JPH10264318A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH10264318A
JPH10264318A JP7755097A JP7755097A JPH10264318A JP H10264318 A JPH10264318 A JP H10264318A JP 7755097 A JP7755097 A JP 7755097A JP 7755097 A JP7755097 A JP 7755097A JP H10264318 A JPH10264318 A JP H10264318A
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JP
Japan
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laminate
alcohol
group
film
hydrogen atom
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Application number
JP7755097A
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English (en)
Inventor
Yoshizo Dohata
佳三 道畑
Kaoru Ikeda
薫 池田
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性、保香性、および耐油、耐薬品
性能に優れた積層体を得ること。 【解決手段】 下記の式(1)で示される繰り返し構成
単位を30モル%以上含むアリルアルコール系樹脂の溶
液を基材に塗布し、皮膜を形成してなる積層体。 【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜2のアルキル
基、R2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を
それぞれ表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下記の式(1)で示さ
れる繰り返し構成単位を30モル%以上含むアリルアル
コール系樹脂溶液を塗布、乾燥して得られる、食品等の
包装容器や壁紙等に使用されるガスバリア性に優れた積
層体に関するものである。
【0002】
【化2】
【0003】(式中、R1は水素原子または炭素数1〜
2のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基をそれぞれ表す。)
【0004】
【従来の技術】内容物の酸化防止あるいは香りの保持が
必要とされる食品包装用のフィルム、シート、積層物、
中空容器等においては、高度のガスバリア−性が要求さ
れている。また軟質塩化ビニルからなる塩ビ壁紙、塩ビ
レザー、シート等では可塑剤のブリードを防止し、耐
油、耐薬品性能に優れた被覆材が要求されている。そこ
でガスバリア性、保香性、および耐油、耐薬品性能に優
れた樹脂の溶液を基材に塗布し、皮膜を形成することが
広く実施されているが、その性能は必ずしも充分なもの
ではない。
【0005】一方、ポリアリルアルコール、ポリメタア
リルアルコール等に代表されるアリルアルコール系樹脂
は、アリルアルコール類を繰り返し構成単位としたもの
であり、その重合体は古くから知られており、米国特許
第2455722号、同2467105号、同3285
897号、同3666740号(特公昭47−4030
8)、同4125694号、英国特許第854207号
等に示すような重合方法の出願がなされている。
【0006】このように、アリルアルコール類の重合体
については知られているものの、かかる重合体が、極め
て良好なガスバリア性を有することについての記載は全
く認められていない。また、高度なガスバリア性が要求
されるような用途について用いることについての記載も
認められていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガスバリア
性、保香性、および耐油、耐薬品性能に優れた積層体を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の式
(1)で示される繰り返し構成単位を30モル%以上含
むアリルアルコール系樹脂の溶液を基材に塗布し、皮膜
を形成してなる積層体を提供することによって達成され
る。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1は水素原子または炭素数1〜
2のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基をそれぞれ表す。)
【0011】このとき、アリルアルコール系樹脂のメタ
クレゾール中30℃における固有粘度が0.1〜3dl
/gであることが好適であり、式(1)中のR1がCH3
で、かつR2がHであることも好適である。また、積層
体の20℃、相対湿度100%における酸素透過度が3
0ml・20μm/m2・day・atm以下であるこ
とも好ましい。
【0012】さらに、基材がポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール系ポリマー及び
紙の群から選択された少なくとも1種のフィルムまたは
シートである積層体であることが好ましい。また、基材
がポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリス
チレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニ
ルアルコール系ポリマーの群から選択された少なくとも
1種の熱可塑性樹脂から成形された中空成形容器である
積層体であることも好ましい。
【0013】かかる積層体は、包装容器あるいは壁紙と
して好適に用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のアリルアルコール系樹脂
とは下記の式(1)で示される繰り返し単位を30モル
%以上含む樹脂からなるものである。
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R1は水素原子または炭素数1〜
2のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基をそれぞれ表す。)
【0017】R1は水素原子、メチル基、エチル基から
選ばれる置換基を意味し、これらのなかでも、ガスバリ
ア性の観点からメチル基が最適である。R2は水素原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基
から選ばれる置換基を意味し、これらの中でも、ガスバ
リア性の観点から水素原子あるいはメチル基が好まし
く、水素原子が最適である。
【0018】樹脂中の上記構造単位の含有量は30モル
%以上にする必要があり、45〜100モル%の範囲が
より好ましい。さらに好ましくは70〜100モル%で
あり80〜100モル%の範囲が最適である。上記構造
単位の含有量が前記範囲を下回るとガスバリア性に劣
る。また、R1および/またはR2が異なる上記構造単位
を2種類以上含有していても良い。この場合、樹脂中の
構造単位の含有量はその合計である。
【0019】上記構造単位以外の共重合成分としては、
性能に大きく悪影響を及ぼさない限り特に制限はない。
共重合成分の具体例としては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン等のオレフィン系単量体、ブタジエ
ン、イソプレン等のジエン系単量体、スチレン、α−メ
チルスチレン等の芳香属置換ビニル系単量体、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート等のアクリル系単量体、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル系単量体、塩化ビニル、
弗化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体、塩化ビニリ
デン、弗化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量
体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリ
ロニトリル系単量体、マレイイミド、N−メチルマレイ
イミド、マレイン酸ジメチル等のマレイン酸誘導体系単
量体等が挙げられる。
【0020】共重合成分を含む場合は、共重合の方法と
してはランダム共重合あるいは交互共重合のいずれでも
よいが、共重合成分量が多い場合(共重合成分量約30
モル%以上)は、ガスバリア性の点から交互共重合性が
高いことが好ましい。交互共重合性が高い場合、式
(1)で示される構造単位の含有量は45〜60モル%
の範囲が好ましい。
【0021】アリルアルコール系樹脂の固有粘度として
は、30℃、メタクレゾール中、オストワルド粘度計で
測定した値として、0.1〜3dl/gの範囲が好まし
く、0.2〜2dl/gの範囲がより好ましく、0.3
dl/g〜1.5dl/gの範囲が最も好ましい。固有
粘度が小さすぎる場合、十分な皮膜強度が得られない。
また、固有粘度が大きすぎるときは、溶液にした場合、
低濃度にしなければ溶液粘度が高くなり、一回の塗布で
得られる膜厚が薄くなり、作業性が悪化する。
【0022】本発明のガスバリア材に用いられる樹脂の
製造方法としては、特に限定されるものではなく、従来
の技術に挙げたような方法も含め各種の方法を採用する
ことができる。主な方法として、下記の製法が挙げられ
る。 第一の製法:下記の式(2)で示される単量体を重合
後、還元することにより製造される。
【0023】
【化5】
【0024】(式中、R1は水素原子、メチル基または
エチル基、Xはアルコキシル基、水酸基、ハロゲン原
子、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基または
イソプロピル基をそれぞれ表す。)
【0025】上記の単量体の具体例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、2−エチルアクリル酸等のアクリル
酸誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、2−エチルアク
リル酸メチル等のアクリル酸エステル誘導体;アクロレ
イン、メタクロレイン、2−エチルアクロレイン等のア
クロレイン誘導体;メチルビニルケトン、エチルビニル
ケトン、イソプロペニルメチルケトン、イソプロペニル
エチルケトン、イソプロペニルプロピルケトン、イソプ
ロペニルイソプロピルケトン等のビニルケトン誘導体が
挙げられる。
【0026】上記の単量体は、ラジカル重合、アニオン
