JPH11292537A - TiO2 透明ゾルの製造方法 - Google Patents

TiO2 透明ゾルの製造方法

Info

Publication number
JPH11292537A
JPH11292537A JP10116224A JP11622498A JPH11292537A JP H11292537 A JPH11292537 A JP H11292537A JP 10116224 A JP10116224 A JP 10116224A JP 11622498 A JP11622498 A JP 11622498A JP H11292537 A JPH11292537 A JP H11292537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tio
sol
compound
transparent
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10116224A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumi Okabe
部 参 省 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP10116224A priority Critical patent/JPH11292537A/ja
Publication of JPH11292537A publication Critical patent/JPH11292537A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 下地の基板が着色しているとき、その下地の
色を反映させた使用が可能なTiO2 透明ゾルの製造方
法を提供する。 【解決手段】 有機アンモニウム化合物/有機チタン化
合物のモル比が0.25〜0.45の範囲で有機チタン
化合物と有機アンモニウム化合物を水の存在下で反応さ
せて有機チタン化合物を加水分解した後、80〜100
℃の温度で加熱処理してTiO2 透明ゾルを製造する。
また、有機アンモニウム化合物/有機チタン化合物のモ
ル比が0.46〜1.00の範囲で有機チタン化合物と
有機アンモニウム化合物を水の存在下で反応させて有機
チタン化合物を加水分解してTiO2 透明ゾルを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はTiO2 透明ゾル
の製造方法に関し、特にたとえば、光触媒、光合成など
の光化学反応を効率よく生じさせるための光化学反応用
のTiO2 透明ゾルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】代表的な光触媒用のTiO2 ゾルの製造
方法としては、次の方法が挙げられる。 (1)Ti4+をOH- と反応させて得られるTi(O
H)4 を500〜800℃で焙焼して、TiO2 の微細
な粉体を得る。あるいは、Ti4+およびAl3+の混合溶
液をOH- と反応させて得られるTi(OH)4 および
Al(OH)3 の混合沈澱を500〜800℃で焙焼し
て、Al2 3 をドープしたTiO2 の微細な粉体を得
る。そして、得られたTiO2 の微細な粉体をHN
3 、HCl、CH3 COOHなどでpHを3程度にし
た水溶液に強制的に分散させて調製を行い、TiO2
ルを得る。 (2)上述の(1)の方法と同様にして得られたTiO
2 の微細な粉体をNH4 OH、NaOHなどでpHを9
程度にした水溶液に強制的に分散させて調製を行い、T
iO2 ゾルを得る。 (3)上述の(1)の方法と同様にして得られたTiO
2 の微細な粉体を高分子系分散剤を用いて強制的に溶液
中に分散させて、TiO2 ゾルを得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の技術で得
られるTiO2 ゾルの色は乳白色で不透明なものであ
る。乳白色で不透明であるということは、分散している
TiO2 粒子は光の波長よりも大きくなっていて入射光
線を遮るためである。すなわち、従来の方法では、赤色
の波長である700nmよりも大きな粒子径までにしか
分散されていないことを示している。したがって、これ
らの方法で得られるTiO2 ゾルを下地が着色された基
板に塗布した場合、下地の色を隠してしまい不都合が生
じてしまう。よって、光触媒用のTiO2 ゾルを塗布す
る基板の下地が着色物である場合においては、従来の方
法で得られたTiO2 ゾルは使用不可能であるという致
命的な問題点が起こっている。すなわち、基板の下地が
着色物であっても使用可能な光触媒用のTiO2 ゾルと
しては、完全に無色透明であることが必要である。しか
しながら、従来の方法では分散されたTiO2 粉体の粒
子径は700nmが限度であるので、完全に無色透明な
TiO2 ゾルを調製することが不可能であることを示し
ている。さらに、従来の方法においてAl2 3 をドー
プしたTiO2 の微細な粉体を用いる方法では、アルミ
ニウム化合物が均一かつ充分にTiO2 結晶のチタン席
に置換固溶せず、添加効果が示現しない問題点がある。
【0004】それゆえに、この発明の主たる目的は、下
地の基板が着色しているとき、その下地の色を反映させ
た使用が可能なTiO2 透明ゾルの製造方法を提供する
ことである。この発明の他の目的は、下地の基板が着色
しているとき、その下地の色を反映させた使用が可能
で、かつ、アルミニウム化合物が均一かつ充分にTiO
2 結晶のチタン席に置換固溶したTiO2 透明ゾルの製
造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるTiO
2 透明ゾルの製造方法は、有機アンモニウム化合物/有
機チタン化合物のモル比が0.25〜0.45の範囲で
有機チタン化合物と有機アンモニウム化合物を水の存在
下で反応させて有機チタン化合物を加水分解した後、8
0〜100℃の温度で加熱処理してTiO2 透明ゾルを
製造する、TiO2 透明ゾルの製造方法である。また、
この発明にかかるTiO2 透明ゾルの製造方法は、有機
アンモニウム化合物/有機チタン化合物のモル比が0.
