JPH11291405A - アリルアルコール系重合体積層シュリンクフィルム - Google Patents

アリルアルコール系重合体積層シュリンクフィルム

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JPH11291405A
JPH11291405A JP10165398A JP10165398A JPH11291405A JP H11291405 A JPH11291405 A JP H11291405A JP 10165398 A JP10165398 A JP 10165398A JP 10165398 A JP10165398 A JP 10165398A JP H11291405 A JPH11291405 A JP H11291405A
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JP
Japan
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resin
film
layer
shrink film
heat
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JP10165398A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Shimo
浩幸 下
Kaoru Ikeda
薫 池田
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱延伸性、収縮性およびガスバリア性の改善
されたシュリンクフィルムを提供すること。 【解決手段】式(1)で示される繰り返し構成単位を3
0モル%以上含むアリルアルコール系重合体樹脂(A)
のフィルムの片面又は両面にポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及び
ポリウレタンの群より選択された少なくとも一種の熱可
塑性樹脂(B)のフィルムを積層してなる20℃、65
%RHにおける酸素透過度が30ml/m2・day・
atm以下の積層シュリンクフィルム。 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はアルキル基
を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱延伸性、収縮
性に優れ、かつガスバリヤー性に優れた積層シュリンク
フィルムに関する。
【0002】
【従来技術】形状、大きさが不揃いな生肉、加工肉を包
装する際、熱収縮性のフィルムを用いるシュリンク包装
が一般的に採用される。このような包装袋に使用される
フィルムとしては、加熱によって充分に熱収縮する特性
を有し、更には内容物の酸化劣化を防ぐために、高いガ
スバリア性が有する事が必要である。シュリンクフィル
ム用に使用されているガスバリア性に優れた熱可塑性樹
脂としては、塩化ビニリデン系重合体(以下「PVD
C」という。)及びエチレン−ビニルアルコール共重合
体(以下「EVOH」という。)が知られている。
【0003】しかしながら、これらのガスバリア性樹脂
は、必ずしも満足される性能を有していない。例えば、
PVDCについては、熱安定性に乏しく、特に溶融成形
時着色し易く、ゲル、フィッシュ・アイ等を発生し易
い。また、PVDCは、光により黄色に着色しフィルム
外観を損なうという問題がある。一方、EVOHについ
ては、低湿度下では高いガスバリア性を有するものの、
高湿度下ではガスバリア性が低下するという技術的課題
がある。また、PVDCに比べて、延伸性および収縮性
に劣るという欠点がある。熱収縮後のフィルムが内容物
にタイトに密着していないと、フィルムの余りがシワと
なり、見栄えが悪いばかりでなく、シワの部分がピンホ
ールの原因となりやすい。
【0004】ところで、ポリアリルアルコール、ポリメ
タアリルアルコール及びポリクロトニルアルコール等に
代表されるアリルアルコールを基本繰り返し構造単位と
する重合体(以下「アリルアルコール系重合体樹脂」と
いう。)の一部は公知であり、例えば米国特許第245
5722号、同第2467105号、同第328589
7号、同第3666740号(特公昭47−4030
8)、同第4125694号及び英国特許第85420
7号等に開示されている。しかしながら、かかる公知の
刊行物には、当該アリルアルコール系重合体樹脂が優れ
たガスバリア性を有すること及びかかるアリルアルコー
ル系重合体樹脂を高度なガスバリア性が要求される包装
用フィルム等の用途に用いることについては何等記載が
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、高度な
ガスバリア性の要求される包装用材料等の用途への前記
アリルアルコール系重合体樹脂の適応性について検討し
たところ、従来のガスバリア性樹脂と比較して優れたガ
スバリア性を有していること、特に高湿時のガスバリア
性において極めて優れており、且つ透明性が良好で、透
湿性も小さくシュリンクフィルム等の材料として有用な
特性を有していることを認めた。しかしながら、かかる
アリルアルコール系重合体樹脂は、単層で包装用フィル
ム等に用いた場合、製袋加工性及び落下強度に劣ること
が判明した。
【0006】而して本発明は、従来公知の前記ガスバリ
ア性熱可塑性樹脂が有するガスバリア性、特に高湿時の
ガスバリア性、溶融成形性を改善し、且つ加熱延伸性、
収縮性に優れ、かつガスバリヤー性に優れた積層シュリ
ンクフィルムを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、式(1)
で示される繰り返し構成単位を30モル%以上含むアリ