重合等の公知の重合法によって重合できる。ラジカル重
合の開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−
2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始
剤;イソブチルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパー
オキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト等の過酸化物系開始剤が挙げられる。このときの重合
温度は特に制限なく、通常、室温〜100℃程度の温度
範囲で重合を行う。またアニオン重合の条件としては、
開始剤として、ブチルリチウム、水素化リチウムアルミ
ニウム、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネ
シウムクロライド、トリフェニルメチルカルシウムクロ
ライド等の塩基性のアルカリ金属あるいはアルカリ土類
金属誘導体を開始剤として用い、通常、テトラヒドロフ
ラン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等の非プロ
トン性溶媒を溶媒として用い、室温〜−100℃程度の
低温で重合を行う。
【0027】得られた重合体の還元法としては、水素化
リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素
化ホウ素リチウム、ジボラン等の金属水素化物を還元剤
として用いる方法、ルテニウム系、ロジウム系、ニッケ
ル系、パラジウム系、白金系等の遷移金属触媒により水
素添加を行う方法が挙げられる。還元反応溶媒として
は、重合体の溶解性および還元剤との反応性を考慮して
適宜選ばれる。その例としては、テトラヒドロフラン、
N−メチルモルホリン、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエ
タン、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げ
られる。還元反応温度としては、室温〜200℃の範囲
で通常選ばれ、50℃〜150℃の範囲が好適である。
【0028】第二の製法:下記の式(3)で示される構
造のアリルアルコール類の重合によって製造される。
【0029】
【化6】
【0030】(式中、R1は水素原子または炭素数1〜
2のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基をそれぞれ表す。)
【0031】上記第二のアリルアルコール類の重合法と
しては、特に制限はないが、例えば、米国特許3285
897、同3666740(特公昭47−4030
8)、英国特許854207等に記載されている。
【0032】第三の製法:下記の式(4)で示される構
造のアリルハライド誘導体の重合後、ハロゲン原子を水
酸基に化学的に変換することにより得られる。
【0033】
【化7】
【0034】(式中、R1は水素原子または炭素数1〜
2のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基、Xはハロゲン原子をそれぞれ表す。)
【0035】上記第三の製造法としては、例えば米国特
許4125694号に記載されている。
【0036】アリルアルコール系樹脂の溶液を調整する
ための溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等
の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレング
リコール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アル
コール、フェノール、クレゾール等のフェノール類、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、ピリジン等の
アミン類、蟻酸、酢酸等の1価カルボン酸、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N−メチルピロリドン等、あるいはこれ
らの含水物等が単独あるいは2種以上混合されて使用で
きる。特に好ましい溶剤は一価アルコール、例えばエチ
ルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコ−ル等である。
【0037】アリルアルコール系樹脂溶液中には、可塑
剤(多価アルコール等)、フィラー、補強材(ガラス繊
維等)、着色材、偏光素子、紫外線吸収剤、界面活性
剤、改質用樹脂、ホウ酸またはホウ砂等を添加してもよ
い。
【0038】また該溶液中には、粘度を低下させる目的
で水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどのアルカリ金
属化合物、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウムなどのアル
カリ土類金属化合物、その他の電解質を0.01〜0.
5重量%(対ポリマー)配合してもよい。
【0039】該溶液を基材表面に塗布する方法として
は、キャスティングヘッドからの吐出、ロールコート、
エアナイフコート、グラビアロールコート、ドクターロ
ールコート、ドクターナイフコート、カーテンフローコ