46〜1.00の範囲で有機チタン化合物と有機アンモ
ニウム化合物を水の存在下で反応させて有機チタン化合
物を加水分解してTiO2 透明ゾルを製造する、TiO
2 透明ゾルの製造方法である。さらに、この発明にかか
るTiO2 透明ゾルの製造方法は、水溶性の無機チタン
化合物と塩基性化合物を水の存在下で反応させてTi
(OH)4 を生成した後、有機アンモニウム化合物/T
i(OH)4 のモル比が0.50〜1.00の範囲で有
機アンモニウム化合物を加えて80〜100℃の温度で
加熱処理してTiO2 透明ゾルを製造する、TiO2
明ゾルの製造方法である。この場合、塩基性化合物とし
て、たとえば、NaOH、LiOH、NH4 OHまたは
KOHが用いられる。また、この発明にかかるTiO2
透明ゾルの製造方法では、たとえば、光化学反応用のT
iO2 透明ゾルを製造する。さらに、この発明にかかる
TiO2 透明ゾルの製造方法では、たとえば、有機チタ
ン化合物として、(−Ti−O−Al−O−Ti−)の
化学結合を有する複合アルコキシドが用いられ、アルミ
ニウムをTiO2 結晶のチタン席に置換型固溶させたT
iO2 透明ゾルであって、アルミニウムのチタン席を占
める席占有率が0.01%〜0.5%である光化学反応
用のTiO2 透明ゾルを製造する。
【0006】超微細なTiO2 結晶子を得るためには、
重縮合反応を経ることなく加水分解反応のみを非常に速
くかつ完全に進行させる必要がある。重縮合反応を経る
ことなく、この加水分解反応を非常に速くかつ完全に進
行させるには、触媒が必要となってくる。この触媒の働
きをするのが有機アンモニウム化合物である。生成した
TiO2 が微細であればあるほど凝集を起こす性質が強
く現れ、この凝集を防ぐために分散剤というものが必要
となってくるが、有機アンモニウム化合物がR4 +
形で解離してカチオンタイプの分散剤の働きをも示して
凝集を防ぎ透明なTiO2 ゾルを生成させることにな
る。加水分解反応触媒には、この発明に用いられる有機
アンモニウム化合物ばかりでなく、酸類も往々として用
いられる。しかしながら、加水分解反応触媒に酸類を用
いるとゾル溶液のpHが低くなって、塗布する基板の下
地が侵されるなどの不都合なことが起こる場合がある。
また、酸類を用いた加水分解反応は、重縮合反応を伴う
ため反応が進行すると共にゾルの粘度が非常に高くなっ
て行き、時間経過と共にゲルに進展して行きポットライ
フないし可使時間が非常に短いという欠点を有してい
る。それに対して、この発明のように有機アンモニウム
化合物を加水分解反応触媒として用いた場合は、重縮合
反応が殆ど起こらず加水分解反応が優先的に起こるの
で、ゾル粘度の上昇が起こらず低粘度のまま存在しポッ
トライフないし可使時間が非常に長いのが特徴である。
したがって、加水分解反応触媒としては酸類は不適当で
あることは明白である。
【0007】有機アンモニウム化合物/有機チタン化合
物のモル比が0.25〜0.45では、有機チタン化合
物を加水分解した直後の色は、半透明(有機アンモニウ
ム化合物/有機チタン化合物のモル比が0.45の場
合)〜乳白色(有機アンモニウム化合物/有機チタン化
合物のモル比が0.25の場合)である。これは、加水
分解反応触媒量が室温において加水分解反応を迅速かつ
完全に進行させるための量よりも不足していることによ
るものである。そのため、この場合は、反応を促進させ
るために加熱処理(80〜100℃)を行うことによ
り、反応を完結させ、完全に透明な光触媒用のTiO2
ゾルを得るようにしている。有機アンモニウム化合物/
有機チタン化合物のモル比が0.25の場合は、完全に
透明な光触媒用のTiO2 ゾルを得るための加熱処理時
間が4.5時間必要であるのに対して、有機アンモニウ
ム化合物/有機チタン化合物のモル比が0.45の場合
は、完全に透明な光触媒用のTiO2 ゾルを得るための
加熱処理時間は20分であった。この結果から見て判る
ように、加水分解反応触媒量が非常に重要であることが
明らかである。有機アンモニウム化合物/有機チタン化
合物のモル比が0.25未満になると加熱処理時間を長
くしても完全に透明な光触媒用のTiO2 ゾルを得るこ
とが不可能で、半透明な光触媒用のTiO2 ゾルしか得
られなかった。一方、有機アンモニウム化合物/有機チ
タン化合物のモル比が0.46以上になると、加水分解
反応を室温でも完全に進行するに足るため完全に透明な
光触媒用のTiO2 ゾルを得ることが可能となってい
る。以上の結果から考えて、加水分解反応触媒の必要な
量は、加熱処理を行って完全に透明な光触媒用のTiO
2 ゾルを得ることが可能な場合も含めて、有機アンモニ
ウム化合物/有機チタン化合物のモル比で0.25以上
あれば、完全に透明な光触媒用のTiO2 ゾルを得るこ
とが可能であることが明白である。
【0008】Ti(OH)4 →TiO2 +2H2 Oの加
水分解反応は、単に加水分解反応触媒を添加しただけで
は室温条件で起こらず、80〜100℃の加温状態でな
いと起こらない。その加水分解反応は、Ti(OR)4
+2H2 O→TiO2 +4ROH{Rはアルキル基を示
す。}よりも反応が起こり難いので、必然的に加水分解
反応触媒も多く必要とする。そのため、有機アンモニウ