ルアルコール系重合体樹脂(A)の片面又は両面にポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル及びポリウレタンの群より選択され
た少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)のフィルムを積
層してなる20℃、65%RHにおける酸素透過度が3
0ml・20μm/m2・day・atm以下の積層フ
ィルムにより達成される。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又
はアルキル基を表わす。)
【0010】このとき、樹脂(A)について、絶乾時の
ガラス転移点が45〜95℃であること、20℃、85
%RHにおいて状態調節したときのガラス転移点が20
℃以上であること、20℃、65%RHにおける吸湿率
が0.5〜15%であること、さらにはメタクレゾール
中30℃における固有粘度が0.1〜3dl/gである
ことが好適である。また、式(1)中のR1がメチル基
であり、R2が水素原子であることが最適である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂(A)は、式(1)
で示される繰り返し構成単位を30モル%以上含むアリ
ルアルコール系重合体樹脂である。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又
はアルキル基を表わす。)
【0014】ここで、樹脂(A)中の上記構成単位の含
有量は30モル%以上にする必要があり、50〜100
モル%の範囲が好ましい。更に好ましくは70〜100
モル%であり80〜100モル%の範囲が最適である。
上記構成単位の含有量が前記範囲を下回るとガスバリア
性、加工性、延伸性、収縮性及び外観に劣る。また前記
1及び/又はR2が異なる上記基本構成単位を2種類以
上含有していても良く、この場合は樹脂中の構成単位の
含有量はその合計量をいう。
【0015】上記構成単位以外の共重合成分としては、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン
系単量体、ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量
体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香属置換ビニ
ル系単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート等のア
クリル系単量体、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系
単量体、塩化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル
系単量体、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニリデン系単量体、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のアクリロニトリル系単量体、マレイイミ
ド、N−メチルマレイイミド、マレイン酸ジメチル等の
マレイン酸誘導体系単量体等を例示することができる。
【0016】共重合成分を含む場合の共重合体としては
ランダム共重合体又は交互共重合体のいずれでもよい
が、共重合成分量が30モル%以上の場合には、ガスバ
リア性、加工性及び延伸性の点から交互共重合性が高い
ことが好ましく、その場合式(1)で示される構造単位
の含有量は50〜70モル%の範囲が好ましい。
【0017】本発明において用いられるアリルアルコー
ル系重合体樹脂(A)の絶乾時のガラス転移点を45〜
95℃、好ましくは50〜90℃、更に好ましくは55
〜85℃に設定することが製袋加工性及び落下強度を向
上させる上で好ましい。ガラス転移点が前記範囲を下回
るとフィルム強度に劣り、またガラス転移点が前記範囲
を上回ると加工性、延伸性に劣る。
【0018】また樹脂(A)の20℃、85%RHにて
状態調節したときのガラス転移点を20℃以上、好まし
くは25℃以上、更に好ましくは30℃以上に設定する
ことが高湿時のガスバリア性を改善する上で好ましい。
【0019】本発明で用いられる樹脂(A)の20℃、
65%RHにおける吸湿率を0.5〜15重量%、好ま
しくは1.0〜10重量%、更に好ましくは1.5〜6
重量%に設定することが、フィルム強度を改善する上で
良い。吸湿率が前記範囲を下回ると、フィルム強度に劣
り、吸湿率が前記範囲を上回ると加工性及びガスバリア
性に劣る。
【0020】樹脂(A)のガラス転移点及びを吸湿率を
前記範囲に調節する方法としては、樹脂(A)のR1
びR2を適宜選択する方法、樹脂(A)の立体規則性を
調節する方法、共重合可能なコモノマーとの共重合によ
る方法及び共重合の場合にはランダム共重合性/交互共
重合性を調整する方法等を例示することができる。これ
らを適宜組み合わせることにより容易にガラス転移点及
び吸湿率をそれぞれ調節することができる。
【0021】前記R1及びR2は、水素又は炭素数10以
下、好ましくは炭素数5以下のアルキル基の中から選択
することが良く、R1がメチル基であり、R2が水素原子
である場合が本発明の効果を充分奏する点で最適であ
る。炭素数が前記値を上回るとガラス転移点の低下、吸
湿率の増大を来し、延いてはガスバリア性、加工性及び
フィルム強度が低下する。
【0022】本発明で用いられる樹脂(A)の固有粘度
としては、30℃、メタクレゾール中で測定した値とし
て、0.1〜3dl/gの範囲が好ましく、0.2〜2
dl/gの範囲がより好ましく、0.3dl/g〜1.
