造によ
れば、積層ゴム5を吊り材4と本体架構1との間に配設
したので、吊り機構の周期を変えずに吊り材の長さを抑
えられ、省スペース効果が得られる。また、本体架構1
からの固体音の伝播を効果的に低減して防音効果も十分
に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吊り免震構造の立面図である。
【図2】積層ゴムと吊りロッドとの支持状態を示した拡
大図である。
【図3】複数の積層ゴムを用いた場合の吊りロッドとの
支持状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 本体架構 2 柱 3 梁 4 吊りロッド 5 積層ゴム 6 球形構造 7 被支持構造物 8 ダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 9/02 E04B 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体架構から吊り材を吊り下げ、前記吊り
    材によって被支持構造物が吊り支持される吊り免震構造
    において、本体架構の上に積層ゴムが設置され、前記吊り材の上端
    は前記積層ゴムの上面に回転自在なピン構造で支持さ
    れ、下端は被支持構造物の最上位の梁部分と回転自在な
    ピン構造で連結され、前記吊り材で吊り支持された被支
    持構造物は水平方向の振動を吸収するダンパーを介して
    本体架構と連結されて いることを特徴とする、吊り免震
    構造。
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