ム化合物/Ti(OH)4 のモル比は、Ti(OH)4
の代わりにTiアルコキシドなどの有機チタン化合物を
用いる場合の有機アンモニウム化合物/有機チタン化合
物のモル比よりも高くなる。有機アンモニウム化合物/
Ti(OH)4 のモル比が0.50未満0.40以上で
は、完全に透明なTiO2 ゾルを得るための時間がかか
り過ぎて実用的でない。また、有機アンモニウム化合物
/Ti(OH)4 のモル比が0.40未満では、加水分
解反応の加熱処理時間を長くかけても完全に透明な光触
媒用のTiO2 ゾルを得ることが不可能で、半透明な光
触媒用のTiO2 ゾルしか得られなかった。以上の結果
から、加水分解反応触媒の必要な量は有機アンモニウム
化合物/Ti(OH)4 のモル比で0.50以上であれ
ば、完全に透明な光触媒用のTiO2 ゾルを得ることが
可能であることが明白である。
【0009】一般的に、Ti4+とAl3+の混合溶液にア
ルカリの沈澱剤を添加して沈澱を生成させたのでは、T
4+とAl3+が沈澱を生成するpHが違うので、沈澱が
落ちるpHが低いTi4+から沈澱し、続いてpHの高い
ところで沈澱が落ちるAl3+が沈澱する。そのため、一
般的な方法では、チタンとアルミニウムの混合沈澱とな
っており、目的の(−Ti−O−Al−O−Ti−)の
化学結合を有するものが得られない。それに対して、こ
の発明の方法では、たとえば、Ti−アルコキシド、A
l−アルコキシドを用いて溶剤中のわずかに含まれてい
る水分によって部分加水分解および低い重合反応が還流
させている間に起こり、(−Ti−O−Al−O−Ti
−)の化学結合を有する複合アルコキシドを合成させる
ことを可能としている。そして、この発明のように、そ
のような複合アルコキシドを有機チタン化合物として用
い、アルミニウムをTiO2 結晶のチタン席に置換型固
溶させたTiO2 透明ゾルであって、アルミニウムのチ
タン席を占める席占有率が0.01%〜0.5%である
光化学反応用のTiO2 透明ゾルを製造することによっ
て、アルミニウム化合物が均一かつ充分にTiO2 結晶
のチタン席に置換固溶したTiO2 透明ゾルが得られ
る。
【0010】この発明に用いられる有機アンモニウム化
合物としては、(RR1 2 3 )N+ - 、(RR1
2 )HN+ - 、(RR1 )H2 + - {R、
1 、R2 、R3 はアルキル基を示し、X- はOH-
示す。R、R1 、R2 、R3 の炭素数は4種類共同じで
も、また4種類共炭素数は異なってもよい。}の一般式
で示されるものがある。有機アンモニウム化合物として
は、(CH3 4 + OH- 、(C2 5 4 + OH
- 、(C3 7 4 + OH- 、(C4 9 4 +
- 、(CH3 2 2 + OH- 、(C2 5 2
2 + OH- 、(C3 7 2 2 + OH- 、(C4
9 2 2 + OH- が代表例として列挙されるが、
これらに限定されない。また、有機アンモニウム化合物
は、単独での使用のみならず2種類以上の組合せの使用
も可能である。
【0011】この発明に用いられる有機Ti化合物とし
ては、一般的なTi(OR)4 {Rはアルキル基を表
し、Cn 2n+1で示される}アルコキシドが挙げられ、
Ti(OMe)4 {OMeはメトキシ基を表す}、Ti
(OEt)4 {OEtはエトキシ基を表す}、Ti(O
Prn 4 {OPrn はノルマルプロポキシ基を表
す}、Ti(OPri 4 {OPri はイソプロポキシ
基を表す}、Ti(OBun4 {OBun はノルマル
ブトキシ基を表す}、Ti(OBusec 4 {OBu
sec は第2級ブトキシ基を表す}、Ti(OButert
4 {OButertは第3級ブトキシ基を表す}などを代表
例として列挙できるが、これらのアルコキシドに限定さ
れない。また、有機Ti化合物としては、Ti(OR)
4-n (acac)n として表されるもので、上記のOR
の一部をacacで置き換えたアルコキシドも使用が可
能である。さらに、有機Ti化合物としては、Ti(O
R)4-n (RCOO)n として表されるもので、上記の
ORの一部を脂肪酸(脂肪酸には飽和脂肪酸、不飽和脂
肪酸も含む)に置き換えたアルコキシドも使用が可能で
ある。また、有機Ti化合物としては、Ti(OR)
4-n (alkanolamine)n として表されるも
ので、上記のORの一部をalkanolamine
(アルカノールアミン)に置き換えたアルコキシドの使
用も可能である。alkanolamineとしては、
TEA(トリエタノールアミン)、DEA(ジエタノー
ルアミン)、MEA(モノエタノールアミン)が代表例
として列挙できるが、これらのalkanolamin
eに限定されない。
【0012】この発明に用いられる無機チタン化合物と
しては、TiCl4 、TiCl3 、TiO(N
3 2 、Ti(SO4 2 、TiONO3 、TiOS
4 が列挙され、これらの単独あるいは複数の組合せ使
用が可能である。
【0013】この発明に用いられTi(OH)4 を生成
させるための塩基性化合物としては、NaOH、LiO
H、NH4 OH、KOHが代表例として列挙されるが、
これらに限定されない。
【0014】この発明に用いられるAlアルコキシドと
しては、一般的なAl(OR)3 {Rはアルキル基を表