5dl/gの範囲が最も好ましい。固有粘度が小さすぎ
ると十分な落下強度が得られず、また固有粘度が大きす
ぎるとフィルムの溶融製膜時、ゲル、フィッシュ・アイ
を発生しフィルム外観を阻害する。
【0023】樹脂(A)の固有粘度を前記範囲に調節す
る方法としては、樹脂(A)の重合度を調節する方法の
他に、特開昭60−144304号公報等に記載のビニ
ルメトキシシラン等のケイ素含有オレフィン系不飽和単
量体を必要に応じて共重合する方法等を例示できる。
【0024】本発明で用いられる樹脂(A)の製造方法
としては、次の製造方法を例示することができる。 第一の製法:下記の式(2)で示される単量体を重合
後、還元することにより製造される。
【0025】
【化4】
【0026】(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又
はアルキル基を表わし、Xはアルコキシル基、水酸基、
ハロゲン原子、水素原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、及びイソプロピル基から選択された置換基を表わ
す。)
【0027】上記の単量体の具体例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、2−エチルアクリル酸等のアクリル
酸誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸メチル、2−エチルアクリ
ル酸メチル等のアクリル酸エステル誘導体;アクロレイ
ン、メタクロレイン、2−エチルアクロレイン等のアク
ロレイン誘導体;メチルビニルケトン、エチルビニルケ
トン、イソプロペニルメチルケトン、イソプロペニルエ
チルケトン、イソプロペニルプロピルケトン、イソプロ
ペニルイソプロピルケトン等のビニルケトン誘導体が挙
げられる。
【0028】上記の単量体は、ラジカル重合、アニオン
重合等の公知の重合法によって重合できる。ラジカル重
合の開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−
2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始
剤;イソブチルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパー
オキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト等の過酸化物系開始剤が挙げられる。このときの重合
温度は特に制限はなく、通常、室温〜100℃程度の温
度範囲で重合を行う。 またアニオン重合の条件として
は、開始剤として、ブチルリチウム、水素化リチウムア
ルミニウム、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマ
グネシウムクロライド、トリフェニルメチルカルシウム
クロライド等の塩基性のアルカリ金属あるいはアルカリ
土類金属誘導体を開始剤として用い、通常、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等の非
プロトン性溶媒を溶媒として用い、室温〜−100℃程
度の低温で重合を行う。
【0029】得られた重合体の還元法としては、水素化
リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素
化ホウ素リチウム、ジボラン等の金属水素化物を還元剤
として用いる方法、ルテニウム系、ロジウム系、ニッケ
ル系、パラジウム系、白金系等の遷移金属触媒により水
素添加を行う方法等が挙げられる。還元反応溶媒として
は、重合体の溶解性および還元剤との反応性を考慮して
適宜選ばれる。その例としては、テトラヒドロフラン、
N−メチルモルホリン、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエ
タン、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げ
られる。還元反応温度としては、室温〜200℃の範囲
で通常選ばれ、50℃〜150℃の範囲が好適である。
【0030】第二の製法:下記の式(3)で示される構
造のアリルアルコール類の重合によって製造される。
【0031】
【化5】
【0032】(式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子
又はアルキル基を表わす。)
【0033】上記第二のアリルアルコール類の重合法と
しては、例えば、米国特許3285897、同3666
740(特公昭47−40308)、英国特許8542
07等に記載されている。
【0034】第三の製法:下記の式(4)で示される構
造のアリルハライド類の重合後、ハロゲン原子を水酸基
に化学的に変換することにより得られる。
【0035】
【化6】
【0036】(式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子
又はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わ
す。)
【0037】前記第三の製造方法としては、例えば米国
特許4125694号に記載されている。
【0038】本発明の樹脂(A)には、本発明の効果が
損なわれない範囲で他の熱可塑性樹脂がブレンドされて
いても良い。このような熱可塑性樹脂の例として、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン等のポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル
類、ポリカプロラクタム(6−ナイロン)、ポリラウリ
ロラクタム(12−ナイロン)、ポリヘキサメチレンア
ジパミド(6,6−ナイロン)等のポリアミド類、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート
及びポリウレタン等が挙げられる。またブレンドする樹
脂の量としては、通常50重量%以下の範囲とすること
が本発明の目的を達成する上で好ましい。
【0039】また本発明の樹脂(A)には、必要に応じ
て各種の添加剤を配合することもできる。このような添
加剤の例としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、有機及び無機
フィラー等を挙げることができる。添加剤の具体的な例
としては次のようなものが挙げられる。
【0040】酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
フェノール)等。紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ
−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)
5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン等。 可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジオクチル、グリセリン、グリセリンエステル、ワッ
クス、流動パラフィン、リン酸エステル等 帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、
ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。 滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレー
ト等。 着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリ
ドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等。 充填剤:グラスファイバー、アスベスト、バラストナイ
ト、ケイ酸カルシウム等。
【0041】本発明では、前記樹脂(A)の一方の面又
は両面にポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びポリウレタンの群よ
り選択された少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)のフ
ィルムを積層する必要がある。
【0042】本発明の積層フィルムに用いられる熱可塑
性樹脂(B)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共
重合体等のポリオレフィン、ポリカプロラクタム(6−
ナイロン)、ポリラウリロラクタム(12−ナイロ
ン)、ポリヘキサメチレンアジパミド(6,6−ナイロ
ン)等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等ポリエステル、ポリスチレ
ン(GPPS)、ハイインパクトポリスチレン(HIP
S)、スチレン−ブタジエン共重合体(SB)、スチレ
ン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(SBA)
等のポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びポリウレタンで
ある。本発明に係る樹脂(A)に、前記樹脂(B)を積
層することにより特に製袋加工性及び落下強度が改善さ
れる。前記樹脂(B)以外の樹脂を積層したのでは、本
発明の効果を充分奏することができない。前記樹脂
(B)のうち、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエス
テル及びポリスチレンが、本発明の効果を充分奏する点
で好ましく、中でもポリオレフィン、ポリアミド及びポ
リエステルが最も好ましい。
【0043】本発明における第1の態様は、樹脂(A)
の一方の面にポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びポリウレタンの
群より選択された少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)
のフィルムを積層し、かかる樹脂(A)を容器の内側に
使用する態様である。
【0044】本発明における第2の態様は、樹脂(A)
の一方の面にポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びポリウレタンの
群より選択された少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)
のフィルムを積層し、かかる樹脂(A)を容器の外側に
使用する態様である。
【0045】本発明における第3の態様は、樹脂(A)
の両面にポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びポリウレタンの群よ
り選択された少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)を積
層する態様である。この場合においては、樹脂(A)の
両面に同種の熱可塑性樹脂(B)を積層する態様と異種
の熱可塑性樹脂(B)を積層する態様がある。
【0046】本発明において好ましい態様は、前記第3
の態様の内で、樹脂(A)の両方の面に密度0.98g
/cm3以下、好ましくは0.95g/cm3以下、更に
好ましくは0.93g/cm3以下のポリエチレン系樹
脂(B)を積層した態様である。
【0047】また、本発明において好ましい別の態様
は、前記第3の態様の内で、樹脂(A)の一方の面に樹
脂(A)の絶乾時のガラス転移点より50℃以上、好ま
しくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上高い融点
を有する樹脂(B)を積層し、樹脂(A)の他方の面に
密度0.98g/cm3以下、好ましくは0.95g/
cm3以下、更に好ましくは0.93g/cm3以下のポ
リエチレン系樹脂(B)を積層した態様である。
【0048】本発明にかかる積層シュリンクフィルムの
総厚みは10μm以上、好ましくは20μm以上、更に
好ましくは30μm以上で、且つ200μm以下、好ま
しくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下
とすることが推奨される。この厚みを下回ると製袋加工
性及びフィルム強度に劣り、またこの厚みを上回っても
製袋加工性に劣り、且つ経済性にも劣る。
【0049】本発明に係る積層フィルムの20℃、相対
湿度65%における酸素透過度は、30ml/m2・d
ay・atm以下にする必要がある。酸素透過度は、好
ましくは20ml/m2・day・atm以下、より好
ましくは10ml/m2・day・atm以下、更に好
ましくは5ml/m2・day・atm以下とするのが
良い。20℃、相対湿度65%における酸素透過度が前
記値より大きい時には、高度なガスバリア性を要求され
る用途への使用に耐えない。
【0050】本発明の積層フィルムの20℃、相対湿度
85%RHにおける酸素透過度は、50ml/m2・d
ay・atm以下であることが好ましく、より好ましく
は30ml/m2・day・atm以下であり、更に好
ましくは20ml/m2・day・atm以下であり、
最適には10ml/m2・day・atm以下である。
20℃、相対湿度85%RHにおける酸素透過度が前記
値より大きい時には、、高湿度下で、高度なガスバリア
性を要求される用途への使用が困難となる。かかる酸素