ート、スプレー、ワイヤーバー、ロッドコート、浸漬、
刷毛塗りなど任意の手段が例示される。このように塗布
された基材を乾燥・熱処理する方法としては乾熱処理
法、たとえば赤外線照射法、熱風乾燥法などが例示され
る。これらの赤外線照射、熱風乾燥などはそれぞれ単独
で使用してもよいし、また併用することもできる。また
乾燥・熱処理の温度は30〜180℃であることが好ま
しく、下限値については50℃以上が好ましく、最適に
は80℃以上である。また乾燥・熱処理の時間は5秒〜
10分が好ましく、さらに好適には1分〜5分である。
乾燥・熱処理中は条件、たとえば温度を増減させるこ
と、たとえば最初は低温で処理し、徐々に温度を上昇さ
せることなどは自由である。このような乾燥・熱処理を
施すことにより特に低湿度ガスバリヤー性の優れた皮膜
が基材表面に形成される。
【0040】基材表面にはアンカーコート用接着剤を予
め塗布乾燥することは好ましい。アンカーコート用接着
剤としては層間接着力が充分であれば特に限定されるも
のではない。例えばポリウレタン系、ポリエステル系の
アンカーコート用接着剤が挙げられる。また、基材表面
にコロナ放電処理、スパッタリング処理、高周波処理、
火災処理、クロム酸処理、溶剤エッチング処理や、これ
らを組み合わせた表面処理などを施しても構わない。
【0041】基材としては、ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール系ポリマー及び
紙の群から選択された少なくとも1種のフィルムまたは
シートが好適なものとして挙げられる。
【0042】これらの基材のうち、熱可塑性樹脂のフィ
ルムまたはシートが好適なものとして挙げられ、なかで
も二軸延伸フィルムが特に好適である。かかる二軸延伸
フィルムの例としては、プロピレンのホモポリマーを主
成分とする二軸延伸フィルム、ポリε−カプロラクタム
やポリヘキサメチレンアジパミド等のホモポリマーおよ
びそれらにヘキサメチレンジアミンやメタキシリレンジ
アミンなどのジアミン成分あるいはアジピン酸などのジ
カルボン酸成分を共重合して得られる共重合体からなる
ポリアミド系二軸延伸フィルム、エチレングリコールと
テレフタル酸やナフタレンジカルボン酸を主原料として
得られるポリエステルを主成分とする二軸延伸フィル
ム、ポリ塩化ビニルを主成分とする二軸延伸フィルム、
塩化ビニリデンを主原料とし、塩化ビニル、アクリロニ
トリル、(メタ)アクリル酸エステル等を共重合させた
ポリ塩化ビニリデン系樹脂よりなる二軸延伸フィルム、
スチレンのホモポリマーあるいはスチレンを主原料とし
ブタジエン、アクリロニトリル等を共重合させたポリス
チレン系樹脂の二軸延伸フィルム、圧延または二軸延伸
高密度ポリエチレンフィルム等が挙げられる。
【0043】また、基材がポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リ塩化ビニル、ポリビニルアルコール系ポリマーの群か
ら選択された少なくとも1種の熱可塑性樹脂から成形さ
れた中空成形容器であることも好ましい。かかる中空成
形体としては、シート、カップ、ボトルなどの各種成形
品を挙げることができる。
【0044】さらに、繊維集合体(紙、不織布、織布、
ファイブラスケーシングなど)、無機物(セメントな
ど)、金属、ポリ塩化ビニル樹脂製壁紙用シート、写真
印画紙なども基材として用いることができる。特に、ポ
リ塩化ビニル樹脂製壁紙用シートを基材とするのは、本
発明の積層体が耐油、耐薬品性に優れているので好まし
い。
【0045】また該溶液を、塗布、乾燥・熱処理したあ
との皮膜の厚さは0.5〜15μmであることが好まし
く、さらに好適には1〜10μm、最適には2〜6μm
である。
【0046】さらに、上記方法で得られた積層体には、
他の層を従来公知の方法で積層しさらに多層にすること
ができる。これらの方法として例えば、押出ラミネーシ
ョン法、ドライミネーション法等が挙げられる。
【0047】また、これらの積層化にあたり層間には接
着性樹脂の層をはさんで積層する通常の方法が採用され
る。接着性樹脂としては、実用段階でデラミネーション
を起こさないものであればよく、特に限定はされない
が、例えば不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフ
ィン系重合体(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン等のポリオレフィン、オレフィンを主体とす
る共重合体)に化学的に(例えば付加反応、グラフト反
応)結合させて得られる、カルボキシル基を含有する変
性オレフィン系重合体が挙げられる。具体的には無水マ
レイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グ
ラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変
性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイ
ン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体から選
ばれた1種または2種の混合物が挙げられる。
【0048】また、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレートなどのグリシジル基を有する重合性不