し、Cn 2n+1で示される}アルコキシドが挙げられ、
Al(OBun 3 {OBun はノルマルブトキシ基を
表す}、Al(OBusec 3 {OBusec は第2級ブ
トキシ基を表す}、Al(OButert3 {OButert
は第3級ブトキシ基を表す}、Al(OPrn 3 {O
Prn はノルマルプロポキシ基を表す}、Al(OPr
i 3 {OPri はイソプロポキシ基を表す}、Al
(OEt)3 {OEtはエトキシ基を表す}、Al(O
Me)3 {OMeはメトキシ基を表す}などを代表例と
して列挙できるが、これらのアルコキシドに限定されな
い。また、Alアルコキシドとしては、Al(OR)
3-n (acac)n として表されるもので、上記のOR
の一部をacacで置換したアルコキシドについても使
用が可能である。
【0015】この発明の上述の目的、その他の目的、特
徴および利点は、以下の発明の実施の形態の詳細な説明
から一層明らかとなろう。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施例1)Ti(OPri 4
{OPri はイソプロポキシ基を表す}、C3 7
H、H2 Oおよび(Me)4 NOH{Meはメチル基を
表す}を表1に示す比率になるように正確に各々を分取
して丸底フラスコに入れ、高速攪拌を行い加水分解反応
を室温で実施して、TiO2 ゾルを生成した。加水分解
反応後、100℃に加温されたオイルバスに加水分解生
成物(TiO2 ゾル)を含む丸底フラスコをセットして
加熱処理を行った。表2には、加水分解後および加熱処
理後のTiO2ゾルの状態を示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】表1および表2に示す実験結果を見てわか
るように、有機アンモニウム化合物/有機チタン化合物
のモル比が0.45〜0.46の所に、加水分解反応で
生成されたTiO2 ゾルの透明・半透明になる点が存在
することが明らかになった。また、加熱処理後のTiO
2 ゾルの透明・半透明になる点が、有機アンモニウム化
合物/有機チタン化合物のモル比で0.25〜0.20
の所に存在することも明らかになった。
【0020】(実験例2)次に、Ti(OH)4 −(M
e)4 NOH系についても加熱加水分解反応後に得られ
るTiO2 ゾルの透明・半透明に与える有機アンモニウ
ム化合物/Ti(OH)4 のモル比の影響を見る実験を
行った。この実験では、まず、TiCl4 にNH4 OH
を加えて溶液のpHを8にしてTi(OH)4 の沈澱を
合成した。そして、得られたTi(OH)4 の沈澱を純
水で繰り返して洗浄しCl- を除いた。それから、精製
したTi(OH)4 の沈澱、H2 Oおよび(Me)4
OH{Meはメチル基を表す}を表3に示す比率になる
ように丸底フラスコに入れ、丸底フラスコを100℃に
加温したオイルバスにセットして加熱加水分解反応を行
って、TiO2 ゾルを得た。得られたTiO2 ゾルの状
態を表4に示す。
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】表3および表4に示す実験結果を見てわか
るように、有機アンモニウム化合物/Ti(OH)4
モル比が0.50〜0.45の所に、加熱加水分解反応
後のTiO2 ゾルの透明・半透明になる点が存在するこ
とが明らかになった。また、有機アンモニウム化合物/
Ti(OH)4 のモル比が0.45以下になると、10
時間加熱加水分解反応を行っても、得られるTiO2
ルは依然として不透明であって、実際には使用不可能な
光触媒用のTiO2 ゾルしか得られない。
【0024】(比較例1)出発原料として標準光触媒で
あるp−25(日本エアロジル社製)のTiO2粉末を
純水に3wt%になるように加え、さらに、(Me)4
NOH{Meはメチル基を表す}を(Me)4 NOH/
TiO2 のモル比が1.00になるように加えて、実施
例2と同じく100℃で加熱処理を行って、TiO2
ルを得た。その結果を表5に示す。
【0025】
【表5】
【0026】表5に示す実験結果を見てわかるように、
この発明の方法では容易に透明な光触媒用のTiO2
ルを得ることが可能な条件でも、従来(比較例1)の方
法においては、15時間の加熱分散処理を実施しても、
全く不透明な状態になっており、透明な光触媒用のTi
2 ゾルを得ることが不可能であることが明白になっ
た。
【0027】(実施例3)Ti(OPri 4 {OPr
i はイソプロポキシ基を表す}とAl(OPri3
Al/Tiのモル比が0.00200/1.000の比
率で混合した混合アルコキシド溶液にMeOC2 4
H{MeOはメトキシ基を表す}を加えて115℃で反
応を行い、アルコール交換反応で生成するC3 7 OH
を蒸留で留去して、複合アルコキシド溶液を得た。得ら
れた複合アルコキシド、C3 7 OH、H2 Oおよび
(Me)4 NOH{Meはメチル基を表す}を表6に示
す比率になるように正確に各々を分取して丸底フラスコ
に入れ、高速攪拌を行い加水分解反応を室温で実施し
て、TiO2 ゾルを生成した。加水分解反応後、100
℃に加温されたオイルバスに加水分解生成物(TiO2
ゾル)を含む丸底フラスコをセットして加熱処理を行っ