透過度の調節は、樹脂(A)の前記R1及びR2を適宜選
択する方法、樹脂(A)の厚みを調節する方法、樹脂
(A)を延伸配向させる方法及び共重合した樹脂(A)
を用いる方法等を例示することができる。
【0051】本発明の樹脂(A)と樹脂(B)を積層す
る方法については、接着性樹脂を介して共押出成形法、
押出ラミネート法、共押出ラミネート法、溶液コート法
などにより積層体を得、次いで、該積層体(フィルム又
はシート)を二軸延伸機に供し、加熱延伸する方法など
があげられる。
【0052】さらに、多層構造体の厚み構成に関して
も、特に限定されるものではないが、成形性およびコス
ト等を考慮した場合、全層厚みに対する本発明の樹脂
(A)層の厚み比は2〜20%が好適である。また、多
層構造体の構成としては、樹脂(B)層/樹脂(A)層
/樹脂(B)層、樹脂(A)層/接着性樹脂層/樹脂
(B)層、樹脂(B)層/接着性樹脂層/樹脂(A)層
/接着性樹脂層/樹脂(B)層が代表的なものとして挙
げられる。両外層に樹脂(B)層を設ける場合は、それ
ぞれの樹脂が異なっていてもよいし、また、同じもので
もよい。また、樹脂(B)としてポリエステル及びポリ
アミドのような樹脂(A)と比較的相溶性の良い樹脂を
選択し、且つこれを樹脂(A)と共押出法のように溶融
状態で積層する場合等、接着剤を用いなくとも実用に耐
える接着強度が得られる場合には、必ずしも接着層を設
けなくても良い。また、成形時発生するトリムなどのス
クラップを熱可塑性樹脂層にブレンドしたり、別途、回
収層を設けて再利用する場合も多い。
【0053】本発明において、加熱延伸とは、熱的に均
一に加熱された多層構造体をチャック、圧空力などによ
り、フィルム、容器状に延伸する操作を意味し、二軸延
伸(同時または遂次)あるいは一軸延伸のいずれでも採
用できる。加熱操作は延伸と同時に行なってもよいし、
また、延伸前に行っても良いが、該多層構造体を加熱延
伸に必要な温度に所定の時間放置し、該多層構造体が熱
的にほぼ均一になる様に操作する方法であればよく、操
業性を考慮して、種々のヒーターで加熱、均一化する方
法が好ましい。また、延伸倍率、延伸速度は目的の応じ
て適宜選択できるが、必ずしも成形品が配向している必
要はない。
【0054】また、加熱延伸する際の樹脂(A)の含水
率は0.01〜10重量%の範囲内から選ばれ、樹脂
(A)に発泡が発生しない範囲で含水率が高いほうが好
適である。
【0055】次に、本発明の樹脂(A)を熱収縮性フィ
ルムに使用する場合について説明する。本発明の樹脂
(A)を用いて熱収縮性フィルムを製造する場合には、
延伸性、熱収縮性およびガスバリア性のすべての点で優
れており、特に加熱延伸時の局部的な延伸ムラ、あるい
は熱収縮後のシワなどの発生がない。この様にして得ら
れた多層フィルムは熱収縮性に優れており、90℃の熱
水中に1分間浸漬した時の面積収縮率は10%以上、好
適には20%以上、さらには25%以上、好適には30
%以上、最適には40%以上である。ここでいう面積収
縮率とは、収縮前のフィルムの面積をX、収縮後のフィ
ルムの面積をYとしたときに、{(X−Y)/X}×1
00(%)として得られる数値である。面積収縮率が1
0%未満では包装品の表面にフィルムのしわが発生し、
内容物と包装フィルムとの密着性が低下し、商品の外観
が劣るばかりでなく、そのシワがピンホールの発生原因
となりやすい。特に、30%以上のもの、さらには40
%以上のものは食肉包装用の熱収縮性フィルムとして特
に優れている。
【0056】以下、実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、測定方法及び評価方法は次の方法による。 (1)ガラス転移点及び融点 ガラス転移点及び融点は、セイコー電子工業(株)製示
差走査熱量計(DSC)RDC220/SSC5200
H型を用い、JIS K7121に基づいて測定した。
但し、温度の校正にはインジウムと鉛を用いた。尚、本
発明でいう絶乾時のガラス転移点は、試料を前記JIS
記載の方法にて、一旦200℃まで昇温した後、冷却速
度10℃/分にて、ガラス転移点より約50℃低い温度
まで冷却し、再び昇温して測定した値(2nd.Ru
n)をいい、20℃、85%RHにおいて状態調節した
ときのガラス転移点は、状態調節後直ちに操作を行い測
定した値(1st.Run)をいう。更に本発明でいう
ガラス転移点は、前記JISでいう中間点ガラス転移温
度(Tmg)をいい、また本発明でいう融点は、前記J
ISでいう融解ピーク温度(Tpm)をいう。
【0057】(2)吸湿率 樹脂(A)のフィルムを乾燥器にて80℃で、恒量に達
するまで充分乾燥したときの重量(X)と樹脂(A)の
フィルムの20℃、65%RHにて充分状態調節したと
きの重量(Y)から式{(Y−X)/X}×100
(%)にて求めた。尚、樹脂(A)を含む積層フィルム
の場合も同様にして樹脂(A)の吸湿率を求めることが
できる。但し、積層フィルムを構成する樹脂(B)が吸
湿性のときは、当該樹脂(B)の吸湿率を別途求めた上
で、樹脂(A)のみの吸湿率を計算により求めることが
できる。
【0058】(3)固有粘度 m−クレゾール溶液についてオストワルド粘度計を用
い、30℃で測定した。
【0059】(4)ガスバリア性 MODERN CONTROLS,INC.製酸素透過
率測定装置MOCONOX−TRAN2/20型を用
い、20℃、65%RH又は20℃、100%RHの環
境下で充分状態調節した試料について、20℃、65%
RH又は20℃、100%RHの条件でJIS K71
26(等圧法)に記載の方法に準じて測定した。また以
下の合成例、実施例及び比較例において特に断らない限
り、「部」は重量部及び「%」は「重量%」を意味す
る。
【0060】アリルアルコール系重合体の合成 合成例1 冷却器付き反応容器に水素化リチウムアルミニウム25
0部を仕込み、窒素置換し、N−メチルモルホリン30
00部を添加した後、130℃に加熱し還流させた。こ
れにアタクティックポリメチルメタクリレート650部
とN−メチルモルホリン6000部からなる溶液を添加
し、滴下終了後さらに5時間還流させた。この後、酢酸
エチル1000部を滴下して未反応の水素化物を失活さ
せ、さらに50%リン酸水溶液5000部を滴下した。
冷却後、遠心分離により上澄みと固形分に分離した。得
られた固形分には10000部のエタノールを加え、6
0℃、1時間加熱溶解してからグラスフィルターで濾過
し、得られた濾液をエバポレーターにより濃縮した後、
蒸留水に加えポリマーを析出させた。析出によって得ら
れたポリマーを100℃の蒸留水により煮沸することに
より十分洗浄した後、真空乾燥してアタクティックポリ
メタアリルアルコール(a−PMAAL)350部を得
た。
【0061】得られたa−PMAALの固有粘度は0.