飽和化合物、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン基を有する重合性不飽和化合物など、グリシジル基、
アルコキシシラン基などの変性オレフィン系重合体が挙
げられる。これらの官能基は複数組み合わせてもよい。
具体的にはグリシジル変性ポリエチレン、グリシジル変
性ポリプロピレン、グリシジル変性エチレン−アクリル
酸エチル共重合体、グリシジル変性エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、アルコキシシラン変性ポリエチレン、アル
コキシシラン変性ポリプロピレン、アルコキシシラン変
性エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれた1種また
は2種の混合物が挙げられる。その他、多価カルボン
酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸を構成成分
としたポリエステル系樹脂も接着性樹脂として挙げられ
る。
【0049】本発明の積層体は、20℃、相対湿度10
0%における酸素透過度が30ml・20μm/m2
day・atm以下であることが本発明の目的を達成す
る上で好ましい。酸素透過度はより好ましくは20ml
・20μm/m2・day・atm以下であり、さらに
好ましくは10ml・20μm/m2・day・atm
以下であり、最適には5ml・20μm/m2・day
・atm以下である。30ml・20μm/m2・da
y・atmより大きい時には、高度なガスバリア性能、
特に高湿度下における高度なガスバリア性能を要求され
るガスバリア用積層体としてとしての使用に耐えない場
合がある。
【0050】こうして得られた積層体は、その優れたガ
スバリア性、保香性、および耐油、耐薬品性等を活かし
て、各種の用途に用いることができる。なかでも、包装
容器(袋、カップ、チューブ、トレー、ボトル等)とし
て用いることはそのガスバリア性、保香性等に優れてい
る点から好ましい。特に、一般食品包装用、医薬品包装
用、レトルト食品包装用として極めて好適である。ま
た、耐油、耐薬品性等に優れていることから、壁紙とし
て用いることも好ましい。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれによってなんら制限を受けるものではない。
【0052】合成例 ポリメタアリルアルコールの合成 冷却器付き反応容器に水素化リチウムアルミニウム25
0重量部を仕込み、窒素置換し、N−メチルモルホリン
3000部を添加した後、130℃に加熱し還流させ
た。これにポリメチルメタクリレート600重量部とN
−メチルモルホリン6000部からなる溶液を添加し、
滴下終了後さらに4時間還流させた。この後、酢酸エチ
ル1000重量部を滴下して未反応の水素化物を失活さ
せ、さらに50%リン酸水溶液5000重量部を滴下し
た。冷却後、遠心分離により上澄みと固形分に分離し
た。得られた上澄みには蒸留水に加えポリマー(その
1)を析出させた。また、得られた固形分には1000
0部のエタノールを加え、60℃、1時間加熱溶解して
からグラスフィルターで濾過し、得られた濾液をエバポ
レーターにより濃縮した後、蒸留水に加えポリマー(そ
の2)を析出させた。析出によって得られたポリマー
(その1およびその2)を合わせて、100℃の蒸留水
により煮沸することにより十分洗浄した後、真空乾燥し
てポリメタアリルアルコール380重量部を得た。
【0053】得られたポリメタアリルアルコールの30
℃、メタクレゾール中でオストワルド粘度計を用い測定
した固有粘度は0.77dl/gであった。また、真空
乾燥したポリメタアリルアルコールを走査型示差熱分析
計(DSC)で、窒素気流下、溶融急冷してから10℃
/分の昇温速度で測定したところ、ガラス転移温度は7
5℃であり、結晶融解ピークは存在しなかった。
【0054】実施例1 合成例で得たポリメタアリルアルコール10部をエチル
アルコール90部に70℃で加熱攪拌溶解し、溶液を得
た。この溶液を基材として二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム(膜厚20μm、東京セロハン紙(株))のプライ
マー処理面にウレタン系アンカーコート剤(東洋モート
ン(株)AD335A/CAT10)を塗布したものを
使用しグラビアコート法により塗布して110℃、5分
間乾燥・熱処理し多層フィルムを得た(ポリメタアリル
アルコール層厚み2μm)。続いて該多層フィルムの酸
素バリアー性(Modern Control社のOX
−TRAN 10/50A使用、測定条件は20℃、1
00%RH)を測定したところ0.4ml/m2・da
y・atmで、食品等の包装材料用の積層体としてきわ
めて良好なバリアー性を示した。
【0055】また、該コートフィルムを20℃、10日
間ベンゼン及びエチルメチルケトンに浸漬しても、とも
に外観の変化はなく、耐油、耐薬品性等に優れた壁紙用
の積層体として良好な性能を示した。
【0056】実施例2 実施例1で得たコートフィルムのポリメタアリルアルコ
ール側表面に、接着する面をコロナ処理した厚さ50μ
mの低密度ポリエチレンフィルムをウレタン系接着剤を
介してラミネートすることにより、低密度ポリエチレン
/コートフィルム=50μm/22μm構成のフィルム
を得た。それぞれの10cm角のフィルム2枚にケチャ
ップ20gを窒素ボックス内でヒートシール封入し、4
0℃、相対湿度90%RHで90日間保存試験を実施し