た。表7には、加水分解後および加熱処理後のTiO2
ゾルの状態を示す。
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】表6および表7に示す実験結果を見てわか
るように、有機アンモニウム化合物/複合アルコキシド
のモル比が0.45〜0.46の所に、加水分解反応で
生成されたTiO2 ゾルの透明・半透明になる点が存在
することが明らかになった。また、加熱処理後のTiO
2 ゾルの透明・半透明になる点が、有機アンモニウム化
合物/複合アルコキシドのモル比で0.25〜0.20
の所に存在することも明らかになった。
【0031】(比較例2)出発原料として実施例3と同
じ比率を有する組成になるように、TiCl4 およびA
lCl3 の混合水溶液にNaOHを加えてpHを8にし
てTi(OH)4およびAl(OH)3 の混合沈澱を合
成し、得られた混合沈澱を純水で繰り返し洗浄してから
粉末を精製した。精製した粉末を500℃で2時間仮焼
を行い、AlをドープしたTiO2 粉末を得た。得られ
た粉体をサンドミルで粉砕を行い微粉末とした。粉砕仮
焼粉末を純水に3wt%になるように加え、さらに、
(Me)4 NOH{Meはメチル基を表す}を(Me)
4 NOH/TiO2 のモル比が1.00になるように加
えて、実施例3と同じく100℃で加熱処理を行って、
TiO2 ゾルを得た。その結果を表8に示す。この場
合、Ti、Alが存在しているだけで置換固溶という点
に関しては無視した実験をしている。
【0032】
【表8】
【0033】表8に示す実験結果を見てわかるように、
この発明の方法では容易に透明な光触媒用のTiO2
ルを得ることが可能な条件でも、従来(比較例2)の方
法においては、15時間の加熱分散処理を実施しても、
全く不透明な状態になっており、透明な光触媒用のTi
2 ゾルを得ることが不可能であることが明白になっ
た。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、下地の基板が着色し
ているとき、その下地の色を反映させた使用が可能なT
iO2 透明ゾルを製造することができる。また、この発
明によれば、下地の基板が着色しているとき、その下地
の色を反映させた使用が可能で、かつ、アルミニウム化
合物が均一かつ充分にTiO2 結晶のチタン席に置換固
溶したTiO2 透明ゾルを製造することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機アンモニウム化合物/有機チタン化
    合物のモル比が0.25〜0.45の範囲で有機チタン
    化合物と有機アンモニウム化合物を水の存在下で反応さ
    せて有機チタン化合物を加水分解した後、80〜100
    ℃の温度で加熱処理してTiO2 透明ゾルを製造する、
    TiO2 透明ゾルの製造方法。
  2. 【請求項2】 有機アンモニウム化合物/有機チタン化
    合物のモル比が0.46〜1.00の範囲で有機チタン
    化合物と有機アンモニウム化合物を水の存在下で反応さ
    せて有機チタン化合物を加水分解してTiO2 透明ゾル
    を製造する、TiO2 透明ゾルの製造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性の無機チタン化合物と塩基性化合
    物を水の存在下で反応させてTi(OH)4 を生成した
    後、有機アンモニウム化合物/Ti(OH)4 のモル比
    が0.50〜1.00の範囲で有機アンモニウム化合物
    を加えて80〜100℃の温度で加熱処理してTiO2
    透明ゾルを製造する、TiO2 透明ゾルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記塩基性化合物として、NaOH、L
    iOH、NH4 OHまたはKOHが用いられる、請求項
    3に記載のTiO2 透明ゾルの製造方法。
  5. 【請求項5】 光化学反応用のTiO2 透明ゾルを製造
    する、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のTi
    2 透明ゾルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記有機チタン化合物として、(−Ti
    −O−Al−O−Ti−)の化学結合を有する複合アル
    コキシドが用いられ、アルミニウムをTiO2 結晶のチ
    タン席に置換型固溶させたTiO2 透明ゾルであって、
    アルミニウムのチタン席を占める席占有率が0.01%
    〜0.5%である光化学反応用のTiO2 透明ゾルを製
    造する、請求項1または請求項2に記載のTiO2 透明
    ゾルの製造方法。