95dl/gであった。また絶乾時のガラス転移点は7
9℃であり、20℃、85%RHにて状態調節した時の
ガラス転移点は50℃であって、結晶融解ピークは存在
しなかった。またかかるa−PMAALを20℃、65
%RHにて状態調節した時の吸湿率は2.3%であっ
た。
【0062】合成例2 合成例1で用いたアタクティックポリメチルメタクリレ
ートの代わりにシンジオタクティックポリメチルメタク
リレートを用いた以外は、合成例1と同様にしてシンジ
オタクティックポリメタアリルアルコール(s−PMA
AL)を得た。得られたs−PMAALの各特性値を表
1に示す。
【0063】合成例3 合成例1で用いたアタクティックポリメチルメタクリレ
ートの代わりにアイソタクティックポリメチルメタクリ
レートを用いた以外は、合成例1と同様にしてアイソタ
クティックポリメタアリルアルコール(i−PMAA
L)を得た。得られたi−PMAALの各特性値を表1
に示す。
【0064】合成例4 合成例1で用いたアタクティックポリメチルメタクリレ
ートの代わりにアタクティックポリメチルアクリレート
を用いた以外は、合成例1と同様にしてアタクティック
ポリアリルアルコール(a−PAAL)を得た。得られ
たa−PAALの各特性値を表1に示す。
【0065】合成例5 合成例1で用いたアタクティックポリメチルメタクリレ
ートの代わりにアゾビスイソブチロニトリルを触媒と
し、トルエン中、80℃で重合することにとって得られ
た、スチレン−メチルメタクリレートランダム共重合体
(スチレン含有率75モル%、メチルメタアクリレート
含有率25モル%)を用いた以外は合成例1と同様にし
て、ST−MAAL(スチレン含有率75モル%、メタ
アリルアルコール含有率25モル%)を得た。得られた
ST−MAALの各物性値を表1に示す。
【0066】実施例1 合成例1によって得られたa−PMAALをスクリュー
径が20mmの二軸押出機を装着した東洋精機(株)製
ラボプラストミルにより210℃で溶融押出してペレッ
ト化した。得られたペレットを用いて3種5層共押出装
置にかけ、多層シート(アイオノマー樹脂層/接着性樹
脂層/a−PMAAL層/接着性樹脂層/アイオノマー
樹脂層)を作製した。シートの構成は、両最外層のアイ
オノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル製「ハイミラ
ン1652」)層が各250μ、また接着性樹脂(三井
石油化学製「アドマーNF500」)層が各30μ、さ
らに、a−PMAAL層が90μである。得られたシー
トをパンタグラフ式二軸延伸機にかけ、90℃で4×4
倍の延伸倍率において同時二軸延伸を行い、各層の厚み
構成が15/2/6/2/15μで、層厚みが40μの
シュリンクフィルムを得た。
【0067】得られた多層熱収縮フィルムは、ムラ、偏
肉もなく、外観、透明性も比較的良好であった。このフ
ィルムを使用してガス透過性を測定した。その結果、
0.2ml/ m2・day・atmと良好なガスバリア
ー性を示した。また、90℃の熱水中に1分間浸漬した
ときの熱収縮性を測定した所、44%の面積収縮率を示
した。また、上記多層熱収縮フィルムを2枚に折り畳
み、2方向(両サイド)をヒートシールして袋を作成
し、加工肉を投入後、真空下で投入口をヒートシールし
た。その後、該真空包装袋を85℃温水に5秒間浸漬
し、フィルムを熱収縮させた。その結果、生肉に密着し
たフィルムにしわはなく、内容物の異常変形も少なく比
較的良好であった。
【0068】実施例2 実施例1の場合のa−PMAALを合成例2で得られた
s−PMAALに代えて実施例2と同様にして、多層シ
ート(アイオノマー樹脂層/接着性樹脂層/s−PMA
AL層/接着性樹脂層/アイオノマー樹脂層)を作製し
た。シートの構成は、両最外層のアイオノマー樹脂(三
井デュポンポリケミカル製「ハイミラン1652」)層
が各250μ、また接着性樹脂(三井石油化学製「アド
マーNF500」)層が各30μ、さらに、s−PMA
AL層が90μである。得られたシートをパンタグラフ
式二軸延伸機にかけ、90℃で4×4倍の延伸倍率にお
いて同時二軸延伸を行い、各層の厚み構成が15/2/
6/2/15μで、層厚みが40μのシュリンクフィル
ムを得た。得られた多層熱収縮フィルムは、ムラ、偏肉
は若干あるものの、外観、透明性も比較的良好であっ
た。このフィルムを使用してガス透過性を測定した。そ
の結果、0.1ml/ m2・day・atmと良好なガ
スバリアー性を示した。また、90℃の熱水中に1分間
浸漬したときの熱収縮性を測定した所、46%の面積収
縮率を示した。また、上記多層熱収縮フィルムを2枚に
折り畳み、2方向(両サイド)をヒートシールして袋を
作成し、加工肉を投入後、真空下で投入口をヒートシー