た結果、ケチャップに変色は認められなかった。
【0057】比較例1 実施例2で、ポリメタアリルアルコールコート二軸延伸
ポリプロピレンフィルムを使用する代わりに、コートし
ていない二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する以
外は実施例2と同様に保存試験を行った結果、ケチャッ
プは黒色に変色した。
【0058】実施例3 実施例2の構成で内容物をバニラエッセンス1gに換
え、20℃、相対湿度65%RHにおいて90日間保存
試験を実施した結果、フィルムの外側にバニラエッセン
スのにおいはしなかった。
【0059】比較例2 内容物をバニラエッセンスにすること以外は比較例1と
同様にし、実施例3と同様に保存試験を行った結果フィ
ルム外にバニラエッセンスのにおいがした。
【0060】実施例4 合成例で得たポリメタアリルアルコール10部をエチル
アルコール90部に70℃で加熱攪拌溶解し、溶液を得
た。この溶液を既知の方法で製造されたポリエチレンテ
レフタレートの射出延伸ブローボトルに、スプレーコー
ト法により塗布して50℃、10分間乾燥・熱処理し多
層ボトルを得た(ポリメタアリルアルコール層厚み3μ
m)。この多層ボトルにケチャップ20gを窒素ボック
ス内でボトルに充填し、40℃、相対湿度90%RHで
90日間保存試験を実施した結果、ケチャップに変色は
認められなかった。
【0061】比較例3 実施例4でポリメタアリルアルコール多層ボトルの代わ
りに、コートしていないポリエチレンテレフタレート射
出延伸ボトルを使用すること以外は実施例4と同様に
し、実施例4と同様に保存試験を行った結果、ケチャッ
プは黒色に変色した。
【0062】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、きわめて優れたガスバリア性、保香性および耐油・
耐薬品性を示し各種包装容器用、壁紙用などとして有用
な積層体が得られる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1)で示される繰り返し構成
    単位を30モル%以上含むアリルアルコール系樹脂の溶
    液を基材に塗布し、皮膜を形成してなる積層体。 【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜2のアルキル
    基、R2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を
    それぞれ表す。)
  2. 【請求項2】 アリルアルコール系樹脂のメタクレゾー
    ル中30℃における固有粘度が0.1〜3dl/gであ
    る請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】 式(1)中のR1がCH3で、かつR2
    Hである請求項1または2に記載のガスバリア材。
  4. 【請求項4】 20℃、相対湿度100%における酸素
    透過度が30ml・20μm/m2・day・atm以
    下である請求項1ないし3のいずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】 基材がポリオレフィン、ポリエステル、
    ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩
    化ビニル、ポリビニルアルコール系ポリマー及び紙の群
    から選択された少なくとも1種のフィルムまたはシート
    である請求項1ないし4のいずれかに記載の積層体。
  6. 【請求項6】 基材がポリオレフィン、ポリエステル、
    ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩
    化ビニル、ポリビニルアルコール系ポリマーの群から選
    択された少なくとも1種の熱可塑性樹脂から成形された
    中空成形容器である請求項1ないし4のいずれかに記載
    の積層体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の積
    層体からなる包装容器。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載の積
    層体からなる壁紙。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6096393A (en) * 1996-10-15 2000-08-01 Kuraray Co., Ltd. Polyallyl alcohol gas barrier material
WO2016104650A1 (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社クラレ ポリメタアリルアルコール系共重合体及びそれを用いた成形体、並びにポリメタアリルアルコール系共重合体の製造方法
JP2018001461A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 株式会社クラレ 多層構造体及び熱成形容器
CN110799600A (zh) * 2017-07-25 2020-02-14 昭和电工株式会社 阻气性树脂组合物及其用途

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