JP10116224A 1998-04-10 1998-04-10 TiO2 透明ゾルの製造方法 Pending JPH11292537A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10116224A JPH11292537A (ja) 1998-04-10 1998-04-10 TiO2 透明ゾルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10116224A JPH11292537A (ja) 1998-04-10 1998-04-10 TiO2 透明ゾルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11292537A true JPH11292537A (ja) 1999-10-26

Family

ID=14681913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10116224A Pending JPH11292537A (ja) 1998-04-10 1998-04-10 TiO2 透明ゾルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11292537A (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003095657A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Taki Chem Co Ltd 有機溶媒分散型酸化チタンゾル及びその製造方法
WO2004037417A1 (ja) * 2002-10-23 2004-05-06 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 窒素含有酸化チタン系光触媒及びそれを用いる環境汚染ガスの浄化方法
US6770216B2 (en) 2000-05-11 2004-08-03 Gifu University Method for producing titanium-containing aqueous solutions
EP1400491A3 (en) * 2002-09-18 2005-01-19 Toshiba Ceramics Co., Ltd. Titanium dioxide fine particles and method for producing the same, and method for producing visible light activatable photocatalyst
WO2006087986A1 (ja) * 2005-02-15 2006-08-24 Nippon Soda Co., Ltd. チタン酸化物粒子の分散液、チタン酸化物薄膜、有機機能膜形成用溶液、有機機能膜形成基体及びその製造方法
WO2013052931A2 (en) * 2011-10-07 2013-04-11 Svaya Nanotechnologies, Inc. Synthesis of metal oxide and mixed metal oxide solutions
US9387505B2 (en) 2012-09-17 2016-07-12 Eastman Chemical Company Methods, materials and apparatus for improving control and efficiency of layer-by-layer processes
US9393589B2 (en) 2011-02-15 2016-07-19 Eastman Chemical Company Methods and materials for functional polyionic species and deposition thereof
US9395475B2 (en) 2011-10-07 2016-07-19 Eastman Chemical Company Broadband solar control film
US9453949B2 (en) 2014-12-15 2016-09-27 Eastman Chemical Company Electromagnetic energy-absorbing optical product and method for making
US9817166B2 (en) 2014-12-15 2017-11-14 Eastman Chemical Company Electromagnetic energy-absorbing optical product and method for making
US9891357B2 (en) 2014-12-15 2018-02-13 Eastman Chemical Company Electromagnetic energy-absorbing optical product and method for making
US9891347B2 (en) 2014-12-15 2018-02-13 Eastman Chemical Company Electromagnetic energy-absorbing optical product and method for making
US10338287B2 (en) 2017-08-29 2019-07-02 Southwall Technologies Inc. Infrared-rejecting optical products having pigmented coatings