ルした。その後、該真空包装袋を85℃温水に5秒間浸
漬し、フィルムを熱収縮させた。その結果、生肉に密着
したフィルムに微少なしわはあるものの、内容物の異常
変形も少なく比較的良好であった。
【0069】実施例3 合成例3によって得られたi−PMAALをスクリュー
径が20mmの二軸押出機を装着した東洋精機(株)製
ラボプラストミルにより210℃で溶融押出してペレッ
ト化した。得られたペレットを用いて3種5層共押出装
置にかけ、多層シート(エチレン−酢酸ビニル共重合体
層/接着性樹脂層/i−PMAAL層/接着性樹脂層/
エチレン−酢酸ビニル共重合体層)を作製した。シート
の構成は、両最外層のエチレン−酢酸ビニル共重合体層
(三井デュポンポリケミカル製「エバフレックスEV−
340」)層が各250μ、また接着性樹脂(三井石油
化学製「アドマーVF600」)層が各30μ、更に、
i−PMAAL層が90μである。得られたシートをパ
ンタグラフ式二軸延伸機にかけ、90℃で4×4倍の延
伸倍率において同時二軸延伸を行い、各層の厚み構成が
15/2/6/2/15μで、層厚みが40μのシュリ
ンクフィルムを得た。得られた多層熱収縮フィルムは、
ムラ、偏肉が若干あるものの、外観、透明性も比較的良
好であった。このフィルムを使用してガス透過性を測定
した。その結果、0.1ml/ m2・day・atmと
良好なガスバリアー性を示した。また、90℃の熱水中
に1分間浸漬したときの熱収縮性を測定した所、45%
の面積収縮率を示した。また、上記多層熱収縮フィルム
を2枚に折り畳み、2方向(両サイド)をヒートシール
して袋を作成し、加工肉を投入後、真空下で投入口をヒ
ートシールした。その後、該真空包装袋を85℃温水に
5秒間浸漬し、フィルムを熱収縮させた。その結果、生
肉に密着したフィルムに微少なしわはあるものの、内容
物の異常変形も少なく比較的良好であった。
【0070】実施例4 実施例3の場合のi−PMAALを合成例4で得られた
a−PAALに代えて実施例3と同様にして、多層シー
ト(エチレン−酢酸ビニル共重合体層/接着性樹脂層/
a−PAAL層/接着性樹脂層/エチレン−酢酸ビニル
共重合体層)を作製した。シートの構成は、両最外層の
エチレン−酢酸ビニル共重合体層(三井デュポンポリケ
ミカル製「エバフレックスEV−340」)層が各25
0μ、また接着性樹脂(三井石油化学製「アドマーVF
600」)層が各30μ、更に、i−PAAL層が90
μである。得られたシートをパンタグラフ式二軸延伸機
にかけ、90℃で4×4倍の延伸倍率において同時二軸
延伸を行い、各層の厚み構成が15/2/6/2/15
μで、層厚みが40μのシュリンクフィルムを得た。得
られた多層熱収縮フィルムは、ムラ、偏肉が若干あるも
のの、外観、透明性も比較的良好であった。このフィル
ムを使用してガス透過性を測定した。その結果、2.6
ml/ m2・day・atmと良好なガスバリアー性を
示した。また、90℃の熱水中に1分間浸漬したときの
熱収縮性を測定した所、49%の面積収縮率を示した。
また、上記多層熱収縮フィルムを2枚に折り畳み、2方
向(両サイド)をヒートシールして袋を作成し、加工肉
を投入後、真空下で投入口をヒートシールした。その
後、該真空包装袋を85℃温水に5秒間浸漬し、フィル
ムを熱収縮させた。その結果、生肉に密着したフィルム
にしわはなく、内容物の異常変形も少なく比較的良好で
あった。
【0071】比較例1 合成例1で用いたアタクティックポリメチルメタクリレ
ートに代えてスチレン−メチルメタクリレートランダム
共重合体を用い、スチレン−メタアリルアルコールラン
ダム共重合体(ST−MAAL、メタアリルアルコール
含有率25モル%)を合成した。実施例1の場合のa−
PMAALを、かかるST−MAALに代えて実施例1
と同様にして、多層シート(アイオノマー樹脂層/接着
性樹脂層/ST−MAAL層/接着性樹脂層/アイオノ
マー樹脂層)を作製した。シートの構成は、両最外層の
アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル製「ハイ
ミラン1652」)層が各250μ、また接着性樹脂
(三井石油化学製「アドマーNF500」)層が各30
μ、さらに、ST−MAAL層が90μである。得られ
たシートをパンタグラフ式二軸延伸機にかけ、90℃で
4×4倍の延伸倍率において同時二軸延伸を行い、各層
の厚み構成が15/2/6/2/15μで、層厚みが4
0μのシュリンクフィルムを得た。得られた多層熱収縮
フィルムは、ムラ、偏肉が若干あるものの、外観、透明
性も比較的良好であった。このフィルムを使用してガス
透過性を測定した。その結果、350ml/ m2・da
y・atmであった。また、90℃の熱水中に1分間浸