US10613261B2 (en) 2018-04-09 2020-04-07 Southwall Technologies Inc. Selective light-blocking optical products having a neutral reflection
US10627555B2 (en) 2018-04-09 2020-04-21 Southwall Technologies Inc. Selective light-blocking optical products having a neutral reflection
US11747532B2 (en) 2017-09-15 2023-09-05 Southwall Technologies Inc. Laminated optical products and methods of making them

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6770216B2 (en) 2000-05-11 2004-08-03 Gifu University Method for producing titanium-containing aqueous solutions
JP2003095657A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Taki Chem Co Ltd 有機溶媒分散型酸化チタンゾル及びその製造方法
JP4521801B2 (ja) * 2001-09-25 2010-08-11 多木化学株式会社 有機溶媒分散型酸化チタンゾル及びその製造方法
EP1400491A3 (en) * 2002-09-18 2005-01-19 Toshiba Ceramics Co., Ltd. Titanium dioxide fine particles and method for producing the same, and method for producing visible light activatable photocatalyst
WO2004037417A1 (ja) * 2002-10-23 2004-05-06 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 窒素含有酸化チタン系光触媒及びそれを用いる環境汚染ガスの浄化方法
WO2006087986A1 (ja) * 2005-02-15 2006-08-24 Nippon Soda Co., Ltd. チタン酸化物粒子の分散液、チタン酸化物薄膜、有機機能膜形成用溶液、有機機能膜形成基体及びその製造方法
JPWO2006087986A1 (ja) * 2005-02-15 2008-07-03 日本曹達株式会社 チタン酸化物粒子の分散液、チタン酸化物薄膜、有機機能膜形成用溶液、有機機能膜形成基体及びその製造方法
KR100902529B1 (ko) 2005-02-15 2009-06-15 닛뽕소다 가부시키가이샤 티탄 산화물 입자의 분산액, 티탄 산화물 박막, 유기기능막 형성용 용액, 유기 기능막 형성 기체 및 그 제조방법
JP4746032B2 (ja) * 2005-02-15 2011-08-10 日本曹達株式会社 チタン酸化物粒子の分散液、チタン酸化物薄膜、有機機能膜形成用溶液、有機機能膜形成基体及びその製造方法
US9393589B2 (en) 2011-02-15 2016-07-19 Eastman Chemical Company Methods and materials for functional polyionic species and deposition thereof
WO2013052931A3 (en) * 2011-10-07 2013-06-06 Svaya Nanotechnologies, Inc. Synthesis of metal oxide and mixed metal oxide solutions
WO2013052931A2 (en) * 2011-10-07 2013-04-11 Svaya Nanotechnologies, Inc. Synthesis of metal oxide and mixed metal oxide solutions
US9395475B2 (en) 2011-10-07 2016-07-19 Eastman Chemical Company Broadband solar control film
US9481583B2 (en) 2011-10-07 2016-11-01 Eastman Chemical Company Synthesis of metal oxide, titania nanoparticle product, and mixed metal oxide solutions
US9387505B2 (en) 2012-09-17 2016-07-12 Eastman Chemical Company Methods, materials and apparatus for improving control and efficiency of layer-by-layer processes
US9453949B2 (en) 2014-12-15 2016-09-27 Eastman Chemical Company Electromagnetic energy-absorbing optical product and method for making
US9817166B2 (en) 2014-12-15 2017-11-14 Eastman Chemical Company Electromagnetic energy-absorbing optical product and method for making
US9891357B2 (en) 2014-12-15 2018-02-13 Eastman Chemical Company Electromagnetic energy-absorbing optical product and method for making
US9891347B2 (en) 2014-12-15 2018-02-13 Eastman Chemical Company Electromagnetic energy-absorbing optical product and method for making
US10338287B2 (en) 2017-08-29 2019-07-02 Southwall Technologies Inc. Infrared-rejecting optical products having pigmented coatings
US11747532B2 (en) 2017-09-15 2023-09-05 Southwall Technologies Inc. Laminated optical products and methods of making them
US10613261B2 (en) 2018-04-09 2020-04-07 Southwall Technologies Inc. Selective light-blocking optical products having a neutral reflection
US10627555B2 (en) 2018-04-09 2020-04-21 Southwall Technologies Inc. Selective light-blocking optical products having a neutral reflection

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11292537A (ja) TiO2 透明ゾルの製造方法
TWI427039B (zh) 膠態的二氧化鈦溶膠及其製造方法
KR100374478B1 (ko) 나노 크기의 아나타제형 이산화티탄 광촉매의 제조방법 및 상기 방법으로 제조된 광촉매
US6399540B1 (en) Porous titania, catalyst comprising the porous titania
CN110004521A (zh) 一种可纺性硅铝溶胶的制备方法
JP4101236B2 (ja) 分散された二酸化チタンを含有する非酸性、非塩基性コロイド溶液、その製造方法及びそのコロイド溶液を含むコーティング剤
US8802159B2 (en) Production method of titanium oxide sol
US6284696B1 (en) Mesopore molecular sieve and process for the production thereof
JP4093744B2 (ja) 管状酸化チタン粒子の製造方法および管状酸化チタン粒子
KR100421243B1 (ko) 수열합성 방법에 의해 결정성 및 분산성이 뛰어난아나타제형 광촉매용 산화티탄졸을 제조하는 방법
KR950001660B1 (ko) 무기산화물 입자의 제조법
JP4925706B2 (ja) シリカ系複合酸化物粒子の製造方法
JP2007230824A (ja) 多孔質酸化チタン粒子およびその作製方法
WO2013182013A1 (zh) 一种聚酯合成复合催化剂的制备方法
JP2000159509A (ja) 無機粒子の製造方法および無機粒子
KR100575845B1 (ko) 산화티타늄 초미세 입자 및 콜로이드상 분산용액의제조방법
JP2972881B1 (ja) 二酸化チタンの製造方法
KR101517369B1 (ko) 지르코니아 졸의 제조방법
JPH08257399A (ja) チタニア系触媒の製造方法
JPH11255516A (ja) TiO2 粉体の製造方法
JP4817219B2 (ja) 可視光を吸収する薄片状酸化チタンの製造方法
JP4923372B2 (ja) 球状酸化物粒子の製造方法
JPH0662284B2 (ja) 無機酸化物粒子の製造法
KR20050050740A (ko) 전이금속이 첨가된 과산화티탄 졸 제조방법
US11980876B1 (en) Method of forming metal oxide nanostructures on a TiO2—ZnO-buffered substrate