漬したときの熱収縮性を測定した所、49%の面積収縮
率を示した。また、上記多層熱収縮フィルムを2枚に折
り畳み、2方向(両サイド)をヒートシールして袋を作
成し、加工肉を投入後、真空下で投入口をヒートシール
した。その後、該真空包装袋を85℃温水に5秒間浸漬
し、フィルムを熱収縮させた。その結果、生肉に密着し
たフィルムに微少なしわはあるものの、内容物の異常変
形も少なく比較的良好であった。
【0072】比較例2 実施例3の場合のi−PMAALをエチレン−ビニルア
ルコール共重合体(EVOH、エチレン含有率32モル
%、ケン化度99.8%、融点183℃)に代えた以外
は実施例1の場合と同様にして、多層シート(エチレン
−酢酸ビニル共重合体層/接着性樹脂層/EVOH層/
接着性樹脂層/エチレン−酢酸ビニル共重合体層)を作
製した。シートの構成は、両最外層のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体層(三井デュポンポリケミカル製「エバフ
レックスEV−340」)層が各250μ、また接着性
樹脂(三井石油化学製「アドマーVF600」)層が各
30μ、更に、EVOH層が90μである。得られたシ
ートをパンタグラフ式二軸延伸機にかけ、90℃で4×
4倍の延伸倍率において同時二軸延伸を行い、各層の厚
み構成が15/2/6/2/15μで、層厚みが40μ
のシュリンクフィルムを得た。しかし、得られた多層熱
収縮フィルムは、ムラ、偏肉が多く、良好フィルムは得
られなかった。このフィルムを使用してガス透過性を測
定した。その結果、3.5ml/ m2・day・atm
であった。また、90℃の熱水中に1分間浸漬したとき
の熱収縮性を測定した所、35%の面積収縮率を示し
た。また、上記多層熱収縮フィルムを2枚に折り畳み、
2方向(両サイド)をヒートシールして袋を作成し、加
工肉を投入後、真空下で投入口をヒートシールした。そ
の後、該真空包装袋を85℃温水に5秒間浸漬し、フィ
ルムを熱収縮させた。その結果、生肉に密着したフィル
ムに多数の大きなしわがあり、内容物の変形も大きかっ
た。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明のシュリンクフィルムは、加熱延
伸性、収縮性に優れ、かつガスバリヤー性に優れてい
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で示される繰り返し構成単位を
    30モル%以上含むアリルアルコール系重合体樹脂
    (A)の片面又は両面にポリオレフィン、ポリアミド、
    ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びポリ
    ウレタンの群より選択された少なくとも一種の熱可塑性
    樹脂(B)のフィルムを積層してなる20℃、65%R
    Hにおける酸素透過度が30ml/m2・day・at
    m以下の積層シュリンクフィルム。 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はアルキル基
    を表わす。)
  2. 【請求項2】 樹脂(A)の絶乾時のガラス転移点が4
    5〜95℃である請求項1に記載の積層シュリンクフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 樹脂(A)の20℃、85%RHにおい
    て状態調節したときのガラス転移点が20℃以上である
    請求項1または2に記載の積層シュリンクフィルム。
  4. 【請求項4】 樹脂(A)の20℃、65%RHにおけ
    る吸湿率が0.5〜15%である請求項1〜3のいずれ
    かに記載の積層シュリンクフィルム。
  5. 【請求項5】 樹脂(A)のメタクレゾール中30℃に
    おける固有粘度が0.1〜3dl/gである請求項1〜
    4のいずれかに記載の積層シュリンクフィルム。
  6. 【請求項6】 式(1)中のR1がメチル基であり、R2
    が水素原子である請求項1〜5のいずれかに記載の積層
    シュリンクフィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の積層シ
    ュリンクフィルムからなる包装容器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016104648A1 (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社クラレ ポリメタアリルアルコール樹脂組成物及びそれを用いた成形体
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